特許第6885737号(P6885737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885737
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】受信機のケース構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20210603BHJP
   H04B 1/08 20060101ALN20210603BHJP
【FI】
   E06B9/68 A
   !H04B1/08 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-15363(P2017-15363)
(22)【出願日】2017年1月31日
(65)【公開番号】特開2018-123531(P2018-123531A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】山之内 佑
【審査官】 加々美 一恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−351905(JP,A)
【文献】 実公昭48−042612(JP,Y1)
【文献】 特開平11−294045(JP,A)
【文献】 米国特許第05613237(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
H04B 1/08
H05K 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース体と第2ケース体を嵌合してなる受信機のケースにおいて、
前記第1ケース体は、高さ方向に延びる第1面部と当該第1面部の上端に形成した第1上面部と、前記第1上面部の下方に位置して前記第1面部の内面から延びる内方上面部と、を備え、
前記第2ケース体は、高さ方向に延びる第2面部と当該第2面部の上端に形成した第2上面部とを備え、前記第2上面部は、前記第2面部に向かう下向傾斜面を備えた第1部位と当該第1部位の先端に一体形成された水平状の第2部位とからなり、
前記第1ケース体と前記第2ケース体の嵌合状態において、前記第1面部と前記第2面部が対向し、上側に位置する前記第1上面部と下側に位置する前記第2上面部とから前記ケースの上面部が形成され、
前記第2上面部の前記第1部位の上方部位及び前記第2部位は前記第1上面部の下面の下方に離間して位置しており、前記第2部位は、前記第1上面部の下面の下方に離間して位置して前記内方上面部に接触すると共に、前記第2部位の先端は前記第1面部の内面に接触しており、前記第2部位の上面の上側には前記第1上面部の下面との間に位置して空間が形成されている、
受信機のケース構造。
【請求項2】
前記第1ケース体の前記第1上面部の上面は、前記第1面部に向かって下向きの傾斜面を有している、請求項1に記載の受信機のケース構造。
【請求項3】
前記第1ケース体の前記第1上面部の先端には上側に突出する突部が形成されている、請求項1、2いずれか1項に記載のケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受信機のケース構造に係り、具体的な態様例では、電動開閉体(典型的には電動シャッター)における受信機のケース構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動開閉体では、受信機が受信した信号に基づいて駆動手段を作動させることで開閉体の開閉制御が行われる。例えば、電動シャッターでは、受信機が受信した信号に基づいて開閉機を作動させることでシャッターカーテンの開閉制御が行われる。
【0003】
通常、電動シャッターにおける受信機は建物開口部上方のシャッターケース内や天井内に配置される。例えば、図8に示すように、シャッターケース3の下方部位に受信機9´が配置され、受信機9´は、シャッターケース3内で巻取シャフト4に巻き取られたシャッターカーテン1の下方に位置する。ここで、シャッター装置は、屋外と屋内とを区画する建物開口部に設置される場合が多く、建物開口部全閉状態でシャッターカーテン1の屋外側面に付着した雨水が建物開口部開放時にシャッターカーテン1と共に巻き取られ、巻き取られたシャッターカーテン1から受信機9´上に滴下するおそれがある。受信機9´のケース内には制御基板が内装されているため、ケース内に水滴(シャッターカーテンから滴下する水に限定されない)が浸入することを防止する必要がある。
【0004】
図8に示す受信機9´のケースは、第1ケース体90´と第2ケース体91´とを嵌合してなる。図9に拡大して示すように、第1ケース体90´の上部は、上面部901´と内方上面部906´とからなり、上面部901´と内方上面部906´から形成される溝に第2ケース体91´の上面部910´が挿入されている。第1ケース体90´の上記溝の底部にはパッキンPが設けてあり、第2ケース体91´の上面部910´の先端縁がパッキンPに圧接することで密閉構造を形成している。
【0005】
しかしながら、単に、第1ケース体90´側の凹部に第2ケース体91´の凸部を嵌合させる構成では、嵌合部に水が溜まり易く毛細管現象などでケース内部へ水を引き込み易い。また、第1ケース体90´と第2ケース体91´は着脱可能に嵌合されており、必要に応じて何度も着脱が行われ得ることから、パッキンPの性能を安定させる工夫が必要となる。さらに、第1ケース体90´と第2ケース体91´の他にパッキンPを用いることは、防滴構造を複雑にすると共に、コストアップを招く。
【0006】
同様の課題が特許文献1で言及されているが、特許文献1では、受信装置のケースを平置きとし、上ケース体の天井面に配線基板を設けるという解決手段を提供するものであり、第1ケース体と第2ケース体を嵌合してなるケースを縦置きとした場合の防滴構造に採用することはできない。
【特許文献1】特開平11−294045
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、シンプルな防滴構造を備えた受信機のケース構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が採用した技術手段は、
第1ケース体と第2ケース体を嵌合してなる受信機のケースにおいて、
前記第1ケース体は、高さ方向に延びる第1面部と当該第1面部の上端に形成した第1上面部とを備え、
前記第2ケース体は、高さ方向に延びる第2面部と当該第2面部の上端に形成した第2上面部とを備え、
前記第1ケース体と前記第2ケース体の嵌合状態において、前記第1面部と前記第2面部が対向し、上側に位置する前記第1上面部と下側に位置する前記第2上面部とから前記ケースの上面部が形成され、
前記第2上面部の上面は前記第2面部に向かって下向きの傾斜面を有しており、前記傾斜面の上方部位は前記第1上面部の下方に位置している、
受信機のケース構造、である。
【0009】
1つの態様では、前記第1ケース体の前記第1上面部の上面は、前記第1面部に向かって下向きの傾斜面を有している。
1つの態様では、前記第1ケース体の前記第1上面部の先端には上側に突出する突部が形成されている。
【0010】
1つの態様では、前記第1ケース体には、前記第1上面部の下方に位置して内方上面部が形成されており、
前記第2ケース体の前記第2上面部は、前記傾斜面を備えた第1部位と当該第1部位の先端に一体形成された第2部位とからなり、前記第2部位は前記内方上面部に接触すると共に、当該第2部位の先端は前記第1面部の内面に接触している。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、上側に位置する第1上面部と下側に位置する第2上面部とからケースの上面部を形成し、前記第2上面部が上面を第2面部に向かって下向きの傾斜面を有しており、前記傾斜面の上方部位は前記第1上面部の下方に位置しているので、前記第1上面部の下方に回り込んだ水滴は前記傾斜面に案内されて排出されるので、第1上面部の下方の奥に水滴を呼び込みにくくなっており、ケース内部への水滴の浸入を可及的に防止する。
【0012】
第1ケース体の前記第1上面部の上面が前記第1面部に向かって下向きの傾斜面を有しているものでは、ケース上面に滴下した水滴は、第1上面部の傾斜面(上側の傾斜面)に沿って第1面部側に案内されるか、あるいは、第2上面部の傾斜面(下側の傾斜面)に沿って第2面部側に案内されるので、ケース上面に滴下した水滴を第1面部側あるいは第2面部側に逃がし、第1上面部の下方に浸入することを可及的に防止する。
第1ケース体の前記第1上面部の先端に上側に突出する突部を形成したものでは、当該突部が水滴の移動を規制する要素として機能し、上側に位置する第1上面部の先端から当該第1上面部の下方に水滴が回り込むことを可及的に防止する。
【0013】
本発明に係る防滴構造では、防滴を目的とする追加要素(パッキン等のシール材)を用いないので、追加要素を用いる場合に比べて低コストであり、構造もシンプルである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電動シャッターの概念図である。
図2】建物開口部の上方部位の縦断面図である。
図3図2における受信機の部分拡大図である。
図4】上図、中央図、下図は、それぞれ、受信機の上面図、正面図、下面図である。
図5】上図は受信機の分解斜視図、下図は受信機の斜視図である。
図6】受信機の縦断面図である。
図7図6の上方部位の部分拡大図である。
図8】従来の受信機を示す建物開口部の上方部位の縦断面図である。
図9】従来の受信機の第1ケース体の上面部と第2ケース体の上面部との嵌合状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、電動シャッター装置の概念図であって、電動シャッターは、建物開口部を開閉するシャッターカーテン1と、建物開口部両側に設けた左右のガイドレール2と、建物開口部上方に設けられたシャッター収納部としてのシャッターケース3と、シャッターケース3内に設けられ、シャッターカーテン1の上端が連結された巻取シャフト4(図2参照)と、巻取シャフト4を回転駆動させてシャッターカーテン1を開閉する開閉機5と、シャッターカーテン1下端に設けた座板6と、座板6に設けられた送信機7と、建物開口部上方部位(例えばまぐさ部)に位置して、送信機7の直上に設けた受光部8と、シャッターケース3内に設けた受信機9と、一方のガイドレール2の近傍の壁体に設けた操作ボックス10と、を備えている。
【0016】
図2に示すように、シャッターケース3は、外壁Wから持ち出し状に取り付けられており、巻取シャフト4の長さ方向両端は、外壁Wから持ち出し状に取り付けられた左右のブラケット11間に支持されている。シャッターケース3の下面には、左右のガイドレール2の上端部間に亘ってまぐさ部12、13が設けてあり、まぐさ部12、13間にシャッターカーテン1が通る開口が形成されている。シャッターケース3の下面30には、まぐさ部12の近傍に位置して、取付片14が設けてある。取付片14は、水平辺140と垂直辺141とから断面視L形状を有しており、水平辺140がシャッターケース3の下面30に当接し、垂直辺141がシャッターケース3の下面30から垂直状に立ち上がるように固定されており、垂直辺141に受信機9が螺子142で固定されている。取付片14の形状や配置構成は図示の態様に限定されるものではなく、当業者において適宜設計し得る事項である。
【0017】
座板6は、上座板60と、上座板60に対して上下動可能な可動の下座板61と、上座板60と下座板61の間に設けた検知部62とからなり、座板スイッチを構成している。座板スイッチは通常時(上座板60から下座板61がフリーで吊持された状態)にはOFF状態にあり、上座板60に対して下座板61が相対的に上動した状態で検知部62の検知レバーが回動してOFF状態からON状態となり、上座板60に対して上動姿勢にある下座板61が下動して吊持状態となると、検知部62の検知レバーが通常姿勢に復帰するように回動してON状態からOFF状態となる。このような座板スイッチは当業者によく知られているので、さらなる詳細な説明は省略する。
【0018】
送信機7は、座板スイッチがOFF状態からON状態となった時に、無線ON信号を送信し、座板スイッチがON状態からOFF状態となった時に、無線OFF信号を送信する。本実施形態では、送信機7は、赤外線ON信号、赤外線OFF信号を送信する送光部を備えている。なお、本発明に適用される無線信号の種類は赤外線信号に限定されるものではなく、例えば、RF信号や他の波長帯の信号でもよい。
【0019】
建物開口部上方のまぐさ部には、受光部8(図2では図示せず)が設けてあり、送信機7から送信される無線ON信号、無線OFF信号は、受光部8で受光される。シャッターケース3内の下方には、まぐさ部12の近傍に位置して受信機9が設けてあり、受信機9は、シャッターケース3内で巻取シャフト4に巻き取られたシャッターカーテン1の下方に位置している。受光部8と受信機9とは電気的に接続されており、受光部8で受信されたON信号ないしOFF信号は、受信機9に送信される。本実施形態では、受光部8と受信機9が物理的に離間しているが、受光部が確実にON信号ないしOFF信号を受光できる配置態様であれば、受光部一体型の受信機であってもよい。また、無線信号の種類によっては、受信機のみを用いてもよい。
【0020】
受信機9は、第1ケース体90と第2ケース体91を着脱可能に嵌合してなるケースと、第1ケース体91内に設けられた制御基板92(図4下図参照)と、を備えており、垂直姿勢で配置される。受信機9の制御基板92は、開閉機5の制御盤50、受光部8、操作ボックス10と電気的に接続されており、制御基板(第1制御部)92と開閉機5の制御盤(第2制御部)50からシャッター開閉制御部が構成されている。本実施形態では、シャッター開閉制御部は、物理的に離間した第1制御部と第2制御部からなるが、1つの制御部からシャッター開閉制御部を形成してもよい。
【0021】
操作ボックス10には、操作スイッチとしての上昇ボタンPBU、停止ボタンPBS、下降ボタンPBDが設けてあり、操作者が上昇ボタンPBUを押すと、上昇信号が制御基板92を介して開閉機5の制御盤50に送信され、開閉機5によって巻取シャフト4を第1の方向に回転させて、シャッターカーテン1を上昇させ、下降ボタンPBDを押すと、下降信号が制御基板92を介して開閉機5の制御盤50に送信され、開閉機5によって巻取シャフト4を第2の方向に回転させて、シャッターカーテン1を下降させ、停止ボタンPBSを押すと、停止信号が制御基板92を介して開閉機5の制御盤50に送信され、開閉機5の回転駆動が停止し、回転中の巻取シャフト4が停止して移動中のシャッターカーテン1が停止する。
【0022】
図3図6に示すように、受信機9のケースの一方の半部を形成する第1ケース体90は、横長方形状の第1面部900と、第1面部900の上端に形成された第1上面部901と、第1上面部901の先端に突成された突部902と、第1面部900の下端近傍に形成された第1下面部903と、第1面部900の幅方向両端に形成された第1側面部904と、第1面部900の幅方向両端から側面部904を越えて延出形成された取付辺905と、を備えている。各第1側面部904には、第1嵌合部9040が形成されている。各取付辺905には、上下に間隔を存して取付孔9050が形成されている。
【0023】
第1ケース体90の第1面部900の内面には、第1上面部901、左右の第1側面部904の内側に位置して、内方上面部906、左右の内方側面部907が形成されており、内方上面部906、左右の内方側面部907、第1下面部903から四周状の内壁が形成されており、内壁で囲まれた領域内に制御基板92(図4下図参照、図5図6には図示せず)が設けられる。
【0024】
受信機9のケースの他方の半部を形成する第2ケース体91は、横長方形状の第2面部910と、第2面部910の上端に形成された第2上面部(第1部位911と第1部位911の先端に一体形成された第2部位912とからなる)と、第2面部910の下端に形成された第2下面部913と、第2面部910の幅方向両端部に形成された第2側面部914と、を備えている。各第2側面部914には、第2嵌合部9140が形成されている。
【0025】
第1ケース体90に対して第2ケース体91を嵌合することで、受信機9のケースが形成されている。受信機9はケースを縦置き(垂直姿勢)として取付片14に取り付けられる。図3に示す態様では、螺子142を用いて、取付辺905を取付片14の垂直辺141に固定しているが、垂直辺141から水平状に突設した軸部(螺子142の軸部から形成し得る)に取付孔9050を係止させることで取付辺905を垂直辺141に引っ掛けてもよく、受信機9の取付構成は限定されない。
【0026】
受信機9を取付片14に取り付けた状態では、第1ケース体90の第1面部900は垂直面となる(図3参照)。本実施形態では、第1ケース体90の第1上面部901の上面は、先端から基端(面部900側)に向かって緩やかに下向きに傾斜する傾斜面となっている。内方上面部906は水平に延びており、その上面は水平面となっている。左右の第1側面部904は垂直状に延びており、下面部903は水平状に延びている。
【0027】
受信機9を取付片14に取り付けた状態では、第2ケース体91の第2面部910は垂直面となる(図3参照)。第2ケース体91の第2上面部の第1部位911は基端(第2面部910側)から先端に向かって上向き傾斜状に延びており、第1部位911の上面は、先端から基端(面部910側)に向かって下向きに傾斜する傾斜面となっている。第2ケース体91の第2上面部の第2部位912は水平状に延びており、第2部位912の上面及び下面は水平面となっている。なお、第2部位912の上面を先端から基端(第1部位911側)に向かって下向きに傾斜する傾斜面としてもよい。左右の第2側面部914は垂直状に延びており、下面部913は水平状に延びている。
【0028】
第1ケース体90と第2ケース体91の嵌合状態において、第1ケース体90の第1面部900がケースの垂直状の一方の面部を形成し、第2ケース体91の第2面部910がケースの垂直状の他方の面部を形成し、第1ケース体90の第1上面部901と第2ケース体91の第2上面部(第1部位911、第2部位912)がケースの上面部を形成し、第1ケース体90の第1側面部904と第2ケース体91の第2側面部914がケースの側面部を形成し、第2ケース体91の第2下面部913がケースの下面部を形成する。
【0029】
第1ケース体90の内壁(内方上面部906、左右の内方側面部907、下面部903)に第2ケース体91の第2上面部の第2部位912、左右の第2側面部914、第2下面部913を被せるように装着することで、第1ケース体90と第2ケース体91を嵌合する。嵌合状態において、第2ケース体91の第2上面部の第2部位912、左右の第2側面部914、第2下面部913の内面は、第1ケース体90の内方上面部906、左右の内方側面部907、第1下面部903の外面に接触し、第2ケース体91の第2上面部(第2部位912)、左右の第2側面部914、第2下面部913の先端縁は、第1ケース体90の第1面部900の内面に当接している。
【0030】
嵌合状態において、第2ケース体91の第2上面部の第2部位912及び第1部位911の部分の上方には、第1ケース体90の第1上面部901が位置している。第2ケース体91の左右の第2側面部914の外側には、第1ケース体90の左右の第1側面部904が位置しており、第1ケース体90の第1側面部904の第1嵌合部9040に、第2ケース体91の第2側面部914の第2嵌合部9140が嵌合している。第1嵌合部9040と第2嵌合部9140が嵌合することで、第1ケース体90と第2ケース体91の嵌合状態が維持される。
【0031】
図7を参照しつつ、受信機9のケースの上部構造について詳述する。ケースの上部構造において、第1ケース体90と第2ケース体91の嵌合状態において、第1面部900と第2面部910が離間対向し、上側に位置する第1上面部901と下側に位置する第2上面部(第1部位911、第2部位912)とからケースの上面部が形成されている。
【0032】
第1ケース体90において、第1上面部901の下面と内方上面部906の上面は離間しており、第1上面部901の下面と内方上面部906の上面と第1面部900の内面の上端部位から横向きの凹部が形成されている。第1面部900に対する第1上面部901の立ち上がり寸法は、第1面部900に対する内方上面部906の立ち上がり寸法よりも大きく、第1上面部901の先端側部位の下方には内方上面部906は延びていない。第1ケース体90に第2ケース体91を嵌合した状態では、第1ケース体90の上記凹部に第2ケース体91の第2上面部が挿入されている。より具体的には、第2ケース体91の第2上面部の第2部位912が第1ケース体90の内方上面部906に接触し、第2部位912の先端縁は第1ケース体90の面部900の内面に接触している。第1ケース体90の第1上面部901の下方には、第2ケース体91の第2上面部の第2部位912及び傾斜状の第1部位911の上方部位が位置している。第1ケース体90の第1上面部901の下面と第2ケース体91の第2上面部の第2部位912及び傾斜状の第1部位911の上方部位の上面との間には空間が形成されている。
【0033】
第1ケース体90の第1上面部901の上面は、先端から基端(第1面部900)に向かって緩やかに下向きに傾斜する傾斜面となっており、第1上面部901の上面の先端には当該先端に沿って延びる突部902が形成されている。ケース上面部において、上側の第1上面部901の上面に滴下した水滴は、傾斜面に沿って第1面部900側に案内される。第1上面部901の先端には上向きの突部902が形成されているので、突部902が水滴の移動を規制する要素として機能して、第1上面部901の先端から下方に水滴が回り込むことを可及的に防止する。
【0034】
第2ケース体91の第2上面部の上面は、第2面部910に向かって下向きに傾斜する第1部位911の傾斜状の上面と水平状の第2部位912の水平状の上面からなる。第2部位912及び傾斜状の第1部位911の上方部位は第1ケース体90の第1上面部901に覆われているが、第1部位911の第2面部910に向かって下向きの傾斜面のその他の部位の上面は露出している。第1部位911の露出する傾斜面に滴下した水滴は、傾斜面に沿って第2面部910側に案内される。第2上面部の傾斜状の第1部位911の上方部位は第1上面部901の下方に位置しており、第1ケース体90の第1上面部901の下側に回り込んだ水滴は、第1部位911の傾斜面に沿って第2面部910側に案内される。
【符号の説明】
【0035】
9 受信機
90 第1ケース体
900 第1面部
901 第1上面部
902 突部
91 第2ケース体
910 第2面部
911 第2上面部の第1部位
912 第2上面部の第2部位






図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9