(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884923
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】電気コンタクトシステム
(51)【国際特許分類】
H01H 9/32 20060101AFI20210531BHJP
H01H 9/34 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
H01H9/32
H01H9/34
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-515292(P2020-515292)
(86)(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公表番号】特表2020-522114(P2020-522114A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】EP2018064329
(87)【国際公開番号】WO2018220107
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2019年11月27日
(31)【優先権主張番号】201710403589.3
(32)【優先日】2017年6月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516247340
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス(シェンツェン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン,シャオニン
(72)【発明者】
【氏名】ヅォウ,テン
【審査官】
関 信之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−235670(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0152903(US,A1)
【文献】
特開昭48−043164(JP,A)
【文献】
実開昭55−158127(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/32
H01H 9/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止接点(311、321)を有する静止コンタクト(310、320)と、
可動接点(411、421)を有する可動コンタクト(400)と、
前記可動コンタクト(400)が取り付けられた回転部材(100)であって、前記可動コンタクトは、スイッチオン位置とスイッチオフ位置との間で前記回転部材(100)とともに回転可能であり、前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオン位置へ回転したとき、前記可動接点(411、421)は、前記静止接点(311、321)と電気的に接触し、前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオフ位置へ回転したとき、前記可動接点(411、421)は前記静止接点(311、321)から分離される、回転部材(100)と、
前記回転部材(100)と連動し、消弧シート(201、202)を有する消弧デバイス(210、220)とを備え、
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオン位置へ回転したとき、前記消弧シート(201、202)は、前記可動接点(411、421)と前記静止接点(311、321)との間の接触領域を越えて回転し、前記可動接点(411、421)が前記静止接点(311、321)と電気的に接触することを可能にし、
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオフ位置へ回転したとき、前記消弧シート(201、202)は、前記可動接点(411、421)と前記静止接点(311、321)との間の前記接触領域内へ回転し、したがって前記可動接点(411、421)は、前記静止接点(311、321)から電気的に分離され、前記可動接点(411、421)と前記静止接点(311、321)との間の電気アークを遮断し、
前記回転部材(100)は、円板状ベース(101)と、前記円板状ベース(101)から突出している円筒形部分(102)とを備え、前記可動コンタクト(400)は、前記回転部材(100)の前記円筒形部分(102)に取り付けられている、
電気コンタクトシステム。
【請求項2】
前記静止コンタクト(310、320)は、第1の静止コンタクト(310)および第2の静止コンタクト(320)を備え、前記可動コンタクト(400)は、前記第1の静止コンタクト(310)と前記第2の静止コンタクト(320)との間に位置し、
前記第1の静止コンタクト(310)は第1の静止接点(311)を備え、前記第2の静止コンタクト(320)は第2の静止接点(321)を備え、前記可動コンタクト(400)は、その第1の端部(410)に第1の可動接点(411)を備え、その第2の端部(420)に第2の可動接点(421)を備えており、
前記消弧デバイス(210、220)は、第1の消弧シート(201)を備えた第1の消弧デバイス(210)と、第2の消弧シート(202)を備えた第2の消弧デバイス(220)とを備える、
請求項1に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項3】
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオフ位置へ回転したとき、前記第1の消弧シート(201)は、前記第1の可動接点(411)と前記第1の静止接点(311)との間の前記接触領域内へ回転し、前記第2の消弧シート(202)は、前記第2の可動接点(421)と前記第2の静止接点(321)との間の前記接触領域内へ回転し、したがって前記第1の可動接点(411)および前記第2の可動接点(421)は、それぞれ前記第1の静止接点(311)および前記第2の静止接点(321)から電気的に分離される、
請求項2に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項4】
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオン位置へ回転したとき、前記第1の消弧シート(201)は、前記第1の可動接点(411)と前記第1の静止接点(311)との間の前記接触領域を越えて回転し、前記第2の消弧シート(202)は、前記第2の可動接点(421)と前記第2の静止接点(321)との間の前記接触領域の外へ回転し、前記第1の可動接点(411)および前記第2の可動接点(421)がそれぞれ前記第1の静止接点(311)および前記第2の静止接点(321)と電気的に接触することを可能にする、
請求項2に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項5】
前記回転部材(100)の前記円板状ベース(101)に第1のギヤ(111)および第2のギヤ(121)が形成され、
前記第1のギヤ(111)と噛合する第1の相手側ギヤ(211)が、前記第1の消弧デバイス(210)に形成され、
前記第2のギヤ(121)と噛合する第2の相手側ギヤ(221)が、前記第2の消弧デバイス(220)に形成されている、
請求項2に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項6】
前記回転部材(100)の前記円板状ベース(101)に第1の溝(110)および第2の溝(120)が形成され、前記第1のギヤ(111)および前記第2のギヤ(121)はそれぞれ、前記第1の溝(110)の縁部および前記第2の溝(120)の縁部に形成されている、
請求項5に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項7】
前記回転部材(100)の前記円筒形部分(102)に取付け溝が形成され、前記可動コンタクト(400)の本体部分が、前記取付け溝内に取り付けられ、前記回転部材(100)の前記円筒形部分(102)の端部に取り付けられたロックキャップ(500)によって前記回転部材(100)の前記円筒形部分(102)にロックされる、
請求項1に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項8】
静止している第1の絶縁壁(301)および静止している第2の絶縁壁(302)をさらに備え、
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオフ位置へ回転したとき、前記第1の消弧シート(201)は前記第1の絶縁壁(301)に部分的に重なり、前記第2の消弧シート(202)は前記第2の絶縁壁(302)に部分的に重なる、請求項2に記載の電気コンタクトシステム。
【請求項9】
前記第1の絶縁壁(301)は、前記第1の静止接点(311)の一方の側に位置し、前記第2の絶縁壁(302)は、前記第2の静止接点(321)の一方の側に位置し、
前記可動コンタクト(400)が前記スイッチオン位置から前記スイッチオフ位置へ回転したとき、前記第1の消弧シート(201)は、前記第1の静止接点(311)の他方の側から前記第1の静止接点(311)と前記第1の可動接点(411)との間の前記接触領域に入るように駆動され、前記第2の消弧シート(202)は、前記第2の静止接点(321)の他方の側から前記第2の静止接点(321)と前記第2の可動接点(421)との間の前記接触領域に入るように駆動される、
請求項8に記載の電気コンタクトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2017年6月1日に中国国家知識産権局に出願された「Electrical Contact System」という名称の中国特許出願第201710403589.3号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、電気コンタクトシステムに関し、詳細には、消弧デバイスを有する電気コンタクトシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気スイッチデバイスおよび制御器具内の電気コンタクトは、オンからオフまたはオフからオンへの切換え中に電気アークを放電および生成することがある。電気アークの生成は、回路の接続および切断を遅延させ、さらには電気コンタクトを焼損させることがあり、その結果、電気コンタクトの溶融および溶着が生じることがある。深刻な場合、電気スイッチデバイスの発火および爆発を引き起こすこともある。したがって、効率的で確実な消弧作用を実現する消弧デバイスを設計することが必要とされている。
【0004】
関連技術では、高圧直流リレーなどの電気スイッチデバイスは通常、封止された膨張性の磁界を使用して金属相の電気アークを横方向に長くし、したがって消弧媒体中で電気アークを迅速に冷却してイオンを除去することができる。そのような方法には良好な消弧作用があるが、その製造プロセスは複雑であり、したがってコストが高くなる。別の消弧方法は、空気媒体で電気アークを消滅させるために強い磁界を利用することである。しかし、空気媒体中の電気アークの強いイオン化により、望ましくない消弧作用が生じることがあり、電気コンタクトの溶融および溶着が容易に生じる可能性がある。また、十分な大きさの内部空間が必要とされ、その結果、スイッチギヤのサイズを小型化することができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した欠点の少なくとも1つの態様を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一目的によれば、アークを確実に消滅させることが可能な電気コンタクトシステムが提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、静止接点を有する静止コンタクトと、可動接点を有する可動コンタクトと、可動コンタクトが取り付けられた回転部材とを含み、可動コンタクトは、スイッチオン位置とスイッチオフ位置との間で回転部材とともに回転可能である、電気コンタクトシステムが提供される。可動コンタクトがスイッチオン位置へ回転したとき、可動接点は静止接点と電気的に接触し、可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、可動接点は静止接点から分離される。電気コンタクトシステムは、回転部材と連動し、消弧シートを有する消弧デバイスをさらに含む。可動コンタクトがスイッチオン位置へ回転したとき、消弧シートは、可動接点と静止接点との間の接触領域を越えて回転し、それによって可動接点が静止接点と電気的に接触することを可能にする。
可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、消弧シートは、可動接点と静止接点との間の接触領域内へ回転し、したがって可動接点は、静止接点から電気的に分離され、それによって可動接点と静止接点との間の電気アークを遮断する。
【0008】
本開示の例示的な実施形態によれば、静止コンタクトは、第1の静止コンタクトおよび第2の静止コンタクトを含み、可動コンタクトは、第1の静止コンタクトと第2の静止コンタクトとの間に位置する。第1の静止コンタクトは第1の静止接点を有し、第2の静止コンタクトは第2の静止接点を有し、可動コンタクトは、その第1の端部に第1の可動接点を有し、その第2の端部に第2の可動接点を有する。消弧デバイスは、第1の消弧シートを備えた第1の消弧デバイスと、第2の消弧シートを備えた第2の消弧デバイスとを含む。
【0009】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シートは、第1の可動接点と第1の静止接点との間の接触領域内へ回転し、第2の消弧シートは、第2の可動接点と第2の静止接点との間の接触領域内へ回転し、したがって第1の可動接点および第2の可動接点は、それぞれ第1の静止接点および第2の静止接点から電気的に分離される。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、可動コンタクトがスイッチオン位置へ回転したとき、第1の消弧シートは、第1の可動接点と第1の静止接点との間の接触領域を越えて回転し、第2の消弧シートは、第2の可動接点と第2の静止接点との間の接触領域の外へ回転し、それによって第1の可動接点および第2の可動接点がそれぞれ第1の静止接点および第2の静止接点と電気的に接触することを可能にする。
【0011】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、回転部材は、円板状ベースと、円板状ベースから突出している円筒形部分とを含み、可動コンタクトは、回転部材の円筒形部分に取り付けられている。
【0012】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、回転部材の円板状ベースに第1のギヤおよび第2のギヤが形成され、第1のギヤと噛合する第1の相手側ギヤが、第1の消弧デバイスに形成され、第2のギヤと噛合する第2の相手側ギヤが、第2の消弧デバイスに形成されている。
【0013】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、回転部材の円板状ベースに第1の溝および第2の溝が形成され、第1のギヤおよび第2のギヤはそれぞれ、第1の溝の縁部および第2の溝の縁部に形成されている。
【0014】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、回転部材の円筒形部分に取付け溝が形成され、可動コンタクトの本体部分が、取付け溝内に取り付けられ、回転部材の円筒形部分の端部に取り付けられたロックキャップによって回転部材の円筒形部分にロックされる。
【0015】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、電気コンタクトシステムは、静止している第1の絶縁壁および静止している第2の絶縁壁をさらに含み、可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シートは第1の絶縁壁に部分的に重なり、第2の消弧シートは第2の絶縁壁に部分的に重なる。
【0016】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1の絶縁壁は、第1の静止接点の一方の側に位置し、第2の絶縁壁は、第2の静止接点の一方の側に位置し、可動コンタクトがスイッチオン位置からスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シートは、第1の静止接点の他方の側から第1の静止接点と第1の可動接点との間の接触領域に入るように駆動され、第2の消弧シートは、第2の静止接点の他方の側から第2の静止接点と第2の可動接点との間の接触領域に入るように駆動される。
【0017】
本開示の上記の例示的な実施形態では、消弧デバイスは、回転部材のギヤと噛合する。したがって、回転部材によって消弧デバイスを駆動して、可動接点と静止接点との間の接触領域内へ回転させることができ、したがって可動接点と静止接点との間のアークを迅速に遮断して、効率的で確実な消弧作用を実現することができる。加えて、本開示では、消弧デバイスを独立して駆動して回転させる駆動デバイスを提供する必要がなく、簡単な構造および低コストが実現される。
【0018】
本開示の上記その他の特徴は、本開示の例示的な実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明することによってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】可動コンタクトが1対の静止コンタクトから分離された状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの概略斜視図である。
【
図2】可動コンタクトが1対の静止コンタクトから分離された状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの平面図である。
【
図3】可動コンタクトが1対の静止コンタクトに接触している状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面では、同じ参照番号が同様の要素を指す。しかし本開示は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、逆にこれらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝える。
【0021】
加えて、以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかし、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかである。他の例では、よく知られている手段およびデバイスは、図面を簡略化するために図面に概略的に示す。
【0022】
本開示の技術的な一般概念によれば、静止接点を有する静止コンタクトと、可動接点を有する可動コンタクトと、可動コンタクトが取り付けられた回転部材とを含み、可動コンタクトは、スイッチオン位置とスイッチオフ位置との間で回転部材とともに回転可能である、電気コンタクトシステムが提供される。可動コンタクトがスイッチオン位置へ回転したとき、可動接点は静止接点と電気的に接触し、可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、可動接点は静止接点から分離される。電気コンタクトシステムは、回転部材と連動し、消弧シートを有する消弧デバイスをさらに含む。
可動コンタクトがスイッチオン位置へ回転したとき、消弧シートは、可動接点と静止接点との間の接触領域を越えて回転し、それによって可動接点が静止接点と電気的に接触することを可能にし、可動コンタクトがスイッチオフ位置へ回転したとき、消弧シートは、可動接点と静止接点との間の接触領域内へ回転し、したがって可動接点は、静止接点から電気的に分離され、それによって可動接点と静止接点との間の電気アークを遮断する。
【0023】
図1は、可動コンタクト400が1対の静止コンタクト310、320から分離された状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの概略斜視図を示す。
図2は、可動コンタクト400が1対の静止コンタクト310、320から分離された状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの平面図を示す。
図3は、可動コンタクト400が1対の静止コンタクト310、320に接触している状態にある、本開示の一実施形態による電気コンタクトシステムの平面図を示す。
【0024】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、電気コンタクトシステムは主に、可動コンタクト400、静止コンタクト310、320、回転部材100、および消弧デバイス210、220を含む。可動コンタクト400は、突出している可動接点411および421を備え、静止コンタクト310および320は、突出している静止接点311および321を備える。可動コンタクト400は、回転部材100に取り付けられており、スイッチオン位置とスイッチオフ位置との間で回転部材100の回転軸Z周りで回転部材100とともに回転可能である。
【0025】
図3に示すように、可動コンタクト400がスイッチオン位置へ回転したとき、可動接点411、421は、静止接点311、321と電気的に接触する。
【0026】
図1および
図2に示すように、可動コンタクト400がスイッチオフ位置へ回転したとき、可動接点411、421は、静止接点311、321から分離される。
【0027】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、消弧デバイス210、220は、消弧シート201、202を有し、回転部材100と噛合する。したがって、回転部材100がその回転軸Z周りで回転したとき、回転部材100は、消弧デバイス210、220の消弧シート201、202を駆動して、消弧デバイス210、220の回転軸周りで回転させることができる。
【0028】
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオン位置へ回転したとき、消弧シート201、202は、可動接点411、421と静止接点311、321との間の接触領域を越えて回転し、可動接点411、421が静止接点311、321と電気的に接触することを可能にする。
【0029】
図1および
図2に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置へ回転したとき、消弧シート201、202は、可動接点411、421と静止接点311、321との間の接触領域内へ回転し、したがって可動接点411、421は、静止接点311、321から電気的に分離され、それによって可動接点411、421と静止接点311、321との間の電気アークを遮断する。
【0030】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、電気コンタクトシステムは、2重の接点を備える。
図1に示すように、静止コンタクト310、320は、第1の静止コンタクト310および第2の静止コンタクト320を含む。可動コンタクト400は、第1の静止コンタクト310と第2の静止コンタクト320との間に位置する。第1の静止コンタクト310は第1の静止接点311を有し、第2の静止コンタクト320は第2の静止接点321を有する。可動コンタクト400の第1の端部410に第1の可動接点411が設けられ、可動コンタクト400の第2の端部420に第2の可動接点421が設けられる。消弧デバイス210、220は、第1の消弧デバイス210および第2の消弧デバイス220を含む。第1の消弧デバイス210は第1の消弧シート201を有し、第2の消弧デバイス220は第2の消弧シート202を有する。
【0031】
図1および
図2に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シート201は、第1の可動接点411と第1の静止接点311との間の接触領域内へ回転し、第2の消弧シート202は、第2の可動接点421と第2の静止接点321との間の接触領域内へ回転し、したがって第1の可動接点411および第2の可動接点421は、それぞれ第1の静止接点311および第2の静止接点321から電気的に分離される。そうすることによって、第1の可動接点411と第1の静止接点311との間の電気アークおよび第2の可動接点421と第2の静止接点321との間の電気アークを迅速に遮断することができる。
【0032】
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオン位置へ回転したとき、第1の消弧シート201は、第1の可動接点411と第1の静止接点311との間の接触領域の外へ回転し、第2の消弧シート202は、第2の可動接点421と第2の静止接点321との間の接触領域の外へ回転し、それによって第1の可動接点411および第2の可動接点421がそれぞれ第1の静止接点311および第2の静止接点321と電気的に接触することを可能にする。
【0033】
図1に示すように、図示の実施形態では、回転部材100は、円板状ベース101と、円板状ベース101から突出している円筒形部分102とを含む。可動コンタクト400は、回転部材100の円筒形部分102に取り付けられている。
【0034】
図1に示すように、図示の実施形態では、回転部材100の円板状ベース101に第1のギヤ111および第2のギヤ121が形成されている。第1のギヤ111と噛合する第1の相手側ギヤ211が、第1の消弧デバイス210に形成されている。第2のギヤ121と噛合する第2の相手側ギヤ221が、第2の消弧デバイス220に形成されている。
【0035】
図1に示すように、図示の実施形態では、回転部材100の円板状ベース101に第1の溝110および第2の溝120が形成されている。第1のギヤ111および第2のギヤ121はそれぞれ、第1の溝110の縁部および第2の溝120の縁部に形成されている。
【0036】
図1に示すように、図示の実施形態では、回転部材100の円筒形部分102に取付け溝(図示せず)が形成されている。可動コンタクト400の本体部分が、取付け溝内に設置され、回転部材100の円筒形部分102の端部に取り付けられたロックキャップ500によって回転部材100の円筒形部分102にロックされる。
【0037】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、電気コンタクトシステムは、それぞれ第1の静止接点311および第2の静止接点321に対して可動でない静止している第1の絶縁壁301および静止している第2の絶縁壁302をさらに含む。
【0038】
図1および
図2に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シート201は第1の絶縁壁301に部分的に重なる。このようにして、はさみのように機能する第1の消弧シート201および第1の絶縁壁301によって、第1の可動接点411と第1の静止接点311との間の電気アークを迅速に遮断することができる。
【0039】
同様に、
図1および
図2に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置へ回転したとき、第2の消弧シート202は第2の絶縁壁302に部分的に重なる。このようにして、はさみのように機能する第2の消弧シート202および第2の絶縁壁302によって、第2の可動接点421と第2の静止接点321との間のアークを迅速に遮断することができる。
【0040】
図示しないが、本開示の一実施形態では、第1の絶縁壁301および第2の絶縁壁302は、第1の静止コンタクト310および第2の静止コンタクト320が取り付けられた絶縁体に形成することができる。
【0041】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、第1の絶縁壁301は、第1の静止接点311の一方の側に位置し、第2の絶縁壁302は、第2の静止接点321の一方の側に位置する。
【0042】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオン位置からスイッチオフ位置へ回転したとき、第1の消弧シート201は、第1の消弧シート201が第1の絶縁壁301に部分的に重なるまで、第1の静止接点311の他方の側から第1の静止接点311と第1の可動接点411との間の接触領域に入るように駆動される。
【0043】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオン位置からスイッチオフ位置へ回転したとき、第2の消弧シート202は、第2の消弧シート202が第2の絶縁壁302に部分的に重なるまで、第2の静止接点321の他方の側から第2の静止接点321と第2の可動接点421との間の接触領域に入るように駆動される。
【0044】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置からスイッチオン位置へ回転したとき、第1の消弧シート201は、第1の静止接点311と第1の可動接点411との間の接触領域を出るまで、第1の静止接点311の他方の側から第1の静止接点311と第1の可動接点411との間の接触領域を離れるように駆動される。
【0045】
図1、
図2、および
図3に示すように、図示の実施形態では、可動コンタクト400がスイッチオフ位置からスイッチオン位置へ回転したとき、第2の消弧シート202は、第2の静止接点321と第2の可動接点421との間の接触領域から出るまで、第2の静止接点321の他方の側から第2の静止接点321と第2の可動接点421との間の接触領域を離れるように駆動される。
【0046】
本開示の上記の例示的な実施形態では、消弧デバイスは、回転部材のギヤと噛合する。したがって、回転部材によって消弧デバイスを駆動して、可動接点と静止接点との間の接触領域内へ回転させることができ、したがって可動接点と静止接点との間の電気アークを迅速に遮断して、効率的で確実な消弧作用を実現することができる。加えて、本開示では、消弧デバイスを独立して駆動して回転させる駆動デバイスを提供する必要がなく、簡単な構造および低コストが実現される。
【0047】
本開示の上記の実施形態では、全体的な電気コンタクトシステムの機構は非常に簡単であり、製造および組立てが容易であり、信頼性が非常に高い。さらに、全体的な電気コンタクトシステムのサイズを小型化することができ、全体的な電気コンタクトシステムはそれほど駆動エネルギーを必要とせず、エネルギー消費量が少なく、電気コンタクトシステムを備えた回路の確実な接続および切断を実現することができる。
【0048】
上述した実施形態はすべて例示であり、当業者であれば改善することができることが、当業者には理解されよう。様々な実施形態に記載した構造は、構造上または原理上矛盾することなく、自由に組み合わせることができる。
【0049】
本開示について添付の図面を参照して説明したが、添付の図面に開示する実施形態は、本開示の好ましい実施形態を例示的に示すことを意図したものであり、本開示の限定であると解釈することはできない。
【0050】
本発明の一般概念によるいくつかの実施形態について図示および説明したが、本発明の一般概念の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって画定される。
【0051】
「含む(including)/備える(comprising)」という表現は、他の要素またはステップを除外せず、「a」または「an」という表現は、複数であることを除外しないことに留意されたい。加えて、特許請求の範囲内のあらゆる参照番号は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。