(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記修正処理は、前記原画像に文字認識処理を行うことによって前記原画像に含まれる文字列を表すテキストデータを生成し、前記テキストデータに前記修正指示画像に基づく文字列の修正を行う処理を含む、
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。この点は、後述の他の実施形態についても同様である。
【0014】
[第1実施形態]
図1に示されるように、画像形成装置1は、第1実施形態に係る画像処理装置2を備える。画像形成装置1は、例えば、プリンター機能、スキャナー機能、コピー機能、及びファクシミリ機能などを有する複合機、又は印刷機である。
【0015】
画像形成装置1は、画像処理装置2に加え、操作表示部10、画像読取部11、印刷処理装置12、通信IF(InterFace)部13及び記憶部14等を備えている。本実施形態では、画像処理装置2が制御部15を含む。
【0016】
操作表示部10は、情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示装置と、ユーザーによる操作に基づく情報入力を受け付けるタッチパネル及び操作ボタン等の操作装置とを備える装置である。
【0017】
画像読取部11は、ADF(Automatic Document Feeder)ガラス、原稿台ガラス、光源、ミラー、光学レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)等を備えている。前記プラテンガラス上には、図示しないADFにより原稿が搬送されてくる。また、原稿台ガラス上にはユーザーにより原稿が載置される。画像読取部11は、ADFガラス上又は原稿台ガラス上の原稿を光学的に走査して読み取り、原稿の内容を表す画像データを出力することが可能である。
【0018】
印刷処理装置12は、後述の制御部15から送られてくる画像データが表す画像をシート上に形成し、画像形成後の前記シートを印刷物として出力する装置である。印刷処理装置12は、印刷処理装置の一例である。なお、画像形成の方式は、電子写真方式又はインクジェット方式のいずれでもよい。印刷処理装置12は、電子写真方式が採用される場合、感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置等を備える。
【0019】
通信IF部13は、ネットワーク上の不図示の情報処理装置との間で所定の通信プロトコルに従う通信処理を実行することが可能である。
【0020】
記憶部14は、例えば、不揮発性の半導体メモリー又はハードディスクドライブ等を含むコンピューター読取可能な不揮発性の記憶装置である。
【0021】
記憶部14は、制御部15により実行される各種制御プログラム、及び各種情報等を予め記憶する。
【0022】
前記各種制御プログラムは、画像処理プログラム141を含む。画像処理プログラム141による処理については後述する。
【0023】
また、前記各種情報は、例えば、本画像処理装置2における処理対象となる画像データの原本である原本データ142を含む。
【0024】
原本データ142は、印刷処理装置12または前記情報処理装置等によって出力される画像を表す電子データである。
【0025】
また、原本データ142は、例えば、原稿を表す文書データである。なお、前記原稿は文字列のみを含む場合がある。また、前記原稿は写真又は図形のみを含む場合もある。前記原稿は他にも、文字列と、写真又は図形との両方を含む場合もある。
【0026】
原本データ142は、所定のアプリケーションプログラムを前記情報処理装置が実行することで生成され、周知のセキュリティー設定情報を含むことがある。
【0027】
より具体的には、前記セキュリティー設定情報は、例えば、前記情報処理装置を権限者が操作することにより、原本データ142に追加される。前記権限者とは、例えば、前記原本データ自体を編集又は更新する権限を有する者である。
【0028】
前記セキュリティー設定情報としては、まず、前記権限者の署名を表す電子署名、または、前記権限者の印影を表す電子印鑑が考えられる。
【0029】
他の前記セキュリティー情報としては、前記権限の無い無権限者による原本データ142の利用を制限するための設定情報が考えられる。より具体的には、前記設定情報は、前記原本データが読み取り専用等であることを示す。
【0030】
図1に示される例では、記憶部14は、画像形成装置1に内蔵されている。なお、記憶部14を備える装置が、不図示のネットワークを通じて画像形成装置1と通信可能に接続された外部装置であってもよい。
【0031】
ところで、従来、原稿の校正又は校閲の担当者は、原本データの印刷により得られる印刷物に、手書きで修正内容を記入することが多い。
【0032】
また、従来の画像処理装置が、手書き修正後の印刷物から画像を読み取り、読み取った画像における手書き修正部分を原稿の内容に反映させて、修正後の電子データを生成することが知られている。
【0033】
前記印刷物において修正部分が予め定められた修正規則に沿って記入されていれば、前記従来の画像処理装置は、修正後の電子データを生成する。この場合、前記原本データを誰もが容易に改変し更新できてしまう。
【0034】
一方、別の従来の画像処理装置が、周知の認証処理により、原本データを修正する権限を有する予め登録されている権限者によって操作されている場合にのみ、修正後の電子データを生成することも考えられる。しかし、この場合には、前記権限を有さない無権限者は、前記別の従来の画像処理装置を使用して前記修正後の電子データを確認することができなくなってしまう。そうすると、前記別の画像処理装置の利便性が損なわれる。
【0035】
そこで、本発明の目的は、画像データの修正処理の利便性を向上させることが可能な画像処理装置2及びプログラムを提供することである。
【0036】
具体的には、
図1において、制御部15は、プロセッサーおよびRAM(Random Access Memory)などのメインメモリーを備える。前記プロセッサーは、前記メインメモリーを作業領域として使いつつ、記憶部14に格納されている画像処理プログラム141を実行する。これにより、制御部15は、前記プロセッサーにより実現される機能ブロックとして、取得部151と、抽出部152と、判定部153と、第1加工部154と、第2加工部155と、を備えることとなる。これら機能ブロック151〜155の一つ又は複数は電子回路で構成されていてもよい。
【0037】
以下、
図1及び
図2に加え
図3をさらに参照し、画像処理装置2の処理を説明するが、その説明に先立ち、前記原稿の修正作業について説明する。
【0038】
本実施形態では、前記修正作業において、前記原稿の校閲又は校正を行うため、担当者は前記情報処理装置を操作する。前記情報処理装置は、担当者の操作に従って、記憶部14内の原本データ142の印刷を、前記ネットワークを介して画像形成装置1に指示する。
【0039】
画像形成装置1において、制御部15は、通信IF部13を介して記憶部14からの原本データ142を受け取る。制御部15は、受け取った原本データ142を印刷用データへ変換する。印刷処理装置12は、前記印刷用データに基づき、例えば前記原稿を表す画像をシート上に形成する。さらに、印刷処理装置12は、画像形成後の前記シートを印刷物として画像形成装置1から排出する。
【0040】
前記担当者は、前記印刷物を用いて前記原稿の校閲作業を行う。前記担当者は、校閲作業中に原稿内容に軽微な誤りを見つけると、予め定められた修正規則に従って前記印刷物に修正内容を手書きで直接記入する。前記修正規則については、公知の手法を用いることができる。ここで、前記担当者は、前記修正内容を承認する権限は有しておらず、前記責任者による承認を受ける必要がある。従って、前記担当者は前記無権限者の一例であり、前記責任者は前記権限者の一例である。なお、前記権限者及び前記無権限者は、前記責任者及び前記担当者以外にも適宜人為的に定められればよい。
【0041】
なお、前記責任者が、前記担当者と同様の手順で、前記印刷物に修正内容を直接記入することもある。前記責任者はさらに、自分で前記修正を行った場合、予め定められた記入規則に従って、修正部分と対応づけられる識別情報を、前記印刷物において前記修正部分とは異なる領域に追記する。
【0042】
前記識別情報は、前記修正が前記責任者により実施されていることを示す情報である。前記識別情報は、前記責任者の署名又は印影等であることが考えられる。署名の場合、前記責任者は前記修正後に前記印刷物に手書きで記入する。印影の場合、前記責任者は前記修正後に前記印刷物に押印する。なお、前記担当者は、前記無権限者であるため、前記印刷物に前記識別情報を付さない。
【0043】
前記記入規則の第1例は、前記修正対象箇所と予め定められた位置関係の領域に前記識別情報を追記する、という規則である。前記識別情報が追記される領域は、前記印刷物における前記修正対象箇所とは異なる領域である。例えば、前記位置関係が、前記修正対象箇所に対して予め定められた距離の範囲内に位置すること、および、前記修正対象箇所に対して予め定められた方向に位置すること、の一方又は両方であることが考えられる。
【0044】
前記記入規則の第2例は、予め定められた承認用マークを、前記印刷物における前記修正対象箇所とは異なる領域に存在する識別情報に追記する、という規則である。例えば、前記承認用マークが、識別情報の両側に付加される括弧などの符号であることが考えられる。
【0045】
前記記入規則の第3例は、予め定められた特定色を、前記印刷物における前記修正対象箇所とは異なる領域に存在する識別情報に追記する、という規則である。
【0046】
また、前記入力規則が、前記第1例、前記第2例および前記第3例のうちの2つ又は3つの組み合わせであることも考えられる。
【0047】
前記担当者又は前記責任者による前記手書き修正が実施されている印刷物を、手書き修正後印刷物と称する。
【0048】
画像形成装置1の画像読取部11には、前記手書き修正後印刷物がセットされる。画像読取部11は、前記手書き修正後印刷物を表す画像である手書き修正後データを生成し制御部15に出力する。手書き修正後データは例えばビットマップデータである。
【0049】
以下、前記手書き修正後データの一例を、
図2を参照して説明する。
図2において、手書き修正後データ3は、原画像31と、付加画像32と、を含んでいる。
【0050】
原画像31は、主に、前記手書き修正後印刷物において元々含まれている前記文字列、前記写真又は前記図形を表す。
【0051】
付加画像32は、修正指示画像321を含む。
【0052】
修正指示画像321は、前記責任者又は前記担当者による前記手書き修正を表し、原画像31に実行すべき修正処理を示す。具体的には、修正指示画像321は、第1特徴画像3211と、第2特徴画像3212と、を含む。
【0053】
第1特徴画像3211は、原画像31が表す文字列等において修正すべき修正対象箇所を示す。第1特徴画像3211は、前記修正対象箇所を指示するマークであることが考えられる。なお、前記修正対象箇所は、主に原画像31に含まれる文字列の部分であるが、原画像31に含まれる写真等の部分であってもよい。
【0054】
第2特徴画像3212は、修正の種類を示す。例えば、第2特徴画像3212は、修正の種類としての削除、挿入又は置き換えを示すマークであることが考えられる。
【0055】
第2特徴画像3212が前記挿入又は前記置き換えを示す場合、修正指示画像321は、修正後の内容3213をさらに含む。
【0056】
修正後の内容3213は、挿入される内容又は置き換え後の内容を示す。
【0057】
図2に示される例において、第1特徴画像3211、第2特徴画像3212及び修正後の内容3213は、下記のような修正指示を表す。まず、原画像31が文字列「ABCDEF」を含む。第1特徴画像3211は、原画像31における文字列「CD」を修正対象箇所として示す。また、前記修正後の内容3213は文字列「BD」を示す。第2特徴画像3212は、前記修正の種類としての置き換えを示す。この場合、前記修正指示は、前記文字列「ABCDEF…」における前記文字列「CD」を、前記文字列「BD」に置き換えるという修正指示を表す。
【0058】
前記手書き修正後印刷物が前記責任者により生成される場合、付加画像32はさらに、識別画像322を含む。
【0059】
識別画像322は、前記責任者により記録されている前記識別情報を表すと共に、原画像31の修正許可を示すことになる。
【0060】
なお、前記手書き修正後印刷物が前記担当者により生成される場合、識別画像322は付加画像32には含まれない。
【0061】
制御部15において、取得部151は、手書き修正後画像データ3を、処理対象の画像データである対象データの一例として、画像読取部11から取得する(
図3;ステップS101)。取得部151は、前記対象データを抽出部152に渡す。
【0062】
抽出部152は、前記対象データから、原画像31と、原画像31に付加されている付加画像32と、を抽出する(ステップS102)。以下、抽出の具体的な手法を例示する。
【0063】
記憶部14には、前記対象データに対応する前記原本データが格納されている。ステップS102において、抽出部152は、記憶部14から、前記原本データを取得し、前記手書き修正前の画像を表す修正前画像データを生成する。
【0064】
さらに、抽出部152は、前記対象データが表す画像のうち、前記修正前画像データが表す画像と共通の内容を示す部分を、原画像31として抽出する。
【0065】
ここで、「実質的に共通する」とは、全く同一であることの他、予め定められた類似度の範囲内で相違することも含む。
【0066】
また、抽出部152は、前記対象データが表す画像のうち、前記修正前画像データが表す画像と相違する内容を示す差分部分を付加画像32として取得する。
【0067】
ステップS102において、抽出部152はさらに、付加画像32を判定部153に渡すと共に、原画像31を第1加工部154及び第2加工部155に渡す。
【0068】
判定部153は、付加画像32を受け取ると、まず、ステップS102で読み出される前記原本データに前記セキュリティー情報が設定されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0069】
判定部153は、前記セキュリティー情報が設定されていないと判定する場合(ステップS103でNO)、記憶部14内の前記原本データの更新を誰でも自由に行えるため、後述のステップS108に処理を進める。
【0070】
一方、判定部153は、前記セキュリティー情報が設定されていると判定する場合(ステップS103でYES)、前記原本データの更新を自由に行えないため、処理をステップS104に進める。
【0071】
判定部153は、ステップS104において、付加画像32に手書き文字認識及び図形認識を含む画像認識処理を行う。
【0072】
さらに、判定部153は、前記画像認識処理の結果に基づき、付加画像32に、原画像31の修正許可を示す識別画像322と、識別画像322に対応すると共に原画像31に実行すべき修正処理を示す修正指示画像321とが含まれるか否かを判定する。
【0073】
より具体的には、判定部153は、前記画像認識により、付加画像32から予め定められた第1特徴画像3211及び第2特徴画像3212と、および第1特徴画像3211及び第2特徴画像3212に対応する画像を抽出する処理を実行する。
【0074】
判定部153は、前記画像認識処理により第1特徴画像3211及び第2特徴画像3212の抽出が不成功の場合、付加情報32に修正指示画像321が含まれていないと判定して(ステップS105でNO)、
図3の処理を終了する。
【0075】
一方、判定部153は、第1特徴画像3211及び第2特徴画像3212の抽出に成功していると、第1特徴画像3211及び第2特徴画像3212に対応する画像が修正指示画像321であると判定する。
【0076】
判定部153は、付加画像32に修正指示画像321が含まれると判定すると(ステップS105でYES)、処理をステップS106に進める。なお、修正指示画像321が修正後の内容3213を含む場合、ステップS105で修正後の内容3213も抽出される。
【0077】
判定部153は、ステップS106においてさらに、識別画像322を認識するために、付加画像32において修正指示画像321とは異なる領域から他の画像を抽出する処理を実行する。
【0078】
前記識別情報は、前記印刷物において、前記修正とは異なる領域に、前記記入規則に従って記録される。従って、前記他の画像を抽出は、前記記入規則に適合する手法が採用される。具体的には下記の通りである。
【0079】
前記識別情報が前記記入規則の第1例に基づき記録されている場合、識別画像322は、修正指示画像321とは異なる領域であり、かつ修正指示画像321に対して所定の位置関係を有する領域にある。従って、判定部153は、付加画像32において修正指示画像321を基準として前記領域に存在する前記他の画像を識別画像322と判定し抽出する。
【0080】
前記識別情報が前記第2例又は前記第3例に基づき記録されている場合、判定部153は以下の処理を実行する。即ち、判定部153は、付加画像32において前記修正指示画像321とは異なる領域において前記承認用マーク又は前記特定色を有する前記他の画像を認識する処理を実行する。そして、判定部153は、前記承認用マーク又は前記特定色を有する前記他の画像を認識できた場合、当該他の画像を識別画像322と判定し抽出する。
【0081】
判定部153は、付加画像32において前記修正指示画像321とは異なる領域に前記他の画像が存在する場合に、付加情報32に識別画像322が含まれていると判定し(ステップS107でYES)、処理をステップS108に進める。
【0082】
一方、判定部153は、識別情報322の抽出が不成功の場合、付加情報32に識別画像322が含まれていないと判断して(ステップS107でNO)、処理をステップS110に進める。
【0083】
ステップS108において、判定部153は、第1加工部154に、修正指示画像321に基づく原画像31への修正処理の実行を指示する。
【0084】
判定部153の指示に応答して、第1加工部154は、修正指示画像321及びこれに対応する識別画像322が付加画像32に含まれると判定部153により判定されている場合に、ステップS109の処理を実行する。ステップS109において、第1加工部154は、原画像31に前記修正処理を施す。第1加工部154はさらに、修正後画像を表す修正後画像データを生成および出力する(ステップS109)。以下、ステップS109の具体的な処理を例示する。
【0085】
第1加工部154は、例えば、原画像31の二値化画像を生成し、この二値化画像に基づき、原画像31から、前記文字列が含まれる文字画像領域と、前記写真及び/又は前記図形を含む非文字画像領域とを抽出する。
【0086】
なお、原画像31が前記文字列のみを含む場合、前記文字画像領域のみが抽出され、原画像31が前記写真及び/又は前記図形のみを含む場合には、前記非文字画像領域のみが抽出される。また、前記文字画像領域及び前記非文字画像領域の抽出には、他の公知技術が適用されてもよい。
【0087】
その後、第1加工部154は、原画像31における前記文字画像領域に文字認識処理を実行することにより、原画像31に含まれる文字列を文字コードで表すテキストデータを生成する。
【0088】
次に、第1加工部154は、前記判定部153からの前記指示に応答して修正処理を行って、前記テキストデータに修正指示画像321に基づく文字列の修正を行う。
【0089】
例えば、
図2に示されるような前記修正指示であれば、前記テキストデータにおける前記文字列「CD」が前記文字列「BD」に置き換えられる。
【0090】
また、原画像31において第1特徴画像3211で指定されている特定の前記写真又は前記図形について、第2特徴画像3212により削除という修正処理が示されている場合もある。この場合、第1加工部154は、前記編集可能データにおいて特定の前記写真又は前記図形特定に対応する非文字画像領域を削除する。
【0091】
さらに、第1加工部154は、例えば記憶部14内の前記原本データを更新するために、前記修正処理後のテキストデータと、前記非文字画像領域とを用いて、前記原本データと実質的に同じレイアウトで同じ内容を表す編集可能データを生成する。前記編集可能データは、例えば、前記原本データと同じファイル形式を有する。
【0092】
なお、前記編集可能データにも、前記原本データと同様のセキュリティー情報が設定されてもよい。
【0093】
前記編集可能電子データは、前記修正後画像データの一例である。第1加工部154は、この編集可能データを記憶部14に出力して、前記原本データを上書き保存してもよい。
【0094】
また、第1加工部154は、印刷処理装置13による印刷のために、前記編集可能電子データに基づきビットマップデータ等を生成してもよい。第1画像加工部154は、前記ビットマップデータを前記修正後画像データの他の一例として印刷処理装置12に出力してもよい。印刷処理装置12は、画像処理装置2からの前記修正後画像データに基づく画像を前記シートに形成して印刷物として排出する。
【0095】
また、ステップS110において、判定部153は、第2加工部155に、修正指示画像321に基づく原画像31の修正処理の実行を指示する。
【0096】
判定部153の指示に応答して、第2加工部155は、識別画像322が付加画像32に含まれていないと判定部153により判定される場合、第1加工部154と同様の手法で、修正指示画像321に基づく前記修正処理を原画像31に施した画像を生成する(ステップS111)。
【0097】
さらに、第2加工部155はさらに、前記修正処理が施されている画像と、原画像31が変更されていることを示す通知画像とを含む修正中画像を表す修正中画像データを生成および出力する。この以下、通知画像について詳細に説明する。
【0098】
図4に示すように、通知画像41は、前記修正処理が施されている前記画像42にオーバーレイされることが考えられる。
【0099】
また、
図5に示すように、通知画像41が、前記修正処理が施されている画像42における修正箇所に付加されている線画像又は色情報を含むことが考えられる。例えば、前記色情報は、画像42における修正箇所の色を予め定められた色に変更する情報であることが考えられる。また、前記線画像は、画像42における修正箇所に付加されている下線、取り消し線または囲み枠などの線画像であることも考えられる。また、通知画像41が前記色情報と前記線画像との組み合わせであることも考えられる。
【0100】
例えば、前記修正中データが前記情報処理装置で表示される場合、通知画像41は、原画像31が修正中であること、即ち、原画像31における修正箇所が、前記責任者による承認を得ていないことを明確に示す。
【0101】
なお、前記修正中画像データは、前記印刷処理のためにビットマップデータ等とすることも考えられる。印刷処理装置12は、画像処理装置2からの前記修正中データに基づく画像を前記シートに形成して印刷物として排出する。前記印刷物等において、通知画像41は、同様の機能を発揮する。
【0102】
前記修正中画像データは、前記修正後画像データと同様に、記憶部14への保存のために編集可能データとすることも考えられる。ここで、前記修正中画像データは、例えば記憶部14に追加保存される。即ち、前記責任者が未承認であるため、記憶部14内の原本データは更新されない。
【0103】
なお、前記責任者は、例えば前記情報処理装置を操作して、記憶部14内の前記修正中画像データの修正内容を確認し承認する。その後、前記情報処理装置は、前記責任者の操作に従って、前記修正中画像データから通知画像を除去して、記憶部14内の原本データを上書き保存することもできる。
【0104】
本画像処理装置2及び前記画像処理プログラム141によれば、制御部15は、ステップS106,S108において付加画像32に修正指示画像321及び識別画像322が含まれる場合に、原画像31の修正が許可されていると判定して、第1加工部154として機能する。第1加工部154は、ステップS109において原画像31に修正指示画像321に基づく修正処理を施し、修正後画像を表す修正後データを生成および出力する。
【0105】
また、制御部15は、ステップS108において識別画像322が付加画像32に含まれていない場合に、原画像31の修正が許可されていないと判定して、第2加工部155として機能する。第2加工部155は、ステップS110において原画像31に前記修正処理を施した前記修正後画像と、前記原画像が変更されていることを示す通知画像と、を含む修正中画像を表す修正中データを生成および出力する。
【0106】
第2加工部155及びステップS110の実行により、画像データの修正処理の利便性を向上させることが可能な画像処理装置2及び前記画像処理プログラム141を提供することができる。
【0107】
より具体的には、画像処理装置2及び画像処理プログラム141は、前記修正中データで記憶部14内の前記原本データを更新しないが、前記修正中画像データを記憶部14に追加保存する、もしくは、前記修正中データに基づく画像形成を制御する。これによって、画像データの修正処理の利便性を向上させることが可能な画像処理装置2及び画像処理プログラム141を提供することができる。
【0108】
[第2実施形態]
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成には同一参照符号を付与し、それぞれの説明を控える。
【0109】
第2実施形態では、
図6に示すように、手書き修正後データ3aは、手書き修正後データ3と比較すると、基準識別画像33aを含んでいる。
【0110】
手書き修正の対象となる印刷物において、修正対象箇所とは無関係な箇所には、前記責任者の署名又は印影を記録する記録欄が設けられている。
【0111】
前記責任者又は前記担当者は、前記印刷物に、第1実施形態と同様の手書きで修正を実施する。
【0112】
前記責任者は、第1実施形態と同様、前記修正と対応づけられる識別情報として、前記署名又は前記印影を前記印刷物に記録する。
【0113】
前記責任者はさらに、前記記録欄にも、署名又は印影を、基準識別情報として記録する。
【0114】
なお、前記基準識別情報は、前記責任者が前記印刷物に修正内容を記入する際に記録されてもよい。前記基準識別情報は、前記責任者が前記印刷物を修正する前に予め記録されていてもよい。
【0115】
また、前記識別情報が署名の場合には、前記基準識別情報も署名である。前記識別情報が印影の場合には、前記基準識別情報も印影である。
【0116】
手書き修正後データ3aにおいて、基準識別画像33aは、前記記録欄により記録されている前記基準識別情報を表すと共に、前記識別画像322と共に、前記印刷物への前記修正許可を示す。
【0117】
制御部15は、手書き修正後データ3aを処理対象の画像データである対象データとするため、前述のステップS104〜ステップS107の代わりに、下記処理を実行する。
【0118】
制御部15は、前記対象データから基準識別画像33a及び識別画像322を抽出し、識別画像322により示される署名又は印影が基準識別画像33aにより示される署名又は印影に一致すると判定すると、第1実施形態と同様の前記修正後画像データを生成し出力する。
【0119】
一方、制御部15は、前記対象データから基準識別画像33a及び識別画像322を抽出し、識別画像322により示される署名又は印影が基準識別画像33aにより示される署名又は印影に一致しないと判定すると、第1実施形態と同様の前記修正中画像データを生成し出力する。
【0120】
第2実施形態によれば、前記第1実施形態における原本データ141が無くとも、識別画像322及び基準識別画像33aにより、前記修正後画像データ又は前記修正中画像データを生成することができる。