特許第6884958号(P6884958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6884958表面ヒドロキシル基又は水分によって活性化されるUV硬化性接着剤及びコーティング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884958
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】表面ヒドロキシル基又は水分によって活性化されるUV硬化性接着剤及びコーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 75/045 20160101AFI20210531BHJP
   C08G 77/28 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   C08G75/045
   C08G77/28
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-526289(P2019-526289)
(86)(22)【出願日】2017年11月21日
(65)【公表番号】特表2020-513436(P2020-513436A)
(43)【公表日】2020年5月14日
(86)【国際出願番号】US2017062669
(87)【国際公開番号】WO2018098101
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年6月28日
(31)【優先権主張番号】62/425,771
(32)【優先日】2016年11月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511232363
【氏名又は名称】ジェレスト テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】アークルズ, バリー, シー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴフ, ジョナサン, ディー.
【審査官】 幸田 俊希
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−510925(JP,A)
【文献】 特開2011−057842(JP,A)
【文献】 特開2010−270212(JP,A)
【文献】 特開2010−270210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 75/00
C08G 77/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状チアシラシクロペンタン及び不飽和成分を含む組成物であって、前記環状チアシラシクロペンタンがアルコキシ置換基を有し、及び/又は前記不飽和成分が複数の不飽和部位を有し、前記組成物が表面のヒドロキシル基又は大気水分に曝露され、続いて又はそれと同時に照射された場合、前記組成物が放射線硬化により硬化して固体フィルム又は固体塊を形成する組成物。
【請求項2】
前記環状チアシラシクロペンタンが2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記不飽和成分がビニルメトキシシロキサンホモポリマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記不飽和成分がビニルトリメトキシシランである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記不飽和成分が1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記不飽和成分がビニルを末端基とする(ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記不飽和成分が1−オクテンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記不飽和成分がアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)メチルエーテルである、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記不飽和成分がポリマー又は分子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記不飽和成分が、ビニルメトキシシロキサンホモポリマー、ビニルトリメトキシシラン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ビニルを末端基とする(ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、1−オクテン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)メチルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
UV照射、可視光線又は電子ビーム放射線によって硬化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
固体フィルムを製造するための方法であって、前記方法が、組成物を表面のヒドロキシル基又は大気水分に曝露し、続いて又はそれと同時に前記組成物に照射するステップを含み、前記組成物が環状チアシラシクロペンタン及び不飽和成分を含み、前記環状チアシラシクロペンタンがアルコキシ置換基を有し、及び/又は前記不飽和成分が複数の不飽和部位を有する、方法。
【請求項13】
前記組成物に、1〜30分間照射する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物に、ヒュームドシリカの存在下で照射する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記照射がUV、可視光線及び電子ビームから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記環状チアシラシクロペンタンが2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記不飽和成分がビニルメトキシシロキサンホモポリマーである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記不飽和成分がビニルトリメトキシシランである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記不飽和成分が1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記不飽和成分がビニルを末端基とする(ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーである、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記不飽和成分が1−オクテンである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記不飽和成分がアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)メチルエーテルである、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記不飽和成分がポリマー又は分子である、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記不飽和成分が、ビニルメトキシシロキサンホモポリマー、ビニルトリメトキシシラン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ビニルを末端基とする(ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、1−オクテン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)メチルエーテルからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の名称]
[0001]表面ヒドロキシル基又は水分によって活性化されるUV硬化性接着剤及びコーティング組成物
【0002】
[関連出願の相互参照]
[0002]本出願は、2016年11月23日出願の米国特許仮出願第62/425,771号に関する優先権を請求するものであり、この開示を参照により本明細書に組み込む。
【0003】
[発明の背景]
[0003]放射線硬化「ラドキュア(radcure)」コーティングは、電子ビーム又は紫外線若しくは可視光線によるエネルギーを使用して架橋又は硬化される配合材料である。ラドキュアコーティングは、低い熱エネルギー必要量でのハイスループット生産を容易にする。一般には、硬化はコーティングの大部分にわたって開始されるが、より詳細には、照射源に最も近いところで(大気酸素の阻害効果がない限り)開始される。大部分のラドキュア材料の性能は、保護性であれ接着性であれ、表面への強い結合に依拠する。
【0004】
[0004]最も広範に使用されるラドキュア材料は、光開始剤及び他の低分子量種を含む。放射線硬化の間、これらの材料は、曝露された表面か又はその基材と重合したバルクの間の界面のいずれかに拡散しながら、バルク重合相から排除される傾向がある。低分子量種が界面に拡散する場合、接着性を低下させる又は損なうという一般的傾向がある。別の望ましくない結果は、曝露又は外部表面への低分子量種の拡散であり、そこで、それらは蓄積し、バルク樹脂を可塑化させ、しばしば粘着性が観察される。
【0005】
[0005]接着剤と保護コーティングの両方において界面結合を最大化させる明確な必要性があり、特に、これをラドキュア組成物において行うことには大きな価値がある。バルク、又は放射線源に最も近い表面におけるよりも、むしろ、ポリマー−基材界面で硬化を開始させることは、固有の利点を有する。その理由は、主反応は界面で開始され、非反応性及び低分子量の種は、高度に架橋した領域から拡散することを余儀なくされることになるからである。同様に、曝露表面で開始された硬化は、「粘着性」のフィルムを形成する傾向を低減させることになる。さらに、正式な硬化に先行して低レベルの光であってもそれへの曝露が悪影響を及ぼす環境においては特に、光開始を制御することが望ましい場合がある。
【0006】
[0006]時期尚早な放射線硬化(基材への施用に先行した)は、貯蔵条件下だけでなく、接着結合用途での最適性能の開発においても問題である。表面ヒドロキシル基又は大気水分への曝露によってスイッチを入れることができる放射線硬化を受ける組成物は、放射線へのランダム曝露によって時期尚早な硬化を排除する「デュアル曝露系」である。表面ヒドロキシル活性化の場合、表面への最大結合は、表面での重合(硬化)を活性化させることによって確保される。
【0007】
[発明の詳細な説明]
[0007]本発明は、無機シリカ質基材などのヒドロキシル基を有する表面に施用された場合、複数の不飽和官能基部位を有するポリマー又は分子と組み合わせて、表面開始ラドキュアが施されるように誘発させることができる、「隠蔽性」又は「マスキングされた」メルカプタン、より具体的には環状チアシラシクロペンタンを対象とする。水分の形態でのヒドロキシル基が曝露表面中に拡散し、ラドキュアを誘発させるので、これらの組成物は、粘着力を低減させるのに有益である。本発明による組成物は、一般に、段階的なヒドロキシル基への曝露、続く照射により樹脂を形成する潜在的なチオール−エン混合物であると考えることができる。ポリマー化学の関連におけるチオール−エン反応の化学は、Hoyleら(J.Poly Sci.、A:Polymer Chemistry、42、5301−5338(2004))による総説の主題である。さらに、チオール−エンシロキサンは米国特許第6,310,161号及びU.Mullerら(J Macromol Sci Pure Appl Chem 33、439(1996))において論じられており、K.D.Q Nguyenら(Polymer Chemistry、7(33);(2016))は、チオール及び不飽和基を有するシロキサンを記載している。
【0008】
[0008]以下に示すように、環状チアシランからのメルカプタンのヒドロキシル開始による形成は著しく急速であり、1分未満、又はより典型的には秒のオーダーである。この速度は、第一に、ケイ素−硫黄結合に優先してケイ素−酸素結合を形成するという熱力学的利点に起因し、第二に、環状チアシランの環歪みの緩和に起因する。反応の速度はラドキュアプロセス系の速度に近接していなければならないので、この時間スケールは重要である。形成されると、メルカプタン又は「チオール」基は、照射源の存在下で、オレフィン又は「エン」基に付加する。
【0009】
【化1】
【0010】
[0009]したがって、本発明による組成物は、環状チアシラシクロペンタン(本明細書では環状チアシランとも称される)及び不飽和(オレフィン)成分を含む。本発明の環状チアシランは、Si−S結合と3個の炭素を含む五員環である。その環上の追加的な置換は、Si上に、アルキル基、好ましくはメチル基、アルコキシ基、例えば好ましいメトキシ若しくはエトキシ基又はアルキル若しくはアルコキシ基の両方の組合せを含み得る。非置換チアシランの使用も本発明の範囲内である。好ましい環状チアシランには、2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン並びにジエトキシ及びメチルメトキシ類似体が含まれる。
【0011】
[0010]不飽和成分は、シラン、シロキサン又は炭化水素を含むポリマー又は分子であってもよく、好ましいポリブタジエン及び他の不飽和樹脂などの複数の不飽和部位を有することが好ましい。「複数(multiplicity)」という用語は、2つ以上の不飽和部位を指すものと理解することができる。より好ましいのは、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ビニルメトキシシロキサンオリゴマー及びビニルメチルシロキサンコポリマーなどのシロキサン及び他のケイ素含有種である。ケイ素含有種上に複数のアルコキシ置換が存在する場合、単一の不飽和部位しかもたない不飽和材料を、本発明の組成物において使用することができる。例示的な不飽和成分には、ビニルメトキシシロキサンホモポリマー、ビニルトリメトキシシラン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ビニルを末端基とする(ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、アリルオキシ(テトラエチレンオキシド)メチルエーテル及び1−オクテンが含まれる。
【0012】
[0011]好ましい実施形態では、組成物中の成分の最適比は、各不飽和単位(CH=CH)について1つのメルカプタン(SH)である。
【0013】
[0012]環状チアシランと不飽和種の組合せは、ヒドロキシル種の非存在下でのラジカル誘発反応を受けないことが分かっている。しかし、ガラス、シリカ若しくはアルミナなどの表面、又は大気水分からのヒドロキシル源に曝露されると、その環状チアシランは開環反応を受け、そこで、メルカプト(−SH)基が形成され、次いで、不飽和基との放射線誘発反応を受けることができる。照射は、ヒドロキシル源への曝露と同時に又はそれに続いて実施することができる。同時に行われない場合、メルカプタンが、大気中酸素による遅いプロセスで酸化されない限り、その曝露と照射の間の遅れに対して制限はない。実際的な目的のためには、環状チアシランと表面又は大気水分との間の好ましい反応時間は、約15秒間〜約30分間、より好ましくは約5〜約10分間である。放射線は、UV源、可視光線又は電子ビームによって提供することができる。好ましい実施形態では、放射線はUV源によって提供される。この反応自体は、硬化、すなわち、液体から固体への転換を誘発し得るが、環状化合物中又は不飽和成分中のケイ素原子上にアルコキシ置換が存在する場合、加水分解的に誘発された縮合によって、さらなる硬化及び架橋が起こり得る。得られる材料は固体フィルム又は固体塊である。
【0014】
[0013]本発明は、固体フィルム又はカプセル材を製造するための方法であって、組成物を表面のヒドロキシル基又は大気水分へ曝露し、続いて又はそれと同時に組成物に照射することによる方法にも関する。この組成物は、上述したような環状チアシラシクロペンタン及び不飽和成分を含む。放射線は、UV源、可視光線又は電子ビームによって提供することができる。好ましい実施形態では、放射線はUV源によって提供される。一実施形態では、照射は、ヒドロキシル基を有する表面を持つガラス又はヒュームドシリカなどの基材の存在下で実施される。
【0015】
[0014]ガラス質表面の水分開始による亀裂伝播を阻止できるということは、本発明のコーティングの重要な利点である。一例は、光ファイバーの製造である。ここで、それらの組成物は、ファイバーが、延伸工程(drawing process)と一致した速度でプレフォームから延伸された後直ちに光ファイバーと反応することができる。さらに、ヒドロキシル基に関係した表面欠陥との反応及び保護クラッディングのUV硬化による急速な形成によって、亀裂伝播に関係した水吸着は低減され、ファイバーは機械的損傷から保護され、結果として、ファイバーの強度は増大する。
【0016】
[0015]本発明を、以下の非限定的な例に関連してここで説明することとする。例は、それらが本発明のものでない場合、「比較」と表され、放射線曝露に先行した又はそれと同時のヒドロキシル又は水分活性化の非存在下では、硬化は起こらない。
【0017】
[0016]すべての例において、Uvitron International Porta−ray 400R UV1197ポータブルUV/可視光線硬化システムをUV源として使用した。UVランプは、400ワットの金属ハロゲン化物:放射フラックス(radiation flux)(72ワット)、315〜400nm、ピーク放射照度500mW/cm(UVA)であった。
【0018】
(例1(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStを、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化2】
【0019】
[0017]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルメトキシシロキサンホモポリマー、8〜12cSt(Gelest製品コード:VMM−010)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、約1gの混合物をシンチレーションバイアルに加えた。バイアルをNでパージし、キャップとテープでシールし、110℃で1時間加熱した。材料は透明液体のままであった。硬化は観察されなかった。
【0020】
(例2(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStを、空気中で熱に曝露)
【化3】
【0021】
[0018]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルメトキシシロキサンホモポリマー、8〜12cSt(Gelest製品コード:VMM−010)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、約1gの混合物をシンチレーションバイアルに加えた。バイアルをキャップとテープでシールし、110℃で1時間加熱した。材料は透明液体のままであった。硬化は観察されなかった。
【0022】
(例3(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStを、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化4】
【0023】
[0019]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルメトキシシロキサンホモポリマー、8〜12cSt(Gelest製品コード:VMM−010)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。フラスコをNでパージし、ガラスストッパーとクランプを使用してシールした。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。材料は透明液体のままであり;固体は形成されなかった。硬化は観察されなかった。
【0024】
(例4:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStを、空気中でUV源に曝露)
【化5】
【0025】
[0020]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルメトキシシロキサンホモポリマー、8〜12cSt(Gelest製品コード:VMM−010)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、混合物を小さいガラス製ペトリ皿に薄層(<0.5mm)で加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は一部亀裂を含む透明固体であった。
【0026】
(例5:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStを、空気中でUV源に曝露)
【化6】
【0027】
[0021]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルメトキシシロキサンホモポリマー、8〜12cSt(Gelest製品コード:VMM−010)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察され、得られた材料は透明固体であった。
【0028】
(例6(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルトリメトキシシランの混合物を、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化7】
【0029】
[0022]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルトリメトキシシラン(Gelest製品コード:SIV9220.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、次いで、約1gの混合物をシンチレーションバイアルに加えた。バイアルをNでパージし、キャップとテープでシールし、110℃で1時間加熱した。材料は透明液体のままであった。硬化は観察されなかった。
【0030】
(例7(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルトリメトキシシランの混合物を、空気中で熱に曝露)
【化8】
【0031】
[0023]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルトリメトキシシラン(Gelest製品コード:SIV9220.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物をシンチレーションバイアルに加えた。バイアルをキャップとテープでシールし、110℃で1時間加熱した。材料は透明液体のままであった。硬化は観察されなかった。
【0032】
(例8(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルトリメトキシシランの混合物を、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化9】
【0033】
[0024]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルトリメトキシシラン(Gelest製品コード:SIV9220.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。次いで、約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。フラスコをNでパージし、ガラスストッパーとクランプを使用してシールした。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。材料は透明液体のままであった。硬化は観察されなかった。
【0034】
(例9:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルトリメトキシシランの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化10】
【0035】
[0025]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルトリメトキシシラン(Gelest製品コード:SIV9220.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。混合物を薄層(<0.5mm)で小さいガラス製ペトリ皿に加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は透明で脆い固体であった。
【0036】
(例10:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルトリメトキシシランの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化11】
【0037】
[0026]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルトリメトキシシラン(Gelest製品コード:SIV9220.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察され、得られた材料は透明固体であった。
【0038】
(例11(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化12】
【0039】
[0027]VMM−010を1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900)に置き換えたこと以外は、例1で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0040】
(例12(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、空気中で熱に曝露)
【化13】
【0041】
[0028]VMM−010を1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900)に置き換えたこと以外は、例2で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0042】
(例13(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化14】
【0043】
[0029]VMM−010を1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900)に置き換えたこと以外は、例3で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0044】
(例14:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化15】
【0045】
[0030]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。混合物を薄層(<0.5mm)で小さいガラス製ペトリ皿に加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は透明で脆い固体であった。
【0046】
(例15:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化16】
【0047】
[0031]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察され、得られた材料は透明固体であった。
【0048】
(例16(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーの混合物、500cStを、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化17】
【0049】
[0032]VMM−010を、ビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、500cSt(Gelest製品コード:PDV−1625)に置き換えたこと以外は、例1で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0050】
(例17(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーの混合物、500cStを、空気中で熱に曝露)
【化18】
【0051】
[0033]VMM−010を、ビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、500cSt(Gelest製品コード:PDV−1625)に置き換えたこと以外は、例2で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0052】
(例18(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーの混合物、500cStを、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化19】
【0053】
[0034]VMM−010を、ビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、500cSt(Gelest製品コード:PDV−1625)に置き換えたこと以外は、例3で述べた実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0054】
(例19:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーの混合物、500cStを、空気中でUV源に曝露)
【化20】
【0055】
[0035]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、500cSt(Gelest製品コード:PDV−1625)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。混合物を薄層(<0.5mm)で小さいガラス製ペトリ皿に加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料はややかすみがかったゲルであった。
【0056】
(例20:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマーの混合物、500cStを、空気中でUV源に曝露)
【化21】
【0057】
[0036]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びビニルを末端基とする(15〜17%ジフェニルシロキサン)−ジメチルシロキサンコポリマー、500cSt(Gelest製品コード:PDV−1625)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料はややかすみがかったゲルであった。
【0058】
(例21(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1−オクテンの混合物を、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化22】
【0059】
[0037]VMM−010を1−オクテン(Gelest製品コード:ENE03280)に置き換えたこと以外は、例1の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0060】
(例22(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1−オクテンの混合物を、空気中で熱に曝露)
【化23】
【0061】
[0038]VMM−010を1−オクテン(Gelest製品コード:ENE03280)に置き換えたこと以外は、例2の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。得られた材料は透明液体であった。
【0062】
(例23(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1−オクテンの混合物を、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化24】
【0063】
[0039]VMM−010を1−オクテン(Gelest製品コード:ENE03280)に置き換えたこと以外は、例3の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0064】
(例24:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1−オクテンの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化25】
【0065】
[0040]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及び1−オクテン(Gelest製品コード:ENEO3280)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。混合物を薄層(<0.5mm)で小さいガラス製ペトリ皿に加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料はいくらかの亀裂を有する不透明な固体であった。
【0066】
(例25:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1−オクテンの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化26】
【0067】
[0041]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及び1−オクテン(Gelest製品コード:ENEO3280)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料はいくらかの亀裂を有する不透明な固体であった。
【0068】
(例26(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテルの混合物、tech−90を、乾燥、不活性雰囲気で熱に曝露)
【化27】
【0069】
[0042]VMM−010をアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテル、tech−90(Gelest製品コード:ENEA0367)に置き換えたこと以外は、例1の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0070】
(例27(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテルの混合物を、空気中で熱に曝露)
【化28】
【0071】
[0043]VMM−010をアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテル、tech−90(Gelest製品コード:ENEA0367)に置き換えたこと以外は、例2の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0072】
(例28(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテルの混合物を、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化29】
【0073】
[0044]VMM−010をアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテル、tech−90(Gelest製品コード:ENEA0367)に置き換えたこと以外は、例3の実験を繰り返した。硬化は観察されなかった。材料は透明液体のままであった。
【0074】
(例29:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテルの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化30】
【0075】
[0045]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテル、tech−90(Gelest製品コード:ENEA0367)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。混合物を薄層(<0.5mm)で小さいガラス製ペトリ皿に加え、UVランプに10分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は透明ゲル様固体であった。
【0076】
(例30:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテルの混合物を、空気中でUV源に曝露)
【化31】
【0077】
[0046]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及びアリルオキシ(テトラエチレンオキシド)、メチルエーテル、tech−90(Gelest製品コード:ENEA0367)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約1gの混合物を丸底フラスコに加えた。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は透明ゲルであった。
【0078】
(例31(比較):2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化32】
【0079】
[0047]2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900.0)を、1:1重量比でバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合した。約0.75gの混合物を丸底フラスコに加えた。フラスコをNでパージし、ガラスストッパーとクランプを使用してシールした。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。材料は透明無色液体のままであった。固体は形成されなかった。硬化は観察されなかった。
【0080】
(例32:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンと1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を、ヒュームドシリカの存在下、乾燥、不活性雰囲気でUV源に曝露)
【化33】
【0081】
[0048]0.2gのヒュームドシリカ(12〜20nm粒径;200m/g表面積;Gelest製品コード:SIS6960.0)を、4gの、2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタン(Gelest製品コード:SID3545.0)と1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(Gelest製品コード:SIT7900.0)の1:1w/w混合物を入れたバイアルに加えた。バイアルを強力に5分間混合し、粘性のある自由流動性のかすみがかった液体を回収した。約0.75gの混合物を丸底フラスコに加えた。フラスコをNでパージし、ガラスストッパーとクランプを使用してシールした。材料を、フラスコの側部を通して、UVランプに約30分間曝露した。放射線硬化が観察された。得られた材料は、ややかすみがかった自立性のゲルであった。
【0082】
(例33(比較):未処理ホウケイ酸塩スライドグラスの機械的特性)
[0049]未処理ホウケイ酸塩スライドグラスを、三点曲げ試験法を用いて破壊した。スライドグラスの降伏応力は0.021%であり、降伏応力は79mPaであった。
【0083】
(例34:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStで処理されたホウケイ酸塩スライドグラスの機械的特性)
[0050]ホウケイ酸塩スライドグラスを、2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマー(Gelest製品コードSID3545.0とVMM−010)の1:1w/w混合物に10分間浸漬させた。スライドグラスを溶液から取り出し、空気中で5分間UV照射に曝露し、1.46の屈折率を有する透明で可撓性のコーティングを形成させた。次いでスライドグラスを、三点曲げ試験法を用いて破壊した。スライドグラスの降伏応力は0.034%であり、降伏応力は127mPaであった。このスライドグラスは、比較例によるスライドグラスより約60%強かった。
【0084】
(例35:2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマーの混合物、8〜12cStで処理された水分調整したホウケイ酸塩スライドグラスの機械的特性)
[0051]新規のホウケイ酸塩スライドグラスを、脱イオン水に24時間浸漬させて水分調整した。次いで、スライドグラスを、2,2−ジメトキシ−1−チア−2−シラシクロペンタンとビニルメトキシシロキサンホモポリマー(Gelest製品コードSID3545.0とVMM−010)の1:1w/w混合物に10分間浸漬させた。スライドグラスを溶液から取り出し、空気中で5分間UV照射に曝露し、1.46の屈折率を有する透明で可撓性のコーティングを形成させた。次いでスライドグラスを、三点曲げ試験法を用いて破壊した。スライドグラスの降伏応力は0.032%であり、降伏応力は117mPaであった。このスライドグラスは、比較例によるスライドグラスより約50%強かった。
【0085】
[0052]当業者は、その広範な本発明の概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更を加えることができることを理解されよう。また、本開示に基づいて、当業者は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、上記に例示した成分の相対的割合を変え得ることをさらに理解されることであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内の改変形態を包含しようとするものであることが理解される。