(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<ウェーブヘア用発泡性エアゾール組成物>
本発明の一実施形態のウェーブヘア用発泡性エアゾール組成物(以下、単にエアゾール組成物ともいう)は、ポリウレタン、ポリオール、起泡剤および水を含む水性原液と、液化ガスとからなる。水性原液は、ポリウレタンを固形分換算で0.1〜5質量%、ポリオールを0.5〜10質量%、水を80〜98質量%含む。以下、それぞれについて説明する。
【0015】
(水性原液)
水性原液は、ポリウレタン、ポリオール、起泡剤および水を含む。
【0016】
・ポリウレタン
ポリウレタンは、ウェーブヘアの表面で柔軟な被膜を形成し、ウェーブヘアのスタイルを長く維持するために配合される。
【0017】
ポリウレタンを構成する原料は、特に限定されない。一例を挙げると、ポリウレタンは、ポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等)とイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との反応を伴っていればよい。ポリウレタンは、併用されてもよい。
【0018】
ポリウレタンの含有量は、固形分換算で水性原液中、0.1質量%以上であればよく、0.5質量%以上であることが好ましい。また、ポリウレタンの含有量は、固形分換算で水性原液中、5質量%以下であればよく、3質量%以下であることが好ましい。ポリウレタンの含有量が0.1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、形成される被膜が弱く、ヘアスタイルを維持しにくい。一方、ポリウレタンの含有量が5質量%を超える場合、エアゾール組成物は、洗い落としにくい。
【0019】
・ポリオール
ポリオールは、エアゾール組成物のフォームを頭髪に付着・浸透しやすくし、乾燥により伸びて崩れたヘアスタイルを短時間でウェーブヘアに戻しやすくするために配合される。また、ポリオールは、ウェーブヘアの表面で柔軟かつ剥がれにくい被膜を形成し、長期間スタイルを保持させるために配合される。
【0020】
ポリオールは特に限定されない。一例を挙げると、ポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの炭素数が3〜5個の多価アルコール等である。ポリオールは、併用されてもよい。
【0021】
ポリオールの含有量は、水性原液中、0.5質量%以上であればよく、1質量%以上であることが好ましい。また、ポリオールの含有量は、10質量%以下であればよく、5質量%以下であることが好ましい。ポリオールの含有量が0.5質量%未満である場合、エアゾール組成物のフォームは、頭髪に浸透しにくくなり、短時間でウェーブヘアが復元されにくくなる。また、得られる被膜は、硬く剥がれやすくなり、スタイルを長時間維持しにくくなる。一方、ポリオールの含有量が10質量%を超える場合、得られる被膜は、柔らかくなり過ぎ、スタイルが崩れやすい。
【0022】
・起泡剤
起泡剤は、エアゾール容器内では水性原液中に液化ガスを保持させ、外部に吐出されたときに液化ガスの気化により水性原液を発泡させてフォームを形成するために配合される。
【0023】
起泡剤は特に限定されない。一例を挙げると、起泡剤は、(アクリル酸/イタコン酸ステアレス)コポリマー、(アクリル酸/イタコン酸セテス)コポリマー、アクリル酸/アミノアクリレート/C10−30アルキルPEG−20イタコン酸)コポリマーなどの会合型増粘剤;ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン性界面活性剤;アルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの陽イオン型界面活性剤;アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルグルタミン酸、N−アシルグリシン塩、N−アシルアラニン塩などのアミノ酸系界面活性剤等である。起泡剤は、併用されてもよい。
【0024】
起泡剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、起泡剤の含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、起泡剤の含有量は、水性原液中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。起泡剤の含有量が0.1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、発泡性が低く、フォームを形成しにくい。一方、起泡剤の含有量が10質量%を超える場合、泡が消えにくくなり髪への浸透性が遅くなりやすく、また起泡剤が頭髪上に残りやすくなる。
【0025】
本実施形態のエアゾール組成物は、髪にもみ込んだときに液状化しやすく浸透性に優れる泡を形成しやすく、さらに、べたつきがなく、使用感が優れる点から、起泡剤が会合型増粘剤であることが好ましい。また、起泡剤が会合型増粘剤である場合、起泡剤の含有量は、髪に浸透しやすい泡を形成しやすく、べたつきがなく、使用感がより優れる点から、水性原液中、0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0026】
・水
水は、水性原液の主成分であり、フォームの液膜を構成し、頭髪を濡らして、乾燥により伸びて崩れたヘアスタイルをウェーブヘアに復元するために配合される。
【0027】
水の含有量は、水性原液中、80質量%以上であればよく、85質量%以上であることが好ましい。また、水の含有量は、98質量%以下であればよく、95質量%以下であることが好ましい。水の含有量が80質量%未満である場合、エアゾール組成物は、頭髪を濡らすのに時間がかかる。そのため、エアゾール組成物は、ウェーブヘアを復元するのに時間がかかりやすい。一方、水が98質量%を超える場合、エアゾール組成物は、ポリウレタン、ポリオール、起泡剤等の他の成分を必要量含ませにくくなる。
【0028】
・任意成分
水性原液は、上記したポリウレタン、ポリオール、起泡剤、水以外に、適宜、任意成分を含んでもよい。任意成分は特に限定されない。一例を挙げると、任意成分は、各種有効成分、アルコール、油分、粘度調整剤、パウダー等である。
【0029】
有効成分は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分は、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、レシチン、ホホバエステル等の保湿剤、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクレリン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸などの紫外線吸収剤、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール等のビタミン類、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールなどの防腐剤、香料等である。有効成分は、併用されてもよい。
【0030】
有効成分が含まれる場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、水性原液中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が0.01質量%未満である場合、エアゾール組成物は、有効成分を含有することによる効果が得られにくい。一方、有効成分の含有量が15質量%を超える場合、エアゾール組成物は、有効成分を含有することによる効果が増強されないか低減する可能性がある。
【0031】
アルコールは、水に溶けない有効成分を溶解させる溶媒として、また、フォームの発泡性および消泡性を調整し、頭髪の濡れ具合を調整するなどの目的で好適に含有される。アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3個の1価アルコール等である。アルコールは、併用されてもよい。
【0032】
アルコールが含まれる場合、アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコールの含有量は、水性原液中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、水性原液中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が0.5質量%未満である場合、エアゾール組成物は、アルコールを含有することによる効果が得られにくい。一方、アルコールの含有量が10質量%を超える場合、エアゾール組成物は、発泡しにくく、また、髪の乾燥が速くなりやすい。
【0033】
油分は、ウェーブヘアに艶を与えたり、乾燥を抑制する等の目的で好適に含有される。油分は特に限定されない。一例を挙げると、油分は、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソオクタン酸セチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルへキサン酸トリメチロールプロパン、2−エチルへキサン酸アルキル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、クエン酸トリエチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油;オリーブ油、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油などの油脂;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィンなどの炭化水素油;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサンなどのシリコーンオイル;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸などの高級脂肪酸、ミツロウ、ラノリン、カンデリラロウ、カルナウバロウなどのロウ類等である。これらの中でも、油分は、ウェーブヘアになじみやすく、乾燥を抑制し、ウェーブヘアのスタイルを維持しやすい点から、エステル油であることが好ましい。油分は、併用されてもよい。
【0034】
油分が含まれる場合、油分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油分の含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、油分の含有量は、水性原液中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。油分の含有量が0.1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、油分を含有することによる効果が得られにくい。一方、油分の含有量が10質量%を超える場合、エアゾール組成物は、発泡性が悪くなりやすく、髪に塗布しにくくなる。
【0035】
粘度調整剤は、水性原液の粘度を調整して発泡性および消泡性を調整し、頭髪の濡れ具合を調整するなどの目的で好適に含有される。粘度調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、粘度調整剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、カルボキシビニルポリマー等である。粘度調整剤は、併用されてもよい。
【0036】
粘度調整剤が含まれる場合、粘度調整剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、粘度調整剤の含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、粘度調整剤の含有量は、水性原液中、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。粘度調整剤の含有量が0.01質量%未満である場合、エアゾール組成物は、粘度調整剤を含有することによる効果が得られにくい。一方、粘度調整剤の含有量が3質量%を超える場合、水性原液の粘度が高くなり過ぎて、エアゾール組成物は発泡しにくくなり、べたつきやすい。
【0037】
パウダーは、光の反射を抑えて頭髪の色をきれいに見せる、櫛どおりを良くする等の目的で好適に含有される。パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、炭粉末、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンパウダー等である。パウダーは、併用されてもよい。
【0038】
パウダーが含まれる場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、水性原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が0.01質量%未満である場合、エアゾール組成物は、パウダーを含有することによる効果が得られにくい。一方、パウダーの含有量が5質量%を超える場合、髪に付着したパウダーが目立ちやすくなる。
【0039】
水性原液の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、水性原液は、ポリウレタン、ポリオール、起泡剤、任意成分等を水に添加し、混合することにより調製することができる。
【0040】
(液化ガス)
液化ガスは、エアゾール容器内では液体であり水性原液とエマルジョンを形成しており、外部に吐出されると気化して水性原液を発泡させてフォームを形成するために含有される。
【0041】
液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンなどのハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテル、およびこれらの混合物等である。液化ガスは、併用されてもよい。
【0042】
液化ガスの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、発泡性が不充分で液たれしやすく、頭髪に塗り伸ばしにくくなる。一方、液化ガスの含有量が10質量%を超える場合、エアゾール組成物の泡は、もみ込んでも消えにくくなり、頭髪が濡れるのに時間がかかる。そのため、ウェーブヘアへの復元が遅くなる傾向がある。
【0043】
本実施形態のエアゾール組成物を充填したエアゾール製品の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、まず、容器本体内に水性原液が充填される。次いで、容器本体の開口部にエアゾールバルブが取り付けられ、エアゾールバルブから液化ガスが充填され、水性原液と液化ガスとが混合される。その後、エアゾールバルブのステムに吐出部材を取り付けられ、エアゾール容器にキャップを取り付けられることにより、エアゾール製品が製造される。
【0044】
得られたエアゾール製品は、吐出部材を操作することによりエアゾール組成物を吐出することができる。吐出されたエアゾール組成物は、液化ガスが気化して泡を形成する。この泡は頭髪にもみ込むと、頭髪に染み込むように消泡し、頭髪を短時間で濡らしてカールを復元する。また、エアゾール組成物は、復元されたカールに柔らかい被膜を形成し、復元されたカールを維持する。
【0045】
エアゾール組成物の泡の比重は、0.04g/mL以上であることが好ましく、0.05g/mL以上であることがより好ましい。また、泡の比重は、0.1g/mL以下であることが好ましく、0.08g/mL以下であることがより好ましい。泡の比重が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物の泡は、もみ込むことにより消泡して頭髪に染み込むように消泡しやすい。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0047】
<実施例1>
以下の表1に示される処方の水性原液A95.0g(95.0質量%)をアルミニウム製耐圧容器に充填し、エアゾールバルブを固着した。エアゾールバルブから液化石油ガス(*1)5.0g(5.0質量%)を充填し、水性原液と液化石油ガスとを混合してエアゾール組成物を製造した。得られたエアゾール組成物に、吐出部材(吐出孔の断面積が3.8mm
2)を取り付け、エアゾール製品を作製した。
*1:25℃における圧力が0.5MPa
【0048】
<実施例2>
表1に示される水性原液Bを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0049】
<実施例3>
表1に示される水性原液Cを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0050】
<実施例4>
水性原液Bを92.0g(92.0質量%)、液化石油ガス(*1)を8.0g(8.0質量%)を充填した以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0051】
【表1】
*2:アミゾールCDE(商品名 川研ファインケミカル(株)製)、
*3:CRODAMOL MIO(商品名 クローダジャパン(株)製)、
*4:STRUCTURE 2001(商品名 アクゾノーベル社製)、
*5:Baycusanc1010(商品名 コベストロジャパン社製)、ポリウレタンの固形分が40質量%である水分散液
【0052】
<比較例1>
以下の表2に示される水性原液Dを95.0g(95.0質量%)、液化石油ガス(*1)を5.0g(5.0質量%)を充填した以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0053】
<比較例2>
表2に示される水性原液Eを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0054】
<比較例3>
表2に示される水性原液Fを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0055】
【表2】
*6:プラスサイズL-6330(商品名 互応化学工業(株)製)、固形分が30%であるエタノール溶液
*7:プラスサイズL-2200(商品名 互応化学工業(株)製)、固形分が40%であるエタノール溶液
【0056】
<比較例4>
以下の表3に示される水性原液Gを95.0g(95.0質量%)、液化石油ガス(*1)を5.0g(5.0質量%)を充填した以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0057】
<比較例5>
表3に示される水性原液Hを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0058】
<比較例6>
表3に示される水性原液Iを用いた以外は実施例1と同様に、エアゾール組成物を製造した。
【0059】
【表3】
【0060】
実施例1〜4および比較例1〜6において得られたエアゾール組成物およびエアゾール製品に関して、以下の評価方法により、カール戻り、乾燥時のカール保持、手くし時のカール保持、泡比重を評価した。結果を表4に示す。
【0061】
1.カール戻り
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬し、25℃に調整したエアゾール組成物を1g吐出した泡を、パーマ処理し、乾燥させ、カールが延びた毛束(長さ30cm)に塗布したときのカールが戻る状態を、以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準)
◎:泡を手のひらにとってもみ込むと、泡が染み込むように消えて毛束が濡れ、すぐにカールした。
○:泡を手のひらにとってもみ込むと、泡の消えが遅いものの毛束が濡れ、10〜30秒でカールした。
×:泡を手のひらにとってもみ込んでも泡が残りやすく、毛束の濡れが遅く、カールの戻りに30秒以上かった。
××:泡を手のひらにとってもみ込むと樹脂が析出して毛束に付着した。
【0062】
2.乾燥時のカール保持
「カール戻り」で使用した毛束を乾燥させ、25℃の恒温室内で一端を固定して6時間吊り下げたときの状態を、以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準)
◎:毛束がまとまった状態でカールが維持され、毛束の長さは吊り下げ開始時の長さの120%未満であった。
○:毛束はまとまった状態であるが、カールがやや延びており、毛束の長さは吊り下げ開始時の長さの120〜140%未満であった。
△:毛束がややばらつき、カールが延びており、毛束の長さは吊り下げ開始時の長さの140〜160%未満であった。
×:毛束がばらつき、さらにカールが延びてなくなり、毛束の長さは吊り下げ開始時の長さの160%以上であった。
【0063】
3.手くし時のカール保持
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬し、25℃に調整したエアゾール組成物を1g吐出した泡を、パーマ処理し、乾燥させ、カールが延びた毛束(長さ30cm)に塗布して染み込ませてカールさせ、毛束を乾燥させた毛束を指の間で5回といたときの状態を評価した。
(評価基準)
◎:手くし処理前とほとんど変わらず、毛束がまとまった状態でカールを維持した。
○:まとまっていた毛束がやや拡がり、カールもやや延びた
△:3〜5回でまとまっていた毛束が拡がり、カールも延びた。
×:2回以内でまとまっていた毛束が拡がり、カールも延びた。
【0064】
4.泡比重
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬し、25℃に調整したエアゾール組成物を、容積25mLのカップに吐出して泡で満たし、25mL分の泡の重量を測定し、泡比重を算出した。
【0065】
【表4】
【0066】
表4に示されるように、実施例1〜4のエアゾール組成物は、いずれも短時間でカールを復元でき、かつ、復元したカールを維持することができた。また、これらのカールは、手くしでといた場合であっても、維持された。一方、比較例1のエアゾール組成物は、カールを短時間で復元することができなかった。また、比較例2〜3のエアゾール組成物は、いずれも手くしでとくと、維持されていたカールが容易に延びた。さらに、比較例4のエアゾール組成物は、乾燥時や手くし時においてカールを保持しにくく、比較例5のエアゾール組成物は、乾燥時や手くし時においてカールを保持することができなかった。比較例6のエアゾール組成物は、泡を頭髪にもみ込むと樹脂が析出してしまい、カールを戻すことができなかった。