特許第6884961号(P6884961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884961
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】離間装置および離間方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20210531BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   H01L21/78 W
   H01L21/68 N
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-93950(P2017-93950)
(22)【出願日】2017年5月10日
(65)【公開番号】特開2018-190887(P2018-190887A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/125683(WO,A1)
【文献】 特開2016−127124(JP,A)
【文献】 特開2007−005530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を保持部材で保持する複数の保持手段と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間手段とを備え、
前記接着シートは、所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下し、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段を備え、
前記保持部材は、前記接着シートの一方の面側に当接する一方側保持部材および、前記接着シートの他方の面側に当接する他方側保持部材で前記接着シートの端部を挟み込んで保持する構成とされ、
前記エネルギー付与手段は、前記保持部材で挟み込む前に、前記一方側保持部材および他方側保持部材で挟み込む前記接着シートの被保持領域に前記所定のエネルギーを付与することを特徴とする離間装置。
【請求項2】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を保持部材で保持する保持手段と、
前記接着シートにおける前記複数の被着体が貼付された被着体接着領域よりも外側であって、前記保持手段が保持した被保持領域の内側で当該接着シートに当接する当接手段と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段および前記当接手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間手段とを備え、
前記接着シートは、所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下し、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段を備え、
前記保持部材は、前記接着シートの一方の面側に当接する一方側保持部材および、前記接着シートの他方の面側に当接する他方側保持部材で前記接着シートの端部を挟み込んで保持する構成とされ、
前記エネルギー付与手段は、前記保持部材で挟み込む前に、前記一方側保持部材および他方側保持部材で挟み込む前記接着シートの被保持領域に前記所定のエネルギーを付与することを特徴とする離間装置。
【請求項3】
前記エネルギー付与手段は、前記接着シートにおける前記複数の被着体が貼付された被着体接着領域に前記所定のエネルギーを付与する第1のエネルギー付与手段と、前記保持部材で保持した前記接着シートの被保持領域に前記所定のエネルギーを付与する第2のエネルギー付与手段とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の離間装置。
【請求項4】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を複数の保持手段のそれぞれの保持部材で保持する保持工程と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間工程とを有し、
前記接着シートは、所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下し、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与工程を有し、
前記保持部材は、前記接着シートの一方の面側に当接する一方側保持部材および、前記接着シートの他方の面側に当接する他方側保持部材で前記接着シートの端部を挟み込んで保持する構成とされ、
前記エネルギー付与工程は、前記保持部材で挟み込む前に、前記一方側保持部材および他方側保持部材で挟み込む前記接着シートの被保持領域に前記所定のエネルギーを付与することを特徴とする離間方法。
【請求項5】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を複数の保持手段のそれぞれの保持部材で保持する保持工程と、
前記接着シートにおける前記複数の被着体が貼付された被着体接着領域よりも外側であって、前記保持手段が保持した被保持領域の内側で当該接着シートに当接する当接手段および、前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間工程とを有し、
前記接着シートは、所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下し、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与工程を有し、
前記保持部材は、前記接着シートの一方の面側に当接する一方側保持部材および、前記接着シートの他方の面側に当接する他方側保持部材で前記接着シートの端部を挟み込んで保持する構成とされ、
前記エネルギー付与工程は、前記保持部材で挟み込む前に、前記一方側保持部材および他方側保持部材で挟み込む前記接着シートの被保持領域に前記所定のエネルギーを付与することを特徴とする離間方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離間装置および離間方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接着シートに貼付された複数の被着体の相互間隔を広げる離間装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−127124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の離間装置では、下支持部材22(保持部材)と上支持部材24(保持部材)とで接着シートAS(接着シート)を保持し、当該接着シートに張力を付与してチップCP(被着体)の相互間隔を広げる構成であるため、保持部材で保持した接着シートの接着面が当該保持部材に接着し、保持部材から接着シートを取り外し難くなるという不都合や、保持部材に付着した接着剤を取り除くための作業が必要になるという不都合を招来する。
【0005】
本発明の目的は、保持部材で保持した接着シートの被保持領域が当該保持部材に接着することを防止することができる離間装置および離間方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保持部材で挟み込む前に、エネルギー付与手段が接着シートの被保持領域に所定のエネルギーを付与するので、所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下する接着シートに対し、保持部材で保持した接着シートの被保持領域が当該保持部材に接着することを防止することができる。
また、エネルギー付与手段が、第1のエネルギー付与手段と第2のエネルギー付与手段とを備えれば、第2のエネルギー付与手段で接着シートの被保持領域の接着力を重点的に低下させることができ、被保持領域が保持部材に接着することをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)は、本発明の実施形態に係る離間装置の平面図。(B)は、図1(A)の側面図。
図2】(A)、(B)は、本発明の実施形態に係る離間装置の動作説明図。
図3】(A)、(B)は、本発明の他の例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印BD方向から観た場合を基準とし、基準となる図を挙げることなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の離間装置10は、一方の面AS1に複数の被着体CPが貼付された接着シートASの端部を保持部材22で保持する複数の保持手段20と、接着シートASの端部を保持した保持手段20を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる離間手段30と、被着体CPの相互間隔や各被着体CPの全体的な集合形状等を検知可能なカメラや投影機等の撮像手段、光学センサや音波センサ等の各種センサ等の検知手段40と、接着シートASに所定のエネルギーとしての紫外線UVを付与するエネルギー付与手段50とを備えている。
なお、接着シートASは、基材シートの一方の面に紫外線UVが付与されることで、その接着力が低下する接着剤層が積層されたものが採用されている。
【0011】
保持手段20は、駆動機器としての回動モータ21と、接着シートASの端部を保持する保持部材22とを備えている。
保持部材22は、接着シートASの一方の面AS1側に当接する一方側保持部材22Aおよび、離間手段30に支持され、接着シートASの他方の面AS2側に当接する他方側保持部材22Bで接着シートASの端部を挟み込んで保持する構成とされている。
なお、一方側保持部材22Aは、他方側保持部材22B上に支持された回動モータ21の出力軸21Aに支持されている。
【0012】
離間手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、そのスライダ31Aに支持され、上面側で他方側保持部材22Bを支持する保持アーム32とを備えている。
【0013】
エネルギー付与手段50は、接着シートASにおける複数の被着体CPが貼付された被着体接着領域CEに紫外線UVを付与する第1のエネルギー付与手段51と、保持部材22で保持した接着シートASの被保持領域HEに紫外線UVを付与する第2のエネルギー付与手段52とを備えている。
第1のエネルギー付与手段51は、保持手段20に保持された接着シートASの下方に位置する被着体接着領域用紫外線発光源51Aを備えている。
第2のエネルギー付与手段52は、保持アーム32上に支持されたスタンド52Aと、スタンド52Aに支持され、保持手段20に保持された接着シートASの端部上方に位置する被保持領域用紫外線発光源52Bとを備えている。
【0014】
以上の離間装置10の動作を説明する。
先ず、各部材が図1(A)、(B)中実線で示す初期位置で待機している離間装置10に対し、当該離間装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。その後、作業者または、駆動機器やコンベア等の図示しない搬送手段が複数の被着体CPが貼付された接着シートASを他方側保持部材22B上に載置すると、保持部材22で挟み込む前に、エネルギー付与手段50が一方側保持部材22Aおよび他方側保持部材22Bで挟み込む接着シートASの被保持領域HEに紫外線UVを付与する。すなわち、接着シートASが他方側保持部材22B上に載置されると、エネルギー付与手段50が被保持領域用紫外線発光源52Bを駆動し、図1(B)に示すように、被保持領域HEに紫外線UVを付与して当該被保持領域HEの接着力を低下させる。
【0015】
次いで、保持手段20が各回動モータ21を駆動し、図2(A)に示すように、一方側保持部材22Aと他方側保持部材22Bとで接着シートASの端部を保持した後、離間手段30が各リニアモータ31を駆動し、保持手段20を相互に離間させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる。このとき、各被着体CPは、接着シートASのひずみ等によって、相互間隔が所定の間隔に広がらないことがある。そこで、検知手段40の検知結果を基にして、離間手段30が各リニアモータ31を駆動し、各被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、各保持手段20を個別に移動させる。
【0016】
その後、エネルギー付与手段50が被着体接着領域用紫外線発光源51Aを駆動し、図2(B)に示すように、被着体接着領域CEに紫外線UVを付与して被着体CPに対する接着シートASの接着力を低下させる。次いで、ピックアップ装置や搬送装置等の図示しない被着体取出し手段によって、全ての被着体CPまたは所定量の被着体CPが接着シートASから取り外されると、離間手段30が各リニアモータ31を駆動し、それぞれのスライダ31Aを初期位置に復帰させた後、保持手段20が回動モータ21を駆動し、一方側保持部材22Aを初期位置に復帰させる。その後、作業者または、図示しない搬送手段が、他方側保持部材22B上に残された接着シートASを取り去り、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0017】
以上のような離間装置10によれば、保持部材22で挟み込む前に、エネルギー付与手段50が接着シートASの被保持領域HEに紫外線UVを付与するので、紫外線UVが付与されることでその接着力が低下する接着シートASに対し、保持部材22で保持した接着シートASの被保持領域HEが当該保持部材22に接着することを防止することができる。
【0018】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、エネルギー付与手段は、接着シートに所定のエネルギーを付与可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0019】
本発明の離間装置は、図3(A)に示すように、保持手段20と、接着シートASにおける被着体接着領域CEよりも外側であって、被保持領域HEの内側で当該接着シートASに当接する当接手段60と、接着シートASの端部を保持した保持手段20および当接手段60を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる離間手段30Aと、検知手段40と、エネルギー付与手段50とを備えた離間装置10Aとしてもよい。
なお、離間装置10Aにおいて、離間装置10と同等の構成で同等の機能を有するものは、当該離間装置10と同じ番号を付してその構成説明は省略し、動作説明は簡略化する。
【0020】
当接手段60は、ベースプレートBP上に支持された円筒状の当接部材61を備えており、当接部材61の内部のベースプレートBP上に被着体接着領域用紫外線発光源51Aが支持されている。
離間手段30Aは、ベースプレートBP上に支持された駆動機器としての直動モータ33と、その出力軸33Aに支持され、上面側で他方側保持部材22Bおよびスタンド52Aを支持する保持アーム34とを備えている。
【0021】
このような離間装置10Aは、離間装置10と同様にして複数の被着体CPが貼付された接着シートASが他方側保持部材22B上に載置されると、エネルギー付与手段50が被保持領域用紫外線発光源52Bを駆動し、図3(A)に示すように、被保持領域HEに紫外線UVを付与して被保持領域HEの接着力を低下させる。そして、保持手段20が回動モータ21を駆動し、図3(B)に示すように、一方側保持部材22Aと他方側保持部材22Bとで接着シートASの端部を保持した後、離間手段30Aが直動モータ33を駆動し、保持手段20を下降させて保持手段20および当接手段60を相対移動させ、接着シートに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる。その後、離間装置10と同様にして、エネルギー付与手段50が被着体接着領域用紫外線発光源51Aを駆動し、被着体CPに対する接着シートASの接着力を低下させた後、図示しない被着体取出し手段が各被着体CPを別工程に搬送する。そして、図示しない被着体取出し手段によって、被着体CPが接着シートASから取り外されると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させた後、他方側保持部材22B上に残された接着シートASを取り外し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0022】
このような離間装置10Aによっても、離間装置10と同様の効果を得ることができる。
【0023】
保持手段20は、他方の面AS2や、一方の面AS1および他方の面AS2の両方の面に複数の被着体CPが貼付された接着シートASの端部を保持する構成でもよいし、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で接着シートASの端部を保持する構成でもよい。
保持手段20は、離間装置10の場合、例えば、右方へ移動する当該保持手段20を1体とし、左方へ移動する当該保持手段20を1体とした2体で構成してもよいし、例えば、右方、左方およびその他の方向へ移動する3体以上で構成してもよい。
保持手段20は、離間装置10Aの場合、1体でもよいし2体以上でもよい。
【0024】
離間手段30、30Aは、複数でなく単数でもよく、この場合、例えば、離間装置10は、1体のリニアモータの2つのスライダで、保持手段20をそれぞれ1体ずつ支持し、被着体CPの相互間隔を広げる構成とし、被着体CPの相互間隔を1軸方向(例えば、X軸方向またはY軸方向等)のみに広げる構成としてもよい。
離間手段30は、相互間隔を3軸以上の方向(例えば、X軸方向、Y軸方向およびその他の軸方向)に広げる構成でもよいし、例えば、X軸方向に移動させた複数の保持手段20をそれぞれY軸方向に移動させる構成(Y軸方向に移動させた複数の保持手段20をそれぞれX軸方向に移動させる構成)とし、被着体CPの相互間隔を広げてもよいし、被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように作動できない構成でもよい。
離間手段30Aは、保持手段20を停止または移動させつつ、当接手段60を移動させることで、保持手段20および当接手段60を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げてもよい。
離間手段30、30Aは、作業者がボタンやレバー等を操作して、リニアモータ31、直動モータ33を駆動してもよく、この場合、例えば、検知手段40による検知結果をモニタや検出器等の表示器に表示するように構成し、この表示器に表示される検知結果によって被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、または、各被着体CPの全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように、作業者がリニアモータ31、直動モータ33を駆動させてもよい。
【0025】
検知手段40は、作業者の目視でもよく、例えば、作業者が目視によって、被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、または、各被着体CPの全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように、ボタンやレバー等を操作して、リニアモータ31、直動モータ33を駆動するように構成してもよいし、本発明の離間装置10、10Aに備わっていなくてもよい。
【0026】
エネルギー付与手段50は、第1のエネルギー付与手段51として、接着シートASの一方の面AS1側および他方の面AS2側の少なくとも一方に紫外線UVを付与する構成のものを採用し、このような構成の第1のエネルギー付与手段51で被保持領域HEにも紫外線UVを付与して一方側保持部材22Aや他方側保持部材22Bに対する接着シートASの接着力を低下させてもよいし、第1のエネルギー付与手段51がなくてもよい。
エネルギー付与手段50は、第2のエネルギー付与手段52として、接着シートASの一方の面AS1側および他方の面AS2側の少なくとも一方の面側に紫外線UVを付与する構成のものを採用し、このような構成の第2のエネルギー付与手段52で被保持領域HEに紫外線UVを付与して一方側保持部材22Aや他方側保持部材22Bに対する接着シートASの接着力を低下させてもよい。なお、前記実施形態で示した離間装置10、10Aで、他方側保持部材22B側からエネルギー付与手段50が接着シートASの被保持領域HEに紫外線UVを付与する場合、当該他方側保持部材22Bや保持アーム34等を紫外線が透過する部材で構成すればよい。
エネルギー付与手段50は、あらゆる波長の電磁波(例えばX線や赤外線等)をエネルギーとして接着シートASに付与するものでもよいし、加熱または冷却された気体や液体等の流体等をエネルギーとして接着シートASに付与するものでもよく、接着シートASの構成に応じて当該接着シートASの接着力を低下できるエネルギーを付与可能なものであれば何でもよいし、接着シートASに全体的または部分的にエネルギーを付与する構成でもよいし、被着体接着領域用紫外線発光源51Aや被保持領域用紫外線発光源52Bとして、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等何を採用してもよいし、それらを適宜に組み合わせたものを採用してもよい。
第1のエネルギー付与手段51は、被着体CPの相互間隔を広げていない状態で接着シートASに紫外線UVを照射してもよい。
【0027】
当接手段60は、角筒状や楕円筒状等の他、円柱、角柱、楕円柱等の他の形状の当接部材61を採用してもよい。
【0028】
本発明における接着シートASおよび被着体CPの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、エネルギーが付与されることでその接着力が低下するものであれば何ら限定されることはないし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。さらに、接着シートASや被着体CPは、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、そのような両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってもよい。また、被着体CPとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、半導体チップ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
被着体CPは、予め接着シートAS上に複数存在しているものでもよいし、離間手段30、30A、その他の機構または人手等で外力を付与した時点で複数に分割され、接着シートAS上に複数存在するような分割されて複数になるものでもよい。このような分割されて複数になる被着体CPとしては、例えば、半導体ウエハや基板等にレーザを照射し、当該半導体ウエハや基盤等に線状や格子状等の脆弱な脆弱層を形成しておき、接着シートASに張力を付与したり、半導体ウエハや基盤等に直接的または間接的に外力を付与したりした時点で個片化し、複数の被着体CPとなるものや、例えば、樹脂や硝子板等にカッター刃で切り込み、当該樹脂や硝子板等に線状や格子状等の表裏に貫通することのない切込やミシン目等の切断予定ラインを形成しておき、接着シートASに張力を付与したり、樹脂や硝子板等に直接的または間接的に外力を付与したりした時点で個片化し、複数の被着体CPとなるもの等、何ら限定されるものではない。
【0029】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
【符号の説明】
【0030】
10、10A…離間装置
20…保持手段
22…保持部材
22A…一方側保持部材
22B…他方側保持部材
30、30A…離間手段
50…エネルギー付与手段
51…第1のエネルギー付与手段
52…第2のエネルギー付与手段
60…当接手段
AS…接着シート
AS1…一方の面
AS2…他方の面
CE…被着体接着領域
CP…被着体
HE…被保持領域
UV…紫外線(所定のエネルギー)
図1
図2
図3