(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向して配置される動歯と、当該動歯を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレームに配設されるスイングジョーとを備え、不動歯に対して動歯をスイングジョーと共に動かして、不動歯と動歯の間隔を変化させ、不動歯と動歯との間に入れた破砕対象物を破砕するジョークラッシャにおいて、
位置変化の測定対象物に取り付けられるマーカー部と、前記測定対象物から離れた箇所に設けられる検出部とを有して、検出部に対するマーカー部の相対位置を検出部で検出する、非接触式の位置センサを備え、
当該位置センサのマーカー部が、スイングジョーの揺動に係る動きにおける振幅がより大きい側のスイングジョー端部の所定箇所に取り付けられ、
前記位置センサの検出部が、スイングジョーを支持する本体フレームに、スイングジョーの動きに伴うマーカー部の移動可能範囲を検出範囲に含む配置として取り付けられることを
特徴とするジョークラッシャ。
本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向して配置される動歯と、当該動歯を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレームに配設されるスイングジョーとを備え、不動歯に対して動歯をスイングジョーと共に動かして、不動歯と動歯の間隔を変化させ、不動歯と動歯との間に入れた破砕対象物を破砕する、ジョークラッシャの制御方法において、
検出部に対するマーカー部の相対位置を検出部で検出する、非接触式の位置センサのうち、前記マーカー部が、スイングジョーの揺動に係る動きにおける振幅がより大きい側のスイングジョー端部の所定箇所に取り付けられ、
前記位置センサの検出部が、スイングジョーを少なくとも揺動可能に支持する本体フレームに、スイングジョーの動きに伴うマーカー部の移動可能範囲を検出範囲に含む配置として取り付けられ、
前記位置センサで、マーカー部の位置検出に基づいてスイングジョーの位置を検出するようにし、
ジョークラッシャ起動時に、前記位置センサにより検出したスイングジョーの位置が、動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された大きさをなす場合に対応するスイングジョー位置からずれている、一の異常状態にあるか否かを判別し、
当該一の異常状態である場合、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を、所定の報知手段により実行することを
特徴とするジョークラッシャの制御方法。
【背景技術】
【0002】
従来より、石やコンクリート廃材、アスファルト廃材などを所望の大きさに破砕する破砕装置として、ジョークラッシャが使用されている。ジョークラッシャは、固定された不動歯に対して、スイングジョーに取り付けた動歯を動かし、不動歯と動歯との間に導入した破砕対象物を不動歯と動歯で挟んで破砕するものである。
【0003】
従来のジョークラッシャのうち、多く利用されているシングルトッグル式のジョークラッシャでは、通常、不動歯を固定支持するジョークラッシャの本体フレームに、エンジンやモータ等で回転駆動される回転軸が回転可能に軸支され、この回転軸に軸中心をずらして一体化させて設けられる偏心軸に対し、スイングジョーがその上部を軸周りに回転可能に取り付けられて支持される。
【0004】
そして、このスイングジョーの下部が、本体フレームに別途揺動可能として設けられたトッグルプレートの一端部に当接すると共に、トッグルプレートとスイングジョーが互いに離隔せず当接を維持する状態で、スイングジョーがトッグルプレートに対し相対的に揺動可能とされることで、偏心軸(回転軸)とスイングジョー、トッグルプレート、及び本体フレームが、本体フレームを静止節、偏心軸を原動節、スイングジョーを従動節とするリンク機構をなし、スイングジョーを不動歯に対して近付けたり離したりする、スイングジョーの揺動を含む所定の動きを繰り返し生じさせられる仕組みである。
【0005】
スイングジョーの下部に当接するトッグルプレートの、スイングジョーに当接する一端部と反対側の他端部は、本体フレーム上に設けられたトッグルブロック等の受部材により位置決めされており、この受部材(トッグルブロック)を位置調整し、トッグルプレートの本体フレーム上における揺動中心位置を変化させることで、不動歯に対するスイングジョーの相対位置関係を進退調整でき、スイングジョーに取り付けられた動歯と不動歯との間の最小間隔や最大間隔を調整可能となっている。
【0006】
こうした動歯と不動歯との間の隙間は、ジョークラッシャの破砕で得たい破砕対象物の最終的な粒度に合わせて調整される。この隙間調整は、通常、受部材の位置調整によって、トッグルプレートを介してスイングジョー及び動歯を動かし、動歯と不動歯とを接触させ、この接触する位置を調整の基準位置に設定し、この基準位置を起点として、あらためて受部材の位置を変化させて動歯を動かし、粒度に応じた所定の隙間が得られる位置で、受部材を固定する、という手順となっている。
【0007】
従来のジョークラッシャにおける具体的な隙間の調整機構としては、トッグルプレートの揺動中心位置、すなわち、トッグルブロックの位置を検出する位置検出手段を設けて、前記基点の状態で位置検出手段により検出したトッグルブロックの位置と、位置調整後のトッグルブロックの位置と、動歯、不動歯、トッグルプレート、及びトッグルブロックの位置関係から隙間の大きさを算出取得し、この隙間が所望の大きさとなるようにトッグルブロックを位置調整して動歯を移動させるものが提案されている。このような従来のジョークラッシャの例として、特開2001−70810号公報に開示されるものがある。
【0008】
また、従来のジョークラッシャにおける他の調整機構として、動歯の傾斜角度を検出する角度検出手段(例えば、液封入容量式の傾斜センサ)を動歯に設け、動歯と不動歯とが接触する前記基点で検出した動歯の傾斜角度(基準角度)に対する、隙間調整のために動かした後の動歯の相対角度変化から隙間の大きさを算出し、この隙間があらかじめ設定した値となるように受部材やトッグルプレートを介して動歯を動かすものも提案されている。このような従来のジョークラッシャの例として、特開2006−110421号公報に開示されるものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のジョークラッシャは前記各特許文献に例示される構成を有しており、このうち、前記特許文献1に示されるものは、トッグルプレートの揺動中心、すなわちトッグルブロックの位置検出結果に基づいて、動歯と不動歯との間の隙間の大きさを求めることから、トッグルプレートの摩耗や変形による位置関係の変化の影響を受けて誤差を生じやすく、正確に隙間を把握して粒度に応じた適切な隙間に設定することが困難であるという課題を有していた。
【0011】
一方、前記特許文献2に示されるものは、検出した傾斜角度に基づいて隙間の調整設定が可能であるとされているものの、角度検出手段としての傾斜センサは動歯上部に取り付けてその傾斜角度を測定するものとされている。このため、破砕作業に係るジョークラッシャ稼働時は動歯に加わる振動、衝撃の影響をセンサも受けることとなり、傾斜角度の検出の原理上、内部に可動部を有するセンサは、振動、衝撃の影響を受けて不具合を生じやすく、傾斜角度の検出とそれに基づく隙間の調整を正しく行えないおそれがあるという課題を有していた。
【0012】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、スイングジョーの位置を正確に取得可能として、動歯と不動歯との間の隙間をより適切に推定でき、破砕対象物を適切な粒度となるように破砕できる状態を維持できるジョークラッシャ、及び、ジョークラッシャにおけるスイングジョー位置の異常判別に係る制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るジョークラッシャは、本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向して配置される動歯と、当該動歯を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレームに配設されるスイングジョーとを備え、不動歯に対して動歯をスイングジョーと共に動かして、不動歯と動歯の間隔を変化させ、不動歯と動歯との間に入れた破砕対象物を破砕するジョークラッシャにおいて、位置変化の測定対象物に取り付けられるマーカー部と、前記測定対象物から離れた箇所に設けられる検出部とを有して、検出部に対するマーカー部の相対位置を検出部で検出する、非接触式の位置センサを備え、当該位置センサのマーカー部が、スイングジョーの揺動に係る動きにおける振幅がより大きい側のスイングジョー端部の所定箇所に取り付けられ、前記位置センサの検出部が、スイングジョーを支持する本体フレームに、スイングジョーの動きに伴うマーカー部の移動可能範囲を検出範囲に含む配置として取り付けられるものである。
【0014】
このように本発明によれば、非接触式の位置センサを設け、位置センサの被検出部分としてのマーカー部のみをスイングジョーの移動量の大きい端部に取り付け、本体フレーム側の固定された検出部によるマーカー部の検出に基づいてスイングジョーの位置を検出可能とすることにより、動歯と不動歯との間の隙間の調整でスイングジョーが移動する状態だけでなく、ジョークラッシャの破砕に係る作動時にスイングジョーが連続して動く状態においても、スイングジョーの位置変化を位置センサで無理なく確実に捉えて、スイングジョーの位置を検出できることとなり、位置センサによるスイングジョーの位置検出がトッグルプレートの変形等の影響による誤差を生じることなく実行されて、動歯と不動歯との間の隙間の調整を精度よく適切に行える。また、ジョークラッシャの稼働中においても、位置センサでスイングジョーの位置を検出でき、スイングジョー及び動歯が本来あるべき位置からずれた異常な状態となっているか否かを判別可能として、トッグルプレートの変形等の影響を受けてスイングジョーに位置ずれが生じた異常状態を、スイングジョーに加わる衝撃や振動の影響を受けることもなく正しく検出できることとなり、各部の異常を早期に発見して対処でき、安全で且つスムーズな作動を確保できる。
【0015】
また、本発明に係るジョークラッシャは必要に応じて、前記スイングジョーの下部に一端部を当接させてスイングジョーに対し相対揺動可能とされて設けられるトッグルプレートと、当該トッグルプレートの他端に当接してトッグルプレートを揺動可能に支持すると共に、スイングジョーに対し位置調整可能として本体フレームに設けられるトッグルブロックと、当該トッグルブロックを動かし、トッグルブロック及びトッグルプレートを介して、スイングジョー及び動歯を不動歯に対して進退移動させる移動手段と、当該移動手段を制御する位置調整制御手段と、前記動歯が不動歯に接触する状態を判別可能とされると共に、前記状態を判別すると、位置センサにスイングジョーの位置検出を行わせ、検出されたスイングジョーの位置を基準位置に設定する基準位置設定手段と、動歯が不動歯から離隔して接触し得ない状態で、位置センサにより検出したスイングジョーの位置と前記基準位置との相対位置関係に基づいて、動歯と不動歯との間の隙間を算出する算出手段とを備え、前記位置調整制御手段が、移動手段によりトッグルブロックを動かしてスイングジョー及び動歯を移動させる状態で、前記算出手段で算出した動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された隙間値になると、トッグルブロックを停止させるように移動手段を制御可能であるものである。
【0016】
このように本発明によれば、位置センサの検出に基づいて隙間が設定値に達するまでスイングジョーを移動させて隙間調整が行えることにより、基準位置の設定や隙間の調整にあたりトッグルプレートの摩耗や変形の影響を受けることなく、精度よく適切に行えることとなり、隙間をあらかじめ設定された大きさに正確に合わせることができ、粒度を適切に管理した破砕を実行できる。
【0017】
また、本発明に係るジョークラッシャは必要に応じて、前記位置センサにより検出したスイングジョーの位置が、動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合におけるスイングジョー位置からずれた状態を、一の異常状態として判別する異常判別手段と、人が認識可能な所定の報知を実行する報知手段とを備え、ジョークラッシャ起動時に、前記異常判別手段が、前記一の異常状態を判別すると、前記報知手段に、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせるものである。
【0018】
このように本発明によれば、ジョークラッシャの起動時に位置センサの検出に基づいてスイングジョーの位置ずれの異常を判別して、作業者の点検を促せることにより、トッグルプレートやその支持部の摩耗やプレートの変形によりわずかにスイングジョーの本来あるべき位置からの位置ずれが生じている状態を適切に判別して、トッグルプレート等の異常による破砕への悪影響を起動の段階で未然に防止でき、安全を確保できる。
【0019】
また、本発明に係るジョークラッシャは必要に応じて、前記スイングジョーを動かして、破砕対象物の破砕に係る作動状態とする所定の駆動手段と、当該駆動手段を制御する駆動制御手段とを備え、前記異常判別手段が、ジョークラッシャの起動前の停止状態における、動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合の、スイングジョーとスイングジョー以外のジョークラッシャ各部との既知の位置関係から、スイングジョーの作動状態におけるスイングジョー位置の変化し得る範囲を求め、当該範囲から、位置センサにより検出されたスイングジョーの位置が外れる状態を、他の異常状態として判別可能とされ、ジョークラッシャの稼働中に、前記異常判別手段が、前記他の異常状態を判別すると、前記駆動制御手段に、スイングジョーを停止させるように駆動手段を制御させると共に、前記報知手段に、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせるものである。
【0020】
このように本発明によれば、ジョークラッシャの稼働時に位置センサの検出に基づいてスイングジョーの位置ずれの異常を判別して、ジョークラッシャを停止させ、作業者の点検を促せることにより、トッグルプレートやその支持部の摩耗変形等により、わずかにスイングジョーの本来あるべき位置からの位置ずれが生じている状態を適切に判別して、トッグルプレート等の異常による破砕への悪影響や変形等の異常状態の進行によるトッグルプレートの破損を防止でき、安全を確保できる。
【0021】
また、本発明に係るジョークラッシャの制御方法は、本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向して配置される動歯と、当該動歯を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレームに配設されるスイングジョーとを備え、不動歯に対して動歯をスイングジョーと共に動かして、不動歯と動歯の間隔を変化させ、不動歯と動歯との間に入れた破砕対象物を破砕する、ジョークラッシャの制御方法において、検出部に対するマーカー部の相対位置を検出部で検出する、非接触式の位置センサのうち、前記マーカー部が、スイングジョーの揺動に係る動きにおける振幅がより大きい側のスイングジョー端部の所定箇所に取り付けられ、前記位置センサの検出部が、スイングジョーを少なくとも揺動可能に支持する本体フレームに、スイングジョーの動きに伴うマーカー部の移動可能範囲を検出範囲に含む配置として取り付けられ、前記位置センサで、マーカー部の位置検出に基づいてスイングジョーの位置を検出するようにし、ジョークラッシャ起動時に、前記位置センサにより検出したスイングジョーの位置が、動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された大きさをなす場合に対応するスイングジョー位置からずれている、一の異常状態にあるか否かを判別し、当該一の異常状態である場合、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を、所定の報知手段により実行するものである。
【0022】
このように本発明によれば、ジョークラッシャの起動時に位置センサの検出に基づいてスイングジョーの位置ずれの可否を判別するようにして、位置ずれのある異常状態には作業者の点検を促すなどの対策を講じることができることにより、トッグルプレートやその支持部の摩耗やプレートの変形によりわずかにスイングジョーの本来あるべき位置からの位置ずれが生じている状態から適切に対応することができ、トッグルプレート等の異常による破砕への悪影響を起動の段階で未然に防止でき、安全を確保できる。
【0023】
また、本発明に係るジョークラッシャの制御方法は必要に応じて、ジョークラッシャの起動前の停止状態における、動歯と不動歯との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合の、スイングジョーとスイングジョー以外のジョークラッシャ各部との既知の位置関係から、スイングジョーの作動状態におけるスイングジョー位置の変化し得る範囲を求め、ジョークラッシャの稼働中に、位置センサにより検出されたスイングジョーの位置が、前記スイングジョー位置の変化し得る範囲から外れている、他の異常状態にあるか否かを判別し、当該他の異常状態である場合、動いているスイングジョーを停止させると共に、所定の作業者にジョークラッシャの点検を促す報知を、前記報知手段により実行するものである。
【0024】
このように本発明によれば、ジョークラッシャの稼働時に位置センサの検出に基づいてスイングジョーの位置ずれの異常を判別して、ジョークラッシャを停止させ、作業者の点検を促せることにより、トッグルプレートやその支持部の摩耗やプレートの変形によりわずかにスイングジョーの本来あるべき位置からの位置ずれが生じている状態を適切に判別して、トッグルプレート等の異常による破砕への悪影響や変形等の異常状態の進行によるトッグルプレートの破損を防止でき、安全を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係るジョークラッシャを前記
図1ないし
図10に基づいて説明する。本実施形態では、シングルトッグル式のジョークラッシャの例について説明する。
【0027】
前記各図において本実施形態に係るジョークラッシャ1は、本体フレーム10に固定された不動歯11と、この不動歯11に対向して配置される動歯12と、この動歯12を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレーム10に配設されるスイングジョー13と、スイングジョー13の下部に一端部を当接させて設けられるトッグルプレート14と、トッグルプレート14の他端部に当接するようにして本体フレーム10に位置調整可能として設けられるトッグルブロック15と、トッグルブロック15を動かして位置調整する移動手段16と、スイングジョー13に取り付けられるマーカー部17a、及び本体フレーム10に取り付けられる検出部17bを有する位置センサ17と、移動手段16その他を制御する制御部18と、人が認識可能な所定の報知を実行する報知手段19とを備える構成である。
【0028】
このジョークラッシャ1は、スイングジョー13を動かして、動歯12と不動歯11との間隔を周期変化させ、不動歯11と動歯12との間に供給、導入される破砕対象物を破砕するものである。ジョークラッシャ各部の機構については、本体フレーム10とスイングジョー13に取り付けて配設される位置センサ17と、この位置センサ17での位置検出に基づく制御部18の制御内容を除いて、公知のシングルトッグル式のジョークラッシャと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
【0029】
前記不動歯11と動歯12は、それぞれ平板状に形成され、各表面を、複数の突起が波状の横断面をなすように並列する突起面とされる構成である。不動歯11は、本体フレーム10の傾斜した支持面に着脱可能に固定支持され、スイングジョー13に取り付けられる動歯12と対向して配置される。これら不動歯11と動歯12との間に、下方が狭く上方が広い破砕用空間が形成される。
【0030】
不動歯11と、動歯12を取り付けられたスイングジョー13とを支持する本体フレーム10は、例えば金属製の枠組や板組等による剛性の高い立体構造を有するものであり、安定した地面や床面に固定状態で設置される他、自走式台車上に搭載されることもある。
【0031】
この本体フレーム10上部に、スイングジョー13の支持のための回転軸20が回転可能に軸支される。
回転軸20は、油圧モータや電動機等の駆動手段50により回転駆動される。この回転軸20には、回転軸20に対し軸中心を平行にずらした偏心配置とされる偏心軸21が、回転軸20と一体に回転可能として設けられる構成である。
【0032】
この偏心軸21周りにスイングジョー13の上端部が取り付けられており、偏心軸21はスイングジョー13を相対回転可能に支持する。
前記スイングジョー13は、その上部を偏心軸21に支持される一方、下部の凹部13aを、本体フレーム10に別途揺動可能として設けられるトッグルプレート14の一端部に当接させ、この当接を維持するようにされる構成である。このスイングジョー13とトッグルプレート14とが互いに離隔せず当接する状態で、スイングジョー13はトッグルプレート14一端部に対し相対的に揺動可能とされる。
【0033】
前記トッグルプレート14は、金属製の略矩形板状体であり、回転軸20の軸方向(
図1の正面方向)と平行な向きとして配設される構成である(
図1参照)。
前記トッグルブロック15は、本体フレーム10上に、スイングジョー13に対し進退するように、本体フレーム10の一部に移動可能な向きを拘束されつつ配設される構成である。このトッグルブロック15の凹部15aにトッグルプレート14の他端部が揺動可能に当接し、この当接を維持するようにされて、スイングジョー13とトッグルブロック15との間に、トッグルプレート14が介設されることとなる。
これにより、スイングジョー13、トッグルプレート14、本体フレーム10、及び偏心軸21が一種のリンク機構を構成する。
【0034】
偏心軸21が回転すると、偏心軸21を原動節、本体フレーム10を静止節、スイングジョー13を従動節とするリンク機構の特徴に基づいて、スイングジョー13は、このスイングジョー13上における任意の一点が閉じた曲線状の軌跡を描くように動く。すなわち、スイングジョー13は、リンク機構により生じる、揺動だけではなく上下動なども伴った、不動歯11に対し近付いたり離れたりする所定の動きを繰り返すこととなる。
【0035】
この他、スイングジョー13の下端には、付勢力を生じさせたテンションロッド30の一部が取り付けられる。このテンションロッド30の他部が、本体フレーム10の所定部位に取り付けられて、テンションロッド30の付勢力でスイングジョー13を不動歯11に対し離れる向きに常時引っ張る機構をなしている。このようにテンションロッド30を用いてスイングジョー13に付勢力を加えることで、スイングジョー13とトッグルプレート14の一端部、及び、トッグルブロック15とトッグルプレート14の他端部が、それぞれ当接する状態を維持でき、スイングジョー13、トッグルプレート14、及びトッグルブロック15が互いに離れないようにされる。
【0036】
また、トッグルブロック15の近傍には、少なくともトッグルブロック15の一部に当接又は連結してトッグルブロック15を動かす、位置調整用の移動手段16が、本体フレーム10に設けられる。
【0037】
前記移動手段16は、例えば、トッグルブロック15のスイングジョー13から離れた側の面に摺動可能に接触するくさび状部分を所定のアクチュエータで本体フレーム10に対し動かすことで、トッグルブロック15を動かすものや、トッグルブロック15に連結させたプランジャ部を、本体フレーム10上に固定されたシリンダ部に対し進退させることでトッグルブロック15を動かす流体圧シリンダなど、公知のジョークラッシャで用いられるものと同様の機構とすることができる。
【0038】
移動手段16を作動させてトッグルブロック15が移動すると、トッグルプレート14を介してスイングジョー13も移動することで、スイングジョー13及び動歯12を不動歯11に対して進退移動させられる仕組みである。
【0039】
前記位置センサ17は、位置測定の対象物に取り付けられるマーカー部17aと、前記測定対象物から離れた箇所に設けられる検出部17bとを有して、検出部17bに対するマーカー部17aの相対位置を検出部17bで検出する、公知の非接触式の直線変位センサである。
【0040】
この位置センサ17のうち、マーカー部17aは、スイングジョー13の揺動に係る動きにおける振幅がより大きい側となる、スイングジョー13下端部の所定箇所に取り付けられる。また、位置センサ17の検出部17bは、本体フレーム10のスイングジョー13側方に位置する側壁部10aに、スイングジョー13の動きに伴うマーカー部17aの移動可能範囲を検出範囲に含む配置として取り付けられる(
図2参照)。
【0041】
この位置センサ17としては、例えば、磁歪効果を利用する磁歪式のセンサを用いることができ、その場合、マーカー部17aを永久磁石とした極めて簡略な構造にできることから、スイングジョー13に取り付けられるマーカー部17aが、破砕実行中にスイングジョー13を通じて加わる衝撃や振動による影響に加え、破砕で生じた塵埃の付着による影響をほとんど受けずに済み、検出に係る不具合が発生しにくく好適である。
【0042】
このように、非接触式の位置センサ17は、スイングジョー13に加わる衝撃や振動等の影響を受けにくく、ジョークラッシャ稼働時のスイングジョーの位置検出にも対応でき、スイングジョー位置から動歯と不動歯との間の隙間量を容易且つ正確に取得可能となる。これに対し、例えば前記特許文献2に示される従来の装置における角度検出手段(傾斜センサ)を、稼働時の動歯と不動歯との間の隙間量把握に流用したとしても、傾斜センサとして複雑な構造で振動、衝撃の影響を受けやすいことに加え、スイングジョーの破砕に係る作動時の傾斜角度変化は小さいことから、隙間量の変化をスイングジョーの傾斜角度変化として精度よく検出するのは困難であり、稼働時のスイングジョーの位置検出とその結果を用いた隙間量取得は実現性に乏しいといえ、本実施形態における位置センサ17の優位性は明らかである。
【0043】
また、ジョークラッシャにおいて、一般に鋳造品とされるスイングジョーや動歯の形状精度は粗く、動歯と不動歯との間の隙間とスイングジョー傾斜角度との関係は、同じ機種であっても各装置ごとに異なるようになることもあり、例えば前記特許文献2に示される従来の装置のような角度検出手段(傾斜センサ)を用いる場合、ある装置におけるセンサの検出結果に基づく隙間調整の設定を、他装置で流用するのは困難である。これに対し、本実施形態の位置センサ17を用いた場合は、動歯と不動歯との間の隙間の変化をもたらすスイングジョーの位置変化を直接センサで検出できることで、同じ機種の複数装置間でセンサの検出結果に基づく隙間調整の設定を共用できる。
【0044】
前記制御部18は、回転軸20を回転駆動する駆動手段50や、トッグルブロック15を動かす移動手段16の制御を行うものである。この制御部18は、そのハードウェア構成として、CPUや記憶部、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、記憶部に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部18として作動させる仕組みである。こうした制御部18をなすコンピュータは、CPUや記憶部等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0045】
この制御部18は、本体フレーム10又はその近傍に設けられ、位置センサ17の検出部17bと電気的に接続され、位置検出に係る信号を受信可能とされると共に、制御対象の駆動手段50や移動手段16とそれぞれ電気的に接続され、制御信号を出力して各部の作動を制御する。加えて、制御部18は、図示されないジョークラッシャの操作装置や稼働状態の表示装置などともそれぞれ電気的に接続され、各スイッチ操作や各種表示に対応した機能実行等の制御を行うこととなる。
【0046】
詳細には、制御部18は、前記駆動制御手段として、回転軸20を回転駆動してスイングジョー13を動かし、破砕対象物の破砕に係る作動状態とする駆動手段50、例えば、電動機など、を作動させたり停止させる制御を行うものである。加えて、制御部18は、前記位置調整制御手段として、移動手段16を制御するものである。制御部18でトッグルブロック15の移動を制御することで、トッグルブロック15及びトッグルプレート14を介して、スイングジョー13及び動歯12を不動歯11に対して進退移動させて位置調整できる仕組みである。
【0047】
また、制御部18は、前記基準位置設定手段として、動歯12が不動歯11に接触し得る状態を判別可能とされると共に、この状態を判別すると、位置センサ17にスイングジョー13の位置検出を行わせ、検出されたスイングジョー13の位置を基準位置に設定する制御を実行するものである。
【0048】
さらに、制御部18は、前記算出手段として、動歯12が不動歯11から離隔して接触し得ない状態で、位置センサ17により検出したスイングジョー13の位置と前記基準位置との相対位置関係に基づいて、動歯12と不動歯11との間の隙間を算出する制御を実行するものである。
【0049】
そして、制御部18は、位置調整制御手段として、移動手段16によりトッグルブロック15を動かして、スイングジョー13及び動歯12を不動歯11から離隔させる向きに移動させる状態で、算出手段として算出した動歯12と不動歯11との間の隙間があらかじめ設定された隙間値になると、トッグルブロック15の移動を停止させて位置決めするように移動手段16を制御する。
【0050】
この他、制御部18は、前記異常判別手段として、ジョークラッシャの起動前の停止状態における、動歯12と不動歯11との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合の、スイングジョー13とスイングジョー以外のジョークラッシャ各部との既知の位置関係から、スイングジョー13の作動状態におけるスイングジョー位置の変化し得る範囲を求める。
【0051】
そして、異常判別手段としての制御部18は、ジョークラッシャ起動時に、位置センサ17により検出したスイングジョー13の位置が、動歯12と不動歯11との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合におけるスイングジョー位置からずれた、一の異常状態を判別する。加えて、制御部18は、ジョークラッシャの稼働中に、位置センサ17により検出したスイングジョー13の位置が、スイングジョー位置の変化し得る範囲から外れている他の異常状態を判別する。
【0052】
さらに、異常判別手段としての制御部18は、ジョークラッシャ起動時に、前記一の異常状態を判別すると、報知手段19に、作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせる。一方、制御部18は、ジョークラッシャの稼働中に、前記他の異常状態を判別すると、駆動制御手段として、スイングジョー13を停止させるように駆動手段50を制御する。具体的には、制御部18は駆動手段50を停止させて、回転軸20及び偏心軸21の回転を止め、スイングジョー13の停止を図ることとなる。そして、制御部18は、この駆動手段50の制御と共に、報知手段19に、作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせる。
【0053】
前記報知手段19は、ジョークラッシャの保守を行う作業者の近くに配設され、作業者が認識可能な所定の報知を実行するものであり、報知として音を発するブザーやスピーカ等の音声出力手段の他、報知として視認可能な表示を行う発光部やディスプレイなどの表示手段を用いることができる。この他、報知手段は、作業者に携帯され、音声出力手段や表示手段を備える携帯端末、例えば、スマートフォンや携帯電話など、とすることもできる。
【0054】
なお、異常判別手段としての制御部18が、前記一の異常状態を判別した場合に報知手段19に行わせる報知と、前記他の異常状態を判別した場合に報知手段19に行わせる報知とは、その報知の種類や内容を異ならせて、報知を受けた作業者が異常内容を容易に把握できるようにするのが好ましい。
【0055】
次に、前記構成に基づくジョークラッシャにおける隙間調整工程と、起動時及び稼働中の異常状態判別に係る制御状態について説明する。
最初に、破砕対象物の破砕で得ようとする砕石等の破砕物の粒度に対応した、動歯12と不動歯11との間の隙間調整工程について説明する。
【0056】
まず、制御部18による制御下で移動手段16を作動させて、トッグルブロック15をスイングジョー13のある側に移動させる。移動手段16によりトッグルブロック15が移動すると、トッグルプレート14を介してスイングジョー13が押されて不動歯11側に移動する。
こうしてトッグルブロック15を動かして動歯12を不動歯11に近付ける向きに動かしていくと、最終的には不動歯11に動歯12が接する(
図3参照)。
【0057】
基準位置設定手段をなす制御部18は、動歯12が不動歯11に接触してそれ以上動かない状態を、例えば移動手段16が電動式のアクチュエータを含む場合はその駆動電流変化の検出や、別途設けたセンサや接触スイッチによる検出等、公知の手法で判別可能である。制御部18が、この動歯12が不動歯11に接触する状態を判別すると、位置センサ17によるスイングジョー13の位置検出を行い、検出されたスイングジョー13の位置を、基準位置に設定する。
【0058】
基準位置の設定の後、制御部18は、移動手段16を制御して、トッグルブロック15が上記とは逆向きに移動するように、移動手段16を作動させる。テンションロッド30による支持で、スイングジョー13とトッグルプレート14一端部との当接状態、及び、トッグルプレート14他端部とトッグルブロック15との当接状態が維持されるため、トッグルブロック15の移動に連動してスイングジョー13も不動歯から離れる向きに移動する。
【0059】
動歯12が不動歯11から離隔した状態では、算出手段をなす制御部18が、位置センサ17により検出したスイングジョー13の位置と前記基準位置との相対位置関係に基づいて、動歯12と不動歯11との間の隙間を算出する。
【0060】
こうして、制御部18は、トッグルブロック15を動かしてスイングジョー13及び動歯12を不動歯11から離隔させる向きに移動させる間、動歯12と不動歯11との間の隙間を算出していく。そして、位置調整制御手段である制御部18は、算出した動歯12と不動歯11との間の隙間が、作業者からの入力操作等を経てあらかじめ設定された所望の破砕後粒度に対応する隙間値になると、移動手段16を制御してトッグルブロック15を停止させる。トッグルブロック15の移動停止により、スイングジョー13及び動歯12も停止して、目標の粒度に対応した隙間への調整が完了となる(
図5、
図7参照)。
【0061】
この状態でジョークラッシャの破砕に係る作動を開始させ、破砕対象物を不動歯11と動歯12との間の破砕用空間に供給、導入すると、破砕の結果、動歯12と不動歯11との間の隙間下端部(排出口)から、所望の粒度の破砕物が取り出せることとなる。
【0062】
続いて、ジョークラッシャの起動時における異常状態判別について説明する。
ジョークラッシャの起動時に、制御部18は、位置センサ17でスイングジョー13の位置をあらためて検出するようにする。そして、制御部18は、前記異常判別手段として、位置センサ17により検出したスイングジョー13の位置が、動歯12と不動歯11との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合におけるスイングジョー位置からずれた、一の異常状態にあるか否かの判別を行う。
【0063】
制御部18は、スイングジョー13の位置に係る一の異常状態、すなわち、起動時点のスイングジョー13の位置が、トッグルプレート14の変形等の影響により、あらかじめ設定された動歯12と不動歯11との間の所定の隙間値に対応するスイングジョー位置からずれていること、を判別すると、ジョークラッシャの起動を中断し、そのままスイングジョー13を動かさない状態が継続するようにする。そして、制御部18は、報知手段19に、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせる。
【0064】
一方、異常判別手段としての制御部18により、スイングジョー13の位置について一の異常状態ではないと判別された場合には、制御部18はジョークラッシャ1をそのまま起動させて、ジョークラッシャ1を破砕に係る稼働状態とする。
【0065】
さらに、ジョークラッシャの破砕に係る稼働中における異常状態判別について説明する。
ジョークラッシャ1が起動すると、駆動手段50により回転軸20が回転駆動され、回転軸20と一体の偏心軸21の回転に伴い、スイングジョー13は動歯12と共に不動歯11に対し近付いたり離れたりする所定の動きを繰り返す。
【0066】
このスイングジョー13の動きにより、不動歯11と動歯12との間に投入され、不動歯11と動歯12に挟まれた破砕対象物は、不動歯11と動歯12より挟圧力を受ける。この圧力に伴って破砕対象物の一部に応力が集中し、破砕対象物は応力集中箇所を起点として破砕され分割される。
【0067】
不動歯11と動歯12との間の破砕用空間を、破砕対象物が上から下に進行しながら、破砕力を受けて破砕され、粒度を小さくしていく過程が繰り返されて、最終的に所望の粒度の破砕物が排出される。
【0068】
こうしたジョークラッシャの稼働に先立ち、異常判別手段としての制御部18は、ジョークラッシャ1の起動前の停止状態における、動歯12と不動歯11との間の隙間があらかじめ設定された隙間値をなす場合の、スイングジョー13とスイングジョー以外のジョークラッシャ各部との既知の位置関係から、スイングジョー13の作動状態におけるスイングジョー位置の変化し得る範囲をあらかじめ求める。
【0069】
ジョークラッシャ1の稼働中には、制御部18は、動いているスイングジョー13の位置を位置センサ17での検出により随時取得している。そして、この稼働中、制御部18は異常判別手段として、位置センサ17により検出されたスイングジョー13の位置が、前記スイングジョー位置の変化し得る範囲から外れている、他の異常状態にあるか否かを判別する。
【0070】
例えば、トッグルプレート14の変形や摩耗が生じたり、トッグルプレート14と接するスイングジョー13やトッグルブロック15の各接触部分が摩耗するなどの異常が発生すると、トッグルプレート14を挟むスイングジョー13とトッグルブロック15との間隔が小さくなり、スイングジョー13の位置変化が以前の正常時より不動歯11から離れた位置で生じる(
図9参照)。このため、作動中のスイングジョー13が最も不動歯11から離れるタイミングで、スイングジョー13は本来の位置変化範囲を超えて不動歯11から遠ざかる。
【0071】
また、テンションロッド30のばねが緩んだり、テンションロッド30が破損するなどの異常が発生すると、スイングジョー13とトッグルブロック15との間隔が大きくなり、スイングジョー13の位置変化が以前の正常時より不動歯により近い位置で生じる(
図10参照)。このため、作動中のスイングジョー13が最も不動歯11に接近するタイミングで、スイングジョー13は本来の位置変化範囲を超えて不動歯11に近付く。
【0072】
制御部18は、こうしたスイングジョー13の位置に係る他の異常状態、すなわち、作動中のスイングジョー13の位置が、トッグルプレート14等の異常により、スイングジョー位置の変化し得る範囲から外れた、正常であれば本来到達し得ない位置にあること、を判別すると、駆動制御手段として駆動手段50を停止させる制御を行い、スイングジョー13の動きを止めて、ジョークラッシャ1の破砕に係る稼働を停止させる。また、制御部18は、報知手段19に、所定の作業者に対するジョークラッシャの点検を促す報知を行わせる。
【0073】
一方、異常判別手段としての制御部18により、スイングジョー13の位置について他の異常状態ではないと判別されている場合には、制御部18はジョークラッシャ1の破砕に係る稼働状態をそのまま継続させる。
【0074】
このように、本実施形態に係るジョークラッシャにおいては、非接触式の位置センサ17を設け、位置センサ17の被検出部分としてのマーカー部17aのみをスイングジョー13の移動量の大きい下部に取り付け、本体フレーム10側の固定された検出部17bによるマーカー部17aの検出に基づいてスイングジョー13の位置を検出可能とすることにより、動歯12と不動歯11との間の隙間の調整でスイングジョー13が移動する状態だけでなく、ジョークラッシャの破砕に係る作動時にスイングジョー13が連続して動く状態においても、スイングジョー13の位置変化を位置センサ17で無理なく確実に捉えて、スイングジョー13の位置を検出できることとなり、位置センサ17によるスイングジョー13の位置検出がトッグルプレート14の変形等の影響による誤差を生じることなく実行されて、動歯12と不動歯11との間の隙間の調整を精度よく適切に行える。
【0075】
また、ジョークラッシャの稼働中においても、位置センサ17でスイングジョー13の位置を検出でき、スイングジョー13及び動歯12が本来あるべき位置からずれた異常な状態となっているか否かを判別可能として、トッグルプレート14の変形等の影響を受けてスイングジョー13に位置ずれが生じた異常状態を、スイングジョー13に加わる衝撃や振動の影響を受けることもなく正しく検出できることとなり、各部の異常を早期に発見して対処でき、安全で且つスムーズな作動を確保できる。
【0076】
なお、前記実施形態に係るジョークラッシャにおいて、スイングジョー13の位置検出を行う位置センサ17の他に、スイングジョー13の位置を把握するためのセンサ等を特に設けていないが、この他、偏心軸の回転位置を検出するセンサやエンコーダ等を別途設けるようにすることもできる。この場合、取得した偏心軸の回転位置と位置センサで検出したスイングジョーの位置とを対応付けることができ、スイングジョーと偏心軸、トッグルプレート及びトッグルブロックの相互の位置関係から、偏心軸の回転位置に応じたスイングジョーの正確な位置を割り出せることから、作動中のスイングジョーがいずれの位置にあっても、異常判別手段としての制御部で、位置センサで検出された実際のスイングジョーの位置と、偏心軸の回転位置から求めたスイングジョーの本来あるべき位置とを比較して、トッグルプレートの変形等の異常によりスイングジョーがその本来あるべき位置からずれた状態を判別することができ、稼働中のジョークラッシャを緊急停止させたり、報知手段による報知で作業者に対し点検等の対応を促して、速やかに保守作業を行わせることができ、破砕を適切に継続できる状態の維持が効率よく図れることとなる。
【0077】
また、制御部が、位置センサで検出された実際のスイングジョーの位置と、偏心軸の回転位置から求めたスイングジョーの本来あるべき位置とのずれた状態を判別する中で、位置ずれがスイングジョーの動きの全体にわたって生じているのではなく、例えばスイングジョーが不動歯に近付くように動く間のみ位置ずれを判別できるなど、位置ずれがスイングジョーの動きにおける一部のタイミングのみに見られる場合には、位置ずれを過負荷による歪みと捉えて、逆にこうした位置ずれから過負荷状態を判別するようにしてもよく、他の検出手段を用いることなく過負荷を検出して、速やかにその対応が図れる。