特許第6885156号(P6885156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885156
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】高電圧機器
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20210531BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20210531BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20210531BHJP
【FI】
   B60K1/00
   H02K5/00 AZHV
   H02K11/33
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-69771(P2017-69771)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-171945(P2018-171945A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000176811
【氏名又は名称】三菱自動車エンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】平岩 義雄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 昭久
(72)【発明者】
【氏名】鍵谷 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】東谷 洸平
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直紀
【審査官】 田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−226981(JP,A)
【文献】 特開2009−061915(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104104200(CN,A)
【文献】 特開2016−092934(JP,A)
【文献】 特開2013−082250(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0224884(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0153718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/00
H02K 5/00 − 5/26
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロアパネルの下方に設けられ、前記フロアパネルの下面と接合し前記フロアパネルに沿って延在する骨格部材と隣接して設けられた高電圧機器であって、
前記高電圧機器は、高電圧部を収容するケースと、前記ケースが取り付けられる取付部に前記ケースを締結する複数のボルトと、を備え、
前記複数のボルトは前記ケースの前記取付部と接する面である一端面とは反対の他端面から前記一端面にわたって延在すると共に前記骨格部材の長手方向に延在するロングボルトを含み、
前記ロングボルトが挿通される前記ケースの箇所に、前記ボルトの挿通用ボス部が、前記骨格部材に向けて突設され、
少なくとも一つの前記挿通用ボス部は、前記ケースの前記骨格部材と対向する面のうち最も前記骨格部材に近い位置に取り付けられる
ことを特徴とする高電圧機器。
【請求項2】
前記ロングボルトは、前記ケースの前記骨格部材と対向する面に間隔を空けて複数取り付けられ、
複数の前記ロングボルトは、同方向に延在する
ことを特徴とする請求項1記載の高電圧機器。
【請求項3】
前記ロングボルトは、前記ケースの前記骨格部材と対向する面の上端と、前記ケースの
前記骨格部材と対向する面の前記骨格部材下端に対向する位置と、前記ケースの前記フロ
アパネルと対向する面の前記骨格部材と反対方向の端部とに取り付けられる
ことを特徴とする請求項記載の高電圧機器。
【請求項4】
前記高電圧機器は車両駆動用モータに取り付けられ前記車両駆動用モータを制御する高
電圧制御部である
ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の高電圧機器。
【請求項5】
前記ケースは、前記高電圧部が取り付けられる第1ケースと、前記高電圧部を覆う第2ケースとを備え、
前記ロングボルトは、前記第1ケース及び前記第2ケースを貫通し、前記第1ケースと前記第2ケース及び前記第2ケースと前記車両駆動用モータを締結する
ことを特徴とする請求項記載の高電圧機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高電圧機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータを駆動源とした電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載されるモータユニットが提供されている(特許文献1)。
モータユニットは、車両駆動用モータと、車両駆動用モータに取着される高電圧機器とを備えている。
高電圧機器は、車両駆動用モータを制御する高電圧制御部と、高電圧制御部を収容する制御部用ケースと、制御部用ケースを閉塞する蓋板とを含んで構成されている。
このようなモータユニットは、例えば、車両のフロアパネルの下方に配置されており、車両の衝突時にモータユニットがクロスメンバなどの車両構成部材にぶつかって制御部用ケースや蓋部が破損することが懸念される。
そのため、モータユニットの外側に板金製のプロテクタを設け、モータユニットを保護することが考えられる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−152091号公報
【特許文献2】特開2014−76685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のようにプロテクタを設けると、モータユニットの部品点数の増加、大型化、重量増を招く不利がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、本発明は、ケースの破損防止を図りつつ部品点数の削減化、小型化、軽量化を図る上で有利な高電圧機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車両のフロアパネルの下方に設けられ、前記フロアパネルの下面と接合し前記フロアパネルに沿って延在する骨格部材と隣接して設けられた高電圧機器であって、前記高電圧機器は、高電圧部を収容するケースと、前記ケースが取り付けられる取付部に前記ケースを締結する複数のボルトと、を備え、前記複数のボルトは前記ケースの前記取付部と接する面である一端面とは反対の他端面から前記一端面にわたって延在すると共に前記骨格部材の長手方向に延在するロングボルトを含み、前記ロングボルトが挿通される前記ケースの箇所に、前記ボルトの挿通用ボス部が、前記骨格部材に向けて突設され、少なくとも一つの前記挿通用ボス部は、前記ケースの前記骨格部材と対向する面のうち最も前記骨格部材に近い位置に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記ロングボルトは、前記ケースの前記骨格部材と対向する面に間隔を空けて複数取り付けられ、複数の前記ロングボルトは、同方向に延在することを特徴とする。
また、本発明は、前記ロングボルトは、前記ケースの前記骨格部材と対向する面の上端と、前記ケースの前記骨格部材と対向する面の前記骨格部材下端に対向する位置と、前記ケースの前記フロアパネルと対向する面の前記骨格部材と反対方向の端部とに取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記高電圧機器は車両駆動用モータに取り付けられ前記車両駆動用モータを制御する高電圧制御部であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ケースは、前記高電圧部が取り付けられる第1ケースと、前記高電圧部を覆う第2ケースとを備え、前記ロングボルトは、前記第1ケース及び前記第2ケースを貫通し、前記第1ケースと前記第2ケース及び前記第2ケースと前記車両駆動用モータを締結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
発明によれば、ロングボルトによりロングボルトよりもケース内側に位置するケースの箇所が保護されているので、車両衝突時にケースの外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
したがって、車両用構造体の部品点数の削減化、小型化、軽量化を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、車両衝突時に1本のロングボルトが車両構成部材によって押されてケースが回転したときに、残りのロングボルトによってケースの内側に位置するケースの箇所が保護されるので、車両衝突時にケースの外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
また、本発明によれば、車両衝突時にフロアパネルや骨格部材からロングボルトによりケースの内側に位置するケースの箇所が保護されるので、車両衝突時にケースの外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
また、本発明によれば、ロングボルトが挿通用ボス部を介してケースで強固に支持されているので、車両衝突時にロングボルトによりケースの外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
また、本発明によれば、車両衝突時にロングボルトにより車両駆動用モータを制御する高電圧制御部の保護を図る上で有利となる
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の高電圧機器を備えるモータユニットの構成を示す斜視図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3】実施の形態の高電圧機器の取り付け状態を車幅方向から見た図である。
図4】車両衝突により第1ボルトの挿通用ボス部がリアクロスメンバに衝突した状態を示す図である。
図5】車両衝突により第2ボルトの挿通用ボス部がリアフロアパネルに衝突した状態を示す図である。
図6】車両衝突により第2ボルトの挿通用ボス部がリアクロスメンバに衝突した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の図面において、符号FRは車両前後方向の前方を示し、符号UPは車両上方を示す。
本実施の形態では、高電圧機器が車両の後輪を駆動する車両駆動用モータに取着される高電圧機器であり、高電圧機器と車両駆動用モータとによってモータユニットが構成されている場合について説明する。
まず、モータユニットが配置される車両後部の構造について説明する。
図3に示すように、車両後部には、車両の車幅方向両側で車両の前後方向に延在する一対のリアサイドメンバ10、車幅方向に延在し一対のリアサイドメンバ10を連結するリアフロアクロスメンバ12、それらリアサイドメンバ10、リアフロアクロスメンバ12の上に設置されたリアフロアパネル14、不図示の後輪が設けられている。
【0009】
モータユニット20は、リアフロアクロスメンバ12の車両後方でリアフロアパネル14の下方に配置されている。
図1図2に示すように、モータユニット20は、車両駆動用モータ22と、高電圧機器21とを備え、高電圧機器21は、高電圧制御部24と、制御部用ケース26と、蓋板28とを含んで構成されている。
車両駆動用モータ22は、後輪を駆動するものであり、アルミ合金製のモータケース23と、モータケース23の内部に設けられた不図示のステータ、ロータを含んで構成されている。
高電圧制御部24は、車両駆動用モータ22を制御するものであり、図3に示すように、電力制御用の半導体素子2402が搭載された基板2404、電力制御用のコンデンサ2406、電流センサ2408を含んで構成され、車両駆動用モータ22に供給する高電圧の電力を制御する高電圧部となっている。
制御部用ケース26は、高電圧制御部24を収容するものであり、アルミ合金製である。
蓋板28は、制御部用ケース26を閉塞するものであり、アルミ合金製である。
本実施の形態では、制御部用ケース26および蓋板28が特許請求の範囲のケースを構成している。
高電圧制御部24は蓋板28に固定されている。
制御部用ケース26のモータケース23側には、高電圧制御部24とモータケース23の内部に設けられたステータの巻線とをつなぐ三相交流バスバーと、モータケース23の内部に設けられ、ロータの回転速度や温度を測定するセンサからのケーブルを通すための孔と、ロータの軸受けなどが設けられている。
高電圧制御部24は、モータケース23に制御部用ケース26を固定した後、制御部用ケース26に蓋板28を締結することで、モータケース23に固定される。
【0010】
蓋板28と制御部用ケース26とモータケース23とは、それらの外周部すなわちモータユニット20の外周部に配置された複数のボルト(ロングボルト)34、38により、それら蓋板28、制御部用ケース26、モータケース23が車幅方向に並べられて締結されている。
本実施の形態では、複数のボルト34、38により、蓋板28が制御部用ケース26に締結されるとともに、蓋板28と制御部用ケース26がモータケース23に固定されている。
本実施の形態では、モータケース23が、特許請求の範囲のケースが取り付けられる取付部に相当している。
また、ボルト34、38は、車両構成部材を構成するリアフロアクロスメンバ12およびリアフロアパネル14と高電圧部との間の、蓋板28と制御部用ケース26の位置に取り付けられている。
ボルト34、38は、少なくとも制御部用ケース26、蓋板28よりも頑丈な部材であり、例えば鉄鋼材である。
図1に示すように、蓋板28に複数のマウント取付部30が設けられ、それらマウント取付部30に取り付けられた不図示のマウントによって、モータユニット20は不図示のリアサスクロスメンバを介しリアサイドメンバ10などの車両骨格部材に連結されている。
なお、マウントの取付は、複数のボルト34、38を利用してもよい。すなわち、複数のボルト34、38を挿通する挿通用ボス部36、40をマウント取付部30としてもよい。このようにすることで、マウントを取り付けるボルトが不要となり、部品点数や作業工数を削減することができる。
また、蓋板28と反対に位置するモータケース23の端部には、図2に示すように、モータの動力を後輪に減速して伝達する減速機構32が連結されている。
【0011】
蓋板28を制御部用ケース26に締結するとともに、蓋板28と制御部用ケース26をモータケース23に固定する複数のボルトのうちの1本のボルトである第1ボルト34は、蓋板28及び制御部用ケース26の、リアフロアクロスメンバ12と対向する面のうち最もリアフロアクロスメンバ12に近い位置に取り付けられている。言い換えると、第1ボルト34は、蓋板28及び制御部用ケース26のリアフロアクロスメンバ12と対向する面の上端に取り付けられている。
すなわち、車両後突時、図4に示すように、モータユニット20が車両構成部材であるリアフロアクロスメンバ12に最初に衝突するモータユニット20の箇所に複数のボルトのうちの1本のボルトである第1ボルト34が配置されている。
第1ボルト34の軸部35は、リアフロアクロスメンバ12の延在方向と平行する方向である車幅方向に延在し、また、制御部用ケース26と蓋板28を貫通し、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在している。
言い換えると、第1ボルト34は、制御部用ケース26のモータケース23と接する面である一端面とは反対の他端面から一端面にわたって延在している。
より詳細に説明すると、図1図3図4に示すように、車両後突時、リアフロアクロスメンバ12が衝突する蓋板28と制御部用ケース26とモータケース23との箇所に、第1ボルト34の挿通用ボス部36がリアフロアクロスメンバ12に向けて突設されている。
図2に示すように、この挿通用ボス部36は蓋板28と制御部用ケース26とモータケース23とにわたり第1ボルト34の軸部35の全長にわたって延在し、また、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在し、第1ボルト34の軸部35を強固に支持している。
【0012】
また、モータユニット20の第1ボルト34とは異なる箇所に、第2ボルト38が配置されている。
第2ボルト38の軸部35は、モータユニット20が車両構成部材であるリアフロアクロスメンバ12またはリアフロアパネル14と衝突する方向と交差する方向に延在し、言い換えると車幅方向に延在し、また、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在し、第2ボルト38の軸部35を強固に支持している。
言い換えると、第2ボルト38は、制御部用ケース26のモータケース23と接する面である一端面とは反対の他端面から一端面にわたって延在している。
【0013】
より詳細に説明すると、本実施の形態では、第2ボルト38は2本設けられている。
2本の第2ボルト38のうち1本の第2ボルト38Aは、図1図3図5に示すように、モータユニット20のリアフロアパネル14に対向する面の、リアフロアクロスメンバ12と反対方向の端部に設けられている。
すなわち、車両後突時、モータユニット20がリアフロアクロスメンバ12と衝突した後、更に押されることによって、第1ボルト34を中心にモータユニット20の車両後端部が車両上方に向かうように回転した際に、リアフロアパネル14と最初に衝突する箇所に、第2ボルト38Aの挿通用ボス部40Aがリアフロアパネル14に向けて突設されている。
この挿通用ボス部40Aは蓋板28と制御部用ケース26とモータケース23とにわたり第2ボルト38Aの軸部35の全長にわたって延在し、言い換えると車幅方向に延在し、また、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在し、第2ボルト38Aの軸部35を強固に支持している。
また、2本の第2ボルト38のうち残りの1本の第2ボルト38Bは、図1図3図6に示すように、モータユニット20のリアフロアクロスメンバ12と対向する面の、第1ボルト34より車両方向下部で、リアフロアクロスメンバ12の車両下方向端部より車両方向上部に設けられている。言い換えると、第2ボルト38Bは、制御部用ケース26と蓋板28のリアフロアクロスメンバ12と対向する面のリアフロアクロスメンバ12下端に対向する位置に設けられている。
すなわち、車両後突時、モータユニット20がリアフロアクロスメンバ12と衝突した後、更に押されることによって、第1ボルト34を中心にモータユニット20の車両下端部が車両前方に向かうように回転した際に、リアフロアクロスメンバ12と衝突する箇所に、第2ボルト38Bの挿通用ボス部40Bがリアフロアクロスメンバ12に向けて突設されている。
この挿通用ボス部40Bは蓋板28と制御部用ケース26とモータケース23とにわたり第2ボルト38Bの軸部35の全長にわたって延在し、言い換えると車幅方向に延在し、また、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在し、第2ボルト38Bの軸部35を強固に支持している。
上述したように、第1ボルト34,第2ボルト38A、38Bは、蓋板28と制御部用ケース26の車両構成部材(リアフロアクロスメンバ12、リアフロアメンバ14)と対向する面に間隔を空けて取り付けられ、各ボルト34、38A、38Bは、同方向に延在している。
【0014】
次に作用効果について説明する。
図3図4に示すように、車両後突時、モータユニット20が押されることによりモータユニット20とリアフロアクロスメンバ12とが接近し、第1ボルト34の挿通用ボス部36がリアフロアクロスメンバ12に衝突する。
ここで、第1ボルト34はモータユニット20のリアフロアクロスメンバ12と対向する面のうち最もリアフロアクロスメンバ12の近くに位置し、第1ボルト34の軸部35は、リアフロアクロスメンバ12と衝突する方向と交差する方向に延在しているので、第1ボルト34の軸部35により第1ボルト34の軸部35よりもモータユニット20の内側に位置する制御部用ケース26の箇所と蓋板28の箇所とがリアフロアクロスメンバ12との衝突から保護され、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、第1ボルト34の軸部35が制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
また、第1ボルト34の挿通用ボス部36がリアフロアクロスメンバ12に向けて突設され、第1ボルト34が挿通用ボス部36を介して制御部用ケース26と蓋板28とにより強固に支持されているので、第1ボルト34の軸部35により制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、挿通用ボス部36が制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、第1ボルト34の軸部35をより強固に支持する上で有利となり、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
【0015】
また、車両後突時、図4図5に示すように、第1ボルト34の挿通用ボス部36がリアフロアクロスメンバ12に衝突したのち、さらにモータケース23に加わる荷重によりモータケース23の車両後方寄りの部分が上方に変位すると、第2ボルト38Aの挿通用ボス部40Aがリアフロアパネル14に衝突する。
ここで、第2ボルト38Aはモータユニット20の外周部に位置し、第2ボルト38Aの軸部35は、リアフロアパネル14が衝突する方向と交差する方向に延在しているので、第2ボルト38Aの軸部35により第2ボルト38Aの軸部35よりもモータユニット20の内側に位置する制御部用ケース26の箇所と蓋板28の箇所とがリアフロアパネル14との衝突から保護され、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、第2ボルト38Aの軸部35が制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
【0016】
また、第2ボルト38Aの挿通用ボス部40Aがリアフロアパネル14に向けて突設され、第2ボルト38Aが挿通用ボス部40Aを介して制御部用ケース26と蓋板28とにより強固に支持されているので、第2ボルト38Aの軸部35により制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、挿通用ボス部40Aが制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、第2ボルト38Aの軸部35をより強固に支持する上で有利となり、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
【0017】
また、車両後突時、図4図6に示すように、第1ボルト34の挿通用ボス部36がリアフロアクロスメンバ12に衝突したのち、さらにモータケース23に加わる荷重によりモータケース23の車両前方寄りの部分が上方に変位すると、第2ボルト38Bの挿通用ボス部40Bがリアフロアクロスメンバ12に衝突する。
ここで、第2ボルト38Bはモータユニット20の外周部に位置し、第2ボルト38Bの軸部35は、リアフロアクロスメンバ12が衝突する方向と交差する方向に延在しているので、第2ボルト38Bの軸部35により第2ボルト38Bの軸部35よりもモータユニット20の内側に位置する制御部用ケース26の箇所と蓋板28の箇所とが保護され、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、第2ボルト38Bの軸部35が制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
【0018】
また、第2ボルト38Bの挿通用ボス部40Bがリアフロアクロスメンバ12に向けて突設され、第2ボルト38Bが挿通用ボス部40Bを介して制御部用ケース26と蓋板28とにより強固に支持されているので、第2ボルト38Bの軸部35により制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上で有利となる。
また、挿通用ボス部40Bが制御部用ケース26と蓋板28との車幅方向の全長にわたって延在しているので、第2ボルト38Aの軸部35をより強固に支持する上で有利となり、制御部用ケース26、蓋板28の外部から内部にわたる破損を防止する上でより有利となる。
【0019】
また、制御部用ケース26を蓋板28とモータケース23とで挟持するための第1ボルト34、第2ボルト38A、38Bを利用することで、車両衝突時において制御部用ケース26、蓋板28を保護することができるので、モータユニット20にプロテクタを設ける場合に比較して、モータユニット20の部品点数の削減化、小型化、軽量化を図る上で有利となる。
更に、蓋板28と制御部用ケース26の締結と、制御部用ケース26のモータケース23への取り付けを第1ボルト34、第2ボルト38によって同時に行っているため、締結ボルトの本数削減と、これにより作業工数を削減することができる。
なお、蓋板28と制御部用ケース26の締結と、制御部用ケース26のモータケース23への取り付けは、全て第1ボルト34、第2ボルト38のような制御部用ケース26と蓋板28を貫通するボルトで行ってもよいが、一部だけ、蓋板28と制御部用ケース26のみを締結するボルトや、制御部用ケース26をモータケース23へ取り付けるためだけのボルトを使用してもよい。
少なくとも、モータユニット20の、リアフロアクロスメンバ12やリアフロアパネル14などの車両構成部材と衝突する箇所に、制御部用ケース26と蓋板28を貫通するボルトを設ければよい。
【0020】
なお、挿通用ボス部36、40A、40Bは、第1ボルト34、第2ボルト38A、38Bの軸部35の長手方向に間隔をおいた複数箇所に設けてもよいが、本実施の形態のように、制御部用ケース26と蓋板28の車幅方向の全長にわたって延在させると、第1ボルト34、第2ボルト38A、38Bの軸部35をより強固に支持する上で有利となる。
また、本実施の形態では、車体に搭載される車両用構造体がモータユニット20である場合について説明したが、車両用構造体は、高電圧部を収容する第1ケースと、第1ケースを閉塞する第2ケースとを締結する複数のボルトをそれらケースの外周部に備えるものであればよく、本発明は、インバータ、コンバータ、バッテリーの充電装置など従来公知の様々な高電圧部を有する車両用構造体に適用可能である。
また、実施の形態では、車両用構造体に衝突する車両構成部材がリアフロアクロスメンバ12とリアフロアパネル14である場合について説明したが、車両構成部材は、このような車両骨格部材に限定されず、車両骨格部材に取着された剛性を有する部材や部品であってもよいことは無論のことである。
【符号の説明】
【0021】
12 リアフロアクロスメンバ(車両構成部材)
14 リアフロアパネル(車両構成部材)
20 モータユニット
21 高電圧機器
22 車両駆動用モータ
23 モータケース(取付部)
24 高電圧制御部
26 制御部用ケース(第1ケース、ケース)
28 蓋板(第2ケース、ケース)
34 第1ボルト(ロングボルト)
35 軸部
36 挿通用ボス部
38A、38B 第2ボルト(ロングボルト)
40A、40B 挿通用ボス部
図1
図2
図3
図4
図5
図6