特許第6884910号(P6884910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイロボット・コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884910
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】清掃ロボット用デブリ排出
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20210531BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20210531BHJP
   A47L 9/10 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   A47L9/28 Z
   A47L9/28 Q
   A47L9/28 P
   A47L9/28 K
   A47L9/28 E
   A47L9/00 104
   A47L9/10 Z
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-114049(P2020-114049)
(22)【出願日】2020年7月1日
(62)【分割の表示】特願2017-531199(P2017-531199)の分割
【原出願日】2015年9月17日
(65)【公開番号】特開2020-168428(P2020-168428A)
(43)【公開日】2020年10月15日
【審査請求日】2020年7月3日
(31)【優先権主張番号】14/566,243
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】モリン, ラッセル ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】べーシェンシュタイン, ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】ブルサル, ファルーク ハリル
(72)【発明者】
【氏名】グレース, クリス
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0011676(US,A1)
【文献】 特開2008−134508(JP,A)
【文献】 特開平10−87007(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0207280(US,A1)
【文献】 特開2014−221150(JP,A)
【文献】 特開2008−155041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
A47L 9/00
A47L 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動型床清掃ロボットの清掃ビンからデブリを排出させるよう構成された排出ステーションを備えるロボット床清掃システムであって、
前記排出ステーションが、
デブリキャニスタと、
吸引開口が規定されたプラットフォームであって、前記移動型床清掃ロボットの開口が前記吸引開口と整列する位置に前記移動型床清掃ロボットを受けるよう配置されたプラットフォームと、
デブリを前記清掃ビンから前記吸引開口を通して前記デブリキャニスタの中に引き込むよう構成されたように構成された排出真空部と、
前記デブリキャニスタ内にあるデブリの量を検出するよう構成されたデブリセンサと、
前記デブリキャニスタが満杯になるまでに開始できる可能性のある排出動作の回数を計算するように構成されたコントローラと、
を備える、ロボット床清掃システム。
【請求項2】
前記ロボット床清掃システムが、前記移動型床清掃ロボットをさらに備え、
前記移動型床清掃ロボットが、
清掃中に前記移動型床清掃ロボットによって取り込まれたデブリを受けるよう配置された前記清掃ビンと、
デブリを床面から前記清掃ビンの中に取り込むための空気流を生成するよう構成されたロボット真空部と、
を備え、
前記排出真空部が、前記清掃ビンを通過して前記吸引開口を通って前記排出ステーションの前記デブリキャニスタの中へ向かう逆方向空気流を生成するように構成されており、前記逆方向空気流が前記清掃ビンからデブリを運ぶ、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項3】
前記ロボット真空部が、デブリを床面から前記移動型床清掃ロボットの前記開口を通って取り込むための前記空気流を生成するように構成されている、請求項2に記載のロボット床清掃システム。
【請求項4】
前記排出ステーションは、前記清掃ビンのベースに近接して配置された金属板に応答するロボット適合性センサを更に備える、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項5】
前記ロボット適合性センサは誘導性検出要素を含む、請求項4に記載のロボット床清掃システム。
【請求項6】
前記コントローラに連結され、携帯型演算装置に前記排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するように構成された無線通信システムを更に備え、
前記コントローラは、前記デブリキャニスタ内にあるデブリの検出量に基づいて、前記デブリキャニスタのデブリで充たされている容積の割合で前記デブリキャニスタの充満状態を判断するように更に構成され、前記無線通信システムは、前記割合を示す表示を前記携帯型演算装置に表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項7】
前記デブリセンサは、
前記デブリキャニスタ内のデブリの量を検出するための超音波センサ、
前記デブリキャニスタ内のデブリの量を検出するための光センサ、
前記排出真空部によって引き込まれた空気の圧力の変化を検出するための空気流インピーダンスセンサ、
前記デブリキャニスタが既定の量のデブリを受けることに応答する機械式スイッチ、及び、
前記排出真空部のモータ電流の変化を検出するように構成されたモータ電流センサ
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項8】
前記排出真空部のモータ電流の変化を検出するように構成されたモータ電流センサと、
前記コントローラに連結され、携帯型演算装置に前記排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するよう構成された無線通信システムを更に備え、
前記コントローラは、検出されたモータ電流の変化に基づいて排出ステーションフィルタの作動状態を判断するように更に構成され
前記無線通信システムは、前記排出ステーションフィルタの作動状態のステータス表示を前記携帯型演算装置に表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項9】
前記コントローラに連結され、携帯型演算装置に前記排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するよう構成された無線通信システムを更に備え、
前記無線通信システムは、前記排出ステーションのメンテナンスが必要であることを示す警報を前記携帯型演算装置に表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項10】
前記コントローラに連結され、携帯型演算装置に前記排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するよう構成された無線通信システムを更に備え、
前記無線通信システムは、前記移動型床清掃ロボットの排出完了状態を示す警報を前記携帯型演算装置に表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項11】
前記コントローラに連結され、携帯型演算装置に前記排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するよう構成された無線通信システムを更に備え、
前記デブリキャニスタが使い捨てデブリ収集バッグを備え、
前記無線通信システムは、新しいデブリ収集バッグを注文するための1つ又は複数のユーザ選択肢を前記携帯型演算装置に表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項12】
前記移動型床清掃ロボットの前記開口は、前記移動型床清掃ロボットの底面にあり、
前記デブリキャニスタは、前記排出真空部の上に配置され、
前記デブリセンサが、前記デブリキャニスタの外側に配置されている、請求項1に記載のロボット床清掃システム。
【請求項13】
移動型床清掃ロボットのための排出ステーションを作動させる方法であって、
排出動作を開始して、前記移動型床清掃ロボットが前記排出ステーションにドッキングされたときに、デブリを前記移動型床清掃ロボットの清掃ビンから前記排出ステーションのデブリキャニスタの中に引き込むための空気流を生成することと、
前記排出ステーションの前記デブリキャニスタ内にあるデブリの量を検出することと、
前記デブリキャニスタが満杯になるまでに開始できる可能性のある排出動作の回数を計算することと、
を含む方法。
【請求項14】
前記排出ステーションの排出真空部のモータ電流の変化を検出することと、
検出されたモータ電流の変化に基づいて排出ステーションフィルタの作動状態を判断することと、
前記排出ステーションフィルタの作動状態を携帯型演算装置に表示させるために、前記排出ステーションフィルタの作動状態を示す情報を前記携帯型演算装置にワイヤレスで送信することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記排出ステーションのメンテナンスが必要であることを示す警報を携帯型演算装置に表示させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記移動型床清掃ロボットの排出完了状態を示す警報を携帯型演算装置に表示させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
新しいデブリ収集バッグを注文するための1つ又は複数のユーザ選択肢を携帯型演算装置に表示させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はロボット清掃システムに関するものであり、より具体的には、清掃ロボットからデブリを取り除くためのシステム、装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自律型清掃ロボットは、構造化されていない環境において、継続的な人による誘導を必要とすることなく真空清掃といった所望の清掃作業を実行することが可能なロボットである。様々な種類の清掃ロボットが、ある程度そして様々な形で自律的である。例えば、自律型清掃ロボットは、自律型清掃ロボットの清掃ビン内の吸引されたデブリを出すことを目的として、ベースステーションと自動的にドッキングするよう設計しても良い。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一側面において、ロボット床清掃システムは、移動型床清掃ロボット及び排出ステーションを備える。ロボットは、ロボットを床面上で移動させる少なくとも一つの駆動車輪を備えるシャーシと、ロボット内に配置され、清掃中にロボットによって取り込まれたデブリを受けるよう配置された清掃ビンと、モータ及びモータに連結されたファンを備え、ロボットの底面にある開口から清掃ビン内にデブリを引き込む空気の流れを生成するよう構成されたロボット真空部とを備える。排出ステーションは、ロボットの清掃ビンからデブリを排出させるよう構成されており、プラットフォームを規定するハウジングであって、ロボットの底面にある開口がプラットフォームに規定された吸引開口と整列する位置に清掃ロボットを受けるようプラットフォームが配置された、ハウジングと、吸引開口と流体連通し、吸引開口を通して排出ステーションハウジングに空気を引き込む、排出真空部とを備える。床清掃ロボットは、ロボット内に配置され、排出ステーションの真空部の動作に応答して自動的に閉じるよう構成された一方向空気流バルブを更に含んでも良い。空気流バルブは、ロボット真空部を清掃ビンの内部と接続する空気路に配置されても良い。
【0004】
いくつかの実施形態において、空気流バルブは、空気流バルブが閉位置にある状態においてファンが清掃ビンの内部から実質遮断されるよう、ロボット内に位置する。
【0005】
いくつかの実施形態において、排出真空部の作動によって、逆方向空気流が清掃ビンを通過し、清掃ビンから、吸引開口を通して、排出ステーションのハウジング内に埃及びデブリを運ぶ。
【0006】
いくつかの実施形態において、清掃ビンは、清掃ビンの壁に沿った少なくとも一つの開口と、少なくとも一つの開口と合致するよう清掃ビンの壁に取り付けられたシーリング部材とを備える。いくつかの例では、少なくとも一つの開口は清掃ビンの後壁に沿って配置された一以上の吸引孔を含む。いくつかの例では、少なくとも一つの開口はロボット真空部に近接する清掃ビンの側壁に沿って配置された排出ポートを含む。いくつかの例では、シーリング部材は排出ステーションの真空部の作動に応答して閉位置から開位置に調整可能な柔軟で弾力のあるフラップを含む。いくつかの例では、シーリング部材はエラストマー材を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、ロボットは、ロボットの底面の開口内に配置された清掃ヘッドアセンブリを更に備え、清掃ヘッドアセンブリはそれらの間に隙間を形成するように互いに隣接して配置された一対のローラを備える。従って、排出真空部の作動によって逆方向空気流を清掃ビンからローラの間の隙間を通って流すことができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、排出ステーションは、清掃ビンのベースに近接して配置された金属板に応答するロボット適合性センサを更に備える。いくつかの例では、ロボット適合性センサは誘導性検出要素を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、排出ステーションは、ハウジングに着脱可能に連結された、排出真空部によって吸引開口を通して排出ステーションハウジング内に取り込まれた空気によって運ばれたデブリを受けるためのデブリキャニスタと、デブリキャニスタのハウジングへの取り付け及びハウジングからの取り外しに応答するキャニスタセンサと、 を更に備える。いくつかの例では、排出ステーションは、排出ステーションハウジング内に取り込まれる空気によってキャニスタに入るデブリに応答する少なくとも一つのデブリセンサと、デブリセンサに連結されたコントローラであって、デブリセンサからのフィードバックに基づいてキャニスタの充満状態を判断するよう構成されたコントローラを更に備える。いくつかの例では、コントローラはキャニスタのデブリで充たされている割合で充満状態を判断するよう構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、排出ステーションは、排出真空部の作動に応答するモータ電流センサと、モータ電流センサに連結されたコントローラと、を更に備え、コントローラは、モータ電流センサからのセンサフィードバックに基づいて排出真空部に近接するフィルタの作動状態を判断するよう構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態において、排出ステーションは、コントローラに連結され携帯機器に排出ステーションの状態を説明する情報を伝達するよう構成された無線通信システムを更に備える。
【0012】
本開示の別の側面において、自律型床清掃ロボットの清掃ビンを空にする方法は、移動型床清掃ロボットを排出ステーションのハウジングにドッキングさせるステップを含む。移動型床清掃ロボットは、ロボット内に配置され、清掃中にロボットによって取り込まれ
たデブリを運ぶ清掃ビンと、モータ及びモータに連結されたファンを備えるロボット真空部と、を備える。排出ステーションは、吸引開口を有するプラットフォームを規定するハウジングと、吸引開口と流体連通し、吸引開口を通して排出ステーションハウジングに空気を引き込む、排出真空部と、を備える。方法は、プラットフォームの吸引開口からロボットの底面の開口までを密閉するステップと、排出真空部を作動させて吸引開口を通して排出ステーションハウジング内に空気を引き込むステップと、ロボット内に配置された一方向空気流バルブを作動させて、排出真空部の作動によって空気がロボット真空部のファンを通して引き込まれるのを阻止するステップとを含んでも良い。
【0013】
いくつかの実施形態において、空気流バルブを作動させることは、排出真空部の吸引力によってバルブのフラップを上方回転動作で引っ張ることを含む。いくつかの例では、空気流バルブを作動させることは、ロボット真空部を清掃ビンの内部と接続する空気路をフラップで実質的に密閉することを更に含む。
【0014】
排出真空部を作動させて排出ステーション内に空気を引き込むことは、ロボットを通して逆方向空気流を引き込み、逆方向空気流が、清掃ビンから、吸引開口を通して、排出ステーションのハウジング内に埃及びデブリを運ぶことを含む。いくつかの例では、ロボットは、ロボットの底面の開口内に配置された清掃ヘッドアセンブリを更に備え、清掃ヘッドはそれらの間に隙間を形成するように互いに隣接して配置された一対のローラを備える。従って、ロボットを通して逆方向空気流を引き込むことは、清掃ビンからの逆方向空気流をローラの間の隙間に通すことを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、排出真空部を作動させて排出ステーション内に空気を引き込むことは、シーリング部材のフラップを、排出真空部の吸引力によって、清掃ビンの壁に沿った開口から離れる方向に引っ張ることを更に含む。いくつかの例では、開口は清掃ビンの後壁に沿って配置された一以上の吸引孔を含む。いくつかの例では、開口は清掃ビンのロボット真空部に近接する側壁に沿って配置された排出ポートを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、方法は、清掃ビンのベースに近接して配置された金属板の存在に応答するロボット適合性センサを監視するステップと、金属板の存在の検出に応答して排出真空部の作動を開始するステップとを更に含む。いくつかの例では、ロボット適合性センサは誘導性検出要素を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、方法は、排出ステーションハウジングに引き込まれる空気によって排出ステーションの着脱可能なキャニスタに入るデブリに応答する少なくとも一つのデブリセンサを監視し、キャニスタの充満状態を検出するステップと、充満状態に基づいてキャニスタが実質満杯であると判断したことに応答して排出真空部の作動を阻止するステップとを更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、方法は、排出真空部の作動に応答するモータ電流センサを監視して排出真空部に近接するフィルタの作動状態を検出するステップと、フィルタが汚れていると判断したことに応答して、通信システムを介してフィルタの作動状態の視覚的な表示をユーザに提供するステップとを更に含む。
【0019】
本開示の更に別の側面において、移動型床清掃ロボットは、ロボットを床面上で移動させる少なくとも一つの駆動車輪を備えるシャーシと、ロボット内に配置され、清掃中にロボットによって取り込まれたデブリを受けるよう配置された清掃ビンと、モータ及びモータに連結されたファンを備え、ロボットの底面にある吸気口から、清掃ビンを通って、排気口まで延びる流路に沿って空気を流れさせることによって吸気口を通して清掃ビン内にデブリを引き込むよう構成されたロボット真空部と、ロボット内に配置され、排気口から
吸気口への流路に沿って動く空気流に応答して自動的に閉じるよう構成された一方向空気流バルブと、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態において、空気流バルブは、空気流バルブが閉位置にある状態においてファンが清掃ビンの内部から実質遮断されるよう、ロボット内に配置される。
【0021】
いくつかの実施形態において、清掃ビンは、清掃ビンの壁に沿った少なくとも一つの開口と、少なくとも一つの開口と合致するよう清掃ビンの壁に取り付けられたシーリング部材とを備える。いくつかの例では、少なくとも一つの開口は清掃ビンの後壁に沿って配置された一以上の吸引孔を含む。いくつかの例では、少なくとも一つの開口はロボット真空部に近接する清掃ビンの側壁に沿って配置された排出ポートを含む。いくつかの例では、シーリング部材は吸引力に応答して閉位置から開位置に調整可能な柔軟で弾力のあるフラップを含む。いくつかの例では、シーリング部材はエラストマー材を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、ロボットは、ロボットの底面の開口内に配置された清掃ヘッドアセンブリを更に備え、清掃ヘッドは、それらの間に、ロボットの清掃動作中に清掃ビンにデブリを運ぶ順方向空気流及びロボットの排出動作中に清掃ビンからデブリを運ぶ逆方向空気流を受けるよう構成された隙間を形成するように互いに隣接して配置された一対のローラを備える。
【0023】
本開示の更に別の側面において、移動型ロボットに用いる清掃ビンは、デブリ収集空洞を規定する、移動型ロボットのシャーシに取り付け可能なフレームであって、真空ハウジングと、一以上の吸引孔を有する後壁と、を備えるフレームと、真空ハウジングに隣接する空気路内でフレームに連結された真空シーリング部材と、後壁に隣接して吸引孔と合致するようにフレームに連結された細長いシーリング部材と、を備える。真空シーリング部材は、清掃ビンから出る逆方向吸引空気流に応答して開位置から閉位置に調整可能である、柔軟で弾力のあるフラップを含んでも良い。細長いシーリング部材は、逆方向吸引空気流に応答して閉位置から開位置に調整可能である、柔軟で弾力のあるフラップを含んでも良い。
【0024】
いくつかの実施形態において、清掃ビンは、フレームの側壁に沿って、真空ハウジングの下側部分の近傍の排出ポートと合致するように配置された補助シーリング部材を更に備える。補助シーリング部材は、逆方向吸引空気流に応答して閉位置から開位置に調整可能であっても良い。
【0025】
いくつかの実施形態において、真空ハウジングは、真空ハウジング内で支持されたロボット真空部の空気取り入れ口がフレームの空気路に対して傾くよう斜めに配向されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、真空シーリング部材及び細長いシーリング部材の少なくとも一方の柔軟で弾力のあるフラップは、エラストマー材を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、真空シーリング部材の柔軟で弾力のあるフラップは、フラップが閉位置にある状態において真空ハウジング内で支持されたロボット真空部のファンがデブリ収集空洞から実質遮断されるよう、空気路内に配置されている。
【0028】
いくつかの実施形態において、清掃ビンは、フレームの底面に沿って取り付けられた受動的ローラを更に備える。
【0029】
いくつかの実施形態において、清掃ビンは、マイクロコントローラに連結された少なく
とも一つのデブリセンサを備える、デブリ収集空洞内にあるデブリの量を検出するよう構成されたビン検出システムを更に備える。
【0030】
発明の一以上の実施形態の更なる詳細は、添付の図面及び以下の明細書に記載されている。発明のその他の特徴、物、及び長所は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、清掃ロボット及び排出ステーションを含む床清掃システムの斜視図である。
図2図2は、清掃ロボットの一例の斜視図である。
図3図3は、図2に示す清掃ロボットの底面図である。
図4図4は、清掃ヘッドアセンブリ及び清掃ビンを含む清掃ロボットの一部の側面断面図である。
図5A図5Aは、清掃ロボットの清掃ビンからの空気及びデブリの排出を説明する、床清掃システムの一例の模式図である。
図5B図5Bは、清掃ロボットの清掃ヘッドアセンブリを通した空気及びデブリの排出を説明する模式図である。
図6図6は、清掃ロボットの清掃ビンの第一例の斜視図である。
図7図7は、清掃ビンの第一例のフレームの斜視図である。
図8図8は、清掃ビンの第一例の一以上の吸引口を密閉するための細長いシーリング部材の斜視図である。
図9図9は、清掃ビンの第一例の、排気ポートの近傍の一領域を密閉するための補助シーリング部材の斜視図である。
図10図10は、清掃ビンの第一例に配置されたロボット真空部の空気取り入れ口につながる空気路を密閉するための真空シーリング部材の斜視図である。
図11図11は、補助シーリング部材の取付位置を図示した、清掃ビンの第一例の一部の斜視図である。
図12図12は、細長いシーリング部材及び補助シーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第一例の正面図である。
図13図13は、細長いシーリング部材及び補助シーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第一例の平面図である。
図14図14は、細長いシーリング部材、補助シーリング部材及び真空シーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第一例の正面断面図である。
図15A図15Aは、真空シーリング部材の閉位置を説明する、ロボット真空部の空気取り入れ口につながる空気路の側面断面図である。
図15B図15Bは、真空シーリング部材の開位置を説明する、ロボット真空部の空気取り入れ口につながる空気路の側面断面図である。
図16図16は、細長いシーリング部材及び真空シーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第二例の正面断面図である。
図17図17は、細長いシーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第二例の正面図である。
図18図18は、細長いシーリング部材の取り付けを説明する、清掃ビンの第二例の平面図である。
図19図19は、清掃ビンの第二例の背面斜視図である。
図20図20は、清掃ビンの第二例の底面図である。
図21図21は、排出ステーションのプラットフォームの斜視図である。
図22図22は、排出ステーションのフレームの斜視図である。
図23図23は、排出ステーションを操作するための制御アーキテクチャの一例を説明する図である。
図24A図24A−24Dは、排出ステーションの操作に関する情報を表示するソフトウェアアプリケーションを実行する携帯機器の平面図である。
図24B図24A−24Dは、排出ステーションの操作に関する情報を表示するソフトウェアアプリケーションを実行する携帯機器の平面図である。
図24C図24A−24Dは、排出ステーションの操作に関する情報を表示するソフトウェアアプリケーションを実行する携帯機器の平面図である。
図24D図24A−24Dは、排出ステーションの操作に関する情報を表示するソフトウェアアプリケーションを実行する携帯機器の平面図である。
【0032】
異なる図面中の同様の番号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、移動型床清掃ロボット100及び排出ステーション200を備えるロボット床清掃システム10を示す図である。いくつかの実施形態では、ロボット100は、デブリを床面から清掃ビン122に回収することで自律的に床面を横断して清掃するよう設計されている。いくつかの実施形態では、ロボット100は、清掃ビン122が満杯であることを検出すると、清掃ビン122を空にするために排出ステーション200に移動することができる。
【0034】
排出ステーション200は、ハウジング202と、取り外し可能なデブリキャニスタ204とを含む。ハウジング202は、プラットフォーム206と、デブリキャニスタ204を支持するベース208とを規定する。図1に示すように、ロボット100は、プラットフォーム206上を前進してベース208のドッキングベイ210内に入ることで、排出ステーション200とドッキングすることができる。ドッキングベイ210がロボット100を受けると、ベース208内に担持された排出真空部(例えば、図5Aに示す排出真空部212)が、ロボット100の清掃ビン122からハウジング202を通してデブリキャニスタ204にデブリを引き込む。排出真空部212は、排出サイクル中に排出ステーション200及びドッキングしているロボット100を通して空気を引き込むための、ファン213とモータ(図5A参照)とを含む。
【0035】
図2及び図3は、図1に示す清掃システム10に採用可能な移動型床清掃ロボット100の一例を説明する図である。この例では、ロボット100は、外側シェル104を担持する主要シャーシ102を含む。ロボット100の外側シェル104は、可動バンパ106(図2参照)をシャーシ102に結合する。ロボット100は、前進及び後退駆動方向に動くことが可能であるため、シャーシ102は、対応する前方端102a及び後方端102bを有する。バンパ106が取り付けられている前方端102aは、前進駆動方向を向いている。いくつかの実施形態では、ロボット100は、例えば、ロボット100が後退駆動する退避行動、反跳行動及び障害物回避行動中に、後方端102bを移動方向に向けて後退方向に移動することができる。
【0036】
清掃ヘッドアセンブリ108が、シャーシ102の中央部に連結されたローラハウジング109内に位置している。図4に示すように、清掃ヘッドアセンブリ108は、シャーシ102に取り付け可能な清掃ヘッドフレーム107内に取り付けられている。清掃ヘッドフレーム107は、ローラハウジング109を支持する。清掃ヘッドアセンブリ108は、床面に平行に且つ小さく細長い隙間114だけ互いに間隔を空けて回転可能に取り付けられた、前側ローラ110と後側ローラ112とを含む。前側ローラ110及び後側ローラ112は、使用中に床面に接して撹拌するよう設計されている。従って、この例では、各ローラ110、112は、円筒型の外装に沿って配置されたシェブロン型の羽根116のパターンを特徴としている。なお、その他の適切な構成も考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、前側及び後側ローラの少なくとも一方が、床面を撹拌するための剛
毛及び/又は細長く柔軟なフラップを含んでも良い。
【0037】
前側ローラ110及び後側ローラ112のそれぞれは、撹拌されたデブリを床面から動的に持ち上げる(又は「抽出する」)ために、ブラシモータ118によって回転駆動される。清掃ビン122内の、シャーシ102の後端102b側に配置されたロボット真空部(例えば、図6、12及び14−18に示すロボット真空部120)は、床面からのデブリの抽出においてローラを補助する吸引力を提供するためにローラ110、112の間の隙間114を通して空気を引き上げる、モータ駆動されるファン(例えば、図14−16に示すファン195)を含む。隙間114を通過する空気及びデブリは、清掃ビン122の開口126に通じるプレナム124を通る。開口126は、清掃ビン122のデブリ収集空洞128に通じる。空洞128の上に位置するフィルタ130は、ロボット真空部の空気取り入れ口(例えば、図13−16及び18に示す空気取り入れ口121)に通じる空気路132からのデブリをふるいにかける。
【0038】
図13−15Bに示すようないくつかの実施形態では、清掃ビン122は、空気取り入れ口121が水平面に配向されるよう構成されている。図16及び18に示すような他の実施形態では、清掃ビン122”は、ファン195の空気取り入れ口が空気路132内に方向付けられるようにロボット真空部120が傾くよう構成されている。この構成は、ファン195によってフィルタ130を通して引き込まれた空気の流れのよりダイレクトな経路を作り出す。このよりダイレクトな経路は、より良好な層流を提供し、それによって乱流が減少し又は除去されてファン195での逆流が除去されるため、ロボット真空部が水平に配向された実施例と比較して性能及び効率が向上する。
【0039】
以下に詳細に説明するように、清掃ビン122から空気及びデブリを排出する際にロボット真空部120を保護するために、真空シーリング部材(例えば、図10及び14−16に示す真空シーリング部材186)を空気路132に設置しても良い。真空シーリング部材186は、ロボット100が清掃作業を実行している間は、空気路が清掃ビン122を通って流れることを可能にするためにロボット真空部120の空気取り入れ口121を通って流れる空気が真空シーリング部材186を開位置に引き寄せるため、開位置にとどまる。排出中は、図5Aに示すように清掃ビン122を通る空気の流れが逆転(129)し、ロボット真空部120を通る逆方向空気流129をブロック又は実質的に詰まらせるために、図15Aに示すように真空シーリング部材186は伸びた位置に移動する。そうしなければ、逆方向空気流129がファン195を取り込んで回転方向と逆方向に引っ張り、ファン195を一方向に回転するよう構成されているファンモータ119を破損させる可能性がある。
【0040】
ロボット真空部120から排出されたろ過された空気は、排出ポート134(図2、7、13及び19参照)を通過する。いくつかの例では、排出ポート134は、空気流を床面から離れる方向に向けるための、上方に角度付けられた一連の平行な薄板を含む。このデザインは、ロボット100が清掃ルーティンを実行している間、排気が床面の埃やその他のデブリを噴き飛ばすのを防止する。フィルタ130は、フィルタドア136を通して取り外し可能である。清掃ビン122は、ばね式解放機構138によってシェル104から取り外し可能である。
【0041】
図2及び図3を再度参照して、床面に垂直な軸周りに回転可能なサイドブラシ140が、シャーシ102の側壁に沿って前方端102aの近傍且つ前進駆動方向においてローラ110、112の前方に取り付けられている。サイドブラシ140は、ロボット100が床面に沿って清掃するためのより幅の広いカバレッジ領域を作り出すことを可能にする。具体的には、サイドブラシ140は、ロボット100の足跡(footprint)領域の外側から、中央に配置された清掃ヘッドアセンブリの経路内に、デブリをはじくことが
できる。
【0042】
ロボット100を移動可能にし、床面との2つの接触点を提供する独立駆動車輪142a、142bが、シャーシ102の両側に取り付けられ、ローラハウジング109の長手方向軸を囲っている。シャーシ102の前方端102aは、床面との第3の接触点としてロボット100の追加の支持を提供する、非駆動の多方向キャスタ車輪144を含む。
【0043】
ロボット制御回路146(模式的に示す)は、シャーシ102に担持されている。ロボット制御回路146は、ロボット100の他の様々な構成要素(例えば、ローラ110、112、サイドブラシ140、及び/又は駆動車輪142a、142b)を統制するよう構成(適切に設計及びプログラム)されている。一例として、ロボット制御回路146は、駆動車輪142a、142bを同調して動作させてロボット100を前進又は後退させるコマンドを提供することができる。別の例として、ロボット制御回路146は、駆動車輪142aを前進方向に動作させ、駆動車輪142bを後退方向に動作させて、時計回りの回転を実行させるコマンドを発行することができる。同様に、ロボット制御回路146は、回転ローラ110、112又はサイドブラシ140の動作を開始又は停止させるコマンドを提供することができる。例えば、ロボット制御回路146は、ローラ110、112が絡まった場合にローラ110、112を停止させる又は逆バイアスするコマンドを発行することができる。いくつかの実施形態では、ロボット制御回路146は、適切な行動ベースロボット工学(behavior−based−robotics)スキームを実行して、ロボット100に自律的に移動して床面を清掃させるコマンドを発行するよう設計されている。ロボット制御回路146は、ロボット100のその他の構成要素と同様に、清掃ヘッドアセンブリ108の前方においてシャーシ102に配置されたバッテリ148で動作させることができる。
【0044】
ロボット制御回路146は、ロボット100に配置されロボット制御回路146に通信可能に連結された複数のセンサから受け取ったフィードバックに基づいて、行動ベースロボット工学スキームを実行する。例えば、この例では、一連の近接センサ150(模式的に示す)が、前方端のバンパ106を含むロボット110の外周に沿って取り付けられている。近接センサ150は、ロボット100が前進駆動方向に移動するとロボット100の前又は横に現れ得る潜在障害物の存在に応答する。ロボット100は、更に、シャーシ102の前方端102aに沿って取り付けられた、一連のクリフセンサ152を含む。クリフセンサ152は、ロボット100が前進駆動方向に移動している間、ロボット100の前方にある潜在クリフ又は床の段差を検出するよう設計されている。より具体的には、クリフセンサ152は、床面の縁やクリフ(例えば、階段の縁)を示す、床の特徴の急な変化に応答する。ロボット100は、更に、清掃ビン122内のデブリの量を検出するためのビン検出システム154(模式的に示す)を含む。米国特許出願第2012/0291809号(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)で説明されているように、ビン検出システム154は、ロボット制御回路146にビン満杯信号を提供するよう構成されている。いくつかの実施形態では、ビン検出システム154は、マイクロコントローラに連結されたデブリセンサ(例えば、少なくとも一つの発信器及び少なくとも一つの受信器を特徴とするデブリセンサ)を含む。マイクロコントローラは、デブリセンサからのフィードバックに基づいて清掃ビン122内のデブリの量を判断するよう構成する(例えば、プログラムする)ことができる。いくつかの例では、清掃ビン122がほぼ満杯である(例えば、90パーセント又は100パーセント満杯である)とマイクロコントローラが判断した場合、ビン満杯信号がマイクロコントローラからロボット制御回路146に送信される。ロボット100は、ビン満杯信号を受信すると、清掃ビン122からデブリを出すために排出ステーション200に移動する。いくつかの実施例では、ロボット100は、清掃走行中に動作環境をマッピングし、横断した領域と横断していない領域を記録し、空にするために排出ステーション200に戻るようロボット制御回路146が
ロボット100に指示した時点のマップ上での姿勢を保存する。清掃ビン122の排出が完了すると、ロボット100は、保存された、清掃ルーティンが中断された時点の姿勢に戻り、排出前にミッションが完了していなかった場合は清掃を再開する。いくつかの実施例では、ロボット100は、ロボットの前進駆動方向に配向された視野光軸を有するカメラといった、動作環境で特徴やランドマークを検出してVSLAM技術を用いてマップを構築するための、少なくとも一つの視覚ベースのセンサを含む。
【0045】
他の様々な種類のセンサも、例示して説明した例には示していないが、本開示の範囲を逸脱することなくロボット100と組み合わせることが可能である。例えば、バンパ106の衝突に応答する触覚センサ及び/又はブラシモータ118のモータ電流に応答するブラシモータセンサをロボット100に組み込むことが可能である。
【0046】
通信モジュール156が、ロボット100のシェル104に取り付けられている。通信モジュール156は、排出ステーション200の発信器(例えば、図21及び22に示す、回避信号発信器222a及び/又はホーミング及びアライメント発信器222b)及び(任意で)ナビゲーション又は仮想壁ビーコンの発信器から発せられた信号を受信するよう動作する。いくつかの実施形態では、通信モジュール156は、無指向性レンズを含む従来型の赤外線(「IR」)又は光学検出器を含んでも良い。しかしながら、排出ステーション200の発信器が通信モジュール156の検出器と適合している限り、あらゆる適切な検出器及び(任意の)発信器の配置を用いることができる。通信モジュール156は、ロボット制御回路146に通信可能に連結されている。従って、いくつかの実施形態では、通信モジュール156が排出ステーション200によって発せられたホーミング信号を受信したことに応答して、ロボット制御回路146がロボット100に排出ステーション200に向かわせてドッキングさせることができる。米国特許第7、196、487号、米国特許第7、188、000号、米国特許出願公開第20050156562号、及び米国特許出願公開第20140100693号(参照することによりこれらの全体が本明細書に組み込まれる)で述べられているドッキング、閉じ込め、ホームベース及びホーミング技術は、適切なホーミングナビゲーション及びドッキング技術を説明している。
【0047】
図5A及び図5Bは、清掃システムの一例10’の動作を説明する図である。具体的には、図5A及び図5Bは、排出ステーション200’によるロボット100’の清掃ビン122’からの空気及びデブリの排出を図示している。図1に図示されている実施形態と同様に、ロボット100’は、プラットフォーム206’上で停止しベース208’のドッキングベイ210’に受け止められた状態で、排出ステーション200’とドッキングしている。ロボット100’がドッキング位置にある状態において、ローラハウジング109’は、プラットフォーム206’に規定されている吸引開口(例えば、図21に示す吸引開口216)と整列されており、流体損失を制限又は除去して逆方向空気流129の圧力及び速度を最大化するシールを吸引開口に形成している。図5Aに示すように、排出真空部212は、ハウジング202’のベース208’内に担持され、内部配管(不図示)によってプラットフォーム206’の吸引開口との流体連通が維持されている。従って、排出真空部212の作動は、清掃ビン122’から、ローラハウジング109’を通して、プラットフォーム206’の吸引開口を経由して排出ステーションのハウジング202’に空気を引き込む。排出される空気は、清掃ビンの収集空洞128’からデブリを運ぶ。デブリを運ぶ空気は、ハウジング202’の内部配管(不図示)によって、デブリキャニスタ204’に導かれる。図5Bで説明されているように、空気流129及び排出真空部212によって排出されたデブリは、清掃ビン122’の開口126’を通り、プレナム124’を通ってローラハウジング109’に入り、前側ローラ110’と後側ローラ112’との隙間114’を通る。ロボット100が排出ステーション200とドッキングすると、排出ステーション200は、排出中にローラモータを逆駆動するようロボット100に信号を送信する。これにより、ローラモータがバックドライブされ潜在的に損
傷するのを防ぐことができる。
【0048】
次に図6に移り、清掃ビン122は、ロボット真空部120を、ビン122の上面に沿ってフィルタドア136に隣接する取り外し可能なアクセスパネル160の下に位置する真空ハウジング158に担持する。清掃ビン122のビンドア162(開位置で図示)は、デブリ収集空洞128に通じる開口126を規定する。上述したように、開口126は、清掃ビン122をローラハウジング109と流体連通させるプレナム124と整列している(図4参照)。図7で説明されているように、清掃ビン122は、フィルタ130及び、ロボット真空部120の空気取り入れ口121を空気路132(図4参照)に露出させるための、隣接するポート168を保持するラック166を提供する。保護用の真空シーリング部材(例えば、図10に示す真空シーリング部材186)を清掃ビン122に固定するための取付機構170が、ラック166とポート168との間に設けられている。図7は、排出ポート134及び清掃ビン122の後壁174に沿って設けられた複数の吸引孔172も説明している。ファン195の排出側と流体連通していない排出ポート134の下側部分及び吸引孔172は、ロボット100が清掃中は動作環境との流体連通が選択的に塞がれており、排出中は逆方向空気流129が動作環境から清掃ビン122を通って動けるように解放されている。
【0049】
いくつかの実施形態では、図8(及び、図12−14及び16−18)に示す細長いシーリング部材176が、ロボット100が清掃モードで動作している間吸引孔172を密閉して清掃ビン122からの意図しないデブリの放出を阻止するために設けられている。図に示すように、シーリング部材176は、清掃ビン122の後壁174の曲率と一致するように、その長さ方向に沿って湾曲している。この例では、シーリング部材176は、実質剛体の背177及び、背177に(例えば、二段階(two−shot)オーバーモールド技術で)ヒンジ式インターフェース175で取り付けられた実質柔軟で弾力のあるフラップ178を含む。背177は、シーリング部材176を清掃ビン122の後壁174に固定するための取付穴179及びフック部材180を含み、フラップ178は、ロボット清掃任務中に吸引孔172を通る空気流を遮断するために、吸引孔172に渡って垂直に垂れ下がる。いくつかの例では、取付穴179は、背177を清掃ビンの後壁174に取り付けるために、適切な機械的留め具(例えば金属ピン)及び/又は適切なヒートステークプロセスと併用することができる。シーリング部材176が適切に取り付けられると、フラップ178がぶら下がり、吸引孔172と係合して、デブリ収集空洞128からのデブリの脱出を阻止(あるいは防止)する。上述したように、ロボット100が排出ステーション200とドッキングしている時の排出真空部212の作動は、清掃ビン122から空気及びデブリを引く吸引力を作り出す。吸引力は、ヒンジで連結されたフラップ178も吸引孔172から引き離すことができ、動作環境からの取り込み空気流が清掃ビン122に入ることを可能にする。従って、フラップ178は、排出真空部212(図5A及び5B参照)により引き込まれる逆方向空気流129に応答して閉位置から開位置に可動である。いくつかの実施形態では、背177は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む材料から作られる。いくつかの実施形態では、フラップ178は、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)及び/又は熱可塑性エラストマー(TPE)を含む材料から作られる。
【0050】
いくつかの実施形態では、図9及び11に示す補助シーリング部材182が、清掃ビン122の内側側壁及び、ファン195の排気側と流体連通しておらず真空ハウジング158(図12及び13参照)の後ろに位置する、排気ポート134の下側部分に沿って密閉するために設けられている。この例では、シーリング部材182は、比較的厚い支持構造183と、比較的薄く、柔軟で弾力のある、支持構造183から一体的に延びるフラップ184とを含む。支持構造183が所定の位置に取り付けられた状態で、フラップ184は、(図8に示すフラップ178と同様に)排出真空部212の作動に応答して閉位置か
ら開位置に調整可能である。補助シーリング部材182は、逆方向空気流129が排気ポート134の下側部分を通れるようにすることで、清掃ビン122の真空ハウジング158の底の部分に収集されたデブリを完全に排出することを可能にする。真空ハウジング158の底の部分に十分な空気流がないと、排出中に埃及びデブリが真空ハウジング158の底の部分で身動きが取れないままになってしまう可能性がある。補助シーリング部材182は、排出中は、動作環境から排気ポート134の下側部分を通り、清掃ビン122内の、吸引孔172を通る逆方向空気流129の直接の経路にない拘束された容積に入る空気の層流を提供するために持ち上げられる。フラップ184は、清掃動作中で閉位置にある時は、埃及びデブリがロボットの動作環境に意図せず放出され得る、清掃ビン122の排気ポート134の下側部分の周辺の領域への埃及びその他のデブリの脱出を阻止(あるいは防止)することができる。いくつかの実施形態では、補助シーリング部材182は、圧縮成形されたゴム材料(約50ショアAデュロメータ)を用いて作られる。
【0051】
上述したように、真空シーリング部材186は、ロボット真空部120の取り入れ口121に通じる空気路132に取り付けることができる(図14−16参照)。図10に示すように、真空シーリング部材186は、実質剛体の背188と、実質剛体のフラップ190とを含む。いくつかの実施例では、フラップ190の先端は、ロボットの清掃任務中にロボット真空部120を通る空気流を遮断することなくロボット真空部120の空気取り入れ口121に通じるポート168の円形の開口を収容するための、凹型曲率を有する。例えば、図14、15B及び16に図示されているように、フラップ190は、空気が空気路を通って流れるように降ろした位置にあり、フラップの末端は、空気取り入れ口121を通る空気流を遮断することなくポート168(図7参照)に隣接する。傾斜したロボット真空部120のいくつかの実施例では、真空ハウジング158’は、開位置又は下位置にあるフラップ190の末端を受けるくぼみ又はリップ187を含む。くぼみ187は、フラップ190が空気路132の壁と同一面に位置することを可能にし、空気路を通ってファン195の空気取り入れ口121に入る層状の空気流を確実に得られるようにする。
【0052】
背188とフラップ190は、柔軟で弾力のあるベース191を介して互いに連結されている。図10に示す例では、背188とフラップ190は、それぞれ、ベース191の上面に沿って(例えば、二段階オーバーモールド技術により)固定され、小さい隙間192で区切られている。ベースに沿った隙間192は、背188とフラップ190が互いにベース191の幅に沿った方向に延びる軸193周りに回転することを可能にする継手の役割を果たす。いくつかの実施形態では、背188及び/又はフラップ190は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む材料から作られる。いくつかの実施形態では、弾性ベース191は、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)及び/又は熱可塑性エラストマー(TPE)を含む材料から作られる。背188は、真空シーリング部材186を清掃ビン122に固定するための取付穴189a、189bを含む。例えば、取付穴189a、189bのそれぞれを、取付機構170に含まれる位置決めピン及び/又はヒートステークボスを受けるように設計しても良い。
【0053】
図15A及び15Bは、ファンへの逆方向空気流129を遮断する一方向空気流バルブとして、又はファン195への逆方向空気流129を実質的に詰まらせる制限バルブとしての、真空シーリング部材186の動作を説明する図である。図に示されているように、背188が取付機構170を介して清掃ビン122の所定の位置に固定された状態において(図7参照)、真空シーリング部材186は空気路132に一方向空気流バルブを提供する。真空シーリング部材186は、空気路132の、ロボット真空部120とフィルタ130との間の部分での空気の流れを選択的に遮断/阻止するために、ロボット真空部120とフィルタ130との間に位置する。シーリング部材186は、開位置において、フィルタ130及び空気取り入れ口121の上部と略同一の水平面上に位置する。閉位置に
おいては、フラップ190が上方に折れ曲がり、空気路132の上壁133まで延びる。従って、シーリング部材186は、閉位置においては、空気路132を完全に遮断するか実質的に制限することで、ロボット真空部120をフィルタ130から隔離する。具体的には、真空シーリング部材186は、空気路132において、排出真空部212によって作り出される吸引力が、フラップ190の背188に対する上方回転動作194で真空シーリング部材186を閉位置まで引っ張るように方向付けられている。図15Aに示すように、真空シーリング部材186が閉位置にある時、フラップ190は空気路132を囲う壁と係合し、ロボット真空部120の空気取り入れ口121においてファン195を清掃ビン122の内部から実質的に遮断する。こうすることで、ファンを駆動するロボット真空モータは、清掃ビン122の排出中における吸引力がモータに抵抗してファン195を逆方向に駆動できるようになっている場合に生成され得る逆起電力(back−EMF)から守られる。更に、ファン195は、排出中の吸引力によってファン195が異常な高速度で回転できるようになっている場合に起こり得る損傷のリスクから守られる(例えば、そのような高速回転は、摩擦熱によってファンのその場での「スピン溶着」を引き起こす可能性がある)。排出吸引力が取り除かれると、真空シーリング部材186は、フラップ190の下方回転動作196で開位置に移動する。従って、一方向バルブは、ロボット100が清掃作業を実行している間、空気流の妨害を回避するために開位置にとどまる。
【0054】
次に図21を参照して、排出ステーション200のプラットフォーム206は、平行な車輪軌道214と、吸引開口216と、ロボット適合性センサ218とを含む。車輪軌道214は、ロボット100を吸引開口216と正確に整列するようにプラットフォーム206上に誘導するために、ロボットの駆動車輪142a、142bを受けるよう設計されている。車輪軌道214のそれぞれは、駆動車輪142a、142bを所定の位置に保持してロボット100がドッキング後に傾斜したプラットフォーム206を意図せず滑り降りるのを防止する、落ち込んだ車輪用くぼみ215を含む。説明した例では、車輪軌道214には、ロボットの駆動車輪142a、142bが傾斜したプラットフォーム206を顕著なスリップを起こすことなく移動することを可能にする、適切なトレッドパターンが設けられている。反対に、車輪用くぼみ215は、ロボット100が意図せず前進してベース208と衝突するのを阻止することを可能にする、駆動車輪142a、142bのスリップを引き起こすために、実質滑らかである。しかしながら、いくつかの実施形態では、車輪用くぼみ215の後側のリップが、ロボットが排出ステーション200から離脱する際に駆動車輪142a、142bが車輪用くぼみ215から「上り」出ることを可能にする、少なくともいくつかのトラクション用特徴(例えばトレッド)を含んでも良い。
【0055】
図20に示すようないくつかの実施例では、清掃ビン122は、ロボット100が排出ステーションとドッキングする間傾斜したプラットフォームと係合する、底面に沿った受動的ローラ199を含む。受動的ローラ199は、傾斜したプラットフォーム206を登るためにロボット100が上方にピッチングする際に、清掃ビン122の底がプラットフォーム206とこすれるのを防止する。吸引開口216は、ロボット100と排出ステーション200との間の実質密閉された空気流インターフェースを提供するための、ロボットのローラハウジング109と係合する外周シール220を含む。この密閉された空気流インターフェースは、排出真空部212をロボットの清掃ビン122と効果的に流体連通させる。ロボット適合性センサ218(模式的に示す)は、ロボット100が排出ステーション200との利用に適合しているかを検出するよう設計されている。一例として、ロボット適合性センサ218は、ロボットのシャーシ102に取り付けられた金属板197(図3参照)の存在に応答する誘導性センサを含んでも良い。この例では、製造者、小売業者又はサービススタッフは、ロボット100が排出ステーション200との運用に適した装備を備えている場合(例えば、ロボット100が、清掃ビン122の排出を容易にするための上述した一以上の吸引孔及び/又はシーリング部材を備えている場合)に、金属
板197をシャーシ102に取り付けることができる。他の例では、排出ステーションに適合したロボット100は、排出ステーション200によって発信された独自に符号化されたドッキング信号を認識する受信器を備えている。適合していないロボットは、符号化されたドッキング信号を認識せず、ドッキングするための排出ステーション200のプラットフォーム206との整列をしない。
【0056】
プラットフォーム206とベース208とを含む排出ステーションのハウジング202は、ロボットの清掃ビン122から排出された空気及びデブリを排出ステーションデブリキャニスタ204に向かわせるための内部配管(不図示)を含む。ベース208は、排出真空部212(図5A参照)、及び排出真空部212の排気側に位置する真空フィルタ221(例えばHEPAフィルタ)も収容する。ここで図22を参照して、排出ステーション200のベース208は、回避信号発信器222aと、ホーミング及び整列発信器222bと、キャニスタセンサ224と、モータセンサ226と、無線通信システム227とを担持する。上述したように、ホーミング及び整列発信器222bは、ロボット100のシェル104に取り付けられた通信モジュール156(図2参照)によって検出可能な左及び右ホーミング信号(例えば、光、IR又はRF信号)を発することができる。いくつかの例では、ロボット100は、清掃ビン122が満杯であるとの判断に応答してホーミング信号を探して検出することができる。ホーミング信号が検出されると、ロボット100は、ロボット100を排出ステーション200と整列させ、プラットフォーム206とドッキングさせる。キャニスタセンサ224(模式的に示す)は、デブリキャニスタ204のベース208との連結及びベース208からの脱離に応答する。例えば、キャニスタセンサ224は、デブリキャニスタ204のベース208との連結によって作動する接触スイッチ(例えば、磁気リードスイッチ又はリードリレー)を含んでも良い。他の例では、ベース208は、ベース208に含まれる内部配管の一部がキャニスタ204に含まれる内部配管の一部といつ結合したかを検出するよう構成された光センサを含んでも良い。更に別の例では、ベース208とキャニスタ204とが、電気コネクタで結合する。排出を開始できるよう、機械的、光学的又は電気的結合がキャニスタ204の存在を知らせる。キャニスタセンサ224によってキャニスタ204の存在が検出されない場合、排出真空部212は作動しない。モータセンサ226(模式的に示す)は、排出真空部212の作動に応答する。例えば、モータセンサ226は、排出真空部212のモータ電流に応答しても良い。モータセンサ226からの信号は、真空フィルタ221の交換が必要かを判断するのに用いることができる。例えば、モータ電流の上昇は、真空フィルタ221が詰まっていて清掃又は交換が必要であることを示している可能性がある。そのような判断に応答して、真空フィルタの状態の視覚的な表示をユーザに提供することができる。米国特許出願公開第2014/0207282号(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に説明されているように、無線通信システム227は、適切なワイヤレスネットワーク(例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク)を通した、一以上の携帯機器(例えば、図24A−24Dに示す携帯機器300)への排出ステーション200の状態を説明する情報の伝達を容易にする。
【0057】
図1に戻り、排出ステーション200は、更に、デブリキャニスタ204内にあるデブリの量を検出するためのキャニスタ検出システム228(模式的に示す)を含む。ビン検出システム154と同様に、キャニスタ検出システム228は、キャニスタ満杯信号を生成するよう設計することができる。キャニスタ満杯信号は、デブリキャニスタ204の充満状態を示しても良い。いくつかの例では、充満状態は、デブリで満たされていると判断されるデブリキャニスタ204の割合で表現することができる。いくつかの実施形態では、キャニスタ検出システム228は、マイクロコントローラと連結されたデブリセンサを含むことができる。マイクロコントローラは、デブリセンサからのフィードバックに基づいてデブリキャニスタ204内のデブリの量を判断するよう構成(例えば、プログラム)することができる。デブリセンサは、デブリの量を検出するためにキャニスタの側壁に配
置された超音波センサであっても良い。他の例では、デブリセンサは、デブリの存在又は量を検出するためにキャニスタ204の横又は上に配置された光センサであっても良い。更に他の例では、デブリセンサは、デブリキャニスタ204を通る空気流のインピーダンスの変化、あるいはデブリキャニスタ204を通る空気流の圧力又は風速の変化を検出するためにキャニスタ204に配置された機械式センサである。他の例では、デブリセンサは、キャニスタ204が満たされ、空気流がデブリの蓄積によって次第に妨げられると上昇する、排出真空部212のモータ電流の変化を検出する。測定されるこれら全ての特性は、キャニスタ204を充たすデブリの存在によって変化する。他の例では、キャニスタ204は、デブリが最大量蓄積すると発動する機械的スイッチを含んでも良い。更に別の例では、排出ステーション200は、清掃ビン122からの排出回数を監視し、最大ビン容量(又はビンの平均デブリ量)に基づいて、排出ステーションデブリキャニスタ204が最大充満量に達するまでの残り排出可能回数を計算する。いくつかの例では、キャニスタ204は、その中に、排出真空部212の上に吊り下げられたデブリ収集袋(不図示)を収容しており、排出真空部212は収集袋を通して空気を下方に引き込む。
【0058】
図23に示すように、ロボット適合性センサ218、キャニスタセンサ224、モータセンサ226、及びキャニスタ検出システム228は、ステーションコントローラ回路230と通信可能に連結されている。ステーションコントローラ回路230は、各装置からのフィードバックに基づいて排出ステーション200を操作するよう構成(例えば、適切に設計及びプログラム)されている。ステーションコントローラ回路230は、プロセッサ234によって処理されるデータ及び指示を保持するメモリユニット232を含む。プロセッサ234は、プログラム命令及びフィードバックデータをメモリユニット232から受け取り、プログラム指示により要求される論理演算を実行し、排出ステーション200の様々な構成要素(例えば、排出真空部212、回避信号発信器222a、ホーミング及び整列発信器222b、及び無線通信システム227)を操作するためのコマンド信号を生成する。入力/出力ユニット236は、コマンド信号を発信し、上述した様々な構成要素からのフィードバックを受信する。
【0059】
いくつかの例では、ステーションコントローラ回路230は、ロボット適合性センサ218から受信した信号に応答して排出ステーション200の作動を開始するよう構成されている。更に、いくつかの例では、ステーションコントローラ回路230は、キャニスタ検出システム228から受信した、デブリキャニスタ204がほぼ又は完全に満杯であることを示す信号に応答して、排出真空部212の作動を停止させる又は防止するよう構成されている。また、更に、いくつかの例では、ステーションコントローラ回路230は、モータセンサ226から受信した、排出真空部212のモータ電流を示す信号に応答して、排出真空部212の作動を停止させる又は防止するよう構成されている。ステーションコントローラ回路230は、モータ電流信号に基づいて、真空フィルタ221の作動状態を推定することができる。上述したように、信号が異常に高いモータ電流を示している場合、ステーションコントローラ回路230は、真空フィルタ221が汚れているため排出真空部212を再作動させる前に真空フィルタ221の清掃又は交換が必要であると判断することができる。
【0060】
いくつかの例では、ステーションコントローラ回路230は、無線通信システム227を操作して、ロボット適合性センサ218、キャニスタセンサ224、モータセンサ226、及び/又はキャニスタ検出システム228からのフィードバック信号に基づいて、適切な携帯機器(例えば、図24A−24Dに示す携帯機器300)に排出ステーション200の状態を説明する情報を伝達するよう構成されている。いくつかの例では、適切な携帯機器は、数ある構成要素の中でも、一以上のプロセッサ、ソフトウェアアプリケーションを保存するコンピュータ可読媒体、入力装置(例えば、キーボード、タッチ画面、マイク等)、出力装置(例えば、表示画面、スピーカ等)、及び通信インターフェースを含む
、あらゆる種類の携帯型演算装置(例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット型コンピュータ、腕に装着する演算装置、又はその他の携帯型装置)が可能である。
【0061】
図24A−24Dに図示した例では、携帯機器300は、スマートフォンの形で提供されている。図に示すように、携帯機器300は、ステーションコントローラ回路230(図23参照)から受信した状態情報を表示画面302に表示するソフトウェアアプリケーションを実行するよう動作する。図24Aでは、デブリキャニスタ204の充満状態の表示が、キャニスタ検出システム228によって判断された、キャニスタのデブリで充たされた割合で表示画面302に表示されている。この例では、充満状態の表示は、テキストユーザインターフェース要素306及びグラフィックユーザインターフェース要素308の両方で表示画面302に提供されている。同様に、図24Bでは、真空フィルタ221の作動状態が、テキストユーザインターフェース要素310で表示画面302に表示されている。上述した例では、携帯機器300によって実行されるソフトウェアアプリケーションは、ユーザに排出ステーション200のメンテナンスが必要であるという警報タイプの表示を提供するものとして図示及び説明をした。しかしながら、いくつかの例では、ソフトウェアアプリケーションは、所定の時間間隔で最新の状態を提供するよう構成しても良い。更に、いくつかの例では、ステーションコントローラ回路230は、携帯機器300がいつネットワークに入ったかを検出し、この検出に応答して表示画面302に表示するべき一以上の構成要素の最新の状態をソフトウェアアプリケーションによって提供しても良い。図24Cでは、表示画面302は、ロボット100の排出完了状態及び清掃が再開されたことのユーザへの通知を示すテキストユーザインターフェース要素312を提供する。図24Dでは、表示画面302は、内部にデブリを収集するための使い捨てバッグを有する排出ステーションデブリキャニスタ204の一実施形態用の新しいデブリバッグを注文するための一以上の「ワンクリック」選択肢314を提供する。更に、説明した例では、テキストユーザインターフェース要素316は、対応するオンライン販売会社名と共に表示された一以上の価格の選択肢を提示する。また、更に、ソフトウェアアプリケーションは、例えば米国特許出願公開第2014/0207282号で図示及び説明されているもののような、ユーザによる排出ステーション200又はロボット100の制御を可能にする、他の様々なタイプのユーザインターフェース画面及び要素を提供するよう動作可能であっても良い。
【0062】
説明を目的としていくつかの例を説明したが、上記説明は、特許請求の範囲で規定する発明の範囲を限定することを意図したものではない。以下の請求項の範囲内にある他の例及び変形例が存在する/存在し得る。
【0063】
更に、明細書及び請求項を通して用いられている「前」、「後」、「上端」、「底」、「上」、及び「下」といった用語の使用は、本明細書で開示して説明したシステム、装置、及びその他の要素における様々な構成要素の相対位置を説明するためのものである。同様に、要素を説明するための水平又は垂直という用語の使用は、本明細書で説明するシステム及び他の要素の様々な構成要素の相対方向を説明するためのものである。明示的に言及しない限り、これらの用語の使用は、システム、装置、及びその他の要素が作動中、製造中及び搬送中に置かれ得る地球の重力、地球の地面、又は他の特定の位置又は方向に対するシステム又はその他の構成要素の特定の位置又は方向を意味するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図24D