【文献】
花井 俊介、難波 英嗣、灘本 明代,主食材と主調味料を考慮した類似レシピクラスタリング,第8回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム,日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 日本データベース学会 情報処理学会データベースシステム研究会,2016年 3月 2日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも、食材名、調味料名、各食材及び各調味料の分量を含み、所定のフォーマットで記述され、複数の飲食店または料理人によって作成された複数のレシピ情報と、類似する食材及び調味料に関する紐付け情報とを記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶済みの第1レシピ情報と、飲食店端末または料理人端末から新たに前記記憶部への記憶要求があった第2レシピ情報との類似度を算出し、
前記類似度が閾値未満である場合に、前記第2レシピ情報の記憶を許容する
情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、未知レシピと既知レシピの類似度及び既知レシピのスコアに基づいて未知レシピのスコアを決定することはできるものの、既知レシピと類似度が高い、すなわち独創性の低いレシピも、独創性の高いレシピと同様にレシピ管理システム上に登録され公開されるため、当該システムにおける独創性の高いレシピの価値が相対的に低くなってしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、独創性の高いレシピの価値を向上させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、通信部と、記憶部と、制御部とを有する。上記通信部は、複数の飲食店端末または料理人端末と通信可能である。上記記憶部は、少なくとも、食材名、調味料名、各食材及び各調味料の分量を含み、所定のフォーマットで記述され、複数の飲食店または料理人によって作成された複数のレシピ情報と、類似する食材及び調味料に関する紐付け情報とを記憶する。上記制御部は、上記記憶部に記憶済みの第1レシピ情報と、上記飲食店端末または料理人端末から新たに上記記憶部への記憶要求があった第2レシピ情報との類似度を算出し、当該類似度が第1閾値未満である場合に、上記第2レシピ情報の記憶を許容する。
【0008】
この構成により情報処理装置は、既存のレシピ情報に類似しないレシピ情報のみを記憶(飲食店端末または料理人端末からのアップロード)対象とすることで、独創性の低いレシピが安易に公開されるのを防ぎ、独創性の高いレシピの価値を向上させることができる。ここで、上記レシピ情報の上記記憶部への記憶は、例えば当該レシピ情報の授受(売買)用のデータベース構築のために行われるものであるが、これに限られない。また上記第1閾値は、比較対象の2つのレシピ情報間の類似度が当該第1閾値以上であった場合に両レシピ情報が一般的に類似していると判断されるような値である。
【0009】
上記レシピ情報は、複数の調理工程を含み、上記食材名、上記調味料名、上記分量は当該各調理工程と対応付けられて記憶されてもよい。この場合上記制御部は、上記調理工程毎に上記類似度を算出し、全工程の類似度の平均類似度が上記第1閾値未満である場合に上記レシピ情報の記憶を許容してもよい。
【0010】
これにより情報処理装置は、1つのレシピの調理工程毎に類似度を算出することで、より高精度にレシピ情報間の類似度を算出することができる。
【0011】
上記記憶部は、上記レシピ情報毎に基本食材名及び基本調味料名を記憶してもよく、上記制御部は、上記基本食材名及び基本調味料名を上記類似度の算出処理から除外してもよい。
【0012】
これにより情報処理装置は、各レシピにおいて必須となるまたは使用される頻度の高い食材及び調味料を類似度の算出から除外することで、より独創性の高いレシピと他のレシピの類似度をより高精度に算出することができる。
【0013】
上記記憶部は、上記飲食店または上記料理人の識別情報を上記レシピ情報と対応付けて記憶してもよい。この場合上記制御部は、上記第1レシピ情報に対応付けられた識別情報と上記第2レシピ情報に対応付けられた識別情報とが同一である場合、上記類似度が、上記第1閾値よりも低い第2閾値未満である場合に、上記第2レシピ情報の記憶を許容してもよい。
【0014】
これにより情報処理装置は、同一の飲食店または料理人が作成したレシピ情報については、上記記憶を許容するための類似度の閾値をより低く、すなわち、記憶のための類似度の条件をより厳しくすることによって、例えば飲食店または料理人が既存のレシピ情報を改変する等して、記憶を許容され得る他のレシピ情報を容易に作成するのを防ぐことができる。
【0015】
上記通信部は、上記複数のレシピ情報の上記飲食店または料理人間の授受のために当該複数のレシピ情報に対応するメニュー名を掲載したレシピ情報提供ページを生成して飲食店端末または料理人端末からの要求に応じて送信してもよい。このような、レシピ情報提供ページにおけるレシピ情報の授受を前提とした構成においては、制御部は、上記レシピ情報提供ページに掲載済みの第1メニュー名に対応する第1レシピ情報と、上記飲食店端末または料理人端末から新たに上記レシピ情報提供ページへの掲載要求があった第2メニュー名に対応する第2レシピ情報との類似度を算出し、当該類似度が上記第1閾値未満である場合に、上記第2メニュー名の上記掲載を許容してもよい。
【0016】
これにより情報処理装置は、より独創性の高いレシピ情報をレシピ情報の授受のためにレシピ情報提供ページに掲載することで、独創性の低いレシピ情報が安易にやり取りされるのを防ぎ、独創性の高いレシピの価値を向上させることができる。
【0017】
上記制御部は、上記飲食店毎に、上記レシピ情報に対応するメニュー名を含む飲食店情報を掲載した飲食店情報提供ページを生成してユーザ端末からの要求に応じて送信し、上記飲食店端末から新たに上記飲食店情報提供ページへの上記第2メニュー名の掲載要求があった場合に、上記類似度が上記第1閾値未満である場合に、当該第2メニュー名の上記掲載を許容してもよい。
【0018】
これにより情報処理装置は、独創性の高いレシピ情報に対応するメニューのみを飲食店情報提供ページに掲載することで、当該メニューを目的に来店した客に、独創性の高いレシピで調理したメニューの価値を体感させ広めさせることができる。
【0019】
少なくとも、食材名、調味料名、各食材及び各調味料の分量を含み、所定のフォーマットで記述され、複数の飲食店または料理人によって作成された複数のレシピ情報と、類似する食材及び調味料に関する紐付け情報とを記憶部に記憶し、
上記記憶部に記憶済みの第1レシピ情報と、飲食店端末または料理人端末から新たに上記記憶部への記憶要求があった第2レシピ情報との類似度を算出し、
上記類似度が閾値未満である場合に、上記第2レシピ情報の記憶を許容する
情報処理方法。
【0020】
情報処理装置に、
少なくとも、食材名、調味料名、各食材及び各調味料の分量を含み、所定のフォーマットで記述され、複数の飲食店または料理人によって作成された複数のレシピ情報と、類似する食材及び調味料に関する紐付け情報とを記憶部に記憶するステップと、
上記記憶部に記憶済みの第1レシピ情報と、飲食店端末または料理人端末から新たに上記記憶部への記憶要求があった第2レシピ情報との類似度を算出するステップと、
上記類似度が閾値未満である場合に、上記第2レシピ情報の記憶を許容するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、独創性の高いレシピの価値を向上させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る飲食店/レシピ情報提供システムの構成を示した図である。
【0025】
同図に示すように、このシステムは、インターネット150上の飲食店/レシピ情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と、複数の飲食店端末300とを含む。
【0026】
飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載した飲食店情報ポータルサイト及び飲食店から提供されたレシピ情報を掲載したレシピ情報ポータルサイトを運営するウェブサーバである。飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、複数のユーザ端末200及び複数の飲食店の飲食店端末300とインターネット150を介して接続されている。
【0027】
飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、上記飲食店情報ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報の検索システムを提供する。具体的には、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したWebページを生成してユーザ端末200へ送信する。また飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、当該飲食店情報を閲覧したユーザのユーザ端末200からの、いずれかの飲食店に対する予約受付処理を代行する。
【0028】
また飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、上記レシピ情報ポータルサイトにおいて、飲食店端末300のユーザ(管理者)向けにレシピ情報の売買システムを提供する。具体的には、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、飲食店端末300からのレシピ情報掲載要求に応じて、上記レシピ情報ポータルサイト上のレシピ情報提供ページにレシピ情報を掲載し、当該レシピ情報提供ページ上において、他の飲食店端末300からの購入要求に応じてレシピ情報の売買処理及びそれに伴う決済処理を実行する。
【0029】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。ユーザ端末200は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100へアクセスし、上記飲食店情報ポータルサイトからWebページを受信してブラウザ等により画面に表示する。
【0030】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、飲食店の所在エリアやジャンル等、飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を飲食店/レシピ情報提供サーバ100へ送信する。そしてユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、上記検索結果として表示されたいずれかの飲食店に対する予約要求を飲食店/レシピ情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0031】
また一方で飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、上記飲食店情報ポータルサイトに掲載される飲食店(加盟店)向けに、飲食店情報の管理画面(Webページ)を提供している。飲食店端末300のユーザは、当該管理画面を介して、上記検索結果として一般ユーザに提供されるWebページ上の飲食店情報(コンテンツ)を編集・更新し、当該Webページを上記ポータルサイト上にアップロードすることができる。
【0032】
飲食店端末300(300A,300B,300C...)は、各飲食店に設置されている端末であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。飲食店端末300は、管理者の操作に基づいて、上記飲食店情報の編集・更新等、自身の飲食店情報に関する処理を飲食店/レシピ情報提供サーバ100との通信により実行することが可能である。
【0033】
さらに、飲食店端末300は、自店で提供されている(または提供予定の)メニューのレシピ情報を作成し、そのレシピ情報の上記レシピ情報ポータルサイトへの掲載要求を上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0034】
また、他の飲食店端末300の管理者は、自店のメニューへの導入を目的に、上記レシピ情報ポータルサイトのレシピ情報提供ページ上で希望のレシピ情報を購入することが可能である。当該レシピ情報は、上記レシピ情報ポータルサイト上に所定のフォーマットでアップロードされ、上記購入によりダウンロードされる。
【0035】
本実施形態では、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、飲食店端末300から上記レシピ情報提供ページへのレシピ情報の掲載要求があった場合に、当該レシピ情報提供ページに掲載済みのレシピ情報と、当該掲載要求対象のレシピ情報との類似度を算出し、当該類似度が所定の閾値未満であった場合に掲載を許容する。当該処理の詳細については後述する。
【0036】
[レシピ情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0037】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店/レシピ情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0038】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0039】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0040】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0041】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0042】
後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、後述するレシピ情報掲載処理(及びレシピ情報の売買・決済処理)に必要なアプリケーション等のプログラムの他、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、レシピ情報データベース、及び食材情報データベースを有している。
【0043】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200及び飲食店端末300との間の通信処理を担う。
【0044】
なお、図示しないが、ユーザ端末200及び飲食店端末300の基本的なハードウェア構成も上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100のハードウェア構成と略同様である。
【0045】
[レシピ情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0046】
同図に示すように、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、レシピ情報データベース33、及び食材情報データベース34を有している。
【0047】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名、所在位置(住所または緯度経度)情報、立地エリア情報、アクセス情報(最寄り駅情報、最寄り駅からの徒歩距離情報)電話番号、その飲食店を識別するID(店舗ID)、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する情報(店舗のPR文等の店舗の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報等)、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、平均予算情報、営業時間、ウェブサイトURL等の情報等を記憶している。これらの情報は、各飲食店の飲食店端末300から、飲食店/レシピ情報提供サーバ100が提供する管理画面を介して入力されたものである。
【0048】
上記メニュー情報は、上記飲食店情報ポータルサイト上の各飲食店のメニューページに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。またメニュー情報としては、メニュー名や値段、説明等を示す文字情報の他、当該メニューを撮影した写真等の画像情報も対応付けて記憶される。
【0049】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0050】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100が提供する上記飲食店情報ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース32は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0051】
レシピ情報データベース33は、上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100が提供する上記レシピ情報ポータルサイトのレシピ情報提供ページに掲載されている複数のレシピ情報を記憶している。
【0052】
当該レシピ情報は、少なくとも、レシピ名(メニュー名)、食材名、調味料名、各食材及び各調味料の分量を含み、所定のフォーマットで各飲食店によって記述され、各飲食店を識別する店舗IDと対応付けられて記憶されている。また当該レシピ情報は、複数の調理工程情報を有し、上記食材名、調味料名、及びそれらの分量に関する情報は、当該各調理工程と対応付けられて記憶されている。
【0053】
当該レシピ情報は、上記飲食店情報ポータルサイトの各飲食店のメニューページに掲載されるメニュー情報(上記飲食店情報データベース31におけるメニュー情報)のうち少なくとも一部と対応している。すなわち、各飲食店は、自店のメニューのうち、例えばそのレシピに高い価値があると思われるメニューのレシピ情報を上記フォーマットで作成して、その販売用に、上記レシピ情報提供ページへアップロードする。
【0054】
食材情報データベース34は、上記レシピ情報毎に、そのレシピ(メニュー)において必須となる、または高い頻度で使用される食材の名称(基本食材名)及び調味料の名称(基本調味料名)を記憶している。
【0055】
また食材情報データベース34は、各レシピにおいて使用され得る食材及び調味料のうち、類似の食材及び調味料(例えば味や食感に大きな差が出ないような食材及び調味料)を紐付けた紐付け情報も記憶している。
【0056】
これら各データベースは、後述する飲食店/レシピ情報提供サーバ100によるレシピ情報掲載処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0057】
[レシピ情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店/レシピ情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0058】
図4は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100による、レシピ情報掲載処理の流れを示したフローチャートである。
【0059】
同図に示すように、飲食店/レシピ情報提供サーバ100のCPU11は、まず、いずれかの飲食店端末300から、レシピ情報の上記レシピ情報提供ページへの掲載要求を受信したか否かを判断する(ステップ41)。当該掲載要求は、レシピ情報の他、当該レシピ情報を作成した飲食店の店舗IDを含んでもよい。
【0060】
レシピ情報の掲載要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、レシピ情報データベース33を参照して、掲載済みのレシピ情報から、掲載要求対象のレシピ情報のレシピ名(メニュー名)と同一及び類似するレシピ名を有するレシピ情報を検索する(ステップ42)。
【0061】
続いてCPU11は、掲載要求対象のレシピ情報と、検索されたレシピ情報から、それぞれ、食材名、調味料名、それらの分量を、調理工程毎に抽出する(ステップ43)。
【0062】
続いてCPU11は、上記食材情報データベース34を参照して、上記抽出した食材名及び調味料名から、基本食材名及び基本調味料名を除外する(ステップ44)。
【0063】
続いてCPU11は、上記基本食材名及び基本調味料名を除外済みの、掲載要求対象のレシピ情報と掲載済みの同一/類似レシピ情報の各食材名、調味料名、それらの分量について、調理工程毎に類似度を算出する(ステップ45)。類似度は、例えば、調理工程毎の食材名及び調味料名の一致率(完全一致のみならず、部分一致や、あいまい検索における表記揺れや同義語による一致も含む)や、分量の近似率等によって算出される。
【0064】
続いてCPU11は、各調理工程における類似度の平均類似度を算出する(ステップ46)。当該平均類似度の算出処理は、上記掲載済みの同一/類似レシピ情報の数の分だけ繰り返される。
【0065】
続いてCPU11は、上記いずれかの平均類似度が、所定の閾値未満か否かを判断する(ステップ47)。ここで閾値は、例えば類似度を0から1の範囲で表した場合、例えば0.3、0.5等であるが、これらに限られない。
【0066】
上記平均類似度が閾値未満であると判断した場合(Yes)、CPU11は、上記掲載要求対象のレシピ情報を、上記レシピ情報データベース33に記憶し(ステップ48)、上記レシピ情報提供ページに掲載する(ステップ49)。
【0067】
一方、上記平均類似度が閾値以上であると判断した場合(No)、CPU11は、類似のレシピ情報が既に掲載済みであるため、掲載要求対象のレシピ情報は掲載できない旨を示す掲載拒否通知を上記飲食店端末300へ送信する(ステップ50)。
【0068】
図5は、上記飲食店/レシピ情報提供サーバ100が生成したレシピ情報提供ページの例を示した図である。
【0069】
同図に示すように、レシピ情報提供ページは、複数のレシピ情報掲載欄50を有する。各レシピ情報掲載欄50は、各レシピ情報及びその提供元の飲食店を識別するレシピ名(メニュー名)情報51、レシピ情報を購入するための販売価格情報52、各レシピによって出来上がったメニューの写真情報53、及び各レシピ情報の購入要求を送信するための購入ボタン54を有する。
【0070】
各レシピ名(メニュー名)は、上記飲食店情報ポータルサイト上におけるいずれかの飲食店のメニュー情報ページに掲載されたメニュー名に対応している。上記販売価格情報52が示す価格は、レシピ情報をアップロードした飲食店端末300のユーザが決定してもよいし、その他の所定のルールによって決定されてもよい。
【0071】
このレシピ情報提供ページは、上記レシピ情報ポータルサイトに飲食店端末300がアクセスすることによって飲食店端末300へ送信され、そのディスプレイ上に表示される。飲食店端末300のユーザがいずれかのレシピ情報の購入ボタン54を押下操作(タップ、クリック等)すると、飲食店/レシピ情報提供サーバ100に当該レシピ情報の購入要求が送信される。
【0072】
飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、当該購入要求に応答して、上記販売価格情報52に対応する価格での当該レシピ情報の決済処理を実行する。決済処理が完了すると、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、対応するレシピ情報をレシピ情報データベース33から抽出し、購入元の飲食店端末300へ送信する。
【0073】
図6は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100が上記レシピ情報データベース33に記憶し、上記購入処理によって飲食店端末300に提供されるレシピ情報の例を示した図である。
【0074】
同図に示すように、レシピ情報は、例えば、レシピ名(メニュー名)、レシピ情報提供元の飲食店名、何人分または何個分のメニューであるかを示す情報、出来上がり写真、食材名、調味料名、それらの分量、及び調理工程に関する情報を含む。
【0075】
各食材名及び調味料名には、それらがどの調理工程において使用されるものであるかを示す情報(例えば調理工程No.)が対応付けられている。
【0076】
上記レシピ名(メニュー名)、提供元の飲食店名、出来上がり写真は、
図5で示したレシピ情報提供ページに掲載される情報と同一である。しかし、上記食材名、調味料名、それらの分量に関する情報は、上記レシピ情報提供ページにおいては掲載されず、レシピ情報が購入されない限り閲覧できないようになっている。
【0077】
同図では、「海老入り餃子」のレシピ情報の例が示されている。
図4に示したフローチャートのうち、類似度の算出処理においては、例えば、「餃子」を作る際に必須となる、または高頻度で使用される「豚挽肉」「キャベツ」「ニラ」「餃子の皮」といった食材や、「しょうゆ」「砂糖」「酒」「こしょう」「薄力粉」といった調味料名は、上記食材情報データベース34において基本食材名及び基本調味料名として記憶され、除外される。
【0078】
一方、食材名としての「むき海老」や、調味料名としての「味噌」は、上記基本食材名及び基本調味料名としては記憶されておらず、これらと同一または類似の食材または調味料の有無が、類似度の算出において寄与することになる。
【0079】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、既存のレシピ情報に類似しないレシピ情報のみをレシピ情報の売買用のレシピ情報提供ページへ掲載して売買対象とすることで、独創性の低いレシピが安易に出回るのを防ぎ、独創性の高いレシピの価値を向上させることができる。
【0080】
また、レシピ情報を販売する飲食店は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100へ、上記類似度が閾値未満のレシピ情報をアップロードするだけで、その販売事務処理を飲食店/レシピ情報提供サーバ100へ委託することができる。またレシピ情報を購入する飲食店は、上記レシピ情報提供ページ上で購入操作を行うだけでレシピ情報をダウンロードできるため、レシピ情報の販売側、購入側双方の手間が省かれるのみならず、レシピ情報のアップロード以降ダウンロード前までの間は、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、販売側及び購入側いずれの飲食店端末300ともデータをやり取りする必要がないため、通信負荷の増加も防止することができる。
【0081】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0082】
上述の実施形態では、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、
図4に示したフローチャートにおいて、掲載済みのレシピ情報から、掲載要求対象のレシピ情報のレシピ名(メニュー名)と同一及び類似するレシピ名を有するレシピ情報を検索し、掲載済みのレシピ情報から類似度算出対象のレシピ情報を絞り込んでいた。しかし、当該レシピ名(メニュー名)による絞り込み処理によって、実際には同じようなメニューのレシピ情報がレシピ名の記載の仕方如何によって誤って類似度算出処理から除外されてしまうのを防ぐために、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、レシピ名(メニュー名)による絞込み処理は実行せず、掲載済みの全てのレシピ情報について、掲載要求対象のレシピ情報との類似度算出処理を実行してもよい。
【0083】
上述の実施形態では、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、掲載要求対象のレシピ情報と掲載済みのレシピ情報との類似度を、調理工程毎に算出して掲載の可否を判断していた。しかし、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、調理工程毎ではなく、レシピ情報全体において、食材名、調味料名、それらの分量を比較して類似度を算出し、その類似度が閾値未満か否かによって掲載の可否を判断してもよい。
【0084】
上述の実施形態において、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、上記飲食店情報ポータルサイト上の各飲食店の飲食店情報提供ページ(メニュー情報ページ)に、上記管理画面を介して飲食店端末300から新たなメニュー名の掲載要求を受信した場合、当該メニュー名に対応するレシピ情報が上記レシピ情報提供ページに掲載済みである場合(すなわち、当該レシピ情報と他の掲載済みのレシピ情報との類似度が上記閾値未満であると判断されている場合)に限り、当該メニュー名の上記メニュー情報ページへの掲載を許容してもよい。これにより情報処理装置は、独創性の高いレシピ情報に対応するメニューのみを飲食店情報提供ページに掲載することで、当該メニューを目的に来店した客に、独創性の高いレシピで調理したメニューの価値を体感させ広めさせることができる。
【0085】
上述の実施形態において、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、掲載要求対象のレシピ情報と掲載済みのレシピ情報との類似度を算出する際、掲載要求対象のレシピ情報に対応付けられた店舗IDと、掲載済みのレシピ情報に対応付けられた店舗IDとが同一である場合(すなわち、掲載済みのレシピ情報を作成した飲食店が他のレシピ情報を作成して掲載要求を送信した場合)には、掲載条件を他の飲食店よりも厳しく設定してもよい。すなわち、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、掲載済みのレシピ情報の中に、掲載要求対象のレシピ情報に対応付けられた店舗IDと同一の店舗IDが対応付けられたレシピ情報が存在する場合には、それら両レシピ情報の全体の類似度または各調理工程の上記平均類似度が、上記
図4のステップ47において用いた閾値(第1閾値)よりも低い所定の閾値(第2閾値)未満であった場合に、掲載を許容してもよい(この場合、店舗IDが一致しないレシピ情報間の類似度に関しては、上記
図4のステップ47と同じ閾値が用いられる)。これにより、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、同一の飲食店が作成したレシピ情報については、上記記憶を許容するための類似度の閾値をより低く、すなわち、掲載許容のための類似度の条件をより厳しくすることによって、例えば飲食店が既存のレシピ情報を改変する等して、掲載を許容され得る他のレシピ情報を容易に作成するのを防ぐことができる。
【0086】
上述の実施形態では、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、掲載要求があった全てのレシピ情報について、掲載済みのレシピ情報との間の類似度を算出して掲載の可否を判断していた。しかし、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、掲載済みのレシピ情報に対応付けられた店舗IDと、掲載要求対象のレシピ情報に対応付けられた店舗IDが一致する場合にのみ、上記類似度の算出処理及び掲載可否の判断処理を実行してもよい。すなわち、飲食店/レシピ情報提供サーバ100は、飲食店端末300から上記レシピ情報提供ページへの初めてのレシピ情報掲載要求については、無条件にレシピ情報の掲載を許容し、レシピ情報提供ページへの掲載歴がある飲食店の飲食店端末300からの掲載要求については、当該飲食店が掲載済みのレシピ情報と、掲載要求対象のレシピ情報との類似度を、上述したように調理工程毎の平均類似度または全体としての類似度として算出し、当該類似度が上記閾値未満である場合にのみ、レシピ情報の掲載を許容してもよい。これにより、ある飲食店が独自に作成した独創性の高い(他のレシピに依拠しない)レシピ情報がたまたま他の飲食店が作成した掲載済みのレシピ情報と類似している場合に、掲載が拒否されて販売できなくなることが防止されるとともに、飲食店が自ら作成した掲載済みのレシピ情報を少し改変して他のレシピ情報としてレシピ情報提供ページに安易に掲載し販売することが防止される。
【0087】
上述の実施形態において、レシピ情報を作成してレシピ情報提供ページにアップロードするのは飲食店端末300であったが、飲食店に代えて、または飲食店に加えて、料理人(シェフ)個人が、自身で作成したレシピ情報を、料理人が利用する端末(料理人端末)からレシピ情報提供ページにアップロードしてもよい。この場合、料理人を識別する料理人ID等、料理人に関する情報が、上記飲食店情報データベース31と同様に飲食店/レシピ情報提供サーバ100に記憶される。また、営業中の飲食店の飲食店端末のみならず、閉店した飲食店の飲食店端末が、閉店前または閉店後に作成したレシピ情報をレシピ情報提供ページにアップロードしてもよい。
【0088】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。