(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0012】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0014】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含む。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0015】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
<半導体チップのレイアウト構成例>
図1は、本実施の形態1における半導体チップ(半導体装置)CHPのレイアウト構成例を示す図である。本実施の形態1の半導体チップ(以下、単にチップという)CHPは、CPU100、RAM200、アナログ回路300、EEPROM400、フラッシュメモリ500およびI/O回路600を有する。CPU(Central Processing Unit)100は、中央演算処理装置とも呼ばれ、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なう。RAM(Random Access Memory)200は、記憶情報をランダムに、すなわち、随時記憶されている記憶情報を読み出したり、記憶情報を新たに書き込んだりすることができる。RAMとしては、例えば、スタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)を用いる。アナログ回路300は、アナログ信号(時間的に連続して変化する電圧や電流の信号)を扱う回路であり、例えば増幅回路、変換回路、変調回路、発振回路および電源回路等を有する。
【0017】
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)400およびフラッシュメモリ500は、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。
【0018】
このEEPROM400およびフラッシュメモリ500のメモリセルは、例えば、記憶用のMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタやMNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタを有する。EEPROM400とフラッシュメモリ500は、EEPROM400が、例えば、バイト単位で消去可能な不揮発性メモリであるのに対し、フラッシュメモリ500が、例えば、ワード線単位で消去可能な不揮発性メモリである。一般に、フラッシュメモリ500には、CPU100で種々の処理を実行するためのプログラム等が記憶されている。これに対し、EEPROM400には、書き換え頻度の高い各種データが記憶されている。EEPROM400またはフラッシュメモリ500は、複数の不揮発性メモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイと、アドレスバッファ、行デコーダ、列デコーダ、ベリファイセンスアンプ回路、センスアンプ回路および書込み回路等を有する。
【0019】
I/O(Input/Output)回路600は、入出力回路であり、チップCHP内からチップCHPの外部に接続された機器へのデータの出力や、チップCHPの外部に接続された機器からチップCHP内へのデータの入力を行なうための回路である。
【0020】
本実施の形態1の半導体装置は、メモリセルアレイとロジック回路領域とを有する。メモリセルアレイには、複数の不揮発性メモリセルが行列状に配置されている。一方、ロジック回路領域には、CPU100、RAM200、アナログ回路300、I/O回路600およびメモリ(EEPROM400またはフラッシュメモリ500)のアドレスバッファ、行デコーダ、列デコーダ、ベリファイセンスアンプ回路、センスアンプ回路および書込み回路等が形成されている。
【0021】
<半導体装置の構造>
図2は
図1のチップCHPのメモリセルアレイMRの要部平面図、
図3は
図2のメモリセルアレイMRのメモリセルMCの拡大平面図、
図4は
図2のX1−X1線の断面図、
図5は
図2のX2−X2線の断面図、
図6は
図2のY1−Y1線の断面図、
図7は
図2のY2−Y2線の断面図である。なお、X,Yは平面視で互いに交差(好適には直交)する2つの方向を示している。また、平面視とは、半導体基板1の主面に垂直な方向から視た場合を意味する。また、
図2および
図3は平面図であるが、理解を容易にするため制御ゲート電極CGにハッチングを付した。
【0022】
図2に示すように、メモリセルセルアレイ(メモリ領域)MRにおいて、例えば、p型のシリコン単結晶からなる半導体基板(以下、単に基板という)1の主面には、X方向(第3方向)に延在する複数のフィン(第1突出部)FAが、Y方向(第2方向)に沿って等間隔に配置されている。各フィンFAは、Y方向に所定の幅を有する平面視で帯状のパターンで形成されている。また、各フィンFAは、基板1の一部で形成されている。すなわち、
図6および
図7に示すように、各フィンFAは、基板1の主面から基板1の主面に垂直な方向(第1方向)に突出する直方体形状の突出部(凸部)で構成されている。各フィンFAは、基板1の上部のp型ウエルPW1内に形成されている。p型ウエルPW1は、基板1の上部に、例えば、リン(P)またはヒ素(As)等のような不純物が導入されることで形成されている。
【0023】
図5〜
図7に示すように、各フィンFAの脚部(下部)側の周囲は、分離部STIで囲まれており、各フィンFA間は分離部STIで分離されている。分離部STIは、例えば、溝型の分離部で形成されており、基板1の主面に形成された溝内に、例えば、酸化シリコン膜等のような絶縁膜が埋め込まれて形成されている。言い換えると、分離部STIから露出するフィンFAは、基板1の活性領域を形成する部分になっている。すなわち、フィンFAは、メモリセルMCを形成する為の活性領域である。そして、各フィンFAには、複数のメモリセルMCがX方向に沿って隣接した状態で配置されている。
【0024】
また、
図2に示すように、メモリセルアレイMRにおいて基板1上には、Y方向に延在する複数の制御ゲート電極(第1ゲート電極)CGおよび複数のメモリゲート電極(第2ゲート電極)MGが複数のフィンFAに対して交差した状態で配置されている。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、X方向に所定の幅を有する平面視で帯状のパターンで形成されており、ゲート絶縁膜Gimを介してX方向に隣接した状態で配置されている。
【0025】
図2〜
図4に示すように、各メモリセルMCは、例えば、スプリットゲート型のメモリセルで構成されており、制御ゲート電極CGと、メモリゲート電極MGと、ゲート絶縁膜Git,Gimと、ドレイン領域(第1半導体領域)MDと、ソース領域(第2半導体領域)MSとを有している。
【0026】
メモリセルMCの制御ゲート電極CGは、例えば、所定の不純物が導入された多結晶シリコン膜等のような導体膜によって形成されている。
図4および
図6に示すように、制御ゲート電極CGと、フィンFAの表面(主面およびこれに交差する側面)との間には、ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)Gitが形成されている。このゲート絶縁膜Gitにより、制御ゲート電極CGと基板1とが絶縁されている。ゲート絶縁膜Gitは、例えば、酸化シリコン膜によって形成されており、その膜厚は、例えば、2nmである。ゲート絶縁膜Gitは、例えば、フィンFAの表面(主面および側面)を熱酸化することで形成されている。
【0027】
一方、メモリセルMCのメモリゲート電極MGは、例えば、所定の不純物が導入された多結晶シリコン膜等のような導体膜によって形成されている。
図3〜
図5および
図7に示すように、メモリゲート電極MGと、フィンFAの表面との間およびメモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間には、ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)Gimが形成されている。このゲート絶縁膜Gimにより、メモリゲート電極MGと、制御ゲート電極CGおよび基板1とが絶縁されている。
【0028】
ゲート絶縁膜Gimは、例えば、3つの絶縁膜i1〜i3が積層されて形成されており、上記したゲート絶縁膜Gitより厚く形成されている。絶縁膜i1は、例えば、酸化シリコン膜によって形成されており、その膜厚は、例えば、4〜5nmである。この絶縁膜i1は、例えば、フィンFAの表面を熱酸化することで形成されている。その上の絶縁膜i2は、例えば、窒化シリコン膜からなり、その膜厚は、例えば、7〜10nmである。この絶縁膜i2は、電荷蓄積部(電荷蓄積層)である。さらに、その上の絶縁膜i3は、例えば、酸化シリコン膜によって形成されており、その膜厚は、例えば、5nmである。絶縁膜i3は、酸化シリコン膜に代えて、例えば、厚さ9nm程度の酸窒化シリコン膜で形成することもできる。なお、絶縁膜i2,i3は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成されている。
【0029】
メモリセルMCのドレイン領域MDおよびソース領域MSは、
図2および
図3に示すように、フィンFAにおいて制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを挟むように形成されている。なお、メモリセルMCのチャネル長は、X方向に隣り合うドレイン領域MDとソース領域MSとの間の距離となる。また、メモリセルMCのチャネル幅は、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGが対向している、フィンFAの主面のY方向の長さと、フィンFAの2つの側面の高さとの和となる。
【0030】
ドレイン領域MDは、X方向に隣り合う2つの制御ゲート電極CGの間に形成されており、X方向に隣り合う2つのメモリセルMC同士で共有となっている。そして、ドレイン領域MDを共有する2つのメモリセルMCは、ドレイン領域MDを中心にしてX方向に鏡面対称に配置されている。
【0031】
また、ソース領域MSは、X方向に隣り合う2つのメモリゲート電極MGの間に形成されており、X方向に隣り合う2つのメモリセルMC同士で共有となっている。そして、ソース領域MSを共有する2つのメモリセルMCは、ソース領域MSを中心にしてX方向に鏡面対称に配置されている。
【0032】
また、
図4に示すように、ドレイン領域MDは、n
−型半導体領域MD1およびn
+型半導体領域MD2を有しており、分離部STI、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜Gimから露出したフィンFAの全域に形成されている。
【0033】
また、ソース領域MSは、n
−型半導体領域MS1およびn
+型半導体領域MS2を有しており、分離部STI、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜Gimから露出したフィンFAの全域に形成されている。
【0034】
また、
図4〜
図7に示すように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの片側側面には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWが形成されている。さらに、基板1上には、絶縁膜LiFおよび層間絶縁膜IF1,IF2が下層から順に堆積されている。
【0035】
絶縁膜LiFは、例えば、窒化シリコン膜(層間絶縁膜IF1,IF2に対してエッチング選択比を大きくとれる材料)からなり、フィンFAの表面(主面および側面)、分離部STIの上面およびサイドウォールスペーサSWの側面を覆うように堆積されている。この絶縁膜LiFは、層間絶縁膜IF1,IF2より薄く形成されている。
【0036】
層間絶縁膜IF1,IF2は、例えば、酸化シリコン膜により形成されている。下層の層間絶縁膜IF1は、フィンFA、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG等による基板1Sの主面の段差を無くす(すなわち、平坦化する)機能を有しており、層間絶縁膜IF1の上面は制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの上面とほぼ一致している。
【0037】
この層間絶縁膜IF2上には、
図2および
図4に示すソース線SLおよびビット線BL等のような配線が形成されている。ソース線SLは、例えば、金属によって形成されており、層間絶縁膜IF2,IF1および絶縁膜LiFに穿孔されたコンタクトホールCT内に形成されたプラグ電極PGを通じてドレイン領域MDと電気的に接続されている。一方、ビット線BLは、例えば、金属によって形成されており、層間絶縁膜IF2,IF1および絶縁膜LiFに穿孔されたコンタクトホールCT内内に形成されたプラグ電極PGを通じてソース領域MSと電気的に接続されている。ソース線SLは、ビット線BLと異なる配線層の配線で形成することが好ましい。
【0038】
次に、
図8は
図1のチップCHPの容量素子領域CRの要部平面図、
図9は
図8の領域A1の拡大平面図、
図10は
図8のX3−X3線の断面図、
図11は
図8のX4−X4線の断面図、
図12は
図8のY3−Y3線の断面図、
図13は
図8のY4−Y4線の断面図である。なお、
図8および
図9は平面図であるが、理解を容易にするため容量素子CDのうち、上記制御ゲート電極CGと同じ形成工程時に同じ導体膜で形成される容量電極CE1に制御ゲート電極CGと同じハッチングを付した。
【0039】
図8に示すように、容量素子領域CRにおいて基板1の主面には、X方向に延在する複数のフィン(第2突出部)FBが、Y方向に沿って等間隔に配置されている。各フィンFBは、Y方向に所定の幅を有する平面視で帯状のパターンで形成されている。また、各フィンFBは、上記したフィンFAと同時に形成されており、フィンFAと同様、基板1の一部で形成されている。すなわち、
図12および
図13に示すように、各フィンFBは、基板1の主面から基板1の主面に垂直な方向(第1方向)に突出する直方体形状の突出部(凸部)で構成されている。各フィンFBは、基板1の上部のp型ウエルPW2内に形成されている。p型ウエルPW2は、基板1の上部に、例えば、リン(P)またはヒ素(As)等のような不純物が導入されることで形成されている。
【0040】
図11〜
図13に示すように、各フィンFBの脚部(下部)側の周囲は、上記したフィンFAと同様に、分離部STIで囲まれており、各フィンFB間は分離部STIで分離されている。言い換えると、分離部STIから露出するフィンFBは、基板1の活性領域を形成する部分になっている。すなわち、フィンFBは、容量素子を形成する為の活性領域である。
【0041】
また、
図8に示すように、容量素子領域CRにおいて基板1上には、Y方向に延在する複数の容量電極CE1,CE2が、複数のフィンFBに対して交差した状態で配置されている。容量電極CE1,CE2は、容量素子CDを形成する一対の電極であり、X方向に沿って交互に隣接した状態で配置されている。容量電極CE1,CE2の隣接間には、容量絶縁膜Ciが配置されている。なお、この例では、複数の容量電極CE1の一端が、これら複数の容量電極CE1に交差する共通の容量電極CE1に接続されている。ただし、複数の容量電極CE1をその一端で接続せず、上層の配線で接続しても良い。
【0042】
容量素子CDの容量電極(第1容量電極)CE1は、上記した制御ゲート電極CGと同じ形成工程時に同じ導体膜で形成されている。すなわち、容量電極CE1は、例えば、所定の不純物が導入された多結晶シリコン膜等のような導体膜によって形成されている。また、容量電極CE1の幅(短方向寸法)は、例えば、制御ゲート電極CGの幅(短方向寸法)と同じである。
【0043】
また、
図10および
図12に示すように、容量電極CE1と、フィンFBの表面(主面およびこれに交差する側面)との間には、絶縁膜igが形成されている。この絶縁膜igは、上記した制御ゲート電極CG下のゲート絶縁膜Gitと同じ形成工程時に同じ絶縁膜で形成されている。すなわち、絶縁膜igは、例えば、フィンFBの表面(主面および側面)を熱酸化することで形成された酸化シリコン膜からなり、その膜厚は、例えば、2nmである。ただし、容量素子CDの容量電極CE1は、絶縁膜igにより基板1と直接接続されていないものの、基板1の上層の配線(図示せず)を通じて基板1のP型ウエルPW2と電気的に接続されている。
【0044】
一方、容量素子CDの容量電極(第2容量電極)CE2は、上記したメモリゲート電極MGと同じ形成工程時に同じ導体膜で形成されている。すなわち、容量電極CE2は、例えば、所定の不純物が導入された多結晶シリコン膜等のような導体膜によって形成されている。また、容量電極CE2の幅(X方向寸法、短方向寸法)は、例えば、メモリゲート電極MGの幅(X方向寸法、短方向寸法)と同じである。
【0045】
また、
図9〜
図11および
図13に示すように、容量電極CE2と、フィンFBの表面との間および容量電極CE2と容量電極CE1との間には、容量絶縁膜Ciが形成されている。この容量絶縁膜Ciにより、容量電極CE2と容量電極CE1および基板1とが絶縁されている。この容量絶縁膜Ciは、上記したゲート絶縁膜Gimと同じ形成工程時に同じ絶縁膜により形成されている。すなわち、容量絶縁膜Ciは、例えば、3つの絶縁膜i1〜i3の積層構造で形成されている。すなわち、絶縁膜i1は、例えば、酸化シリコン膜からなり、その膜厚は、例えば、4〜5nmである。この絶縁膜i1は、例えば、フィンFBの表面等を熱酸化することで形成されている。その上の絶縁膜i2は、例えば、窒化シリコン膜からなり、その膜厚は、例えば、7〜10nmである。さらに、その上の絶縁膜i3は、例えば、酸化シリコン膜からなり、その膜厚は、例えば、5nmである。絶縁膜i3は、酸化シリコン膜に代えて、例えば、厚さ9nm程度の酸窒化シリコン膜(SiON膜)で形成することもできる。また、例えば、絶縁膜i2をHfSiOで形成し、絶縁膜i3をAlOで形成しても良い。容量絶縁膜Ciをゲート絶縁膜Gimで構成したことにより、容量絶縁膜Ci中に酸化シリコン膜よりも誘電率が高い窒化シリコン膜等を含ませることができるので、単位面積当たりの容量素子CDの容量を増加できる。
【0046】
このように本実施の形態1では、容量電極CE1,CE2、絶縁膜igおよび容量絶縁膜Ciを、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜Gitおよびゲート絶縁膜Gimと同じ形成工程で形成することにより、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
【0047】
この容量素子領域CRにおいて基板1の主面上には、上記と同様に、絶縁膜LiFおよび層間絶縁膜IF1,IF2が下層から順に堆積されている。ここでは、絶縁膜LiFは、フィンFBの表面(主面および側面)、分離部STIの上面およびサイドウォールスペーサSWの側面を覆うように形成されている。また、層間絶縁膜IF1は、フィンFB、容量電極CE1,CE2等による基板1Sの主面の段差を無くす(すなわち、平坦化する)機能を有しており、層間絶縁膜IF1の上面は容量電極CE1,CE2の上面とほぼ一致している。
【0048】
また、
図14の左は容量素子CDの容量の説明図であって
図10の要部拡大断面図、
図14の右は容量素子CDの容量の説明図であって
図13の要部拡大断面図、
図15は容量素子CDの単位回路図である。なお、
図14では図面を見易くするため容量絶縁膜Ciのハッチングを省略した。
【0049】
図14に示すように、本実施の形態1において、容量素子CDの容量は、容量電極CE2と容量電極CE1との間の容量CLと、容量電極CE2と基板1との間の容量CV(CV1,CV2)とを有している。特に、容量CVについては、
図14の右側に示すように、容量電極CE2とフィンFBの主面との間の容量CV1のみならず、容量電極CE2とフィンFBの側面との間の容量CV2も形成されている。そして、
図15に示すように、容量素子CDの容量CV,CLは、容量電極CE1およびp型ウエルPW2(基板1)と、容量電極CE2との間に並列に接続されている。このような構造により、容量素子領域CRにフィンFBが配置されていない場合に比べて、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加させることができる。このため、容量素子CDの平面積を小さくすることができるので、チップCHPの平面積(チップサイズ)を小さくすることができる。したがって、半導体装置のコストを低減できる。
【0050】
また、
図16の左は容量素子CDの複数の容量電極CE1の隣接間隔とメモリセルMCの複数の制御ゲート電極CGの隣接間隔とを比較して示した基板1の要部断面図である。
【0051】
本実施の形態1では、容量電極CE1と、制御ゲート電極CGとのパターンを同じ露光マスクを用いて転写するので、通常は、パターン転写時の寸法変動を回避する観点等から容量電極CE1の隣接間隔と制御ゲート電極CGの隣接間隔とを等しくすることが考えられる。この観点から容量素子CDを構成する複数の容量電極CE1の隣接間隔とメモリセルMCを構成する複数の制御ゲート電極CGの隣接間隔とを等しくしても良い。本実施の形態1では、その観点を考慮した上で、あえて容量素子CDの複数の容量電極CE1の隣接間隔d1を、メモリセルMCの複数の制御ゲート電極CGの隣接間隔d2より小さくしている。これにより、容量素子領域CRに配置できる容量電極CE1,CE2の数を増やせるので、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加できる。ただし、容量電極CE1の隣接間隔d1をあまり小さくしてしまうと、容量電極CE1の隣接間に容量電極CE2および容量絶縁膜Ciを埋め込むことができなくなる。そこで、本実施の形態1では、容量電極CE1の隣接間隔d1を容量絶縁膜Ciの3倍以上に設定している。これにより、容量電極CE1の隣接間に容量電極CE2および容量絶縁膜Ciを埋め込むことができる。
【0052】
また、
図16の右は容量素子領域CRに配置された複数のフィンFBの隣接間隔とメモリセルアレイMRに配置された複数のフィンFAの隣接間隔とを比較して示した基板1の要部断面図である。
【0053】
本実施の形態1では、メモリセルアレイMRのフィンFAと、容量素子領域CRのフィンFBとのパターンを同じ露光マスクを用いて転写するので、上記同様、通常は、パターン転写時の寸法変動を回避する観点等からフィンFAの隣接間隔とフィンFBの隣接間隔とを等しくすることが考えられる。この観点から容量素子領域CRの複数のフィンFBの隣接間隔とメモリセルアレイMRの複数のフィンFAの隣接間隔とを等しくしても良い。本実施の形態1では、その観点を考慮した上で、あえて容量素子領域CRの複数のフィンFBの隣接間隔d3を、メモリセルアレイMRの複数のフィンFAの隣接間隔より小さくしている。これにより、容量素子領域CRに配置できるフィンFBの数を増やせるので、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加できる。ただし、フィンFBの隣接間隔d3をあまり小さくしてしまうと、フィンFBの隣接間に容量電極CE1,CE2および容量絶縁膜Ciを埋め込むことができなくなる。そこで、本実施の形態1では、フィンFBの隣接間隔d3を容量絶縁膜Ciの3倍以上としている。これにより、フィンFBの隣接間に容量電極CE1,CE2および容量絶縁膜Ciを埋め込むことができる。
【0054】
また、上記の説明では、制御ゲート電極CGの幅(X方向寸法)と、容量電極CE1の幅(X方向寸法)とを等しくした場合について説明した。その理由は、上記同様、制御ゲート電極CGと、容量電極CE1とのパターンを同じ露光マスクで転写するので、パターン転写時の寸法変動を回避する観点等からである。この場合も、その観点を考慮した上で、あえて容量電極CE1の幅を、制御ゲート電極CGの幅より小さくしても良い。これにより、容量素子領域CRに配置できる容量電極CE1,CE2の数を増やせるので、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加できる。
【0055】
また、フィンFBの主面から容量電極CE1,CE2の上面までの長さ(厚さ、高さ)およびフィンFBの側面から容量電極CE1,CE2の側面までの長さ(厚さ)を、容量電極のX方向(短方向寸法)の幅よりも長く(厚く、高く)しても良い。これにより、容量素子CDの占有面積を増やすことなく容量電極CE1,CE2間の対向面積を増やせるので、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加させることができる。
【0056】
また、
図17〜
図20はフィンFA,FBの拡大断面図である。本実施の形態1では、
図17に示すように、フィンFA,FBの形状を直方体形状としたが、フィンFA,FBの形状は直方体形状に限定されるものではなく種々変更可能である。例えば、
図18に示すように、フィンFA,FBの突出端部の角に丸み(テーパ)を持たせても良い。これにより、フィンFA,FBの突出端部の角に電界が集中するのを抑制することができる。このため、メモリセルMCや容量素子CDの信頼性を向上させることができ、メモリセルMCや容量素子CDの寿命を向上させることができる。
【0057】
また、例えば、
図19に示すように、フィンFBの突出端部の角に丸みを持たせるとともに、フィンFBの幅(短方向寸法)がフィンFBの脚部から突出端部に向かって次第に小さくなるように、フィンFBの両側面(長手方向側面)を基板1の主面に対して傾斜させても良い。この場合、
図18の構造より、フィンFA,FBの突出端部の角に電界が集中するのを抑制することができる。このため、容量素子CDの信頼性をさらに向上させることができ、容量素子CDの寿命をさらに向上させることができる。また、容量電極CE2とフィンFBとの対向面積を
図17の構造より増やせるので、容量素子CDの容量を増加させることができる。
【0058】
また、例えば、
図20に示すように、フィンFBの表面に複数の微小突起(凹凸)を形成しても良い。これにより、容量電極CE2とフィンFBとの対向面積を
図17〜
図19の構造より増やせるので、容量素子CDの容量を増加させることができる。なお、フィンFBの微小突起は、例えば、シリコン(Si)からなり、CVD法等によって形成できる。
【0059】
また、
図21〜
図24は容量素子CDの容量電極CE1,CE2の変形例の要部断面図である。本実施の形態1では、容量電極CE1,CE2を、例えば、低抵抗な多結晶シリコン膜の単体膜で形成したが、これに限定されるものではなく種々変更可能である。例えば、
図21に示すように、容量電極CE1,CE2を、低抵抗な多結晶シリコン膜等のような導体膜CF1,CF2と、その上部に形成されたシリサイド層SSとの積層構造で構成しても良い。これにより、容量電極CE1,CE2と配線との接触抵抗を下げることができる。また、容量電極CE1,CE2の抵抗を下げることもできる。シリサイド層SSは、例えば、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)またはプラチナ(Pt)とシリコン(Si)との化合物によって形成されている。容量電極CE1,CE2のシリサイド層SSは、例えば、メモリアレイMRの制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG(または制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ソース領域MSおよびドレイン領域MD)の上部にシリサイド層SSを形成する際に同時に形成することができる。
【0060】
また、
図22に示すように、容量電極CE1を導体膜CF1とその上部のシリサイド層SSとの積層構造で構成するとともに、容量電極CE2を、例えば、タングステンまたはアルミニウム等のような金属膜で形成しても良い。これにより、
図21の場合に得られた効果の他に、容量電極CE2と配線との接触抵抗をさらに下げることができる。また、容量電極CE2の抵抗をさらに下げることができる。さらに、容量電極CE2の空乏化を抑制できるので、容量電極CE1,CE2の間の容量を増加できる。なお、容量電極CE2は、例えば、メモリアレイMRのメモリゲート電極MGを形成する際に同時に形成することができる。
【0061】
また、
図23に示すように、
図22の場合とは逆に、容量電極CE2を導体膜CF2とその上部のシリサイド層SSとの積層構造で構成するとともに、容量電極CE1を、例えば、タングステンまたはアルミニウム等のような金属膜で形成しても良い。これにより、
図21の場合に得られた効果の他に、容量電極CE1と配線との接触抵抗をさらに下げることができる。また、容量電極CE1の抵抗をさらに下げることができる。さらに、容量電極CE1の空乏化を抑制できるので、容量電極CE1,CE2の間の容量を増加できる。なお、容量電極CE1は、例えば、メモリアレイMRの制御ゲート電極CGを形成する際に同時に形成することができる。
【0062】
さらに、
図24に示すように、容量電極CE1,CE2を、例えば、タングステンまたはアルミニウム等のような金属膜で形成することもできる。これにより、
図21の場合に得られた効果の他に、容量電極CE1,CE2と配線との接触抵抗をさらに下げることができる。また、容量電極CE1,CE2の抵抗をさらに下げることができる。さらに、容量電極CE1,CE2の空乏化を抑制できるので、容量電極CE1,CE2の間の容量をさらに増加できる。なお、容量電極CE1,CE2は、例えば、メモリアレイMRの制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを形成する際に同時に形成することができる。
【0063】
また、
図25の左は容量素子の具体的な配置例の平面図、
図25の右は
図25の左の領域A2の拡大平面図である。
【0064】
容量電極CE1,CE2Gは、例えば、平面視で櫛歯状に形成されており、互いの櫛歯を噛み合わせた状態で配置されている。これにより、容量電極CE1,CE2の配置密度を向上させることができるので、容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加させることができる。
【0065】
容量電極CE1は、複数のコンタクトホールCT内のプラグ電極PGを通じて上層の配線WL1と電気的に接続されている。配線WL1は、例えば、金属によって形成されている。配線WL1には、例えば、0Vの電圧が供給される。
【0066】
一方、容量電極CE2は、複数のコンタクトホールCT内のプラグ電極PGを通じて上層の配線WL2と電気的に接続されている。配線WL2は、上記配線WL1と同様に、金属によって形成されているが、配線WL1とは絶縁されている。この配線WL2には、例えば、0〜VCCの電圧が供給される。
【0067】
また、容量電極CE2の一部には中抜き領域が形成されており、その中抜き領域内には、容量電極CE1を形成するための導体膜CF1が孤立した状態で配置されている。この導体膜CF1は、容量電極CE1とは電気的に接続されていない。この導体膜CF1は、容量電極CE2と配線WL2とを接続するコンタクトホールCT内のプラグ電極PGの接続性を良好にするために設けられている。なお、配線WL2と容量電極CE2とを電気的に接続するコンタクトホールCT内のプラグ電極PGは、導体膜CF1と電気的に接続されていても良いし、接続されていなくても良い。
【0068】
また、容量電極CE1,CE2の櫛歯の噛み合った領域には、その櫛歯に対して交差した状態で複数のフィンFB1(FB)が配置されている。これにより、上記したように容量素子CDの単位面積当たりの容量を増加させることができる。なお、
図25では図面を見易くするためフィンFB1を2本配置した場合を例示したが、これに限定されるものではなく2本以上配置することもできる。
【0069】
また、容量電極CE1,CE2のY方向両側にも容量電極CE1,CE2を挟むようにX方向に延在するフィンFB2(FB)が配置されている。このフィンFB2は、複数のコンタクトホールCT内のプラグ電極PGを通じて上記した配線WL1と電気的に接続されている。これにより、容量電極CE1と、基板1のp型ウエルPW2とが電気的に接続されるとともに、基板1のp型ウエルPW2の電位を固定することができる。
【0070】
また、
図26は容量素子の適用例であるチャージポンプ回路の回路図である。フラッシュメモリの場合、データの書込み、消去および読み出しの際に、電源電圧VCCより高い電圧が必要である。このため、電源電圧VCCを昇圧し高電圧を生成する昇圧回路が必要となる。昇圧回路には、
図26に例示するチャージポンプ回路CPCと称する回路が使用されている。チャージポンプ回路CPCは、容量素子CXと、ダイオード接続された複数の電界効果トランジスタQdとを含む単位回路を直列に多段に接続することで構成されている。各電界効果トランジスタQdのドレインには容量素子CXの一方の容量電極が電気的に接続されている。容量素子CXの他方の容量電極には、クロック信号が入力される。電位の昇圧に際しては、容量素子CXに蓄えられた電荷をクロック信号毎に次段に転送することで出力の容量性負荷の電位を上昇させる。
【0071】
しかし、チャージポンプ回路CPCでは、高い昇圧電圧を必要とする場合、上記単位回路(容量素子CXとダイオード接続された電界効果トランジスタQdとで構成)の段数を増やさなければならないので、チャージポンプ回路CPCの占有面積が増大してしまう。
【0072】
そこで、本実施の形態1では、このチャージポンプ回路CPCの容量素子CXを上記した本実施の形態1の容量素子CDで構成することにより、大きな昇圧電圧を得る場合でも単位回路の段数を減らすことができる。これにより、チャージポンプ回路CPCの占有面積を縮小できるので、チップサイズを縮小できる。ただし、チャージポンプ回路は、
図26に例示した構成に限定されるものではなく種々変更可能である。また、本実施の形態1の容量素子CDの適用箇所は、チャージポンプ回路の容量素子に限定されるものではなく種々適用可能であり、例えば、電源電圧VCCを供給するための配線と基準電圧(GND、例えば、0V)を供給するための配線との間に電気的に接続されるバイパスコンデンサ等に適用することもできる。
【0073】
<半導体装置の製造方法例について>
図27〜
図62は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中における基板1の要部断面図である。なお、以下の断面図において、X1−X1、X2−X2、Y1−Y1、Y2−Y2、X3−X3、X4−X4、Y3−Y3およびY4−Y4の表示は、各製造工程中における
図2のX1−X1線、X2−X2線、Y1−Y1線およびY2−Y2線と、
図8のX3−X3線、X4−X4線、Y3−Y3線およびY4−Y4線とに相当する箇所の断面図を示している。
【0074】
図27に示すように、例えば、1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコン等からなる基板1に対して、ホウ素等のような不純物をイオン注入法等により導入することにより、p型ウエルPW1,PW2を基板1の上部に形成する。
【0075】
続いて、基板1に対して熱酸化処理等を施すことにより、基板1の主面に、例えば、膜厚が2〜10nm程度の酸化シリコン膜等からなる絶縁膜2を形成する。その後、絶縁膜2上に、例えば、膜厚が、20〜100nm程度の窒化シリコン膜からなる絶縁膜3をCVD法等により堆積する。
【0076】
次いで、絶縁膜3上に、アモルファスシリコン膜をCVD法等により堆積した後、所望の形状にパターニングして、アモルファスシリコン膜からなるマスク膜4を絶縁膜3上に形成する。マスク膜4の膜厚は、例えば、20〜200nmである。このマスク膜4の両端に、フィンFA,FBが形成されるため、マスク膜4の幅により、隣り合うフィンFAの間隔および隣り合うフィンFBの間隔を決めることができる。ここでは、フィンFBの隣接間隔の方が、フィンFAの隣接間隔より小さくなるようにする。
【0077】
続いて、マスク膜4の上面および側面を覆うように、基板1上に、例えば、膜厚が10〜40nmの酸化シリコン膜をCVD法等により堆積した後、その酸化シリコン膜に異方性ドライエッチングを施して、マスク膜4の側壁上にハードマスク膜5を形成する。ハードマスク膜5の幅(短方向寸法)は、例えば、10〜40nmとなる。このハードマスク膜5の幅がフィンFA,FBの幅になる。このため、ハードマスク膜5のいずれかをマスクした状態で、マスクから露出したハードマスク膜5に対してウェットエッチングを施すことで、ハードマスク膜5の幅を変えてフィンFA,FBの幅を変えることもできる。
【0078】
次いで、マスク膜4を除去した後、
図28に示すように、残されたハードマスク膜5をエッチングマスクとして、絶縁膜2,3および基板1に対して異方性ドライエッチングを施す。これにより、
図29に示すように、平面視において、ハードマスク膜5と等しい形状の絶縁膜2,3およびフィンFA,FBを形成する。なお、ハードマスク膜5から露出した領域の基板1を、例えば、100〜250nm掘り下げることで、例えば、基板1の主面からの高さ100〜250nmを有するフィンFA,FBを形成することができる。ここでは、メモリセルアレイMRのフィンFAの幅と、容量素子領域CRのフィンFBの幅とが等しいが、変えても良い。ここで、フィンFA,FBの幅とは、前述の制御ゲート電極CGまたは容量電極CE1に対して交差する方向の長さのことである。フィンFA,FBを形成した後、ハードマスク膜5を除去する。
【0079】
次いで、酸化シリコン膜等からなる絶縁膜を基板1上に堆積した後、この絶縁膜に対して絶縁膜3の上面が露出するまでCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施す。これにより、
図30に示すように、基板1上にフィンFA,FBの隣接間を埋め込むように絶縁膜6を形成した後、絶縁膜3,2を順に除去する。
【0080】
次いで、絶縁膜6にエッチング処理を施すことにより、
図31〜
図34に示すように、絶縁膜6の主面を高さ方向に後退(下降)させる。これにより、フィンFA,FBの表面(主面およびこれに交差する側面)の一部を絶縁膜6から露出させるとともに、メモリセルアレイMRおよび容量素子領域CRに絶縁膜6で構成される分離膜STI(
図32〜
図34参照)を形成する。ここで、メモリセルセルアレイMRと容量素子領域CRとで、絶縁膜6の後退量は等しいので、フィンFA,FBの露出高さも等しい。フィンFA,FBの高さを変えるには、メモリセルアレイMRまたは容量素子領域CRのいずれか一方側にマスクをした状態でエッチング処理を施し、露出している絶縁膜6をエッチングすれば良い。
【0081】
続いて、基板1に対して熱酸化処理を施すことにより、
図35〜
図38に示すように、露出しているフィンFA,FBの表面(主面およびこ側面)に、例えば、膜厚が2nm程度の酸化シリコン膜からなる絶縁膜7を形成する。
【0082】
次いで、基板1の主面上に、分離部STIおよび絶縁膜7を覆うように、フィンFA,FBの高さ以上の膜厚の導体膜(第1導体膜)CF1をCVD法等により堆積した後、その導体膜CF1にCMP処理を施すことにより、平坦な主面を有する導体膜CF1を形成する。導体膜CF1は、例えば、低抵抗な多結晶シリコン膜によって形成されている。なお、導体膜CF1に対するCMP工程では、フィンFA,FBの主面上に導体膜CF1が残るようにする。
【0083】
続いて、導体膜CF1の主面上に、絶縁膜9をCVD法等により堆積する。絶縁膜9は、例えば、窒化シリコン膜によって形成されている。その後、絶縁膜9上に、レジスト膜PR1を選択的に形成する。レジスト膜PR1は、メモリセルアレイMRにおいて、制御ゲート電極CGの形成領域を覆い、それ以外の領域を露出するパターンを有する。さらに、レジスト膜PR1は、容量素子領域CRにおいて、一方の容量電極CE1を覆うパターンを有する。
【0084】
その後、
図39〜
図42に示すように、レジスト膜PR1をエッチングマスクとして、絶縁膜9および導体膜CF1にドライエッチング処理を施し、レジスト膜PR1から露出する絶縁膜9および導体膜CF1を除去する。これにより、メモリセルアレイMRに制御ゲート電極CG(CF1)およびゲート絶縁膜Git(7)を形成するとともに、容量素子領域CRに容量電極CE1(CF1)および絶縁膜ig(7)を形成する。なお、レジスト膜PR1は、絶縁膜9をパターニングした後、または、絶縁膜9および導体膜CF1をパターニングした後に除去する。
【0085】
次いで、
図43〜
図46に示すように、基板1上に絶縁膜10を形成する。すなわち、まず、基板1に対して熱酸化処理を施すことにより、フィンFA,FBの表面(主面および側面)等に、例えば、膜厚が4〜5nm程度の酸化シリコン膜を形成した後、その上に、例えば、膜厚が7〜10nm程度の窒化シリコン膜をCVD法等により堆積する。その後、その上に、例えば、膜厚が5nm程度の酸化シリコン膜をCVD法等により堆積する。このようにして、3つの絶縁膜を有する絶縁膜10を形成する。絶縁膜10のうちの1層目の絶縁膜の厚さは、ゲート絶縁膜Gitや絶縁膜igより厚い。絶縁膜10のうちの3層目の絶縁膜は、酸化シリコン膜に代えて、例えば、厚さ9nm程度の酸窒化シリコン膜で形成することもできる。絶縁膜10の2層目の絶縁膜をHfSiOで形成し、3層目の絶縁膜をAlOで形成しても良い。
【0086】
次いで、
図47〜
図50に示すように、基板1上(絶縁膜10上)に、例えば、低抵抗な多結晶シリコン膜からなる導体膜(第2導体膜)CF2をCVD法等により堆積する。導体膜CF2の高さは、制御ゲート電極CGと絶縁膜9の積層体の高さ、容量電極CE1と絶縁膜9の積層体の高さ、および、フィンFA,FBの高さ以上とする。この段階の導体膜CF2の膜厚は、例えば、200nm程度である。
【0087】
続いて、
図51〜
図54に示すように、導体膜CF2に対してCMP処理を施し、制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1上の絶縁膜10を露出させることにより、複数の制御ゲート電極CGの隣接間および複数の容量電極CE1の隣接間に導体膜CF2を形成する。このCMP処理後には、フィンFA,FB上に導体膜CF2が残されている。
【0088】
その後、導体膜CF2に対してエッチング処理を施すことにより、導体膜CF2の上面の高さを下げる。この時、制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1上の絶縁膜9をエッチングストッパとして機能させており、エッチング処理後も制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1上に絶縁膜9が残される。このエッチング処理後の導体膜CF2の上面の高さは、例えば、制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1の上面の高さとほぼ等しい。
【0089】
次いで、基板1上に、例えば、窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法等によって堆積した後、その絶縁膜に対して異方性ドライエッチング処理を施すことにより、
図55〜
図58に示すように、制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1上の絶縁膜9の側面にマスク膜13を形成する。
【0090】
ここで、
図55および
図56の左側(メモリセルアレイMR)では、互いに隣接する制御ゲート電極CGの隣接間隔が広いため、互に隣接する制御ゲート電極CGの隣接間にマスク膜13で被覆されてない領域が形成される。これに対して、
図55および
図56の右側(容量素子領域CR)では、互に隣接する容量電極CE1の隣接間隔が狭いため、容量電極CE1の隣接間がマスク膜13で埋め込まれている。
【0091】
続いて、絶縁膜9およびマスク膜13から露出した導体膜CF2にエッチング処理を施して除去する。これにより、
図59〜
図62に示すように、メモリセルアレイMRにおいては、制御ゲート電極CGの側壁に絶縁膜10を介して、導体膜CF2で形成されるメモリゲート電極MGおよびスペーサSPmを形成する。一方、容量素子領域CRにおいては、容量電極CE1の側壁に絶縁膜10を介して、導体膜CF2で形成される容量電極CE2およびスペーサSPcを形成する。なお、スペーサSPm,SPcは、メモリゲート電極MGおよび容量電極CE2と同様の構造であるが、後述の工程で除去されるため、メモリゲート電極MGおよび容量電極CE2と異なる名称としている。また、制御ゲート電極CGおよび容量電極CE1の上面には絶縁膜9が残されている。
【0092】
次いで、基板1上に、レジスト膜PR2をリソグラフィにより形成する。レジスト膜PR2は、スペーサSPm,SPc等の不要な部分を露出させ、それ以外を覆うように形成されている。続いて、レジスト膜PR2をエッチングマスクとして、例えば、ウェットエッチング処理を施すことにより、レジスト膜PR2から露出するスペーサSPm,SPc等の不要部分をエッチングして除去する。
【0093】
その後、メモリゲート電極MGおよび容量電極CE2から露出した領域の絶縁膜10を、例えば、ウェットエッチング処理によって除去する。これにより、メモリセルアレイMRでは、メモリゲート電極MGとフィンFAとの間およびメモリゲート電極CGと制御ゲート電極CGとの間に、絶縁膜10で形成されるゲート絶縁膜Gimを形成する。一方、容量素子領域CRでは、容量電極CE2と基板1(フィンFB)との間および容量電極CE2と容量電極CE1との間に、絶縁膜10で形成される容量絶縁膜Ciを形成する。
【0094】
次いで、容量素子領域CRを覆うレジスト膜(図示せず)を形成した後、例えば、ヒ素(As)またはリン(P)等のようなn型の不純物をイオン注入法等により、フィンFA内に導入する。その後、容量素子領域CRのレジスト膜を除去した後、基板1に対して熱処理を施すことにより、
図4に示したように、フィンFA内にn
−型半導体領域MD1,MS1を形成する。n
−型半導体領域MD1,MS1は、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGに対して自己整合で形成される。
【0095】
次いで、基板1上に、例えば、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜からなる絶縁膜を堆積した後、その絶縁膜に対して異方性ドライエッチングを施す。これにより、
図4〜
図7に示したように、メモリセルアレイMRにおいて、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGの側壁にサイドウォールスペーサSWを形成する。同時に、
図10〜
図13に示したように、容量素子領域CRにおいて、容量電極CE1の側壁にサイドウォールスペーサSWを形成する。
【0096】
次いで、例えばヒ素(As)またはリン(P)等のようなn型不純物を、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびサイドウォールスペーサSWをマスクとして、フィンFAにイオン注入法等で導入することで、
図4に示したように、n
+型半導体領域MD2,MS2を形成する。これにより、メモリセルMCのソース領域MSおよびドレイン領域MDが形成される。以降は、配線形成工程を経て半導体装置を製造する。
【0097】
(実施の形態2)
本実施の形態2の半導体装置の構造例について
図63および
図64を参照して説明する。
図63の左側は本実施の形態2の半導体装置における
図8のX4−X4線の断面図、
図63の右側は
図63の左側の領域A3の拡大断面図、
図64の左側は本実施の形態2の半導体装置における
図8のY4−Y4線の断面図、
図64の右側は
図64の左側の領域A4の拡大断面図である。なお、本実施の形態2の半導体装置において、
図8のX3−X3線の断面図は
図10と同じであり、
図8のY3−Y3線の断面図は
図12と同じである。また、本実施の形態2のメモリセルアレイMRの構造は、前記実施の形態1と同じである。また、
図63および
図64の右側の断面図では図面を見易くするため容量絶縁膜Ciのハッチングを省略した。
【0098】
本実施の形態2では、
図63および
図64の左側に示すように、複数のフィンFBの隣接間および最も外側のフィンFBの長辺と容量素子CDの外周位置との間(以下、フィンFBの隣接間等という)において容量電極CE2の直下(容量電極CE2と基板1との間)の分離部STIが部分的に除去されている。すなわち、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE2の直下の分離部STIが部分的に除去されて溝Tが形成されている。溝Tの底面からは基板1の主面が露出されている。そして、複数のフィンFBの隣接間等において、容量電極CE2の下部(基板1側)が溝T内に埋め込まれている。すなわち、複数のフィンFBの隣接間等において、容量電極CE2の下部が分離部STIを貫通して基板1の主面近傍まで達している。なお、複数のフィンFBの隣接間の容量電極CE2と基板1(溝Tの底面と側面)とは、それらの間に設けられた容量絶縁膜Ciによって絶縁されている。
【0099】
別の見方をすると、本実施の形態2の半導体装置では、容量素子領域CR(
図63、
図64)とメモリセルアレイMR(
図5、
図7)とで比較した場合、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE2の底面の高さ位置が、複数のフィンFAの隣接間等のメモリゲート電極MGの底面の高さ位置より低い。そして、容量素子領域CRとメモリセルアレイMRとで比較した場合、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE2の長さ(フィンFBの突出方向長さ:高さ)が、複数のフィンFAの隣接間等のメモリゲート電極MGの長さ(フィンFAの突出方向長さ:高さ)より長い(高い)。このため、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE2とフィンFBとの対向面積を、複数のフィンFAの隣接間間等のメモリゲート電極MGとフィンFAとの対向面積より大きくすることができる。
【0100】
なお、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE2の底面とは、容量電極CE2においてフィンFBの周囲の基板1に対向する面である。また、複数のフィンFAの隣接間等のメモリゲート電極MGの底面とは、メモリゲート電極MGにおいてフィンFBの周囲の基板1に対向する面である。
【0101】
別の言い方をすると、本実施の形態2では、
図14で示した容量CV,CLに加えてその他に、
図63および
図64の右側に示すように、複数のフィンFBの隣接間等において、容量電極CE2の底面と基板1の主面(フィンFBの周囲の基板1の主面、溝Tの底面)との間に容量CV3(CV)が形成される。その上、
図64の右側に示すように、容量電極CE2の下部(基板1側)の側面とフィンFBの脚部(分離部STIが除去された箇所、すなわち、溝T内の部分)の側面との間に容量CV4(CV)が形成される。したがって、容量素子CDの単位面積当たりの容量を前記実施の形態1より増加させることができる。
【0102】
次に、本実施の形態2の半導体装置の製造方法例について
図65〜
図72を参照して説明する。
図65〜
図72は本実施の形態2の半導体装置の製造工程中の基板1の要部断面図である。
【0103】
まず、前記実施の形態1の
図27〜
図42で説明した工程を経てゲート電極CGおよび容量電極CE1を形成し、その後、ゲート電極CG1および容量電極CE1の形成用のレジスト膜PR1を除去する。
【0104】
続いて、
図65〜
図68に示すように、メモリセルアレイMRの全域および容量素子領域CRの一部を覆い、それ以外を露出させるレジスト膜PR3をリソグラフィにより形成する。
【0105】
その後、
図69および
図70に示すように、レジスト膜PR3をエッチングマスクとして、レジスト膜PR3から露出する分離部STIを選択的にエッチングして除去する。これにより、容量素子領域CRにおいて複数のフィンFBの隣接間等に溝Tを形成する。溝Tの底面からは、フィンFBの周囲の基板1の主面が露出されている。なお、
図69および
図70の段階での
図2のX1−X1線および
図8のX3−X3線の断面図と、
図2のY1−Y1線および
図8のY3−Y3線の断面図とは
図65および
図67と同じなので省略する。
【0106】
これ以降は、前記実施の形態1の
図43以降で説明したのと同様の工程を経て、
図63および
図64に示した半導体装置を製造する。
【0107】
<実施の形態2の変形例>
図71の左側は実施の形態2の半導体装置の変形例における
図8のX4−X4線の断面図、
図71の右側は
図71の左側の領域A5の拡大断面図、
図72の左側は実施の形態2の半導体装置の変形例における
図8のY4−Y4線の断面図、
図72の右側は
図72の左側の領域A6の拡大断面図である。なお、この変形例において、
図8のX3−X3線の断面図は
図10と同じであり、
図8のY3−Y3線の断面図は
図12と同じである。また、この変形例のメモリセルアレイMRの構造は、前記実施の形態1と同じである。また、
図71および
図72の右側の断面図では図面を見易くするため容量絶縁膜Ciのハッチングを省略した。
【0108】
この変形例では、
図71および
図72に示すように、複数のフィンFBの隣接間等の溝Tが、容量電極CE2の下方(容量電極CE2と基板1との間)の分離部STIを貫通して基板1の主面(分離部STIの形成領域面内の基板1の主面)よりも深い位置まで形成されている。すなわち、溝Tの深さが、前記実施の形態2(
図63および
図64参照)より深い。そして、複数のフィンFBの隣接間等において、容量電極CE2の下部(基板1側)が、分離部STIを貫通して基板1の主面(分離部STIの形成領域面内の基板1の主面)より深い位置まで達している。ただし、溝Tの底部は、p型ウエルPW2の領域内(p型ウエルPW2と基板1との境界よりは浅い位置)で終端しており、容量電極CE2の下部も基板1のp型ウエルPW2の領域内(p型ウエルPW2と基板1との境界よりは浅い位置)で終端している。なお、フィンFBの隣接間等の溝T内において容量電極CE2と基板1とは、それらの間に設けられた容量絶縁膜Ciによって絶縁されている。この場合も、メモリセルアレイMRと容量素子領域CRとを対比した構成等は、前記実施の形態2で説明したのと同じである。
【0109】
この変形例では、
図14、
図63および
図64で示した容量CV,CLに加えてその他に、
図71および
図72の右側に示すように、複数のフィンFBの隣接間等において、容量電極CE2の下部(基板1側)の側面と基板1の側面(基板1に形成された溝Tの側面)との間に容量CV5が形成される。したがって、容量素子CDの単位面積当たりの容量を前記実施の形態2より増加させることができる。これ以外の構成は、実施の形態1で説明したのと同じである。また、この変形例の半導体装置の製造方法については、
図69および
図70で説明した溝Tをエッチングにより、さらに深い位置まで形成すれば良い。
【0110】
(実施の形態3)
本実施の形態3の半導体装置の構造例について
図73〜
図75を参照して説明する。
図73の左側は本実施の形態3の半導体装置における
図8のX4−X4線の断面図、
図73の右側は
図73の左側の領域A7の拡大断面図、
図74の左側は本実施の形態3の半導体装置における
図8のY3−Y3線の断面図、
図74の右側は
図74の左側の領域A8の拡大断面図である。また、
図75は本実施の形態3の半導体装置における
図8のY4−Y4線の断面図である。なお、本実施の形態3の半導体装置において、
図8のX3−X3線の断面図は
図10と同じである。また、本実施の形態3のメモリセルアレイMRの構造は、前記実施の形態1と同じである。また、
図73および
図74の右側の断面図では図面を見易くするため容量絶縁膜Ciのハッチングを省略した。
【0111】
本実施の形態3では、
図73〜
図75に示すように、複数のフィンFBの隣接間等において容量電極CE1,CE2の直下(容量電極CE1,CE2と基板1との間)の分離部STIが部分的に除去されている。すなわち、複数のフィンFBの隣接間等の容量電極CE1の直下にも溝TLが形成されていて、この溝TLを通じて、フィンFBの延在方向(X方向)に隣接する溝T同士が繋がっている。そして、フィンFBの延在方向(X方向)に隣接する容量電極CE2の下部が、溝TL内の容量電極CE2の一部(第1部分)を通じて繋がっている。すなわち、X方向に隣接する複数の容量電極CE2は、容量電極CE2,CE2の間の容量電極CE1の下(容量電極CE1とその底面に対向する基板1との対向面間)で互いに電気的に接続されている。別の言い方をすると、容量電極CE1と基板1との対向面間にも容量電極CE2の一部(第1部分)が設けられている。なお、容量電極CE2と基板1(溝T,TLの底面と側面)、容量電極CE2と容量電極CE1とは、それらの間に設けられた容量絶縁膜Ciによって絶縁されている。メモリセルアレイMRと容量素子領域CRとを対比した構成等は、前記実施の形態2と同じである。
【0112】
本実施の形態3では、
図14、
図63、
図64、
図71および
図72で示した容量CV,CLに加えてその他に、
図73および
図74の右側に示すように、複数のフィンFBの隣接間等において、溝TL内の容量電極CE2の底面とこれに対向する基板1との間に容量CV6(CV)が形成される。その上、溝TL内の容量電極CE2の上面と、これに対向する容量電極CE1の底面との間に容量CV7(CV)が形成される。さらに、図示はしないが、溝TL内の容量電極CE2とフィンFBとの対向面間にも容量が形成される。したがって、容量素子CDの単位面積当たりの容量を前記実施の形態1,2および変形例より増加させることができる。これ以外の構成は、実施の形態1で説明したのと同じである。
【0113】
次に、本実施の形態3の半導体装置の製造方法例について
図76〜
図79を参照して説明する。
図76〜
図79は本実施の形態3の半導体装置の製造工程中の基板1の要部断面図である。
【0114】
まず、前記実施の形態1,2と同様に、ゲート電極CGおよび容量電極CE1を形成し、レジスト膜PR1を除去した後、
図76〜
図79に示すように、メモリセルアレイMRの全域および容量素子領域CRの一部を覆い、それ以外を露出させるレジスト膜PR3をリソグラフィにより形成する。
【0115】
続いて、レジスト膜PR3をエッチングマスクとして、レジスト膜PR3から露出する分離部STIを選択的にエッチングして除去する。このとき、等方性エッチングにより、容量電極CE1の直下(容量電極CE1と基板1との対向面間)の分離部STIもエッチングして除去する。これにより、容量素子領域CRにおいて複数のフィンFBの隣接間等に、基板1の主面が露出する溝Tを形成するとともに、容量電極CE1の下に溝TLを形成する。
【0116】
これ以降は、前記実施の形態1の
図43以降で説明したのと同様の工程を経て、
図73〜
図75に示した半導体装置を製造する。なお、絶縁膜10の形成工程においては、溝Tの内面(底面と側面)および溝TLの内面(底面と側面の他、溝TL内において基板1に対向する容量電極CE1の裏面を含む)にも絶縁膜10が形成される。
【0117】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。