特許第6885617号(P6885617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6885617磁気テープ装置のスレディング機構及びスレディング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885617
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】磁気テープ装置のスレディング機構及びスレディング方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 15/67 20060101AFI20210603BHJP
   G11B 15/30 20060101ALI20210603BHJP
   G11B 23/107 20060101ALI20210603BHJP
   G11B 23/087 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   G11B15/67
   G11B15/30
   G11B23/107
   G11B23/087 508A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-43967(P2019-43967)
(22)【出願日】2019年3月11日
(65)【公開番号】特開2020-149739(P2020-149739A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】板本 悠一
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−192713(JP,A)
【文献】 特開2003−228899(JP,A)
【文献】 特表2003−524850(JP,A)
【文献】 特開平06−103663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 15/67
G11B 15/30
G11B 23/087
G11B 23/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープカートリッジと巻取リールとの間にて、磁気テープに接続されたリーダピンをリーダブロックにより把持して水平方向に移動させる磁気テープ装置のスレディング機構であって、
前記リーダブロックを移動させる移動機構を有し、
前記移動機構は、前記リーダピンが前記巻取リールの径方向に沿う内部空間を移動するに際して、前記リーダブロックを、前記巻取リールの下側のフランジから離れるように上下方向に相対移動させる案内機構を具備することを特徴とする磁気テープ装置のスレディング機構。
【請求項2】
前記巻取リールの下側のフランジのテープ受面は、切欠部を有さない平面形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ装置のスレディング機構。
【請求項3】
前記案内機構として、前記移動機構の本体部に形成されて前記リーダブロックを所定方向に案内するガイドレールが設けられることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の磁気テープ装置のスレディング機構。
【請求項4】
前記案内機構のガイドレールは、前記リーダブロックを巻取リールの下側のフランジから離れるように上下方向に相対移動させるスロープを有する迂回ルートを形成することを特徴とする請求項3に記載の磁気テープ装置のスレディング機構。
【請求項5】
磁気テープカートリッジと巻取リールとの間にて、磁気テープに接続されたリーダピンをリーダブロックにより把持して水平方向に移動させる磁気テープ装置において、
前記リーダピンが前記巻取リールの径方向に沿う内部空間を移動するに際して、前記リーダブロックを、前記巻取リールの下側のフランジから離れるように上下方向に相対移動させることを特徴とする磁気テープ装置のスレディング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープカートリッジ内の磁気テープを引き出して巻取リールに案内するための磁気テープ装置のスレディング機構及びスレディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の外部記憶装置として、磁気テープカートリッジが装填される磁気テープ装置が用いられている。
例えば、本願に関連する特許文献1に示される磁気記録再生装置のテープローディング装置では、カートリッジ内に収容される磁気テープの末端にリーダピンが連結されており、このリーダピンを先導ブロックで引き出すとともに、巻取リールのスロットにまで案内することで、該巻取リールに磁気テープを巻き取らせる。
そして、リーダピンを介して磁気テープカートリッジから引き出された磁気テープは、その移動経路の途中に位置する磁気ヘッドにて記憶情報が読み取られる。
【0003】
ところで、一般的なリーダピンは磁気テープの幅よりも大きい寸法のため、該リーダピンを巻取リールの内部に引き込むに際して、巻取リールの上下フランジに該リーダピンが当たらないように切欠きを設ける必要がある。
例えば、本願に関連する特許文献2に示される磁気テープの巻取リールには、下部フランジの一部に切欠きを設けて、先導ブロックにより案内されたリーダピンとの接触を避ける構造が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−103663号公報
【特許文献2】特開2006-155685号公報
【特許文献3】特開2004-224570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示される巻取リールでは、下部フランジの一部に切欠きを設けてリーダピンとの接触を避ける構成であるので、切欠き端部の剛性が低くなって捩じれや撓みが発生しやすいという問題がある。
そして、このような巻取リールにおいては、捩じれや撓み発生を防止するために、例えば、本願に関連する特許文献3に示されるように、上下フランジ間隔を広くして磁気テープの巻き取りをガイドする部分にのみ突起をつけることで、リーダピンとの接触を避けることができる。
しかしながら、このような突起を有する巻取リールでは、回転バランスを良くするために、質量中心軸を回転中心軸に揃えた上で、フランジの厚みを場所によって厚くしたり薄くしたりする必要があり、フランジ加工にコストが掛かるという不具合が生じる。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、下側のフランジに切欠きを設けることなく、リーダブロックを介して、磁気テープの末端に接続されたリーダピンを巻取リールのスロットにまで案内することができ、これによりフランジ構造の簡素化及び制作費用の削減が可能な磁気テープ装置のスレディング機構及びスレディング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示される磁気テープ装置のスレディング機構は、磁気テープカートリッジと巻取リールとの間にて、磁気テープに接続されたリーダピンをリーダブロックにより把持して水平方向に移動させる磁気テープ装置において、前記リーダブロックを移動させる移動機構を有し、前記移動機構は、前記リーダピンが前記巻取リールの径方向に沿う内部空間を移動するに際して、前記リーダブロックを、前記巻取リールの下側のフランジから離れるように上下方向に相対移動させる案内機構を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に示される磁気テープ装置のスレディング方法は、磁気テープカートリッジと巻取リールとの間にて、磁気テープに接続されたリーダピンをリーダブロックにより把持して水平方向に移動させる磁気テープ装置において、前記リーダピンが前記巻取リールの径方向に沿う内部空間を移動するに際して、前記リーダブロックを、前記巻取リールの下側のフランジから離れるように上下方向に相対移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スレディング装置のフランジ構造の簡素化及び制作費用の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る磁気テープ装置のスレディング機構を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る磁気テープ装置のスレディング機構を前方側から視た斜視図である。
図3図2を後方側から視た斜視図である。
図4】磁気テープ、リーダピン及び巻取リールの大きさを示す正面図である。
図5】リーダブロックを付勢するばねの位置を示す部分断面図である。
図6】リーダブロックを案内するガイドレールを示す図である。
図7】ガイドレールのスロープを示す分解図である。
図8図7からリーダブロックがガイドレールのスロープを移動した状態を示す分解図である。
図9】ガイド突起の位置を示す内部構成図である。
図10】リーダブロックの移動を段階的に示すイメージ図である。
図11】本発明に適用される平面状のテープ受面を下側のフランジに有する巻取リールの斜視図である。
図12】下側のフランジのテープ受面に切欠きを有する巻取リールの斜視図である。
図13】下側のフランジのテープ受面に溝を有する巻取リールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る磁気テープ装置のスレディング機構100について図1を参照して説明する。
このスレディング機構100は、磁気テープカートリッジCと巻取リールRとの間にて、磁気テープ1に接続されたリーダピン2をリーダブロック3により把持して水平方向に移動させる移動機構4を有する。
磁気テープカートリッジCは磁気テープ1が内部巻取リール(図示略)に巻回された状態で収容されるカセットであって、該磁気テープ1の末端にはリーダピン2が連結される。
巻取リールRは、回転中心となるハブ5に互いに平行となるように間隔をおいて上側のフランジ6及び下側のフランジ7が配置されたものであって、これら上側のフランジ6及び下側のフランジ7の間に位置する内部空間8に、巻き取った磁気テープ1が収容される。
【0012】
移動機構4は、磁気テープ1に接続されたリーダピン2を把持して(矢印a1参照)、巻取リールRのハブ5に案内するリーダブロック3を有している。
また、この移動機構4は、リーダブロック3により、磁気テープ1が接続されるリーダピン2を巻取リールRの径方向に沿う内部空間8に引き込むとともに、その内部空間8を移動するに際して、該リーダブロック3を、巻取リールRの下側のフランジ7から離れるように上下方向に相対移動させる案内機構9を具備する(矢印a2〜a5参照)。
なお、このスレディング機構100において、リーダブロック3により、磁気テープカートリッジCから引き出された磁気テープ1は、巻取リールRへの移動途中に設けられた磁気ヘッド(図示略)により情報の読取り、書込みが行われる。
【0013】
そして、以上のように構成された磁気テープ装置のスレディング機構100によれば、移動機構4に設けられた案内機構9により、リーダピン2が巻取リールRの径方向に沿う内部空間8を横断するに際して、該リーダピン2が把持されるリーダブロック3を、巻取リールRの下側のフランジ7から離れるように上下方向に相対移動させることができる。
これにより上記スレディング機構100では、リーダブロック3及びリーダピン2が巻取リールRの下側のフランジ7に干渉しないようにすることができ、その結果、巻取リールRの下側のフランジ7のテープ受面7Aに切欠きを設ける必要がなくなり、フランジ構造の簡素化及び制作費用の削減が可能となる。
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る磁気テープ装置のスレディング機構101について図2図11を参照して説明する。
磁気テープ装置のスレディング機構101は、図2及び図3に示されるように、装置本体10に装填された磁気テープカートリッジC1と巻取リールR1との間にて、磁気テープ11の末端に連結されたリーダピン12を、リーダブロック13により把持して水平方向(矢印A1方向)に移動させる移動機構14(後述する)を有する。
【0015】
磁気テープカートリッジC1は内部巻取リール(図示略)に磁気テープ11が巻回された状態で収容されるカセットであって、装置本体10に対して脱着自在に設けられている。
磁気テープカートリッジC1に収容される磁気テープ11の末端にはリーダピン12が連結されており、該リーダピン12をリーダブロック13により引き出すことにより、該磁気テープ11が巻取リールR1に案内される。
【0016】
また、磁気テープカートリッジC1と巻取リールR1との間に位置する磁気テープ11の移動経路には、図3に示されるように、情報の読み取り、書込みをする磁気ヘッド20及び磁気テープ11を案内するテープガイド21が設けられている。
【0017】
また、巻取リールR1は、図4に示されるように、回転中心となるハブ15に互いに平行となるように上下に一定の間隔をおいて上側のフランジ16及び下側のフランジ17が配置される構成である。
これら上側のフランジ16及び下側のフランジ17の間に位置する内部空間18には、先のリーダピン12により案内された磁気テープ11が巻回される。
なお、リーダピン12の長さM1は、図4に示されるように磁気テープ11の幅M2及びフランジ16,17の間隔M3よりも大きく設定される。このため、リーダピン12が、巻取リールR1のフランジ16,17にリーダピン12が当たらないように移動を制御する必要があるが、これについては後述する。
【0018】
移動機構14は、図2及び図3に示されるように磁気テープ11に接続されたリーダピン12を把持して、巻取リールR1のハブ15に案内するリーダブロック13を有している。
また、この移動機構14の本体部14Aには、駆動モータ(図示略)により駆動される駆動軸31Aを有するスレディングアーム31が設けられている。
このスレディングアーム31は、複数のリンク部材31B,31Cが連結軸31Dにより回転自在に設けられるものであって(図3参照)、基端側のリンク部材31Bが駆動軸31Aに接続され、かつ先端側のリンク部材31Cに、スレディングピン30を介して先のリーダブロック13が支持される。
【0019】
このリーダブロック13は、図5に示すようにスレディングピン30の軸方向(すなわち、上下方向B1)に沿って揺動自在に設けられるとともに、ばね13Aにより上方に付勢されている。
【0020】
また、移動機構14の本体部14Aには、図6図8に示されるように案内機構を構成するガイドレール33とガイド突起34が設けられている。
ガイドレール33は、リーダブロック13を案内するための経路となるものであって、ばね13Aにより付勢されたリーダブロック13の上部と接触しかつ摺動することで、該リーダブロック13を所定方向に案内する。
【0021】
そして、ガイドレール33では、磁気テープ11が接続されるリーダピン12を巻取リールR1の径方向(すなわち、矢印A1に沿う水平方向)に沿う内部空間18に引き込むとともに、その内部空間18を移動するに際して、該リーダブロック13を、巻取リールR1の下側のフランジ17から離れるように上下方向(矢印B1方向)に相対移動させるフランジスロープ33Aを有する(図7図8及び図10参照)。
すなわち、ガイドレール33は、リーダブロック13を巻取リールR1の下側のフランジ17から離れるように上下方向に相対移動させる迂回ルートとなる。
【0022】
ガイド突起34は、図9に示されるようにガイドレール33に設けられたフランジ状の突起であって、該ガイドレール33に沿って巻取リールRのハブ15に案内したリーダブロック13をリーダピン12とともに下方に押し下げ、該ハブ15に形成されたスロット40に挿入させる。
これにより、磁気テープカートリッジC1から引き出された磁気テープ11が、巻取リールR1のハブ15に接続され、該巻取リールR1により巻き取り可能な状態となる。
【0023】
また、移動機構14のスレディングアーム31では、駆動モータを逆転させることで、ガイドレール33を通じて、リーダピン12及び該リーダピン12に連結される磁気テープ11を、磁気テープカートリッジC1に戻すことができる。
【0024】
上記のように構成されたスレディング機構101の動作について説明する。
移動機構14の駆動モータを駆動することにより、まず、スレディングピン30に取り付けられたリーダブロック13が磁気テープカートリッジC1内にあるリーダピン12に接触して、該リーダピン12を把持する。
なお、このようなリーダブロック13がリーダピン12を取りに行く動作中では、ガイドレール33のフランジによって、該リーダブロック13の上昇動作が抑制されている。
【0025】
その後、リーダピン12を把持したリーダブロック13は、巻取リールR1側へ移動し、巻取リールR1の手前まで来たところで、ガイドレール33のフランジスロープ33Aに沿って上昇し、巻取リールR1の下側のフランジ17の上を移動する(図10参照)。
【0026】
その後、巻取リールR1の下側のフランジ17の上を移動したリーダブロック13は、巻取リールR1のハブ15に位置するガイド突起34(図9)により下降して、リーダピン12とともに巻取リールR1のスロット40内に収まる。
なお、図19には、リーダブロック13がガイドレール33のフランジスロープ33Aに沿って動き、巻取リールR1の下側のフランジ17の上を通過して、巻取リールR1に収まるまでの動作の軌跡が矢印A2〜A5で示されている。
【0027】
また、リーダピン12を巻取リールR1内から磁気テープカートリッジC1に戻す際には、同様に、巻取リールR1のガイド突起34に沿ってリーダブロック13が上昇して巻取リールR1の下側のフランジ17の上を移動する。
このとき、リーダブロック13が巻取リールR1の下側のフランジ17上を通り過ぎた後には、ガイドレール33のフランジスロープ33Aに沿って下降し、その高さ位置のまま磁気テープカートリッジC1内にリーダピン12を戻す動作が行われる。
【0028】
そして、以上のように構成されたスレディング機構101によれば、移動機構14内の案内機構を構成するガイドレール33により、リーダピン12が巻取リールR1の径方向に沿う内部空間18を横断するに際して、該リーダピン12が把持されるリーダブロック13を、巻取リールR1の下側のフランジ17から離れるように上下方向に相対移動させることができる。
これにより本実施形態のスレディング機構101では、リーダブロック13及びリーダピン12が巻取リールR1の下側のフランジ17に干渉しないようにすることができる。
その結果、スレディング機構101では、図11に示されるように、巻取リールR1の下側のフランジ17のテープ受面17Aを平面状に形成することができ、フランジ構造の簡素化及び制作費用の削減が可能となる。
【0029】
より具体的には、本実施形態のスレディング機構101では、図12に示すように、巻取リールR1の下側のフランジ17のテープ受面17Aに切欠き50を設ける加工が必要ない、又は図13に示すように下側のフランジ17を厚くして溝をつけるといった加工が必要なくなる。
その結果、本実施形態では、図11に示されるように下側のフランジ17のテープ受面17Aを平面状に形成することができ、フランジ構造の簡素化及び制作費用の削減が可能となるものである。
【0030】
すなわち、本実施形態のスレディング機構101では、巻取リールR1の下部フランジ17に切欠きや溝(段差)や突起がない完全な円盤形状であっても、リーダピン12を巻取リールR1の下側のフランジ17に干渉することなく該巻取リールR1内部に引き込むことができるようになる。
また、本実施形態のスレディング機構101では、巻取リールR1を完全な円盤形状で樹脂成形できるため、高い剛性と、ヒケの少ない成形性の良さを得ることができる。
さらに、本実施形態のスレディング機構101では、巻取リールR1の下部フランジ17が完全な円盤形状となるために、巻取リールR1を回転させて磁気テープ11を巻き取る際の巻きムラを最小化することも可能となる。
【0031】
なお、本実施形態のスレディング機構101では、ばね13Aによる付勢とガイドレール33の案内によりリーダブロック13を上下動させるようにしたが、これに限定されず、モータをリーダブロック13に内蔵し、該モータの駆動によりリーダブロック13を上下動させるようにしても良い。
【0032】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、磁気テープカートリッジ内の磁気テープを引き出して巻取リールに案内するための磁気テープ装置のスレディング機構及びスレディング方法に関する。
【符号の説明】
【0034】
1 磁気テープ
2 リーダピン
3 リーダブロック
4 移動機構
5 ハブ
6 (上側の)フランジ
7 (下側の)フランジ
8 内部空間
9 案内機構
11 磁気テープ
12 リーダピン
13 リーダブロック
13A ばね
14 移動機構
15 ハブ
16 上側のフランジ
17 下側のフランジ
17A テープ受面
18 内部空間
20 磁気ヘッド
21 テープガイド
30 スレディングピン
31 スレディングアーム
33 ガイドレール
33A フランジスロープ
34 ガイド突起
100 スレディング機構
101 スレディング機構
C 磁気テープカートリッジ
C1 磁気テープカートリッジ
R 巻取リール
R1 巻取リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13