(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得すること(S101)と、ここで異なる高さグループが、該異なる姿勢に対応する少なくとも1つの方向の該プリント対象物体の高さを含み、
該高さグループの全てから最小高さを有する第1の高さを取得すること、ならびに該第1の高さに従って、該第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得すること(S102)と、ここで該第2の高さおよび該第3の高さが、それぞれの方向における最小高さであり、
該第1の高さ、該第2の高さ、および該第3の高さが位置する方向を、それぞれ該プリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすること(S103)と、
を含み、
ここで、前記第1の高さ、前記第2の高さ、および前記第3の高さが位置する方向を、それぞれ前記プリント対象物体の3つのプリント方向として前記受け取ること、ならびにプリントすること(S103)が、
前記第1の高さが位置する方向を前記プリント対象物体のレイヤ積層方向として、前記第2の高さが位置する方向を前記プリント対象物体の2次プリント方向として、前記第3の高さが位置する前記方向を、前記プリント対象物体の1次プリント方向として、受け取ること、およびプリントすることを含む、
3Dプリンティング方法。
前記(S102)で取得された第1の高さが、少なくとも1つであり、前記高さグループの全てから最小高さを有する第1の高さを前記取得すること、ならびに前記第1の高さに従って、前記第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することが、具体的には、
前記高さグループの全てから前記最小高さを有する前記第1の高さを取得すること(S1021)と、
前記第1の高さに従って前記第2の高さを取得すること(S1022)と、
前記第1の高さおよび前記第2の高さに従って前記第3の高さを取得すること(S1023)と、
を含む、請求項1記載の3Dプリンティング方法。
前記第1の高さに従って前記第2の高さを前記取得すること(S1022)の後で、前記方法が、前記第2の高さに従って前記第1の高さを更新することをさらに含む、請求項2記載の3Dプリンティング方法。
前記第1の高さおよび前記第2の高さに従って前記第3の高さを前記取得することの後で、前記方法が、前記第3の高さに従って前記第1の高さおよび前記第2の高さを更新することをさらに含む、請求項3記載の3Dプリンティング方法。
前記高さグループが、前記ポリゴン・サーフェスのそれぞれの方向をさらに含み、前記第1の高さに従って前記第2の高さを前記取得すること(S1022)が、具体的には、
前記高さグループの全てから、前記第1の高さが位置し、かつ最小長さを有する方向と直交する高さを取得すること、および該高さを前記第2の高さとして受け取ること、または、
前記高さグループの全てから、前記第1の高さが位置する方向に略直交する高さを取得すること、および前記第1の高さが位置する該方向に略直交する該高さから、前記第1の高さに直交する方向に最小長さを有する投影を前記第2の高さとして受け取ること、
を含む、請求項5記載の3Dプリンティング方法。
前記第1の高さおよび前記第2の高さに従って前記第3の高さを前記取得すること(S1023)が、具体的には、前記高さグループの全てから、前記第1の高さおよび前記第2の高さに直交し、かつ最小長さを有する高さを取得すること、ならびに該高さを前記第3の高さとして受け取ること、または、
前記高さグループの全てから、前記第1の高さおよび前記第2の高さに略直交する高さを取得すること、ならびに前記第1の高さおよび前記第2の高さに略直交する該高さから、前記第1の高さおよび前記第2の高さに直交する方向に最小長さを有する投影を前記第3の高さとして受け取ること、
を含む、請求項6記載の3Dプリンティング方法。
前記高さグループが、ポリゴン・サーフェス上の前記プリント対象物体の投影をさらに含み、前記第1の高さに従って前記第2の高さを前記取得すること(S1022)が、具体的には、
前記第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上の前記プリント対象物体の投影における最小長さを取得すること、および該投影の該最小長さを前記第2の高さとして受け取ることを含み、
それに対応して、前記第1の高さおよび前記第2の高さに従って前記第3の高さを前記取得すること(S1023)が、具体的には、
前記第1の高さおよび前記第2の高さの方向に垂直な該投影の長さを前記第3の高さとして受け取ることを含む、請求項5記載の3Dプリンティング方法。
前記第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上の前記プリント対象物体の投影における最小長さを前記取得すること、および前記投影の前記最小長さを前記第2の高さとして受け取ることが、具体的には、
前記第1の高さを有する高さグループから、前記第1の高さに対応する前記ポリゴン・サーフェス上の前記プリント対象物体の投影の最小長さを取得すること、および該最小長さの全てのうちの最小値を前記第2の高さとして受け取ることを含む、請求項8記載の3Dプリンティング方法。
プリント・ヘッド(1)、支持プラットフォーム(2)、および制御ユニットを備え、該制御ユニットおよび該プリント・ヘッド(1)が、電気的に接続され、該制御ユニットが、該プリント・ヘッド(1)に該支持プラットフォーム(2)上の前記プリント対象物体をプリントさせるために、請求項1〜17のいずれか一項記載の前記3Dプリンティング方法を実行するように構成される、3Dプリンティング・デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本発明の実施形態における技術的解決策が、本発明の実施形態の添付図面を参照して、以下において明確かつ完全に説明される。説明される実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の実施形態の単なる一部であることは明らかである。当業者により、本発明の実施形態に基づいて創造的努力なしに得られる全ての他の実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1による、3Dプリンティング方法の概略フローチャートである。
図1に示されるように、本実施形態において提供される3Dプリンティング方法は、具体的には、以下のステップを含む。
【0014】
S101、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、異なる高さグループが、異なる姿勢に対応する少なくとも1つの方向のプリント対象物体の高さを含む、取得すること。
【0015】
ここで、プリント対象物体は、規則的形状、または不規則な形状を有し得る。従来の3Dプリンティング・プロセスでは、プリント対象物体の配置姿勢は、概して、プリント対象物体の重心の分布に従って判断され、例えば、垂直または水平に置かれる。この実施形態では、支持プラットフォーム上のプリント対象物体の複数の可能な姿勢、すなわち、プリント対象物体が3次元空間において提示し得る複数の異なる向きを取得する必要がある。したがって、異なるプリント方向の3Dプリンティング・デバイスのプリント速度は、概して一致しないため、プリント対象物体は、最適な姿勢または向きに従って配向して置かれ得る。例えば、最短のプリント時間を得るように、それ自体の最長サイズが、最も速いプリント速度でプリント方向に向かって設定される。具体的には、支持プラットフォーム上のプリント対象物体の異なる姿勢の数が、3Dプリンティング・デバイスの実際のニーズおよび処理ケイパビリティに従って、判断され得る。プリント対象物体が提示し得る向きまたは姿勢の数が多いほど、プリント対象物体の最適な方向姿勢または最適な向きの取得結果がより正確になり、3Dプリンティング・デバイスの処理ケイパビリティについての要件がより高くなる。
【0016】
プリント対象物体の異なる姿勢のそれぞれに対応して、プリント対象物体は、異なる姿勢のそれぞれにおけるときに全ての方向で、異なる高さ、すなわち、各方向の最大サイズを有する。したがって、高さグループが、各姿勢における少なくとも1つの方向のプリント対象物体の最大サイズを含むように、プリント対象物体がそれぞれの異なる姿勢にあるときの、少なくとも1つの方向のプリント対象物体の高さが、取得されてもよく、各姿勢に対応する高さ情報が、1つの高さグループに集められる。高さグループのうちの少なくとも1つの高さが、プリント対象物体のサイズを正確に記述し得る。それによって、3Dプリンティング・デバイスが、プリント対象物体の最適な方向姿勢を選択するように、異なる方向における高さに従って選択を実行することが可能となる。高さグループに含まれる必要がある高さの数は、高さ選択方法に依存して異なる。各高さグループは、少なくとも1つの高さを含み、概して、3次元空間におけるプリント対象物体の正確な形状およびサイズを正確に記述するように、互いに直交する3つの高さを含む。
【0017】
S102、高さグループの全てから最小高さを有する第1の高さを取得すること、ならびに第1の高さに従って、第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得すること。
【0018】
プリント対象物体の異なる姿勢に対応する複数の高さグループを取得した後、高さグループの全てから最小の第1の高さを見つけること、ならびに第1の高さの方向に直交する第2の高さおよび第3の高さを、第1の高さによって見つけることが必要である。ここで、第2の高さの方向および第3の方向もまた、互いに垂直かつ直交し、第2の高さおよび第3の高さは、それらのそれぞれの方向において最小高さである。概して、3つの高さが取得されるとき、第1の高さが最初に取得され、次いで、第2の高さおよび第3の高さが、第1の高さに基づいて逐次的に見つけられる。例えば、第1の高さが見つけられた後、第2の高さが、第1の高さに従って取得され、次いで、第3の高さが、第2の高さおよび第1の高さに従って取得される。または、第1の高さが取得された後、第3の高さが、第1の高さに従って最初に取得され、次いで、第2の高さが、第1の高さおよび第3の高さに従って取得される。このように取得された3つの高さは、全ての可能な姿勢におけるプリント対象物体の3つの異なる方向の3つの最小高さ値を示す。
【0019】
上記高さを取得するときに、第1の高さが1つまたは複数の高さグループに位置してもよく、1つの高さグループだけが第1の高さを含むときに、それに直交する第2の高さおよび第3の高さが、第1の高さの方向によって直接見つけられてもよく、複数の高さグループが第1の高さを含むときに、高さグループにおけるさらなるスクリーニングが必要とされ、各高さグループにおける第2の高さおよび第3の高さが取得された後、最小の第2の高さおよび最小の第3の高さ、ならびに最小の第2の高さおよび最小の第3の高さに対応する第1の高さを見つけるために、複数の高さグループ間で比較が行われることに留意すべきである。
【0020】
S103、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすること。
【0021】
第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得した後、プリント対象物体の最適なプリント姿勢が、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さのそれぞれの方向に従って最後に判断される。3Dプリンティング・デバイスが動作中のとき、方向のプリント速度は一貫しないため、プリント速度が最も遅い方向で消費されるプリント時間を減少させるために、プリント対象
物体の最小高さをプリント速度が最も遅い方向に割り当てること、およびプリント対象
物体の他のより小さい高さをプリント速度がより遅い方向に割り当てることが可能であり、それによって、プリント対象物体がプリントされる全体速度を上昇させる。このようにして、3Dプリンティング・デバイスは、プリント対象物体のプリント速度が最も遅い方向、プリント速度がより遅い方向、およびプリント速度がプリントするのに最も速い方向のそれぞれで、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さの方向を位置決めし得る。
【0022】
例えば、第1の高さが位置する方向が、プリント対象物体のレイヤ積層方向として受け取られてもよく、第2の高さが位置する方向が、プリント対象物体の2次プリント方向として受け取られてもよく、第3の高さが位置する方向が、プリント対象物体の1次プリント方向として受け取られてもよい。3Dプリンティング・デバイスは、通常、レイヤ化プリンティングをするため、各レイヤは、レイヤ・プリンティング・プロセス全体を実行する必要があり、各レイヤは、小さな厚みをプリントするだけであってもよい。よって、プリント対象物体のレイヤ積層方向におけるプリント速度、すなわちレイヤ積層速度が、最も遅く、したがって、プリント時間を減少させるために、このプリント方向のプリント対象物体の高さが小さいことが必要である。プリント対象物体がプリントしているときに、3Dプリンティング・デバイスは、概して、プリント・ヘッドの1次スキャニング方向、すなわち、1次プリント方向で直接プリントし得る。したがって、プリント対象物体のプリント速度は、この方向において最も速く、この方向のプリント対象物体の高さは、大きくてもよい。プリント・ヘッドの2次スキャニング方向、すなわち2次プリント方向において、プリント・ヘッドのリセットおよび移動などの動作を実行する必要があり、したがって、このプリント方向でのプリント速度は、より遅い。したがって、2次プリント方向のプリント対象物体の高さは、概して、1次プリント方向
の高さとレイヤ積層方向
の高さとの間である。このようにして、プリント対象物体の方向姿勢は、異なる方向のプリント速度に従って設定され、方向において消費されるプリント対象物体のプリント時間がより少ないことを保証し、全体のプリント速度を改善する。
【0023】
この実施形態では、3Dプリンティング方法は、具体的には、最初に、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、各高さグループが、姿勢に対応する複数の異なる方向のプリント対象物体の高さを含む、取得することと、次いで、高さグループの全てから、最小高さを有する第1の高さ、ならびに第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得することと、最後に、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすることと、を含む。このようにして、プリント対象物体を方向付けすることによって、プリント対象物体が小さな高さを有する方向と一致した遅いプリント速度でプリント方向を維持することができ、したがって、消費されるプリント対象物体のプリント時間が各方向において減少し、全体のプリント速度が改善される。
【0024】
<実施形態2>
プリント対象物体の複数の高さグループが取得された後、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが、高さグループから取得されるときに、異なる高さについて、優先度が設定されてもよく、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが、優先度に従って順番に取得される。
図2は、本発明の実施形態2による、プリント対象物体の複数の高さグループから第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得することの概略フローチャートである。
図2に示されるように、具体的には、ステップS102において、以下のサブステップが、具体的には含まれてもよい。
【0025】
S1021、全ての高さグループから最小高さを有する第1の高さを取得すること。
【0026】
具体的には、第1の高さが、全ての高さグループにおいて最小の高さであり、したがって、プリント時間を節約するために、第1の高さが位置する方向が、プリント対象物体をプリントするときにプリント速度が最も遅い方向と合致されてもよい。
【0027】
S1022、第1の高さに従って第2の高さを取得すること。
【0028】
第1の高さが取得された後、第1の高さに直交し、かつ最小高さを有する第2の高さが、高さグループから見つけられ得る。第2の高さは、第1の高さと同一の高さグループ内にあってもよく(高さグループが複数方向の高さを含むとき)、または第1の高さとは異なる高さグループ内にあってもよい(高さグループが1つの方向のみの高さを含むとき)。ここで、前のステップで取得された第1の高さは、1つの高さグループまたは複数の高さグループ内にあってもよい。1つの高さグループだけが第1の高さを含む場合、高さグループに対応する姿勢が、支持プラットフォーム上のプリント対象物体の方向姿勢として受け取られてもよく、その際、第2の高さおよび第3の高さは、直接判断されてもよい。複数の高さグループが第1の高さを含む場合、第1の高さが位置する方向に垂直かつ直交する方向が、第1の高さを含むグループからさらに取得される。最小高さを有する方向が、方向から選択され、それは、第2の高さが位置する方向である。
【0029】
複数の高さグループが第1の高さを含む場合において、一意な第1の高さを判断するために、第1の高さに従って第2の高さを取得した後、取得された第2の高さに従って第1の高さを更新することがさらに必要である。すなわち、このステップで取得された第2の高さに対応する第1の高さは、一意な第1の高さとして再度受け取られる。
【0030】
S1023、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得すること。
【0031】
同様に第2の高さが取得された後、第1の高さおよび第2の高さに直交し、かつ最小高さ値を有する第3の高さが、第1の高さおよび第2の高さに従って取得され得る。第1の高さおよび第2の高さを含む複数の高さグループが存在する場合、第1の高さおよび第2の高さの方向に直交し、かつ最小高さ値を有する方向が、第1の高さおよび第2の高さを含むグループからさらに取得されてもよく、それは、第3の高さが位置する方向である。
【0032】
さらに、前のステップで取得された第2の高さもまた、複数であり得るため、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得した後、第1の高さおよび第2の高さが、第3の高さに従って更新されてもよい。すなわち、第3の高さに対応する第2の高さおよび第1の高さは、取得された第3の高さに従って複数の第2の高さおよび第1の高さから再選択され、第1の高さおよび取得されるべき第1として確認される。
【0033】
上記ステップに従って、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さは、逐次的に取得され得る。プリント対象物体が、これらの高さの方向に向けられているときに、消費されるプリント時間が最短となるように、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが、そのそれぞれの方向における最小値であることが保証される。
【0034】
最小高さを有する第3の高さもまた、第1の高さおよび第2の高さを取得することに基づいて、複数であってもよいと、当業者により理解される。このとき、全ての第3の高さの高さ値が等しいため、複数の第3の高さのうちの任意の1つが、後続のプリントのために選択され得るように、プリント対象物体が設定される姿勢にかかわらず、最も速いプリント速度が得られ得る。
【0035】
この実施形態において、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを、プリント対象物体の複数の高さグループから取得することは、具体的には、最初に、全ての高さグループから最小の高さを有する第1の高さを取得することと、次いで、
第1の高さに従って第2の高さを取得することと、最後に、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得することと、を含む。このようにして、異なる方向における最小高さが、異なる優先度に従って、これらの方向において逐次的に取得され得る。それによって、より遅いプリント速度が、より短い長さに合致されてもよく、次いで、全体のプリント時間が最小化されるように、プリント対象物体をプリントするときに、プリント対象物体のプリント速度が最も遅い方向における長さが最小であることを保証する。
【0036】
<実施形態3>
前述の実施形態2に基づいて、プリント対象物体の複数の高さグループを取得し、これらの高さグループから、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得するときに、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さの方向が、プリント対象物体のモデル上のメッシュ・パーティションによって、かつメッシュ・ユニットの方向に従って、判断され得る。
図3は、本発明の実施形態3による、プリント対象物体の高さグループを取得することの概略フローチャートである。
図3に示されるように、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢における、プリント対象物体の高さグループを取得するステップは、具体的には、
S201、プリント対象物体を構成する全てのポリゴン・サーフェスを取得すること、を含む。
【0037】
ここで、プリント対象物体のモデルが、複数のポリゴン・サーフェスによって構成されてもよく、領域サイズおよびポリゴン・サーフェスの数が、3Dプリンティング・デバイスのニーズおよび処理ケイパビリティに従って設定されてもよい。ポリゴン・サーフェスの数が大きいほど、個々のポリゴン・サーフェスの領域は小さく、プリント対象物体のモデル高さの取得結果がより正確になり、これに対応して、必要な処理ケイパビリティがより高くなる。
【0038】
具体的には、ポリゴン・サーフェスは、三角サーフェスまたは他の形状であってもよい。別段の記述がない限り、例としてプリント対象物体が三角サーフェスでできているとして、説明が行われる。
【0039】
S202、ポリゴン・サーフェスのそれぞれに対応する高さグループを取得することであって、高さグループが、ポリゴン・サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さを含む、取得すること。
【0040】
プリント対象物体を構成する全ての三角サーフェスが取得された後、三角サーフェスは、参照平面として使用され得る。三角サーフェスに対応するプリント対象物体の高さ、すなわち、三角サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の最大サイズが、判断される。さらに、高さグループは、各ポリゴン・サーフェスの方向をさらに含む。したがって、三角サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さ、および三角サーフェスの方向、すなわち、他の三角サーフェスまたはプリント対象物体全体に対する三角サーフェスの相対角度が、三角サーフェスに対応する高さグループに含まれ、それは、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さの後続の選択を容易にする。例えば、
図4aは、本発明の実施形態3による、プリント対象物体の1つの三角サーフェスおよびその対応するモデル高さの概略図である。
図4aに示されるように、プリント対象物体の1つの三角サーフェスが、S1であり、三角サーフェスS1に垂直なモデル高さが、h1であり、高さh1のサイズおよび方向、ならびに三角サーフェスS1の角度が、三角サーフェスに対応する高さグループに含まれる。
図4bは、本発明の実施形態3による、プリント対象物体の別の三角サーフェスおよびその対応するモデル高さの概略図である。
図4bに示されるように、プリント対象物体の別の三角サーフェスS2、および対応するモデル高さh2が選択され得る。モデル高さh2のサイズおよび方向、ならびに三角サーフェスS2の角度が、三角サーフェスS2に対応する高さグループに含まれる。
【0041】
これに対応して、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得するステップにおいて、全ての高さグループから最小の第1の高さを取得するステップ、すなわち、ステップS1021は、具体的には、全ての高さグループからポリゴン・サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の最小高さを取得すること、および第1の高さとして最小高さを受け取ることを含み得る。
【0042】
このようにして、最小
高さは、三角サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さを直接比較することによって判断され得る。最小高さは、第1の高さとして受け取られる。3Dプリンティング・デバイスがプリントしているとき、最小プリント速度を有するプリント方向は、第1の高さが位置する方向として方向付けされ得る。
【0043】
図5は、本発明の実施形態3による、プリント対象物体の第2の高さと第1の高さとの間の相対関係の概略図である。
図5に示されるように、さらに、上記ステップS1021に基づいて第1の高さを取得した後で、第1の高さに直交し、かつ垂直な方向の最小高さを、第2の高さおよび第3の高さとして見つけることも必要である。さらに、最小の第1の高さを含む複数の高さグループが存在する場合、第2の高さを有するグループを取得するために、さらなる選択が必要である。第1の高さに従って第2の高さを取得するステップ、すなわち、ステップS1022は、具体的には、
高さグループの全てから、第1の高さが位置し、かつ最小長さを有する方向と直交する高さを取得すること、および高さを第2の高さとして受け取ること、または高さグループの全てから、第1の高さが位置する方向に略直交する高さを取得すること、および第1の高さが位置する方向に略直交する高さから、第1の高さに直交する方向に最小長さを有する投影を第2の高さとして受け取ること、を含み得る。
【0044】
上記ステップは、ただ1つの方向の高さが各高さグループに含まれる場合に対応し得る。したがって、第2の高さが選択されるとき、高さグループにおける三角サーフェスの方向を結合し、他の高さグループから条件を満たす高さを見つけ、それを第2の高さとして使用する必要がある。
図5に示されるように、最小の第1の高さh1が取得された後、第2の高さが取得されるとき、第2の高さは、第1の高さh1に直交するため、選択される三角サーフェスに対応する高さが第1の高さh1に垂直かつ直交するように、第1の高さh1が位置する三角サーフェスS1に垂直な三角サーフェスが、三角サーフェスの方向に従って選択され得る。次いで、選択された三角サーフェスに対応する高さのうち、対応する長さまたは高さの値が最小である1つの三角サーフェスS2があり、次いで、三角サーフェスS2に対応する高さh2が、第2の高さとして受け取られ得る。さらに、プリント対象物体は、必ずしも第1の高さに対応する三角サーフェスに垂直かつ直交する三角サーフェスを有しないため、第2の高さが取得されるとき、第1の高さに対応する三角サーフェスに略垂直な他の三角サーフェスの高さが、判定に使用され得る。三角サーフェスが、第1の高さに対応する三角サーフェスに略垂直、例えば、80°またはそれ以上の角度であるとき、この三角サーフェスの高さは、第1の高さが位置する方向に略直交する。したがって、方向が第1の
高さに略直交する全ての高さを見つけた後、高さは、第1の高さに直交する方向に投影されてもよく、最小長さを有する投影が、第2の高さとして受け取られる。
【0045】
同様に、第1の高さが1つだけ、および第2の高さが1つだけ存在する場合、第1の高さおよび第2の高さの両方に直交する方向が、第3の高さとして直接選択され得る。最小の第2の高さを含む複数の高さグループが存在するとき、上記ステップS1022に基づいて、第3の高さを含むグループを取得するために、第1の高さおよび第2の高さを含む全ての高さグループから、さらなる選択も実行されてもよい。具体的には、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得するステップが、具体的には、高さグループの全てから、第1の高さおよび第2の高さに直交し、かつ最小長さを有する高さを取得すること、ならびに高さを第3の高さとして受け取ること、または、高さグループの全てから、第1の高さおよび第2の高さに略直交する高さを取得すること、ならびに第1の高さおよび第2の高さに略直交する高さから、第1の高さおよび第2の高さに直交する方向に最小長さを有する投影を第3の高さとして受け取ること、を含み得る。
【0046】
第3の高さを取得した後、第3の高さを有する高さグループが1つだけ存在する場合、高さグループに対応する第3の高さが、直接判断され得る。第3の高さを有する複数の高さグループが存在する場合、これらの高さグループのうちの任意の1つが、第3の高さを判断するために選択され得る。
【0047】
この実施形態では、3Dプリンティング方法は、具体的には、最初に、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、各高さグループが、姿勢に対応する複数の異なる方向のプリント対象物体の高さを含む、取得することと、次いで、高さグループの全てから、最小高さを有する第1の高さ、ならびに第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得することと、最後に、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすることと、を含む。プリント対象物体の異なる姿勢に対応する高さグループを取得するときに、具体的には、プリント対象物体を構成する全てのポリゴン・サーフェスが取得され、ポリゴン・サーフェスのそれぞれに対応する高さグループが取得される。その場合に、高さグループは、ポリゴン・サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さ、およびポリゴン・サーフェスのそれぞれの方向を含む。このようにして、プリント対象物体を方向付けすることによって、プリント対象物体が小さな高さを有する方向と一致した遅いプリント速度でプリント方向を維持することができ、したがって、方向において消費されるプリント対象物体のプリント時間が減少し、全体のプリント速度が改善される。
【0048】
<実施形態4>
プリント対象物体がメッシュされ、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さの方向が、メッシュ・ユニットの方向に従って判断されるとき、第1の高さが取得された後、第1の高さおよび対応するポリゴン・サーフェスは、互いに垂直であるため、ポリゴン・サーフェスがある平面上で対応する第2の高さおよび第3の高さを直接見つけることも可能である。このとき、高さグループは、ポリゴン・サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さだけでなく、ポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影もまた含む。このようにして、ポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影が、第2の高さおよび第3の高さを取得するために使用され得る。具体的には、異なる姿勢のプリント対象物体の複数の高さグループを取得するときに、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得するステップは、また、最初に、高さグループの全てから最小の第1の高さを取得することと、次いで、第1の高さに従って第2の高さを取得することと、最後に、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得することと、を含み得る。
【0049】
全ての高さグループから最小の第1の高さを取得するステップは、具体的には、全ての高さグループからポリゴン・サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の最小高さを取得すること、および最小高さを第1の高さとして受け取ることを含み得る。
【0050】
このようにして、プリント対象物体の最小
高さは、三角サーフェスに垂直な方向のプリント対象物体の高さを比較することによって直接判断され得る。最小高さは、第1の高さとして受け取られる。3Dプリンティング・デバイスがプリントしているとき、最小プリント速度を有するプリント方向は、第1の高さが位置する方向として方向付けされ得る。
図6は、本発明の実施形態4による、プリント対象物体の第1の高さおよび対応する三角サーフェスの概略図である。
図6に示されるように、三角サーフェスS1に対応するモデル高さh1が、三角面の全てに対応する高さのうちの最小の第1の高さであると仮定すると、第2の高さおよび第3の高さを取得するときに、第1の高さh1に従って、探索が実行され得る。
【0051】
さらに、最小の第1の高さを含む複数の高さグループが存在する場合、第1の高さを用いて第2の高さを有するグループを取得することによって、第1の高さを含む全ての高さグループからさらなるスクリーニングを実行する必要がある。第1の高さに従って第2の高さを取得するステップ、すなわち、ステップS1022は、具体的には、
第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影の最小長さを取得すること、および投影の最小長さを第2の高さとして受け取ることを含み得る。
【0052】
具体的には、ステップは、具体的には、第1の高さを有する高さグループから、第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影の最小長さを取得すること、および最小長さの全ての最小値を第2の高さとして受け取ることであってもよい。
【0053】
第1の高さおよび対応するポリゴン・サーフェスは、必ず互いに垂直であるため、複数の最小の第1の高さが存在するとき、プリント対象物体は、これらの第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上に投影されてもよく、ポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影の最小長さが、見つけられ得る。見つけられた投影の最小長さは、ポリゴン・サーフェス上に位置するため、それは、投影の最小長さが位置するポリゴン・サーフェスに対応する第1の高さと必ず相互直交関係であり、投影の最小長さが、第2の高さとして受け取られ得る。
図7は、本発明の実施形態4による、第1の高さに従って第2の高さを取得することの概略図である。
図7に示されるように、第1の高さh1および対応する三角サーフェスS1を取得した後、三角サーフェスS1が、投影平面として使用されてもよく、プリント対象物体全体が、三角サーフェスS1上に投影される。したがって、三角サーフェスS1上のプリント対象物体の投影は、第1の高さh1に全て垂直であり、これによって、最小高さh2が、投影から見つけられ、第2の高さとして受け取られ得る。
【0054】
さらに、第2の高さを取得した後、第1の高さは、第2の高さに従って更新され得る。すなわち、第2の高さに対応する第1の高さが選択され、必要な第1の高さとして使用される。
【0055】
同様に、上記ステップS1022に基づいて、最小の第1の高さおよび最小の第2の高さを含む複数の高さグループが存在する場合、第3の高さを含むグループを取得するために、さらなるスクリーニングが、また、第1の高さおよび第2の高さによる高さグループから実行され得る。具体的には、第1の高さおよび第2の高さに従って第3の高さを取得するステップ、すなわちステップS1023が、具体的には、
第1の高さおよび第2の高さの方向に垂直な投影の長さを第3の高さとして受け取ること、を含み得る。
【0056】
このようにして、第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影のうち、第1の高さおよび第2の高さの方向に垂直な長さが、第3の高さとして受け取られ得る。
【0057】
具体的には、概して、第2の高さが1つだけ存在するとき、第1の高さおよび第2の高さに直交し、かつ投影サーフェス上に位置する第3の高さが、第1の高さおよび第2の高さに従って直接判断され得る。複数の第2の高さが存在するとき、第1の高さおよび第2の高さに対応する第3の高さもまた、複数であり得るため、ステップは、第1の高さおよび第2の高さを有する高さグループから、第1の高さに対応し、かつ最小長さを有するポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影において、第1の高さおよび第2の高さの方向に垂直な長さを、第3の高さとして取得することであり得る。
【0058】
第3の高さを取得した後、第3の高さを有する高さグループが1つだけ存在する場合、高さグループに対応する第3の高さが、直接判断され得る。第3の高さを有する複数の高さグループが存在する場合、これらの高さグループのうちの任意の1つが、第3の高さを判断するために選択され得る。
【0059】
この実施形態では、3Dプリンティング方法は、具体的には、最初に、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、各高さグループが、姿勢に対応する複数の異なる方向のプリント対象物体の高さを含む、取得することと、次いで、高さグループの全てから、最小高さを有する第1の高さ、ならびに第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得することと、最後に、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすることと、を含む。プリント対象物体の異なる姿勢に対応する高さグループを取得するとき、第1の高さを取得した後、第1の高さに対応するポリゴン・サーフェス上のプリント対象物体の投影における最小長さが、取得されてもよく、投影における最小長さは、第2の高さとして受け取られてもよく、投影における第1の高さおよび第2の高さに直交する長さが、第3の高さとして受け取られてもよい。このようにして、プリント対象物体を方向付けすることによって、プリント対象物体が小さな高さを有する方向と一致した遅いプリント速度でプリント方向を維持することができ、したがって、方向において消費されるプリント対象物体のプリント時間が減少し、全体のプリント速度が改善される。
【0060】
<実施形態5>
前述した実施形態2に基づいて、プリント対象物体の複数の高さグループを取得し、これらの高さグループから第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得するとき、プリント対象物体の外接形状も、高さグループを判断するために利用され得る。
図8は、本発明の実施形態5による、プリント対象物体の高さグループを取得することの別の概略フローチャートである。
図8に示されるように、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することは、具体的には、
S301、支持プラットフォームに対する姿勢のそれぞれにおいてプリント対象物体の包含体を取得することであって、包含体が、プリント対象物体が完全に含まれる最小エンティティである、取得することを含み得る。
【0061】
プリント対象物体は、通常、不規則な形状であるため、異なる方向姿勢におけるプリント対象物体に対応する包含体が確立されてもよく、包含体のサイズおよび方向が、各方向のプリント対象物体の長さを判定するために使用される。具体的には、互いに垂直なプリント方向に対応することを容易にするために、包含体は、概して、エッジが互いに垂直である直方体であってもよく、直方体は、プリント対象物体と外接する。
【0062】
このようにして、プリント対象物体は、プリント対象物体が完全に含まれることが可能であり、支持プラットフォームに対するそれぞれの異なる姿勢またはそれぞれの異なる角度において、各方向に最短の長さを有する直方体を、それに対応して有する。各直方体は、プリント対象物体のあらゆる可能な方向姿勢を横断するように、他の直方体に対して小さな角度だけ相対的に回転される。
【0063】
具体的には、
図9は、本発明の実施形態5による、プリント対象物体の異なる姿勢における包含体を取得することの概略フローチャートである。
図9に示されるように、包含体が、プリント対象物体の外接直方体であるとき、支持プラットフォームに対する姿勢のそれぞれにおいてプリント対象物体の包含体を取得するステップは、具体的には、以下のサブステップに分割され得る。
【0064】
S3011、支持プラットフォームに対するプリント対象物体の全ての異なる姿勢を取得すること。
【0065】
S3012、3次元直交座標系の平面からのそれぞれの姿勢におけるプリント対象物体の、最短距離を有する点および最長距離を有する点をそれぞれ取得すること。
【0066】
S3013、3次元直交座標系の平面からの各姿勢におけるプリント対象物体の、最短距離を有する点および最長距離を有する点を頂点として用いて、各姿勢におけるプリント対象物体の包含体を確立すること。
【0067】
具体的には、
図10は、本発明の実施形態5による、ある角度におけるプリント対象物体およびその包含体の概略図である。
図10に示されるように、3次元直交座標系が、XYZ座標系であり、3つの相互に垂直な平面、X−Y平面、X−Z平面、およびY−Z平面を含むと仮定される。プリント対象物体の姿勢を任意に選択すると、ステップS3012によれば、プリント対象物体上の3次元直交座標系のX−Y平面に最も近い点D1(x1,y1,z1)および最も遠い点D1’(x1’,y1’,z1’)、Y−Z平面に最も近い点D2(x2,y2,z2)および最も遠い点D2’(x2’,y2’,z2’)、ならびにX−Z平面に最も近い点D3(x3,y3,z3)および最も遠い点D3’(x3’,y3’,z3’)が、姿勢においてそれぞれ取得され得る。
【0068】
ステップS3013において、6つの点D1、D1’、D2、D2’、D3、D3’は、プリント対象物体の外接直方体を判断するための頂点として使用され得る。具体的には、
図10は、プリント対象物体101およびその外接包含体、すなわち、直方体102を示す。外接直方体102の頂点は、それぞれ、a(x2,y3,z1)、b(x2’,y3,z1)、c(x2’,y3’,z1)、d(x2,y3’,z1)、a’(x2,y3,z1’)、b’(x2’,y3,z1’)、c’(x2’,y3’,z1’)、d’(x2,y3’,z1’)である。直方体102のエッジは、8つの頂点に従って取得されてもよく、それぞれ、L1=x2’−x2、L11=y3’−y3、L111=z1’−z1である。
【0069】
S302、包含体の全てに対応する高さグループを取得することであって、高さグループのそれぞれが、包含体の全てのエッジのエッジ長を含む、取得すること。
【0070】
プリント対象物体101を、やはり例にとると、プリント対象物体が、異なる姿勢を提示するように、プリント対象物体は、X、Y、およびZ方向のうちのいずれか1つにおいて所定の角度だけ回転され得る。
図11は、本発明の実施形態5による、別の角度におけるプリント対象物体およびその包含体の概略図である。
図11に示されるように、それは、別の角度において取得される、プリント対象物体101およびその包含体202を示す。上記ステップS3011〜S3013を繰り返すことによって、プリント対象物体の異なる向きの外接直方体のエッジのエッジ長が、取得され得る。
【0071】
例えば、プリント対象物体の姿勢は、1°の単位で調整され得る。最初に、プリント対象物体は、3次元直交座標系においてX方向周りに1°だけ回転されて、X方向に360方向のプリント対象物体の全ての外接直方体を取得し得る。次いで、X方向に沿った各方向姿勢において、プリント対象物体は、Y方向周りに1°だけ回転され、それによって、X方向およびY方向におけるプリント対象物体の360×360個の外接直方体全てを取得する。最後に、プリント対象物体が、X方向およびY方向の各姿勢において、Z方向周りに1°だけ回転されて、X方向、Y方向、およびZ方向のプリント対象物体の360×360×360個の外接直方体全てを取得する。これらの外接直方体に対応する高さグループは、後続の計算において必要な第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さを取得するために、外接直方体の全てのエッジ長を含む。
【0072】
次いで、前述の実施形態3の方法に類似して、前述の実施形態2に基づき、全ての高さグループから最小の第1の高さを取得することのステップS1021は、具体的には、包含体の全てから最小長さを有するエッジを取得すること、および最小長さを有するエッジのエッジ長を第1の高さとして受け取ることを含み得る。
【0073】
包含体のエッジ長は、プリント対象物体の最大外寸を表すため、プリント対象物体の最小の第1の高さが、包含体の最小長さを有するエッジを選択することによって取得され得る。
【0074】
さらに、第1の高さを取得した後、第1の高さを含む複数の高さグループが存在する場合、第2の高さを有するグループを取得するために、第1の高さを含む全ての高さグループからさらなるスクリーニングを実行する必要がある。第1の高さを有する高さグループから、第1の高さが位置し、かつ最小高さを有する方向に直交する第2の高さを取得するステップS1022は、具体的には、第1の高さを有する高さグループから、包含体のエッジのうち、第1の高さとは異なる方向を有し、かつ最小長さを有するエッジを取得すること、および第1の高さとは異なる方向を有し、かつ最小長さを有するエッジのエッジ長を、第2の高さとして受け取ることを含み得る。
【0075】
包含体は直方体であるため、包含体のエッジは互いに垂直であり、したがって、包含体のエッジから、第1の高さとは異なる方向を有し、かつ最小長さを有するエッジを選択することが比較的容易であり、エッジのエッジ長は、第2の高さとして受け取られ、エッジの向きは、第2の高さの方向として受け取られる。
【0076】
同様に、第2の高さを含む複数の高さグループが存在するとき、第1の高さおよび第2の高さを有する高さグループから、第1の高さおよび第2の高さの方向に直交し、かつ最小高さを有する第3の高さを取得するステップS1023は、具体的には、第1の高さおよび第2の高さを有する高さグループから、包含体のうち、第1の高さおよび第2の高さとは異なる方向を有するエッジを取得すること、ならびに第1の高さおよび第2の高さとは異なる方向を有するエッジのエッジ長を、第3の高さとして受け取ることを含み得る。
【0077】
第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さがこのようにして判断された後、プリント対象物体が支持プラットフォームに対して提示する最適な姿勢が、これらの高さの方向に従って判断され得る。プリント対象物体は、プリント速度が最も遅いプリント方向においてプリント対象物体が小さなサイズを有することを保証し得る最適な姿勢に従ってプリントされ、全体のプリント時間が減少する。
【0078】
この実施形態では、3Dプリンティング方法は、具体的には、最初に、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、各高さグループが、姿勢に対応する複数の異なる方向のプリント対象物体の高さを含む、取得することと、次いで、高さグループの全てから、最小高さを有する第1の高さ、ならびに第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得することと、最後に、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすることと、を含む。プリント対象物体の異なる姿勢における高さグループを取得するときに、支持プラットフォームに対する姿勢のそれぞれにおいてプリント対象物体の包含体が、最初に取得されてもよく、包含体は、プリント対象物体が完全に含まれる最小エンティティであり、次いで、包含体の全てに対応する高さグループが、取得され、高さグループのそれぞれが、包含体の全てのエッジのエッジ長を含む。このようにして、プリント対象物体を方向付けすることによって、プリント対象物体が小さな高さを有する方向と一致した遅いプリント速度でプリント方向を維持することができ、したがって、方向において消費されるプリント対象物体のプリント時間が減少し、全体のプリント速度が改善される。
【0079】
<実施形態6>
本発明は、前述の実施形態1〜
5における3Dプリンティング方法を実行するために使用され得る3Dプリンティング・デバイスをさらに提供する。
図12は、本発明の実施形態6による、3Dプリンティング・デバイスの概略構造図である。
図12に示されるように、この実施形態において提供される3Dプリンティング・デバイスは、具体的には、プリント・ヘッド1、支持プラットフォーム2、および制御ユニット(図示せず)を含む。制御ユニットおよびプリント・ヘッド1は、電気的に接続され、制御ユニットは、プリント・ヘッド1が支持プラットフォーム2上のプリント対象物体3をプリントするように、実施形態1〜
5に記載される3Dプリンティング方法を実行するように構成される。3Dプリンティング方法の処理ステップは、前述の実施形態1〜
5において詳細に説明されており、ここでは、再び説明されない。
【0080】
具体的には、制御ユニットは、処理端末および駆動コントローラなどのコンポーネントを含んでもよく、処理端末は、プリント対象物体3を処理してプリント用のプリント・データを形成するように構成されてもよい。駆動コントローラは、処理端末によって発行される命令を通して支持プラットフォーム2上でプリントするように、プリント・ヘッド1を制御する。処理端末によって発行される命令は、実施形態1〜
5の方法プロセスに従って、プリント対象物体のプリントを方向付けすることを含む。プリント対象物体3は、異なる方向において異なる長さを有する。具体的には、プリント対象物体3の向きは、レイヤ積層方向におけるプリント対象物体の長さ<プリント・ヘッドの2次スキャニング方向における長さ<プリント・ヘッドの1次スキャニング方向における長さ、を満たすべきである。
【0081】
プリント対象物体3に対して判断される方向姿勢は、プリント対象物体3の実際の重心と合致しなくてもよいため、処理端末は、プリント時においてプリント対象物体3の吊り下げ部を支持するように、プリント対象物体3の支持構造を生成するようにさらに構成される。
【0082】
支持プラットフォーム2上のプリント対象物体3の姿勢および向きを判断した後、支持構造を含むプリント対象物体3に対してレイヤ化処理が実行される。次いで、各レイヤのレイヤ・プリント・データが、プリントするようにプリント・ヘッド1を制御する駆動コントローラに送信され、最後に、複数のレイヤが、重畳されてプリント対象物体3を形成する。
【0083】
具体的には、処理端末のデータの処理時間をさらに短縮するために、実施形態1〜5(4)の3Dプリンティング方法は、レイヤ化処理と同時に動作されてもよい。具体的には、第1の高さが、プリント対象物体3の異なる姿勢に対応する高さグループから判断された後、プリント対象物体3のための支持構造が、生成されてもよく、次いで、プリント対象物体3の第2の高さおよび第3の高さを判断するように、支持構造を含むプリント対象物体3に対して、レイヤ化処理が実行される。最後に、プリント・ヘッド1が、プリントするよう制御されるように、各レイヤのレイヤ・プリント・データは、対応する変換の後、駆動コントローラに送信され、複数レイヤの重畳後、プリント対象物体3が、形成される。
【0084】
具体的には、レイヤ化処理は、プリント対象物体3をデータ形式に変換することを含んでもよく、プリント対象物体3の情報がスキャニングによって取得されてもよく、次いで、プリント対象物体3に含まれる情報が、STLフォーマット、PLYフォーマット、WRLフォーマットなどの、処理端末のレイヤ化スライス・ソフトウェアによって認識され得るデータ・フォーマットに変換される。具体的には、プリント対象物体3に含まれる情報が、レイヤを単位として受け取り、すなわち、プリント対象物体3は、スキャンされ、処理端末のレイヤ化スライス・ソフトウェアによって認識され得るデータ・フォーマットに変換される。次いで、スライスおよびレイヤ化は、レイヤ化
スライス・ソフトウェアを通して実行され、次いで、各スライスされたレイヤは、各レイヤのレイヤ情報を取得するために解析され、次いで、各レイヤのレイヤ情報は、レイヤ・プリント・データに変換される。
【0085】
具体的には、レイヤ・プリント・データは、レイヤ構造化データおよびレイヤ非構造化データを含むがこれらに限定されない。レイヤ構造化データは、カラム構造化データ、ネットワーク・フォーマット構造化データ、スパイラル構造化データ、および他の情報を含むが、これらに限定されず、レイヤ非構造化データは、材料、色、および他の情報を含むが、これらに限定されない。
【0086】
具体的には、プリント対象物体3のレイヤ非構造化情報は、プリント対象物体3のスライスされたレイヤのレイヤ構造情報を解析する間に取得される。
【0087】
変形として、レイヤ非構造化情報の材料情報は、特定のニーズに従って設定され得る。レイヤ非構造化情報の色情報もまた、描画ソフトウェアを通してプリント対象物体3を直接描画し得る。一般に使用される描画ソフトウェアは、CAD、Proe、Solidwork、UG、3DMaxなどを含む。当業者により理解されるように、描画ソフトウェアによって描画されるものは、プリント対象物体3の基本構造モデルである。当業者は、従来技術に基づいて多様な変更を行ってもよく、それらは、本明細書において説明されない。
【0088】
変形として、プリント対象物体3は、単一材料または複数材料からプリントされてもよく、単色または複数色の物体などであってもよい。本発明におけるプリント対象物体3の材料の種類、色情報などの特性は、限定されない。
【0089】
具体的には、上記材料は、支持材料および成形材料を含む。支持材料は、ホットメルト材料、水溶性材料などの、ある化学的性質または物理的性質を有する材料を含むが、これらに限定されない。成形材料は、光硬化性材料、温度硬化性材料、硬質材料、軟質材料などの、ある化学的性質または物理的性質を有する材料を含むが、これらに限定されない。
【0090】
プリント対象物体3のプリント時間をさらに短縮するために、レイヤ化プロセスは、駆動コントローラがプリントするようにプリント・ヘッド1を制御することと同時に動作される。特定の実装は、処理端末が、プリント対象物体3の第1のレイヤ・プリント・データを取得した後、第2のレイヤ・プリント・データを取得しつつ、第1のレイヤ・プリント・データが、プリントするようにプリント・ヘッド1を制御する駆動コントローラに送信され、最後に、複数のレイヤが重畳されて、プリント対象物体3を形成する。
【0091】
さらに、処理端末および駆動コントローラの機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、またはその2つの組み合わせによって実装され得る。具体的には、それが、ソフトウェア・モジュールによって実装される場合、プリ・プログラムが、プロセッサに焼き付けられてもよく、またはソフトウェアが、プリセット・システムにインストールされてもよい。それが、ハードウェアによって実装される場合、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)が、実現のために対応する機能を固定するために利用され得る。
【0092】
さらに、ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、ハード・ディスク、または当技術分野において既知の任意の他の形式の記憶媒体に記憶され得る。記憶媒体をプロセッサに連結することによって、プロセッサは、情報を記憶媒体から読み出すことが可能であり、情報を記憶媒体に書き込み得る。変形として、記憶媒体は、プロセッサの一部であってもよく、または、プロセッサおよび記憶媒体の両方が、特定用途向け集積回路(ASIC)上に位置する。
【0093】
さらに、ハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のプログラマブル・ロジック・デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ・ロジック・デバイス、離散ハードウェア・コンポーネント、またはこれらのハードウェアの組み合わせであってもよく、それらは、特定機能を実装することが可能である。変形として、それは、また、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPと通信する1つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせなどの、コンピューティング・デバイスの組み合わせによって実装され得る。
【0094】
この実施形態では、3Dプリンティング・デバイスは、具体的には、プリント・ヘッド、支持プラットフォーム、および制御ユニットを含み、制御ユニットおよびプリント・ヘッドが、電気的に接続され、制御ユニットが、3Dプリンティング方法を実行するように構成され、それによって、プリント・ヘッドが、支持プラットフォーム上のプリント対象物体をプリントする。3Dプリンティング方法は、具体的には、最初に、支持プラットフォームに対する複数の異なる姿勢におけるプリント対象物体の高さグループを取得することであって、各高さグループが、姿勢に対応する複数の異なる方向のプリント対象物体の高さを含む、取得することと、次いで、高さグループの全てから、最小高さを有する第1の高さ、ならびに第1の高さと直交する第2の高さおよび第3の高さを取得することであって、第2の高さおよび第3の高さが、それぞれの方向における最小高さである、取得することと、最後に、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さが位置する方向を、それぞれプリント対象物体の3つのプリント方向として受け取ること、ならびにプリントすることと、を含む。このようにして、プリント対象物体を方向付けすることによって、プリント対象物体が小さな高さを有する方向と一致した遅いプリント速度でプリント方向を維持することができ、したがって、方向において消費されるプリント対象物体のプリント時間が減少し、全体のプリント速度が改善される。
【0095】
当業者であれは、上述した方法の実施形態を実装するステップの全てまたは一部が、プログラム命令に関連するハードウェアによって完成され得ることを理解するであろう。前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。プログラムは、実行時に、前述の方法の実施形態に含まれるステップを実行し、前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラム・コードを記憶し得る様々な媒体を含む。
【0096】
最後に、上記実施形態は、単に本発明の技術的解決策を説明するために用いられ、それらを限定するものではないことに留意すべきである。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、前述の実施形態において説明される技術的解決策が、修正され得ること、またはその中の技術的特徴のうちのいくつかもしくは全てが、等価置換され得ることを理解すべきである。これらの修正または代替は、対応する技術的解決策の本質を、本発明の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱させるものではない。