(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2VTEPが前記第2EVPNに属する場合に、前記送信手段は、前記第2EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、前記MP−BGPルートを前記第2VTEPへ送信し、送信されたMP−BGPルートには、プライベートネットワーク識別子が更に付加され、前記プライベートネットワーク識別子は、前記MP−BGPルートにEVPNルートが付加されていることを示すために用いられ、
前記第2VTEPが前記第2EVPNに属する場合に、前記送信手段は、前記第2EVPNルートを前記第2VTEPへ転送することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下では、本発明の実施例の図面を組み合わせて本発明の実施例における解決手段を明瞭で完全に記述する。明らかに、記述される実施例が単に本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をせずに成した全ての他の実施例は、何れも本発明の保護範囲に含まれる。
【0005】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明する。その例示は、図面に示される。以下の記述は、図面に係る際、別途示さない限り、異なる図面における同じ符号が同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記述される実施形態が本発明と一致する全ての実施形態を代表するわけではない。逆に、それらは、単に添付する特許請求の範囲に詳細に記述されるような、本発明の幾つかの態様に一致する装置及び方法の例である。
【0006】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施例を記述する目的であり、本発明を制限するためのものではない。本発明及び添付する特許請求の範囲で使用される単数形式の「一種」、「前記」及び「当該」も、文脈から他の意味を明瞭で分かる場合でなければ、複数の形式を含むことを意図する。理解すべきことは、本文で使用される用語「および/または」が、1つまたは複数の関連する列挙項目を含む如何なる或いは全ての可能な組み合わせを指す。
【0007】
理解すべきことは、本発明において第1、第2、第3等という用語を用いて各種の情報を記述するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、単に同一のタイプの情報同士を区分するために用いられる。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限り、第1情報が第2情報と呼称されてもよく、類似的に、第2情報が第1情報と呼称されてもよい。これは、コンテキストに依存する。例えば、ここで使用される言葉「場合」は、「…とき」や「…ときに」あるいは「特定の状況に応じて」として解釈されてもよい。
【0008】
EVPNネットワークの階層化管理を図るために、本発明の実施例は、ルート同期方法、および当該方法を適用可能な装置を提供する。本発明の実施例において、複数階層EVPNのネットワーキングアーキテクチャが確立され、
図1に示すように、当該ネットワーキングアーキテクチャは、上位層EVPNおよび下位層EVPNを含む。上位層EVPNにおけるVTEPは、少なくとも1つの下位層EVPNに接続され(
図1において、上位層EVPNにおけるVTEPが1つの下位層EVPNに接続されることのみを例とする)、下位層EVPNにおけるVTEP(第1VTEPとも呼称)は、VM(Virtual Machine、仮想マシン)、および/または上位層EVPNにおけるVTEP、および/または当該第1VTEPの所属する下位層EVPNにおける少なくとも1つの他のVTEPに接続される。
【0009】
図1は、2階層EVPNのネットワーキングアーキテクチャのみを示す。明らかに、実際のネットワーキング需要に適するように、3階層以上のEVPNネットワーキングアーキテクチャを構築してもよい。
図1に示すネットワーキングアーキテクチャを用いることにより、例えば、企業等のテナント(tenant)を更に区分する。例えば、企業ネットワークは、複数の部署ネットワークに更に区分され、各部署ネットワークが1つの下位層EVPNに対応する。テナントとは、機器およびネットワークリソースを用いて関連するサービスを完成するお客さんを指す。異なるテナントは、各自の機器リソース、ネットワークトポロジー、サービス計画等を有する。
【0010】
図2に示すように、本発明の実施例において下位層VTEP(第1VTEPとも呼ばれる)で実行されるルート同期方法は、以下のステップを含む。
【0011】
ステップS201では、第1EVPNにおける第1VTEPは、当該第1VTEPに接続される第1VMのアドレスを学習し、第1EVPNルートに基づいて、学習された第1VMのアドレスを第1VTEPに接続される第2VTEPへ送信する。第1EVPNルートには、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスが付加され、当該宛先IPアドレスは、第1VTEPのIPアドレスであり、第2VTEPは、第1EVPN、および、第1EVPNとは異なる階層の第2EVPNの何れか1つに属する。
【0012】
一例示では、下位層VTEPは、ローカルVMのアドレスを学習する。下位層VTEP(第1VTEPとも呼ばれる)は、所属するEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第1EVPNルートに基づいて、学習されたローカルVMのアドレスを所属するEVPNにおける他のVTEPへ送信する。下位層VTEPは、異なる階層のEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第1EVPNルートに基づいて、学習されたローカルVMのアドレスを異なる階層のEVPNにおける他のVTEPへ送信する。第1EVPNルートには、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスが付加され、当該宛先IPアドレスは、下位層VTEPのIPアドレスである。
【0013】
ステップS202では、第1VTEPは、第2EVPNルートを受信し、第2EVPNルートには、第2VMのアドレスと、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスとが付加され、第1VTEPは、第2VMのアドレスを含むルートエントリを作成し、当該ルートエントリに含まれる次ホップ情報が第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスであり、第1VTEPは、第1VTEPと第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスで示されるVTEPとの間のVXLANトンネルを確立する。
【0014】
一例示では、下位層EVPNは、第2EVPNルートを受信し、第2EVPNルートに付加されるVMアドレスを含むルートエントリを作成し、下位層VTEPと第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスで示されるVTEPとの間のVXLANトンネルを確立し、当該ルートエントリに含まれる次ホップ情報が第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスである。
【0015】
本発明の実施例の方法は、複数階層EVPNのネットワーキングアーキテクチャを提出する。このネットワーキングアーキテクチャは、上位層EVPNおよび下位層EVPNを含み、上位層EVPNにおけるVTEPは、少なくとも1つの下位層EVPNに接続され、下位層EVPNにおけるVTEPは、VM、および/または上位層EVPNにおけるVTEP、および/または所属する下位層EVPNにおける少なくとも1つの他のVTEPに接続される。この複数階層EVPNのネットワーキングアーキテクチャでは、ルート発信者であるVTEPは、EVPNルートに基づいて、学習されたローカルVMのアドレスを、所属するEVPNにおける他のVTEPおよび/または異なる階層のEVPNにおける他のVTEPに同期できる。当該EVPNルートには、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスが付加され、当該宛先IPアドレスは、当該発信者のIPアドレスである。他のVTEPは、当該EVPNルートを受信した後、対応するルートエントリを作成し、当該ルートエントリにおける次ホップ情報を当該EVPNルートに付加される宛先IPアドレス(即ち、発信者のIPアドレス)として設定し、更に当該他のVTEPとルート発信者であるVTEPとの間のVXLANトンネルを確立する。複数階層VTEPネットワーキングアーキテクチャの採用により、EVPNの階層化管理は、実現される。
【0016】
一例示では、第2EVPNルートを受信した後、下位層VTEPは、異なる階層のEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第2EVPNルートを異なる階層のEVPNにおける他のVTEPへ転送する。下位層VTEPは、所属するEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第2EVPNルートを所属するEVPNにおける他のVTEPへ転送する。このように、受信されたEVPNルートは、引き続き所属するEVPNおよび/または異なる階層のEVPNにおいて伝搬することができる。
【0017】
一例示では、上位層VTEPは、第3EVPNルートを受信する。第3EVPNルートには、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスが付加されている。上位層VTEPは、所属するEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第3EVPNルートを所属するEVPNにおける他のVTEPへ転送する。上位層VTEPは、異なる階層のEVPNにおける他のVTEPに接続されると、第3EVPNルートを異なる階層のEVPNにおける他のVTEPへ転送する。このように、上位層EVPNは、下位層EVPNのベアラネットワークとされ、上位層EVPNにおける上位層VTEPは、下位層EVPNにおけるVMルート情報に対して管理やメンテナンスを行う必要がなく、下位層EVPNにおけるVMルート情報のみを転送すればよい。その一方、下位層EVPNにおけるVTEPは、本テナント内のVMルート情報を管理やメンテナンスするため、VTEPリソースを節約し、VTEPの稼働負担を軽減する。
【0018】
図1に示すネットワーキングの例示では、上位層EVPNは、VTEP1_1およびVTEP1_2を備え、VTEP1_1が下位層EVPN Aに接続され、VTEP1_2が下位層EVPN Bに接続される。下位層EVPN Aでは、VTEP2_1が上位層EVPNにおけるVTEP1_1へアクセスし、仮想マシン(VM)1がVTEP2_1へアクセスし、仮想マシン(VM)2がVTEP2_2へアクセスする。下位層EVPN Bでは、VTEP2_3が上位層EVPNにおけるVTEP1_2へアクセスし、仮想マシン(VM)3がVTEP2_3へアクセスし、仮想マシン(VM)4がVTEP2_4へアクセスする。下位層EVPN Aと下位層EVPN Bとは、同一のテナントに属する。
【0019】
同一EVPNにおけるVTEP同士は、EVPN隣接関係を確立し、EVPNルートを互いに通知する。異なる階層のEVPNにおけるVTEP同士は、MP−BGP(Multiprotocol Border Gateway Protocol、マルチプロトコルボーダーゲートウェイプロトコル)隣接関係を確立し、MP−BGPルートを互いに通知する。これにより、同じく上位層EVPNに属するVTEP1_1とVTEP1_2の間では、EVPN隣接関係が確立され、同じく下位層EVPN AのVTEP2_1とVTEP2_2の間では、EVPN隣接関係が確立され、同じく下位層EVPN Bに属するVTEP2_3とVTEP2_4の間では、EVPN隣接関係が確立されている。上位層EVPNにおけるVTEP1_1と下位層EVPN AにおけるVTEP2_1の間でMP−BGP隣接関係が確立され、上位層EVPNにおけるVTEP1_2と下位層EVPN BにおけるVTEP2_3の間でMP−BGP隣接関係が確立されている。
【0020】
図1に示すネットワーキングを基に、本発明の実施例のルート同期方法は、
図3に示すように、以下のステップを含む。
【0021】
ステップS301では、VTEP2_4は、VM4のアドレスを学習した後、VM4のアドレスを含むEVPNルートをEVPN隣接VTEP2_3へ送信する。当該EVPNルートには、VM4の所属するVPN100に対応するRT3_1とRD4_1、および、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスとが付加されている。当該宛先IPアドレスは、VTEP2_4のIPアドレスとして設定される。
【0022】
VTEP2_4は、VM4のMACアドレスVM4−MACおよびIPアドレスVM4−IPを学習した後、EVPNルートに基づいてVM4のMACアドレスおよびIPアドレスを、所属する下位層EVPN BにおけるVTEP2_3へ送信する。
【0023】
VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスを付加するために、本発明の実施例では、EVPNルートを拡張する。具体的に、EVPNルートに次ホップ(Nexthop)フィールドを追加し、NexthopフィールドにVXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスを付加する。当該宛先IPアドレスは、当該EVPNルートが発信された下位層VTEPのIPアドレスであり、当該下位層VTEPのIPアドレスは、具体的に当該下位層VTEPがEVPN隣接関係を確立したときに使用されたIPアドレスであってもよい。以下では、EVPN隣接関係を確立したときに使用されたIPアドレスを例として説明する。したがって、ステップS301では、VTEP2_4から送信されたEVPNルートに付加される主な内容は、表1に示される。
【0025】
表1において、RT3_1は、VM4の所属するVPN100に対応するRTであり、RD4_1は、VM4の所属するVPN100に対応するRDであり、VTEP2_4−IPは、VTEP2_4がEVPN隣接関係を確立したときのIPアドレスである。RT属性は、VPNルートの送受信およびフィルタリングを決定し、PE機器は、RT属性に基づいて異なるVPNの間のルートを区別する。VPNとRTの間は、多対多の関係であってもよい。VPNインスタンス同士間のアドレス多重化ができるように、RD属性は、PE機器における異なるVPNインスタンスを認識するために用いられる。明らかに、EVPNルートにMPLSラベル等の情報が更に付加されるが、ここで詳細に説明しない。VM4の所属するVPNは、VTEP2_4での、VM4に接続されるインターフェースが所属するVPNである。
【0026】
ステップS302では、VTEP2_3は、当該EVPNルートを受信した後、当該EVPNルートに付加されるRT3_1に対応するVPN200が自機器に存在すると判断すれば、表2に示すように、VPN200に対応する、VM4のアドレスを含むルートエントリを作成し、且つ、当該EVPNルートに付加されるVTEP2_4のIPアドレスに基づいて、VTEP2_3とVTEP2_4の間のVXLANトンネルを確立する。
【0028】
ステップS302では、VTEP2_3は、当該EVPNルートのNexthopフィールドに付加されるVTEP2_4−IPに基づいて、VXLANトンネル(Tunnel10と記す)を確立し、ソースIPアドレスは、VTEP2_3がEVPN隣接関係を確立したときに使用されたIPアドレスVTEP2_3−IPであり、宛先IPアドレスは、VTEP2_4がEVPN隣接関係を確立したときに使用されたIPアドレスVTEP2_4−IPである。このように、VTEP2_3とVTEP2_4の間では、VXLANトンネルTunnel10が確立されている。
【0029】
例えば、アクセスVTEP2_3の仮想マシン(VM)3は、VPN200に属し、VM3とVM4は、VTEP2_3とVTEP2_4の間のVXLANトンネルTunnel10を介して通信できる。
【0030】
ステップS303では、VTEP2_3は、当該EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、当該MP−BGPルートをMP−BGP隣接VTEP1_2へ送信する。
【0031】
本発明の実施例では、従来のMP−BGPルートのルートタイプを拡張して1種のルートタイプを新たに増設し、記述の便宜上、プライベートネットワークMP−BGPルートと呼ばれてもよい。それは、付加されたのが下位層EVPNにおけるEVPNルートである旨を示すために用いられる。具体的に、ステップS303においてVTEP2_3から送信されたMP−BGPルートのフォーマットは、TLV(Type Length Value、タイプ・長さ・値)フォーマットである。
【0032】
Typeフィールドは、当該MP−BGPルートのタイプを示しために用いられる。Typeの値は、当該MP−BGPルートのタイプがプライベートネットワークMP−BGPルートであるを示すための特定値にセットされてもよく、当該MP−BGPルートに付加されるのは、下位層EVPNにおけるEVPNルート、即ち、プライベートネットワーク側から同期してきたEVPNルートである。
【0033】
Lengthフィールドは、Valueフィールドの長さを示すために用いられる。
Valueフィールドは、MP−BGPルートの具体的な内容を付加するために用いられる。本実施例では、当該MP−BGPルートの具体的な内容は、表1に示すEVPNルート内容を含む。
【0034】
ステップS304では、VTEP1_2は、当該MP−BGPルートを受信した後、当該MP−BGPルートがプライベートネットワークMP−BGPルートであると特定すると、当該MP−BGPルートに付加されるEVPNルートを解析し、当該EVPNルートに付加されるRD4_1を、VTEP2_3の所属するVPN300(即ち、VTEP1_2での、VTEP2_3に接続されるインターフェースが所属するVPN)に対応するRD4_2に置換し、VPN300に対応するRT属性RT3_2を当該EVPNルートに追加し、その後、当該EVPNルートをVTEP1_1へ送信する。
【0035】
その際、VTEP1_2から発信されたEVPNルートには、RT属性RT3_1およびRT3_2が付加されている。
【0036】
ステップS305では、VTEP1_1は、当該EVPNルートを受信した後、当該EVPNルートに付加されるRT3_1あるいはRT3_2に対応するVPN400が自機器に存在すると判断すれば、当該EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、当該MP−BGPルートをVPN400内のMP−BGP隣接VTEP2_1へ送信する。VTEP1_1での、VTEP2_1に接続されるインターフェースは、VPN400に属する。
【0037】
VTEP1_1から送信されたMP−BGPルートは、プライベートネットワークMP−BGPルートである。
【0038】
ステップS306では、VTEP2_1は、当該MP−BGPルートを受信した後、当該MP−BGPルートがプライベートネットワークMP−BGPルートであると特定すると、当該MP−BGPルートに付加されるEVPNルートを解析し、当該EVPNルートに付加されるRT属性RT3_1或いはRT3_2に対応するVPN500が自機器に存在すると判断すれば、表3に示すように、VPN500に対応する、VM4のアドレスを含むルートエントリを自機器上で配信し、且つ、当該EVPNルートに付加されるVTEP2_4のIPアドレスに基づいて、VTEP2_1とVTEP2_4の間のVXLANトンネルを確立する。
【0040】
ステップS306では、VTEP2_1は、当該EVPNルートのNexthopフィールドに付加されるVTEP2_4−IPに基づいて、VXLANトンネル(Tunnel20と記す)を確立し、ソースIPアドレスは、VTEP2_1がEVPN隣接関係を確立したときにおけるIPアドレスVTEP2_1−IPであり、宛先IPアドレスは、VTEP2_4がEVPN隣接関係を確立したときにおけるIPアドレスVTEP2_4−IPである。このように、VTEP2_1とVTEP2_4の間では、VXLANトンネルTunnel20が確立されている。
【0041】
例えば、VTEP2_1にアクセスした仮想マシン(VM)1がVPN500に属する場合に、VM1とVM4は、VTEP2_1とVTEP2_4の間のVXLANトンネルTunnel20を介して通信できる。
【0042】
ステップS307では、VTEP2_1は、当該EVPNルートをEVPN隣接VTEP2_2へ転送する。
【0043】
ステップS308では、VTEP2_2は、当該EVPNルートを受信した後、当該EVPNルートに付加されるRT属性RT3_1或いはRT3_2に対応するVPN600が自機器に存在すると判断すれば、表4に示すように、VPN600に対応する、VM4のアドレスを含むルートエントリを自機器上で配信し、且つ、当該EVPNルートに付加されるVTEP2_4のIPアドレスに基づいて、VTEP2_2とVTEP2_4の間のVXLANトンネルを確立する。
【0045】
ステップS308では、VTEP2_2は、当該EVPNルートのNexthopフィールドに付加されるVTEP2_4−IPに基づいて、VXLANトンネル(Tunnel30と記す)を確立し、ソースIPアドレスは、VTEP2_2がEVPN隣接関係を確立したときにおけるIPアドレスVTEP2_2−IPであり、宛先IPアドレスは、VTEP2_4がEVPN隣接関係を確立したときにおけるIPアドレスVTEP2_4−IPである。このように、VTEP2_2とVTEP2_4の間では、VXLANトンネルTunnel30が確立されている。
【0046】
例えば、アクセスVTEP2_2のVM2がVPN600に属する場合に、VM2とVM4は、VTEP2_2とVTEP2_4の間のVXLANトンネルTunnel30を介して通信できる。
【0047】
上記実施例の方法により、既存EVPNを上位層EVPNとし、上位層EVPNで管理されるテナントを更に区分し、複数の下位層EVPNによって1つのテナントを構成可能であるとともに、上位層EVPNにより下位層EVPNの間でEVPNルートを同期共有可能であり、EVPNの階層化管理を実現する。
【0048】
上記ルート同期方法の実施例に対応し、本発明は、ルート同期装置の実施例を更に提供する。当該装置は、VTEPに適用可能である。
図4は、本発明の実施例に係るルート同期装置のハードウェア構造の模式図である。
図4に示すように、当該ルート同期装置は、プロセッサ401と、機器の実行可能な指令が記憶される機器読み取り可能な記憶媒体402とを備える。プロセッサ401と機器読み取り可能な記憶媒体402とは、システムバス403を介して通信できる。また、プロセッサ401は、機器読み取り可能な記憶媒体402における機器の実行可能な指令を読み取って実行することにより、上述したルート同期方法を実施する。
【0049】
ここで、機器読み取り可能な記憶媒体402は、如何なる電気的なもの、磁気的なもの、光学的なものまたは他の物理的記憶装置であってもよく、情報(例えば、実行可能な指令、データ等)を含むか記憶可能である。例えば、機器読み取り可能な記憶媒体は、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、記憶ドライバ(例えば、ハードディスクドライバ)、ソリッド・ステート・ディスク、如何なるタイプの記憶ディスク(例えば、光ディスク、dvd等)、または類似する記憶媒体、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0050】
本発明の実施例は、機器の実行可能な指令を含む機器読み取り可能な記憶媒体(例えば、
図4における機器読み取り可能な記憶媒体402)を更に提供する。前記機器の実行可能な指令は、ルート同期装置におけるプロセッサ401で実行されることにより、上述したルート同期方法を実施させる。
図5に示すように、機能上に分けると、本発明の実施例に係るルート同期装置は、学習手段501、送信手段502および作成手段503を備える。
【0051】
学習手段501は、第1VTEPに接続される第1VMのアドレスを学習する。
送信手段502は、学習手段501が第1VMのアドレスを学習した後、第1EVPNルートに基づいて、学習された第1VMのアドレスを第1VTEPに接続される第2VTEPへ送信する。第1EVPNルートには、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスが付加され、当該宛先IPアドレスは、第1VTEPのIPアドレスであり、第2VTEPは、第1EVPNおよび第1EVPNとは異なる階層の第2EVPNの何れか1つに属する。
【0052】
作成手段503は、第2EVPNルートを受信し、当該第2EVPNルートには、第2VMのアドレスと、VXLANトンネルを確立するための宛先IPアドレスとが付加され、前記作成手段は、第2VMのアドレスを含むルートエントリを作成し、当該ルートエントリに含まれる次ホップ情報は、第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスであり、前記作成手段は、第1VTEPと第2EVPNルートに付加される宛先IPアドレスで示されるVTEPとの間のVXLANトンネルを確立する。
【0053】
同一EVPNにおけるVTEPの間には、EVPN隣接関係が確立され、異なる階層のEVPNにおけるVTEPの間には、MP−BGP隣接関係が確立される。
【0054】
第2VTEPが第2EVPNに属する場合に、送信手段502は、具体的に、以下の方式で学習された第1VMのアドレスを第1EVPNルートに基づいて第2VTEPへ送信し、第1EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、前記MP−BGPルートを第2VTEPへ送信する。MP−BGPルートにおけるプライベートネットワーク識別子は、MP−BGPルートにEVPNルートが付加されていることを示すために用いられる。
【0055】
作成手段503は、具体的に、以下の方式で第2EVPNルートを受信し、即ち、第1VTEPとEVPN隣接関係を確立したVTEPから、第2EVPNルートを受信し、第1VTEPとMP−BGP隣接関係を確立したVTEPから、MP−BGPルートを受信し、受信されたMP−BGPルートに付加されるプライベートネットワーク識別子に基づいて、当該MP−BGPルートにEVPNルートが付加されていると判断された場合に、受信されたMP−BGPルートから第2EVPNルートを取得する。
【0056】
作成手段503は、以下の方式で第2VMのアドレスを含むルートエントリを作成し、即ち、第2EVPNルートに付加されるRTに対応する第1VPNが第1VTEPに存在すると判断されたときに、第1VPNに対応する第2VMのアドレスを含むルートエントリを作成する。
【0057】
送信手段502は、具体的に以下の方式で第2EVPNルートを第2VTEPへ転送し、
即ち、第2VTEPが第2EVPNに属する場合に、第2EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、前記MP−BGPルートを第2VTEPへ送信し、送信されたMP−BGPルートには、プライベートネットワーク識別子が更に付加され、プライベートネットワーク識別子は、MP−BGPルートにEVPNルートが付加されていることを示すために用いられ、
第2VTEPが第1EVPNに属する場合に、第2EVPNルートを第2VTEPへ転送する。
【0058】
図6に示すように、上記ルート同期装置は、第3EVPNルートを受信するための受信手段504を更に備える。
【0059】
送信手段502は、具体的に、以下の方式で第3EVPNルートを第2EVPNにおけるVTEPへ転送し、即ち、第3EVPNルートに付加されるルート識別子(RD)を、第3EVPNルートの入力ポートが属する第2VPNに対応するRDに置換し、第2VPNに対応するRTを第3EVPNルートに追加し、第2VTEPとEVPN隣接関係を確立したVTEPへ第3EVPNルートを転送する。
【0060】
送信手段502は、具体的に以下の方式で第3EVPNルートを第2EVPNとは異なる階層のEVPNにおけるVTEPへ転送し、即ち、第3EVPNルートに付加されるRTに対応する第3VPNが第2VTEPに存在すると判断された場合に、第3EVPNルートをMP−BGPルートに付加し、前記MP−BGPルートを、第2VTEPとMP−BGP隣接関係を確立した第3VPN内のVTEPへ転送する。
【0061】
上記装置における各手段の機能及び作用の実現手順は、上記方法の対応ステップの実現手順を詳細に参照すればよいため、ここで繰り返し説明しない。
【0062】
装置実施例は、方法実施例に基本的に対応するため、その関連箇所が方法実施例部分の説明を参照すればよい。上述した装置実施例は、単に例示であり、その中、分離部品として説明される手段が物理的に分離されるものであってもよくでなくてもよい。また、手段として表示される部品は、物理手段であってもでなくてもよい。更に、それらの手段は、1箇所に位置してもよく、複数のネットワークセルに分散してもよい。実際の需要に応じてその中の一部または全部のモジュールを選択して本実施例の目的を果たすことが可能である。当業者は、進歩性に値する労働をせずに、理解して実施可能である。
【0063】
説明すべきことは、本文に、第1と第2等のような関係用語は、単に1つの実体や操作を別の実体や操作と区分させるために用いられ、これらの実体や操作の間になんらかの実際的な関係や順序が存在するとは必ずしも要求やヒントすることではない。用語「含む」、「備える」またはほかの何れかの同義語が非排他的含有をカバーすることを狙う。このように、一シリーズの要素を有する手順、方法、物品または機器は、それらの要素を有するだけではなく、明確に挙げられていない他の要素も有し、またはこのような手順、方法、物品または機器に固有の要素も有する。更なる制限がない限り、語句「1つの…を含む」で限定される要素は、前記要素を有する手順、方法、物品または機器に他の同じ要素を更に有することをあえて排除しない。
【0064】
以上では、本発明の実施例に供される方法と装置を詳細に説明した。本文では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明が単に本発明の方法およびその要旨を容易に理解するために用いられる。それとともに、当業者であれば、本発明の思想に基づいて具体的な実施形態及び応用範囲を変更可能である。したがって、本明細書の内容は、本発明に対する制限として理解されるべきではない。