(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1端子群と、前記第1グランド端子と、前記第2端子群と、前記第2グランド端子と、前記遮蔽シールド板と、前記連結部とは、前記ハウジングに一体モールド成形されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
前記第1端子群と、前記第1グランド端子と、前記第2端子群と、前記第2グランド端子と、前記遮蔽シールド板と、前記補強部と、前記連結部とは、前記ハウジングに一体モールド成形されていること
を特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のコネクタ。
一方の側に配置された前記第1グランド端子に隣接する端子、及び、前記第1グランド端子と向かい合った第2グランド端子に隣接する端子のうち少なくとも一方を、信号端子として機能させたこと
を特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のコネクタ。
一方の側に配置された前記第1グランド端子に隣接する端子を信号端子として機能させ、向かい合った第2グランド端子に隣接する端子をグランド端子として機能させたこと
を特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例のようなシールド板を含むコネクタであっても、より高速な電気信号の伝送が行われた場合には、互に向かい合った端子間のクロストークの発生によるインピーダンス整合への悪影響を十分に防ぐことはできず、適切な高周波特性を維持することができない。また、コネクタに備えられたシールド板は、基板に実装して固定するための底面(実装部)を有し、当該底面がコネクタのハウジングの側壁よりも外側に延出していることから、基板におけるコネクタ等の部品の高密度実装化やコネクタ自体の小型化の妨げとなる。さらに、端子群に含まれる同一形状の複数の端子とは別個に、シールド板を用いるため、部品の数が多くなり、コネクタの製造の際にそれら部品の取り扱いが煩雑になる。
【0008】
以上のような課題を解決するために、長手方向に沿って一方の側に配列された複数の端子を含む第1端子群と、長手方向に沿って他方の側に配列された複数の端子を含む第2端子群と、第1端子群の配列の両端に配置された第1グランド端子と、第2端子群の配列の両端に配置された第2グランド端子と、第1端子群、第1グランド端子、第2端子群及び第2グランド端子を保持する絶縁性のハウジングとを含むコネクタにおいて、第1端子群と第2端子群の間に配置された遮蔽シールド板の一端を第1グランド端子に連結し、遮蔽シールド板の他端を第2グランド端子に連結して成形することで、一方の側に配置された第1グランド端子に隣接する端子及び当該第1グランド端子に向かい合った第2グランド端子に隣接する端子のうち少なくとも一方を信号端子として機能させた場合に、当該信号端子は、第1グランド端子及び第2グランド端子のいずれかに隣接し、かつ、第1グランド端子及び第2グランド端子のうち少なくとも一方との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板で向かい合う端子とのクロストークを低減することによって、当該信号端子の高周波特性を向上させ、狭ピッチ化に伴って生じ得るクロストーク等の電気的悪影響の発生を低減し、インピーダンス整合を適切に維持することが可能なコネクタを提供する。
【0009】
また、遮蔽シールド板を第1グランド端子及び第2グランド端子に連結させたことで、部品数を減らすことができ、遮蔽シールド板を基板に接続するためにハウジングの側壁の外側に延出するような実装部を設ける必要がなく、コネクタ等の部品の高密度実装化や小型化を可能なコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの実施形態に係るコネクタは、
複数の端子を含む第1端子群と、
複数の端子を含む第2端子群と、
第1グランド端子と、
第2グランド端子と、
前記第1端子群、前記第1グランド端子、前記第2端子群及び前記第2グランド端子を保持した絶縁樹脂製のハウジングと、
第1端子群と第2端子群の間に配置された遮蔽シールド板と、
を含み、
前記第1端子群に含まれる複数の端子は、前記ハウジングの長手方向に沿って一方の側に配列され、前記第1グランド端子は前記第1端子群を間に挟んで両端に配置され、
前記第2端子群に含まれる複数の端子は、前記ハウジングの長手方向に沿って他方の側に配列され、前記第2グランド端子は前記第2端子群を間に挟んで両端に配置され、
前記遮蔽シールド板は、連結部を介して前記第1グランド端子及び前記第2グランド端子の少なくとも一方に連結されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記ハウジングの短手方向に沿って切った前記第1端子群に含まれる端子の断面形状と短手方向に沿って切った前記第1グランド端子の断面形状は同一であり、
前記ハウジングの短手方向に沿って切った前記第2端子群に含まれる端子の断面形状と短手方向に沿って切った前記第2グランド端子の断面形状は同一であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記第1端子群と、前記第1グランド端子と、前記第2端子群と、前記第2グランド端子と、前記遮蔽シールド板と、前記連結部とは、前記ハウジングに一体モールド成形されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板は、第1端子群と第2端子群の間に長手方向に沿って2枚配置されたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記2枚の遮蔽シールド板のうち1枚目の遮蔽シールド板は第1グランド端子に連結され、2枚目の遮蔽シールド板は第2グランド端子に連結されたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記2枚の遮蔽シールド板は、共に第1グランド端子又は第2グランド端子に連結されたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板は、第1端子群と第2端子群の間に長手方向に沿って1枚配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板の一端は、第1グランド端子に連結され、前記遮蔽シールド板の他端は、第2グランド端子に連結されたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板の両端は、共に第1グランド端子又は第2グランド端子に連結されたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記ハウジングの短手方向に配置された補強部をさらに備え、
一方の側壁に設けられた前記補強部は、連結部を介して一方の側の前記第1グランド端子と連結され、
他方の側壁に設けられた前記補強部は、連結部を介して他方の側の前記第2グランド端子と連結され、
前記補強部に連結された前記第1グランド端子及び前記第2グランド端子は、前記遮蔽シールド板には連結されていないことを特徴とする。
【0020】
本発明の別の実施形態に係るコネクタは、
複数の端子を含む第1端子群と、
複数の端子を含む第2端子群と、
第1グランド端子と、
第2グランド端子と、
前記第1端子群、前記第1グランド端子、前記第2端子群及び前記第2グランド端子を保持した絶縁樹脂製のハウジングと、
第1端子群と第2端子群の間に配置された遮蔽シールド板と、
前記ハウジングの短手方向の側壁に配置された補強部と、
を含み、
前記第1端子群に含まれる複数の端子は、前記ハウジングの長手方向に沿って一方の側に配列され、前記第1グランド端子は前記第1端子群を間に挟んで両端に配置され、
前記第2端子群に含まれる複数の端子は、前記ハウジングの長手方向に沿って他方の側に配列され、前記第2グランド端子は前記第2端子群を間に挟んで両端に配置され、
前記補強部は、前記前記ハウジングの短手方向に沿った側壁の各々に設けられ、
前記遮蔽シールド板は、連結部を介して前記補強部の各々に連結されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記補強部は、隣接する前記第1グランド端子及び前記第2グランド端子と連結部を介して連結されていることを特徴とする
【0022】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記ハウジングの短手方向に沿って切った前記第1端子群に含まれる端子の断面形状と短手方向に沿って切った前記第1グランド端子の断面形状は同一であり、
前記ハウジングの短手方向に沿って切った前記第2端子群に含まれる端子の断面形状と短手方向に沿って切った前記第2グランド端子の断面形状は同一であることを特徴とする。
【0023】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記第1端子群と、前記第1グランド端子と、前記第2端子群と、前記第2グランド端子と、前記遮蔽シールド板と、前記補強部と、前記連結部とは、前記ハウジングに一体モールド成形されていることを特徴とする。
【0024】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板は、前記第1端子群に含まれる複数の端子と前記第2端子群に含まれる複数の端子が互いに向かい合う間のすべて又は一部を遮るように構成されたことを特徴とする。
【0025】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
前記遮蔽シールド板は、前記ハウジングの長手方向に沿って中央部分に形成された嵌合凸部に埋設されたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
一方の側に配置された前記第1グランド端子に隣接する端子、及び、前記第1グランド端子と向かい合った第2グランド端子に隣接する端子のうち少なくとも一方を、信号端子として機能させたことを特徴とする。
【0027】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、
一方の側に配置された前記第1グランド端子に隣接する端子を信号端子として機能させ、向かい合った第2グランド端子に隣接する端子をグランド端子として機能させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るコネクタは、第1端子群と第2端子群の間に配置された遮蔽シールド板を、第1端子群の配列の端に配置された第1グランド端子及び第2端子群の配列の端に配置された第2グランド端子に連結して成形することで、第1グランド端子に隣接する端子及び当該第1グランド端子に向かい合った第2グランド端子に隣接する端子の少なくとも一方を信号端子として機能させた場合に、第1グランド端子又は第2グランド端子との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板で向かい合う端子との間で生じ得るクロストークを遮ることができる。そのため、当該信号端子として機能する端子は、高周波特性を向上させることができ、互いに向かい合った端子同士が互いの容量あるいは誘導により生じ得るクロストーク等の電気的悪影響の発生を低減し、インピーダンス整合を適切に維持することができる。
【0029】
また、遮蔽シールド板を第1グランド端子及び第2グランド端子に連結させたことで、部品数を減らすことができ、遮蔽シールド板を基板に接続するためにハウジングの側壁の外側に延出するような実装部を設ける必要がなく、コネクタ等の部品の高密度実装化や小型化を可能にしつつ、互に向かい合った端子同士が互いの容量あるいは誘導により生じ得るクロストーク等の電気的悪影響の発生を低減し、インピーダンス整合を適切に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、それぞれの実施形態は、独立して説明されているが、互いの構成要素を組み合わせてコネクタを構成することを排除するものではない。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタを含むコネクタシステムの外観を示す図である。
図1において、コネクタの嵌合方向をZ軸方向とし、コネクタの長手方向をX軸方向とし、コネクタの短手方向をY軸方向とする。
図2から12においても同様である。コネクタの嵌合方向(Z軸方向)において、プラグコネクタ1側を上側とし、レセプタクルコネクタ2側を下側とする。また、長手方向(X軸方向)の一方の側をX
1側とし、他方の側をX
2側とする。
【0033】
本コネクタシステムは、例えば、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラ、ノートパソコンなどの小型電子機器における内部部品として使用することができるものである。
図1では、プラグコネクタ1及びレセプタクルコネクタ2の各々における複数の端子のうちの一部に符号「10a」、「10b」、「20a」又は「20b」を付し、その他の同じ形状の端子の符号を省略して示す。プラグコネクタ1は、破線で示される基板3に実装され、レセプタクルコネクタ2は、破線で示される基板4に実装される。
図1に示す実施例では、基板3はフレキシブルフラットケーブルであり、基板4はプリント配線基板であるが、当該実施例に限定されるものではない。ここでは、プリント配線基板及びフレキシブルフラットケーブル等、コネクタが実装されるものを、単に「基板」と呼ぶ。
【0034】
プラグコネクタ1及びレセプタクルコネクタ2は、絶縁樹脂製のハウジングを長方形状に成形して構成される。プラグコネクタ1は、ハウジング50の長手方向(X軸方向)の第1側壁5aに配列された複数の端子10aを含む第1端子群100aと、第1グランド端子30aを有し、同様に、ハウジング50の長手方向(X軸方向)の第2側壁5bに配列された複数の端子10bを含む第1端子群100bと、第2グランド端子30bを有する。レセプタクルコネクタ2は、ハウジング60の長手方向(X軸方向)の第1側壁6aに配列された複数の端子20aを含む第1端子群200aと、第1グランド端子40aを有し、同様に、ハウジング60の長手方向(X軸方向)の第2側壁6bに配列された複数の端子20bを含む第2端子群200bと、第2グランド端子40bを有する。
【0035】
長方形状のプラグコネクタ1は、長手方向(X軸方向)の両側の第1側壁5a及び第2側壁5bに、同じ形状の複数の端子10a及び10bを等しい間隔で配列して保持することができる。また、プラグコネクタ1は、第1側壁5aに、複数の第1グランド端子30aを保持し、第2側壁5bに、複数の第2グランド端子30bを保持することができる。複数の第1グランド端子30aは、等間隔で長手方向に並べられた複数の端子10aの配列に隣接する位置に配置することができる。複数の第2グランド端子30bについても同様である。さらに、プラグコネクタ1は、相手コネクタであるレセプタクルコネクタ2との嵌合の際にハウジング50の側壁を保護するために、金属等の導電性部材で形成された補強部34を、短手方向(Y軸方向)に沿った側壁に設けることができる。
【0036】
本発明の一実施形態では、ハウジング50の一方(Y
1側)の側壁5aにおいて、2つの第1グランド端子30aを第1端子群100aに含まれる複数の端子10aの配列を間に挟んで両端に隣接する位置にそれぞれ配置しているが、複数の端子10aの配列の少なくとも一端に1つの第1グランド端子30aを配置することもできる。ハウジング50の他方(Y
2側)の側壁5bの構成についても同様である。また、本発明の一実施形態では、補強部34をハウジング50の短手方向(Y軸方向)に沿った両側側壁にそれぞれ設けているが、一方の側壁にだけ設けてもよく、ハウジング50の強度が十分であれば設けなくてもよい。
【0037】
長方形状のレセプタクルコネクタ2は、長手方向(X軸方向)に畝状に形成された嵌合凸部61をハウジング60の中央部分に備え、嵌合凸部61の周囲を取り囲むように溝状に形成された嵌合凹部80を備える。レセプタクルコネクタ2の嵌合凸部61及び嵌合凹部80は、プラグコネクタ1の嵌合凹部51(
図3参照)及び該嵌合凹部51を取り囲む第1側壁5a及び第2側壁5bを含み嵌合凸部となり得る側壁とそれぞれ嵌め合わされる。嵌合凸部61の短手方向(Y軸方向)に沿った縁部分の上部には、プラグコネクタ1の嵌合凹部51(
図3参照)との嵌め合せをスムーズに行うためのテーパー部65を設けることができる。
【0038】
金属等の導電性部材で形成された遮蔽シールド板47は、一方の端子群である第1端子群200aと他方の端子群である第2端子群200bの間及び一方のグランド端子である第1グランド端子40aと他方のグランド端子である第2グランド端子40bの間を遮って配置されるように、嵌合凸部61に埋設することができる。埋設された遮蔽シールド板47は、嵌合凸部61の上面よりも上方に出ないように構成することができ、嵌合凸部61の上面に設けられた開口部から露出させることができる。本発明の一実施形態では、埋設された遮蔽シールド板47に沿って嵌合凸部61の上面に開口部が設けられているが、遮蔽シールド板47を露出させる必要がなければ、開口部を設けなくてもよい。遮蔽シールド板は、ハウジングの嵌合凸部に対して圧入または一体モールド成形により、ハウジングに保持させることができる。
【0039】
レセプタクルコネクタ2は、長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁6aに、同じ形状の複数の端子20aを等しい間隔で配列して保持することができ、同様に、長手方向(X軸方向)に沿った第2側壁6bに、同じ形状の複数の端子20bを等しい間隔で配列して保持することができる。また、レセプタクルコネクタ2は、長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁6aに、複数の第1グランド端子40aを保持することができ、同様に、長手方向(X軸方向)に沿った第2側壁6bに、複数の第2グランド端子40bを保持することができる。
【0040】
複数の第1グランド端子40aは、等間隔で長手方向(X軸方向)に沿って並べられた複数の端子20aの配列に隣接する位置に配置することができ、同様に、複数の第2グランド端子40bは、等間隔で長手方向(X軸方向)に沿って並べられた複数の端子20bの配列に隣接する位置に配置することができる。さらに、レセプタクルコネクタ2は、相手コネクタであるプラグコネクタ1との嵌合の際にハウジング60の短手方向(Y軸方向)に沿った側壁を保護するために、金属等の導電性部材で形成された補強部46を、短手方向(Y軸方向)に沿った側壁に設けることができる。補強部46は、嵌合凸部61に面した側面に、プラグコネクタ1との嵌合状態を固定するためのロック部54を備えることができる。
【0041】
本発明の一実施形態では、ハウジング60の一方(Y
1側)の第1側壁6aにおいて、2つの第1グランド端子40aを第1端子群200aに含まれる複数の端子20aの配列の両端に隣接する位置にそれぞれ配置しているが、複数の端子20aの配列の少なくとも一端に1つの第1グランド端子40aを配置することもできる。ハウジング60の他方(Y
2側)の第2側壁6bの構成についても同様である。また、本発明の一実施形態では、補強部46をハウジング60の短手方向(Y軸方向)に沿った両側側壁にそれぞれ設けているが、一方の側壁にだけ設けてもよく、ハウジング60の強度が十分であれば設けなくてもよい。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタを含むコネクタシステムの側面を示す側面図である。
図2に示す短手方向(Y軸方向)のA−A線に沿って、プラグコネクタ1の第2グランド端子30b及び該第2グランド端子30bに向かい合ったレセプタクルコネクタ2の第2グランド端子40bが設けられた部分からハウジング50及びハウジング60を垂直に切った断面図を
図3に示す。また、
図2に示す短手方向(Y軸方向)のB−B線に沿って、プラグコネクタ1の端子10b及び該端子10bに向かい合ったレセプタクルコネクタ2の端子20bが設けられた部分からハウジング50及びハウジング60を垂直に切った断面図を
図4に示す。
【0043】
図3の断面図を参照すると、プラグコネクタ1のハウジング50は、中央部分に嵌合凹部51を備え、第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52に第1グランド端子30a又は第2グランド端子30bを設けることができる。プラグコネクタ1の第1グランド端子30又は第2グランド端子30bは、U字状に湾曲した部分である嵌入部33と、U字状の嵌入部33の互いに向き合う位置に2つの脚部が形成され、嵌入部33の2つの脚部のうち嵌合凹部51側にある一方の脚部33A(以下、「内側脚部33A」という)から、屈曲された移行部32を経て、プラグコネクタ1の短手方向(Y軸方向)外側(Y
1側又はY
2側)に延び、基板3に実装される(半田接続される)接続部31とを有する。
図1及び
図3に示されるように、第1グランド端子30a及び第2グランド端子30bは、それぞれ嵌入部33および移行部32で、プラグコネクタ1の長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁5a及び第2側壁5bとの一体モールド成形等により保持壁52に保持される。
【0044】
嵌入部33は、プラグコネクタ1の長手方向に沿った第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52を下方から跨ぐようにして、該保持壁52に埋没されている。嵌入部33は、U字状部分の内側板面および側縁が保持壁52に保持されていて、保持壁52から露呈したU字状部分の外側板面が、第1側壁5a又は第2側壁5bの内側(嵌合凹部51側)の表面と同一の面をなすように位置している。
【0045】
嵌入部33は、内側脚部33Aの嵌合凹部51側の板面に凹状又は凸状に形成された接触部(図示せず)を有し、当該接触部は、レセプタクルコネクタ2との嵌合状態にてレセプタクルコネクタ2の端子20の接触部45Aと接圧をもって接触することができる。また、嵌入部33の他方の脚部33B(以下、「外側脚部33B」という)の嵌合凹部51から外側に位置する、外側脚部33Bの板面は、レセプタクルコネクタ2のグランド端子40の外側脚部42Aの板面に形成された凹状の接触部42A−1(
図7参照)と係止する凸状の接触部として形成される。
【0046】
図3の断面図に示されるように、第1グランド端子30a及び第2グランド端子30bは、それぞれプラグコネクタ1の長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52を接続部31、移行部32、内側脚部33A及び外側脚部33Bを含むU字状の嵌入部33で包み込むようにして、保持壁52に保持されることにより、内側脚部33Aと外側脚部33Bの間、すなわち、嵌入部33の内側には樹脂が存在し、若しくは充填されている。
【0047】
レセプタクルコネクタ2の第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bは、それぞれ嵌合凸部61側に上下方向に延び自由端を有する弾性脚部(以下、「内側脚部45」という)及びレセプタクルコネクタ2の第1側壁6a又は第2側壁6bの一部分である保持壁62に保持される被保持部42に連結する脚部(以下、「外側脚部42A」という)といった2つの脚部を有する、U字状に湾曲した部分である被嵌入部43と、U字状の被嵌入部43の外側脚部42Aを一方の脚部として共有し、外側脚部42Aよりも外側の脚部(以下、「外側脚部42B」)を他方の脚部として有する逆U字状の被保持部42と、外側脚部42Bからレセプタクルコネクタ2の短手方向(Y軸方向)外側(Y
1側又はY
2側)に延び基板に実装される(半田接続される)接続部41とを有する。
【0048】
図1及び
図3に示されるように、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bは、それぞれ被嵌入部43、被保持部42、外側脚部42A及び42Bで、レセプタクルコネクタ2の長手方向に沿った第1側壁6a又は第2側壁6bとの一体モールド成形等により保持される。被保持部42は、第1側壁6a又は第2側壁6bの一部分である保持壁62を上方から跨ぐようにして、該保持壁62に埋没されている。被嵌入部43の外側脚部42Aの外側(裏側)板面および側縁が保持壁62に保持されていて、保持壁62から露呈したU字状部分の内側板面が、第1側壁6a又は第2側壁6bの内側(嵌合凸部61側)の表面と同一の面をなすように位置している。
【0049】
図3の断面図を参照すると、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bは、それぞれレセプタクルコネクタ2の長手方向に沿った第1側壁6a又は第2側壁6bの一部分である保持壁62に、外側脚部22Bが埋め込まれて保持される。つまり、外側脚部42Bが主保持壁62Aと副保持壁62Bの間で挟み込まれ、外側脚部42B及び外側脚部42Aを含む逆U字状の被保持部42が、主保持壁62Aを跨ぐように保持される。これにより、外側脚部42Bと外側脚部42Aの間には樹脂が存在し、若しくは充填されている。
【0050】
嵌合凸部61は、短手方向(Y軸方向)に互いに向かい合う第1グランド端子40aの内側脚部45と第2グランド端子40bの内側脚部45との間に隔壁部63を備え、遮蔽シールド板47は隔壁部63の長手方向(X軸方向)に沿った中心に配置される。遮蔽シールド板47は、互いに向かい合う第1グランド端子40aの内側脚部45と第2グランド端子40bの間を完全に遮ることもできるが、本発明の一実施形態のように、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bでは、電気信号の伝送は行わないので、短手方向(Y軸方向)で互に向かい合った端子間でのクロストークの発生を防ぐための遮蔽シールド板47を、互に向かい合う第1グランド端子40aの内側脚部45と第2グランド端子40bの内側脚部45との間を部分的に遮るように構成してもよいし、遮蔽シールド板47を設けなくてもよい。被嵌入部43の底部から移行部44、内側脚部45及び該内側脚部45の先端部分を屈曲させて形成した接触部45Aは、通常時には嵌合凸部61の隔壁部63に接触しない自由端である。
【0051】
端子10a、端子10b、端子20a及び端子20bは、それぞれ第1グランド端子30a、第2グランド端子30b、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bと同様の構成を備える。
図4の断面図を参照すると、第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52に端子10a又は端子10bを設けることができる。端子10a又は端子10bは、U字状に湾曲した部分である嵌入部13と、U字状の嵌入部13の互いに向き合う位置に2つの脚部が形成され、嵌入部13の2つの脚部のうち嵌合凹部51側にある一方の脚部13A(以下、「内側脚部13A」という)から、屈曲された移行部12を経て、プラグコネクタ1の短手方向(Y軸方向)外側(Y
1側又はY
2側)に延び、基板に実装される(半田接続される)接続部11とを有する。
図1及び
図4に示されるように、端子10a及び端子10bは、それぞれ嵌入部13および移行部12で、プラグコネクタ1の長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁5a及び第2側壁5bとの一体モールド成形等により保持壁52に保持される。
【0052】
嵌入部13は、プラグコネクタ1の長手方向に沿った第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52を下方から跨ぐようにして、該保持壁52に埋没されている。嵌入部13は、U字状部分の内側板面および側縁が保持壁52に保持されていて、保持壁52から露呈したU字状部分の外側板面が、第1側壁5a又は第2側壁5bの内側(嵌合凹部51側)の表面と同一の面をなすように位置している。
【0053】
嵌入部13は、内側脚部13Aの嵌合凹部51側の板面に凹状又は凸状に形成された接触部(図示せず)を有し、当該接触部は、レセプタクルコネクタ2との嵌合状態にてレセプタクルコネクタ2の端子20の接触部25Aと接圧をもって接触することができる。また、嵌入部13の他方の脚部13B(以下、「外側脚部13B」という)の嵌合凹部51から外側に位置する、外側脚部13Bの板面は、レセプタクルコネクタ2の端子20の外側脚部22Aの板面に形成された凹状の接触部22A−1(
図7参照)と係止する凸状の接触部として形成される。
【0054】
図4の断面図に示されるように、端子10a及び端子10bは、それぞれプラグコネクタ1の長手方向(X軸方向)に沿った第1側壁5a又は第2側壁5bの一部分である保持壁52を接続部11、移行部12、内側脚部13A及び外側脚部13Bを含むU字状の嵌入部13で包み込むようにして、保持壁52に保持されることにより、内側脚部13Aと外側脚部13Bの間、すなわち、嵌入部13の内側には樹脂が存在し、若しくは充填されている。
【0055】
レセプタクルコネクタ2の端子20a及び端子20bは、それぞれ嵌合凸部61側に上下方向に延び自由端を有する弾性脚部(以下、「内側脚部25」という)及びレセプタクルコネクタ2の第1側壁6a又は第2側壁6bの一部分である保持壁62に保持される被保持部22に連結する脚部(以下、「外側脚部22A」という)といった2つの脚部を有する、U字状に湾曲した部分である被嵌入部23と、U字状の被嵌入部23の外側脚部22Aを一方の脚部として共有し、外側脚部22Aよりも外側の脚部(以下、「外側脚部22B」)を他方の脚部として有する逆U字状の被保持部22と、外側脚部22Bからレセプタクルコネクタ2の短手方向(Y軸方向)外側(Y
1側又はY
2側)に延び基板に実装される(半田接続される)接続部21とを有する。
【0056】
図1及び
図4に示されるように、端子20a及び端子20bは、それぞれ被嵌入部23、被保持部22、外側脚部22A及び22Bで、レセプタクルコネクタ2の長手方向に沿った第1側壁6a又は第2側壁6bとの一体モールド成形等により保持される。被保持部22は、第1側壁6a又は第2側壁6bの一部である保持壁62を上方から跨ぐようにして、該保持壁62に埋没されている。被嵌入部23の外側脚部22Aの外側(裏側)板面および側縁が保持壁62に保持されていて、保持壁62から露呈したU字状部分の内側板面が、第1側壁6a又は第2側壁6bの内側(嵌合凸部61側)の表面と同一の面をなすように位置している。
【0057】
図4の断面図を参照すると、端子20a及び端子20bは、それぞれレセプタクルコネクタ2の長手方向に沿った第1側壁6a又は第2側壁6bの一部分である保持壁62に、外側脚部22Bが埋め込まれて保持される。つまり、外側脚部22Bが主保持壁62Aと副保持壁62Bの間で挟み込まれ、外側脚部22B及び外側脚部22Aを含む逆U字状の被保持部22が、主保持壁62Aを跨ぐように保持される。これにより、外側脚部22Bと外側脚部22Aの間には樹脂が存在し、若しくは充填されている。
【0058】
嵌合凸部61は、短手方向(Y軸方向)に互いに向かい合う端子20aの内側脚部25と端子20bの内側脚部25の間に隔壁部63を備え、遮蔽シールド板47は隔壁部63の長手方向(X軸方向)に沿った中心に配置される。遮蔽シールド板47は、互いに向かい合う端子20aの内側脚部25と端子20bの内側脚部25の間を完全に遮ることができる。第1端子群200a及び第2端子群200bにおいて短手方向(Y軸方向)で互いに向かい合った複数の端子20a及び20bのうち、電気信号の高速伝送のために使用しない端子20a及び端子20bは、クロストーク等の電気的悪影響はほとんど生じ得ないので、本発明の一実施形態のように、互いに向かい合う端子20aの内側脚部25と端子20bの内側脚部25との間を遮蔽シールド板で完全に遮らなくてもよく、遮蔽シールド板47を、互に向かい合う内側脚部25の間を部分的に遮るように構成してもよいし、また、高速伝送のために用いられない端子20aの内側脚部25と端子20bの内側脚部25の間には遮蔽シールド板47を設けなくてもよい。被嵌入部23の底部から移行部24、内側脚部25及び該内側脚部25の先端部分を屈曲させて形成した接触部25Aは、通常時には嵌合凸部61の隔壁部63に接触しない自由端である。
【0059】
図3及び
図4の断面図に示されるように、プラグコネクタ1の端子10aと第1グランド端子30aとの断面形状は同一である。同様に、プラグコネクタ1の端子10bと第2グランド端子30bとの断面形状も同一である。また、レセプタクルコネクタ2の端子20aと第1グランド端子40aとの断面形状は同一である。同様に、レセプタクルコネクタ2の端子20bと第2グランド端子40bとの断面形状は同一である。
【0060】
図3に示す長手方向(X軸方向)のC−C線に沿って、長手方向にプラグコネクタ1及びレセプタクルコネクタ2を垂直に切った断面図を
図5に示す。本発明の一実施形態では、遮蔽シールド板47は、嵌合凸部61に埋設されており、嵌合方向(Z軸方向)上側に位置する遮蔽シールド板47の上端は、嵌合凸部61の上面と平行に一定の高さとなるように構成することができる。
図3から
図5に示されるように、本発明の一実施形態では遮蔽シールド板47は嵌合凸部61の上面よりも上方に出ないように構成されているが、この実施形態に限定されるものではなくプラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2との嵌合が可能であれば、嵌合凸部61の上面よりも遮蔽シールド板47の上端部が上方に出るように構成してもよい。
【0061】
また、別の実施形態として、遮蔽シールド板47に、板厚方向(Y軸方向)に1つ以上の貫通した孔(貫通孔)を設けることができる。一体モールド成形により、絶縁樹脂から嵌合凸部61等を含むハウジング60を成形する際に、遮蔽シールド板47に設けられた貫通孔に樹脂が入り込んで当該貫通孔を埋める。つまり、貫通孔にハウジング60の絶縁樹脂が充填されたことで、遮蔽シールド板47をより一層強固にハウジング60の嵌合凸部61に保持することができる。また、遮蔽シールド板47の貫通孔を間に挟んで互いに向かい合う端子20aと端子20bは、端子間を完全には遮っていないのでクロストークが発生し得るため、電気信号の高速伝送用の信号端子として使用せずに、電気信号の伝送以外の用途(グランド等)に使用することができる。
【0062】
プラグコネクタ1の短手方向に沿った側壁には補強部34が設けられ、また、レセプタクルコネクタ2の短手方向に沿った側壁には補強部46が設けられる。補強部34はハウジング50と一体モールド成形することができ、補強部46も同様にハウジング60と一体モールド成形することもできる。補強部34は、保持壁53を挟み込むようにU字状に成形された形状により保持壁53に保持され、補強部46は、保持壁64を挟み込むようにU字状に成形された形状により当該保持壁64に保持される。遮蔽シールド板47の長手方向(X軸方向)の嵌合凹部80側の角部分は、テーパー部65の表面から外側に出ないように、テーパー部65と同様に傾斜状に形成される。プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に接続する際に、プラグコネクタ1の第1側壁5a、第2側壁5b及び補強部34は嵌合凸部として機能し、レセプタクルコネクタ2の嵌合凹部80に嵌め合わされる。
【0063】
この際に、レセプタクルコネクタ2の補強部46の上部の傾斜面とテーパー部65の傾斜面は、プラグコネクタ1の補強部34をスムーズに嵌合凹部80に誘い込むことができる。また、補強部34及び補強部46により、プラグコネクタ1及びレセプタクルコネクタ2の短手方向(Y軸方向)に沿った側壁を補強し、コネクタ同士の接続時に、当該側壁が折れたり削れたりすることを防ぐことができる。
【0064】
図6は、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタの底面を示す。レセプタクルコネクタ2の底面の長手方向(X軸方向)に沿った中央部分から遮蔽シールド板47の底面を露出させるように構成することができる。接続部48は、遮蔽シールド板47を基板4に実装できる(半田接続される)ように遮蔽シールド板47の底面に形成される。また、端子20の接続部21及びグランド端子40の接続部41も同様に基板4に実装することができる。さらに、補強部46にも基板4に実装できるように構成された接続部49を設けることができる。
【0065】
図7は、本発明の一実施形態に係る端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等を示す斜視図である。
図8は、
図7に示す端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等の上面図である。これらの図は、レセプタクルコネクタ2のハウジング60を除いて端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等の様子を示す。
図7に示されるように、端子20の外側脚部22Aの板面には凹状の接触部22A−1が形成され、グランド端子40の外側脚部42Aの板面には凹状の接触部42A−1が形成される。
【0066】
図8に示されるように、第1端子群200a及び第1グランド端子40aを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第1グランド端子40a−1、端子20a−1から端子20a−8、第1グランド端子40a−2とし、第2端子群200b及び第2グランド端子40bを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第2グランド端子40b−1、端子20b−1から端子20b−8、第1グランド端子40b−2とする。
【0067】
2枚の遮蔽シールド板47のうち1枚目の遮蔽シールド板47は、ハウジング60の底部を通るように構成された連結部55を介して第1グランド端子40a−1又は第2グランド端子40b−1に連結され、2枚目の遮蔽シールド板47は、同様に連結部55を介して第2グランド端子40b−2又は第1グランド端子40a−2に連結することができる。
図8に示す実施形態では、一方の側(X
1側)の遮蔽シールド板47は、連結部55を介して第2グランド端子40b−1に連結され、他方の側(X
2側)の遮蔽シールド板47は、同様に連結部55を介して第1グランド端子40a−2に連結される。すなわち、遮蔽シールド板と連結部とグランド端子とは連結された一体の構成となっており、金属板を打ち抜いた後、折曲加工することにより成形することができる。また、遮蔽シールド板47に連結されていない残りの第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−2は、それぞれハウジング60の側壁の角部に沿って形成された連結部56を介して補強部46に連結される。
【0068】
また、一方の側(X
1側)の遮蔽シールド板47と連結部55と第2グランド端子40b−1からなる部材の形状と、他方の側(X
2側)の遮蔽シールド板47と連結部55と第1グランド端子40a−2からなる部材の形状とは同一である。同様に、一方の側(X
1側)の第1グランド端子40a−1と連結部56と補強部46からなる部材の形状と、他方の側(X
2側)の第2グランド端子40b−2と連結部56と補強部46からなる部材の形状とは同一である。これにより、レセプタクルコネクタ2を構成する部品の種類を減らすことができる。
【0069】
遮蔽シールド板47の連結先は、
図7及び
図8に示す実施形態に限定されるものではなく、一方の側(X
1側)の遮蔽シールド板47は、一方の側(X
1側)の第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1の少なくとも一方と連結することができ、他方の側(X
2側)の遮蔽シールド板47も、他方の側(X
2側)の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2の少なくとも一方に連結することができる。例えば、2枚の遮蔽シールド板47を共に同じ側にある第1グランド端子40a(40a−1及び40a−2)又は第2グランド端子40b(40b−1及び40b−2)に連結することもでき、2枚の遮蔽シールド板47に連結されていない反対側にある第2グランド端子40b(40b−1及び40b−2)又は第1グランド端子40a(40a−1及び40a−2)を補強部46に連結することもできる。
【0070】
図8に示される点線で囲まれた一方の側(X
1側)の第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1とそれらに隣接する端子20a−1及び端子20b−1について、端子20a−1及び端子20b−1を共に信号端子として機能させた場合に、互に向かい合った信号端子20a−1と信号端子20b−1との間のクロストークの発生を、第2グランド端子40b−1に連結された遮蔽シールド板47によって低減することができる。その結果、信号端子20a−1及び信号端子20b−1の高周波特性を向上させることができる。また、端子20a−1及び端子20b−1のうち少なくとも一方を信号端子として機能させた場合にも、第2グランド端子40b−1に連結された遮蔽シールド板47によって、当該信号端子のクロストークの発生を低減して、高周波特性を向上させることができる。例えば、第1グランド端子40a−1に隣接する端子20a−1を信号端子として機能させ、第1グランド端子40a−1に向かい合った第2グランド端子40b−1に隣接する端子20b−1をグランド端子として機能させた場合には、第1グランド端子40a−1及び遮蔽シールド板47によって、当該信号端子のクロストークの発生を低減して、高周波特性を向上させることができる。別の点線で囲まれた他方の側(X
2側)の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2とそれらに隣接する端子20a−8及び端子20b−8についても、同様に機能させた場合には同じ効果を得ることができる。
【0071】
さらに、端子20a−1及び端子20b−1を共に信号端子として機能させ、端子20a−2及び端子20b−2を共にグランド端子として機能させた場合には、信号端子20a−1は、第1グランド端子40a−1とグランド端子20a−2との間に挟まれ、信号端子20b−1は、第2グランド端子40b−1とグランド端子20b−2との間に挟まれ、かつ、第2グランド端子40b−1との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板47によって向かい合う信号端子20a−1及び信号端子20b−1とのクロストークを遮ることができる。その結果として、特に信号端子20a−1及び信号端子20b−1の高周波特性を向上させることができ、互いに向かい合った端子同士が互いの容量あるいは誘導により生じ得るクロストーク等の電気的悪影響の発生を低減し、インピーダンス整合を適切に維持することができる。特に、端子20a−1及び端子20b−1の信号として同軸信号を機能させた場合には、これらの端子の高周波特性を特に向上できる。別の点線で囲まれた他方の側(X
2側)の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2とそれらに隣接する端子20a−8及び端子20b−8についても、同様に機能させた場合には同じ効果を得ることができる。
【0072】
別の実施例として、端子20a−1を信号端子、端子20a−2をグランド端子として機能させ、端子20b−1を信号端子、端子20b−2を信号端子、端子20b−3をグランド端子として機能させた場合には、
図8に示される点線で囲まれた一方の側(X
1側)の端子の構成において、信号端子20a−1は、第1グランド端子40a−1とグランド端子20a−2との間に挟まれ、かつ、第2グランド端子40b−1との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板47によって、向かい合う信号端子20b−1とのクロストークの発生を低減することができる。また、信号端子20b−1は、第2グランド端子40b−1との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板47によって、向かい合う信号端子20a−1とのクロストークの発生を低減することができる。特に、端子20a−1の信号として同軸信号を機能させ、端子20b−1と端子20b−2の信号として両端子でペアとして差動信号を機能させた場合には、これらの端子の高周波特性を特に向上できる。別の点線で囲まれた他方の側(X
2側)でも上記実施例と同様に構成した場合に、同様の効果を得ることができる。
【0073】
さらに別の実施例として、端子20a−1をグランド端子、端子20a−2を信号端子として機能させ、端子20b−1を信号端子、端子20b−2をグランド端子として機能させた場合には、
図8に示される点線で囲まれた一方の側(X
1側)の端子の構成において、信号端子20b−1は、第2グランド端子40b−1とグランド端子20b−2との間に挟まれ、かつ、第2グランド端子40b−1との連結によりグランドとして機能する遮蔽シールド板47及びグランド端子20a−1によって、完全にグランド端子に囲まれることで、クロストークの発生を低減することができる。別の点線で囲まれた他方の側(X
2側)でも上記実施例と同様に構成した場合に、同様の効果を得ることができる。
【0074】
そして、2枚の遮蔽シールド板47の各々が、第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−1に連結することで、コネクタを構成する部品数を減らすことができ、遮蔽シールド板47を基板4に実装するためにハウジング60の側壁6a又は側壁6bの外側に延出するような実装部を設ける必要がなく、コネクタ等の部品の高密度実装化や小型化が可能となる。
【0075】
図9は、レセプタクルコネクタのハウジングを除いて、本発明の別の実施形態に係る端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等を示す斜視図である。
図10は
図9に示す端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等の上面図である。
図10に示されるように、
図8と同様に、第1端子群200a及び第1グランド端子40aを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第1グランド端子40a−1、端子20a−1から端子20a−8、第1グランド端子40a−2とし、第2端子群200b及び第2グランド端子40bを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第2グランド端子40b−1、端子20b−1から端子20b−8、第1グランド端子40b−2とする。
【0076】
これらの図に示されるように、遮蔽シールド板47’を一枚で構成することもできる。一枚の遮蔽シールド板47’の両端は、それぞれハウジング60の底部を通るように構成された連結部55’を介して、第2グランド端子40b−1及び第2グランド端子40b−2に連結される。また、遮蔽シールド板47’に共に連結されていない第1グランド端子40a−1及び第1グランド端子40a−2は、それぞれハウジング60の側壁の角部に沿って形成された連結部56’を介して補強部46に連結される。
【0077】
遮蔽シールド板47’の連結先は、
図9及び
図10に示す実施形態に限定されるものではなく、第2グランド端子40b−1及び第2グランド端子40b−2を、それぞれ連結部56’を介して補強部46に連結し、第1グランド端子40a−1及び第1グランド端子40a−2を、それぞれ連結部55’を介して遮蔽シールド板47’に連結することもできる。また、遮蔽シールド板47’の一端(X
1側の端)は、第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1の少なくとも一方と連結され、遮蔽シールド板47’の他端(X
2側の端)は、第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2の少なくとも一方に連結することができる。例えば、
図7及ぶ
図8に示す実施形態のように、遮蔽シールド板47’の一端(X
1側の端)を第2グランド端子40b−1に連結し、遮蔽シールド板47’の他端(X
2側の端)を第1グランド端子40a−2に連結することもできる。
【0078】
図10に示される点線で囲まれた一方の側(X
1側)の第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1とそれらに隣接する端子20a−1及び端子20b−1等の構成を、
図7及び
図8に示す実施形態において説明したグランド端子、信号端子の実施例と同様にした場合には、同様の効果を得ることができる。
図10に示される点線で囲まれた他方の側(X
2側)の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2とそれらに隣接する端子20a−8及び端子20b−8等の構成についても、同様である。また、このような構成により、
図7及び
図8に示す実施形態と同様に、コネクタを構成する部品数を減らすことができ、コネクタ等の部品の高密度実装化や小型化が可能となる。
【0079】
図11は、レセプタクルコネクタのハウジングを除いて、本発明のさらに別の実施形態に係る端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等を示す斜視図である。
図12は
図11に示す端子群、グランド端子及び遮蔽シールド板等の上面図である。
図12に示されるように、
図8及び
図10と同様に、第1端子群200a及び第1グランド端子40aを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第1グランド端子40a−1、端子20a−1から端子20a−8、第1グランド端子40a−2とし、第2端子群200b及び第2グランド端子40bを長手方向(X軸方向)に沿って一方の側(X
1側)から他方の側(X
2側)に向けて、順に端子を第2グランド端子40b−1、端子20b−1から端子20b−8、第1グランド端子40b−2とする。
【0080】
これらの図に示されるように、一方の側(X
1側)の遮蔽シールド板47は、ハウジング60の底部を通るように構成された連結部57を介して一方の側(X
1側)の補強部46に連結され、他方の側(X
2側)の遮蔽シールド板47は、同様に連結部57を介して他方の側(X
2側)の補強部46に連結される。また、一方の側(X
1側)の補強部46に隣接して設けられた両側の第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1は、それぞれハウジング60の側壁の角部に沿って形成された連結部58を介して補強部46に連結される。他方の側(X
2側)の補強部46に隣接して設けられた両側の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2についても同様である。
【0081】
第1グランド端子40a−1,40a−2及び第2グランド端子40b−1,40b−2の連結先は、
図11及び
図12に示す実施形態に限定されるものではなく、一方の側(X
1側)で向かい合う第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1の少なくともいずれかが一方の側(X
1側)の補強部46に連結され、他方の側(X
2側)で向かい合う第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2の少なくともいずれかが他方の側(X
2側)の補強部46に連結されてもよく、第1グランド端子a−1,40a−2及び第2グランド端子40b−1,40b−2も補強部46に連結されなくてもよい。
【0082】
図12に示される点線で囲まれた一方の側(X
1側)の第1グランド端子40a−1及び第2グランド端子40b−1とそれらに隣接する端子20a−1及び端子20b−1等の構成を、
図7及び
図8に示す実施形態において説明したグランド端子、信号端子の実施例と同様にした場合には、同様の効果を得ることができる。
図12に示される点線で囲まれた他方の側(X
2側)の第1グランド端子40a−2及び第2グランド端子40b−2とそれらに隣接する端子20a−8及び端子20b−8等の構成についても、同様である。また、このような構成により、
図7から10に示した実施形態と同様に、コネクタを構成する部品数を減らすことができ、コネクタ等の部品の高密度実装化や小型化が可能となる。
【0083】
図1から8及び
図11から12に示すように、遮蔽シールド板47を2枚で構成することで、レセプタクルコネクタ2の端子20a及び端子20bの数を増やして、コネクタサイズを長手方向に大きくする(つまり、幅を拡げる)ことができる。もとのコネクタで使用していた端子20a及び端子20b、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40b、遮蔽シールド板47を使いまわす場合に、幅を拡げても形状を変える必要のない端子20a及び端子20b、第1グランド端子40a及び第2グランド端子40bはそのまま使用することができるが、2つの遮蔽シールド板47は、長手方向(Y軸方向)の間隔が広くなり向かい合う端子20aと端子20bとの間を遮ることができない部分ができる。このような場合であっても、遮蔽シールド板47で遮られていない端子20a及び端子20bは、電気信号の高速伝送に利用しないように設計すれば、特に、クロストークの発生等の問題は生じ得ない。本発明は、このように部品をうまく再利用することもできる。
【0084】
本発明の個々の実施例は、独立したものではなく、それぞれ組み合わせて適宜実施することができる。