(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における色の明るさが互いに異なる長尺状の被印刷媒体及び長尺状のインクリボンを有する搬送対象物の前記被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
検出位置において前記搬送対象物である前記インクリボンと前記被印刷媒体の前記一方の面の色又は色の明るさを検出する検出装置と、
前記搬送対象物を収納する収納体を交換可能に収納する収納部と、
制御装置と、
を備え、
前記被印刷媒体の長さは、前記インクリボンよりも短く形成され、
前記検出装置は、
前記被印刷媒体の搬送経路における搬送方向において前記印刷ヘッドの上流側において、前記搬送対象物の前記インクリボン及び前記被印刷媒体のそれぞれの前記一方の面に対向する側に配置され、
前記制御装置は、
前記搬送対象物の搬送後に前記検出装置によって検出された第1の検出結果としての前記色又は色の明るさが、搬送対象物の搬送前に前記検出装置によって検出された第2の検出結果としての前記色又は色の明るさと比較して変化がある場合、搬送後の前記搬送対象物の前記色又は色の明るさの値を示す保持値を更新し、変化がない場合、前記保持値を更新せず、
その後、印刷指示に応じて、新たな搬送前に前記検出装置によって検出された新たな第2の検出結果に基づき、搬送前の搬送対象物の色又は色の明るさを検出した検出値が、前記第1の検出結果にしたがって更新された前記保持値或いは更新されなかった前回の保持値と比較して変化があるかどうか判断し、変化がないと判断すれば、前記被印刷媒体の残量がないとみなして印刷を中止する、
ことを特徴とする印刷装置。
前記制御装置は、前記印刷指示に応じて、新たな搬送前に前記搬送対象物の色又は色の明るさを検出した前記検出値が、更新された前記保持値或いは更新されなかった前回の保持値と比較して変化があると判断すれば、前記被印刷媒体の残量があるとみなして印刷を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
前記第1の検出結果或いは前記第2の検出結果に基づいて、前記検出位置において前記搬送対象物が、前記インクリボンと前記被印刷媒体とが重ねられている第1状態及び前記インクリボンと前記被印刷媒体とが重ねられていない第2状態のいずれとなっているかを判断する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
前記検出装置は、前記第1の検出結果又は前記第2の検出結果として、前記搬送対象物の前記検出装置と対向する領域における、前記搬送対象物の色の、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、
前記制御装置は、搬送前の前記第2の検出結果における前記赤色値、前記緑色値及び前記青色値のうちの、少なくとも一つの値に対する、搬送後の前記第1の検出結果における前記赤色値、前記緑色値及び前記青色値のうちの、対応する少なくとも一つの値の変化が所定の閾値以上であるとき、変化があると判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷装置。
前記検出装置は、前記第1の検出結果又は前記第2の検出結果として、前記搬送対象物の前記検出装置と対向する領域における、前記搬送対象物の色の、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、
前記制御装置は、前記保持値における前記赤色値、前記緑色値及び前記青色値のうちの、少なくとも一つの値に対する、搬送前の前記第2の検出結果における前記赤色値、前記緑色値及び前記青色値のうちの、対応する少なくとも一つの値の変化が所定の閾値以上であるとき、変化があると判断する、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における色の明るさが互いに異なる長尺状の被印刷媒体及び長尺状のインクリボンを有する搬送対象物の前記被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
検出位置において前記搬送対象物である前記インクリボンと前記被印刷媒体の前記一方の面の色又は色の明るさを検出する検出装置と、
前記搬送対象物を収納する収納体を交換可能に収納する収納部と、
制御装置と、
フラグ領域を設定された第1記憶装置と、
を備え、
被印刷媒体の長さは、前記インクリボンよりも短く形成され、
前記検出装置は、
前記被印刷媒体の搬送経路における搬送方向において前記印刷ヘッドの上流側において、前記搬送対象物の前記インクリボン及び前記被印刷媒体のそれぞれの前記一方の面に対向する側に配置され、
前記制御装置は、
前記搬送対象物の搬送後に前記検出装置によって検出された第1の検出結果としての前記色又は色の明るさが、搬送対象物の搬送前に前記検出装置によって検出された第2の検出結果としての前記色又は色の明るさと比較して変化がある場合、搬送後の前記搬送対象物の前記色又は色の明るさの値を示す保持値を更新するとともに前記フラグ領域内のフラグをONにし、変化がない場合、前記保持値を更新せず、
その後、前記フラグ領域内のフラグがONの場合、印刷指示に応じて、新たな搬送前に前記検出装置によって検出された新たな第2の検出結果に基づき、搬送対象物の色又は色の明るさを検出した検出値が、前記第1の検出結果にしたがって更新された前記保持値或いは更新されなかった前回の保持値と比較して変化があるかどうか判断する判断処理を行い、変化がないと判断すれば、前記被印刷媒体の残量がないとみなして印刷を中止する、
ことを特徴とする印刷装置。
少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における色の明るさが互いに異なる長尺状の被印刷媒体及び長尺状のインクリボンを有する搬送対象物の前記被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
検出位置において前記搬送対象物である前記インクリボンと前記被印刷媒体の前記一方の面の色又は色の明るさを検出する検出装置と、
前記搬送対象物を収納する収納体を交換可能に収納する収納部と、
制御装置と、
を備え、
前記被印刷媒体の長さは、前記インクリボンよりも短く形成され、
前記検出装置は、
前記被印刷媒体の搬送経路における搬送方向において前記印刷ヘッドの上流側において、前記搬送対象物の前記インクリボン及び前記被印刷媒体のそれぞれの前記一方の面に対向する側に配置される印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷装置は、
前記搬送対象物の搬送後に検出された第1の検出結果としての前記色又は色の明るさが、搬送対象物の搬送前に前記検出装置によって検出された第2の検出結果としての前記色又は色の明るさと比較して変化がある場合、搬送後の前記搬送対象物の前記色又は色の明るさの値を示す保持値を更新し、変化がない場合、前記保持値を更新せず、
その後、印刷指示に応じて、新たな搬送前に検出された新たな第2の検出結果に基づき、搬送前の搬送対象物の色又は色の明るさを検出した検出値が、前記第1の検出結果にしたがって更新された前記保持値或いは更新されなかった前回の保持値と比較して変化があるかどうか判断し、変化がないと判断すれば、前記被印刷媒体の残量がないとみなして印刷を中止する、
ことを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における色の明るさが互いに異なる長尺状の被印刷媒体及び長尺状のインクリボンを有する搬送対象物の前記被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
検出位置において前記搬送対象物である前記インクリボンと前記被印刷媒体の前記一方の面の色又は色の明るさを検出する検出装置と、
前記搬送対象物を収納する収納体を交換可能に収納する収納部と、
制御装置と、
を備え、
前記被印刷媒体の長さは、前記インクリボンよりも短く形成され、
前記検出装置は、
前記被印刷媒体の搬送経路における搬送方向において前記印刷ヘッドの上流側において、前記搬送対象物の前記インクリボン及び前記被印刷媒体のそれぞれの前記一方の面に対向する側に配置される印刷装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記印刷装置は、
前記搬送対象物の搬送後に検出された第1の検出結果としての前記色又は色の明るさが、搬送対象物の搬送前に前記検出装置によって検出された第2の検出結果としての前記色又は色の明るさと比較して変化がある場合、搬送後の前記搬送対象物の前記色又は色の明るさの値を示す保持値を更新し、変化がない場合、前記保持値を更新せず、
その後、印刷指示に応じて、新たな搬送前に検出された新たな第2の検出結果に基づき、搬送前の搬送対象物の色又は色の明るさを検出した検出値が、前記第1の検出結果にしたがって更新された前記保持値或いは更新されなかった前回の保持値と比較して変化があるかどうか判断し、変化がないと判断すれば、前記被印刷媒体の残量がないとみなして印刷を中止する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る印刷装置を含む印刷システムの構成を例示した図である。
図2は、印刷装置の開閉蓋を開放した状態の斜視図である。
図1に示す印刷システムは、印刷装置1と、印刷装置1へ印刷データを送信する電子機器100と、を含んでいる。印刷装置1と電子機器100は、無線通信又は有線通信でデータをやり取りする。
【0012】
なお、本実施形態において、被印刷媒体M(印刷テープ)の搬送される方向を「搬送方向X」とし、この搬送方向Xに直交する被印刷媒体M(印刷テープ)の幅方向を「媒体幅方向Y」とし、被印刷媒体M(印刷テープ)の厚み方向を「厚み方向Z」とする。これらX方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。
印刷装置1は、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッド(印刷ヘッド)を備える印刷装置であり、例えば、長尺な帯状の被印刷媒体Mに、シングルパス方式で印刷を行うラベルプリンタである。
図3は、印刷装置1に使用される被印刷媒体Mを媒体幅方向Yから見た断面図である。被印刷媒体Mは、例えば、基材Bと、基材Bに塗布された粘着材A(のり面)と、粘着材Aを介して基材Bに対し剥離可能に貼り付けられた剥離紙Fと、を有する長尺状のテープ部材である。なお、被印刷媒体Mは、剥離紙Fなしの長尺状のテープ部材であってもよい。
本実施形態では、基材Bの粘着材Aが塗布されている側とは反対側の面(基材Bの表面。これを「印刷面P」とする。)に対しサーマルヘッド10により印刷が行われる。以降では、インクリボンを使用する熱転写方式のラベルプリンタを例にして説明するが、印刷方式は特に限定されない。本実施形態では、被印刷媒体(第2部材)Mの一方の面と、インクリボン(第1部材)Rの一方の面と、が同じ向きで重ねられた状態で、被印刷媒体MとインクリボンRの長さ方向が搬送経路に沿って搬送方向に搬送される。以下、被印刷媒体Mと、インクリボンRと、が重ねられた状態の搬送対象を区別しないときは単に搬送対象物ともいう。第1部材及び第2部材は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における明るさが互いに異なる。
【0013】
図1、
図2に示すように、印刷装置1は、装置筐体2と、この装置筐体2に開閉自在に取り付けられた開閉蓋3を備える。
図2に示すように、装置筐体2は、内部にテープカセット(収納体)30を収納するカセット収納部(収納部)19を備えている。カセット収納部19の詳細については後述する。
装置筐体2の上面には、電源ボタン25の他、各種操作を行う操作ボタン26a,26b,26c(以下、「操作ボタン26」と呼ぶ)、開閉蓋3を開放させる蓋開閉ボタン27等が配置されている。
外部電源D(
図8参照)が接続されている状態(即ちACアダプタ接続状態)で電源ボタン25が押下されると、電源回路40(
図8参照)に信号が送られて印刷装置1の電源がONになる。そして、電源がONの状態で、再び電源ボタン25が押下されると、電源回路40に信号が送られて印刷装置1の電源がOFFになる。また、操作ボタン26や蓋開閉ボタン27が押下されると、制御装置5(
図8参照)に信号が送られて、各ボタンに応じた処理が行われる。
また、図示しないが、装置筐体2には、電源コード接続端子、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。なお、印刷装置1が電池等の内部電源で動作するものである場合には、電源コード接続端子はなくてもよい。また、印刷装置1がパーソナルコンピュータや各種の端末装置等の外部機器との接続を行わずに使用できるものである場合や、外部機器と無線で接続可能に構成されている場合には、外部機器接続端子を備えていなくてもよい。
【0014】
開閉蓋3は、カセット収納部19の上部を覆うように開閉可能に配置されている。開閉蓋3は、蓋開閉ボタン27が押下されることにより開放される。
また、開閉蓋3には、この開閉蓋3が閉じた状態でもカセット収納部19にテープカセット30(
図4参照)が収納されているか否かを目視で確認可能とするために、窓3aが形成されている。
また、装置筐体2の側面であって、被印刷媒体Mの搬送方向Xの下流側に位置する部分には、排出口2aが形成されている。印刷装置1内でサーマルヘッド10による印刷が行われた被印刷媒体Mは、排出口2aから装置外へ排出される。
【0015】
図4は、印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。
図5は、印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。
図6は、印刷装置1の本実施形態に係る要部断面図である。
図4に示すテープカセット30は、
図5に示すカセット収納部19に着脱して交換可能に収納される。
図6には、テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態が示されている。
【0016】
テープカセット30は、
図4に示すように、サーマルヘッド被挿入部36及び係合部37が形成された、被印刷媒体MとインクリボンRを収容するカセットケース31を有する。カセットケース31には、テープコア32とインクリボン供給コア34とインクリボン巻取りコア35が設けられている。被印刷媒体Mは、カセットケース31内部のテープコア32にロール状に巻かれている。また、熱転写用のインクリボンRは、その先端がインクリボン巻取りコア35に巻きつけられた状態で、カセットケース31内部のインクリボン供給コア34にロール状に巻かれている。
【0017】
装置筐体2のカセット収納部19には、
図5に示すように、テープカセット30を所定の位置で支持するための複数のカセット受け部20が設けられている。
【0018】
カセット収納部19には、さらに、複数の発熱素子を有し、被印刷媒体Mに印刷を行うサーマルヘッド10と、被印刷媒体Mを搬送する搬送機構であるプラテンローラ21と、テープコア係合軸22と、インクリボン巻取り駆動軸23が設けられている。さらに、サーマルヘッド10には、サーミスタ13が埋め込まれている。サーミスタ13は、サーマルヘッド10の温度を測定するヘッド温度測定部である。
【0019】
カセット収納部19には、さらに、被印刷媒体Mの残量の有無の判断を行うための構成を有するテープエンド検出基板41が設けられている。
図7は、印刷装置1のテープエンド検出基板41の正面図である。
図7(a)に示すように、テープエンド検出基板41には、光センサ42と、光源(照射装置)43と、が設けられている。光センサ42は光を受光する受光領域42aを有している。光センサ42及び光源43が設けられたテープエンド検出基板41は、
図7(b)に示す被印刷媒体Mの搬送経路Cにおける搬送方向Xにおいて、サーマルヘッド10の上流側に配置されている。従って、サーマルヘッド10により印刷が開始される前に、光センサ42により搬送対象物の色又は明るさを検出することにより、被印刷媒体Mの境界の一つである終端Eが光センサ42による検出位置Sを通過した後であるか否か、即ち、被印刷媒体Mの残量が無くなったか否かの判断をすることができる。さらに、
図7(b)に示すように、光センサ42及び光源43は、搬送経路Cの搬送方向Xにおいて、被印刷媒体M及びインクリボンRの媒体幅方向Yのほぼ中央と対向する位置に配置される。搬送対象物における光センサ42の受光領域42aと対向する領域が検出位置Sとなる。ここで、カセット収納部19は、被印刷媒体Mの幅が互いに異なる複数種類のテープカセット30を収納可能となっている。そして、被印刷媒体Mの幅が互いに異なる複数種類のテープカセット30の何れがカセット収納部19に収納された場合でも、被印刷媒体Mの媒体幅方向Yの中央はほぼ一定の位置になるように構成されている。これにより、被印刷媒体Mの幅が互いに異なる複数種類のテープカセット30のうちのどれがカセット収納部19に収納されても、被印刷媒体Mの媒体幅方向Yのほぼ中央と対向する位置に光センサ42及び光源43が配置されることになる。このため、被印刷媒体Mの幅によらず、被印刷媒体Mの残量の有無の判断及びテープカセット30が交換されたことの検出を良好に行うことができる。
図6に示すように、光センサ42及び光源43が配置されたテープエンド検出基板41は、光センサ42及び光源43が被印刷媒体M(被印刷媒体Mが剥離紙Fを有している場合には剥離紙F、被印刷媒体Mが剥離紙Fを有していない場合には基材B)と対向する向きで、テープエンド検出基板41と被印刷媒体Mとの間隔が概ね所定の間隔(d1)となるように配置されている。本実施形態においては、間隔(d1)は、およそ5mm程度に設定されている。また、
図7に示すように、光センサ42と、光源43とは、所定の間隔(d2)をおいてテープエンド検出基板41上に配置されている。本実施形態においては、間隔(d2)は、およそ3mm程度に設定されている。
【0020】
光源43は、例えば白色LEDにより形成され、光センサ42が搬送対象物の色又は明るさの検出を行う際に、搬送対象物に照明光を照射する、即ち、光源43は、検出位置Sにおける搬送対象物を照明する。光源43は、光センサ42の感度特性に合わせて、光センサ42が検出可能な波長範囲を含む光を照射するものである。即ち、光源43は、所望の波長範囲を含む光を照射することが可能なものであれば、白色LEDに限らず、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のLEDにより構成されていてもよく、白熱電球でも、蛍光灯でもよい。
【0021】
光センサ42は、受光領域42aと対向する位置にある搬送対象物の色又は明るさを検出する検出装置である。本実施形態において、検出対象物は被印刷媒体M又はインクリボンRであり、光センサ42は、被印刷媒体M(被印刷媒体Mが剥離紙Fを有している場合には剥離紙F、被印刷媒体Mが剥離紙Fを有していない場合には基材B)の色又は明るさと、インクリボンRの色又は明るさと、を検出することが可能である。光センサ42は、搬送対象物のインクリボンR及び被印刷媒体Mの一方の面に対向する側に配置される。光センサ42は、例えば、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)の各色のフィルターを有するフォトダイオードを備えて構成されているカラーセンサである。この場合、光センサ42は、各フォトダイオードにより検出された光の強度を例えば16bitのデジタル値に変換して、RGB値とする。このため、光センサ42は、検出した光のスペクトルに応じたRGB値を有する色の情報を検出し、これを検出信号として出力する。これにより、光センサ42は、被印刷媒体Mの色と、インクリボンRの色と、が同系色であっても、それぞれの材料に違いがあり、両者が全く同じ色ということは通常無いため、それぞれの色に対して互いに異なるRGB値を検出することができる。光センサ42は、検出結果として、搬送対象物の光センサ42と対向する領域における、搬送対象物の色の、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出する。光センサ42は、検出したRGB値を検出信号として制御装置5へ送る。従って、制御装置5は、被印刷媒体Mの色と、インクリボンRの色と、が同系色であっても、光センサ42で検出された搬送対象物の色に対するRGB値の変化に基づいて、光センサ42の受光領域42aと対向する位置にある搬送対象物が、被印刷媒体MからインクリボンRに変わったと判断することができる。
【0022】
また、テープエンド検出基板41は、被印刷媒体Mが収納されたテープカセット30が交換されたか否かを検出するための構成を有する。テープエンド検出基板41の光センサ42は、交換前の、被印刷媒体Mの残量が無くなった状態のテープカセット30のインクリボンRの色と、交換後の別のテープカセット30の被印刷媒体Mの色と、のそれぞれの色に対して互いに異なるRGB値を検出することができる。光センサ42は、検出したRGB値を検出信号として制御装置5へ送る。
制御装置5は、光センサ42の検出結果に基づいて、検出位置Sにおいて搬送対象物が、インクリボンR上に被印刷媒体Mが重ねられている状態(以下、「第1状態」と呼ぶ)及びインクリボンR上に被印刷媒体Mが重ねられていない状態(以下、「第2状態」と呼ぶ)のいずれとなっているかを判断する。制御装置5は、検出位置Sにおいて搬送対象物が第2状態となっていると判断したときの光センサ42の検出結果(以下、「第1の検出結果」と呼ぶ)として記憶する。
制御装置5は、その後に搬送が行われる前に光センサ42が検出した検出結果(以下、「第2の検出結果」と呼ぶ)から搬送対象物が第2状態となっているかどうかを判断する。そして、制御装置5は、第2状態となっていると判断したときの搬送対象物が、光センサ42が第1の検出結果を検出したときのものと同じであるか否かを判断する。
また、制御装置5は、搬送が行われる前に光センサ42に検出された第2の検出結果と、搬送が行われた後に光センサ42に検出された検出結果(以下、「第3の検出結果」と呼ぶ)の比較に基づいて、検出位置Sにおいて搬送対象物が第1状態となっているか第2状態となっているかを判断する。
従って、制御装置5は、被印刷媒体Mと、インクリボンRと、が互いに異なるテープカセット30のものであっても、光センサ42で検出された搬送対象物の色に対するRGB値の変化に基づいて、光センサ42の受光領域42aと対向する位置にある搬送対象物が、インクリボンRから被印刷媒体Mに変わったと判断することができる。インクリボンRの色のRGB値が検出された後は、テープカセット30が交換されない限り、光センサ42の受光領域42aと対向する位置にある搬送対象物が、被印刷媒体Mの色のRGB値に変わることはない。
制御装置5は、検出位置Sにおいて搬送対象物が第2状態となっていると判断したとき、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断する。制御装置5は、テープカセット30が交換されるまで、搬送用モータ駆動回路11による搬送を停止させる制御を実行する。
そして、制御装置5は、光センサ42が第2の検出結果を検出したときの搬送対象物が、光センサ42が第1の検出結果を検出したときのものと異なると判断したとき、テープカセット30が交換されたことを検出する。詳細には、制御装置5は、第1の検出結果及び第2の検出結果における、赤色値、緑色値及び青色値のうちの、少なくとも一つの値の差が所定の閾値以上であるとき、搬送対象物が、光センサ42が第1の検出結果を検出したときのものと異なると判断し、テープカセット30が交換されたことを検出する、従って、制御装置5は、搬送対象物が、インクリボンRから被印刷媒体Mに変わったと判断したことに基づき、テープカセット30が別のもの(新しいもの)に交換されたことを検出することができる。
【0023】
光センサ42は、搬送対象物の明るさを検出するものであってもよい。即ち、光源43により照明されている照射面の反射率の違いによる明るさの違いを検出するものであってもよい。この場合、検出した明るさに基づいて、検出対象物が、被印刷媒体MからインクリボンRに変わったことを判断する。光センサ42は、カラーセンサの他、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ、赤外線センサ等、搬送対象物である被印刷媒体Mの色又は明るさと、インクリボンRの色又は明るさとを識別できるセンサにより形成してもよい。
【0024】
テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態では、
図6に示すように、カセットケース31に設けられた係合部37がカセット収納部19に設けられたカセット受け部20に支持されて、サーマルヘッド10がカセットケース31に形成されたサーマルヘッド被挿入部36に挿入される。また、テープコア係合軸22には、テープカセット30のテープコア32が係合し、さらに、インクリボン巻取り駆動軸23には、インクリボン巻取りコア35が係合する。
【0025】
印刷装置1に印刷開始の指示が入力されると、被印刷媒体Mは、プラテンローラ21の回転によりテープコア32から繰り出される。この際、インクリボン巻取り駆動軸23がプラテンローラ21に同調して回転することで、被印刷媒体MとともにインクリボンRがインクリボン供給コア34から繰り出される。これにより、被印刷媒体MとインクリボンRは重なった状態で搬送される。即ち、送対象物は、テープカセット30内に被印刷媒体Mの残量があるときは、インクリボンRが基材Bの印刷面側に重ねられている第1状態で搬送される。そして、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過する際にインクリボンRがサーマルヘッド10によって加熱されることで、インクが被印刷媒体Mに転写され、印刷が行われる。
【0026】
サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した使用済みのインクリボンRは、インクリボン巻取りコア35に巻き取られる。一方、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した印刷済みの被印刷媒体Mは、ハーフカット装置16及びフルカット装置17で切断され、排出口2aから排出される。
なお、本実施形態においては、被印刷媒体Mの長さは、インクリボンRよりも短く形成されている。そして、被印刷媒体Mの終端Eは、テープコア32に固定されていないため、被印刷媒体Mの終端Eは、最終的には光センサ42の前を通過して排出口2aから排出される。一方で、インクリボンRの両端は、インクリボン供給コア34及びインクリボン巻取りコア35に固定されているため、インクリボンRの終端は、テープカセット30の外に露呈することはなく、光センサ42の前を通過することもない。即ち、インクリボンRには被印刷媒体Mが重なっておらず、搬送対象物はインクリボンRのみとなる。即ち、搬送対象物は、テープカセット30内の被印刷媒体Mの残量が無くなったときは、インクリボンRが基材Bと重なっていない第2状態で搬送される。
【0027】
本実施形態においては、光センサ42が配置されたテープエンド検出基板41は、カセット収納部19側に配置されている。従って、光センサ42による搬送対象物の色又は明るさの検出は、重なった状態で搬送される被印刷媒体MとインクリボンRのうち、被印刷媒体M側から行われる。光センサ42は、検出位置Sにおいて搬送対象物の色又は明るさを検出する。
従って、被印刷媒体Mが残存している場合には、光センサ42は被印刷媒体M(被印刷媒体Mが剥離紙Fを有している場合には剥離紙F、被印刷媒体Mが剥離紙Fを有していない場合には基材B)の色又は明るさを検出する。そして、被印刷媒体Mが搬送されて、被印刷媒体Mの終端(境界)Eが光センサ42と対向する位置(検出位置S)を通過した後は、光センサ42はインクリボンRの色又は明るさを検出する。制御装置5は、光センサ42により検出された色又は明るさの変化に基づき、光センサ42による検出対象が被印刷媒体MからインクリボンRに変化したことを認識することで、被印刷媒体Mの終端Eが検出位置Sを通過した後であって、被印刷媒体Mの残量が無くなったか否かを判断することができる。
【0028】
図8は、印刷装置1と電子機器100のハードウェア構成を示したブロック図である。印刷装置1は、上述のサーマルヘッド10、サーミスタ13、ハーフカット装置16、フルカット装置17、プラテンローラ21に加えて、制御装置5、ROM(Read Only Memory、第2記憶装置)6、RAM(Random Access Memory、第1記憶装置)7、通信インターフェース(IF)8、ヘッド駆動回路9、搬送用モータ駆動回路11(搬送装置)、ステッピングモータ12、カッターモータ駆動回路14、カッターモータ15、及び、電源回路40を備える。なお、少なくとも制御装置5、ROM6、及びRAM7は、印刷装置1のコンピュータを構成する。
【0029】
制御装置5は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ5aを含む。制御装置5は、ROM6に記憶されているプログラムをRAM7に展開し実行することで、印刷装置1の各部の動作を制御する。
【0030】
制御装置5は、例えば、制御信号(ストローブ信号、ラッチ信号、クロック信号)と印刷データをヘッド駆動回路9へ供給し、ヘッド駆動回路9を介してサーマルヘッド10を制御する。また、制御装置5は、モータ駆動回路(搬送用モータ駆動回路11、カッターモータ駆動回路14)を介してモータ(ステッピングモータ12、カッターモータ15)を制御する。
【0031】
制御装置5は、光センサ42で検出された搬送対象物の色又は明るさの変化に基づいて、被印刷媒体Mの境界の一つである終端Eが検出位置Sを通過した後であるか否か、即ち、被印刷媒体Mの残量があるか否かを判断する。具体的には、制御装置5は、光センサ42が搬送対象物の色を検出する場合、光センサ42により検出されたRGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)のうち、少なくとも1の値が所定の割合以上変化したか否かに基づいて、被印刷媒体Mの残量があるか否かを判断する。制御装置5は、光センサ42により検出される剥離紙Fの色の情報と、インクリボンRの色の情報と、に基づいて、被印刷媒体Mの終端Eが検出位置Sを通過した後であるか否か、即ち、残量があるか否かを判断する。従って、剥離紙Fがついた被印刷媒体Mの残量があるか否かを判断することができる。制御装置5による被印刷媒体Mの残量があるか否かの判断の詳細については後述する。
【0032】
ROM6は、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷プログラム、印刷プログラムの実行に必要な各種データ(例えば、フォント等)を記憶する。ROM6は、制御装置5によって読取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。ROM6は、電源OFF時にもデータを保持して記憶できるフラッシュメモリにより構成されている。ROM6は、電源OFF時には、RGB値の保持値を一時的に記憶する。保持値については後述する。RAM7は、印刷内容のパターンを示すデータ(以降、印刷データと記す)を記憶する印刷データ記憶部を含む。RAM7は、表示データを記憶する表示データ記憶部を含む。さらに、RAM7は、RGB値およびROM6から呼び出されたRGB値の保持値を記憶する。通信インターフェース8は、有線通信又は無線通信により外部装置(例えば、電子機器100)や外部サーバの記憶装置との間でデータを授受する。
【0033】
ヘッド駆動回路9は、制御装置5から供給された制御信号と印刷データに基づいてサーマルヘッド10を駆動する。サーマルヘッド10は、主走査方向に配列された複数の発熱素子10aを有する印刷ヘッドである。ヘッド駆動回路9が、制御装置5から供給されたストローブ信号により指定される通電期間中に、ヘッド駆動回路9から出力された印刷データに応じて複数の発熱素子10aの何れかへ電流を選択的に流すことで、複数の発熱素子10aの何れかが発熱してインクリボンRを加熱する。これにより、サーマルヘッド10は、熱転写により被印刷媒体Mに1ラインずつ印刷を行う。即ち、印刷装置1は、サーマルラインプリンタである。
【0034】
搬送用モータ駆動回路11は、ステッピングモータ12を駆動する。ステッピングモータ12は、プラテンローラ21を回転させる。プラテンローラ21は、ステッピングモータ12の動力によって回転し、被印刷媒体Mの長手方向(副走査方向)に被印刷媒体Mを搬送する搬送機構である。
【0035】
カッターモータ駆動回路14は、カッターモータ15を駆動する。ハーフカット装置16及びフルカット装置17は、カッターモータ15の動力によって動作し、被印刷媒体Mをハーフカット又はフルカットする。フルカットとは、被印刷媒体Mの基材Bを剥離紙Fとともに幅方向に沿って切断する動作のことであり、ハーフカットは、基材Bのみを幅方向に沿って切断する動作のことである。電源回路40は、外部電源Dからの直流電圧(例えば、24V)から出力電圧を生成し、印刷装置1の各部に電力を供給する電源部である。
【0036】
電子機器100は、
図1及び
図8に示すように、表示装置101と入力装置102を備える、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型のコンピュータである。表示装置101は、例えば、液晶ディスプレイであっても、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイであってもよい。入力装置102は、例えば、タッチパネルである。
【0037】
電子機器100は、上記の構成に加えて、表示部駆動装置103、通信インターフェース(IF)104、ROM105、RAM106、制御装置107を備える。表示部駆動装置103は、例えば、液晶表示ドライバ回路、有機EL表示ドライバ回路である。制御装置107は、プロセッサ108を備える。プロセッサ108は、演算部であり、アプリケーションプログラムを実行することで、印刷装置1から送られてきたメッセージを表示装置101に表示したり、入力装置102に対する利用者のタッチ操作を受け付けたりする。
【0038】
図9は、テープカセット交換検出処理のフローチャートである。テープカセット交換検出処理について、
図10と併せて説明する。
図10は、被印刷媒体M及びインクリボンRの搬送状態及び光センサ42、光源43との位置関係を示す図である。ここで、被印刷媒体Mは剥離紙Fを有しているものとする。剥離紙Fは、例えば、少なくとも光センサ42側の面が水色を有している。基材Bは、例えば、白色、黄色、緑色、赤色、黒色、透明色、青色、ピンク色、銀色を有している。インクリボンRは、例えば、黒色、赤色、青色、金色、銀色、白色を有している。
図10(a)は、被印刷媒体Mの終端Eが光センサ42による、搬送経路C上の検出位置Sを通過する前の状態であって、テープカセット30の交換前の被印刷媒体M及びインクリボンRを幅方向Yから見た搬送状態を示す模式図である。
図10(b)は、被印刷媒体Mの終端Eが光センサ42による検出位置Sを通過した後の状態であって、テープカセット30の交換前の被印刷媒体M及びインクリボンRを幅方向Yから見た搬送状態を示す模式図である。
図10(c)は、被印刷媒体Mの終端Eが光センサ42による、搬送経路C上の検出位置Sを通過する前の状態であって、テープカセット30の交換後の被印刷媒体M及びインクリボンRを幅方向Yから見た搬送状態を示す模式図である。以下では、光センサ42が搬送対象物の検出位置Sにおける色を検出する場合について説明するが、光センサ42が搬送対象物の検出位置Sにおける明るさを検出する場合も、色の情報を明るさの情報に置き換えるだけで、同様に処理を行うことができる。
【0039】
テープカセット交換検出処理では、被印刷媒体Mである印刷テープが収容されたテープカセット30の残量が無くなった場合に新しいテープカセット30に交換されたか否かを検出する処理が行われる。
テープカセット交換検出処理を行うにあたり、工場出荷状態の印刷装置1のROM6には、RGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)として、例えばオールF(0xFFFF_FFFF)の情報が記憶されている。電源ON時に、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)をRAM7に呼び出して記憶する。ROM6に工場出荷状態のRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)が記憶されている場合には、制御装置5は、ROM6に記憶されているオールFの情報をRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)としてRAM7に呼び出して記憶する。また、ROM6に後述のステップS106において記憶したRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)が記憶されている場合には、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)をRAM7に呼び出して記憶する。尚、ROM6に工場出荷状態以外のRGB値の保持値が(R
keep、G
keep、B
keep)が記憶されている場合とは、制御装置5によりテープカセット30内の被印刷媒体Mが無くなったと判断されている状態を示す。
【0040】
印刷装置1は、印刷開始の指示に基づき、
図9に示すテープカセット交換検出処理を開始する。テープカセット交換検出処理では、制御装置5は、まず、被印刷媒体Mの搬送前に光センサ42を動作させ、光センサ42で検出された検出信号のRGB値を初期値として取得する(ステップS101)。
【0041】
このとき、
図10(a)の場合と同様に、被印刷媒体Mの搬送前に被印刷媒体Mが残存している場合には、被印刷媒体Mの終端Eは、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、光センサ42による検出位置Sより上流側に位置している。また、
図10(c)に示すように、テープカセット30が別のもの(新しいもの)に交換された場合には、被印刷媒体Mの終端Eは、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、光センサ42による検出位置Sより上流側に位置している。従って、被印刷媒体Mの搬送前に被印刷媒体Mが残存している場合とは、被印刷媒体Mの残量が元々残存していたこと、又は、後述のステップS107において被印刷媒体Mの残量が無くなったことが報知された後に、被印刷媒体Mの残量が残存している別のテープカセット30に交換されたことを示す。
この場合、光センサ42による検出位置Sには、被印刷媒体MとインクリボンRが重なった状態で存在し、光センサ42は被印刷媒体Mの剥離紙Fと対向した状態になっている。そのため、光センサ42は、検出位置Sに存在する被印刷媒体Mの剥離紙Fの色に対応する赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、これを検出信号として制御装置5へ送る。そして、制御装置5は、光センサ42から送られてきた検出信号のRGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)をそれぞれ、初期値R
before、G
before、B
beforeとして取得し、RAM7に記憶する。
【0042】
これに対し、
図10(b)に示すように、被印刷媒体Mの搬送前に被印刷媒体Mの残量が無い場合には、被印刷媒体Mの終端Eは、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、光センサ42による検出位置Sより下流側に位置している。被印刷媒体Mの搬送前に被印刷媒体Mの残量が無い場合とは、後述のステップS107において被印刷媒体Mの残量が無くなったことが報知されたが、被印刷媒体Mの残量が残存している別の(新しい)テープカセット30に交換されていない状態であることを示す。この場合、光センサ42による検出位置Sには、被印刷媒体Mは無く、インクリボンRのみが存在し、光センサ42はインクリボンRと対向した状態になる。そのため、光センサ42は、検出位置Sに存在するインクリボンRの色に対応する赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、これを検出信号として制御装置5へ送る。そして、制御装置5は、光センサ42から送られてきた検出信号のRGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)をそれぞれ、初期値R
before、G
before、B
beforeとして取得し、RAM7に記憶する。
【0043】
次いで、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に光センサ42で検出したRGB値の初期値(R
before、G
before、B
before)(第2の検出結果)と、RAM7に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)(第1の検出結果)との比較結果に基づいて、変化があるか否かを判定する(ステップS102)。
この処理では、制御装置5は、ステップS101で取得した被印刷媒体Mの搬送前のRGB値の初期値R
before,G
before,B
beforeのそれぞれの値と、後述のステップS106で記憶したRGB値の保持値R
keep、G
keep、B
keepのそれぞれの値と、の変化の割合を判定する。即ち、R
keepに対するR
beforeの変化の割合、G
keepに対するG
beforeの変化の割合、B
keepに対するB
beforeの変化の割合を判定する。
制御装置5は、RGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)のうちの、少なくとも何れか1つの値が、所定の割合(閾値)以上変化しているか否かを判定する。具体的には、制御装置5は、RGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)のうちの、少なくとも何れか1つの値が所定の閾値以上変化しているか、即ち、RGB値を比較した結果所定の閾値以上変化しているか否かを判定する。本実施形態においては、閾値は例えば10%に設定される。
即ち、制御装置5は、下記(式1)〜(式3)の少なくとも何れかが満たされているか否かを判定する。
(|R
keep−R
before|/R
before)≧0.1・・・(式1)
(|G
keep−G
before|/G
before)≧0.1・・・(式2)
(|B
keep−B
before|/B
before)≧0.1・・・(式3)
【0044】
なお、閾値の値はこの限りではなく、テープカセット30の種別毎に任意の割合に設定することができる。例えば、被印刷媒体MとインクリボンRとの間で複数種類の色のバリエーションの組合せがある幅のテープカセット30においては閾値を低く設定することができる。一方で、被印刷媒体MとインクリボンRとの間で少ない色のバリエーションの組合せがある幅のテープカセット30においては閾値を高く設定することができる。
【0045】
被印刷媒体Mの搬送前に光センサ42で検出したRGB値の初期値と、RAM7に記憶されているRGB値の保持値との間に閾値以上の変化がある場合(ステップS102のYES)には、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に取得されたRGB値は被印刷媒体Mの剥離紙Fの色の情報を示していると判断する。
この場合、制御装置5は、搬送経路C上を被印刷媒体Mの終端Eが検出位置Sをまだ通過していないと判断する。これにより制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が残存している別のテープカセット30に交換されたか、又は、被印刷媒体Mの残量が元々残存していたと判断する。
【0046】
そして、制御装置5は、サーマルヘッド10をONとし、ステッピングモータ12をONとする。これにより、プラテンローラ21が搬送方向に回転し、被印刷媒体Mの搬送が開始され、印刷データに基づいて被印刷媒体Mへの印刷が行われる。印刷データに基づく印刷が終了した場合には、制御装置5は、サーマルヘッド10をOFFとするとともに、ステッピングモータ12をOFFとする。これにより、プラテンローラ21の回転が停止し、被印刷媒体Mの搬送も終了し、被印刷媒体Mへの印刷も終了となる(ステップS103)。
【0047】
被印刷媒体Mの搬送が終了すると、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送終了後に光センサ42を動作させ、光センサ42で検出された検出信号のRGB値を取得する(ステップS104)。
このとき、
図10(a)の場合と同様に、被印刷媒体Mの搬送後でも被印刷媒体Mがまだ残存している場合には、被印刷媒体Mの終端Eは、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、光センサ42による検出位置Sより上流側に位置していることとなる。この場合、光センサ42による検出位置Sには、被印刷媒体MとインクリボンRが重なった状態で存在し、光センサ42は被印刷媒体Mの剥離紙Fと対向した状態になっている。そのため、光センサ42は、検出位置Sに存在する被印刷媒体Mの剥離紙Fの色に対応する赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、これを検出信号として制御装置5へ送る。そして、制御装置5は、光センサ42から送られてきた検出信号のRGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)をそれぞれ、被印刷媒体Mの搬送終了後のRGB値R
after,G
after,B
afterとして取得する。
【0048】
これに対し、
図10(b)に示すように、被印刷媒体Mの搬送後に被印刷媒体Mの残量が無くなった場合には、被印刷媒体Mの終端Eは、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、光センサ42による検出位置Sより下流側に位置することとなる。この場合、光センサ42による検出位置Sには、被印刷媒体Mは無く、インクリボンRのみが存在し、光センサ42はインクリボンRと対向した状態になる。そのため、光センサ42は、検出位置Sに存在するインクリボンRの色に対応する赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、これを検出信号として制御装置5へ送る。そして、制御装置5は、光センサ42から送られてきた検出信号のRGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)をそれぞれ、被印刷媒体Mの搬送終了後のRGB値R
after,G
after,B
afterとして取得する。
【0049】
次いで、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に光センサ42で検出したRGB値の初期値(R
before、G
before、B
before)(第2の検出結果)と、被印刷媒体Mの搬送終了後に光センサ42で検出したRGB値(R
after,G
after,B
after)(第3の検出結果)との比較に基づいて、変化があるか否かを判定する(ステップS105)。
この処理では、制御装置5は、ステップS101で取得した被印刷媒体Mの搬送前のRGB値の初期値R
before,G
before,B
beforeのそれぞれの値と、ステップS104で取得した被印刷媒体Mの搬送後のRGB値R
after,G
after,B
afterのそれぞれの値と、の変化の割合を判定する。即ち、R
afterに対するR
beforeの変化の割合、G
afterに対するG
beforeの変化の割合、B
afterに対するB
beforeの変化の割合を判定する。
制御装置5は、RGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)のうちの、少なくとも何れか1つの値が、所定の割合(閾値)以上変化しているか否かを判定する。具体的には、制御装置5は、RGB値に含まれる赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)のうちの、少なくとも何れか1つの値が所定の閾値以上変化しているか、即ち、RGB値を比較した結果、所定の閾値以上変化しているか否かを判定する。本実施形態においては、閾値は例えば10%に設定される。なお、閾値の値はこの限りではなく、任意の割合に設定することができる。
即ち、制御装置5は、下記(式4)〜(式6)の少なくとも何れかが満たされているか否かを判定する。
(|R
after−R
before|/R
before)≧0.1・・・(式4)
(|G
after−G
before|/G
before)≧0.1・・・(式5)
(|B
after−B
before|/B
before)≧0.1・・・(式6)
【0050】
被印刷媒体Mの搬送前後に取得したRGB値の間に閾値以上の変化がない場合(ステップS105のNO)には、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前後で取得されたRGB値は被印刷媒体Mの剥離紙Fの色の情報を示していると判断する。この場合、制御装置5は、搬送経路C上を被印刷媒体Mの終端Eが検出位置Sをまだ通過していないと判断する。これにより制御装置5は、被印刷媒体Mの残量がまだあると判断する。この処理が終了すると、テープカセット交換検出処理は終了となる。
【0051】
これに対し、被印刷媒体Mの搬送前後に取得したRGB値の間に閾値以上の変化がある場合(ステップS105のYES)には、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送後に取得したRGB値は、被印刷媒体Mの剥離紙Fの色の情報を示しているのではなく、インクリボンRの色の情報を示していると判断する。即ち、制御装置5は、光センサ42により検出される色の情報が変化したことに基づいて、検出位置Sにおける搬送対象物が被印刷媒体Mの剥離紙FからインクリボンRに変化したと判断する。これにより制御装置5は、被印刷媒体Mの終端Eが搬送経路C上の検出位置Sを通過したと判断し、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断する。
【0052】
被印刷媒体Mの搬送前後に検出したRGB値に基づき被印刷媒体Mの残量が無くなったことを検出すると、制御装置5は、ステップS104において取得した、被印刷媒体Mの搬送終了後のRGB値R
after,G
after,B
afterをそれぞれ、保持値R
keep、G
keep、B
keepと(第1の検出結果)してRAM7に記憶させる(S106)。即ち、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送終了後に光センサ42により検出された検出結果であるRGB値R
after,G
after,B
afterを、被印刷媒体Mの残量が無くなったことを検出した際に光センサ42が検出した検出結果である被印刷媒体MのRGB値の保持値R
keep、G
keep、B
keepとしてRAM7に記憶する。
制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断すると、例えば、電子機器100の表示装置101に被印刷媒体Mの残量が無くなった旨のエラーメッセージを表示したり、電子機器100の図示しないスピーカ等により被印刷媒体Mの残量が無くなった旨のメッセージ音を出力したりして、被印刷媒体Mの残量が無くなったことを報知する制御を行う(ステップS107)。例えば制御装置5は、エラーメッセージとして、電子機器100の表示装置101に「印刷テープが無くなりました。テープカセットを交換してください」と表示する制御を行う。これにより、被印刷媒体Mの残量が無くなったため、テープカセット30を交換する必要があることを利用者に明確に伝達することができる。この場合、別のテープカセット30に交換されるまでの間、RGB値の保持値は、ステップS106で記憶された保持値となる。このため、再度印刷開始の指示が行われ、ステップS101においてRGB値の初期値が再度取得されたとしても、ステップS102の処理において、制御装置5は、RGB値の初期値と保持値との間で変化がない(ステップS102のNO)と判断し、搬送用モータ駆動回路11による搬送が一時的に停止する。この処理が終了すると、テープカセット交換検出処理は終了となる。
【0053】
被印刷媒体Mの搬送前に光センサ42で検出したRGB値の初期値と、RAM7に記憶されているRGB値の保持値との間に閾値以上の変化がない場合(ステップS102のNO)には、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に初期値として取得したRGB値と、保持値として記憶されているRGB値は、ともに、被印刷媒体MのインクリボンRの色の情報を示していると判断する。この場合、制御装置5は、ステップS105の処理において、被印刷媒体Mの終端Eが検出位置Sを通過した後であって、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断されたにもかかわらず、まだテープカセット30が交換されていないと判断する。
制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなっているにもかかわらず、まだテープカセット30が交換されていないと判断すると、例えば、電子機器100の表示装置101に被印刷媒体Mの残量が無い旨のエラーメッセージを表示したり、電子機器100の図示しないスピーカ等により被印刷媒体Mの残量が無い旨のメッセージ音を出力したりして、被印刷媒体Mの残量が無いことを報知する制御を行う(ステップS108)。例えば制御装置5は、エラーメッセージとして、電子機器100の表示装置101に「印刷テープがありません。テープカセットを交換してください」と表示する制御を行う。これにより、被印刷媒体Mの残量が無いため、テープカセット30を交換する必要があることを利用者に明確に伝達することができる。
【0054】
ここで、被印刷媒体Mの色と、インクリボンRの色と、が類似する組合せによっては、ステップS102において、閾値の値次第で、光センサ42により検出される色の情報が変化していないと誤判定される可能性も否定できない。即ち、被印刷媒体Mは剥離紙Fを有しているため、被印刷媒体Mの残量がある場合には、光センサ42は基本的に搬送対象物として剥離紙Fの色(水色)を検出する。但し、粘着層Aや基材Bの色によっては、剥離紙FからインクリボンR、粘着層A又は基材Bの色がある程度透けて見えるため、剥離紙Fの色の検出結果が剥離紙F自体の色とは異なる場合がある。例えば、被印刷媒体Mの剥離紙Fが水色で、インクリボンRが黒色の組合せの場合は、被印刷媒体M(剥離紙F)の色とインクリボンRの色の差異が大きいので誤判定される可能性は少ない。一方で、被印刷媒体Mの剥離紙Fが水色で、インクリボンRが透明色で、インクリボンRが金色の組合せの場合は、被印刷媒体M(剥離紙F)の色とインクリボンRの色の差が比較的小さくなることが判明しており、この場合には光センサ42による検出結果の差異が小さいために誤判定される可能性がある。
この場合、制御装置5は、テープカセット30が交換されたにもかかわらず、検出位置Sにおける搬送対象物が被印刷媒体Mの剥離紙FからインクリボンRへ変化したことを検出できず、テープカセット30が交換されていないと誤判定する。このような誤判定により印刷ができなくなる問題を解消するために、制御装置5は、テープカセット30は交換済みである旨の利用者の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS109)。例えば、制御装置5は、電子機器100の表示装置101に「テープカセットは交換済みです」のメッセージ及びアイコン「[YES]or[NO]」を表示する制御を行う。制御装置5は、電子機器100の入力装置102に対する利用者の操作に基づき、テープカセット30は交換済みである旨の操作(例えば、[YES]のアイコンに対するタッチ操作)を受け付けたか否かを判定する。
【0055】
テープカセット30は交換済みである旨の操作を受け付けた場合(ステップS109のYES)には、制御装置5は、ステップS102の処理は誤判定であったと判断する。即ち、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に取得したRGB値の初期値とRAM7に記憶されているRGB値の保持値との間に閾値以上の変化がないと判定した内容は誤検出であり、被印刷媒体Mの残量が残存している別のテープカセット30に交換されたと判断する。
この場合、制御装置5は、RAM7に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)をオールF(0xFFFF_FFFF)に書き換える(ステップS110)。誤判定した場合には、RGB値の保持値を工場出荷状態に戻すことにより、次回RGB値の初期値と比較された場合であっても、再度誤検出されることを回避できる。これにより利用者の操作の煩わしさを取り除くことができる。次いで制御装置5は、ステップS103の処理に移り、被印刷媒体Mの搬送及び印刷を行い、ステップS104〜ステップS107の処理を実行する。
【0056】
テープカセット30は交換済みではない旨の操作(例えば、[NO]のアイコンに対するタッチ操作)を受け付けた場合(ステップS109のNO)には、制御装置5は、ステップS102の処理は誤判定ではなかったと判断する。即ち、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に取得したRGB値の初期値とRAM7に記憶されているRGB値の保持値との間に閾値以上の変化がないと判定した内容は誤判定ではなく、被印刷媒体Mの残量が残存している別のテープカセット30に交換はされていないと判断する。この場合、制御装置5は、ステップS103に処理を移行せず、被印刷媒体Mの搬送及び印刷を行わずに、テープカセット交換検出処理を終了する。
即ち、制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断されたにもかかわらず、まだテープカセット30が交換されていない場合には、ステップS101、S102、S108、S109の処理を繰り返し実行する。従って、被印刷媒体Mの残量のある別のテープカセット30に交換されるまで、被印刷媒体Mの搬送及び印刷が行われないことになる。これにより、サーマルヘッド10による印刷の空打ちやカット不良を未然に防ぐことができ、サーマルヘッド10及びプラテンローラ21等の印刷装置1の構成部品を保護することができる。
【0057】
テープカセット交換検出処理が終了し、利用者の操作に基づき電源ボタン25が押下され、電源がOFFにされる時、制御装置5は、RAM7に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)をROM6に移して一時的に記憶する。ROM6はフラッシュメモリにより形成されているため、電源がOFFにされた場合であっても、RGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)は継続して保持される。そして、再び電源ONされた時には、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値の保持値をRAM7に呼び出して記憶することで、前回のRGB値の判定結果を用いて、テープカセット交換検出処理を実行することができる。
【0058】
以上のように構成された印刷装置1では、被印刷媒体Mの搬送が行われる前に光センサ42検出した搬送対象物の色又は明るさの検出結果と、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断したときに光センサ42により検出されて記憶された搬送対象物の色又は明るさの検出結果と、の比較結果に基づいて、テープカセット30が交換されたか否かを検出する。記憶された検出結果との比較結果に基づいてテープカセット30が交換されたか否かの判断を行っているため、電源OFF時に被印刷媒体Mを収納したテープカセット30が交換された場合であっても、その後に電源ONしたときに、テープカセット30が交換されたか否かを検出することができる。また、被印刷媒体Mに何らかの加工を加えることなく、被印刷媒体を収納したテープカセット30が交換されたか否かを検出することができる。また、インクリボンRと、被印刷媒体Mと、の色の情報の違いに基づいてテープカセット30が交換されたか否かを検出しているため、この検出結果に対して、外部の光や、温度変化等の環境の変化の影響を受け難くすることができる。さらに、色や明るさの変化に基づいてテープカセット30が交換されたか否かを検出しているため、被印刷媒体Mと、インクリボンRとの関係において、任意の色や素材、構造の組み合わせを採用した場合であっても、テープカセット30が交換されたか否かを検出することができる。例えば、被印刷媒体Mの構造が剥離紙Fを有していないタイプであっても、テープカセット30が交換されたか否かを検出することができる。
【0059】
また、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送が行われる前に光センサが42検出した搬送対象物の色又は明るさの検出結果と、搬送が行われた後に光センサが42検出した搬送対象物の色又は明るさの検出結果、との比較結果に基づいて、被印刷媒体Mの終端Eが検出位置を通過した後であるか否かを判断する。これにより、インクリボンRと、被印刷媒体Mとが同系色であっても、被印刷媒体Mの残量が無くなったか否かを検出することができる。
【0060】
また、制御装置5は、光センサ42が色を検出するものである場合、光センサ42により検出された赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値のうちの、少なくとも何れか1つの値が所定の割合以上変化したか否かに基づいて、テープカセット30が交換されたか否かを検出している。これにより、交換前のテープカセット30の被印刷媒体Mの色と、交換後のテープカセット30のインクリボンRの色と、が同系色であっても、被印刷媒体Mの残量がないテープカセット30から被印刷媒体Mの残量のあるテープカセット30に交換されたか否かを検出することができる。
【0061】
また、制御装置5は、光センサ42が色を検出するものである場合、光センサ42により検出された赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値のうちの、少なくとも何れか1つの値が所定の割合以上変化したか否かに基づいて、テープカセット30に収納された被印刷媒体Mの残量の有無を判断している。これにより、例えばインクリボンRと被印刷媒体Mとが同系色であっても、テープカセット30に収納された被印刷媒体Mの残量の有無を判断することができる。
【0062】
また、光センサ42は、光源43により照射された照射面における被印刷媒体Mの色の情報と、インクリボンRの色の情報と、を検出する。従って、周囲が暗い環境下であっても、被印刷媒体MとインクリボンRとを区別して検出することができる。これにより、被印刷媒体Mの残量がないテープカセット30から被印刷媒体Mの残量のあるテープカセット30に交換されたことに対する検出精度を向上させることができる。
また被印刷媒体Mと、インクリボンRと、はそれぞれ異なる材料により形成されているため、被印刷媒体MとインクリボンRの色が同系色であっても、相互に反射率は異なっている。そのため、反射率の違いによる明るさの違いにより被印刷媒体MとインクリボンRとを区別して検出することができる。これにより、被印刷媒体Mの残量がないテープカセット30から被印刷媒体Mの残量のあるテープカセット30に交換されたことに対する検出精度を向上させることができる。
【0063】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の印刷装置1と電子機器100のハードウェア構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。第1の実施形態においては、RGB値の初期値を取得後、すぐに、制御装置5は、RGB値の初期値と、RAM7に記憶されているRGB値の保持値との比較結果に基づいて、RGB値に変化があるか否かを判定していた。この点第2の実施形態においては、RAM7内にRGB値フラグを格納するフラグ領域を設定する。制御装置5は、検出位置Sにおいて搬送対象物が第2状態となっていると判断したとき、フラグ領域内のフラグをONにし、検出位置Sにおいて搬送対象物が第2状態となっていないと判断したとき、フラグをOFFにする。そして、フラグがONの場合には、制御装置5は、第2の検出結果と、記憶された第1の検出結果と、の比較を行わない点で相違する。
RGB値フラグのON及びOFFの情報は、RAM7に記憶されている。RGB値フラグは、テープカセット30内の被印刷媒体Mの残量があるか無いかを示す情報であり、RGB値フラグがONの状態は、被印刷媒体Mの残量が無く、かつ、テープカセット30が交換されていない状態を示す。次に、
図11を参照にして、第2実施形態のテープカセット交換検出処理について説明する。
【0064】
図11は、第2の実施形態のテープカセット交換検出処理のフローチャートである。第2の実施形態のテープカセット交換検出処理は、基本的には
図9の第1の実施形態のテープカセット交換検出処理のフローチャートと同じである。第2の実施形態のステップS201、S204〜S207、S210〜S211の処理は、第1の実施形態のステップS101、S103〜S106、S108〜S109の処理と同一であるため、説明を省略し相違点のみ説明する。
【0065】
テープカセット交換検出処理を行うにあたり、第2の実施形態のテープカセット交換検出処理では、電源ON時に、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)に加え、RGB値フラグの情報をRAM7に呼び出して記憶する。工場出荷状態においては、RGB値フラグの情報はOFFが記憶されている。RGB値フラグに工場出荷状態の情報が記憶されている場合には、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値フラグのOFFの情報をRAM7に呼び出して記憶する。また、ROM6に後述のステップS208において記憶したRGB値フラグONの情報が記憶されている場合には、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値フラグONの情報をRAM7に呼び出して記憶する。
【0066】
光センサ42で検出された検出信号のRGB値が初期値として取得(ステップS201)されると、制御装置5は、RAM7を参照し、RGB値フラグがONであるか否かを判定する(ステップS202)。この処理では、制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断(ステップS206のYES)された後、まだテープカセット30が交換されていないことを検出する。RGB値フラグがONである場合(ステップS202のYES)には、処理はステップS203に進む。これに対し、RGB値フラグがOFFである場合(ステップS202のNO)には、制御装置5は、ステップS203の処理を行わずに、ステップS204の処理に進む。これにより、テープカセット30内の被印刷媒体Mの残量がまだある場合には、RGB値の変化の割合を判断するステップS203の処理を省略することができ、制御装置5に対する処理負担の軽減を図ることができる。
【0067】
ステップS207の説明に移り、被印刷媒体Mの搬送終了後のRGB値R
after,G
after,B
afterをそれぞれ、保持値R
keep、G
keep、B
keepとしてRAM7に記憶させると、制御装置5は、RGB値フラグをONにする(ステップS208)。この処理では、制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断(ステップS206のNO)されたことを示す情報としてRGB値フラグをONに設定する。
【0068】
ステップS211の説明に移り、テープカセット30は交換済みである旨の操作を受け付けた場合(ステップS211のYES)には、制御装置5は、ステップS203の処理は誤判定であったと判断する。即ち、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前に取得したRGB値の初期値とRAM7に記憶されているRGB値の保持値との間に閾値以上の変化がないと判定した内容は誤検出であり、被印刷媒体Mの残量が残存している別のテープカセット30に交換されたと判断する。
この場合、制御装置5は、RAM7に記憶されているRGB値フラグをOFFにする(ステップS212)。誤判定した場合には、RGB値の保持値を工場出荷状態に戻すことにより、次回RGB値の初期値と比較された場合であっても、再度誤検出されることを回避できる。これにより利用者の操作の煩わしさを取り除くことができる。次いで制御装置5は、ステップS204の処理に移り、被印刷媒体Mの搬送及び印刷を行い、ステップS205〜ステップS209の処理を実行する。
【0069】
テープカセット交換検出処理が終了し、利用者の操作に基づき電源ボタン25が押下され、電源がOFFにされる時、制御装置5は、RAM7に記憶されているRGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)に加え、RGB値フラグの情報をROM6に移して一時的に記憶する。ROM6はフラッシュメモリにより形成されているため、電源がOFFにされた場合であっても、RGB値の保持値(R
keep、G
keep、B
keep)及びRGB値フラグの情報は継続して保持される。そして、再び電源がONされた時には、制御装置5は、ROM6に記憶されているRGB値の保持値及びRGB値フラグの情報をRAM7に呼び出して記憶することで、前回のRGB値の判定結果及びRGB値フラグの情報を用いて、テープカセット交換検出処理を実行することができる。これにより、電源OFF時に被印刷媒体Mを収納したテープカセット30が交換された場合においても、その後、電源がONされたときに、テープカセット30が交換されたか否かを検出することができる。更に、RGB値フラグに基づいて、判断することで、テープカセット30内の被印刷媒体Mの残量がまだあるか否かを判断することができ、不要な処理を省略し、制御装置5に対する処理負担の軽減を図ることができる。
【0070】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。印刷装置、印刷装置の印刷制御方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0071】
上述の実施形態においては、制御装置5は、被印刷媒体Mの搬送前のRGB値の初期値R
before,G
before,B
beforeのそれぞれの値と、記憶されているRGB値の保持値R
keep、G
keep、B
keepのそれぞれの値との比較に基づいて、テープカセット30が交換されたか否かを判断するとした。しかしながら、どのテープカセット30でも剥離紙Fの色は同じ水色になっている。そのため、光センサ42の検出結果の値に基づいて、検出位置Sにおける被印刷媒体Mが剥離紙FになっているかインクリボンRになっているかを判断するようにしてもよい。
上述の実施形態においては、制御装置5は、電源OFF時に、フラッシュメモリにより形成されたROM6にRGB値の保持値及びRGB値フラグの情報を一時的に記憶しているがこの限りではない。例えば、制御装置5は、制御装置5は、電源OFF時に、RGB値の保持値及びRGB値フラグの情報を電子機器100のROM105や、外部サーバ上の記憶装置に対し通信IF8を介して記憶することもできる。
【0072】
上述の実施形態においては、制御装置5は、電子機器100の表示装置101にエラーメッセージを表示しているがこの限りではない。例えば、印刷装置1にディスプレイや発光ダイオード等の表示装置を設け、この表示装置にメッセージを表示してもよい。例えば、制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無いと判断した場合には、テープカセット30の被印刷媒体Mの残量が無い旨のエラーメッセージを印刷装置1の表示装置に表示する制御を行ってもよい。同様に、制御装置5は、被印刷媒体Mの残量が無くなったと判断した場合には、被印刷媒体Mの残量が無くなった旨のエラーメッセージを印刷装置1の表示装置に表示する制御を行ってもよい。これにより、被印刷媒体Mの残量が無いこと、及び、残量が無くなったことを利用者に明確に伝達することができる。
【0073】
上述した実施形態では、光センサ42により検出される被印刷媒体Mの色又は明るさの情報と、インクリボンRの色又は明るさの情報と、に基づいて被印刷媒体Mの残量の有無を判断する例を示したが、この限りではない。例えば、被印刷媒体Mを長さ毎に複数の色(例えば3色)で作成し、長さ毎に変動する被印刷媒体M(剥離紙F)の色又は明るさの情報と、インクリボンRの色又は明るさの情報と、の違いに基づいて被印刷媒体Mの残量の有無を判断してもよい。この場合、制御装置5は残量に応じたメッセージを表示する制御を行う。
【0074】
上述した実施形態では、光センサ42を、被印刷媒体Mの搬送経路Cの搬送方向において、サーマルヘッド10より上流側に配置する例を示したが、この限りではない。例えば、光センサ42を、サーマルヘッド10より下流側等、被印刷媒体MとインクリボンRとが重なった状態で搬送される搬送経路C上に配置してもよい。
【0075】
上述した実施形態では、光センサ42による被印刷媒体の色又は明るさの検出は、被印刷媒体M側から行う例を示したが、この限りではない。例えば、被印刷媒体Mの長さを、インクリボンRの長さよりも長く形成した場合には、光センサ42による被印刷媒体の色又は明るさの検出は、インクリボンR側から行ってもよい。
【0076】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における明るさが互いに異なる第1部材及び第2部材を有し、搬送される搬送対象物の少なくとも一部に印刷を行う印刷ヘッドと、
検出位置において前記搬送対象物の色又は明るさを検出する検出装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記検出位置において前記搬送対象物が、前記第1部材上に前記第2部材が重ねられている第1状態及び前記第1部材上に前記第2部材が重ねられていない第2状態のいずれとなっているかを判断し、
前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていると判断したとき、前記検出装置の検出結果を第1の検出結果として記憶し、
その後に前記検出装置が検出した第2の検出結果から前記搬送対象物が前記第2状態となっているかどうかを判断し、
前記第2状態となっていると判断したときの前記搬送対象物が、前記検出装置が前記第1の検出結果を検出したときのものと同じであるか否かを判断する、
ことを特徴とする印刷装置。
【0077】
[付記2]
前記印刷装置は、前記搬送対象物を収納する収納体を交換可能に収納する収納部を備え、
前記検出装置は、前記搬送対象物の前記第1部材及び前記第2部材の前記一方の面に対向する側に配置され、
前記制御装置は、前記検出装置が第2の検出結果を検出したときの前記搬送対象物が、前記検出装置が前記第1の検出結果を検出したときのものと異なると判断したとき、前記収納体が交換されたことを検出する、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0078】
[付記3]
前記検出装置は、前記第1の検出結果及び前記第2の検出結果として、前記搬送対象物の前記検出装置と対向する領域における、前記搬送対象物の色の、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、
前記制御装置は、前記第1の検出結果及び前記第2の検出結果における、前記赤色値、前記緑色値及び前記青色値のうちの、少なくとも一つの値の差が所定の閾値以上であるとき、前記搬送対象物が、前記検出装置が前記第1の検出結果を検出したときのものと異なると判断し、前記収納体が交換されたことを検出する、
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
【0079】
[付記4]
前記検出装置は、搬送が行われる前の検出結果を前記第2の検出結果として、搬送が行われた後の検出結果を第3の検出結果として、前記搬送対象物の前記検出装置と対向する領域における、前記搬送対象物の色の、赤色値(R)、緑色値(G)及び青色値(B)を含むRGB値を検出し、
前記制御装置は、前記搬送が行われる前と前記搬送を行った後における前記検出装置の検出結果の比較に基づいて、前記検出位置において前記搬送対象物が前記第1状態となっているか前記第2状態となっているかを判断する、
ことを特徴とする付記2又は付記3に記載の印刷装置。
【0080】
[付記5]
データを一時的に記憶する第1記憶装置と、電源OFF時にも前記データを保持して記憶する第2記憶装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1の検出結果を前記第1記憶装置に記憶し、
電源OFF時には、前記第1記憶装置に記憶していた前記第1の検出結果を、前記第2記憶装置に一時的に記憶し、電源ON時には、前記第2記憶装置に一時的に記憶していた前記第1の検出結果を、前記第1記憶装置に呼び出す、
ことを特徴とする付記1乃至付記4に記載の印刷装置。
【0081】
[付記6]
前記制御装置は、
前記第1記憶装置内にフラグ領域を設定し、
前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていると判断したとき、前記フラグ領域内のフラグをONにし、前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていないと判断したとき、前記フラグをOFFにし、
前記フラグがONの場合には、前記第2の検出結果と、前記記憶された前記第1の検出結果と、の比較を行わない、
ことを特徴とする付記5に記載の印刷装置。
【0082】
[付記7]
前記第1部材は、前記印刷ヘッドによる前記印刷に使用されるインクリボンであり、
前記第2部材は、前記印刷ヘッドにより前記印刷が行われる被印刷媒体であり、
前記収納体は、テープカセットである、
ことを特徴とする付記1乃至付記6に記載の印刷装置。
【0083】
[付記8]
前記被印刷媒体は、前記印刷ヘッドによる前記印刷が行われる印刷面を一方に有する長尺状の基材を有し、
前記被印刷媒体は前記インクリボンより短く、
前記搬送対象物は、前記テープカセット内に前記被印刷媒体の残量があるときは、前記インクリボンが前記基材の前記印刷面側に重ねられている前記第1状態で搬送され、
前記テープカセット内の前記被印刷媒体の残量が無くなったときは、前記インクリボンが前記基材と重なっていない前記第2状態で搬送される、
ことを特徴とする付記7に記載の印刷装置。
【0084】
[付記9]
前記被印刷媒体は、前記基材の前記印刷面と反対側の面を、粘着層を介して覆う剥離紙を有し、
前記検出装置は、前記被印刷媒体の残量があるときは、前記剥離紙の前記検出装置側の色又は明るさを検出する、
ことを特徴とする付記7に記載の印刷装置。
【0085】
[付記10]
前記搬送対象物の搬送経路に沿って前記被印刷媒体を搬送する搬送装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていると判断したとき、前記被印刷媒体の残量が無くなったと判断し、前記テープカセットが交換されるまで、前記搬送装置による搬送を停止させる制御を実行する、
ことを特徴とする付記7乃至付記9に記載の印刷装置。
【0086】
[付記11]
前記収納体が交換されていないことを検出した場合には、前記検出は誤検出である旨の利用者の操作を受け付けたか否かを判定し、前記検出は誤検出である旨の操作を受け付けた場合には、前記収納体は交換されたということを検出する
ことを特徴とする付記1乃至10に記載の印刷装置。
【0087】
[付記12]
前記検出装置が前記搬送対象物の色又は明るさを検出するときに、前記検出位置における前記搬送対象物を照明する照射装置をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至付記11に記載の印刷装置。
【0088】
[付記13]
前記検出位置は、前記搬送対象物の搬送方向に直交する幅方向の中央となる位置に配置されている、
ことを特徴とする付記1乃至付記12に記載の印刷装置。
【0089】
[付記14]
前記検出装置は、前記搬送対象物の搬送経路において、前記印刷ヘッドに対して前記搬送方向における上流側に配置されている、
ことを特徴とする付記1乃至付記13に記載の印刷装置。
【0090】
[付記15]
印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷装置は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における明るさが互いに異なる第1部材及び第2部材を有し、搬送される搬送対象物の少なくとも一部に印刷を行う印刷ヘッドと、検出位置において前記搬送対象物の色又は明るさを検出する検出装置と、を備え、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記検出位置において前記搬送対象物が、前記第1部材上に前記第2部材が重ねられている第1状態及び前記第1部材上に前記第2部材が重ねられていない第2状態のいずれとなっているかを判断し、
前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていると判断したとき、前記検出装置の検出結果を第1の検出結果として記憶し、
その後に前記検出装置が検出した第2の検出結果から前記搬送対象物が前記第2状態となっているかどうかを判断し、
前記第2状態となっていると判断したときの前記搬送対象物が、前記検出装置が前記第1の検出結果を検出したときのものと同じであるか否かを判断する、
ことを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
【0091】
[付記16]
印刷装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記印刷装置は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域に含まれる色が互いに異なる、又は、少なくとも一方の面同士のそれぞれの領域における明るさが互いに異なる第1部材及び第2部材を有し、搬送される搬送対象物の少なくとも一部に印刷を行う印刷ヘッドと、検出位置において前記搬送対象物の色又は明るさを検出する検出装置と、を備え、 前記コンピュータに、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記検出位置において前記搬送対象物が、前記第1部材上に前記第2部材が重ねられている第1状態及び前記第1部材上に前記第2部材が重ねられていない第2状態のいずれとなっているかを判断させ、
前記検出位置において前記搬送対象物が前記第2状態となっていると判断したとき、前記検出装置の検出結果を第1の検出結果として記憶させ、
その後に前記検出装置が検出した第2の検出結果から前記搬送対象物が前記第2状態となっているかどうかを判断させ、
前記第2状態となっていると判断したときの前記搬送対象物が、前記検出装置が前記第1の検出結果を検出したときのものと同じであるか否かを判断させる、
ことを特徴とするプログラム。