(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アセトフェノン系化合物は、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンからなる群より選択された1種以上である、請求項9に記載の青色感光性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の青色感光性樹脂組成物は、散乱粒子、化学式1で表されるチオール化合物、青色着色剤、バインダー樹脂としてカルド系バインダー樹脂、光重合性化合物、光開始剤、および溶剤を含むことができ、特に化学式1で表されるチオール化合物を含むことにより、硬化膜に形成時、耐溶剤性、密着性およびパターン形成性(微細パターン形成性)に優れたカラーフィルタの製造が可能であり、特に自発光カラーフィルタの実現が可能である。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
散乱粒子
【0014】
本発明の散乱粒子は、平均粒径が10〜1000nmの平均粒径を有する金属酸化物であってもよいし、平均粒径が30〜300nmの範囲の場合、より好ましい。散乱粒子の平均粒径が前記範囲を満足する場合、量子ドットから放出された光の十分な散乱効果を期待することができ、前記散乱粒子が青色感光性組成物内で沈降したり均一でない自発光層表面が生じる問題が発生する可能性が低くなる。前記金属酸化物は、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Mo、Cs、Ba、La、Hf、W、Tl、Pb、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Sb、Sn、Zr、Nb、Ce、Ta、In、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1種の金属を含む酸化物であってもよい。より具体的には、Al
2O
3、SiO
2、ZnO、ZrO
2、BaTiO
3、TiO
2、Ta
2O
5、Ti
3O
5、ITO、IZO、ATO、ZnO−Al、Nb
2O
3、SnO、MgO、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1種以上であってもよい。必要な場合、アクリレートなどの不飽和結合を有する化合物で表面処理された材質も使用可能である。
前記散乱粒子は、カラーフィルタの発光強度を十分に向上させられるように、平均粒径および全体組成物内の含有量を必要に応じて適宜調節可能である。
前記散乱粒子は、カラーフィルタの発光強度を十分に向上させられるように、平均粒径および全体組成物内の含有量を必要に応じて適宜調節可能である。
【0015】
前記散乱粒子は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して0.1〜50重量%含まれてもよいし、好ましくは5〜30重量%含まれてもよい。散乱粒子の含有量が前記範囲を満足する場合、所望の発光強度を達成しながらも、青色感光性樹脂組成物の安定性低下の問題が発生する可能性を低下させることができる。
化学式1で表されるチオール化合物
【0016】
本発明に含まれる化学式1で表されるチオール化合物は、青色感光性樹脂組成物で形成したパターン特性を優れたものにし、耐久性および信頼性を高める役割を果たす。
【0018】
(化学式1において、Z
1は、メチレン基、または炭素数2〜10の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基またはアルキルメチレン基であり、Yは、単結合、−CO−、−O−CO−、または−NHCO−であり、nが3〜10の整数であり、Xが1個または複数のエーテル結合を有してもよい炭素数2〜70のn価の炭化水素基であるか、またはnが3であり、Xが下記化学式2で表される3価の基である)
【0019】
【化2】
(化学式2において、Z
2、Z
3およびZ
4は、互いに独立に、メチレン基、または炭素数2〜6のアルキレン基であり、「*」は、結合手を示す)。
nは、好ましくは4以上であるか、または4〜10の整数であることが好ましく、4、6または8であることがより好ましい。
nが3の場合のXとしては、例えば、下記化学式5で表される3価の基が挙げられ、
nが4、6または8の場合のXとしては、例えば、下記化学式6で表される4、6または8価の基などをそれぞれ好ましいものとして挙げることができる。
【0020】
【化3】
(化学式3において、「*」は、結合手を示す)、
【0021】
【化4】
(化学式4において、mは、0〜2の整数であり、「*」は、結合手を示す)。
【0022】
前記化学式1で表されるチオール化合物は、化学式5〜化学式12で表される化合物からなる群より選択された1種以上を含むことができ、好ましくは、化学式5で表される化合物、化学式9で表される化合物を含むことができる。
【0031】
本発明の青色感光性樹脂組成物に化学式1で表されるチオール化合物を含むことにより、前記青色感光性樹脂組成物は、硬化膜に形成時、優れた耐溶剤性、密着性およびパターン形成性(微細パターン形成性)に優れたカラーフィルタ、特に自発光カラーフィルタの実現が可能である。
前記化学式1で表されるチオール化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記チオール化合物は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.08〜3重量%含まれてもよい。
前記チオール化合物の含有量が前記範囲を満足する場合、青色感光性樹脂組成物の安定性、匂い、感度、解像性、現像性、密着性の面で有利である。
青色着色剤
【0032】
本発明の青色着色剤において、青色顔料としては、具体的には、色指数(The society of Dyers and Colourists出版)においてピグメントに分類されている化合物が挙げられ、より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。青色顔料は、具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、15:6、16、21、28、および76などが挙げられ、C.I.ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
【0033】
本発明の青色着色剤は、青色染料をさらに含んでもよいし、青色染料としては、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)内にて染料に分類されている化合物または染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
前記追加的に使用可能な染料を具体的に挙げると、
C.I.ソルベント染料として、
【0034】
C.I.ソルベントブルー5、35、36、37、44、45、59、67および70などが挙げられ、C.I.ソルベントブルー35、36、44、45および70のうちの1種以上を含むことがより好ましい。
また、C.I.アシッド染料として、
【0035】
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335および340などが挙げられ、なかでも、C.I.アシッドブルー80および90のうちの1種以上を含むことがより好ましい。
さらに、C.I.ダイレクト染料として、
【0036】
C.I.ダイレクトブルー38、44、57、70、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275および293などが挙げられる。
【0037】
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83および84などが挙げられる。
前記青色染料は、それぞれ単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
本発明の青色着色剤は、追加の着色剤として、紫色着色剤をさらに含んでもよい。紫色着色剤は、紫色顔料および紫色染料のうちの1つ以上を含むことができ、前記紫色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントバイオレット1、14、19、23、29、32、33、36、37および38などが挙げられ、なかでも、C.I.ピグメントバイオレット23を含むことがより好ましい。
【0039】
紫色染料は、具体的には、C.I.ソルベントバイオレット、C.I.アシッドバイオレット、C.I.アシッドバイオレット、C.I.モーダントバイオレットなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
具体的には、前記C.I.ソルベントバイオレットは、C.I.ソルベントバイオレット8、9、13、14、36、37、47および49などが挙げられ、C.I.ソルベントバイオレット13を含むことがより好ましい。C.I.アシッドバイオレットとしては、C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19および66などが挙げられ、C.I.アシッドバイオレット66を含むことがより好ましい。C.I.ダイレクトバイオレットとしては、C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103および104などが挙げられる。
【0041】
また、C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53および58などが挙げられる。
【0042】
前記青色着色剤は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して0.1〜50重量%含まれてもよいし、好ましくは0.5〜30重量%使用することができる。青色感光性樹脂組成物100重量%を基準として0.1〜50重量%含まれてもよいし、好ましくは0.5〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
【0043】
前記青色着色剤の含有量が前記範囲を満足する場合、外光反射抑制効果の達成に有利であり、発光強度低下の問題、または青色感光性樹脂組成物の粘度安定性低下の問題が発生する可能性が少ないので、有利である。
【0044】
本発明では、青色量子ドットを含まないにもかかわらず、青色着色剤および散乱粒子を含むことにより、カラーフィルタ、特に自発光カラーフィルタの青色画素の効率の低下を防止することができる。
バインダー樹脂
【0045】
本発明のバインダー樹脂は、カルド系バインダー樹脂を含む。前記カルド系バインダー樹脂は、光や熱の作用による反応性およびアルカリ溶解性を有し、着色材料の分散媒として作用する。本発明の青色感光性樹脂組成物に含有されるカルド系バインダー樹脂は、散乱粒子に対する結合剤樹脂として作用し、カラーフィルタの製造のための現像段階で使用されたアルカリ性現像液に溶解可能な樹脂であれば限定されない。
本発明のカルド系バインダー樹脂は、化学式13−1および化学式13−2で表される化合物のうちの1つ以上を含むものであってもよい。
【0047】
【化13-2】
前記化学式13−1および13−2中において、
R
1、R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立に、
であり;
Xは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または水酸基であり、R
5は、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基である。
【0048】
本発明において、前記化学式13−1で表される化合物は、下記化学式14−1で表される化合物で合成され、化学式13−2で表される化合物は、化学式14−2で表される化合物を用いて合成されてもよい。
【0051】
化学式13−1で表される化合物は、化学式15または化学式16で表される化合物のうちのいずれか1つ以上であり、化学式13−2で表される化合物は、化学式17または化学式18で表される化合物のうちのいずれか1つ以上であってもよい。
【0056】
前記カルド系バインダー樹脂は、9,9−ビス(3−シンナミックジエステル)フルオレン(9,9−bis(3−cinnamic diester)fluorene)、9,9−ビス(3−シンナモイル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−bis(3−cinnamoyl−4−hydroxyphenyl)fluorene)、9,9−ビス(グリシジルメタクリレートエーテル)フルオレン(9,9−bis(glycidyl methacrylate ether)fluorene)、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレンジシンナミックエステル(9,9−bis(3,4−dihydroxyphenyl)fluorene dicinnamic ester)、3,6−ジグリシジルメタクリレートエーテルスピロ(フルオレン−9,9−キサンテン)(3,6−diglycidyl methacrylate ether spiro(fluorene−9,9−xantene))、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルフルオレン)(9,9−bis(3−allyl−4−hydroxyphenlyl)fluorene)、9,9−ビス(4−アリロキシフェニル)フルオレン(9,9−bis(4−allyloxyphenyl)fluorene)、および9,9−ビス(3,4−メタクリリックジエステル)フルオレン(9,9−bis(3,4−methacrylic diester)fluorene)からなる群より選択された少なくとも1種と、酸無水化合物として、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチレンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸からなる群、または酸2無水物として、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸2無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物からなる群より選択された少なくとも1種と反応をさせて製造することができるが、これに限らない。
【0057】
本発明は、バインダー樹脂として、前記カルド系樹脂と共に、アクリル系アルカリ可溶性樹脂が併用される。すなわち、本発明において、前記青色感光性樹脂組成物は、前記カルド系樹脂にアクリル系アルカリ可溶性樹脂をさらに含んでもよい。
【0058】
アクリル系アルカリ可溶性樹脂は、例えば、カルボキシル基含有単量体、およびこの単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。カルボキシル基含有単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの分子中に1個以上のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、ケイ皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、酸無水物でもよいし、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルでもよいし、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートでもよいし、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;メチル アクリレート、メチル メタクリレート、エチル アクリレート、エチル メタクリレート、n−プロピル アクリレート、n−プロピル メタクリレート、i−プロピル アクリレート、i−プロピル メタクリレート、n−ブチル アクリレート、n−ブチル メタクリレート、i−ブチル アクリレート、i−ブチル メタクリレート、sec−ブチル アクリレート、sec−ブチル メタクリレート、t−ブチル アクリレート、t−ブチル メタクリレート、2−ヒドロキシエチル アクリレート、2−ヒドロキシエチル メタクリレート、2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−ヒドロキシプロピル メタクリレート、3−ヒドロキシプロピル アクリレート、3−ヒドロキシプロピル メタクリレート、2−ヒドロキシブチル アクリレート、2−ヒドロキシブチル メタクリレート、3−ヒドロキシブチル アクリレート、3−ヒドロキシブチル メタクリレート、4−ヒドロキシブチル アクリレート、4−ヒドロキシブチル メタクリレート、アリル アクリレート、アリル メタクリレート、ベンジル アクリレート、ベンジル メタクリレート、シクロヘキシル アクリレート、シクロヘキシル メタクリレート、フェニル アクリレート、フェニル メタクリレート、2−メトキシエチル アクリレート、2−メトキシエチル メタクリレート、2−フェノキシエチル アクリレート、2−フェノキシエチル メタクリレート、メトキシジエチレングリコール アクリレート、メトキシジエチレングリコール メタクリレート、メトキシトリエチレングリコール アクリレート、メトキシトリエチレングリコール メタクリレート、メトキシプロピレングリコール アクリレート、メトキシプロピレングリコール メタクリレート、メトキシジプロピレングリコール アクリレート、メトキシジプロピレングリコール メタクリレート、イソボルニル アクリレート、イソボルニル メタクリレート、ジシクロペンタジエニル アクリレート、ジシクロペンタジエチル メタクリレート、アダマンチル(メタ) アクリレート、ノルボルニル(メタ) アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル メタクリレート、グリセロールモノ アクリレート、グリセロールモノ メタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチル アクリレート、2−アミノエチル メタクリレート、2−ジメチルアミノエチル アクリレート、2−ジメチルアミノエチル メタクリレート、2−アミノプロピル アクリレート、2−アミノプロピル メタクリレート、2−ジメチルアミノプロピル アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル メタクリレート、3−アミノプロピル アクリレート、3−アミノプロピル メタクリレート、3−ジメチルアミノプロピル アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル メタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジル アクリレート、グリシジル メタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;マレイミド、ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;およびポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。特に、前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体として、ノルボルニル骨格を有する単量体、アダマンタン骨格を有する単量体、ロジン骨格を有する単量体などのバルキー性単量体が比誘電定数値を低下させる傾向があるので、好ましい。
【0059】
本発明のカルド系バインダー樹脂および/またはアクリル系アルカリ可溶性樹脂としては、酸価が20〜200(KOHmg/g)の範囲が好ましい。酸価が前記範囲にあれば、現像液中の溶解性が向上して、非−露出部が溶解しやすく感度が増加して、結果的に、露出部のパターンが現像時に残って残膜率(film remaining ratio)を改善するので、好ましい。ここで、酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求められる。また、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフランを溶出溶剤とする)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)である2,000〜200,000、好ましくは3,000〜100,000のカルド系バインダー樹脂および/またはアクリル系アルカリ可溶性樹脂が好ましい。分子量が前記範囲にあれば、コーティングフィルムの硬度が向上して、残膜率が高く、現像液中の非−露出部の溶解性が卓越し、解像度が向上する傾向があるので、好ましい。
【0060】
カルド系バインダー樹脂および/またはアクリル系アルカリ可溶性樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.0〜6.0のものが好ましく、1.5〜6.0のものがより好ましい。分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が1.5〜6.0であれば、現像性に優れるので、好ましい。
【0061】
本発明のバインダー樹脂は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して5〜85重量%、好ましくは5〜60重量%含まれてもよい。バインダー樹脂の含有量が前記範囲で使用される場合、現像液への溶解性が十分で非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、現像時に露光部の画素部分の膜減少が生じにくくて、非画素部分の欠落性が良好な傾向があるので、好ましい。
光重合性化合物
【0062】
本発明の青色感光性樹脂組成物に含有される光重合性化合物は、光および後述する光重合開始剤の作用で重合できる化合物であって、単官能単量体、2官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられる。単官能単量体の具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチル アクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能単量体の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その他の多官能単量体の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち2官能以上の多官能単量体が好ましく使用される。
【0063】
前記光重合性化合物は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して5〜50重量%含まれてもよく、好ましくは5〜30重量%含まれてもよい。前記光重合性化合物の含有量が前記範囲を満足する場合、画素部の強度や平滑性が良好になる傾向があるので、好ましい。
光開始剤
【0064】
本発明で使用される光重合開始剤は、感光性樹脂組成物の感度を向上させて生産性を高める役割をし、アセトフェノン系化合物を含むことが好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンなどが挙げられ、好ましくは、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。また、前記アセトフェノン系以外の光重合開始剤を組み合わせて使用することができる。アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射することにより活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤、酸発生剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン,2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記活性ラジカル発生剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,2,−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを使用することができる。前記酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。また、活性ラジカル発生剤として、前記化合物中には活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0065】
本発明に係る青色感光性樹脂組成物に使用される前記光重合開始剤は、青色感光性樹脂中の固形分総重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜20重量%含まれてもよい。前記範囲にあれば、着色感光性樹脂組成物が高感度化され、この組成物を用いて形成した画素部の強度や、この画素部の表面での平滑性が良好になる傾向があるので、好ましい。
【0066】
さらに、本発明では、光重合開始助剤を使用することができる。光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて使用される場合があり、光重合開始剤によって重合開始された光重合性化合物の重合を促進させるために使用される化合物である。光重合開始助剤としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
【0067】
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズフェノン(通称、ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、なかでも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。このような光重合開始剤(D)は、単独でまたは複数を組み合わせて使用しても支障がない。また、光重合開始助剤として市販のものを使用することができ、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」[製造元:保土谷化学工業株式会社]などが挙げられる。
【0068】
これらの光重合開始助剤を使用する場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり、通常、10モル以下、好ましくは0.01〜5モルが好ましい。前記範囲にあれば、着色感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、この組成物を用いて形成されるカラーフィルタの生産性が向上する傾向があるので、好ましい。
溶剤
【0069】
本発明の青色感光性樹脂組成物に含有される溶剤は特に限定されず、青色感光性樹脂組成物の分野で使用されている各種有機溶剤を使用することができる。その具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチル アセテート、およびメトキシペンチル アセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。前記溶剤のうち、塗布性、乾燥性の面から、好ましくは、前記溶剤のうち沸点が100℃〜200℃の有機溶剤が挙げられ、より好ましくは、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルや、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられ、さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上混合して使用することができる。
【0070】
本発明の青色感光性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、青色感光性樹脂組成物100重量%を基準として50〜90質量%、好ましくは55〜85質量%含まれてもよい。溶剤の含有量が前記基準で50〜90質量%の範囲であれば、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいうことがある)、インクジェットなどの塗布装置で塗布した時、塗布性が良好になる傾向があるので、好ましい。
添加剤
【0071】
本発明に係る青色感光性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、顔料分散剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤を追加的に含んでもよい。
前記充填剤の具体例は、ガラス、シリカ、アルミナなどが例示される。
【0072】
前記他の高分子化合物としては、具体的には、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0073】
前記顔料分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用可能である。
【0074】
前記界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルジエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類などがあり、その他、商品名として、KP(信越化学工業(株)製造)、ポリフロー(POLYFLOW)(共栄社化学(株)製造)、エフトップ(EFTOP)(登録商標)(トーケムプロダクツ社製造)、メガファック(MEGAFAC)(登録商標)(大日本インキ化学工業(株)製造)、フロラード(Flourad)(住友スリーエム(株)製造)、アサヒガード(Asahi guard)(登録商標)、サーフロン(Surflon)(登録商標)(以上、旭硝子(株)製造)、ソルスパース(SOLSPERSE)(登録商標)(ゼネカ(株)製造)、EFKA(EFKAケミカル社製造)、PB821(味の素(株)製造)などが挙げられる。
【0075】
前記密着促進剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0076】
酸化防止剤としては、具体的には、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
【0077】
前記紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記凝集防止剤としては、具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0078】
前記添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で当業者が適宜追加して使用可能である。例えば、前記添加剤は、前記青色感光性樹脂組成物全体100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0079】
本発明に係る青色感光性樹脂組成物は、例えば、以下の方法によって製造される。散乱粒子を予め溶剤と混合して平均粒径が10〜1000nmになるまでビーズミルなどを用いて分散させる。この時、必要に応じて、分散剤を追加的に使用してもよく、バインダー樹脂(カルド系樹脂、またはカルド系樹脂およびアクリル系アルカリ可溶性樹脂との混合物)の一部または全部が配合されてもよい。得られた分散液(以下、ミルベースということもある)にバインダー樹脂(カルド系樹脂、またはカルド系樹脂およびアクリル系アルカリ可溶性樹脂との混合物)の残り、化学式1のチオール化合物、青色着色剤、光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じて使用されるその他の成分と、必要に応じて追加の溶剤を所定の濃度となるようにさらに添加して、目的の青色感光性樹脂組成物を得ることができる。
<カラーフィルタおよび画像表示装置>
本発明の他の態様は、前述した青色パターン層形成用青色感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルタに関する。
【0080】
本発明に係るカラーフィルタは、青色量子ドットの代わりに、前述した青色パターン層形成用青色感光性樹脂組成物で製造されるため、製造コストを低減できるという利点がある。また、本発明の青色感光性樹脂組成物に化学式1で表されるチオール化合物を含むことにより、前記青色感光性樹脂組成物は、硬化膜に形成時、耐溶剤性、密着性およびパターン形成性(微細パターン形成性)に優れたカラーフィルタおよび自発光カラーフィルタの実現が可能である。
前記カラーフィルタは、基板と、前記基板の上部に形成された青色パターン層とを含む。
【0081】
前記基板は、前記カラーフィルタ自体基板でもよいし、またはディスプレイ装置などにカラーフィルタが位置する部位でもよいもので、特に限らない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)、または高分子基板であってもよいし、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)またはポリカーボネート(polycarbonate、PC)などであってもよい。
【0082】
前記青色パターン層は、本発明の青色感光性樹脂組成物を含む層で、前記青色パターン層形成用青色感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンに露光、現像および熱硬化して形成された層であってもよいし、前記パターン層は、当業界で通常知られた方法を行うことにより形成可能である。
本発明のさらに他の実施形態において、前記カラーフィルタは、赤色パターン層および緑色パターン層からなる群より選択される1種以上をさらに含んでもよい。
【0083】
本発明のさらに他の実施形態において、前記赤色パターン層または緑色パターン層は、量子ドットおよび/または散乱粒子を含むことができる。具体的には、本発明に係るカラーフィルタは、赤量子ドットを含む赤色パターン層または緑量子ドットを含む緑色パターン層を含むことができ、前記赤色パターン層または緑色パターン層は、散乱粒子を含むことができる。前記赤色パターン層または緑色パターン層は、後述する青色光を放出する光源によってそれぞれ赤色光または青色光を放出することができる。
【0084】
本発明のさらに他の実施形態において、前記赤色パターン層または緑色パターン層に含まれる散乱粒子は、平均粒径が10〜1000nmの金属酸化物を含むことができ、前記散乱粒子および金属酸化物に関する内容は、本発明に係る青色感光性樹脂組成物内に含まれる散乱粒子および金属酸化物に関する内容を適用することができる。
【0085】
本発明において、前記赤色パターン層または緑色パターン層に含まれる量子ドットの形態、構成およびその含有量は限定されず、当業界で通常使用される量子ドットを適用することができる。
【0086】
前記のような基板およびパターン層を含むカラーフィルタは、各パターンの間に形成された隔壁をさらに含んでもよいし、ブラックマトリックスをさらに含んでもよいが、これに限らない。
本発明において、前記カラーフィルタは、自発光カラーフィルタであってもよい。
【0087】
本発明のさらに他の態様は、前述したカラーフィルタと、青色光を放出する光源とを含む画像表示装置に関する。要するに、本発明に係る画像表示装置は、前述した青色感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルタと、青色光を放出する光源とを含む。
【0088】
本発明のカラーフィルタは、通常の液晶表示装置だけでなく、電界発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置などの各種画像表示装置に適用可能である。
【0089】
前記画像表示装置が本発明に係る青色パターン層を含むカラーフィルタと、前記光源とを含む場合、優れた発光強度を有するという利点がある。また、本発明に係るカラーフィルタに含まれる青色パターン層は、青色量子ドットを含まないため、製造コストが低い画像表示装置を製造できるという利点がある。
【実施例】
【0090】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下、含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
合成例:バインダー樹脂の合成
製造例1:アクリル系アルカリ可溶性樹脂
【0091】
撹拌機、温度計還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコを準備し、一方、モノマー滴下ロートとして、ベンジルマレイミド74.8g(0.20モル)、アクリル酸43.2g(0.30モル)、ビニルトルエン118.0g(0.50モル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gを投入後に撹拌混合して準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール6g、PGMEA24gを入れて撹拌混合したものを準備した。この後、フラスコにPGMEA395gを導入し、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にしてから撹拌しながら、フラスコの温度を90℃まで昇温した。次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下ロートから滴下開始した。滴下は、90℃を維持しながら、それぞれ2hの間進行させ、1h後に110℃昇温して3h維持した後、ガス導入管を導入させて、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次に、グリシジル メタクリレート28.4g[(0.10モル)、(本反応に使用したアクリル酸のカルボキシル基に対して33モル%)]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4g、トリエチルアミン0.8gをフラスコ内に投入して110℃で8時間反応を継続し、固形分酸価が70mgKOH/gの樹脂Aを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は16,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
製造例2:化学式15の化合物の合成
【0092】
3000mlの3口丸底フラスコに、3’,6’−ジヒドロキシスピロ(フルオレン−9,9−キサンテン)(3’,6’−dihydroxyspiro(fluorene−9,9−xantene))364.4gとt−ブチルアンモニウムブロミド0.4159gを混合し、エピクロロヒドリン2359gを入れて、90℃に加熱して反応させた。液体クロマトグラフィーで分析して3,6−ジヒドロキシスピロ(フルオレン−9,9−キサンテン)が完全に消尽すると、30℃に冷却して50%NaOH水溶液(3当量)をゆっくり添加した。液体クロマトグラフィーで分析してエピクロロヒドリンが完全に消尽したら、ジクロロメタンで抽出した後、3回水洗後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留し、ジクロロメタンとメタノールとの混合比50:50を用いて再結晶した。
【0093】
このように合成されたエポキシ化合物1当量とt−ブチルアンモニウムブロミド0.004当量、2,6−ジイソブチルフェノール0.001当量、アクリル酸2.2当量を混合した後、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.89gを入れて混合した。この反応溶液に空気を25ml/minで吹き込みながら、温度を90〜100℃に加熱溶解した。反応溶液が白濁した状態で温度を120℃まで加熱して完全に溶解させた。溶液が透明化して粘度が高くなると、酸価を測定して酸価が1.0mgKOH/g未満になるまで撹拌した。酸価が目標(0.8)に至るまで11時間かかった。反応終結後、反応器の温度を室温に下げて、無色透明の化学式15の化合物を得た。
【0094】
【化15】
製造例3:化学式16の化合物の合成
【0095】
3000mlの3口丸底フラスコに、3’,6’−ジヒドロキシスピロ(フルオレン−9,9−キサンテン)(3’,6’−dihydroxyspiro(fluorene−9,9−xantene))364.4gとt−ブチルアンモニウムブロミド0.4159gを混合し、エピクロロヒドリン2359gを入れて、90℃に加熱して反応させた。液体クロマトグラフィーで分析して3,6−ジヒドロキシスピロ(フルオレン−9,9−キサンテン)が完全に消尽すると、30℃に冷却して50%NaOH水溶液(3当量)をゆっくり添加した。液体クロマトグラフィーで分析してエピクロロヒドリンが完全に消尽したら、ジクロロメタンで抽出した後、3回水洗後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留し、ジクロロメタンとメタノールとの混合比50:50を用いて再結晶した。
【0096】
このように合成されたエポキシ化合物1当量とt−ブチルアンモニウムブロミド0.004当量、2,6−ジイソブチルフェノール0.001当量、メタアクリル酸2.2当量を混合した後、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.89gを入れて混合した。この反応溶液に空気を25ml/minで吹き込みながら、温度を90〜100℃に加熱溶解した。反応溶液が白濁した状態で温度を120℃まで加熱して完全に溶解させた。溶液が透明化して粘度が高くなると、酸価を測定して酸価が1.0mgKOH/g未満になるまで撹拌した。酸価が目標(0.8)に至るまで11時間かかった。反応終結後、反応器の温度を室温に下げて、無色透明の化学式16の化合物を得た。
【0097】
【化16】
製造例4:化学式17の化合物の合成
【0098】
3000mlの3口丸底フラスコに、4,4’−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノール(4,4’−(9H−xanthene−9,9−diyl)diphenol)364.4gとt−ブチルアンモニウムブロミド0.4159gを混合し、エピクロロヒドリン2359gを入れて、90℃に加熱して反応させた。液体クロマトグラフィーで分析して4,4’−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノール(4,4’−(9Hxanthene−9,9−diyl)diphenol)が完全に消尽すると、30℃に冷却して50%NaOH水溶液(3当量)をゆっくり添加した。液体クロマトグラフィーで分析してエピクロロヒドリンが完全に消尽したら、ジクロロメタンで抽出した後、3回水洗後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留し、ジクロロメタンとメタノールとの混合比50:50を用いて再結晶した。このように合成されたエポキシ化合物1当量とt−ブチルアンモニウムブロミド0.004当量、2,6−ジイソブチルフェノール0.001当量、アクリル酸2.2当量を混合した後、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.89gを入れて混合した。この反応溶液に空気を25ml/minで吹き込みながら、温度を90〜100℃に加熱溶解した。反応溶液が白濁した状態で温度を120℃まで加熱して完全に溶解させた。溶液が透明化して粘度が高くなると、酸価を測定して酸価が1.0mgKOH/g未満になるまで撹拌した。酸価が目標(0.8)に至るまで11時間かかった。反応終結後、反応器の温度を室温に下げて、無色透明の化学式17の化合物を得た。
【0099】
【化17】
製造例5:化学式18の化合物の合成
【0100】
3000mlの3口丸底フラスコに、4,4’−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノール(4,4’−(9H−xanthene−9,9−diyl)diphenol)364.4gとt−ブチルアンモニウムブロミド0.4159gを混合し、エピクロロヒドリン2359gを入れて、90℃に加熱して反応させた。液体クロマトグラフィーで分析して4,4’−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノール(4,4’−(9Hxanthene−9,9−diyl)diphenol)が完全に消尽すると、30℃に冷却して50%NaOH水溶液(3当量)をゆっくり添加した。液体クロマトグラフィーで分析してエピクロロヒドリンが完全に消尽したら、ジクロロメタンで抽出した後、3回水洗後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留し、ジクロロメタンとメタノールとの混合比50:50を用いて再結晶した。このように合成されたエポキシ化合物1当量とt−0.004当量、2,6−ジイソブチルフェノール0.001当量、メタアクリル酸2.2当量を混合した後、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.89gを入れて混合した。この反応溶液に空気を25ml/minで吹き込みながら、温度を90〜100℃に加熱溶解した。反応溶液が白濁した状態で温度を120℃まで加熱して完全に溶解させた。溶液が透明化して粘度が高くなると、酸価を測定して酸価が1.0mgKOH/g未満になるまで撹拌した。酸価が目標(0.8)に至るまで11時間かかった。反応終結後、反応器の温度を室温に下げて、無色透明の化学式1−2−2の化合物を得た。
【0101】
【化18】
製造例6:カルド系バインダー樹脂の合成(A−1)
【0102】
製造例2で製造した化学式15の化合物307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを添加して溶解した後、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物78gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合して、90℃で6時間反応させてカルド系バインダー樹脂に重合した。無水物の消失はIRスペクトルによって確認した。重量平均分子量:3500
製造例7:カルド系バインダー樹脂の合成(A−2)
【0103】
製造例3で製造した化学式16の化合物307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを添加して溶解した後、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物78gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合して、90℃で6時間反応させてカルド系バインダー樹脂に重合した。無水物の消失はIRスペクトルによって確認した。重量平均分子量:3800
製造例8:カルド系バインダー樹脂の合成(A−3)
【0104】
製造例3で製造した化学式17の化合物307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを添加して溶解した後、フェニルテトラカルボン酸2無水物78gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合して、90℃で6時間反応させてカルド系バインダー樹脂に重合した。無水物の消失はIRスペクトルによって確認した。重量平均分子量:4500
製造例9:カルド系バインダー樹脂の合成(A−4)
【0105】
製造例3で製造した化学式18の化合物307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを添加して溶解した後、フェニルテトラカルボン酸2無水物78gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温させて110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合して、90℃で6時間反応させてカルド系バインダー樹脂に重合した。無水物の消失はIRスペクトルによって確認した。重量平均分子量:4900
装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製造)
カラム:TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
注入量:50μl
検出器:RI
測定試料濃度:0.6重量%(溶剤=テトラヒドロフラン)
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製造)
前記で得られた重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
実施例
【0106】
以下のように、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、あくまでも例示であって、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されない。本発明の範囲は特許請求の範囲で表され、なおかつ特許請求の範囲の記録と均等な意味および範囲内であらゆる変更を含んでいる。また、以下、含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、質量基準である。
実施例1〜5および比較例1〜2:青色感光性樹脂組成物の製造
【0107】
下記表1〜2の組成によって、実施例1〜5、比較例1〜2の青色感光性樹脂組成物を製造した。(表1は、散乱粒子を示し、表2は、実施例および比較例の組成物の構成および含有量を示す。)
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
0)着色剤:
B−1:Fastogen Blue EP−7S(DCI社):C.I.ピグメントブルー15:6
B−2:Fastogen Blue5424(DCI社):C.I.ピグメントブルー15:4
V−1:Fastogen Super Violet 140V(DIC社):C.I.ピグメントバイオレット23
1)バインダー樹脂:
A−1:製造例6、
A−2:製造例7、
A−3:製造例8、
A−4:製造例9、
A−5:モノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステル
2)光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製造)
3)化学式1で表されるチオール化合物:
【0110】
D−1:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(Trimethylolpropane tris(3−mercaptopropionate);TMMP−20P)
【0111】
D−2:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(Pentaerythritoltetrakis(3−mercaptopropionate);PEMP)
4)光開始剤(D):IRGACURE(登録商標)907(BASF社製)
5)溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
カラーフィルタの製造
【0112】
前記実施例1〜5および比較例1〜2で製造された青色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタを製造した。すなわち、前記それぞれの青色感光性樹脂組成物をスピンコーティング法でガラス基板上に塗布した後、加熱板上に置き、100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成させた。
【0113】
次に、前記薄膜上に、横×縦20mm×20mmの正方形の透過パターンと1〜100μmのライン/スペースパターンを有する試験フォトマスクを載せて、試験フォトマスクとの間隔を100μmにして紫外線を照射した。
【0114】
この時、紫外線光源はウシオ電機(株)製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を用いて、大気雰囲気下、200mJ/cm
2の露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルタは用いなかった。
【0115】
前記で紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液現像溶液に80秒間浸漬して現像した。この薄膜が被せられたガラス板を蒸留水を用いて洗浄した後、窒素ガスを吹いて乾燥し、150℃の加熱オーブンで10分間加熱してカラーフィルタパターンを製造した。前記で製造されたカラーパターンのフィルム厚さは5.0μmであった。
試験例1.耐溶剤性
【0116】
前記作製されたカラーフィルタをN−メチルピロリドン溶剤に30分間浸漬させて、評価前後の色変化を比較評価した。具体的には、耐溶剤性は、前記カラーフィルタの製造で作製された基板の色度と透過率を色度計(オリンパス社製造、OSP−200)で測定し、色座標の測定が完了した基板をN−メチルピロリドン溶剤に30分間浸漬させた後、色度と透過率を色度計(オリンパス社製造、OSP−200)で再測定した。△Eabは、CIE1976(L*、a*、b*)空間表色系による以下の彩度公式によって求められる値である。(日本色彩学会編新編色彩科学ハンドブック(昭和60年)p.266)。
【0117】
この時、使用される式は、L*、a*、b*で定義される3次元色度計での色変化を示す下記数式(1)により計算され、色変化値が小さいほど、高信頼性のカラーフィルタの製造が可能である。結果は下記表3に示した。
【0118】
【数(1)】
試験例2.密着性
生成されたパターンを光学顕微鏡により評価した時、以下のようなパターン上への食い込み現象の程度で評価した。結果は下記表3に示した。
○:パターン上の食い込みなし
△:パターン上の食い込み1〜3個
×:パターン上の食い込み4個以上
【0119】
【表3】
試験例3.微細パターンの測定
【0120】
前記実施例1〜5および比較例1〜2で製造された青色感光性樹脂を用いて製造されたカラーフィルタのうち、100μmに設計されたライン/スペースパターンマスクを介して得られた、パターンの大きさをOM装備(ECLIPSE LV100POLニコン社)により測定した。
【0121】
【表4】
【0122】
ライン/スペースパターンマスクの設計値と得られた微細パターンの測定値との差が20μm以上であれば、微細画素の実現が難しくなり、マイナス値を有すると、工程不良を引き起こす閾値を意味する。
【0123】
表4から確認できるように、化学式1で表されるチオール化合物を含まない比較例1〜2の青色感光性樹脂組成物に比べて、化学式1で表されるチオール化合物を含む実施例1〜5の青色感光性樹脂組成物は微細パターンがよく形成されたことを確認することができた。