特許第6885663号(P6885663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6885663情報処理装置及び方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885663
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20210603BHJP
【FI】
   G06Q50/22
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-122767(P2015-122767)
(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公開番号】特開2017-10152(P2017-10152A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年6月15日
【審判番号】不服2019-13523(P2019-13523/J1)
【審判請求日】2019年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】511215908
【氏名又は名称】MRT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】馬場 稔正
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 佐藤 聡史
【審判官】 中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−293637(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−0484234(KR,A)
【文献】 特開2002−281167(JP,A)
【文献】 特開平9−028682(JP,A)
【文献】 特開2002−215804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療相談を支援する情報処理装置であって、
医療相談対応者の属性情報と、当該医療相談対応者による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医療相談対応者毎に管理する管理手段と、
アクセスをしてきた所定のユーザの端末に対して、前記複数の医療相談対応者の夫々の属性情報を提示し、前記複数の医療相談対応者のうち、当該ユーザにより選択された医療相談の候補医療相談対応者については、当該候補医療相談対応者の前記医療相談ログ情報を提示する提示手段と、
1以上の前記候補医療相談対応者の中から前記ユーザにより選択された医療相談の担当医療相談対応者に対する、前記ユーザの医療相談を支援する制御を実行する医療相談支援手段と、
前記医療相談支援手段の制御対象となった前記担当医療相談対応者による医療相談の内容を、当該担当医療相談対応者の前記医療相談ログ情報として生成し、前記管理手段に供給する制御を実行する医療相談ログ生成手段と、
を備え、
前記医療相談支援手段は、
前記医療相談を支援する制御として、前記ユーザの生体データが異常値になったことをトリガとする、前記ユーザの端末から前記担当医療相談対応者の端末に対する当該異常値の送信の制御を実行し、
前記医療相談ログ生成手段により生成される前記医療相談ログ情報は、マイナンバーへの記録用途、及び電子カルテに連動させる用途のうち少なくとも1つの用途に適用される情報である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記担当医療相談対応者に対する前記ユーザの評価を受け付ける評価受付手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記担当医療相談対応者の評価を、当該担当医療相談対応者の属性情報の一部として管理する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記医療相談ログ情報は、医療相談中に前記担当医療相談対応者の端末と前記ユーザの端末との間で送受信された情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
医療相談を支援する情報処理装置が実行する情報処理方法において、
医療相談対応者の属性情報と、当該医療相談対応者による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医療相談対応者毎に管理する管理ステップと、
アクセスをしてきた所定のユーザの端末に対して、前記複数の医療相談対応者の夫々の属性情報を提示し、前記複数の医療相談対応者のうち、当該ユーザにより選択された医療相談の候補医療相談対応者については、当該候補医療相談対応者の前記医療相談ログ情報を提示する提示ステップと、
1以上の前記候補医療相談対応者の中から前記ユーザにより選択された医療相談の担当医療相談対応者に対する、前記ユーザの医療相談を支援する制御を実行する医療相談支援ステップと、
前記医療相談支援ステップにおいて制御対象となった前記担当医療相談対応者による医療相談の内容を、当該担当医療相談対応者の前記医療相談ログ情報として生成し、前記管理ステップの管理対象として供給する制御を実行する医療相談ログ生成ステップと、
を含み、
前記医療相談支援ステップは、
前記医療相談を支援する制御として、前記ユーザの生体データが異常値になったことをトリガとする、前記ユーザの端末から前記担当医療相談対応者の端末に対する当該異常値の送信の制御を実行するステップを含み、
前記医療相談ログ生成ステップで生成される前記医療相談ログ情報は、マイナンバーへの記録用途、及び電子カルテに連動させる用途のうち少なくとも1つの用途に適用される情報である、
情報処理方法。
【請求項5】
医療相談を支援するコンピュータに、
医療相談対応者の属性情報と、当該医療相談対応者による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医師毎に管理する管理ステップと、
アクセスをしてきた所定のユーザの端末に対して、前記複数の医療相談対応者の夫々の属性情報を提示し、前記複数の医療相談対応者のうち、当該ユーザにより選択された医療相談の候補医療相談対応者については、当該候補医療相談対応者の前記医療相談ログ情報を提示する提示ステップと、
1以上の前記候補医療相談対応者の中から前記ユーザにより選択された医療相談の担当医療相談対応者に対する、前記ユーザの医療相談を支援する制御を実行する医療相談支援ステップと、
前記医療相談支援ステップにおいて制御対象となった前記担当医療相談対応者による医療相談の内容を、当該担当医療相談対応者の前記医療相談ログ情報として生成し、前記管理ステップの管理対象として供給する制御を実行する医療相談ログ生成ステップと、
を含む制御処理を実行させ、
前記医療相談支援ステップの少なくとも一部として、
前記医療相談を支援する制御として、前記ユーザの生体データが異常値になったことをトリガとする、前記ユーザの端末から前記担当医療相談対応者の端末に対する当該異常値の送信の制御を実行させ、
前記医療相談ログ生成ステップで生成される前記医療相談ログ情報は、マイナンバーへの記録用途、及び電子カルテに連動させる用途のうち少なくとも1つの用途に適用される情報である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セカンドオピニオン(所定の症例に関する質問に対する回答)を自動的に行う技術が存在する(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−001896号公報
【特許文献2】特開2005−293273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単にセカンドオピニオンを求めるだけではなく、一歩進んで、各種各様な医療相談を医療機関に赴くことなく手軽にしたいというユーザの要望が増えている。さらに、この場合、適切な医師に医療相談をしたいというユーザの要望も増えている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって適切な医師に対して、各種各様な医療相談を医療機関に赴くことなく手軽にユーザが行える技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の情報処理装置は、
医療相談を支援する情報処理装置であって、
医療相談対応者の属性情報と、当該医療相談対応者による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医療相談対応者毎に管理する管理手段と、
アクセスをしてきた所定のユーザの端末に対して、前記複数の医療相談対応者の夫々の属性情報を提示し、前記複数の医療相談対応者のうち、当該ユーザにより選択された医療相談の候補医療相談対応者については、当該候補医療相談対応者の前記医療相談ログ情報を提示する提示手段と、
1以上の前記候補医療相談対応者の中から前記ユーザにより選択された医療相談の担当医療相談対応者に対する、前記ユーザの医療相談を支援する制御を実行する医療相談支援手段と、
前記医療相談支援手段の制御対象となった前記担当医療相談対応者による医療相談の内容を、当該担当医療相談対応者の前記医療相談ログ情報として生成し、前記管理手段に供給する制御を実行する医療相談ログ生成手段と、
を備える。
【0007】
ここで、
前記担当医療相談対応者に対する前記ユーザの評価を受け付ける評価受付手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記担当医療相談対応者の評価を、当該担当医療相談対応者の属性情報の一部として管理する、ようにすることができる。
【0008】
前記医療相談ログ情報は、医療相談中に前記担当医療相談対応者の端末と前記ユーザの端末との間で送受信された情報を含むようにすることができる。
ようにしてもよい。
【0009】
本発明の一側面の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一側面の情報処理装置に対応する方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザにとって適切な医師に対して、各種各様な医療相談を医療機関に赴くことなく手軽にユーザが行える技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムの構成要素のうち、本発明が適用される情報処理装置の一実施形態としてのサーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3図2のサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4】医師リストを掲載する専用のウェブサイトの一例を示す図である。
図5】属性情報に対応付けられた医師相談ログ情報の一例を示す図である。
図6図3の機能的構成のサーバ1が実行する医療相談支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[全体構成]
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムSの全体構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムSは、サーバ1と、医療相談を求め得るn人(nは任意の整数値)のユーザが夫々保有するユーザ端末2−1〜2−nと、医療相談に対応し得るm人(mは任意の整数値)の医師が夫々保有する医師端末3−1〜3−mが、ネットワーク4を介して相互に接続されて構成される。
なお、ユーザ端末2−1〜2−nの夫々を、個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「ユーザ端末2」と呼ぶ。同様に、医師端末3−1〜3−mの夫々を、個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「医師端末3」と呼ぶ。
【0015】
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態としてのサーバ1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0016】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0017】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0019】
入力部16は、キーボードやマウス等で構成され、オペレータの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワーク4を介してユーザ端末2又は医師端末3との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0021】
なお、図示は省略するが、ユーザ端末2及び医師端末3の夫々は、図2のCPU11乃至ドライブ20の夫々と基本的に同様の構成と機能を有しているものとする。
【0022】
図3は、サーバ1の機能的構成を示す機能ブロック図である。
サーバ1のCPU11においては、医師リスト提示部51と、医師選択受付部52と、カウンセリング支援部53と、カウンセリング結果記録制御部54と、評価受付部55とが機能する。
【0023】
記憶部18の一領域には、医師情報DB61と、カウンセリング結果DB62とが設けられる。
医師情報DB61には、複数の医師毎に、各医師の属性情報が格納されている。属性情報自体は、特に限定されないが、少なくとも医師本人を特定可能な情報(例えばID等)と、専門分野を含み、本実施形態ではさらに、医師のカウンセリングに対するユーザの評価も含まれる。
カウンセリング結果DB62には、複数の医師毎に、過去のカウンセリング結果のログ情報が格納されている。
医師情報DB61とカウンセリング結果DB62とは対応付けられて、サーバ1のCPU11により管理されている(管理手段の機能ブロックは図3には不図示)。
即ち、図4には不図示の管理手段は、医師の属性情報と、当該医師による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医師毎に管理する。
【0024】
ユーザ端末2は、医師によるカウンセリングを希望するユーザの操作により、サーバ1にアクセスする。
医師リスト提示部51は、このようにアクセスをしてきたユーザ端末2に対して、複数の医師の夫々の属性情報を羅列したリスト(以下、「医師リスト」と呼ぶ)を提示する。
【0025】
図4は、医師リストを掲載する専用のウェブサイトの一例を示している。
ウェブサイト71には、複数の医師の夫々の属性情報81−1乃至81−5が掲示される。
複数の医師の属性情報81−1乃至81−5は、クリック等の操作がなされると、拡大表示される(図4の例では属性情報81−1が拡大表示さる)。
【0026】
図4の例の医師の属性情報81−1乃至81−5の夫々には、医師の属性情報として、当該医師の顔写真、当該医師の氏名(Dr〇〇等)、当該医師の専門分野(内科医等)及び当該専門の経験年数(15年等)、当該医師に対する総合評価、並びに、当該医師のカウンセリングの平均的な相談時間が含まれている。
ここで、図4の例では、当該医師に対する総合評価は、0乃至5の範囲内の数値(4.2等の小数一桁)で行われる。ただし、概要として、黒い星印の数による5段階表示(例えば総合評価が4.2ならは星印4つの評価)も行われている。
ユーザは、このような属性情報81−1乃至81−5の各属性情報を視認して、今回のカウンセリングを望む医師の候補(以下、「カウンセリング候補医師」と呼ぶ)を指定する。
カウンセリング候補医師の指定手法は、ユーザ端末2を操作する手法であれば足り、特に限定されないが、本実施形態では、拡大表示の操作により指定する手法が採用されている。
即ち、図4の例では、拡大表示された属性情報81−1により特定される医師が、カウンセリング候補医師である。
【0027】
ユーザは、このようにして選択した1以上のカウンセリング候補医師の中から、さらに、実際にカウンセリングを担当してもらう対象となる医師(以下、「カウンセリング対象医師」と呼ぶ)を選択する。
ここで、ユーザは、カウンセリング候補医師の属性情報(図4の例では属性情報81−1)のみを判断対象として、カウンセリング対象医師を選択することもできる。
しかしながら、昨今のユーザは、一般的に入手可能な属性情報だけではなく、カウンセリング候補医師の得意分野を見極めてから、カウンセリング対象を選択したいと望むようになってきている。
例えば、ユーザはAGA(男性型脱毛症)に関するカウンセリングを所望している場合、属性情報で示される「皮膚科医」等の専門分野だけから、AGAを得意としているのか否かを判断することは困難である。
ここで、AGAに関する過去のカウンセリング結果が医師相談ログ情報として存在し、当該医師相談ログ情報を参照することができれば、ユーザは、当該医師相談ログ情報と対応付けられた医師はAGAを得意としているのか否かを見極めることが容易にできるようになる。
このため、上述したように、本実施形態では、複数の医師毎に、医師の属性情報と、当該医師による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医師毎に管理されている。
【0028】
そこで、医師リスト提示部51は、カウンセリング候補医師が選択された場合、その属性情報(図4の例では属性情報81−1)のみならず、図5に示すように、医師相談ログ情報もユーザ端末2に提示する。
図5は、属性情報に対応付けられた医師相談ログ情報の一例を示している。
図5の例では、属性情報81−1に対して、過去に行われた4回のカウンセリング結果等を示す医師相談ログ情報91−1乃至91−4が対応付けられている。
ここで、医師相談ログ情報91−1及び91−4とは、医師(経験10年の皮膚科医のDr〇〇)が、別々の者に行ったAGAについてのカウンセリング結果を示している。
従って、ユーザは、医師相談ログ情報91−1及び91−4を確認することで、この医師(経験10年の皮膚科医のDr〇〇)がAGAに詳しいと推認(少なくともカウンセリングの経験があると認識)することができる。
【0029】
そこで、ユーザは、この属性情報81−1に対応付けられたカウンセリング候補医師を、カウンセリング対象医師として選択したものとする。
ここで、カウンセリング対象医師の選択手法は、特に限定されないが、本実施形態では、属性情報(図5の例では属性情報81−1)に設けられた「please」のボタンを押下して選択する手法が採用されている。つまり、ここでは、図5の属性情報81−1内の「please」のボタンが押下されたものとする。
図3に戻り、医師選択受付部52は、複数の医師のうち、1以上のカウンセリング候補医師の中からユーザにより選択されたカウンセリング対象医師を受付ける。具体的には、ここでは、医師選択受付部52は、図5の属性情報81−1内の「please」のボタンが押下されたことを検出することで、属性情報81−1に対応付けられた医師(経験10年の皮膚科医のDr〇〇)がカウンセリング対象医師として選択されたことを受付ける。
【0030】
カウンセリング支援部53は、カウンセリング対象医師に対する、ユーザの医療相談を支援する制御(以下、このような制御処理を「カウンセリング処理」と呼ぶ)を実行する。
カウンセリング処理の内容は、ユーザがカウンセリング対象医師とコミュニケーションを取りながら相談をすることが可能となるように支援する処理であって、そのカウンセリング結果を医療相談ログ情報として生成可能な処理であれば、任意の内容でよい。
ユーザとカウンセリング対象医師とのコミュニケーションの手法も、特に限定されないが、双方の顔画像等を見ながら会話ができる動画のソフトウェア等を利用した手法であると好適である。
双方の会話(音声情報)のみならず、その場で又は過去に撮影した患部の画像等各種コンテンツも送受信できる環境が整った手法であるとさらに好適である。
【0031】
さらに例えば、ユーザ端末2が、心電計、血圧、心拍等の生体データを測定可能又は取得可能であれば、当該生体データを、カウンセリング対象医師の医師端末3(図3の例では医師端末3−1)に送信することもできる。
また例えば、聴診器をユーザ側で当ててもらい、その心音のデータをユーザ端末2から医師端末3に送信することもできる。カウンセリング対象医師は、医師端末3から心音のデータを再生させることで、当該心音をその場で聞いて診察することも可能になる。
また、ユーザは、自己採血で血液をとり、その血液の分析データ(ユーザ端末2で例えば分析が可能)をユーザ端末2から医師端末3に送信することもできる。カウンセリング対象医師は、その分析結果を確認して、簡単な処置等を、遠隔でユーザ(患者や家族)に指示をだしながら処置することもできる。
つまり、カウンセリング処理が対象とする行為、即ち本明細書でいう「医療相談」とは、単なるカウンセリングに留まらず、診断をしたり、処置等の指示を遠隔で行うことを含む広義な概念である。
なお、本実施形態では、ユーザの意思によるユーザ端末2からサーバ1へのアクセスがあったときに、カウンセリング処理が実行されたが、カウンセリング処理のトリガは特にこれに限定されない。例えば、ユーザ端末2が定期的に生体データを測定可能又は取得可能であれば、生体データが異常値になったことをトリガとして、その異常値を医師端末3に送信して、医師が即座に診断可能となるようなカウンセリング処理を実行することもできる。
この場合、医師端末3が携帯可能な場合、カウンセリング対象医師が、医療機関にいないとき、即ち遠隔移動のときであっても、携帯している医師端末3を操作して、医療相談に対する応答を適切に行うことが可能になる。
逆に、ユーザ端末2が携帯可能な場合、医療機関に赴くことができないとき、即ち遠隔移動のときであっても、ユーザは、携帯しているユーザ端末2を操作して、医療相談を適切に行うことが可能になる。
【0032】
カウンセリング結果記録制御部54は、カウンセリング対象医師によるカウンセリングの内容(カウンセリング結果)を、当該カウンセリング対象医師の医療相談ログ情報として生成し、カウンセリング結果DB62に記憶させる。
ここで、医療相談ログ情報の形態や内容は、特に限定されず、ユーザとカウンセリング対象医師との間のコミュニケーションの様子を示すコンテンツ(動画や音声)、ユーザとカウンセリング対象医師との間で送受信されたデータ(患部の写真等)、カウンセリング対象医師が作成したカルテ情報等各種各様な情報を採用することができる。
さらに、医療相談ログ情報は、本実施形態の用途に特に限定されず、今後見込まれる血液のデータ等の情報と共に、マイナンバーへの記録用途や、電子カルテに連動させる用途等幅広く適用可能である。
【0033】
評価受付部55は、カウンセリング対象医師に対するユーザの評価をユーザ端末2から受け付ける。
ユーザ評価の形態や内容は、特に限定されないが、図4図5の例を適用する場合、例えば0〜5の評価値を含むものであるとよい。各個人の評価値に基づいて、総合評価値を算出することが容易にできるからである。その他、コメント(文章)等を評価に含めるようにしてもよい。
評価受付部55は、受け付けた評価を、カウンセリング対象医師の属性情報の一部として医師情報DB61に格納する。
【0034】
次に、図6を参照して、図3の機能的構成のサーバ1が実行する一連の処理(以下、「医療相談支援処理」と呼ぶ)について説明する。
図6は、図3の機能的構成のサーバ1が実行する医療相談支援処理の流れを説明するフローチャートである。
【0035】
ステップS1において、医師リスト提示部51は、ユーザ端末2からアクセスを受付けたか否かを判定する。
ユーザ端末2からサーバ1に対するアクセスが無い場合、ステップS1においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻される。即ち、図1のユーザ端末2−1乃至2−nの何れからもサーバ1に対するアクセスが無い場合、ステップS1の判定処理が繰り返され、医療相談支援処理は待機状態になる。
ユーザ端末2−1乃至2−nのうちの何れかからサーバ1に対してアクセスがあった場合、ステップS1においてYESであると判定されて、処理はステップS2に進む。
【0036】
ステップS2において、医師リスト提示部51は、医師リストをユーザ端末2に提示する(図4のウェブサイト71参照)。つまり、複数の医師の属性情報(図4の例では属性情報81−1乃至81−5)がユーザに提示される。
【0037】
ステップS3において、医師リスト提示部51は、カウンセリング候補医師が選択されたか否かを判定する。
カウンセリング候補医師が選択されなかった場合、ステップS3においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻されて、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、カウンセリング候補医師が選択された場合(図4の例では、属性情報81−1が拡大表示されることで、当該属性情報81−1で特定される医師がカウンセリング候補医師として選択された場合)、ステップS3においてYESであると判定されて、処理はステップS4に進む。
【0038】
ステップS4において、医師リスト提示部51は、カウンセリング候補医師に対する、カウンセリング結果等を示す医師相談ログ情報(図5の医師相談ログ情報91−1乃至91−4)をユーザ端末2に提示する。
【0039】
ステップS5において、医師リスト提示部51は、カウンセリング候補医師がカウンセリング対象医師として選択されたか否かを判定する。
カウンセリング候補医師がカウンセリング対象医師として選択されなかった場合、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻されて、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、カウンセリング候補医師がカウンセリング対象医師として選択された場合(図5の例では、属性情報81−1の「please」のボタンが押下された場合)、ステップS5においてYESであると判定されて、処理はステップS6に進む。
【0040】
ステップS6において、カウンセリング支援部53は、カウンセリング対象医師がユーザに対するカウンセリング等を行うことを支援するカウンセリング処理を実行する。
ステップS7において、カウンセリング支援部53は、カウンセリング等が終了したか否かを判定する。
カウンセリング等が継続中の場合、ステップS7においてNOであると判定されて、処理はステップS6に戻されて、それ以降の処理が繰り返される。つまり、カウンセリング等が継続中の場合、ステップS6及びS7のループ処理が繰り返し実行されて、カウンセリング処理が継続中になる。
カウンセリングが終了すると、ステップS7においてYESであると判定されて、処理はステップS8に進む。
【0041】
ステップS8において、カウンセリング結果記録制御部54は、カウンセリング対象医師によるカウンセリングの内容(カウンセリング結果)を、当該カウンセリング対象医師の医療相談ログ情報(ログ)として生成し、カウンセリング結果DB62に保存させる。
【0042】
ステップS9において、評価受付部55は、カウンセリング対象医師に対するユーザの評価をユーザ端末2から受け付ける。
ステップS10において、評価受付部55は、受け付けた評価を、ステップS8の処理でログとして保存されたカウンセリング結果と対応付けて、医師情報DB61に保存させる。
【0043】
ステップS10において、サーバ1は、処理の終了指示があったか否かを判定する。
処理の終了指示は、特に限定されず、例えばサーバ1の電源遮断の指示等を採用することができる。
電源遮断の指示等がない場合、ステップS11においてNOであると判定されて処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、電源遮断の指示等があった場合、ステップS11においてYESであると判定されて、医療相談支援処理は終了する。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0045】
例えば、医療相談対応者は、上述の実施形態では医師とされたが、特にこれに限定されない。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、医療相談を支援する情報処理装置である。ここで、医療相談とは、上述したように、上述の実施形態の単なるカウンセリングに留まらず、診断をしたり、処置等の指示を遠隔で行うことも含む。
従って、医療相談対応者は、医師の他、歯科医、心理カウンセラー等任意の者が該当し得る。
【0046】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、以下のような構成を取れば足り、上述の図3のサーバ1を含め各種各様な構成を取ることが可能である。
本発明が適用される情報処理装置は、
医師の属性情報と、当該医師による過去の医療相談ログ情報とを対応付けて複数の医師毎に管理する管理手段(例えば図3の医師情報DB61とカウンセリング結果DB62とを対応付けて管理する図2のCPU11)と、
アクセスをしてきた所定のユーザの端末(例えば図3のユーザ端末2)に対して、前記複数の医師の夫々の属性情報を提示し(例えば図4参照)、前記複数の医師のうち、当該ユーザにより選択された医療相談の候補医師については、当該候補医師の前記医療相談ログ情報を提示する(例えば図5参照)提示手段(例えば図3の医師リスト提示部51)と、
1以上の前記候補医師の中から前記ユーザにより選択された医療相談の担当医師に対する、前記ユーザの医療相談を支援する制御を実行する医療相談支援手段(例えば図3のカウンセリング支援部53)と、
前記医療相談支援手段の制御対象となった前記担当医師による医療相談の内容を、当該担当医師の前記医療相談ログ情報として生成し、前記管理手段に供給する制御を実行する医療相談ログ生成手段(例えば図3のカウンセリング結果記録制御部54)と、
を備えればよい。
【0047】
ここで、前記担当医師に対する前記ユーザの評価を受け付ける評価受付手段(例えば図3の評価受付部55)をさらに備え、
前記管理手段は、前記担当医師の評価を、当該担当医師の属性情報の一部として管理する、
ようにすることができる。
【0048】
また、前記医療相談ログは、医療相談中に前記担当医師の端末と前記ユーザの端末との間で送受信された情報を含むようにすることができる。
【0049】
なお、本発明が適用される情報処理装置は、医師の診断の前に、AIやビックデータによる自動診断にも適用可能である。
つまり、本発明が適用される情報処理装置は、医師のかわりに「診断」をしてくれる「自動診断システム」に適用することができる。
この自動診断システムは、例えばウェブで動く、プライマリケアに特化したシステムとして構成することができる。
例えば、なにか体調が悪くて、でも医師にかかるほどでもないからネットで調べたいって思っているような人が、ユーザになり得る。
具体的には例えば、ユーザは、自分の年齢、性別、最もつらい症状を、既往歴等をフォームに入力する。
次に、自動診断システムは、その入力された情報の中で、可能性の高い疾患を確率順に列挙し、疾患を絞り込むために質問を生成する。自動診断システムは、この列挙に当たり、医療相談ログ情報(ログ)を有効活用することができる。
自動診断システムは、ユーザが質問に回答すると、その質問の結果を使って、さらに疾患を絞り込み、質問を繰りかえす。自動診断システムは、この絞り込みに当たり、医療相談ログ情報(ログ)を有効活用することができる。
自動診断システムは、このように簡単な質問だけで、これ以上、可能性の高い疾患を絞り込めなくなったら質問を終了する。
【0050】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0051】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0053】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0054】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、3・・・医師端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、51・・・医師リスト提示部、52・・・医師選択受付部、53・・・カウンセリング支援部、54・・・カウンセリング結果記録制御部、55・・・評価受付部、61・・・医師情報DB、62・・・カウンセリング結果DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6