(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チップペーパーは、填料である炭酸カルシウム若しくは酸化チタンをさらに含み、不透明度が76%以上の紙である請求項1〜4いずれか1項記載のフィルタ付き喫煙物品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら、いくつかの実施形態について説明する。実施形態を通して同一の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態の理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際と異なる個所がある。本明細書において、「上流」及び「下流」の用語を適宜用いるが、これらはフィルタ付き喫煙物品を喫煙したときの主流煙の流れる方向を基準としている。
【0014】
以下の実施形態では、フィルタ付き喫煙物品の一例としてフィルタ付きシガレットについて説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るフィルタ付きシガレット1の概略斜視図である。
図2は、
図1のII−II線に沿った断面を拡大して示す概略断面図である。フィルタ付きシガレット1は、エアロゾル生成ロッド11と、フィルタ12と、チップペーパー13とを備えている。
【0016】
エアロゾル生成ロッド11は、例えば乾燥たばこ葉からなるたばこ刻み111と、たばこ刻み111の周囲を巻装するシガレットペーパー112とから構成され、略円柱状である。シガレットペーパー112は、例えば通気性を有する紙である。
【0017】
フィルタ12は、エアロゾル生成ロッド11の下流端に配置されている。フィルタ12は、エアロゾル生成ロッド11と、同一又は略同一の直径を有している。フィルタ12は、フィルタ材121と、フィルタ材121の周囲を巻装するフィルタラッパー122からなる。フィルタ12は、単一のフィルタ材からなる、いわゆるプレーンフィルタ構造を有する。
【0018】
フィルタ材121は、例えばセルロースアセテート繊維、又はパルプの不織布を束ねたり、折畳んだりして成形したものから構成されている。
【0019】
フィルタラッパー122は、例えば坪量15gsm〜100gsm、厚さ30μm〜100μmの紙である。このような紙の通気度は0C.U.〜30000C.U.である。通気度は、ISO 2965:2009に準拠して測定される値であり、紙の両面の差圧が1kPaのときに、1分ごとに面積1cm
2を通過する気体の流量(cm
3)で表される。1コレスタ単位(1C.U.)は、1kPa下においてcm
3/(min・cm
2)である。
【0020】
チップペーパー13は、エアロゾル生成ロッド11の下流端部及びフィルタ12の外周面に巻かれ、エアロゾル生成ロッド11とフィルタ12とを接続している。チップペーパー13は、糊等の接着剤によって、エアロゾル生成ロッド11とフィルタ12とを接着している。また、チップペーパー13は、晒パルプと未晒パルプとを含む紙である。
【0021】
未晒パルプは、漂白していない有色のパルプである。未晒パルプの繊維は、1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さを有し、好ましくは2mm〜4mmの長さ、30μm〜70μmの太さを有する。チップペーパー13に含まれる未晒パルプの繊維が、1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さを有する場合、喫煙者は、チップペーパー13の外周側表面に未晒パルプが存在していることを視認できる。それ故、1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さを有する未晒パルプの繊維を含むチップペーパー13を備えるフィルタ付きシガレット1は、喫煙者に天然感を視認させることができる。
【0022】
チップペーパー13に含まれる未晒パルプの繊維の長さ及び太さは、チップペーパー13の表面をマイクロスコープを用いて100倍以下の倍率で観察し、50本程度の目視可能な有色繊維の太さと長さを付属のスケールで測定した。
【0023】
チップペーパー13に含まれる未晒パルプの割合は、例えば1重量%以上90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上86重量%未満、さらに好ましくは5重量%以上60重量%以下である。実施形態に用いるチップペーパー13は晒パルプと共に未晒パルプを含むため、晒パルプのみからなるチップペーパーに比べて、製造時の漂白剤の使用を低減でき、環境への負荷も軽減できる。
【0024】
晒パルプは、酸化剤、還元剤等の漂白剤を用いて漂白したパルプである。晒パルプの繊維の長さや太さは、未晒パルプの長さ及び太さと同じであってもよく、異なっていてもよく、特に限定されるものではない。
【0025】
また、チップペーパー13は、CIELab表色系における明度L
*が78〜93、色度a
*が0.6〜2.8、色度b
*が7〜18であることが好ましい。チップペーパー13のCIELab表色系における明度L
*、色度a
*、色度b
*は、分光光度計(X−Rite社製、品名SpectroEye)を用いて計測できる。より好ましいチップペーパー13のCIELab表色系は、明度L
*が80〜92.5、色度a
*が0.7〜1.6、色度b
*が8〜13である。チップペーパー13のCIELab表色系の明度L
*、色度a
*、色度b
*は、晒パルプと未晒パルプの種類、未晒パルプの含有量を調節することによって制御できる。なお、チップペーパーのCIELab表色系における明度L
*が78〜93、色度a
*が0.6〜2.8、色度b
*が7〜18の範囲内であっても、そのチップペーパーが1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さを有する未晒パルプの繊維を含んでいない場合、そのチップペーパーは単なる色つきの紙となってしまう。そのため、当該チップペーパーを含むフィルタ付きシガレットは、喫煙者に天然感を視認させることが困難である。
【0026】
晒パルプは、木材パルプを用いることができる。未晒パルプは、木材パルプ又は非木材パルプを用いることができる。
【0027】
木材パルプの原料となる木材の種類は、特に限定されるものではないが、スギ、ヒノキ、マツ、モミ、トウヒのような針葉樹、ユーカリ、ブナ、ナラ、ポプラのような広葉樹が好ましい。
【0028】
木材パルプは、例えば上述した木材を用いて、クラフト法のような化学処理の蒸解工程にて原料の木材から不純物やリグニンを除去し、次いで漂白工程、洗浄工程を行なうことにより製造することができる。このようなクラフト法により製造した木材パルプは、クラフトパルプや化学パルプとも呼ばれ、高い柔軟性を有すること、不純物が少ないことから、晒パルプとして用いることが好ましい。
【0029】
また木材パルプは、例えば上述したような木材を用いて、蒸解工程にて原料の木材から不純物やリグニンを除去し、次いで漂白工程を短時間行なうか又は全く行わずに、洗浄工程を行なうことにより製造することもできる。このようにして製造した木材パルプは、上述した長さや太さの繊維を有することから、未晒パルプとして用いることができる。
【0030】
未晒パルプは、例えば非木材パルプを含んでもよい。非木材パルプの原料となる非木材の種類は、特に限定されるものではないが、アサ、ケナフ、アマ、稲わら、麦わら等が好ましい。
【0031】
非木材パルプには上述したような好適な長さや太さを有する繊維以外に、好適な長さや太さを超える繊維、斑点状の塊等が多く含まれる場合がある。このような好ましくない繊維や塊を含むチップペーパーは、当該繊維や塊が外観上異物として認識されやすく、当該チップペーパーを備えるフィルタ付きシガレットは、高い嗜好性が損なわれる虞がある。それゆえ未晒パルプは非木材パルプを含んでもよいが、木材パルプを多く含むことが好ましく、木材パルプであることがさらに好ましい。
【0032】
チップペーパー13は、填料である炭酸カルシウム若しくは酸化チタンをさらに含み、不透明度が76%以上の紙であってもよい。不透明度76%以上のチップペーパー13は、例えば20重量%以上の炭酸カルシウムを含有させることによって得られる。不透明度76%以上のチップペーパー13は、表面に印刷した文字や図形が裏面に透け難いため、好ましい。
【0033】
填料は、例えば紙に配合する鉱物質の粉末であり、無機又は有機の合成物を含む。填料は、炭酸カルシウムの他に、酸化チタン、焼成カオリン、カオリン、タルク、酸性白土、水酸化アルミニウム、又は合成シリカ等を含む。チップペーパー13は、炭酸カルシウム、酸化チタンの他に別の填料を1つ以上含んでいてもよい。チップペーパー13は、上述したような填料を含むことによって、チップペーパーの未晒パルプの繊維を視認し得る外観性を損なうことなく、当該チップペーパーに難燃性を付与することができる。例えば、チップペーパー13にカオリン、水酸化アルミニウムを含ませることによって、当該チップペーパーに難燃性を付与することができる。
【0034】
また、木材パルプと、填料である炭酸カルシウムと、湿潤紙力増強剤とを含むベースウエッブ表面に、疎水性コート剤層を形成したチップペーパーは、優れた耐水性を付与することができる。
【0035】
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
【0036】
疎水性コート剤としては、ニトロセルロース(NC)、グラビア印刷に適した顔料を含む有色の疎水性インキ等が挙げられる。
【0037】
チップペーパー13は、例えば26.0N/15mm以上の引張強度をさらに有することが好ましい。26.0N/15mm以上の引張強度を有するチップペーパー13は、シガレットの高速製造において要求される十分な強度を確保することができる。このため、シガレットを高速で製造する際、各装置を移動する間にチップペーパーが傷んだり、破れたりすることを防止又は低減することができる。
【0038】
チップペーパー13は、表面が粗い場合、その表面上に印刷した文字や図柄がかすれやすくなるものの、かすれた文字や図柄によって天然な感じが増加し得る。他方、表面が滑らかなチップペーパーは、天然感を損なうことなく、その表面上に明瞭な文字や図柄を印刷できる。このため、チップペーパー13は5sec以上300sec以下の広い範囲の平滑度を有することができる。なお、チップペーパー13に印刷する場合には、環境対応型インク、例えば植物油インクを用いることができる。
【0039】
上述したチップペーパーは、例えば次のような方法により製造することができる。
【0040】
最初に、晒パルプとして針葉樹であるトウヒと広葉樹であるポプラ、未晒パルプとしてマツを用意する。所望割合の晒パルプと未晒パルプをパルパーに投入し、これらパルプを離解させる。次いで、離解したパルプをリファイナへ移し、リファイナにて叩解する。別途、填料として炭酸カルシウム、製造助剤として凝集剤を用意し、これらを叩解したパルプと混合させる。なお、晒パルプと、未晒パルプとを複数のパルパーを用いてそれぞれ単独に離解し、リファイナで叩解し、ミキシングボックスにて、それぞれ叩解した晒パルプ及び未晒パルプ、填料、製造助剤を混合させてもよい。
【0041】
次に、当該混合したパルプを用いて長網抄紙機、円網抄紙機、円短複合抄紙機等による抄紙工程の中で、地合いを整え均一化してチップペーパーを製造する。なお、抄紙工程の際に、アルキルケテンダイマー(AKD)のような滲み防止剤を添加してチップペーパーの印刷具合の調整を行なったり、湿潤紙力剤を添加しチップペーパーに耐水性を付与したりすることもできる。
【0042】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るフィルタ付きシガレット2の一部を拡大して示す概略断面図である。第2の実施形態に係るフィルタ付きシガレット2は、チップペーパー13の外周側にニス14が存在していること以外は、第1の実施形態に係るフィルタ付きシガレット1と同様の構成を有する。
【0043】
ニス14は、チップペーパー13に染み込んでおり、チップペーパー13内部にも存在している。ニスとしては、例えばニトロセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を用いてもよい。
【0044】
フィルタ付きシガレット2は、チップペーパー13の外周側にニス14が存在しているため、第1の実施形態について述べた効果に加え、チップペーパー13に含まれる未晒パルプ由来のリグニンやその他の不純物による喫味の低下を抑制又は防止できる。また、フィルタ付きシガレット2は、チップペーパー13の外周側にニス14が存在しているため、フィルタ付きシガレット2を喫煙した際のチップペーパー13のリップリリース性を向上できる。
【0045】
なお、以上説明した各実施形態に係るフィルタ付きシガレットは他の構成を備えていてもよい。例えば、チップペーパーを貫通してフィルタにまで至る複数の孔(ベンチレーション孔)を備えていてもよい。このような、ペンチレーション孔は、外部からフィルタ内に空気を供給する役割を果たす。
【0046】
また、フィルタ形状はデュアルフィルタ、トリプルフィルタ等を問わない。
【0047】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0048】
(実施例1〜8及び比較例1、2)
晒パルプ及び未晒パルプを下記表1に示す割合で配合した実施例1〜8にチップペーパーを準備した。なお、未晒パルプは1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さの繊維を有する。
【0049】
また、未晒パルプを含まない晒パルプのみで構成した、いわゆる白色のチップペーパーを比較例1のチップペーパーとして準備した。
【0050】
さらに、比較例1の白色のチップペーパーの表面上にコルク印刷を施した比較例2のチップペーパーを準備した。なお、コルク印刷は、天然コルクを模した模様をグラビア印刷したものであり、広く一般的にシガレットに使用されているものである。
【0051】
実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーのCIELab表色系の明度L
*、色度a
*、色度b
*を分光光度計(X−Rite社製、品名SpectroEye)を用いて計測した。計測は、光源D65、光源フィルタなし、視野角2°の条件下、ISO白色度92%の紙の上に試料1枚を置き、その上に分光光度計を押し当てて実施した。また、1回毎にチップペーパーの箇所を変えて5点計測し、5点の平均値を算出した。その結果を下記表1に示す。
【0052】
次に、実施例1〜5及び比較例1のチップペーパーを用いて、
図2に示す構成のフィルタ付きシガレットを製造した。
【0053】
また、実施例6〜8及び比較例2のチップペーパーの外周面にニトロセルロースからなるニスをグラビア印刷した後、これらのチップペーパーを用いて、
図3に示すような構成のフィルタ付きシガレットを製造した。
【0054】
実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを、それぞれ20本ずつ製造し、温度22℃、相対湿度60%の環境下で10日間蔵置した。
【0055】
実施例1〜8及び比較例1、2のフィルタ付きシガレットについて、以下に説明する評価(1)〜(4)を行った。
【0056】
<評価(1):外観(未晒パルプの繊維の視認性)に関する官能評価>
未晒パルプの繊維の視認性に関する官能評価は、実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを、白紙を敷いたテーブル上に置き、20名のパネルによる目視にて実施した。20名のパネル全員が未晒パルプの繊維を一瞥して目視可能である場合は「A」、パネル1名でも未晒パルプの繊維を一瞥して目視できない場合は「B」とした。
【0057】
<評価(2):外観(天然感)に関する官能評価>
天然感に関する官能評価は、実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを、評価(1)の官能評価と同様に、白紙を敷いたテーブル上に置き、20名のパネルによる目視にて実施した。天然、自然を明らかに感じる場合は3点、天然、自然をやや感じる場合は2点、天然、自然を少し感じる場合は1点、天然、自然を全く感じない場合は0点として、20名の平均点が2点より大きい(高い天然感を有する)場合は「A」、1〜2点である(比較的高い天然感を有する)場合は「B」、1点未満である(低い天然感を有する)場合は「C」とした。
【0058】
<評価(3):外観(嗜好性)に関する官能評価>
嗜好性に関する官能評価は、実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを、評価(1)及び(2)の官能評価と同様に、白紙を敷いたテーブル上に置き、20名のパネルによる目視にて実施した。喫煙したいと明らかに思う場合は3点、喫煙したいとやや思う場合は2点、喫煙したいと少し思う場合は1点、喫煙したいと全く思わない場合は0点として、20名の平均点が2点より大きい(高い嗜好性を有する)場合は「A」、1〜2点である(比較的高い嗜好性を有する)場合は「B」、1点未満である(低い嗜好性を有する)場合は「C」とした。
【0059】
<評価(4):喫味に関する官能評価>
喫味に関する官能評価は、実施例1〜8及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを、5名のパネルが実際に喫煙することにより実施した。比較例1のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットを基準にして、比較例1と比較して喫味の差がない場合は0点、比較例1と比較して喫味が僅かに劣る場合は1点、比較例1と比較して喫味がやや劣る場合は2点、比較例1と比較して喫味が明らかに劣る場合は3点として、5名の平均点が1点未満である(比較例1との喫味の差異が少ない)場合は「A」、1〜2点である(比較例1との喫味の差異がややある)場合は「B」、2点より大きい(比較例1との喫味の差異が大きい)場合は「C」とした。
【0060】
前記評価結果を下記表1に示す。
【表1】
【0061】
前記表1の評価(1)の結果から明らかなように、1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さの繊維を有する未晒パルプを1重量%以上含む、実施例1〜8のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、未晒パルプの繊維が一瞥して目視可能であることが確認された。
【0062】
表1の評価(2)の結果から明らかなように、1mm〜4mmの長さ、20μm〜70μmの太さの繊維を有する未晒パルプを含む、実施例1〜8のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、未晒パルプを含まない、比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットと比較して、パネル(例えば、喫煙者)に対して天然、自然を感じさせることが確認された。
【0063】
表1の評価(3)の結果から明らかなように、86重量%の未晒パルプを含む実施例5、8のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、比較的高い嗜好性を有し、実施例1〜4、6、7及び比較例1、2のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、より高い嗜好性を有することが確認された。なお、86重量%を超える未晒パルプを含むチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、天然感は保たれるが、濃い色合いからパネルに古臭さや安っぽさを連想させ、嗜好性が低下してしまう虞がある。
【0064】
表1の評価(4)の結果から明らかなように、実施例3〜5のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットと比較して、外周面にニスが被覆されたチップペーパー、を備えた実施例6〜8のフィルタ付きシガレットは、それぞれ喫味が向上していることが確認された。
【0065】
以上のように、実施例1〜8のチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットは、官能評価において、比較例1の白色のチップペーパー、比較例2のコルク印刷を施したチップペーパーを備えたフィルタ付きシガレットでは得られない天然感、及び嗜好性を有することが実証された。
【0066】
上述した実施形態では、フィルタ付き喫煙物品の一例としてフィルタ付きシガレットについて説明したが、これに限らず、フィルタ付き喫煙物品は、フィルタが接続された他の喫煙物品である、例えば、シガー、シガリロ、電気加熱/化学反応熱を利用した非燃焼型喫煙物品、非加熱型喫煙物品等であってもよい。
【0067】
なお、いくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示であり、発明の範囲を限定するものではない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。