(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索部と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列からなるワイルドカード文字列群から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記文書データベースの検索を実行させる類似キーワード選択部と、
前記文書データベースに対する、前記入力キーワードによる検索結果と、前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力部と、を有する文書検索装置。
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する非該当文書情報群抽出部を、前記文書検索装置が、さらに有し、
類似キーワード選択部が、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させ、
出力部が、前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する、請求項1記載の文書検索装置。
紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索部と、
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する非該当文書情報群抽出部と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索部と、
前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させる類似キーワード選択部と、
前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力部と、を有する文書検索装置。
特定の分野のキーワード群が格納されたキーワードデータベースを参照し、前記ワイルドカード文字列群に含まれる各文字列について、前記入力キーワードとの類似度と、前記特定の分野のキーワードとの類似度と、をそれぞれ取得する類似度取得部を有し、
前記類似キーワード選択部は、前記ワイルドカード文字列群に含まれる文字列、又は、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群に含まれる文字列、のうち、前記入力キーワードとの類似度が最も高くなる文字列を、類似キーワードに選択する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の文書検索装置。
前記ワイルドカード文字列群に含まれる文字列、または、前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群に含まれる文字列のうち、前記入力キーワードとの類似度が最も高くなかった文字列のうち、入力キーワードとの類似度が所定の閾値以上の文字列を、非類似キーワードに選択する非類似キーワード選択部を有し、
前記文書検索部は、
前記非該当文書情報群を前記非類似キーワードで検索し、
前記出力部は、前記非類似キーワードによる検索結果を、前記入力キーワードによる検索結果と、前記類似キーワードによる検索結果と共に出力する、請求項2乃至5の何れか一項に記載の文書検索装置。
紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索処理と、
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する文書情報群抽出処理と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索処理と、
前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索処理によって、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させる類似キーワード選択処理と、
前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる文書検索プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
文字情報の誤認識が多い場合、光学文字認識処理して得た電子ファイルをデジタル検索してもヒットしない問題が発生する。一方で、あいまい検索等で広い範囲で検索すれば、ヒットミスを下げることができ検索の網羅性を上げることができるが、検索の正確性を犠牲にすることになる。特許文献1及び2には、検索の正確性を向上させる示唆はない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、キーワード検索のヒット率を上げつつ、誤検出を防ぐことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の示す構成を備える。
[1] 紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索部と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列からなるワイルドカード文字列群から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記文書データベースの検索を実行させる類似キーワード選択部と、
前記文書データベースに対する、前記入力キーワードによる検索結果と、前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力部と、を有する文書検索装置。
[2] 前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する非該当文書情報群抽出部と、
前記ワイルドカード文字列群により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索部と、を前記文書検索装置が、さらに有し、
前記類似キーワード選択部において、前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択する、[1]記載の文書検索装置。
[3] 前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する非該当文書情報群抽出部を、前記文書検索装置が、さらに有し、
類似キーワード選択部が、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させ、
出力部が、前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する、[1]記載の文書検索装置。
[4] 紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索部と、
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する非該当文書情報群抽出部と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索部と、
前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させる類似キーワード選択部と、
前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力部と、を有する文書検索装置。
[5] 特定の分野のキーワード群が格納されたキーワードデータベースを参照し、前記ワイルドカード文字列群に含まれる各文字列について、前記入力キーワードとの類似度と、前記特定の分野のキーワードとの類似度と、をそれぞれ取得する類似度取得部を有し、
前記類似キーワード選択部は、前記ワイルドカード文字列群に含まれる文字列、又は、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群に含まれる文字列、のうち、前記入力キーワードとの類似度が最も高くなる文字列を、類似キーワードに選択する、[1]乃至[4]の何れか一項に記載の文書検索装置。
[6] 前記類似キーワードに選択された文字列の類似度が、所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定部を有し、
前記類似キーワード選択部は、
前記選択された文字列の類似度が前記所定の条件を満たさない場合、前記選択された文字列のうち、類似度が前記所定の条件を満たす文字列を高類似キーワードとし、
前記文書検索部は、
前記非該当文書情報群を前記高類似キーワードで検索し、
前記出力部は、前記高類似キーワードによる検索結果を出力する、[2]乃至[5]の何れか一項に記載の文書検索装置。
[7] 前記ワイルドカード文字列群に含まれる文字列、または、前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群に含まれる文字列のうち、前記入力キーワードとの類似度が最も高くなかった文字列のうち、入力キーワードとの類似度が所定の閾値以上の文字列を、非類似キーワードに選択する非類似キーワード選択部を有し、
前記文書検索部は、
前記非該当文書情報群を前記非類似キーワードで検索し、
前記出力部は、前記非類似キーワードによる検索結果を、前記入力キーワードによる検索結果と、前記類似キーワードによる検索結果と共に出力する、[2]乃至[5]の何れか一項に記載の文書検索装置。
[8] 前記出力部は、
前記入力キーワードによる検索結果である文書情報と、前記類似キーワードによる検索結果である文書情報と、を一覧として、端末装置に表示させる、[1]乃至[5]の何れか一項に記載の文書検索装置。
[9] 前記出力部は、
前記入力キーワードによる検索結果である文書情報と、前記高類似キーワードによる検索結果である文書情報と、を一覧として、端末装置に表示させる、[6]に記載の文書検索装置。
[10] 前記出力部は、
前記非類似キーワードによる検索結果である文書情報を、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報と、前記類似キーワードによる検索結果である文書情報と、共に、一覧として、端末装置に表示させる、[7]記載の文書検索装置。
[11] 前記文書情報において、前記テキストデータは、前記文書画像データを特定する識別情報と対応付けられており、
前記出力部は、
前記一覧において、前記文書情報の選択を受け付けて、
前記文書画像データと、前記文書画像データの識別情報とが対応付けられて格納された文書画像データベースを参照し、選択された前記文書情報の識別情報と対応する文書画像データを、前記一覧と共に表示させる、[8]乃至[10]の何れか一項に記載の文書検索装置。
[12] 紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索処理と、
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する文書情報群抽出処理と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索処理と、
前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索処理によって、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させる類似キーワード選択処理と、
前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる文書検索プログラム。
[13] コンピュータによる文書検索方法であって、前記コンピュータが、
紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、入力キーワードで検索する文書検索手順と、
前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する文書情報群抽出手順と、
前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列により前記非該当文書情報群を検索し、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群を取得する文字列検索手順と、
前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索手順において、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させる類似キーワード選択手順と、
前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する出力手順と、を実行する文書検索方法。
【発明の効果】
【0009】
キーワード検索のヒット率を上げつつ、誤検出を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の文書検索装置は、文書検索部と、類似キーワード選択部と、出力部と、を有する。前記文書検索部は、入力キーワードが入力されると、紙文書を画像化した文書画像データから文字認識処理により抽出したテキストデータを含む文書情報が格納された文書データベースを、前記入力キーワードで検索する。類似キーワード選択部は、前記入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列からなるワイルドカード文字列群から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記文書データベースの検索を実行させる。出力部は、前記文書データベースに対する、前記入力キーワードによる検索結果と、前記類似キーワードによる検索結果とを出力する。
【0012】
本発明の文書検索装置は、非該当文書情報群抽出部をさらに有してもよい。前記非該当文書情報群抽出部は、前記文書データベースから、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群である非該当文書情報群を抽出する。この場合、類似キーワード選択部において、前記非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択してもよい。
【0013】
さらにこの場合、前記選択された類似キーワードにより前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群を検索しておくことにより、後述する検索結果の一覧を表示する際に、前記入力キーワードによる検索結果である文書情報群が含む文書内においても、入力キーワードの箇所に加えて、類似キーワードとして文字認識処理された箇所をハイライト表示等の表示をすることもでき、好ましい。
【0014】
本発明の文書検索装置が前記非該当文書情報群抽出部を有する場合に、類似キーワード選択部は、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させてもよい。この場合、出力部は、前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する。
【0015】
本発明の文書検索装置の実施形態としては、前述した非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群の中から、前記入力キーワードとの類似度に応じて類似キーワードを選択し、前記文書検索部に、前記類似キーワードによる、前記非該当文書情報群の検索を実行させることもできる。この場合、出力部は、前記文書データベースに対する前記入力キーワードによる検索結果と、前記非該当文書情報群に対する前記類似キーワードによる検索結果とを出力する。
【0016】
以下、本発明について例を用いてより具体的に説明する。
【0017】
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して、第一の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の文書検索システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0018】
本実施形態の文書検索システム100は、文書検索装置200を有する。文書検索システム100は、さらに端末装置300を有し、文書検索装置200と端末装置300とは、ネットワークを介して接続されても良い。端末装置300は、通信インターフェース装置等に加えて、キーボード等の入力装置と、液晶ディスプレイ等の出力装置を有する。
【0019】
本実施形態の文書検索装置200は、文書画像データベース210、文書データベース220、特定分野キーワードデータベース230、検索処理部240を有する。
【0020】
文書画像データベース210は、光学的読み取り装置等により読み取られた紙文書の画像データが格納される。尚、紙文書は、例えば、手書きで作成された紙文書等である。手書きの紙文書としては、特定の技術分野についての技術文書が挙げられ、紙媒体に手書きで作成された記録ノートや報告書等、手書き文字情報を含む設計図面や写真等、手書き文字情報の付加された測定記録紙等が含まれる。紙文書は、または、活字の印刷された紙文書等である。活字印刷の紙文書としては、特定の技術分野の技術文書が挙げられ、紙媒体に活字の印刷された報告書、設計図面等が含まれる。対象とする紙文書としては、手書きの紙文書と活字印刷の紙文書とが混在してもよい。文書データベース220は、文書画像データベース210に格納された画像データに対して、OCR(Optical Character Recognition:OCR)処理を施して取得した文字情報を含む文書情報が格納される。特定分野キーワードデータベース230は、特定の分野に関するキーワード群が格納される。前述した紙文書が、特定の技術分野の技術文書である場合には、特定分野キーワードデータベース230には、特定の技術分野に関するキーワード群が格納される。尚、前記「紙媒体」には、紙のみではなく、プラスチックフィルム、布、板、皮、壁等も含まれる。
【0021】
本実施形態の文書画像データベース210、文書データベース220、特定分野キーワードデータベース230は、予め作成されたものである。
【0022】
本実施形態の検索処理部240は、端末装置300や、後述する入力装置24等から、キーワードの入力を受け付けると、文書データベース220を検索し、検索結果として、入力されたキーワードを含む文書情報からなる文字情報群Aを特定する。以下の説明では、文書検索装置200に入力されたキーワードを入力キーワードと呼ぶ。
【0023】
また、本実施形態の検索処理部240は、文書データベース220から、入力キーワードによる検索結果である文書情報群以外の文書情報群notA(以下、非該当文書情報群とも記す。)を特定する。次に、検索処理部240は、特定された文書情報群notAと、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードと、入力キーワードと、から、入力キーワードと類似するとされる類似キーワードを取得し、取得した類似キーワードで前述の非該当文書情報群notAを検索する。
【0024】
そして、検索処理部240は、入力キーワードによる文書データベース220の検索結果としての文書情報群Aと、類似キーワードによる非該当文書情報群notAの検索結果としての文書情報群A'と、を端末装置300に出力する。
【0025】
このように、本実施形態では、入力キーワードによる検索を行った後に、非該当文書情報群notAを参照して取得した類似キーワードで、再び非該当文書情報群notAを検索する。
【0026】
したがって、本実施形態では、例えば、文書データベース220に格納された文書情報において、入力キーワードと一致する単語がOCR処理の際に誤って認識されていた場合でも、類似キーワードによる検索によって、非該当文書情報群から文書が抽出される可能性がある。
【0027】
このため、本実施形態によれば、キーワード検索のヒット率を上げつつ、誤検出を防ぐことができる。
【0028】
尚、
図1の例では、文書画像データベース210、文書データベース220、特定分野キーワードデータベース230が、文書検索装置200に設けられるものとしたが、これに限定されない。文書画像データベース210、文書データベース220、特定分野キーワードデータベース230のそれぞれは、文書検索装置200と通信が可能な外部装置に設けられていても良い。また、文書画像データベース210、文書データベース220、特定分野キーワードデータベース230は、その一部が文書検索装置200に設けられていても良い。
【0029】
次に、
図2を参照して、本実施形態の文書検索装置200のハードウェア構成について説明する。
図2は、第一の実施形態の文書検索装置のハードウェア構成を説明する図である。
【0030】
本実施形態の文書検索装置200は、画像入力装置及びコンピュータを含む文書情報を扱う装置である。言い換えれば、本実施形態の文書検索装置200は、CPU(Central Processing Unit)21、主記憶装置22、補助記憶装置23、入力装置24、出力装置25、通信インターフェース装置26、ドライブ装置27を有し、それぞれがバスで接続された情報処理装置である。
【0031】
CPU21は、文書検索装置200の動作を制御する主制御部であり。主記憶装置22に格納された文書検索プログラムを読みだして実行することで、後述する各種の機能を実現する。
【0032】
主記憶装置22は、文書検索装置200の起動時に補助記憶装置23から文書検索プログラムを読み出して格納する。補助記憶装置23は、インストールされた文書検索プログラムを格納すると共に、上述した各データベース等の必要なファイル、データ等を格納する。
【0033】
入力装置24は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置25は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。通信インターフェース装置26は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0034】
本実施形態の検索処理部240を実現する文書検索プログラムは、文書検索装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。文書検索プログラムは、例えば記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。文書検索プログラムを記録した記憶媒体28は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0035】
また、文書検索プログラムは、文書検索プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置27にセットされると、記憶媒体28からドライブ装置27を介して補助記憶装置23にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた文書検索プログラムは、通信インターフェース装置26を介して補助記憶装置23にインストールされる。
【0036】
次に、
図3乃至
図5を参照して、本実施形態の各データベースについて説明する。本実施形態の各データベースは、例えば、補助記憶装置23等の記憶領域に設けられても良い。
【0037】
図3は、第一の実施形態の文書画像データベースの一例を示す図である。本実施形態の文書画像データベース210は、情報の項目として、文書ID、文書名、文書画像データを有し、項目「文書ID」と、その他の項目とが対応付けられている。
【0038】
項目「文書ID」の値は、文書ファイルを特定するための識別情報である。本実施形態の項目「文書ID」の値は、例えば、手書き文書画像の作成された年月日情報や、年月日情報に付加された枝番号で構成されてもよい。
【0039】
項目「文書名」の値は、文書名を示す。項目「文書画像データ」の値は、紙文書を光学的読み取り装置によって読み取った画像データである。本実施形態の文書画像データは、例えば、pdfファイルとして格納されていても良いし、画像データとして格納されていても良い。
【0040】
以下の説明では、文書画像データベース210において、項目「文書ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報とを、文書画像情報と呼ぶ。
【0041】
尚、文書画像データベース210は、
図3に示す項目以外の項目を含んでいても良い。具体的には、例えば、文書画像情報が文書画像データベース210に格納された年月日や、文書画像情報を格納する処理を行った担当者の氏名等が、文書画像データベース210の項目として含まれても良い。
【0042】
図4は、第一の実施形態の文書データベースの一例を示す図である。本実施形態の文書データベース220は、情報の項目として、文書ID、文書名、テキストデータを含み、項目「文書ID」とその他の項目とが対応付けられている。
【0043】
項目「文書ID」の値と、項目「文書名」の値とは、文書画像データベース210と同様であるから、説明を省略する。
【0044】
以下の説明では、文書データベース220において、項目「文書ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、文書情報と呼ぶ。
【0045】
項目「テキストデータ」の値は、文書画像データベース210において、対応する文書IDによって特定される文書画像データに対してOCR処理を施して結果として取得されたテキストデータを示す。
【0046】
図4の例では、テキストデータである「201801.txt」と対応する文書IDは、「1」である。したがって、テキストデータ「201801.txt」は、文書画像データベース210において文書ID「1」と対応付けられた文書画像データ「201801.pdf」から、OCR処理によって抽出された文字情報であることがわかる。
【0047】
図5は、第一の実施形態の特定分野キーワードデータベースの一例を示す図である。本実施形態の特定分野キーワードデータベース230は、ある特定の分野のキーワードが予め格納されている。
【0048】
ある特定の分野とは、例えば、文書画像データベース210に格納されている文書画像データの内容と対応する技術分野であっても良い。また、特定分野キーワードデータベース230は、複数の技術分野毎に設けられていても良い。
【0049】
図5の例では、化学分野のキーワードとして、「酸化」、「水素化」、「水酸基」等が格納されている。
【0050】
次に、
図6を参照して、本実施形態の文書検索装置200の機能について説明する。
図6は、第一の実施形態の文書検索装置の機能を説明する図である。
【0051】
本実施形態の文書検索装置200は、CPU21が補助記憶装置23に格納された文書検索プログラムを読み出して実行することで、後述する各部の機能を実現する。
【0052】
本実施形態の文書検索装置200の検索処理部240は、入力受付部241、文書検索部242、非該当文書情報群抽出部243、検索文字列生成部244、文字列検索部245、類似度取得部246、類似キーワード選択部247、文書一覧取得部248、出力部249を有する。
【0053】
入力受付部241は、文書検索装置200に対する入力を受け付ける。具体的には、入力受付部241は、前述した入力装置24からの入力キーワードの入力を受け付ける。
【0054】
文書検索部242は、入力キーワードを受け付けると、入力キーワードによって文書データベース220を検索し、テキストデータに入力キーワードが含まれる文書情報群Aを特定する。
【0055】
また、文書検索部242は、類似キーワード選択部247によって選択された類似キーワードによって、入力キーワードが含まれない文書情報群notA(非該当文書情報群)を検索し、テキストデータに類似キーワードが含まれる文書情報を特定する。言い換えれば、類似キーワード選択部247は、文書検索部242に対し、選択した類似キーワードによる非該当文書情報群notAの検索を実行させる。
【0056】
非該当文書情報群抽出部243は、文書データベース220において、文書検索部242による検索によって特定された文書情報群A以外の非該当文書情報群notAを抽出する。
【0057】
検索文字列生成部244は、入力キーワードに含まれる文字の一部を任意の文字とした文字列を複数パターン生成する。
【0058】
具体的には、検索文字列生成部244は、例えば、入力キーワードが「水酸化」である場合には、「水酸化」から、「○酸化」、「水○化」、「水酸○」、「○○化」、「水○○」、「○酸○」(○は任意の文字を示す)等の検索文字列を生成する。尚、検索文字列生成部244は、任意の文字とする文字数は、多くても、入力キーワードの文字数よりも1文字少ない数としている。つまり、検索文字列には、入力キーワードに含まれる文字のうち、少なくとも1文字は含まれる。以下の説明では、検索文字列生成部244により生成される検索文字列を、ワイルドカード文字列と呼ぶ。これらの入力キーワードから生成されたワイルドカード文字列からなる文字列群をワイルドカード文字列群と呼ぶ。日本語であれば、入力キーワードを、漢字の旧字体、異体字、省略字等に置換したものもワイルドカード文字列としてもよい。
【0059】
文字列検索部245は、ワイルドカード文字列で、文書データベースを検索し、ヒットしたワイルドカード文字列群(単語群)を取得する。または、文字列検索部245は、ワイルドカード文字列で、非該当文書情報群抽出部243が抽出した文書情報群notAを検索し、ヒットしたワイルドカード文字列群(単語群)を取得しても良い。
【0060】
このヒットしたワイルドカード文字列群とは、即ち、非該当文書情報群に存在するワイルドカード文字列群である。以下、文字列検索部245は、ワイルドカード文字列で、非該当文書情報群抽出部243が抽出した非該当文書情報群notAを検索し、ヒットしたワイルドカード文字列群(単語群)を取得するものとして説明する。
【0061】
類似度取得部246は、文字列検索部245による検索で取得された、ヒットしたワイルドカード文字列群に含まれる各ワイルドカード文字列について、入力キーワードとの類似度と、特定分野キーワードデータベース230に格納されている各キーワードとの類似度とを取得する。
【0062】
言い換えれば、類似度取得部246は、文字列検索部245による検索で取得された、非該当文書情報群notAに存在するワイルドカード文字列について、入力キーワードを示す文字列を比較した結果の類似度と、特定分野キーワードデータベース230に格納されたキーワードを示す文字列と比較した結果の類似度とを取得する。
【0063】
文字列検索部245による検索で取得された文字列群に含まれる各ワイルドカード文字列と、入力キーワードおよび特定分野キーワードとの類似度をそれぞれ求める。類似度の判定法は種々考えられる。最も単純には、一致する文字の数で判断する方法がある。また、文字の順番が一致すること、漢字の部首の一致、機械学習やディープラーニングでの類似度判断などであってもよい。
図8に、類似度判断の一例を示す。
【0064】
類似キーワード選択部247は、文字列検索部245により取得された各ワイルドカード文字列について、入力キーワードと、特定分野キーワードデータベース230に格納されたキーワードとのそれぞれについて類似度を比較して、これらの類似度の中で、入力キーワードとの類似度が最も大きい場合に当該ワイルドカード文字列を類似キーワードとして選択する。類似キーワードは複数選択されてよい。入力キーワードとの類似度が最も大きくない場合には、当該ワイルドカード文字列は類似キーワードとして選択されない。
【0065】
つまり、類似キーワード選択部247は、非該当文書情報群notAに存在するワイルドカード文字列群から、入力キーワードと類似する類似キーワードを特定する。
【0066】
文書一覧取得部248は、文書検索部242により特定された文書情報群AおよびA'の一覧を文書データベース220からそれぞれ取得する。具体的には、文書一覧取得部248は、文書情報の一覧として、文書IDを取得しても良い。
【0067】
出力部249は、文書一覧取得部248により取得された文書情報群AおよびA'の一覧を前述した出力装置25にそれぞれ出力する。具体的には、出力部249は、文書情報(文書ID)の一覧を出力装置25に表示させる。
【0068】
また、出力部249は、出力装置25に表示された文書情報の一覧において、ある文書データが選択されると、文書画像データベース210において、選択された文書情報に含まれる文書IDと対応する文書画像データを取得し、出力装置25に表示させる。
【0069】
次に、
図7A、
図7Bを参照して、本実施形態の文書検索装置200の動作について説明する。
図7Aは、第一の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第一のフローチャートであり、
図7Bは、第一の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第一のフローチャートである。
【0070】
本実施形態の文書検索装置200の検索処理部240は、入力受付部241により、入力キーワードの入力を受け付けると(ステップS701)、文書検索部242により、入力キーワードによる文書データベース220の検索を行う(ステップS702)。
【0071】
続いて、文書検索部242は、ヒットする文書情報が存在するか否かを判定する(ステップS703)。具体的には、文書検索部242は、テキストデータに入力キーワードが含まれる文書情報が文書データベース220に格納されているか否かを判定する。
【0072】
ステップS703において、該当する文書情報が存在しない場合、検索処理部240は、後述するステップS706へ進む。
【0073】
ステップS703において、該当する文書情報が存在する場合、検索処理部240は、文書検索部242は、該当する文書情報群Aの文書IDを取得する(ステップS704)。
【0074】
続いて、検索処理部240は、非該当文書情報群抽出部243により、ステップS704で文書IDが取得された文書情報を除く非該当文書情報群notAを、文書データベース220から抽出する(ステップS705)。
【0075】
次に、検索処理部240は、検索文字列生成部244により、入力キーワードに基づきワイルドカード文字列を生成する(ステップS706)。尚、ここでは、検索文字列生成部244は、入力キーワードから生成され得る全てのパターンのワイルドカード文字列を生成しても良い。
【0076】
次に、検索処理部240は、文字列検索部245により、各ワイルドカード文字列それぞれについて、非該当文書情報群抽出部243により抽出された非該当文書情報群notAに対する検索を行い(ステップS707)、
図7BのステップS708へ進む。
【0077】
図7Bにおいて、文字列検索部245は、ステップS707に続いて、ワイルドカード文字列毎に、検索結果となる文字列を取得する(ステップS708)。つまり、ここでは、複数のワイルドカード文字列のそれぞれにより、非該当文書情報群notAを検索した結果である、ヒットしたワイルドカード文字列群が取得される。
【0078】
次に、検索処理部240は、類似度取得部246により、ステップS708で抽出された、ヒットしたワイルドカード文字列について、入力キーワードとの比較と、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードとの比較とを行い、それぞれの類似度を取得する(ステップS709)。
【0079】
したがって、ここでは、ヒットしたワイルドカード文字列群に含まれるワイルドカード文字列毎に、入力キーワードと比較した結果を示す類似度と、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードと比較した結果を示す類似度とがそれぞれ取得される。
【0080】
続いて、類似キーワード選択部247は、ヒットしたワイルドカード文字列群に含まれるワイルドカード文字列のうち、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードとの類似度と比較して、入力キーワードとの類似度が最も高いワイルドカード文字列を選択し、入力キーワードの類似キーワードとする(ステップS710)。尚、類似キーワードは複数選択されてもよい。ステップS710の処理の詳細は後述する。
【0081】
続いて、検索処理部240は、文書検索部242により、選択された類似キーワードによって、前述した非該当文書情報群notAを検索する(ステップS711)。
【0082】
次に、文書検索部242は、入力キーワード又は類似キーワードの少なくとも何れか一方でヒットした文書情報が存在するか否かを判定する(ステップS712)。具体的には、文書検索部242は、テキストデータに、少なくとも入力キーワード又は類似キーワードの何れか一方と一致する文字列が含まれる文書情報が文書データベース220に格納されているか否かを判定している。
【0083】
ステップS712において、該当する文書情報が存在しない場合、検索処理部240は、出力部249により、該当する文書情報が存在しないことを示す通知を端末装置300に出力し(ステップS713)、処理を終了する。
【0084】
ステップS712において、該当する文書情報が存在する場合、文書検索部242は、類似キーワードと一致する文字列がテキストデータに含まれる文書情報が存在する場合には、この文書情報の文書IDを取得する(ステップS714)。
【0085】
続いて、検索処理部240は、出力部249により、ステップS704とステップS714で取得した文書IDの一覧を、出力装置25に表示させ(ステップS715)、処理を終了する。
【0086】
次に、
図8を参照して、類似キーワードを選択する処理について具体的に説明する。
図8は、第一の実施形態における類似キーワードの選択について説明する図である。
【0087】
図8の例では、入力装置24から、入力キーワードとして、文字列「水酸化」が入力され、特定分野キーワードデータベース230には、特定分野のキーワードとして、文字列「水酸化」以外に、文字列「酸化」、「水素化」、「水酸基」が格納されていた場合を示している。
【0088】
また、
図8の例では、ワイルドカード文字列による文書情報群の検索結果として、ヒットしたワイルドカード文字列群として、文字列「水変使」、「力酸ヒ」、「秘酸化」、「氷酒化」、「水酸可」、「水来イ」、「水酒化」が取得された場合を示している。
【0089】
ここで、本実施形態の類似度取得部246は、ヒットしたワイルドカード文字列群に含まれる各ワイルドカード文字列を、入力キーワードと、特定分野のキーワードとのそれぞれと比較する。つまり、入力キーワードと特定分野のキーワードとは、ヒットしたワイルドカード文字列群の各ワイルドカード文字列と比較されるキーワードである。
【0090】
例えば、文字列「水変使」と入力キーワードを示す文字列「水酸化」を比較した場合、文字「水」が一致し、文字「化」の部首が一致しているが、文字「変」と文字「酸」は一致しない。したがって、この2つの文字列の比較結果は、1文字目は一致していることを示す「○(類似度33%)」となり、2文字目は、一致していないことを示す「×」(類似度0%)」となり、3文字目は、部首一致を示す「△」(類似度17%)となる。そして、この比較結果から、文字列「水変使」と文字列「水酸化」の類似度は、50%とされる。
【0091】
本実施形態では、同様に、文字列「水変使」と特定分野のキーワード「酸化」、文字列「水変使」と特定分野のキーワード「水素化」、文字列「水変使」と特定分野のキーワード「水酸基」のそれぞれについて、比較が行われ、類似度が取得される。
【0092】
この結果、文字列「水変使」との類似度が最も高い文字列は、特定分野のキーワードである「水素化」であることがわかる。したがって、文字列「水変使」は、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードとの類似度と比較して、入力キーワードとの類似度が最も高い文字列ではなく、類似キーワードとしては選択されない。
【0093】
また、文字列「氷酒化」と入力キーワードを示す文字列「水酸化」を比較した場合、文字「水」と文字「酸」は一致していないが、文字の形状が類似している。したがって、この2つの文字列の比較結果は、1文字目と2文字目は類似していることを示す「△(類似度17%)」となり、3文字目は一致していることを示す「○(類似度33%)」となる。そして、この比較結果から、文字列「氷酒化」と文字列「水酸化」の類似度は、67%とされる。
【0094】
本実施形態では、同様に、文字列「氷酒化」と特定分野のキーワード「酸化」、文字列「氷酒化」と特定分野のキーワード「水素化」、文字列「氷酒化」と特定分野のキーワード「水酸基」のそれぞれについて、比較が行われ、類似度が取得される。
【0095】
この結果、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードとの類似度と比較して、文字列「氷酒化」との類似度が最も高い文字列は、入力キーワードである「水酸化」であることがわかる。したがって、文字列「氷酒化」は、入力キーワードとの類似度が最も高い文字列として、類似キーワードに選択される。
【0096】
また、文字列「水酒化」と入力キーワードを示す文字列「水酸化」を比較した場合、文字「酸」は一致していないが、文字の形状が類似している。したがって、この2つの文字列の比較結果は、2文字目は類似していることを示す「△」(類似度17%)となり、1文字目と3文字目は一致していることを示す「○」(類似度33%)となる。そして、この比較結果から、文字列「水酒化」と文字列「水酸化」の類似度は、84%とされる(類似度33%が2つある場合、合計67%とする)。前述の文字列「氷酒化」の場合と同様に、特定分野キーワードデータベース230に格納された各キーワードとの類似度と比較して、文字列「水酒化」との類似度が最も高い文字列は、入力キーワードである「水酸化」であることがわかる。したがって、文字列「水酒化」も、入力キーワードとの類似度が最も高い文字列として、類似キーワードに選択される。
【0097】
次に、本実施形態の出力装置25における文書IDの一覧の表示例について説明する。
図9は、第一の実施形態の文書IDの一覧の表示例を示す第一の図である。
【0098】
図9に示す画面301は、出力装置25に表示された画面の例である。画面301には、出力部249により出力された文書IDの一覧302が表示されている。
【0099】
文書IDの一覧302では、文書IDと文書名と、この文書IDを含む文書情報の検索に用いられた検索キーワードとが対応付けられた情報が表示されている。画面301において、文書IDと対応付けられて表示される検索キーワードは、入力キーワードと類似キーワードのどちらかである。
【0100】
図9の例では、文書ID「1」の文書情報と、文書ID「3」の文書情報は、入力キーワード「水酸化」によって抽出された文書情報であることがわかる。また、
図9の例では、文書ID「2」の文書情報と、文書ID「5」の文書情報は、類似キーワード「氷酒化」によって抽出された文書情報であり、文書ID「11」の文書情報と、文書ID「12」の文書情報は、類似キーワード「水酒化」によって抽出された文書情報であることがわかる。
【0101】
また、本実施形態では、文書IDの一覧302において、ポインタPや、端末装置300の利用者の指等によって、文書情報が選択されると、選択された文書情報と対応する文書画像データが表示される。
【0102】
図9では、文書ID「1」の文書IDが選択されており、文書IDの一覧302の隣に、文書画像データベース210において、文書ID「1」と対応付けられた文書画像データ303が表示されている。
【0103】
このように、本実施形態では、検索結果である文書IDの一覧において、文書IDが選択されると、選択された文書IDと対応する、文書画像データとを表示させることができる。
【0104】
図10は、第一の実施形態の文書IDの一覧の表示例を示す第二の図である。
図10に示す画面301Aでは、入力キーワードによる検索結果である文書IDの一覧302Aと、類似キーワードによる検索結果である文書IDの一覧302Bとが別々に表示されている。
【0105】
一覧302Aと一覧302Bとでは、文書IDと文書名とが対応付けられて表示されている。
【0106】
また、画面301Aでは、一覧302Aが入力キーワード「水酸化」の検索結果であることを示すメッセージ101と、一覧302Bが類似キーワード「氷酒化」の検索結果であることを示すメッセージ102Aと、一覧303Bが類似キーワード「水酒化」の検索結果であることを示すメッセージ102Bとが表示されている。
【0107】
さらに、一覧302B及び一覧303Bには、入力キーワードと類似キーワードとの類似度を示すメッセージ95A及び95Bがそれぞれ表示されている。
【0108】
このように、本実施形態では、類似キーワードと入力キーワードとの類似度を表示させることで、端末装置300の利用者に対し、類似キーワードによる検索結果の信頼性を示すことができる。
【0109】
以上のように、本実施形態によれば、手書き等によって作成された紙文書に示された情報について、簡単に、且つ、迅速に、検索及び閲覧を行うことができる。また、本実施形態によれば、入力キーワードから類似キーワードを導出し、類似キーワードに基づく検索結果も、入力キーワードによる検索結果と共に表示させるため、キーワード検索のヒット率を上げつつ、誤検出を防ぐことができる。
【0110】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、類似キーワードを選択する際の類似度に条件を設定する点が第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0111】
図11は、第二の実施形態の文書検索装置の機能を説明する図である。本実施形態の文書検索装置200Aは、検索処理部240Aを有する。
【0112】
検索処理部240Aは、第一の実施形態の検索処理部240の有する各部に加え、類似キーワード選択部247Aに所定の閾値情報250を有する。
250を有する。
【0113】
類似キーワード選択部247Aが保持する所定の閾値情報250は、入力装置24及び端末装置300の利用者によって、任意のタイミングで、任意に設定されても良い。
【0114】
本実施形態では、類似キーワードのうち、入力キーワードとの類似度が所定の閾値以上となる文字列を高類似キーワードとする、といった条件が設定される。
【0115】
入力キーワードとの類似度がより高い文字列が高類似キーワードとされた場合、検索結果となる文書情報は、誤検出がより少なくなる可能性が高くなる。言い換えれば、入力キーワードとの類似度の閾値を高く設定するほど、ヒットする文書情報の精度が向上する。
【0116】
このように、本実施形態では、高類似キーワードを選択する所定の閾値情報250を入力装置24及び端末装置300の利用者に任意に設定させることで、利用者の要望に応じた検索結果を出力することができる。
【0117】
以下に、
図12A、
図12Bを参照して、本実施形態の文書検索装置200Aの動作について説明する。
図12Aは、第二の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第一のフローチャートであり、
図12Bは、第二の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第二のフローチャートである。
【0118】
図12AのステップS1201から
図12BのステップS1210までの処理は、
図7AのステップS701からステップS710までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0119】
ステップS1210に続いて、類似キーワード選択部247Aは、類似キーワードのうち、類似キーワードとして選択された文字列と入力キーワードとの類似度が所定の閾値以上の類似キーワードを、高類似キーワードとして選択する(ステップS1211)。
【0120】
ここでは、例えば、条件として、類似キーワードとして選択された文字列のうち、選択された文字列と入力キーワードとの類似度が75%であり、条件として、類似度が70%以上であることが設定されていた場合、当該類似キーワードを、高類似キーワードとする。
【0121】
続いて、検索処理部240Aは、文書検索部242により、高類似キーワードによって、前述した非該当文書情報群notAを検索する(ステップS1212)。
【0122】
次に、文書検索部242は、入力キーワード又は高類似キーワードの少なくとも何れか一方でヒットした文書情報が存在するか否かを判定する(ステップS1213)。
【0123】
ステップS1214からステップS1216までの処理は、
図7BのステップS713からステップS715までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0124】
以下に、
図13を参照して、本実施形態の端末装置300の表示例を説明する。
図13は、第二の実施形態の文書IDの一覧の表示例を示す第二の図である。
【0125】
図13に示す画面301Bでは、入力キーワード「水酸化」による検索結果である文書IDの一覧302Aが表示されている。
【0126】
また、
図13の例では、所定の閾値情報50に設定された条件を示す条件情報98が表示されている。条件情報98によれば、所定の閾値情報250には、「類似度が70%以上」である文字列を、高類似キーワードとして選択する、という条件が設定されていたことがわかる。
【0127】
また、画面301Bでは、高類似キーワードとして「水酒化」が選択されたことを示すメッセージ103と、高類似キーワード「水酒化」による検索結果を示す文書IDの一覧302Cとが表示されている。
【0128】
さらに、一覧302Cには、入力キーワードと類似キーワードとの類似度を示すメッセージ95Cが表示されている。
【0129】
さらに、本実施形態では、所定の閾値情報250に保持される条件情報を入力するための入力欄99と、入力欄99に設定された条件に基づく再検索の実行を指示する操作ボタン104とが表示されていても良い。
【0130】
例えば、本実施形態では、入力欄99に、類似度80%以上の文字列を高類似キーワードとする、という条件が入力されて、操作ボタン104が操作された場合、
図12BのステップS1210から処理を再開しても良い。
【0131】
このように、本実施形態では、検索結果を閲覧する出力装置25の利用者の要望に応じた再検索を行うことができる。
【0132】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、入力キーワードとの類似度が最も高くなかったため類似キーワードとして選択されなかったワイルドカード文字列のうち、入力キーワードとのワイルドカード文字列との類似度が所定の閾値以上の文字列を、非類似キーワードとし、入力キーワード、類似キーワード及び非類似キーワードのそれぞれによって文書データベース220を検索する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0133】
図14は、第三の実施形態の文書検索装置の機能を説明する図である。本実施形態の文書検索装置200Bは、検索処理部240Bを有する。本実施形態の検索処理部240Bは、第一の実施形態の検索処理部240の有する各部に加え、所定の閾値情報252を保持する非類似キーワード選択部251を有する。
【0134】
本実施形態の非類似キーワード選択部251は、ワイルドカード文字列群の各ワイルドカード文字列において、入力キーワードとの類似度が最も高くなかった文字列(つまり類似キーワードとして選択されなかったワイルドカード文字列)のうち、入力キーワードとの類似度が所定の閾値以上の文字列を、非類似キーワードに選択する。
【0135】
図15Aは、第三の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第一のフローチャートであり、
図15Bは、第三の実施形態の文書検索装置の動作を説明する第二のフローチャートである。
図15AのステップS1501から
図15BのステップS1509までの処理は、
図7AのステップS701から
図7BのステップS709までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0136】
ステップS1509において、それぞれのワイルドカード文字列について、入力キーワードと、特定分野のキーワードとの類似度を取得すると、類似キーワード選択部247により類似キーワードを選択し、非類似キーワード選択部251により非類似キーワードを選択する(ステップS1510)。
【0137】
続いて、検索処理部240Bは、文書検索部242により、類似キーワードと非類似キーワードと、のそれぞれによって、入力キーワードが含まれない非該当文書情報群notAを検索する(ステップS1511)。
【0138】
続いて、文書検索部242は、入力キーワード、類似キーワード、非類似キーワードのうち、少なくとも何れか1つと合致する文書情報が存在するか否かを判定する(ステップS1512)。
【0139】
入力キーワードとの類似度が高いワイルドカード文字列が前記非類似キーワードと選択された場合、検索結果となる文書情報は、入力キーワードとの関連性の低い情報を含む内容となる可能性が高い。したがって、この場合、検索結果として抽出される文書情報が入力キーワードと関連性の高い情報である可能性は低くなる代わりに、様々な種類の文書情報が抽出される可能性がある。言い換えれば、類似度の閾値を低く設定するほど、ヒットする文書情報の網羅性が向上する。
【0140】
図15のステップS1513からステップS1515のまでの処理は、
図7のステップS713からステップS715までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0141】
次に、
図16を参照して、本実施形態の表示例について説明する。
図16は、第三の実施形態の文書IDの一覧の表示例を示す図である。
【0142】
図16に示す画面301Cでは、入力キーワードによる検索結果である文書IDの一覧302Aと、一覧302Aが入力キーワード「水酸化」の検索結果であることを示すメッセージ101と、が表示されている。
【0143】
また、画面301Cには、類似キーワードによる検索結果である文書IDの一覧302B及び302Dと、一覧302Bが類似キーワード「氷酒化」の検索結果、一覧302Dが類似キーワード「水酒化」であることをそれぞれ示すメッセージ102A及びメッセージBと、入力キーワードと類似キーワードとの類似度を示すメッセージ95D及び95Eとがそれぞれ表示されている。
【0144】
さらに、画面301Cには、非類似キーワードによる検索結果である文書IDの一覧302Eと、一覧302Eが非類似キーワード「水来イ」の検索結果であることを示すメッセージ103と、入力キーワードと非類似キーワードとの類似度を示すメッセージ163とが表示されている。
【0145】
本実施形態では、このように、類似キーワードによる検索結果である一覧302B及び302Dと、非類似キーワードによる検索結果である一覧302Eとを共に表示させる。言い換えれば、本実施形態では、精度を優先させた検索結果と、網羅性を優先させた検索結果とを共に表示させる。
【0146】
本実施形態では、このように、2つの異なる観点から検索を行った結果を表示させることで、検索結果を閲覧する端末装置300の利用者に、それぞれの検索結果を見比べさせることができる。
【0147】
このように、閲覧者に検索結果を見比べさせることで、例えば、保管されている紙文書の状態等を把握させることができる。
【0148】
例えば、網羅性を優先させた検索結果は、精度を優先させた検索結果と比較して、作成された年月が古い紙文書の文書情報が多い場合には、紙文書を文書画像データとする際の紙文書の状態が悪かった可能性や、現在は一意に表現されている文言が、過去は様々に表現されていた可能性等が考えられる。
【0149】
また、例えば、精度を優先させた検索結果に特定の保管条件で保管されている紙文書の文書情報が多い場合には、この保管条件によって紙文書の保存状態が良好に維持されている可能性が考えられる。
【0150】
本実施形態では、このように、紙文書の状態や、表現のゆらぎ等についての様々な可能性を、閲覧者に示唆することができる。
【0151】
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
また、本国際出願は、2018年10月4日に出願された日本国特許出願2018−189438に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2018−189438の全内容を本国際出願に援用する。