(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
構内交換機と、前記構内交換機に収容される複数の通信端末と、前記通信端末の発着信を制御する主制御装置とを有する電話システムにおける発信相手先特定方法であって、
前記主制御装置は、
前記通信端末それぞれに関し、発着信するために必要とする接続用識別情報とユーザを特定する属性情報とを対応付けて電話帳データベースにあらかじめ登録する電話帳データ登録ステップと、
前記通信端末それぞれに関し、通話相手先との間の通話を行った際に、前記通話相手先のユーザを特定する属性情報と接続用識別情報と通話開始時刻と通話終了時刻とを、通話履歴データとして通話履歴データベースに保存する通話履歴データ保存ステップと、
複数の前記通信端末のうち、発信元の前記通信端末から、発信相手先の前記属性情報を含む発信要求を受け取った際に、前記電話帳データベースを検索した結果として、前記電話帳データベース内に前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、前記通話履歴データベースを参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う順位付け処理ステップと、
を有し、
かつ、
前記順位付け処理ステップは、
前記通話履歴データベースを参照した結果として、前記発信元に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、前記第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、前記第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第3の相手先として取得し、
取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出して、
抽出した前記発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補の前記接続用識別情報とともに、順位付け情報として、出力し、
また、
抽出した前記発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した前記発信相手先の候補それぞれに関する前記通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した前記発信相手先の候補それぞれと前記発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した前記発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した前記発信相手先の候補それぞれを、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補それぞれの前記接続用識別情報とともに、前記順位付け情報として、出力する、
ことを特徴とする発信相手先特定方法。
構内交換機と、前記構内交換機に収容される複数の通信端末と、前記通信端末の発着信を制御する主制御装置とを有する電話システムにおいて、発信相手先を特定する処理を前記主制御装置のコンピュータによって実行する発信相手先特定プログラムであって、
前記主制御装置は、
前記通信端末それぞれに関し、発着信するために必要とする接続用識別情報とユーザを特定する属性情報とを対応付けて電話帳データベースにあらかじめ登録する電話帳データ登録工程と、
前記通信端末それぞれに関し、通話相手先との間の通話を行った際に、前記通話相手先のユーザを特定する属性情報と接続用識別情報と通話開始時刻と通話終了時刻とを、通話履歴データとして通話履歴データベースに保存する通話履歴データ保存工程と、
複数の前記通信端末のうち、発信元の前記通信端末から、発信相手先の前記属性情報を含む発信要求を受け取った際に、前記電話帳データベースを検索した結果として、前記電話帳データベース内に前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、前記通話履歴データベースを参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う順位付け処理工程と、
を有し、
かつ、
前記順位付け処理部工程は、
前記通話履歴データベースを参照した結果として、前記発信元に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、前記第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、前記第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第3の相手先として取得し、
取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出して、
抽出した前記発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補の前記接続用識別情報とともに、順位付け情報として、出力し、
また、
抽出した前記発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した前記発信相手先の候補それぞれに関する前記通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した前記発信相手先の候補それぞれと前記発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した前記発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した前記発信相手先の候補それぞれを、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補それぞれの前記接続用識別情報とともに、前記順位付け情報として、出力する、
ことを特徴とする発信相手先特定プログラム。
【背景技術】
【0002】
近年、音声認識技術の著しい進展に伴い、ボタン電話主装置やSIP(Session Initiation Protocol)サーバ等から成る構内交換機においても、発信の利便性を向上させるために、音声ダイヤルを用いて、発信相手先の氏名等の属性情報を口頭で指定する方式を用いる場合が多くなってきている。
【0003】
つまり、構内交換機は、発信相手先を示す氏名等の属性情報と電話番号とを対応付けた電話帳データベースを保有している。そして、通信端末からの発信時において、発信相手先を示す名前等の属性情報を、音声ダイヤル(音声情報)として、構内交換機に対して送信する。構内交換機において該音声ダイヤルを受け取ると、音声ダイヤルの情報をテキストデータに変換することにより、発信相手先を示す属性情報(氏名等)をテキストデータとして取得する。構内交換機は、テキストデータとして取得した該属性情報を用いて、電話帳データベースを検索することにより、発信相手先の電話番号を抽出して、抽出した該電話番号の通信端末との間を接続する。
【0004】
しかし、例えば、
図8に示すように、発信相手先を示す属性情報として氏名を用いている場合、電話帳データベースに同姓同名の相手先が複数存在している可能性があるので、電話帳データベースの検索結果として、複数の電話番号が抽出され、発信元のユーザが希望する発信相手先を特定することができない場合も生じる。
図8は、現状の電話システムにおける同姓同名問題の発生を説明する説明図である。
図8では、収容している通信端末2に対する発着信の動作を制御する主制御装置を構内交換機用主制御装置1Aとして示し、相手先との発着信・接続・切断動作用制御情報の転送用としてSIPプトロコル準拠のパケットを送受信するSIPサーバ3Aを用いている場合を例示している。
【0005】
図8に示す説明図には、構内交換機用主制御装置1Aに対して、Zさんが通信端末2から「Aさんに電話」という音声ダイヤルを送信してきた場合の構内交換機用主制御装置1A内の動作について説明している。ここで、構内交換機用主制御装置1Aは、音声・テキスト変換部11と属性情報検索部12と発信制御部13と電話帳データベース21とを有して構成されている。
【0006】
音声・テキスト変換部11は、通信端末2から送信されてきた音声ダイヤル(音声情報)を受信した際に、テキストデータに変換し、発信相手先の属性情報(氏名)を抽出する音声認識システムである。電話帳データベース21は、発信相手先の属性情報(氏名)と電話番号とを対応付けて登録して保持する。属性情報検索部12は、音声・テキスト変換部11によりテキストデータに変換した発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて電話帳データベース21を検索して、発信相手先の属性情報(氏名)に対応する電話番号を検索する電話帳検索エンジンである。また、発信制御部13は、属性情報検索部12により検索した発信相手先の電話番号を付した発信通知信号を、例えばSIPサーバ3Aに対して送信することにより、発信相手先との間の接続を行うSIP転送システムである。
【0007】
ここで、
図8に示す電話帳データベース21には、氏名欄に示すように、同姓同名のAさんが2人登録されていて、それぞれで異なる電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’に対応付けられている。したがって、Zさんが通信端末2から「Aさんに電話」という音声ダイヤル(音声情報)を送信してくると(シーケンスSeq1A)、構内交換機用主制御装置1Aは、音声・テキスト変換部11により、「Aさんに電話」という音声ダイヤル(音声情報)をテキストデータに変換し、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」を抽出する(シーケンスSeq2A)。しかる後、構内交換機用主制御装置1Aは、属性情報検索部12により、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」を検索キーとして電話帳データベース21を検索する(シーケンスSeq3A)。
【0008】
その検索結果として、「Aさん」の属性情報(氏名)にヒットしたすべての情報を出力することになり、2つの電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’が、「Aさん」の属性情報(氏名)にヒットした情報として、電話帳データベース21から属性情報検索部12へ出力される(シーケンスSeq4A)。属性情報検索部12は、ヒットした2つの電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’を発信制御部13に対して出力する(シーケンスSeq5A)。
【0009】
しかし、構内交換機用主制御装置1Aは、発信制御部13において、2つの電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’のうちいずれの電話番号を用いてSIPサーバ3Aに送信する発信通知信号を作成するべきか、という判断を行うことができない状況に陥ってしまい、発信元のZさんが接続先として指定したAさんとの間の相互接続を行うことができない(シーケンスSeq5A)。
【0010】
このため、かかる同姓同名問題を解決するための現状の技術として、例えば、特許文献1の特開平11−187106号公報「電話番号検索装置及びその方法」が提案されている。該特許文献1においては、発信元ごとに、過去に発信または着信した相手先の属性情報(氏名)と電話番号と通話時刻とを通話履歴として保存している。そして、発信元の今回の音声ダイヤルにおいて指定した発信相手先が、同姓同名の属性情報(氏名)であった場合には、通話履歴を参照して過去に通話を行ったことがある相手先を優先して今回の発信相手先として選択する技術を提案している。
【0011】
つまり、該特許文献1においては、発信相手先の属性情報(氏名)の電話帳データベース検索結果として、同姓同名の属性情報が複数存在して、それぞれに該当する電話番号が複数存在していた場合には、発信元のユーザに関する過去の通話履歴を検索して、今回の発信相手先と同じ属性情報(氏名)が通話相手先として保存されているか否かを確認する。通話履歴の検索結果として、今回の発信相手先と同じ属性情報(氏名)が保存されていた場合には、該属性情報(氏名)の通話履歴データとして保存している通話相手先の電話番号を取得した後、通話履歴データに保存している時刻情報が新しい順番に通話相手先の電話番号を表示し、その中から最近の通話相手先を優先して、今回の発信相手先として選択することを可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記特許文献1等に記載された現状の電話システムにおいては、前述したように、発信元のユーザが音声ダイヤルとして発信相手先の氏名を示す属性情報を用いて発信を行った際に、電話帳データベース内に同姓同名が存在した場合、当該発信元のユーザが過去に通話接続した状況を保存している通話履歴データの中から、今回の発信相手先を示す氏名と同じ氏名の通話相手先を検索して、最近の通話履歴がある通話相手先を、今回の発信相手先として推定して、該通話相手先に対して発信接続を行うことにより、同姓同名問題を解決しようとしている。
【0014】
しかし、前記特許文献1等の現状の技術においては、検索する通話履歴データの範囲が、発信元のユーザの通話履歴データに限られている。このため、電話帳データベース内の同姓同名問題が生じた場合に、例えば、該発信元のユーザが、友達等の紹介により知り合いになった仲間に初めて連絡しようとして、該仲間の属性情報(氏名)を用いて発信した際の発信相手先の場合のように、該通話履歴データの中から、今回の発信相手先として希望している氏名を検索することに失敗してしまう。つまり、現状の技術においては、今回の発信相手先を精度良く特定することができる可能性が低下してしまうという問題があり、希望する発信相手先に接続することができなくなる場合が増加する可能性が高い。
【0015】
なお、かかる電話帳データベースの同姓同名問題を解決するために、電話帳データベースにあらかじめ登録する発信相手先の属性情報として、氏名や会社名だけではなく、住所や会社内の所属部署・役職などの情報も含む形で登録して、発信相手先を特定するために用いるなどの手法が考えられる。しかし、発信相手先を特定することが如何なる場合でも精度良く可能になる属性情報が、どのような情報であるかを確実に選び出して、電話帳データベースにあらかじめ登録しておくことは困難である。また、たとえ、発信相手先を特定するために必要な氏名以外の属性情報が選定されたとしても、全ユーザに関する属性情報があらかじめ電話帳データベースに入力されているとも限らないし、ユーザの発信時の操作負担の増加を避けることができない。
【0016】
また、電話帳データベースの検索結果に基づいて、発信元のユーザに対して、音声情報を用いて、同姓同名の解消のために必要とする情報を問い合わせる方法も考えられるが、発信時には問い合わせに受け答えすること自体が煩わしく、ユーザビリティに悪影響を及ぼしてしまう。さらに、同姓同名が大量に存在していた場合には、問い合わせを行う回数の増加や問い合わせ内容の複雑化を招くことが想定され、ユーザの負担増加を避けることができない。つまり、現状の技術には、発信元のユーザが音声ダイヤルとして発信相手先の氏名を示す属性情報を用いて発信を行った際に、発信相手先を精度良く特定するという解決するべき課題がある。
【0017】
(本発明の目的)
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、発信時に発信元の通信端末からダイヤル情報として発信相手先を示す氏名等の属性情報を受け取った際に、当該発信元のユーザが希望する発信相手先を精度良く特定することが可能な電話システム、発信相手先特定方法および発信相手先特定プログラムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述の課題を解決するため、本発明による電話システム、発信相手先特定方法および発信相手先特定プログラムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0019】
(1)本発明による電話システムは、
構内交換機と、前記構内交換機に収容される複数の通信端末と、前記通信端末の発着信を制御する主制御装置とを有する電話システムであって、
前記主制御装置は、
前記通信端末それぞれに関し、発着信するために必要とする接続用識別情報とユーザを特定する属性情報とを対応付けて電話帳データベースにあらかじめ登録する電話帳データ登録部と、
前記通信端末それぞれに関し、通話相手先との間の通話を行った際に、前記通話相手先のユーザを特定する属性情報と接続用識別情報と通話開始時刻と通話終了時刻とを、通話履歴データとして通話履歴データベースに保存する通話履歴データ保存部と、
複数の前記通信端末のうち、発信元の前記通信端末から、発信相手先の前記属性情報を含む発信要求を受け取った際に、前記電話帳データベースを検索した結果として、前記電話帳データベース内に前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、前記通話履歴データベースを参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う順位付け処理部と、
を有し、
かつ、
前記順位付け処理部は、
前記通話履歴データベースを参照した結果として、前記発信元に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、前記第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、前記第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第3の相手先として取得し、
取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出して、
抽出した前記発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補の前記接続用識別情報とともに、順位付け情報として、出力し、
また、
抽出した前記発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した前記発信相手先の候補それぞれに関する前記通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した前記発信相手先の候補それぞれと前記発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した前記発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した前記発信相手先の候補それぞれを、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補それぞれの前記接続用識別情報とともに、前記順位付け情報として、出力する、
ことを特徴とする。
【0020】
(2)本発明による発信相手先特定方法は、
構内交換機と、前記構内交換機に収容される複数の通信端末と、前記通信端末の発着信を制御する主制御装置とを有する電話システムにおける発信相手先特定方法であって、
前記主制御装置は、
前記通信端末それぞれに関し、発着信するために必要とする接続用識別情報とユーザを特定する属性情報とを対応付けて電話帳データベースにあらかじめ登録する電話帳データ登録ステップと、
前記通信端末それぞれに関し、通話相手先との間の通話を行った際に、前記通話相手先のユーザを特定する属性情報と接続用識別情報と通話開始時刻と通話終了時刻とを、通話履歴データとして通話履歴データベースに保存する通話履歴データ保存ステップと、
複数の前記通信端末のうち、発信元の前記通信端末から、発信相手先の前記属性情報を含む発信要求を受け取った際に、前記電話帳データベースを検索した結果として、前記電話帳データベース内に前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、前記通話履歴データベースを参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う順位付け処理ステップと、
を有し、
かつ、
前記順位付け処理ステップは、
前記通話履歴データベースを参照した結果として、前記発信元に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、前記第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、前記第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第3の相手先として取得し、
取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出して、
抽出した前記発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補の前記接続用識別情報とともに、順位付け情報として、出力し、
また、
抽出した前記発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した前記発信相手先の候補それぞれに関する前記通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した前記発信相手先の候補それぞれと前記発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した前記発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した前記発信相手先の候補それぞれを、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補それぞれの前記接続用識別情報とともに、前記順位付け情報として、出力する、
ことを特徴とする発信相手先特定方法。
【0021】
(3)本発明による発信相手先特定プログラムは、
構内交換機と、前記構内交換機に収容される複数の通信端末と、前記通信端末の発着信を制御する主制御装置とを有する電話システムにおいて、発信相手先を特定する処理を前記主制御装置のコンピュータによって実行する発信相手先特定プログラムであって、
前記主制御装置は、
前記通信端末それぞれに関し、発着信するために必要とする接続用識別情報とユーザを特定する属性情報とを対応付けて電話帳データベースにあらかじめ登録する電話帳データ登録工程と、
前記通信端末それぞれに関し、通話相手先との間の通話を行った際に、前記通話相手先のユーザを特定する属性情報と接続用識別情報と通話開始時刻と通話終了時刻とを、通話履歴データとして通話履歴データベースに保存する通話履歴データ保存工程と、
複数の前記通信端末のうち、発信元の前記通信端末から、発信相手先の前記属性情報を含む発信要求を受け取った際に、前記電話帳データベースを検索した結果として、前記電話帳データベース内に前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、前記通話履歴データベースを参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う順位付け処理工程と、
を有し、
かつ、
前記順位付け処理部工程は、
前記通話履歴データベースを参照した結果として、前記発信元に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、前記第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、前記第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの前記属性情報を第3の相手先として取得し、
取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、前記発信相手先の前記属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出して、
抽出した前記発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した前記発信相手先の候補を、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補の前記接続用識別情報とともに、順位付け情報として、出力し、
また、
抽出した前記発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した前記発信相手先の候補それぞれに関する前記通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した前記発信相手先の候補それぞれと前記発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した前記発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した前記発信相手先の候補それぞれを、前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、前記発信相手先の候補それぞれの前記接続用識別情報とともに、前記順位付け情報として、出力する、
ことを特徴とする発信相手先特定プログラム。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電話システム、発信相手先特定方法および発信相手先特定プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0023】
電話帳データベース内に複数の発信相手先の候補(例えば、発信元が指定した発信相手先の属性情報(氏名)と同姓同名の複数の属性情報)が存在していて、発信相手先を特定することができない場合であっても、発信元のユーザが希望する可能性が高い発信相手先を特定することができ、而して、ユーザが希望する発信相手先に高い精度で発信することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明による電話システム、発信相手先特定方法および発信相手先特定プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による電話システムおよび発信相手先特定方法について説明するが、かかる発信相手先特定方法をコンピュータにより実行可能な発信相手先特定プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、発信相手先特定プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0026】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、構内交換機に収容される通信端末から発信相手先の属性情報(例えば氏名)を受信した際に、該属性情報により指定された発信相手先を特定し、発信元のユーザが希望する発信相手先に対して発信を行う電話システムに関する発明である。
【0027】
例えば、構内交換機内の電話帳データベース(属性情報(例えば氏名)と接続用識別情報(例えば電話番号)との対応を示すデータベース)に、受信した今回の発信相手先の属性情報(例えば氏名)と同じ属性情報が複数個存在していて、希望する発信相手先の電話番号を特定することができない同姓同名問題が生じていた場合であっても、‘FOAF(Friend of a Friend)’という‘友達の友達ならば、関係者の可能性が高い’というSNS(Social Networking Service)上における人間関係の法則を応用して、該発信元のユーザと関係がある可能性が高い他のユーザの通話履歴も参照して、関連性を洗い出すことを主要な特徴としている。而して、構内交換機の主制御装置内の電話帳データベースに同姓同名が複数個存在していても、該発信元のユーザが希望する発信相手先を精度良く特定して、特定した発信相手先に対して接続することができるという効果を奏することができる。また、例えば、初めて発信しようとしている発信相手先の場合であっても、精度良く、発信相手先を特定することができる。
【0028】
本発明の特徴をさらに具体的に説明すると、次の通りである。例えば、ボタン電話主装置やSIPサーバのような構内交換機が、発信元の通信端末から、発信相手先の属性情報(例えば氏名)を音声ダイヤル(音声情報)により受信した際に、該発信相手先を特定するための技術として次に示すような2種類の技術を適用することにより、発信しようとするユーザが何ら意識することなく、電話帳データベースおよび通話履歴データベースを的確に参照して、該ユーザが発声した発信相手先を高い精度で特定することを可能にしている。
【0029】
第1の技術は、発信相手先の特定のために、電話帳データベースのみならず、通話履歴データベースも参照して、過去の通話履歴の情報を利用することである。ここで、利用する通話履歴の情報として、発信元のユーザに関する通話履歴のみならず、過去に発信したことがある相手先の通話履歴も含めて、関連性を調べることにより、初めての発信相手先のみならず、発信元との関係性がある相手先を明らかにするという技術を適用する。つまり、前述したように、SNS上における‘FOAF(Friend of a Friend)’という法則(友達の友達であれば、関係者である可能性が高いというSNS上の人間関係に関する法則)を、電話システムにおいて応用するという技術である。
【0030】
FOAFについて、
図1、
図2を用いてさらに説明する。
図1は、SNS上において適用されているFOAFの法則を説明する説明図であり、
図2は、
図1に示したFOAFの法則を電話システムにおける通話履歴に応用している応用例を説明する説明図である。
【0031】
図1に示すように、SNS上においては、ZさんがFさんと友人関係であった場合には、Fさんの友人関係にあるAさんも、Zさんの知人である可能性が高い(すなわちAさんの友達の友達はAさんの知り合いである可能性が高い)という人間関係に関する法則を用いて、SNS上の各種サービスを提供するようにしている。さらに、Zさんの友達、その友達の友達、…と友達の連鎖を用いて、各種サービスを提供するようにしている。一方、Zさんの友達の連鎖に中にAさんが含まれていなかった場合には、Aさんは、Zさんとは無関係の人であると見做す。
【0032】
図2は、
図1に示したようなFOAFの法則を、電話システムにおける通話履歴の検索処理に応用している応用例を示しており、発信元のZさんの通話履歴に通話相手先(第1の相手先)として存在しているFさん側の通話履歴に、通話相手先(第2の相手先)として存在しているAさんも、Zさんとの関係者である可能性が高いと見做して、Zさんが今回発信したい発信相手先がAさんである可能性があると推定する。
【0033】
かくのごとく、発信元のユーザおよび通話したことがある通話相手先のそれぞれの通話履歴から通信端末同士の関係性を洗い出すことによって、発信元のユーザの電話帳データベースに同姓同名が複数個存在していたとしても、通話履歴に関するFOAFの範囲内で一つの属性情報(例えば氏名)のみヒットすれば、発信元のユーザとの人間関係の繋がりがあると想定することができ、発信元のユーザが今回発信したい相手先である可能性が高いと見做すことができる。逆に、発信元のユーザや過去に発信したことがある相手先のユーザ(すなわち発信元のユーザの関係者)のいずれの通話履歴にも存在していない相手であった場合には、今回初めて発信しようとしている相手先である可能性があるものの、発信元のユーザが通話したい相手先の属性情報(氏名)を誤って異なる属性情報(氏名)を用いて発信を行った可能性が高いと想定される。
【0034】
以上のような第1の技術を適用することにより、同姓同名であっても、発信相手先を絞り込むことが可能になる。しかし、通話履歴に関するFOAFの範囲内に同姓同名が複数個存在していた場合には、電話帳データベースにおける同姓同名問題の場合と同様に、発信相手先の特定が難しくなるという問題が残る。したがって、次のような第2の技術を適用することが必要になる。
【0035】
第2の技術は、前記第1の技術における問題を考慮して、以下に示すような各種の情報を用いて、FOAFの範囲内に複数個存在する同姓同名の相手先に関し、発信先の相手を順位付けするための‘重み付け’を行うことである。つまり、通話履歴に関するFOAFの範囲内においてリストアップされた発信相手先の候補それぞれに対して、以下のような評価条件によって‘重み付け’を行い、最もスコア(重み)が大きな発信相手先の候補に対して優先的に発信を行うという技術である。
【0036】
(1)発信元のユーザの通話履歴にある発信相手先の候補を優先する。
すなわち、発信元のユーザが、直接、通話したことがある相手先であれば、今回の発信相手先である可能性が高いと推定することができる。
(2)古い通話履歴よりも現時点に近い通話履歴にある発信相手先の候補を優先する。
すなわち、例えば、1年前に通話した相手先よりも昨日通話した相手先の方が、今回の発信相手先である可能性が高いと推定することができる。
(3)通話履歴に関するFOAFの範囲内において、通話頻度が高い発信相手先の候補を優先する。
すなわち、過去において高頻度で通話を行っている相手先ほど、今回の発信相手先である可能性が高いと推定することができる。
(4)物理的な距離が近い発信相手先の候補を優先する。
すなわち、例えば、内線の電話番号であれば、同一局舎内の発信相手先の候補が、外線の固定電話番号であれば、同一市外局番の相手先の通信端末が、今回の発信相手先である可能性が高いと推定することができる。
(5)通話履歴に関するFOAFの関係内において、頻繁に電話をかける市内局番や市外局番の発信相手先の候補を優先する。
すなわち、例えば、発信元のユーザが頻繁に発信する電話番号と類似性がある同一局番の電話番号を有する相手先の通信端末が、今回の発信相手先である可能性が高いと推定することができる。
【0037】
図3は、現状の電話システムにおける同姓同名問題を解決する本発明の特徴の一例を説明するための説明図であり、現状の電話システムにおける同姓同名問題の発生を説明した
図8と対比する形式で示している。すなわち、
図3に示す電話システムの構内交換機用主制御装置1Bは、
図8に示した現状の電話システムの構内交換機用主制御装置1Aに対して、電話帳データベース21の他に、全通信端末に関する通話履歴データベース22を追加して有するとともに、属性情報検索部12と電話帳データベース21および通話履歴データベース22との間に、順位付け処理部14を追加して有している。
【0038】
ここで、通話履歴データベース22は、構内交換機用主制御装置1Bに収容しているすべての通信端末に関する通話履歴を保存しているデータベースであり、各通信端末それぞれが通話した通話相手先の属性情報(氏名)と電話番号と通話開始時刻、通話終了時刻とを、時系列で保存している。
【0039】
また、順位付け処理部14は、
図8において説明した同姓同名問題を解決するために、複数の同姓同名の電話番号を発信元のユーザが希望する発信相手先である可能性が高い順番に順位付けを行う順位付けモジュールである。すなわち、順位付け処理部14は、発信元の通信端末2の発信時に発信相手先の属性情報(氏名)をテキストデータとして受け取った属性情報検索部12からの検索要求により、該発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて電話帳データベース21を検索した際に、電話帳データベース21に該発信相手先の属性情報(氏名)と同姓同名の属性情報(氏名)が複数存在している場合には、通話履歴データベース22を検索する。そして、通話履歴データベース22に保存されている通話履歴の情報にも同姓同名の属性情報(氏名)が複数存在していた場合には、複数の同姓同名の属性情報(氏名)をあらかじめ定めた評価基準に基づいて、発信元のユーザが希望する発信相手先である可能性に関する ‘重み付け’を行い、スコア(重み)を算出して、該可能性が高い順番に順位付けを行う。
【0040】
そして、順位付け処理部14は、順位付けした各属性情報(氏名)の接続用識別情報(電話番号)に関する情報を、発信元のユーザが希望する発信相手先である可能性に関するスコア(重み)とともに、順位付け情報として、検索要求元の属性情報検索部12に引き渡す。而して、属性情報検索部12は、発信元が指定した発信相手先の属性情報(氏名)と同姓同名の複数の電話番号が電話帳データベース21に登録されていても、発信元のユーザが希望する可能性が高い発信相手先を判断する情報を取得することができる。
【0041】
図3の説明図に示すシーケンスにしたがって、構内交換機用主制御装置1Bにおける動作例を、以下に説明する、Zさんが通信端末2から「Aさんに電話」という音声ダイヤル(音声情報)を送信してくると(シーケンスSeq1A)、構内交換機用主制御装置1Bは、
図8の場合と同様、音声・テキスト変換部11により、「Aさんに電話」という音声ダイヤル(音声情報)をテキストデータに変換し、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」を抽出する(シーケンスSeq2A)。しかる後、構内交換機用主制御装置1Bは、属性情報検索部12により、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」の電話番号を検索する検索要求を、順位付け処理部14に対して送出する(シーケンスSeq3A)。順位付け処理部14は、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」を検索キーとして、まず、電話帳データベース21を検索する。
【0042】
ここで、電話帳データベース21には、現状の電話システムとして
図8に示したように、同姓同名のAさんが2人登録されていて、それぞれで異なる電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’と対応付けられている。したがって、順位付け処理部14は、電話帳データベース21の検索結果として、「Aさん」の属性情報(氏名)にヒットした複数の電話番号‘8−XX1−XXXX3’、‘8−XX1−XXXX7’を取得することになる。
【0043】
順位付け処理部14は、電話帳データベース21の検索結果として複数の同姓同名の電話番号が出力されてきたことを検知すると、次に、発信相手先の属性情報(氏名)である「Aさん」を検索キーとして、まず、通話履歴データベース22を検索する。通話履歴データベース22の検索処理においては、
図2において説明したように、‘FOAF(Friend of a Friend)’という法則(友達の友達であれば、関係者である可能性が高いというSNS上の人間関係に関する法則)を適用して、「Aさん」との間の通話履歴のみなのらず、発信元の「Zさん」と「Aさん」以外の他のユーザとの間の通話履歴、該他のユーザのまた先の他のユーザとの間の通話履歴に関しても検索を行う。
【0044】
順位付け処理部14は、通話履歴データベース22の検索結果として取得した各「Aさん」(発信相手先の候補)に対して、前記第2の技術として説明した前記条件によって‘重み付け’を行い、発信元のユーザ「Zさん」が希望する発信相手先である可能性がある順番に順位付けを行い、該可能性に関するスコア(重み)とともに、検索要求元の属性情報検索部12に対して、検索結果(すなわち順位付け情報)として返送する(シーケンスSeq5B)。例えば、順位付けを行った結果として、
図3に例示するように、「Aさん」の2つの電話番号のうち、‘8−XX1−XXXX3’の方が、発信元のユーザ「Zさん」が希望する発信相手先である可能性が高い電話番号であり、‘8−XX1−XXXX7’は、発信元のユーザ「Zさん」が希望する発信相手先である可能性が‘8−XX1−XXXX3’よりも低い電話番号であるとする検索結果を、検索要求元の属性情報検索部12に対して返送する。
【0045】
属性情報検索部12は、順位付け処理部14から返送されてきた順位付けに基づき、最もスコア(重み)が大きい方の電話番号が、発信元のユーザ「Zさん」が希望する発信相手先である可能性が最も高い電話番号であると見做して、「Aさん」の2つの電話番号のうち、‘8−XX1−XXXX3’の電話番号を選択して、発信元の「Zさん」の通信端末2を、発信相手先の可能性が高い‘8−XX1−XXXX3’の電話番号に対して発信接続することを、発信制御部13に対して要求する(シーケンスSeq6B)。
【0046】
発信制御部13は、属性情報検索部12からの要求に基づき、発信元の「Zさん」の通信端末2と発信相手先の可能性が高い‘8−XX1−XXXX3’の電話番号の「Aさん」との間を発信接続するための発信通知信号を作成して、例えば、SIPサーバ3Aに対して送信する(シーケンスSeq7B)。
【0047】
以上のように、発信元から受け取った発信相手先を示す属性情報(氏名)と同じ同姓同名の属性情報(氏名)が電話帳データベース21に複数登録されていた場合であっても、通話履歴データベース22に保存されている通話履歴を‘FOAF’という法則を用いて参照して、発信相手先の候補を抽出し、しかる後、あらかじめ定めた条件に基づいて‘重み付け’を行うことにより、発信元が希望する発信相手先である可能性が高いと想定される発信相手先を特定することができる。
【0048】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係る電話システムの具体例について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明に係る電話システムの具体的なシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
図4に示すように、本発明の一実施形態を示す電話システム100は、構内交換機3と、該構内交換機3に収容している複数の通信端末2a、通信端末2b、…と、構内交換機3に収容される各通信端末(通信端末2a、通信端末2b、…)の発着信や通話を制御するための主制御装置1とから構成されている。主制御装置1と構内交換機3と各通信端末(通信端末2a、通信端末2b、…)とは、ネットワーク4を介して相互に接続されている。
【0049】
ここで、ネットワーク4は、移動体通信網、インターネット、イントラネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の通信ネットワークである。また、主制御装置1と構内交換機3と各通信端末(通信端末2a、通信端末2b、…)とを同じネットワーク4を介して接続している例を示しているが、場合によっては、例えば主制御装置1と構内交換機3との間を他とは異なるネットワークを介して接続するようにしても構わない。
【0050】
通信端末2a、通信端末2b、…は、電話機としての電話機能を有する端末であり、発信を希望する発信相手先の電話番号をダイヤルして発信する以外に、本実施形態においては、音声ダイヤル機能を有し、該発信相手先の属性情報(氏名や会社名など)を用いて発信することが可能である。なお、以下の説明においては、通信端末2a、通信端末2b、…のいずれでも共通に扱うことが可能な場合は、符号に‘2’のみを付して通信端末2として説明する。
【0051】
構内交換機3は、例えばビジネスホン主装置、SIPサーバ等から成る装置であり、各通信端末2(通信端末2a、通信端末2b、…)と主制御装置1との間の呼および各通信端末2(通信端末2a、通信端末2b、…)同士の内線回線や外部の外線回線との間の呼を処理する機能を有している。
【0052】
主制御装置1は、
図3において説明した構内交換機用主制御装置1Bとほぼ同様の内部構成を有しており、
図4に示すように、音声・テキスト変換部11、属性情報検索部12、発信制御部13、順位付け処理部14、電話帳データ登録部15、通話履歴データ保存部16、電話帳データベース21、通話履歴データベース22を有している。なお、
図4に示した主制御装置1には、発信動作を制御するために必要とする機能ブロックに着目して示しているが、着信動作や切断動作や通話中における制御動作に必要とする機能ブロックに関しては、本発明との関連性がないので、記載を省略している。
【0053】
音声・テキスト変換部11は、
図3において前述したように、発信元の通信端末2のユーザにより音声ダイヤルとして入力された音声データをテキストデータに変換し、テキストデータから発信相手先を特定するための属性情報(例えば氏名)を抽出する。
【0054】
また、電話帳データベース21は、構内交換機3に収容されている全通信端末2を対象に、各通信端末2のユーザを示す属性情報(氏名、会社名など)と接続用識別情報(電話番号やネットワークアドレスなど)との対応関係を保持している。また、電話帳データ登録部15は、構内交換機3の管理者からの指示により、構内交換機3に収容されている通信端末2のユーザを示す属性情報(氏名、会社名など)と接続用識別情報(電話番号やネットワークアドレスなど)とを対応付けて電話帳データベース21にあらかじめ登録する。なお、以下の説明においては、説明を分かり易くするために、属性情報として氏名を用い、接続用識別情報として電話番号を用いている場合について説明することにする。
【0055】
また、通話履歴データベース22は、構内交換機3に収容されている全通信端末2を対象に、各通信端末2の通話履歴データを保存しているデータベースであり、各通信端末2それぞれが通話した通話相手先の属性情報(氏名)と該通話相手先の接続用識別情報(電話番号)と通話開始時刻、通話終了時刻とを、時系列で保存している。また、通話履歴データ保存部16は、構内交換機3に収容されている通信端末2の通話が終了する都度、通話した通話相手先の属性情報(氏名)と該通話相手先の接続用識別情報(電話番号)と通話開始時刻、通話終了時刻とを、通話履歴データベース22に各通信端末2ごとに時系列で保存する。
【0056】
また、属性情報検索部12は、発信元の通信端末2から入力されてきた発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の接続用識別情報(電話番号)を取得することを要求する取得要求を、順位付け処理部14に対して出力する。さらに、属性情報検索部12は、該取得要求の結果として、順位付け処理部14から受け取った情報(発信相手先の候補を順位付けした順位付け情報)に基づいて、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の可能性が最も高い接続用識別情報(電話番号)を取得して、該発信相手先の可能性が最も高い接続用識別情報(電話番号)を用いて、発信相手先に発信することを指示する発信指示を、発信制御部13に対して出力する。
【0057】
また、発信制御部13は、属性情報検索部12から指示された発信相手先の接続用識別情報(電話番号)を付した発信通知信号を生成して、ネットワーク4を介して、構内交換機3に対して送信する。その結果、構内交換機3において、受け取った発信通知信号を、ネットワーク4を介して、発信相手先の通信端末2に向けて送信することにより、発信元の通信端末2と発信相手先との間の接続を行う。
【0058】
また、順位付け処理部14は、発信相手先の属性情報(氏名)に関し、電話帳データベース21に同姓同名問題が生じた場合、グラフ理論における各種のアルゴリズムを応用して、発信相手先の属性情報(氏名)と通話履歴データベース22に保存されている通話履歴データとに基づいて、発信相手先の候補を抽出する。さらに、抽出した発信相手先の候補が複数存在していた場合には、あらかじめ定めた条件に基づいて重み付けして、グラフ理論における各種のアルゴリズムを応用して、発信元のユーザが発信する可能性が高いと想定される順番を求めることにより、発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の候補を特定もしくは順位付けを行う。
【0059】
つまり、順位付け処理部14は、属性情報検索部12から前記取得要求を受け取ると、まず、前記取得要求に含まれている発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて、電話帳データベース21を検索する。検索結果として、発信相手先の属性情報(氏名)に対応する接続用識別情報(電話番号)を1個だけ検索した場合には、発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先をユニークに特定した場合であり、特定した当該発信相手先の接続用識別情報(電話番号)を取得して、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の可能性が最も高い接続用識別情報(電話番号)として、取得要求元の属性情報検索部12に対して出力する。
【0060】
また、順位付け処理部14は、電話帳データベース21の検索結果として、発信相手先の属性情報(氏名)に対応する接続用識別情報(電話番号)を複数個検索した場合、電話帳データベース21内には同姓同名が複数存在する問題が発生しているので、次に、前記取得要求に含まれている発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて、通話履歴データベース22を検索する。
【0061】
通話履歴データベース22の検索処理においては、
図3において説明したように、‘FOAF(Friend of a Friend)’という法則(友達の友達であれば、関係者である可能性が高いというSNS上の人間関係に関する法則)を適用して、第1の相手先として、発信元と直接通話した通話相手先の属性情報(氏名)との間の通話履歴データを取り出した後、さらに、第2の相手先として、前記第1の相手先と通話した通話相手先の属性情報(氏名)との間の通話履歴データを取り出し、さらに、第3の相手先として、前記第2の相手先と通話した通話相手先の属性情報(氏名)との間の通話履歴データを取り出す。そして、発信元が直接通話した前記第1の相手先のみならず、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれとの通話履歴データも対象にして、今回の発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報が存在しているか否かを検索する処理を行う。
【0062】
そして、通話履歴データベース22の検索結果として、第1の相手先として発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報(氏名)を複数検索した場合には、発信相手先の候補を複数検知したことになり、同一の接続用識別情報(電話番号)を有する属性情報(氏名)ごとに分類して、あらかじめ定めた評価条件(例えば、発信元との間の通話履歴の通話回数と通話開始時刻・通話終了時刻と接続用識別情報(電話番号))に基づいて、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の可能性が高い相手先の順番を示す順位付けを行う。
【0063】
また、第1相手先のユーザの次の優先順を示す順位付けとして、第2の相手先についても同様に、第2の相手先として発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報(氏名)を複数検索した場合には、発信相手先の候補を複数検知したことになり、同一の接続用識別情報(電話番号)を有する属性情報(氏名)ごとに分類して、あらかじめ定めた評価条件(例えば、第1の相手先との間の通話履歴の通話回数と通話開始時刻・通話終了時刻と接続用識別情報(電話番号))に基づいて、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の可能性が高い相手先の順番を示す順位付けを行う。
【0064】
さらに、第2相手先のユーザの次の優先順を示す順位付けとして、第3の相手先についても同様に、第3の相手先として発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報(氏名)を複数検索した場合には、発信相手先の候補を複数検知したことになり、同一の接続用識別情報(電話番号)を有する属性情報(氏名)ごとに分類して、あらかじめ定めた評価条件(例えば、第2の相手先との間の通話履歴の通話回数と通話開始時刻・通話終了時刻と接続用識別情報(電話番号))とに基づいて、該発信元の通信端末2が発信することを希望する発信相手先の可能性が高い相手先の順番を示す順位付けを行う。
【0065】
以上のように、順位付け処理部14は、発信元の通信端末2の発信時に発信相手先の属性情報(氏名)をテキストデータとして受け取った属性情報検索部12からの検索要求により、該発信相手先の属性情報(氏名)に基づいて電話帳データベース21を検索した際に、電話帳データベース21に該発信相手先の属性情報(氏名)と同姓同名の属性情報(氏名)が複数存在している場合に、通話履歴データベース22に保存されている通話履歴の情報に基づいて、複数の同姓同名の接続用識別情報(電話番号)を、前記評価条件に基づいて発信元のユーザが希望する発信相手先である可能性が高い順番に該可能性に関する確率を算出することにより、順位付けを行う。
【0066】
つまり、順位付け処理部14は、複数の通信端末2のうち、発信元の通信端末2から、発信相手先の属性情報(氏名)を含む発信要求を受け取った際に、電話帳データベース21を検索した結果として、電話帳データベース21内に発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報が複数個登録されていたことを検知した場合、通話履歴データベース22を参照した結果に基づいて、発信相手先の候補を抽出し、さらに、抽出した発信相手先の候補を、前記前記発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けを行う。
【0067】
さらに説明すると、順位付け処理部14は、通話履歴データベース22を参照した結果として、発信元の通信端末2に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの属性情報を第1の相手先として取得し、さらに、該第1の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの属性情報を第2の相手先として取得し、さらに、該第2の相手先に関する通話履歴データに通話相手先として含まれているユーザの属性情報を第3の相手先として取得する。
【0068】
そして、取得した前記第1の相手先、前記第2の相手先、前記第3の相手先それぞれの確認結果として、発信相手先の属性情報と同じ属性情報を有する通話相手先が存在していた場合には、該当する該通話相手先を発信相手先の候補として抽出する。
【0069】
ここで、抽出した発信相手先の候補が1個のみであった場合には、抽出した該発信相手先の候補を、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が最も高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、発信相手先の候補の接続用識別情報(例えば電話番号)とともに、順位付け情報として出力する。
【0070】
また、抽出した発信相手先の候補が複数存在していた場合には、抽出した発信相手先の候補それぞれに関する通話履歴データをあらかじめ定めた評価条件に基づいて評価して、重み付けすることにより、抽出した発信相手先の候補それぞれと発信元との間の関係性の深度を取得し、取得した発信元との間の関係性の深度に基づいて、抽出した発信相手先の候補それぞれを、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、順位付けた結果を、発信相手先の候補それぞれの接続用識別情報(例えば電話番号)とともに、順位付け情報として出力する。
【0071】
次に、順位付け処理部14においてグラフ理論の各種アルゴリズムを応用して、通話履歴データベース22から今回の発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報を有する通話履歴データを検索する検索動作の一例を、
図5の説明図を参照して説明する。
図5は、
図4に示した順位付け処理部14においてグラフ理論の幅優先探索アルゴリズムを応用して通話履歴データベース22を検索することにより今回の発信相手先と同じ属性情報を有する通話相手先を探索する探索例を示す説明図であり、探索結果としてヒットした通話相手先を今回の発信相手先の候補として抽出する処理内容を説明している。
【0072】
グラフ理論における幅優先探索アルゴリズムは、木構造の根ノードから探索を開始し、探索対象のノードを見つけるかすべてのノードを探索終了するまで、隣接するすべてのノードを順次探索していく動作を繰り返していくアルゴリズムであり、本実施形態の
図5に示す通話履歴データにおいては、通話相手先のユーザに関し、今回の発信元のユーザとの関係性の深さを示すレベルとして、第2ステップに至る深度まで通話履歴データの探索動作を繰り返す場合を示している。
【0073】
すなわち、発信元のユーザの通話履歴データを起点(根ノード)にして、幅優先探索アルゴリズムを用いて順次通話履歴データの探索を行い、第2ステップの深度まで、今回の発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報(氏名)を有する通話履歴データが存在しているか否かを探索し、探索した場合には、該属性情報(氏名)に対応して保存している通話相手先の接続用識別情報(電話番号)を、今回の発信相手先の候補として抽出する。而して、電話帳データベース21に複数の同姓同名が存在する場合であっても、過去に通話したことがある通信端末2の通話履歴を参照して、今回の発信時における発信相手先の候補を明らかにすることができる。
【0074】
ここで、通話履歴データベース22の探索において、木構造の根ノードとなる今回の発信元のユーザは「Zさん」であり、今回の発信相手先の属性情報(氏名)が「Aさん」であった場合と仮定する。
図5に示すように、木構造の根ノードの探索を実施すると、発信元の「Zさん」の通話履歴データ51には、「Zさん」の直接通話相手先となる第1相手先のユーザとして、今回の発信相手先の「Aさん」との通話履歴が1回存在していることが探索される。
【0075】
さらに、「Zさん」の通話履歴データ51に保存されている各通話相手先である「Aさん」「Dさん」「Bさん」それぞれの通話相手先を探索するための木構造の第1ステップの探索を実施すると、まず、発信元の「Zさん」の通話履歴データ51に保存されていた「Aさん」の通話履歴データ51Aには、当然のことながら、「Aさん」は存在していなく、また、探索対象の「Aさん」が第1相手先として探索済みになっているので、以降の探索は終了する。
【0076】
木構造の第1ステップの探索として、発信元の「Zさん」の通話履歴データ51に保存されていた「Aさん」以外のすべてのユーザの通話履歴データに関しても、第2相手先のユーザとして「Aさん」が存在しているか否かが探索される。
図5には、発信元の「Zさん」の通話履歴データ51に保存されていた「Aさん」以外のユーザとして、「Dさん」の通話履歴データ51Bを参照して、「Dさん」の通話履歴を探索した結果を示している。「Dさん」の通話履歴データ51Bには、
図5に示すように、「Zさん」「Cさん」「Fさん」との通話履歴があるものの、今回の発信相手先の「Aさん」との通話履歴は存在していない。また、木構造の第1ステップの探索結果として、
図5には示していないが、「Bさん」の通話履歴データにも、今回の発信相手先の「Aさん」との通話履歴は存在していない。したがって、木構造の第1ステップにおいては、発信元の「Zさん」の通話相手先であった「Dさん」「Bさん」のいずれの通話履歴データにおいても、木構造の第1ステップの探索結果を示す第2の相手先としては、探索対象の「Aさん」が存在していないことになる。
【0077】
次に、最終ステップとして、さらに、発信元の「Zさん」と直接通話した履歴がある「Dさん」の通話履歴データ51Bに保存されている各通話相手先である「Zさん」以外の「Cさん」「Fさん」それぞれの通話相手先を探索するための木構造の第2ステップの探索を実施する。なお、説明を簡素化するために、
図5に示していない「Bさん」に関する第2ステップの探索については、説明を省略する。木構造の第2ステップの探索結果として、
図5に示すように、「Cさん」の通話履歴データ51B1には、今回の発信相手先の「Aさん」との通話履歴は存在していない。これに対して、「Fさん」の通話履歴データ51B2には、発信元の「Zさん」の通話相手先のそのまた先の通話相手先の通話履歴データを探索する木構造の第2ステップの探索結果を示す第3の相手先として、今回の発信相手先の「Aさん」との通話履歴が1回存在していることが探索される。
【0078】
なお、本実施形態においては、発信元の通話履歴データを木構造の根ノードとしたノードマップを作成した場合において、あらかじめ定めた探索ステップとして、幅優先探索アルゴリズムの2ステップ以内の深度までであれば、発信元との関係性の深さから判断して、発信元の関係者であると見做すことができるので、通話履歴データのノードマップを根ノードから順次発信相手先の候補を探索していき、第2ステップまでで、通話履歴データの探索を終了することにしている。
【0079】
電話帳データベース21に発信元の発信相手先となる候補が複数存在していた場合に、
図5に示したような幅優先探索アルゴリズムを応用して、発信元のユーザとの関係性が明らかになった場合であっても、発信元の関係者内(幅優先探索の2ステップ以内の深度までの範囲内)において、発信相手先の候補を示す属性情報(氏名)として複数の同姓同名が存在する場合があり得る。例えば、発信元のユーザや該発信元の幅優先探索の2ステップ以内の通話相手先のユーザが、昨日と今日とで異なる通話相手(すなわち異なる接続用識別情報(電話番号))の“鈴木さん”と通話を行っていた場合などである。かかる場合には、幅優先探索アルゴリズムのみでは、今回の発信相手先に関する順位付けを行うことができない。
【0080】
そこで、
図5に示したような幅優先探索アルゴリズムを応用して通話履歴データベース22を探索した発信元のユーザとの関係性に対して、さらに、グラフ理論のダイクストラ法アルゴリズムやワーシャル-フロイド法アルゴリズムを応用して、今回の発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に重み付けした順位付けを行う。
図6は、
図4に示した順位付け処理部14において通話履歴データベース22の検索結果として探索した発信相手先の候補に関してグラフ理論のダイクストラ法アルゴリズムを応用して重み付けを行うことにより発信相手先の順位付けを行う一例を説明する説明図であり、通話履歴データベース22を参照して幅優先探索アルゴリズムを応用して探索した発信相手先の候補に関する‘重み付け’を行う動作の一例を示している。
【0081】
グラフ理論におけるダイクストラ法アルゴリズムは、各ノード間を結ぶ辺の重みが非負数の場合の最短経路を求めるアルゴリズムであり、本実施形態においては、
図6に示すような通話履歴データに関するノードマップに応用する。なお、
図6に示す通話履歴データに関するノードマップにおいては、一例として、
図5の木構造に示した各ユーザそれぞれの通話履歴データに存在している通話相手先の通話回数を重みとし、また、各ユーザそれぞれの通話履歴データに存在している通話相手先となる各ユーザ間の通話経路を、各ノード間を結ぶ辺としてグラフ表示している。そして、それぞれの辺を、通話回数に基づく重みを考慮に入れた線の太さにして示している。
【0082】
例えば、
図5の「Zさん」の通話履歴データ51の通話回数としては、通話相手先が「Bさん」の場合は3回であり、「Dさん」の場合は2回であり、「Aさん」の場合は1回であるので、
図6のグラフ表示においては、この順番に重み付けして各ノード間を結ぶ辺の太さを太く表示している。また、
図5の「Zさん」の通話相手先であった「Dさん」の通話履歴データ51Bの通話回数としては、通話相手先が「Cさん」の場合は4回であり、「Zさん」の場合は2回であり、「Fさん」の場合は1回であるので、
図6のグラフ表示においては、この順番に重み付けして各ノード間を結ぶ辺の太さを太く表示している。
【0083】
また、ワーシャル-フロイド法アルゴリズムは、重み付き有向グラフにおける全ペアの最短経路を求めるアルゴリズムであり、本実施形態の
図6に示す通話履歴データに関するノードマップに応用する場合は、通話履歴データの各ユーザそれぞれに関し、発信した場合と着信した場合とを区別したい場合等に適用して、
図6のグラフ表示を有向グラフ化して、発信・着信を有向グラフとして表現することになる。
【0084】
なお、
図6にノードマップとしてグラフ表示した各ノード間を結ぶ辺の重み付けは、本発明の特徴を示す第2の技術として前述したような評価条件を用いて実施すれば良いが、より具体的には、次の表1に示すような条件(パラメータ)を用いて実施することにする。つまり、表1に示すような条件(パラメータ)は、発信相手先の候補それぞれに関する通話履歴データを評価するためにあらかじめ定めた評価条件の一例を示している。評価条件として設定する個数も表1の場合に限るものではなく、必要に応じて、任意の個数をあらかじめ設定することが可能であることは言うまでもない。
【0086】
順位付け処理部14は、表1に示した条件を勘案して、
図6に示した各ノード間の辺の重みwを、次の式(1)に示すような計算式によって算出する。
【0088】
なお、各ノード間を結ぶ辺の重み付けに使用する表1の条件(パラメータ)に関しては、発信相手先の可能性を左右する影響度の大きさをあらかじめ定めた値に定義し、該影響度が大きいほど大きな数値を割り当てる。ここで、該影響度の大きさに関しては、過去の経験、発信相手先の組織や集団などに対応させて調整を行う。
【0089】
例えば、表1の項番1の条件に関しては、最大値の‘10’に設定し、項番4の条件に関しては、第1ステップで探索された場合には、‘7’、第2ステップで探索された場合には‘5’に設定し、発信元のユーザとの関係性の深さに応じて通話相手先の影響度の値を低下させていく。また、表1の項番2の条件に関しては、直近(例えば昨日)に通話した通話相手先の影響度を最大値の‘10’に設定して、過去に遡るほど、通話相手先の影響度の値を低下させていく。また、表1の項番6の条件に関しては、発信元に物理的に直近(例えば発信元の同じ市内局番)の通話相手先の影響度を ‘5’に設定して、発信元との間の距離に反比例して影響度を小さくしていく。
【0090】
なお、式(1)に示す重み付けの計算式においては、表1に示したすべての条件を用いて重みwを算出する例を示しているが、場合によっては、いくつかの条件に絞って適用するようにしても良い。例えば、第1の相手先、第2の相手先、第3の相手先それぞれで異なる重み(順次最大値が小さい値になる重み)を用いて、次のように重み付けを行っても良い。
【0091】
(1)抽出した発信相手先の候補が、第1の相手先に含まれている場合、発信元の通信端末との通話回数、通話開始時刻、通話終了時刻、物理的な距離、発信者のユーザの利用頻度が多い接続用識別情報との類似性のうちいずれか1ないし複数を含む条件を適用して、重み付けを行う。
【0092】
(2)抽出した前記発信相手先の候補が、前記第2の相手先に含まれている場合、前記第1の相手先の通信端末との通話回数、通話開始時刻、通話終了時刻、物理的な距離、発信者のユーザの利用頻度が多い接続用識別情報との類似性のうちいずれか1ないし複数を含む条件を適用して、重み付けを行う。
【0093】
(3)抽出した前記発信相手先の候補が、前記第3の相手先に含まれている場合、前記第2の相手先の通信端末との通話回数、通話開始時刻、通話終了時刻、物理的な距離、発信者のユーザの利用頻度が多い接続用識別情報との類似性のうちいずれか1ないし複数を含む条件を適用して、重み付けを行う。
【0094】
また、式(1)においては、辺の重みwを算出するために、各条件よる影響度の総和の逆数を用いているが、その理由は、ダイクストラ法アルゴリズムによって、発信元のユーザが希望する発信相手先の可能性が高い通信端末2ほどノード間の距離を短くなるようにして、ノード間の距離が最短になる通話相手先を発信相手先の可能性が最も高い通信端末として求めるための前処理であるからである。言い換えると、今回の発信元のユーザの希望する発信相手先の可能性が最も高い通話相手先(すなわち、各条件による影響度の総和が最も大きく、辺の重みwの値が最も小さい通話相手先)に最短で辿り着くようにすることができるからである。
【0095】
以上のように、順位付け処理部14は、通話履歴データベース22の幅優先探索アルゴリズムによる探索結果として、複数の発信相手先の候補が探索された場合には、表1に示したような評価条件を勘案して作成した
図6に示したような各ノード間の辺に重み付けされたデータを基にして、ダイクストラ法アルゴリズムやワーシャル-フロイド法アルゴリズムを用いて、発信元の「Zさん」の通信端末2から発信相手先の「Aさん」の通信端末2に達するまでの距離を算出して、最短距離から順番に順位付けを行うことにより、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に、幅優先探索アルゴリズムを応用して取得した発信相手先の候補を順位付けすることができる。
【0096】
なお、順位付け処理部14は、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報(氏名)が1個しか登録されていなかった場合には、当該属性情報に対応して電話帳データベース21に登録されている接続用識別情報(電話番号など)を、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い発信相手先を示す情報として、発信相手先の接続用識別情報(電話番号など)の検索要求元の属性情報検索部12に対して返送する。
【0097】
また、順位付け処理部14は、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報(氏名)が複数個登録されていた場合には、通話履歴データベース22に保存されている各通話端末の通話履歴データを参照して、発信元のユーザのみならず、発信元のユーザの通話履歴データに存在している通話相手先さらにその先の通話相手先のユーザの通話履歴データまで(すなわち、幅優先探索アルゴリズムの第2ステップまで)の探索を行い、探索した範囲内で、ダイクストラ法アルゴリズムやワーシャル-フロイド法アルゴリズムのグラフ理論を用いて、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けした発信相手先の候補を示す情報を、該可能性に関するスコア(重み付けされた距離データ)とともに、発信相手先の接続用識別情報(電話番号など)の検索要求元の属性情報検索部12に対して返送する。
【0098】
属性情報検索部12は、順位付け処理部14から返送されてきた情報に基づいて、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報(氏名)が1個しか存在していなかった場合には、該属性情報(氏名)に対応して登録されている発信相手先の接続用識別情報(電話番号など)を、発信相手先として送信する指示を、発信制御部13に対して出力する。さらに、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報(氏名)が複数個存在していた場合には、該複数個の発信相手先の候補のうち、過去の通話履歴データの参照結果を用いて順位付けされた情報として発信元の通信端末2から最短距離にある通話相手先の通信端末2の接続用識別情報(電話番号など)を、発信相手先として送信する指示を、発信制御部13に対して出力する。
【0099】
なお、以上に説明したように、本実施形態においては、発信相手先の属性情報として氏名を用いて、電話帳データベース21や通話履歴データベース22に、発信相手先の属性情報として同姓同名が複数個存在している場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、発信相手先の属性情報として、姓のみが発信先の通信端末2から入力されてきた場合や会社名を発信先の通信端末2から入力されてきた場合であっても、属性情報が氏名の場合と同様に扱うことができ、入力されてきた発信相手先の属性情報(姓や会社名)と同じ情報が電話帳データベース21や通話履歴データベース22に存在しているか否かを探索すれば良い。
【0100】
また、属性情報検索部12において、順位付け処理部14における通話履歴データベース22の探索結果として、順位付けされた複数個の発信相手先の候補に関する情報を受け取った際に、順位付けの最も高い発信相手先の候補(すなわちダイクストラ法アルゴリズム等において発信元との間の距離が最短になる発信相手先の候補)を今回の発信相手先として自動的に選択して、該発信相手先の候補の接続用識別情報(電話番号)に対して発信することを要求する場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、属性情報検索部12は、順位付けされた複数個の発信相手先の候補に関する情報を、発信元の通信端末2に画面表示して、発信元の通信端末2のユーザに選択させるようにしても良い。
【0101】
また、電話帳データベース21や通話履歴データベース22を主制御装置1内に有する場合について説明したが、構内交換機3側に保有するようにしても良いし、さらには、複数個の通信端末2間で共用することを可能にするように配置しても構わない。また、通信端末2としては、固定電話機や携帯電話機やスマートフォンやタブレット等の通常の電話機能を有する端末以外にも、例えば、音声端末(スマートスピーカ)に応用することも可能である。
【0102】
(実施形態の動作の説明)
次に、本発明の特有の機能として
図4に示した順位付け処理部14の動作について、その一例を、
図7のフローチャートを参照してさらに説明する。
図7は、本発明の実施形態の一例として
図4に示した順位付け処理部14の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報(氏名)が複数個存在している同姓同名問題を解決するために通話履歴データベース22を参照する場合について示している。
【0103】
なお、
図7のフローチャートにおいて、通話履歴データベース22に保存されている通話相手先の通信端末をノードと表現し、通話履歴がある通話相手先同士を、該通話相手先のノード間を結ぶ辺として表現している。また、今回の発信元の「Zさん」の通信端末2を‘Z端末’と表現し、同姓同名のために発信元のユーザが発信相手先として特定することができなかった「Aさん」の通信端末2を‘A端末’として表現している。さらに、幅優先探索アルゴリズムによる通話履歴データの探索結果において「Aさん」という同姓同名の通話履歴データが複数個探索された場合には、‘A端末群’として表現している。
【0104】
図7のフローチャートが起動すると、順位付け処理部14は、電話帳データベース21の検索結果として、発信元のA端末から受け取った発信相手先の属性情報(氏名)に同姓同名が発生しているために、まず、構内交換機3に収容されている全通信端末に関する通話履歴データのうち、あらかじめ定めた特定時間範囲内の通話履歴データを通話履歴データベース22から取得する(ステップS1)。しかる後、取得した特定時間範囲内の通話履歴データに基づいて、発信元の通信端末2であるZ端末を起点(根ノード)にして、
図5、
図6に例示したようなノードマップを作成し、幅優先探索アルゴリズムを応用して、発信元のZ端末の発信相手先のA端末を探索するために、通話相手先に関し、発信元のZ端末のユーザとの関係性の深さを示すレベルとして、第2ステップに至る深度までの範囲内で、通話履歴データの探索動作を繰り返す(ステップS2)。
【0105】
次いで、通話履歴データの探索結果として、通話履歴データに関する前記ノードマップ内に、発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報に該当するA端末が複数個探索されているか否かを確認する(ステップS3)。発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報に該当するA端末が1個だけ探索された場合には(ステップS3の‘A端末が1件’の場合)、今回の発信元のZ端末のユーザが希望する発信相手先のA端末である可能性が最も高い通信端末2が探索された旨を示す探索結果を、1個だけ探索されたA端末の接続用識別情報(電話番号)、通話開始時刻・通話終了時刻の情報とともに、順位付け情報として、探索要求元の属性情報検索部12に対して出力して、順位付け処理部14の動作を終了する(ステップS4)。
【0106】
なお、
図7のフローチャートには示していないが、通話履歴データの探索結果として、発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報に該当するA端末が1個も探索されなかった場合には、今回の発信元のZ端末のユーザが希望する発信相手先のA端末である可能性が高い通信端末2は探索されなかった旨を示す探索結果を、探索要求元の属性情報検索部12に対して出力して、順位付け処理部14の動作を終了する。
【0107】
一方、発信相手先の属性情報(氏名)と同じ属性情報に該当するA端末が複数個探索された場合には(ステップS3の‘A端末が複数’の場合)、通話履歴データに関する第2ステップに至る深度までの範囲内での幅優先探索アルゴリズムによる探索結果として、通話履歴データにおいても同姓同名問題が生じているので、まず、発信元のZ端末のノードと複数個の発信相手先のA端末群それぞれのノードとの間を結ぶ各辺を、
図6に示したように、例えば表1に示した条件などに基づいて重み付けを行う(ステップS5)。
【0108】
しかる後、重み付けされた辺により構成されたノードマップに対して、ダイクストラ法アルゴリズムやワーシャル-フロイド法アルゴリズムのグラフ理論を応用して、各辺の重みを加味して、Z端末とA端末群それぞれの通信端末との間の距離を、発信元のZ端末のユーザとの関係性の深さを示す情報として算出し、今回の発信元のZ端末が希望する発信相手先である可能性があるA端末群の順位付けを行う(ステップS6)。
【0109】
さらに、順位付けされたA端末群を、今回の発信元のZ端末のユーザが希望する発信相手先のA端末である可能性が高い順番に並ぶように、Z端末からの最短距離にあるA端末を先頭にして、距離が短い順にソートする(ステップS7)。そして、今回の発信元のZ端末のユーザが希望する発信相手先のA端末である可能性が高い通信端末2が複数探索された旨を示す探索結果(該可能性のスコア(重み)をさらに付加しても良い)を、Z端末との間の距離が短い順にソートした情報と、複数個探索された各A端末それぞれの接続用識別情報(電話番号)、通話開始時刻・通話終了時刻の情報とともに、順位付け情報として、探索要求元の属性情報検索部12に対して出力して、順位付け処理部14の動作を終了する(ステップS8)。
【0110】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、以下の効果を奏することができる。
【0111】
第1の効果は、電話帳データベース21内に複数の発信相手先の候補(例えば、発信元が指定した発信相手先の属性情報(氏名)と同姓同名の複数の属性情報)が存在していて、発信相手先を特定することができない場合であっても、発信元のユーザが希望する可能性が高い発信相手先を特定することができ、而して、ユーザが希望する発信相手先に高い精度で発信することができることである。
【0112】
第2の効果は、電話帳データベース21内に複数種類の属性情報(例えば、氏名や会社名以外に、住所や会社内の所属部署・役職など)を追加して登録して、発信相手先の特定のために利用するようにしなくても、発信元のユーザが希望する可能性が高い発信相手先を特定することができ、而して、発信時におけるユーザの操作性を損ねることもなく、ユーザが希望する発信相手先に高い精度で発信することができることである。
【0113】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【解決手段】構内交換機3に接続した主制御装置1は、順位付け処理部14において、電話帳データベース21に発信相手先の属性情報と同じ情報が複数登録されていたことを検知した場合、‘友達の友達は関係者’というSNSのFOAF法則を応用して通話履歴データベース22を参照した結果に基づいて発信相手先の候補を抽出し、抽出した発信相手先の候補が複数存在する場合は、さらに、各発信相手先の候補の通話履歴データを所定の条件に基づいて重み付けすることにより発信元との間の関係性の深度を取得した結果を用いて、抽出した発信相手先の候補それぞれを、発信元のユーザが発信相手先として希望する可能性が高い順番に順位付けて、発信相手先の候補それぞれの接続用識別情報とともに出力する。