特許第6885443号(P6885443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6885443エレベーターのガイドレールの給油体、給油装置および加工治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885443
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】エレベーターのガイドレールの給油体、給油装置および加工治具
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/12 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   B66B7/12 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-195169(P2019-195169)
(22)【出願日】2019年10月28日
(65)【公開番号】特開2021-66590(P2021-66590A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】関 哲朗
【審査官】 加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−157667(JP,A)
【文献】 実公昭47−012265(JP,Y1)
【文献】 国際公開第2018/008417(WO,A1)
【文献】 特開昭58−163809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を吸収する複数の紐状体と、
前記複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる巻回体、
前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記巻回体とを貫通するハトメ体と、
を備えたエレベーターのガイドレールの給油体。
【請求項2】
エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を吸収する帯体と、
前記帯体の長手方向の一側の少なくとも一部を貫通するハトメ体と、
を備えたエレベーターのガイドレールの給油体。
【請求項3】
エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を貯留する筐体と、
前記筐体の内部において突出した軸体と、
前記筐体の内部において、前記軸体に前記ハトメ体が貫通された状態で前記筐体に着脱自在に配置され、前記ガイドレールに接した請求項1または請求項2に記載の給油体と、
を備えたエレベーターのガイドレールの給油装置。
【請求項4】
前記軸体に締結され、前記給油体を前記筐体との間に挟み込んで固定する締結体、
を備えた請求項3に記載のエレベーターのガイドレールの給油装置。
【請求項5】
ハトメ体が挿入され、エレベーターのガイドレールに給油する複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる巻回体とに貫通穴を形成しながら、同時に当該貫通穴に前記ハトメ体を挿入させる挿入部と、
前記挿入部が前記ハトメ体と前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記巻回体とを貫通した状態において前記挿入部の先端部が挿入された際に、前記ハトメ体の先端を変形させることで前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記巻回体とを前記ハトメ体で固定する受け部と、
を備えたエレベーターのガイドレールの給油体の加工治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターのガイドレールの給油体、給油装置および加工治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターのガイドレールの給油体を開示する。当該エレベーターのガイドレールの給油体によれば、ガイドレールの表面に給油することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭47−12265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターのガイドレールの給油体は、ねじ棒により貫通される。このため、作業員が給油体を交換する際に、給油体にねじ棒を貫通させなければならない。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、容易に着脱することができるエレベーターのガイドレールの給油体、給油装置および加工治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターのガイドレールの給油体は、エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を吸収する複数の紐状体と、前記複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる巻回体、前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記巻回体とを貫通するハトメ体と、を備えた。
この発明に係るエレベーターのガイドレールの給油体は、エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を吸収する帯体と、前記帯体の長手方向の一側の少なくとも一部を貫通するハトメ体と、を備えた。
【0007】
この発明に係るエレベーターのガイドレールの給油装置は、エレベーターのガイドレールに供給する潤滑油を貯留する筐体と、前記筐体の内部において突出した軸体と、前記筐体の内部において、前記軸体に前記ハトメ体が貫通された状態で前記筐体に着脱自在に配置され、前記ガイドレールに接した状態で配置された給油体と、を備えた。
【0008】
この発明に係るエレベーターのガイドレールの給油体の加工治具は、ハトメ体が挿入され、エレベーターのガイドレールに給油する複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる巻回体とに貫通穴を形成しながら、同時に当該貫通穴に前記ハトメ体を挿入させる挿入部と、前記挿入部が前記ハトメ体と前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部とを貫通した状態において前記挿入部の先端部が挿入された際に、前記ハトメ体の先端を変形させることで前記複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部と前記巻回体とを前記ハトメ体で固定する受け部と、を備えた。

【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ハトメ体は、複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部を貫通する。このため、エレベーターのガイドレールの給油体を容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用されるエレベーターの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用される給油装置の平面図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の斜視図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の固定方法を示す斜視図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用される給油装置の要部の断面図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の給油体加工治具により給油体にハトメ体を固定する作業を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0012】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用されるエレベーターの構成図である。
【0013】
図1のエレベーターは、機械室のないエレベーターである。当該エレベーターにおいて、昇降路1は、建築物の各階を貫く。図示されない複数の乗場の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場の各々は、昇降路1に対向する。
【0014】
巻上機2は、昇降路1の上部に設けられる。綱車3は、巻上機2の回転軸に取り付けられる。主ロープ4は、綱車3に巻き掛けられる。
【0015】
かご5は、昇降路1の内部に設けられる。かご5は、主ロープ4の一側に支持される。釣合オモリ6は、昇降路1の内部に設けられる。釣合オモリ6は、主ロープ4の他側に支持される。
【0016】
一対のかご側ガイドレール7aは、昇降路1の内部において長手方向を鉛直方向にして設けられる。一対のオモリ側ガイドレール7bは、昇降路1の内部において長手方向を鉛直方向にして設けられる。
【0017】
上側の対のかご側ガイドシュー8aの一方は、かご5の上部の一側に設けられる。上側の対のかご側ガイドシュー8aの一方は、一対のかご側ガイドレール7aの一方に案内される。上側の対のかご側ガイドシュー8aの他方は、かご5の上部の他側に設けられる。上側の対のかご側ガイドシュー8aの他方は、一対のかご側ガイドレール7aの他方に案内される。
【0018】
下側の対のかご側ガイドシュー8aの一方は、かご5の下部の一側に設けられる。下側の対のかご側ガイドシュー8aの一方は、一対のかご側ガイドレール7aの一方に案内される。下側の対のかご側ガイドシュー8aの他方は、かご5の下部の他側に設けられる。下側の対のかご側ガイドシュー8aの他方は、一対のかご側ガイドレール7aの他方に案内される。
【0019】
上側の対のオモリ側ガイドシュー8bの一方は、釣合オモリ6の上部の一側に設けられる。上側の対のオモリ側ガイドシュー8bの一方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの一方に案内される。上側の対のオモリ側ガイドシュー8bの他方は、釣合オモリ6の上部の他側に設けられる。上側の対のオモリ側ガイドシュー8bの他方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの他方に案内される。
【0020】
下側の対のオモリ側ガイドシュー8bの一方は、釣合オモリ6の下部の一側に設けられる。下側の対のオモリ側ガイドシュー8bの一方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの一方に案内される。下側の対のオモリ側ガイドシュー8bの他方は、釣合オモリ6の下部の他側に設けられる。下側の対のオモリ側ガイドシュー8bの他方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの他方に案内される。
【0021】
一対のかご側給油装置9aの一方は、上側の対のかご側ガイドシュー8aの一方の上部または下部に設けられる。一対のかご側給油装置9aの一方は、一対のかご側ガイドレール7aの一方に潤滑油を供給する。一対のかご側給油装置9aの他方は、上側の対のかご側ガイドシュー8aの他方の上部または下部に設けられる。一対のかご側給油装置9aの他方は、一対のかご側ガイドレール7aの他方に潤滑油を供給する。
【0022】
一対のオモリ側給油装置9bの一方は、上側の対のオモリ側ガイドシュー8bの一方の上部または下部に設けられる。一対のオモリ側給油装置9bの一方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの一方に潤滑油を供給する。一対のオモリ側給油装置9bの他方は、上側の対のオモリ側ガイドシュー8の他方の上部または下部に設けられる。一対のオモリ側給油装置9bの他方は、一対のオモリ側ガイドレール7bの他方に潤滑油を供給する。
【0023】
次に、図2を用いて、かご側給油装置9aを説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用される給油装置の平面図である。図2の上側は、かご側給油装置9aの手前側である。図2の下側は、かご側給油装置9aの奥前側である。
【0024】
図2に示されるように、かご側給油装置9aは、筐体10と一対の軸体11と一対の給油体12と一対の抑え板15と一対の締結体16とを備える。
【0025】
筐体10は、内部空間を有するように形成される。例えば、筐体10の奥側の深さは、筐体10の上部の深さよりも深い。筐体10は、手前側の中央に凹部を有する。筐体10の開口は、筐体10の上部中央に凹部の側面に沿って設けられる。筐体10の開口は、筐体10の内部空間につながる。例えば、筐体10の右側の開口は、筐体10の凹部の右側面に設けられる。筐体10の左側の開口は、筐体10の凹部の左側面に設けられる。
【0026】
例えば、一対の軸体11の各々は、ボルト状である。一対の軸体11の各々は、筐体10の手前側に設けられる。一対の軸体11の先端の各々は、筐体10の内部において突出する。例えば、一対の軸体11の各々は、筐体10の外部から挿入される。この場合、一対の軸体11の各々は、筐体10を貫通する。例えば、一対の軸体11の一方は、筐体10の右側の開口に隣接して設けられる。一対の軸体11の他方は、筐体10の左側の開口に隣接して設けられる。
【0027】
一対の給油体12の一方は、ハトメ体13による開口を有する。一対の給油体12の一方のハトメ体13には、一対の軸体11の一方の先端が挿入される。一対の給油体12の一方は、ハトメ体13を介して、一対の軸体11の一方により筐体10の内部に保持される。
【0028】
一対の給油体12の他方は、ハトメ体13による開口を有する。一対の給油体12の他方のハトメ体13には、一対の軸体11の他方の筐体10の先端が挿入される。一対の給油体12の他方は、ハトメ体13を介して、一対の軸体11の他方により筐体10の内部に保持される。
【0029】
一対の給油体12の一方の一端は、筐体10の凹部の右側面の開口から先端が露出するように設けられる。一対の給油体12の一方の他端は、筐体10の奥側に垂れるように設けられる。
【0030】
一対の給油体12の他方の一端は、筐体10の凹部の左側面の開口から先端が露出するように設けられる。一対の給油体12の他方の他端は、筐体10の奥側に垂れるように設けられる。
【0031】
一対の抑え板15の各々は、板状体である。一対の抑え板15の各々は、軸体11を挿入するための開口を有する。一対の抑え板15の一方は、一対の給油体12の一方を筐体10との間に挟み込むように一対の軸体11の一方に挿入される。一対の抑え板15の他方は、一対の給油体12の他方を筐体10との間に挟み込むように一対の軸体11の他方に挿入される。
【0032】
一対の締結体16の各々は、中心に貫通穴を有する。例えば、一対の締結体16の各々は、ナット状である。一対の締結体16の一方は、一対の給油体12の一方と一対の抑え板15の一方を筐体10との間に挟み込むように一対の軸体11の一方に挿入される。一対の締結体16の一方は、一対の給油体12の一方と一対の抑え板15の一方と筐体10とを締結する。一対の締結体16の他方は、一対の給油体12の他方と一対の抑え板15の他方を筐体10との間に挟み込むように一対の軸体11の他方に挿入される。一対の締結体16の他方は、一対の給油体12の他方と一対の抑え板15の他方と筐体10とを締結する。
【0033】
なお、一対の抑え板15の各々は、一対の給油体12の各々と一対の締結体16の各々の間に挟み込まれる。その結果、一対の締結体16の締めこみの力は、一対の給油体12の各々に均等にかかる。
【0034】
図示されないが、一対の給油体12の一方の一端は、かご側ガイドレール7aの側面の一方に接触する。一対の給油体12の一方の他端は、筐体10の奥側に貯留された潤滑油を吸収し、吸い上げる。一対の給油体12の一方の一端は、筐体10の奥側から吸収した潤滑油をかご側ガイドレール7aの側面の一方に供給する。
【0035】
図示されないが、一対の給油体12の他方の一端は、かご側ガイドレール7aの側面の他方に接触する。一対の給油体12の他方の他端は、筐体10の奥側に貯留された潤滑油を吸収し、吸い上げる。一対の給油体12の他方の一端は、筐体10の奥側から吸収した潤滑油をかご側ガイドレール7aの側面の他方に供給する。
【0036】
図示されないが、オモリ側給油装置9bは、かご側給油装置9aと同様に形成される。オモリ側給油装置9bは、オモリ側給油装置9bと同様の方法により、潤滑油をオモリ側ガイドレール7bへ潤滑油を供給する。
【0037】
次に、図3を用いて、給油体12を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の斜視図である。
【0038】
給油体12は、複数の紐状体と巻回体14とハトメ体13を備える。
【0039】
複数の紐状体は、互いにほぼ同じ長さとなるように形成される。
【0040】
例えば、巻回体14は、布状体である。例えば、巻回体14は、帆布である。例えば、巻回体14は、複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる。
【0041】
例えば、ハトメ体13は、複数の紐状体の長手方向の一側の群の少なくとも一部と巻回体14とを貫通する。例えば、ハトメ体13は、複数の紐状体のいずれも貫通せず、複数の紐状体を避けて巻回体14を貫通する。
【0042】
なお、給油体12は、複数の紐状体ではなく、1本の帯状体からなってもよい。この場合、巻回体14を備えなくてもよい。
【0043】
次に、図4図5とを用いて、給油体12の固定方法を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の固定方法を示す斜視図である。図5は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体が適用される給油装置の要部の断面図である。
【0044】
図4図5とに示される通り、軸体11は、ハトメ体13の開口に挿入されることにより、給油体12を貫通する。軸体11は、給油体12の上方において抑え板15の開口に挿入される。軸体11は、抑え板15の上方から締結体16により締結される。その結果、給油体12は、筐体10に固定される。
【0045】
次に、図6を用いて、給油体12の加工方法を説明する。
図6は実施の形態1におけるエレベーターのガイドレールの給油体の給油体加工治具により給油体にハトメ体を固定する作業を説明するための断面図である。
【0046】
給油体加工治具17は、挿入部18と受け部19とを備える。
【0047】
挿入部18は、基台と先鋭部とを備える。挿入部18の基台は、板状である。挿入部18の先鋭部は、基台の中心から基台の表面に対して垂直に延びる円筒状である。挿入部18の先鋭部は、円筒状の先端が尖った形状である。
【0048】
例えば、受け部19は、板状の円状体である。受け部19は、円の中心に開口部を有する円環状体である。受け部19の開口部の直径は、挿入部18の先鋭部の直径よりも大きい。受け部19の開口部の直径は、ハトメ体13の円筒部の直径より小さい。
【0049】
ハトメ体13は、基台にハトメ体13の傘側が接触するように、予め挿入部18に挿入される。挿入部18の先鋭部は、給油体12に対面するように設置される。
【0050】
なお、給油体12が複数の紐状体からなり、巻回体14が複数の紐状体の長手方向の一側を束ねている場合、挿入部18の先鋭部は、給油体12の巻回体14に対面する。挿入部18と受け部19は、給油体12を挟みこむ形で対面する。このとき、挿入部18の先鋭部の中心は、受け部19の開口部の中心と同軸になるように対面する。
【0051】
続いて、挿入部18の先鋭部は、受け部19の方向に押し込まれる。これにより、挿入部18は、給油体12に貫通穴を形成する。このとき、挿入部18の先鋭部の断面の直径が受け部19の開口部の直径より小さいため、挿入部18の先鋭部は、受け部19の開口部に挿入される。
【0052】
なお、給油体12が複数の紐状体からなり、巻回体14が複数の紐状体の長手方向の一側を束ねている場合、挿入部18の先鋭部は、複数の紐状体の長手方向の一側の群の少なくとも一部と巻回体14とを貫通する。このため、挿入部18がさらに押し込まれていくのと同時に、ハトメ体13は、給油体12の貫通穴を貫通する。
【0053】
続いて、挿入部18は、さらに受け部19の方向に押し込まれる。挿入部18の基台と受け部19との距離がハトメ体13の円筒部の長さと等しくなった時に、ハトメ体13の先端は、受け部19に接触する。その後、挿入部18が受け部19の方向にさらに押し込まれ続けることで、ハトメ体13の先端は変形する。その結果、ハトメ体13は、給油体12に固定される。
【0054】
以上で説明した実施の形態1によれば、ハトメ体13は、複数の紐状体の長手方向の一側の少なくとも一部を貫通する。このため、給油体12を容易に着脱することができる。
【0055】
また、巻回体14は、複数の紐状体の長手方向の一側を束ねる。このため、給油体12の厚み、幅等を容易に変更することができる。
【0056】
また、給油体12は、ハトメ体13を介して、締結体16により筐体10に固定される。このため、締結体16は、ハトメ体13の厚み以下には締めこまれない。その結果、給油体12からの給油量を一定にすることができる。
【0057】
また、抑え板15は、給油体12と締結体16との間に挟み込まれる。このため、締結体16により給油体12を締めこむ力を給油体12に均等にかけることができる。その結果、給油体12の厚みを均一にすることができる。
【0058】
また、かご側給油装置9aとオモリ側給油装置9bとにおいて、給油体12は、ハトメ体13と軸体11とを介して筐体10に着脱自在に固定される。このため、給油体12を容易に交換することができる。
【0059】
また、給油体加工治具17は、給油体12に貫通穴を形成し、前記開口にハトメ金具を挿入する挿入部18を備える。このため、給油体12に貫通穴を開口する作業と給油体12にハトメ体13を固定する作業とを一つの動作で行うことができる。
【0060】
なお、巻上機2が昇降路1の下部に設けられたエレベーターに実施の形態1の給油体12を適用してもよい。巻上機2が昇降路1の直上の機械室に設けられたエレベーターに実施の形態1の給油体12を適用してもよい。これらの場合も、給油体12を容易に着脱することができる。
【0061】
また、巻上機2が昇降路1の下部に設けられたエレベーターに実施の形態1のかご側給油装置9aおよびオモリ側給油装置9bを適用してもよい。巻上機2が昇降路1の直上の機械室に設けられたエレベーターに実施の形態1のかご側給油装置9aおよびオモリ側給油装置9bを適用してもよい。これらの場合も、給油体12を容易に交換することができる。
【0062】
また、巻上機2が昇降路1の下部に設けられたエレベーターに実施の形態1の給油体加工治具17を適用してもよい。巻上機2が昇降路1の直上の機械室に設けられたエレベーターに実施の形態1の給油体加工治具17を適用してもよい。これらの場合も、給油体12に貫通穴を形成する作業と給油体12にハトメ体13を固定する作業とを一つの動作で行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
1 昇降路
2 巻上機
3 綱車
4 主ロープ
5 かご
6 釣合オモリ
7a かご側ガイドレール
7b オモリ側ガイドレール
8a かご側ガイドシュー
8b オモリ側ガイドシュー
9a かご側給油装置
9b オモリ側給油装置
10 筐体
11 軸体
12 給油体
13 ハトメ体
14 巻回体
15 抑え板
16 締結体
17 給油体加工治具
18 挿入部
19 受け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6