特許第6885033号(P6885033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6885033コンベヤベルトおよびベルトコンベヤ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885033
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】コンベヤベルトおよびベルトコンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20210531BHJP
   B65G 15/34 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   B65G43/02 A
   B65G15/34
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-228086(P2016-228086)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-83694(P2018-83694A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】侯 剛
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/021045(WO,A1)
【文献】 実公昭48−002858(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/32;43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト長手方向に延在する複数本の金属コードがベルト幅方向に並列されて構成された心体層と、この心体層を挟んで上下にそれぞれ配置された上カバーゴムおよび下カバーゴムと、この下カバーゴムにベルト長手方向に間隔をあけて埋設された複数のループコイルとを備えたコンベヤベルトにおいて、
前記心体層とそれぞれの前記ループコイルとの上下間に前記心体層および前記ループコイルと上下方向に間隔をあけて配置されて、前記下カバーゴムにベルト長手方向に間隔をあけて埋設された複数の保護層を有し、それぞれの前記ループコイルが、前記心体層の下面から前記下カバーゴムのゴム厚の30%〜80%の位置に埋設されていることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項2】
前記上カバーゴム側から見た平面視で、それぞれの前記保護層が対応する前記ループコイルの全範囲を覆って配置されている請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記保護層が、ベルト幅方向に延在する複数本の金属線材がベルト長手方向に並列されて形成されている請求項1または2に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
それぞれの前記ループコイルが、前記心体層の下面から前記下カバーゴムのゴム厚の50%〜60%の位置に埋設されている請求項1〜3のいずれかに記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンベヤベルトと、前記下カバーゴムに隣接配置されてそれぞれの前記ループコイルに誘導電流を生じさせる磁界を発生させる磁界発生部と、前記下カバーゴムに隣接配置されて前記誘導電流を検知するセンサとを備えたベルトコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトおよびベルトコンベヤ装置に関し、さらに詳しくは、コンベヤベルトに埋設されてコンベヤベルトの縦裂きを検知するループコイルの耐久性を一段と向上させることができるコンベヤベルトおよびこのコンベヤベルトを用いたベルトコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトの縦裂き(ベルト長手方向に連続する亀裂)を検知するため、ループコイルを埋設したコンベヤベルトが知られている(例えば特許文献1、2参照)。このコンベヤベルトでは、コンベヤベルトに隣接して配置されたセンサが、センサの近傍を通過するループコイルに生じている誘導電流を検知する。鋭利な搬送物等がコンベヤベルトに突き刺さって縦先きが発生した場合にはループコイルが損傷するため、ループコイルには誘導電流が生じなくなる。この場合、センサはループコイルが近傍を通過したにも拘らず誘導電流を検知しない。そのため、センサによる誘導電流の検知の有無によって、コンベヤベルトに縦裂きが発生しているか否かを判断することができる。センサの検知に基づいて縦裂きが発生していると判断した場合は、コンベヤベルトの稼働を停止させて縦裂きの拡大を防止する。
【0003】
コンベヤベルトには、投入される搬送物等によって局部的な衝撃や外力が作用する。その衝撃や外力によってコンベヤベルトに縦裂きが発生していなくても、ループコイルが損傷することがある。このようにループコイルが損傷をした場合、センサは近傍をループコイルが通過しても誘導電流を検知することがない。そのため、センサの検知に基づいて判断すると、コンベヤベルトに縦裂きが発生していると誤認することになる。
【0004】
特許文献2では、ループコイルを金属部分と伸縮性導電材料とで構成することが提案されている。この提案では、コンベヤベルトに作用する衝撃等を伸縮性導電材料によって緩和させることでループコイルの耐久性を向上させる。しかしながら、局部的に大きな衝撃や応力がコンベヤベルトに作用した場合は、伸縮性導電材料を一部に設けていてもループコイルの損傷を防ぐことは困難になる。また、金属部分に直接的に大きな衝撃や応力が作用した場合は、伸縮性導電材料による緩和効果をほとんど得られず、ループコイルの損傷を防ぐことはできない。それ故、ループコイルの耐久性を向上させるには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−31241号公報
【特許文献2】特開2015−71493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、コンベヤベルトに埋設されてコンベヤベルトの縦裂きを検知するループコイルの耐久性を一段と向上させることができるコンベヤベルトおよびこのコンベヤベルトを用いたベルトコンベヤ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明のコンベヤベルトは、ベルト長手方向に延在する複数本の金属コードがベルト幅方向に並列されて構成された心体層と、この心体層を挟んで上下にそれぞれ配置された上カバーゴムおよび下カバーゴムと、この下カバーゴムにベルト長手方向に間隔をあけて埋設された複数のループコイルとを備えたコンベヤベルトにおいて、前記心体層とそれぞれの前記ループコイルとの上下間に前記心体層および前記ループコイルと上下方向に間隔をあけて配置されて、前記下カバーゴムにベルト長手方向に間隔をあけて埋設された複数の保護層を有し、それぞれの前記ループコイルが、前記心体層の下面から前記下カバーゴムのゴム厚の30%〜80%の位置に埋設されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のベルトコンベヤ装置は、上記のコンベヤベルトと、前記下カバーゴムに隣接配置されてそれぞれの前記ループコイルに誘導電流を生じさせる磁界を発生させる磁界発生部と、前記下カバーゴムに隣接配置されて前記誘導電流を検知するセンサとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保護層が、前記心体層とそれぞれの前記ループコイルとの上下間に配置されて前記下カバーゴムに埋設されているので、投入される搬送物等によってコンベヤベルトに局部的な衝撃や外力が作用しても保護層により吸収、緩和される。詳しくは、並列されている金属コードが保護層によって拘束された状態になっているので、作用する衝撃や外力が広く金属コードにも分散する。そのため、コンベヤベルトに局部的に大きな衝撃や外力が作用してもループコイルが損傷し難くなっていて耐久性が一段と向上する。これに伴い、コンベヤベルトに縦裂きが発生していなくてもループコイルが損傷するという事態を回避するには有利になる。
【0010】
また、それぞれの保護層は、下カバーゴムにベルト長手方向に間隔をあけて埋設されているので、保護層を設けたことによるコンベヤベルトの重量増加を抑制することができ、屈曲性の悪化も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のコンベヤベルトを例示する横断面図である。
図2図1のコンベヤベルトの内部構造を上カバーゴム側から見た平面視で例示する説明図である。
図3】本発明のベルトコンベヤ装置を側面視で例示する説明図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図1のコンベヤベルトが上カバーゴム側から衝撃を受けた場合の金属コードの状態を上カバーゴム側から見た平面視で模式的に例示する説明図である。
図6】保護層が埋設されていないコンベヤベルトが上カバーゴム側から衝撃を受けた場合の金属コードの状態を上カバーゴム側から見た平面視で模式的に例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のコンベヤベルトおよびベルトコンベヤ装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0013】
図1図2に例示する本発明のコンベヤベルト1は、心体層2と、心体層2を上下に挟んで配置される上カバーゴム3と下カバーゴム4とを備えていて、これらが加硫工程を経て一体化している。コンベヤベルト1は、その他、ベルト幅方向両端部に配置される耳ゴム等、他の構成要素が適宜追加されて構成される。
【0014】
心体層2は、ベルト長手方向に延在する多数本の金属コード2a(例えばスチールコード)がベルト幅方向に並列して構成されている。詳述すると、心体層2はクッションゴムにより被覆されていて、このクッションゴムと上カバーゴム3および下カバーゴム4とが加硫接着により接合されている。
【0015】
上カバーゴム3、下カバーゴム4としては、例えば、少なくとも天然ゴムを含むジエン系ゴムからなり、カーボンブラックなどによって耐摩耗性を良好にしたゴム組成物が用いられる。上カバーゴム3および下カバーゴム4の層厚は、コンベヤベルト1に要求される性能によって適宜決定されるが例えば5mm〜30mmの範囲で決定される。クッションゴムは接着性に優れるゴムである。
【0016】
下カバーゴム4にはベルト長手方向に間隔をあけて複数のループコイル5が埋設されている。ループコイル5は、例えば導電線5aが環状に形成されたものであり、公知のものを用いることができる。この導電線5aは波状に癖付けされていても癖付けされていない仕様でもよい。ループコイル5は二重の四角形状に限らず、円形状、楕円形状など様々な形状を採用することもできる。ループコイル5の埋設平面位置はベルト幅方向中央部を含む領域になる。
【0017】
それぞれのループコイル5の埋設深さ位置は、例えば、心体層2の下面から下カバーゴム4のゴム厚Tの30%〜80%、より好ましくは50%〜60%の位置に設定される(ゴム厚t=Tの30%〜80%)。心体層2とループコイル5との上下間隔(ゴム厚t)は5mm以上にするとよい。
【0018】
心体層2とそれぞれのループコイル5との上下間には保護層6が配置されている。即ち、保護層6はベルト長手方向に間隔をあけて下カバーゴム4に埋設されている。保護層6は、コンベヤベルト1に使用されているゴムよりも、同じ条件下で伸びが小さい(モジュラスが大きい)仕様になっている。保護層6の厚さは例えば0.2〜3.0mmである。
【0019】
上カバーゴム3側から見た平面視で、それぞれの保護層6は、それぞれが対応するループコイル5(それぞれの保護層6に最も近接配置されているループコイル5)の全範囲を覆って配置されている。上カバーゴム3側から見た平面視で、保護層6が、対応するループコイル5の少なくともベルト幅方向中央部を覆って配置されている仕様にすることもできるが、ループコイル5を確実に保護するには、この実施形態のように保護層6がループコイル5の全範囲を覆って配置されている仕様にすることが好ましい。尚、図2ではコンベヤベルト1の内部構造を理解し易くするため、金属コード2aをその中心位置で一点鎖線によって示し、上から1番目および2番目の保護層6に対応する範囲では図示を省略している。また、図2では、上から2番目の保護層6を一部切り欠き、上から3番目の保護層6を省略している。
【0020】
保護層6は、天然繊維、樹脂、金属等の様々な材質により形成することができる。保護層6の構造は、織構造やフィルム状など様々な構造を採用することができる。織構造としては、平織構造、すだれ織構造、綾織構造、朱子織構造などを例示できる。
【0021】
この実施形態では、保護層6は複数の線材6aにより形成されている。線材6aとしては、天然繊維、樹脂繊維や金属繊維など所望の線材6aを用いることができる。この保護層6は、平織構造なので、ベルト幅方向に延在する複数本の線材6aがベルト長手方向に並列されている。そのため、ベルト幅方向に延在する線材6aが、ベルト幅方向に並列している金属コード2aと交差した状態になっている。
【0022】
並列している金属コード2aどうしは、互いのすき間に介在するクッションゴムによって接合されているが、クッションゴムは弾性変形するため、金属コード2aのベルト幅方向への変位を拘束する力が弱い。しかし、本発明では保護層6が並列している金属コード2aどうしを覆う状態で配置されているので、保護層6がベルト幅方向に隣り合う金属コード2aどうしを束ねて拘束する機能を発揮している。そのため、本発明では従来に比して、金属コード2aのベルト幅方向へ変位が抑制される。
【0023】
図3に例示するように本発明のベルトコンベヤ装置7は、コンベヤベルト1と、磁界発生部10と、センサ11とを備えている。コンベヤベルト1はプーリ8、8の間に張設される。図4に例示するようにコンベヤベルト1はキャリア側では、支持ローラ9によって下方に突出するトラフ状に保持されるので、投入された搬送物Cは主にベルト幅方向中央部に載置される。
【0024】
磁界発生部10は下カバーゴム4に隣接配置される。磁界発生部10の近傍を通過するそれぞれのループコイル5に対して、磁界発生部10は例えば電磁波を発信する。この電磁波によってそれぞれのループコイル5には誘導電流が誘起される。ループコイル5が断線していると誘導電流は誘起されない。
【0025】
センサ11は下カバーゴム4に隣接配置される。センサ11は磁界発生部10に対してコンベヤベルト1の進行方向の若干下流側に配置される。センサ11の近傍を通過するそれぞれのループコイル5に対して、センサ11は誘導電流が発生しているか否か検知する。センサ11による検知データは制御部12に送信される。制御部12は、センサ11による検知データに基づいて、誘導電流が発生していればコンベヤベルト1に縦裂きが生じてないと判断し、誘導電流が発生していなければコンベヤベルト1に縦裂きが生じていると判断する。コンベヤベルト1に縦裂きが生じていると判断した場合は、コンベヤベルト1の稼働を停止し、警告等を発する。
【0026】
図6に例示するように、保護層6が埋設されていない従来のコンベヤベルト14にシュート部13から搬送物Cが投入された場合、この搬送物Cによる衝撃、外力によって金属コード2aはベルト幅方向に変位しようとする。詳述すると、衝撃、外力を受けたコンベヤベルト14の局所部分では、金属コード2aどうしのベルト幅方向の間隔が広がる。そのため、心体層2の下方に埋設されているループコイル5にも、この衝撃や外力が伝わり易くなる。即ち、従来構造では、コンベヤベルト14が受けた局部的な衝撃や外力がループコイル5にも大きく作用するので損傷し易くなる。
【0027】
一方、図5に例示する本発明のコンベヤベルト1では、並列されている金属コード2aが保護層6によって拘束された状態になっているので、搬送物C等によってコンベヤベルト1に局部的な衝撃や外力が作用しても金属コード2aのベルト幅方向への変位が抑制される。これに伴い、作用する衝撃や外力が広く金属コード2aに分散する。また、保護層6によっても衝撃や外力が吸収、緩和される。そのため、コンベヤベルト1に局部的に大きな衝撃や外力が作用してもループコイル5が損傷し難くなり、耐久性が一段と向上する。それ故、コンベヤベルト1に縦裂きが発生していなくてもループコイル5が損傷するという事態を回避するには有利になり、コンベヤベルト1の縦裂きの発生の検知をより精度よく行うことが可能になっている。尚、図5では保護層6を省略して図示していない。
【0028】
図1、2に例示した保護層6の有無だけが異なる仕様のコンベヤベルトに対して、同じ条件で上カバーゴム3側から搬送物Cを投入した場合に、ループコイル5に生じる主応力と変形量をシミュレーションした。保護層6は心体層2の下面から下カバーゴム4の厚さTの60%の位置に埋設し、ナイロン繊維からなる平織構造に設定した。その結果、保護層6が有る場合は、保護層6が無い場合にループコイル5生じる主応力および変形量の60%程度になることが判明している。
【0029】
加えて、それぞれの保護層6は、下カバーゴム4にベルト長手方向に間隔をあけて埋設されているので、保護層6を設けたことによるコンベヤベルト1の重量増加を抑制することができ、屈曲性(プーリ8回りを走行する時の曲げ易さ)の悪化も回避できる。これらことは、コンベヤベルト1の稼働に要するエネルギを削減することに大きく影響するため省エネルギ化にも寄与する。
【0030】
尚、それぞれの保護層6を下カバーゴム4にベルト長手方向に間隔をあけて埋設した仕様にするには、コンベヤベルト1の成形工程において、それぞれのループコイル5と一緒にそれぞれの保護層6を下カバーゴム4に配置すればよい。そのため、この仕様で製造する際の工数は、保護層6を埋設しない仕様の場合に対してほとんど増加しないで済む。
【0031】
保護層6が、ベルト幅方向に延在する複数本の線材6aがベルト長手方向に並列された仕様であると、金属コード2aのベルト幅方向への変位を線材6aによって一段と抑制することができる。そのため、ループコイル5の損傷を回避するには有利になる。
【0032】
保護層6としてすだれ織り構造(直交する線材6aの一方側が他方側に比して配置密度が著しく低い織り構造)を用いる場合は、配置密度が高い側の線材6aをベルト幅方向に延在させる。これにより、コンベヤベルト1の屈曲性の悪化を回避する効果および金属コード2のベルト幅方向への変位を抑制する効果を高いレベルで実現できる。
【0033】
ループコイル5を心体層2の下面から下カバーゴム4のゴム厚Tの30%〜80%の位置、より好ましくは50%〜60%の位置に埋設すると、投入される搬送物C等による衝撃や外力からループコイル5を保護するには有利になる。心体層2の下面からゴム厚Tの30%未満の位置にループコイル5を埋設した場合は、衝撃や外力がループコイル5に伝わり易くなり、ループコイル5の損傷を防止するには不利になる。また、心体層2の下面からゴム厚Tの80%超の位置にループコイル5を埋設した場合は、ループコイル5から下カバーゴム4の表面までの距離が過小になるので、下カバーゴム4側からの衝撃や外力がループコイル5に伝わり易くなるので好ましくない。
【符号の説明】
【0034】
1 コンベヤベルト
2 心体層
2a 金属コード
3 上カバーゴム
4 下カバーゴム
5 ループコイル
5a 導電線
6 保護層
6a 線材
7 ベルトコンベヤ装置
8 プーリ
9 支持ローラ
10 磁界発生部
11 センサ
12 制御部
13 シュート部
14 従来のコンベヤベルト
C 搬送物
図1
図2
図3
図4
図5
図6