特許第6885816号(P6885816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6885816パラメータ設計支援装置、及びパラメータ設計支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885816
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】パラメータ設計支援装置、及びパラメータ設計支援方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
【請求項の数】26
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-145667(P2017-145667)
(22)【出願日】2017年7月27日
(65)【公開番号】特開2019-29445(P2019-29445A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】井上 正史
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−258563(JP,A)
【文献】 特開2003−297892(JP,A)
【文献】 特開2008−217513(JP,A)
【文献】 特開2001−265830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/027
H01L 21/66
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する記憶部と、
複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する制御部と
を備え、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記制御部は、
取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成し、
前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成し、
前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値、対応する前記制御因子の水準値設定する、パラメータ設計支援装置。
【請求項2】
前記統計的手法は、タグチメソッド又は実験計画法である、請求項1に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記水準値を直交表に割り付けて前記組み合わせ情報を生成する、請求項2に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項4】
作業者が操作する入力部を備え、
前記入力部は、前記複数の制御因子の登録を受け付ける、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項6】
基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する記憶部と、
複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する制御部と、
作業者が操作する入力部
を備え、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記制御部は、
取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成し、
前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成し、
前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記入力部は、選択指示を受け付け、
前記選択指示は、前記制御部のモードを、前記評価レシピを作成するモードから前記基板処理装置を動作させるモードに遷移させるか否かを示
前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる、パラメータ設計支援装置。
【請求項7】
基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する記憶部と、
複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する制御部と
を備え、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記制御部は、
取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成し、
前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成し、
前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させ、
前記複数の制御因子は、前記評価レシピによって制御できないレシピ対象外因子を含み、
前記制御部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となるまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる、パラメータ設計支援装置。
【請求項8】
作業者が操作する入力部を備え、
前記入力部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となったことを示す準備完了指示を受け付け、
前記制御部は、前記入力部が前記準備完了指示を受け付けると、前記基板処理装置に前記基板を処理させる、請求項7に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項9】
基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する記憶部と、
複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する制御部と
を備え、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記制御部は、
取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成し、
前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成し、
前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させ、
前記複数の制御因子は、パラメータ値が安定するまで待機する必要があるパラメータに対応する待機因子を含み、
前記制御部は、前記待機因子が、対応する前記水準値で安定するまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる、パラメータ設計支援装置。
【請求項10】
基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する記憶部と、
複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する制御部と
を備え、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記制御部は、
取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成し、
前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成し、
前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し
前記制御部は、前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成を繰り返し、
前記制御部は、2回目以降の前記組み合わせ情報の生成時に、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値を変更する、パラメータ設計支援装置。
【請求項11】
作業者が操作する入力部を備え、
前記入力部は、前記制御因子ごとに前記水準値の範囲の登録を受け付け、
前記制御部は、前記水準値を取得する際に、対応する前記水準値の範囲に含まれる値を取得し、
前記制御部は、2回目以降の前記組み合わせ情報の生成時に、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値として、対応する前記水準値の範囲から前回とは異なる値を取得する、請求項10に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記基板処理装置によって処理された前記基板の検査結果に基づき、前記水準値のそれぞれのSN比及び感度のうち、少なくとも前記SN比を算出し、
前記SN比及び/又は前記感度が合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在するか否かを判定し、
前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在しないと判定した場合、前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成の繰り返しを終了する、請求項10又は請求項11に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項13】
アラームを通知するアラーム通知部を備え、
前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成を繰り返した回数が所定回数に達しても、前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在する場合に、前記アラーム通知部が前記アラームを通知する、請求項12に記載のパラメータ設計支援装置。
【請求項14】
制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する組み合わせ情報生成工程と、
前記制御部が、基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する評価レシピ作成工程と
を包含し、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値、対応する前記制御因子の水準値設定する、パラメータ設計支援方法。
【請求項15】
前記統計的手法は、タグチメソッド又は実験計画法である、請求項14に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項16】
前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記水準値を直交表に割り付けて前記組み合わせ情報を生成する、請求項15に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項17】
前記組み合わせ情報生成工程において、入力部が、前記複数の制御因子の登録を受け付ける、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項18】
前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる処理工程を更に包含する、請求項14から請求項17のいずれか1項に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項19】
制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する組み合わせ情報生成工程と、
前記制御部が、基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する評価レシピ作成工程と、
入力部が選択指示を受け付ける工程と、
前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる処理工程と
を包含し、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記選択指示は、前記制御部のモードを、前記評価レシピを作成するモードから前記基板処理装置を動作させるモードに遷移させるか否かを示す、パラメータ設計支援方法。
【請求項20】
制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する組み合わせ情報生成工程と、
前記制御部が、基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する評価レシピ作成工程と、
前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる処理工程と
を包含し、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記複数の制御因子は、前記評価レシピによって制御できないレシピ対象外因子を含み、
前記処理工程において、前記制御部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となるまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる、パラメータ設計支援方法。
【請求項21】
前記処理工程は、入力部が準備完了指示を受け付ける工程を包含し、
前記準備完了指示は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となったことを示し、
前記入力部が前記準備完了指示を受け付けると、前記制御部は、前記基板処理装置に前記基板を処理させる、請求項20に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項22】
制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する組み合わせ情報生成工程と、
前記制御部が、基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する評価レシピ作成工程と、
前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる処理工程と
を包含し、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記複数の制御因子は、パラメータ値が安定するまで待機する必要があるパラメータに対応する待機因子を含み、
前記処理工程において、前記制御部は、前記待機因子が、対応する前記水準値で安定するまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる、パラメータ設計支援方法。
【請求項23】
制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する組み合わせ情報生成工程と、
前記制御部が、基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する評価レシピ作成工程と
を包含し、
前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含み、
前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示し、
前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定し、
前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程は繰り返され、
2回目以降の前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値を変更する、パラメータ設計支援方法。
【請求項24】
前記組み合わせ情報生成工程において、
入力部が、前記制御因子ごとに前記水準値の範囲の登録を受け付け、
前記制御部が、前記水準値を取得する際に、対応する前記水準値の範囲に含まれる値を取得し、
2回目以降の前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値として、対応する前記水準値の範囲から前回とは異なる値を取得する、請求項23に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項25】
前記制御部が、前記基板処理装置によって処理された前記基板の検査結果に基づき、前記水準値のそれぞれのSN比及び感度のうち、少なくとも前記SN比を算出する算出工程と、
前記制御部が、前記算出工程において算出された前記SN比及び/又は前記感度が合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在するか否かを判定する工程と
を更に包含し、
前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在しないと前記制御部が判定した場合、前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程の繰り返しが終了する、請求項23又は請求項24に記載のパラメータ設計支援方法。
【請求項26】
前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程を繰り返した回数が所定回数に達しても、前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在すると前記制御部が判定した場合に、アラーム通知部がアラームを通知する工程を更に包含する、請求項25に記載のパラメータ設計支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラメータ設計支援装置、及びパラメータ設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置のパラメータ設計は、試行(所謂「条件出し」)を繰り返すことによって行われる。具体的には、基板の処理に係る種々のパラメータ値(処理条件)を変更しながら基板を処理し、その結果を解析することにより、ロバスト性があるパラメータ値を決定している(例えば、特許文献1参照)。基板処理装置のパラメータ設計は、製品開発時だけではなく、基板処理装置を構成する部品の経時変化等によってパラメータ値の変更が必要となった場合にも行われる。
【0003】
また、一般的に、パラメータ設計を行う際には、実験(試行)の回数を減らすために直交表が利用される。直交表は、専用のアプリケーションソフトを用いることによって、容易に作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−258563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、直交表を利用する場合であっても、特許文献1に記載されているように、各パラメータ値をダイアログ画面を介して作業者が変更(入力)する構成では、入力ミスが起きないように慎重に各パラメータ値を変更する必要があり、作業者の負担を考慮すれば、更なる改良の余地がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の負担が軽減されるようにパラメータ設計を支援するパラメータ設計支援装置、及びパラメータ設計支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパラメータ設計支援装置は、記憶部と、制御部とを備える。前記記憶部は、基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する。前記制御部は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記制御部は、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記制御部は、前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値、対応する前記制御因子の水準値設定する。
【0008】
ある実施形態において、前記統計的手法は、タグチメソッド又は実験計画法である。
【0009】
ある実施形態において、前記制御部は、前記水準値を直交表に割り付けて前記組み合わせ情報を生成する。
【0010】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援装置は、作業者が操作する入力部を備える。前記入力部は、前記複数の制御因子の登録を受け付ける。
【0011】
ある実施形態において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。
【0012】
本発明に係る他のパラメータ設計支援装置は、記憶部と、制御部と、作業者が操作する入力部とを備える。前記記憶部は、基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する。前記制御部は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記制御部は、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記制御部は、前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記入力部は、選択指示を受け付ける。前記選択指示は、前記制御部のモードを、前記評価レシピを作成するモードから前記基板処理装置を動作させるモードに遷移させるか否かを示す。前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。
【0013】
本発明に係る他のパラメータ設計支援装置は、記憶部と、制御部とを備える。前記記憶部は、基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する。前記制御部は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記制御部は、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記制御部は、前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。前記複数の制御因子は、前記評価レシピによって制御できないレシピ対象外因子を含む。前記制御部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となるまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる。
【0014】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援装置は、作業者が操作する入力部を備える。前記入力部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となったことを示す準備完了指示を受け付ける。前記制御部は、前記入力部が前記準備完了指示を受け付けると、前記基板処理装置に前記基板を処理させる。
【0015】
本発明に係る他のパラメータ設計支援装置は、記憶部と、制御部とを備える。前記記憶部は、基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する。前記制御部は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記制御部は、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記制御部は、前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。前記複数の制御因子は、パラメータ値が安定するまで待機する必要があるパラメータに対応する待機因子を含む。前記制御部は、前記待機因子が、対応する前記水準値で安定するまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる。
【0016】
本発明に係る他のパラメータ設計支援装置は、記憶部と、制御部とを備える。前記記憶部は、基板処理装置を制御する標準レシピを記憶する。前記制御部は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記水準値は、前記基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記制御部は、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記制御部は、前記標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記制御部は、前記評価レシピを作成する際に、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記制御部は、前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成を繰り返す。前記制御部は、2回目以降の前記組み合わせ情報の生成時に、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値を変更する。
【0017】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援装置は、作業者が操作する入力部を備える。前記入力部は、前記制御因子ごとに前記水準値の範囲の登録を受け付ける。前記制御部は、前記水準値を取得する際に、対応する前記水準値の範囲に含まれる値を取得する。前記制御部は、2回目以降の前記組み合わせ情報の生成時に、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値として、対応する前記水準値の範囲から前回とは異なる値を取得する。
【0018】
ある実施形態において、前記制御部は、前記基板処理装置によって処理された前記基板の検査結果に基づき、前記水準値のそれぞれのSN比及び感度のうち、少なくとも前記SN比を算出する。前記制御部は、前記SN比及び/又は前記感度が合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在するか否かを判定する。前記制御部は、前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在しないと判定した場合、前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成の繰り返しを終了する。
【0019】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援装置は、アラームを通知するアラーム通知部を備える。前記組み合わせ情報の生成及び前記評価レシピの作成を繰り返した回数が所定回数に達しても、前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在する場合に、前記アラーム通知部が前記アラームを通知する。
【0020】
本発明に係るパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程と、評価レシピ作成工程とを包含する。前記組み合わせ情報生成工程では、制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記水準値は、基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記評価レシピ作成工程では、前記制御部が、前記基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値、対応する前記制御因子の水準値設定する。
【0021】
ある実施形態において、前記統計的手法は、タグチメソッド又は実験計画法である。
【0022】
ある実施形態では、前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記水準値を直交表に割り付けて前記組み合わせ情報を生成する。
【0023】
ある実施形態では、前記組み合わせ情報生成工程において、入力部が、前記複数の制御因子の登録を受け付ける。
【0024】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援方法は、処理工程を更に包含する。前記処理工程では、前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。
【0025】
本発明に係る他のパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程と、評価レシピ作成工程と、入力部が選択指示を受け付ける工程と、処理工程とを包含する。前記組み合わせ情報生成工程では、制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記水準値は、基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記評価レシピ作成工程では、前記制御部が、前記基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記処理工程では、前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記選択指示は、前記制御部のモードを、前記評価レシピを作成するモードから前記基板処理装置を動作させるモードに遷移させるか否かを示す。
【0026】
本発明に係る他のパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程と、評価レシピ作成工程と、処理工程とを包含する。前記組み合わせ情報生成工程では、制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記水準値は、基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記評価レシピ作成工程では、前記制御部が、前記基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記処理工程では、前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記複数の制御因子は、前記評価レシピによって制御できないレシピ対象外因子を含む。前記処理工程において、前記制御部は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となるまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる。
【0027】
ある実施形態において、前記処理工程は、入力部が準備完了指示を受け付ける工程を包含する。前記準備完了指示は、前記レシピ対象外因子が、対応する前記水準値となったことを示す。前記入力部が前記準備完了指示を受け付けると、前記制御部は、前記基板処理装置に前記基板を処理させる。
【0028】
本発明に係る他のパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程と、評価レシピ作成工程と、処理工程とを包含する。前記組み合わせ情報生成工程では、制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記水準値は、基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記評価レシピ作成工程では、前記制御部が、前記基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記処理工程では、前記制御部が、前記水準値の組み合わせごとに、前記評価レシピに基づいて前記基板処理装置を動作させる。前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記複数の制御因子は、パラメータ値が安定するまで待機する必要があるパラメータに対応する待機因子を含む。前記処理工程において、前記制御部は、前記待機因子が、対応する前記水準値で安定するまで、前記基板処理装置による処理の実行を待機させる。
【0029】
本発明に係る他のパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程と、評価レシピ作成工程とを包含する。前記組み合わせ情報生成工程では、制御部が、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得して、取得した前記水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。前記水準値は、基板処理装置が基板を処理する際の条件を示す。前記評価レシピ作成工程では、前記制御部が、前記基板処理装置を制御する標準レシピと前記組み合わせ情報とに基づいて、前記水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。前記標準レシピは、前記複数の制御因子の少なくとも1つに対応するパラメータを含む。前記評価レシピ作成工程において、前記制御部は、前記水準値の組み合わせごとに、前記標準レシピに含まれる前記制御因子に対応するパラメータのパラメータ値を、対応する前記制御因子の水準値に設定する。前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程が繰り返される。2回目以降の前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値を変更する。
【0030】
ある実施形態では、前記組み合わせ情報生成工程において、入力部が、前記制御因子ごとに前記水準値の範囲の登録を受け付ける。前記制御部が、前記水準値を取得する際に、対応する前記水準値の範囲に含まれる値を取得する。2回目以降の前記組み合わせ情報生成工程において、前記制御部は、前記複数の制御因子のうちの少なくとも一部の前記水準値として、対応する前記水準値の範囲から前回とは異なる値を取得する。
【0031】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援方法は、算出工程と、判定工程とを更に包含する。前記算出工程では、前記制御部が、前記基板処理装置によって処理された前記基板の検査結果に基づき、前記水準値のそれぞれのSN比及び感度のうち、少なくとも前記SN比を算出する。前記判定工程では、前記制御部が、前記算出工程において算出された前記SN比及び/又は前記感度が合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在するか否かを判定する。前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在しないと前記制御部が判定した場合、前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程の繰り返しが終了する。
【0032】
ある実施形態において、前記パラメータ設計支援方法は、前記組み合わせ情報生成工程及び前記評価レシピ作成工程を繰り返した回数が所定回数に達しても、前記SN比及び/又は前記感度が前記合否基準の範囲内の値ではない前記制御因子が存在すると前記制御部が判定した場合に、アラーム通知部がアラームを通知するアラーム通知工程を更に包含する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態1に係るパラメータ設計支援システムを示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る操作装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る第1設定画面を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る第2設定画面を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る第3設定画面を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係る第4設定画面を示す図である。
図7】本発明の実施形態1に係る第5設定画面を示す図である。
図8】本発明の実施形態1に係るパラメータ設計支援システムのフローを示す図である。
図9】(a)は制御因子と水準値との関係の一例を示す表であり、(b)はSN比の要因効果図の一例を示す図であり、(c)は感度の要因効果図の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態1に係る処理工程を示す図である。
図11】本発明の実施形態2に係る第2設定画面を示す図である。
図12】本発明の実施形態2に係るパラメータ設計支援システムのフローを示す図である。
図13】本発明の実施形態3に係るパラメータ設計支援システムのフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0036】
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係るパラメータ設計支援システム10を示す図である。図1に示すように、パラメータ設計支援システム10は、基板処理装置1、操作装置2、検査装置3、及び通信ケーブル4を備える。
【0037】
基板処理装置1は、基板11を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。具体的には、基板処理装置1は、基板11に対して薬液を吐出することにより、基板11を処理する。本実施形態において、基板11は、半導体ウエハである。
【0038】
基板11に対する処理は特に限定されず、例えば、基板処理装置1は、基板11を洗浄する洗浄装置であり得る。あるいは、基板処理装置1は、基板11をエッチングするエッチング装置であり得る。具体的には、洗浄装置は、チャンバー内で、回転している基板11に向けてノズルから薬液を吐出することにより、基板11を洗浄する。エッチング装置は、チャンバー内で、回転している基板11に向けてノズルから薬液を吐出することにより、基板11をエッチングする。
【0039】
薬液には、例えば、フッ化水素酸(フッ酸)のようなフッ化水素(HF)を含む液体が使用される。なお、薬液は、フッ化水素を含む液体に限定されず、例えば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、クエン酸及び蓚酸のような有機酸、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)のような有機アルカリ、界面活性剤、並びに腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液体であってもよい。
【0040】
また、基板処理装置1は、基板11に対してリンス液を吐出することにより、リンス処理を行う。リンス処理は、薬液による処理(以下、「薬液処理」と記載する場合がある。)の後に実行される。具体的には、薬液処理後、チャンバー内で、回転している基板11に向けてノズルからリンス液を吐出することにより、基板11上の薬液をリンス液に置換する。
【0041】
リンス液には、例えば脱イオン水(Deionized water;DIW)、所謂「超純水」が使用される。なお、リンス液はDIWに限定されず、例えば、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、及び希釈濃度(例えば、10ppm〜100ppm程度)のアンモニア水のいずれかであってもよい。
【0042】
以下、基板処理装置1によって所定の処理が施される前の基板11を「未処理基板11b」と記載する場合がある。また、基板処理装置1によって所定の処理が施された後の基板11を「処理済み基板11a」と記載する場合がある。
【0043】
操作装置2は、作業者による操作を受け付ける。操作装置2は、本発明に係るパラメータ設計支援装置に相当する。操作装置2は、作業者による操作に応じて、複数の評価レシピを作成する。また、操作装置2は、各評価レシピに基づいて基板処理装置1を動作させる。この結果、複数の評価レシピに対応する複数の処理済み基板11aが生成される。なお、評価レシピ(レシピ)は、基板処理装置1を動作させるために必要な情報を示す。具体的には、評価レシピ(レシピ)は、基板処理装置1を動作させるために必要な各パラメータの目標値(パラメータ値)を示す。また、評価レシピ(レシピ)は、基板処理装置1が所定の処理を実行する手順を示す。
【0044】
検査装置3は、各処理済み基板11aを検査して、各処理済み基板11aの検査結果データ(特性値を示すデータ)を作成する。検査装置3は、通信ケーブル4を介して操作装置2に検査結果データを送信する。処理済み基板11aに対する検査は、基板処理装置1の処理内容に応じた検査である限り特に限定されない。例えば、基板処理装置1が洗浄処理を実行する場合、検査装置3は、パーティクルを測定する装置であり得る。また、基板処理装置1がエッチング処理を実行する場合、検査装置3は、エッチング量を測定する装置であり得る。
【0045】
続いて図2を参照して、操作装置2の構成について説明する。図2は、操作装置2の構成を示す図である。図2に示すように、操作装置2は、表示部21、入力部22、接続部23、記憶部24、及び制御部25を備える。
【0046】
表示部21は、各種の画面を表示する。表示部21は、典型的には、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイのようなディスプレイ装置である。本実施形態において、表示部21は、パラメータ設計に必要な各種の情報の登録を受け付ける設定画面を表示する。設定画面は、典型的には、ダイアログ画面である。
【0047】
入力部22は、作業者が操作するユーザーインターフェース装置である。入力部22は、作業者の操作に応じた指示(制御信号)を制御部25に入力する。また、入力部22は、作業者の操作に応じたデータを制御部25に入力する。本実施形態において、作業者は、入力部22を操作して、表示部21に表示された設定画面に各種の情報を入力(登録又は設定)することができる。入力部22は、典型的には、キーボード及びマウスを有する。なお、入力部22は、タッチセンサーを有してもよい。タッチセンサーは、表示部21の表示面に重畳されて、作業者の表示面に対するタッチ操作を示す信号を生成する。作業者は、タッチ操作により、操作装置2に対して各種の指示を入力することができる。
【0048】
接続部23は、通信ケーブル4の一端が接続される端子を有する。接続部23は、例えばLAN(Local Area Network)ボードのようなネットワークインターフェイスであり得る。通信ケーブル4によって送信された検査結果データは、接続部23を介して制御部25に入力される。
【0049】
記憶部24は、作業者が入力部22を操作して入力した各種の情報(データ)を記憶する。また、記憶部24は、制御プログラム、標準レシピ、及び各種画面のレイアウト情報等を予め記憶している。標準レシピの各パラメータ値には標準値が設定されている。記憶部24は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。なお、標準レシピ(レシピ)は、標準レシピ(レシピ)に含まれる各パラメータのパラメータ値のリストを示すデータを含み得る。
【0050】
制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のような演算回路によって構成される。制御部25は、記憶部24に記憶された制御プログラム(コンピュータープログラム)に基づいて操作装置2の各部の動作を制御する。
【0051】
本実施形態において、制御部25は、レシピ作成モード、評価レシピ実行モード、及び水準値評価モードの各モードを有する。制御部25は、各モードに応じて異なる処理を実行する。レシピ作成モードは、評価レシピを作成するモードである。評価レシピ実行モードは、評価レシピに基づいて基板処理装置1を動作させるモードである。水準値評価モードは、検査結果データに基づいて各水準値を評価するモードである。以下、図1及び図2を参照して、レシピ作成モード、評価レシピ実行モード、及び水準値評価モードについて説明する。
【0052】
[レシピ作成モード]
制御部25は、レシピ作成モードにおいて、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。制御因子は、最適化対象の因子である。制御因子の水準値は、基板処理装置1が未処理基板11bを処理する際の条件を示す。詳しくは、制御部25は、複数の制御因子の名称(因子名)及びそれらの水準値を登録するための設定画面を表示部21に表示させる。作業者は、入力部22を操作して、制御因子の名称を示す文字列を入力する。この結果、制御因子の名称が設定画面に登録される。更に、作業者は、入力部22を操作して、各制御因子の水準値を入力する。この結果、各制御因子の水準値が設定画面に登録される。制御部25は、設定画面に登録された各制御因子の名称及びそれらの水準値を取得する。
【0053】
制御部25は、制御因子の水準値を取得すると、記憶部24に記憶されている標準レシピを参照して、標準レシピに含まれるパラメータのうちから、設定画面に登録された制御因子の名称(因子名)と一致するパラメータ(パラメータ名)を探索する。標準レシピが、制御因子に対応するパラメータを含む場合、制御部25は、制御因子に対応するパラメータがハイライト表示されるように、標準レシピを表示部21に表示させる。なお、標準レシピが、パラメータ値のリストを示すデータを含む場合、制御部25は、制御因子に対応するパラメータがハイライト表示されるように、リストを表示部21に表示させる。
【0054】
更に、制御部25は、制御因子の水準値が確定すると、確定した水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。制御部25は、組み合わせ情報を生成した後に、複数の評価レシピを作成する。詳しくは、制御部25は、記憶部24に記憶されている標準レシピと、組み合わせ情報とに基づいて、水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。具体的には、標準レシピが、制御因子に対応するパラメータを含む場合、制御部25は、そのパラメータのパラメータ値(標準値)を、対応する制御因子の水準値に変更(設定)する。なお、標準レシピが、制御因子に対応するパラメータを含まない場合、制御部25は、評価レシピとして、水準値の組み合わせごとに、各パラメータ値に標準値が設定されたレシピを作成する。
【0055】
[評価レシピ実行モード]
制御部25は、評価レシピ実行モードにおいて、各評価レシピに基づき、基板処理装置1を動作させる。この結果、評価レシピごとに、1枚ずつ未処理基板11bが処理される。
【0056】
[水準値評価モード]
制御部25は、水準値評価モードにおいて、制御因子ごとに、対応する水準値のうちからパラメータ値として最適な値を決定する。以下、パラメータ値として最適な値を「最適値」と記載する。
【0057】
詳しくは、制御部25は、検査装置3が生成した検査結果データに基づき、制御因子ごとに、各水準値のSN比及び感度のうち、少なくともSN比を算出する。感度を算出するか否かは、パラメータ設計の特性に応じて決定される。例えば、パラメータ設計の特性が望小特性である場合、制御部25はSN比のみを算出し、感度は算出しない。一方、パラメータ設計の特性が望目特性である場合、制御部25はSN比及び感度を算出する。パラメータ設計の特性は、作業者が入力部22を操作して設定する。SN比及び感度の算出には、パラメータ設計の特性に対応する計算式が使用される。
【0058】
制御部25は、制御因子の水準値のSN比、又は制御因子の水準値のSN比及び感度を算出すると、算出したSN比、又は算出したSN比及び感度に基づいて、制御因子ごとに最適値を決定する。具体的には、制御部25は、制御因子ごとに、SN比が最も高い水準値を最適値として決定する。あるいは、制御部25は、制御因子ごとに、感度が予め規定した下限値以上上限値以下(以下、「合否基準の範囲」と記載する場合がある。)となる水準値を最適値の候補として選択する。次に、制御部25は、制御因子ごとに、対応する最適値の候補のうちから、SN比が最も高い水準値を最適値として決定する。感度が合否基準の範囲内の値とならない制御因子については、合否基準(下限値又は上限値)に最も近い水準値を、最適値として選択する。
【0059】
なお、操作装置2(制御部25)は、作業者の指示により、品質又は生産性を加味した最適値の決定を行い得る。具体的には、作業者が入力部22を操作して、各水準値に「重み」を付与する。詳しくは、品質を重視する場合、品質を高める水準値のSN比に対して、重み付けをより重くする一方で、品質を下げる水準値のSN比に対して、重み付けをより軽くする。例えば、薬液の吐出時間を示す水準値については、大きい水準値(長い吐出時間)ほど、重み付けをより重くする。生産性を重視する場合には、処理時間を短くする水準値のSN比に対して、重み付けをより重くする一方で、処理時間を長くする水準値のSN比に対して、重み付けをより軽くする。例えば、薬液の吐出時間を示す水準値については、小さい水準値(短い吐出時間)ほど、重み付けをより重くする。
【0060】
生産性を重視する場合、品質を維持できる範囲で処理時間を短くすることが好ましい。したがって、制御部25は、損失関数Lを用いて最適値を決定することが好ましい。具体的には、制御部25は、予め設定された機能限界Δ及び損失Aと、取得したS/N比とを用いて損失関数Lを求める。また、制御部25は、以下の式に基づき、個別に重みαを定義した制御因子(水準値)の損失を損失関数Lに合算して、損失関数Lを補正する。以下の式において、「L′」は補正後の損失関数を示し、「x」は水準値を示す。
L′=L+α×x
【0061】
制御部25は、補正後の損失関数L′を最小化するように水準値を選択する。詳しくは、制御部25は、水準値の組み合わせごとにS/N比を算出し、取得した全S/N比のうちから、補正後の損失関数L′が最小になるS/N比を選択する。
【0062】
以上、制御部25の各モード(レシピ作成モード、評価レシピ実行モード、及び水準値評価モード)について説明した。続いて、図2図7を参照して、設定画面について説明する。図3は本実施形態に係る第1設定画面101を示す図であり、図4は本実施形態に係る第2設定画面102を示す図であり、図5は本実施形態に係る第3設定画面103を示す図であり、図6は本実施形態に係る第4設定画面104を示す図であり、図7は本実施形態に係る第5設定画面105を示す図である。
【0063】
本実施形態において、統計的手法は、タグチメソッド又は実験計画法であり、制御部25は、直交表を作成するために必要な情報を入力(登録)するための設定画面を表示部21に表示させる。詳しくは、制御部25は、第1設定画面101、第2設定画面102、及び第3設定画面103を順次表示部21に表示させる。また、制御部25は、第1設定画面101に登録された情報に応じて、第4設定画面104及び第5設定画面105を表示部21に表示させる。
【0064】
図3に示すように、第1設定画面101は、「直交表の種類」、「信号因子の水準数」、「パラメータ設計の特性」、「誤差因子の名称とその水準数」、及び「標示因子の名称とその水準数」の登録を受け付ける。具体的には、第1設定画面101は、「直交表の種類」設定欄111、「信号因子の水準数」設定欄112、「パラメータ設計の特性」設定欄113、「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114、「標示因子の名称とその水準数」設定欄115、及び「OK」ボタン116を表示する。
【0065】
「直交表の種類」設定欄111は、「直交表の種類」を設定するための設定欄である。本実施形態において、「直交表の種類」設定欄111は、プルダウンメニュー形式で、「直交表の種類」を作業者に選択させる。例えば、「直交表の種類」設定欄111は、「直交表の種類」として、L4直交表、L8直交表、L9直交表、L12直交表、L16直交表、L18直交表、及びL27直交表のうちの1つを作業者に選択させる。なお、L4直交表、L8直交表、L12直交表、及びL16直交表は2水準系の直交表であり、L9直交表及びL27直交表は3水準系の直交表であり、L18直交表は混合系の直交表である。直交表の種類が選択されることにより、図4を参照して説明する第2設定画面102において登録可能な制御因子の数と各制御因子の水準数とが決定する。
【0066】
「信号因子の水準数」設定欄112は、「信号因子の水準数」を設定するための設定欄である。「信号因子の水準数」設定欄112に設定可能な数値は、パラメータ設計の特性によって異なる。具体的には、「パラメータ設計の特性」設定欄113に設定された特性の属性が静特性である場合、信号因子の水準数は「1」に設定される。一方、「パラメータ設計の特性」設定欄113に設定された特性の属性が動特性である場合、作業者は、「信号因子の水準数」設定欄112に「2」以上の任意の値を設定することができる。
【0067】
「パラメータ設計の特性」設定欄113は、「パラメータ設計の特性」を設定するための設定欄である。本実施形態において、「パラメータ設計の特性」設定欄113は、プルダウンメニュー形式で、「パラメータ設計の特性」を作業者に選択させる。例えば、「パラメータ設計の特性」設定欄113は、「パラメータ設計の特性」として、0点比例、基準点比例、望目特性、望大特性、及び望小特性のうちの1つを作業者に選択させる。なお、0点比例、及び基準点比例は動特性であり、望目特性、望大特性、及び望小特性は静特性である。
【0068】
「パラメータ設計の特性」設定欄113は更に、エネルギー比型選択ラジオボタン113aを含む。エネルギー比型選択ラジオボタン113aは、SN比及び感度の計算式をエネルギー比型の計算式に変更するためのボタンである。詳しくは、エネルギー比型選択ラジオボタン113aは、パラメータ設計の特性が0点比例、基準点比例、又は望目特性である場合に、作業者による選択操作を受け付ける。
【0069】
制御部25は、「パラメータ設計の特性」設定欄113に登録された情報に応じて、SN比の計算式、又はSN比及び感度の計算式を決定する。具体的には、制御部25は、0点比例、基準点比例、望目特性、望大特性、及び望小特性のうちから選択された特性、並びに、エネルギー比型が選択されているか否かに応じて、SN比の計算式、又はSN比及び感度の計算式を決定する。
【0070】
「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114は、「誤差因子の名称とその水準数」を設定するための設定欄である。「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114は、因子名設定欄114a、水準数設定欄114b、及びスクロールバー114cを含む。
【0071】
因子名設定欄114aは、誤差因子の名称の登録を受け付ける。水準数設定欄114bは、誤差因子の水準数の登録を受け付ける。スクロールバー114cは、作業者による入力部22の操作に応じて、因子名設定欄114a及び水準数設定欄114bをスクロールする。「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114において登録可能な誤差因子の数は特に限定されず、作業者は、スクロールバー114cを操作することにより、任意の数の誤差因子を登録することができる。また、誤差因子を登録するか否かは、作業者が任意に決定できる。換言すると、作業者は、「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114を空欄に設定できる。
【0072】
「標示因子の名称とその水準数」設定欄115は、「標示因子の名称とその水準数」を設定するための設定欄である。「標示因子の名称とその水準数」設定欄115は、因子名設定欄115a、水準数設定欄115b、及びスクロールバー115cを含む。
【0073】
因子名設定欄115aは、標示因子の名称の登録を受け付ける。水準数設定欄115bは、標示因子の水準数の登録を受け付ける。スクロールバー115cは、作業者による入力部22の操作に応じて、因子名設定欄115a及び水準数設定欄115bをスクロールする。「標示因子の名称とその水準数」設定欄115において登録可能な標示因子の数は特に限定されず、作業者は、スクロールバー115cを操作することにより、任意の数の標示因子を登録することができる。また、標示因子を登録するか否かは、作業者が任意に決定できる。換言すると、作業者は、「標示因子の名称とその水準数」設定欄115を空欄に設定できる。
【0074】
「OK」ボタン116は、第1設定画面101に登録された情報を確定するためのボタンである。制御部25は、「OK」ボタン116を押下する指示が入力されると、第1設定画面101に登録された情報を確定する。更に、制御部25は、「OK」ボタン116を押下する指示が入力されると、図4に示す第2設定画面102を表示部21に表示させる。
【0075】
続いて図3及び図4を参照して、第2設定画面102について説明する。図4に示すように、第2設定画面102は、「制御因子の名称とその水準値」の登録を受け付ける。具体的には、第2設定画面102は、因子名設定欄121、水準値設定欄122、及び「OK」ボタン123を表示する。因子名設定欄121は、各制御因子の名称の登録を受け付ける。水準値設定欄122は、各制御因子の水準値の登録を受け付ける。
【0076】
第2設定画面102において登録可能な制御因子の数と各制御因子の水準数とは、図3を参照して説明したように、「直交表の種類」設定欄111において選択された直交表の種類によって変化する。具体的には、「直交表の種類」設定欄111において選択された直交表の種類によって、因子名設定欄121及び水準値設定欄122の行数、並びに水準値設定欄122の列数が変化する。図4は、「直交表の種類」設定欄111においてL18直交表が選択された場合に表示される第2設定画面102を例示している。この場合、第2設定画面102は、1行目の制御因子に対して2つの水準値の登録を受け付け、2行目〜8行目の制御因子に対して3つの水準値の登録を受け付ける。
【0077】
基板処理装置1の制御因子は、循環路を流れる薬液の流量、ノズルから吐出される薬液の吐出流量、薬液の温度、薬液の吐出時間、薬液の吐出位置をスキャンする範囲、薬液の吐出位置をスキャンする速度、基板11の回転数(回転速度)等から登録され得る。更に、本実施形態では、基板処理装置1の制御因子として、評価レシピでは制御できないレシピ対象外因子を登録できる。基板処理装置1のレシピ対象外因子は、ノズルの高さ方向の位置、ノズルの角度、チャンバーの排気圧等から登録され得る。
【0078】
「OK」ボタン123は、第2設定画面102に登録された情報を確定するためのボタンである。制御部25は、「OK」ボタン123を押下する指示が入力されると、第2設定画面102に登録された情報を確定する。第2設定画面102に登録された情報が確定すると、制御部25は、第1設定画面101に設定された「直交表の種類」、及び第2設定画面102に設定された「制御因子の名称とその水準値」を参照して、直交表に制御因子の水準値を割り付ける(内側割り付け)。この結果、制御因子の水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報が生成される。
【0079】
更に、制御部25は、「OK」ボタン123を押下する指示が入力されると、図5に示す第3設定画面103を表示部21に表示させる。続いて図3及び図5を参照して、第3設定画面103について説明する。
【0080】
図5に示すように、第3設定画面103は、「信号因子の名称とその水準値」の登録を受け付ける。具体的には、第3設定画面103は、因子名設定欄131、水準値設定欄132、及び「OK」ボタン133を表示する。因子名設定欄131は、信号因子の名称の登録を受け付ける。水準値設定欄132は、信号因子の水準値の登録を受け付ける。
【0081】
水準値設定欄132の列数は、図3を参照して説明した「信号因子の水準数」設定欄112に設定された数値に応じて変化する。図5は、「信号因子の水準数」設定欄112に「2」が設定された場合に表示される第3設定画面103を例示している。また、因子名設定欄131及び水準値設定欄132の行数は、第1設定画面101のエネルギー比型選択ラジオボタン113aにおいて「エネルギー比型」が選択されているか否かによって変化する。詳しくは、エネルギー比型は、信号因子の水準値が試行ごと(制御因子の水準値の組み合わせごと)に変化する場合に選択される。したがって、「エネルギー比型」が選択されている場合、因子名設定欄131及び水準値設定欄132の行数は、制御因子の水準値の組み合わせの数に対応する行数となり、第3設定画面103は、制御因子の水準値の組み合わせごとに、信号因子の水準値の登録を受け付ける。なお、図5は、第1設定画面101において、L18直交表が選択され、且つエネルギー比型が選択された場合に表示される第3設定画面103を例示している。
【0082】
「OK」ボタン133は、第3設定画面103に登録された情報を確定するためのボタンである。制御部25は、「OK」ボタン133を押下する指示が入力されると、第3設定画面103に登録された情報を確定する。第3設定画面103に登録された情報が確定すると、制御部25は、第3設定画面103を参照して、直交表に信号因子の水準値を割り付ける(外側割り付け)。
【0083】
更に、図3を参照して説明した第1設定画面101の「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114に誤差因子が少なくとも1つ登録されている場合、制御部25は、「OK」ボタン133を押下する指示が入力されると、図6に示す第4設定画面104を表示部21に表示させる。
【0084】
続いて図3及び図6を参照して、第4設定画面104について説明する。図6に示すように、第4設定画面104は、「誤差因子の水準値」の登録を受け付ける。具体的には、第4設定画面104は、因子名表示欄141、水準値設定欄142、及び「OK」ボタン143を表示する。因子名表示欄141は、図3に示す第1設定画面101の因子名設定欄114aに登録された因子名を表示する。水準値設定欄142は、誤差因子の水準値の登録を受け付ける。
【0085】
因子名表示欄141及び水準値設定欄142の行数は、図3に示す第1設定画面101の「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114に登録された誤差因子の数に応じて変化する。また、水準値設定欄142の列数は、図3に示す第1設定画面101の水準数設定欄114bに設定された数値に応じて変化する。図6は、第1設定画面101の因子名設定欄114aに2つの因子名「X1」及び「X2」が登録されるとともに、第1設定画面101の水準数設定欄114bにおいて、誤差因子「X1」の水準数が「2」に設定され、且つ誤差因子「X2」の水準数が「2」に設定された場合に表示される第4設定画面104を例示している。
【0086】
「OK」ボタン143は、第4設定画面104に登録された情報を確定するためのボタンである。制御部25は、「OK」ボタン143を押下する指示が入力されると、第4設定画面104に登録された情報を確定する。第4設定画面104に登録された情報が確定すると、制御部25は、第4設定画面104を参照して、直交表に誤差因子の水準値を割り付ける(外側割り付け)。
【0087】
更に、図3を参照して説明した第1設定画面101の「標示因子の名称とその水準数」設定欄115に標示因子が少なくとも1つ登録されている場合、制御部25は、「OK」ボタン143を押下する指示が入力されると、図7に示す第5設定画面105を表示部21に表示させる。なお、第5設定画面105は、図5を参照して説明した第3設定画面103の「OK」ボタン133を押下する指示が入力された場合にも表示され得る。具体的には、図3に示す第1設定画面101の「誤差因子の名称とその水準数」設定欄114が空欄であるとともに、第1設定画面101の「標示因子の名称とその水準数」設定欄115に標示因子が登録されている場合において、第3設定画面103の「OK」ボタン133を押下する指示が入力されると、第5設定画面105が表示部21に表示される。
【0088】
続いて図3及び図7を参照して、第5設定画面105について説明する。図7に示すように、第5設定画面105は、「標示因子の水準値」の登録を受け付ける。具体的には、第5設定画面105は、因子名表示欄151、水準値設定欄152、及び「OK」ボタン153を表示する。因子名表示欄151は、第1設定画面101の因子名設定欄115aに登録された因子名を表示する。水準値設定欄152は、標示因子の水準値の登録を受け付ける。
【0089】
因子名表示欄151及び水準値設定欄152の行数は、図3に示す第1設定画面101の「標示因子の名称とその水準数」設定欄115に登録された標示因子の数に応じて変化する。また、水準値設定欄152の列数は、図3に示す第1設定画面101の水準数設定欄115bに設定された数値に応じて変化する。図7は、第1設定画面101の因子名設定欄115aに1つの因子名「Y1」が登録されるとともに、第1設定画面101の水準数設定欄115bにおいて、標示因子「Y1」の水準数が「2」に設定され場合に表示される第5設定画面105を例示している。
【0090】
「OK」ボタン153は、第5設定画面105に登録された情報を確定するためのボタンである。制御部25は、「OK」ボタン153を押下する指示が入力されると、第5設定画面105に登録された情報を確定する。第5設定画面105に登録された情報が確定すると、制御部25は、第5設定画面105を参照して、直交表に標示因子の水準値を割り付ける(外側割り付け)。
【0091】
以上、図2図7を参照して、設定画面(第1設定画面101〜第5設定画面105)について説明した。なお、基板処理装置1のレシピ(標準レシピ)は、信号因子に対応するパラメータを含み得る。制御部25は、信号因子の水準数が2以上であって、信号因子に対応するパラメータが標準レシピに含まれる場合、信号因子の水準値と制御因子の水準値との組み合わせを示す組み合わせ情報を生成する。この組み合わせ情報も、制御因子の水準値の組み合わせ情報と同様に、信号因子の水準値と制御因子の水準値とを直交表に割り付けることによって取得される。
【0092】
続いて図1図8を参照して、本実施形態に係るパラメータ設計支援システム10について更に説明する。図8は、本実施形態に係るパラメータ設計支援システム10のフローを示す図である。換言すると、図8は、本実施形態に係るパラメータ設計支援方法を示す。
【0093】
図8に示すように、本実施形態に係るパラメータ設計支援方法は、組み合わせ情報生成工程S802、評価レシピ作成工程S804、選択工程S806、第1処理工程S808、第2処理工程S810、検査工程S812、算出工程S814、及び水準値決定工程S816を包含する。
【0094】
[組み合わせ情報生成工程S802]
作業者が入力部22を操作して、操作装置2(制御部25)のモードをレシピ作成モードに遷移させると、組み合わせ情報生成工程S802が開始される。組み合わせ情報生成工程S802において、制御部25は、複数の制御因子のそれぞれの水準値を少なくとも1つ取得する。また、制御部25は、取得した水準値の組み合わせを示す組み合わせ情報を統計的手法によって生成する。
【0095】
詳しくは、制御部25は、図3図7を参照して説明した設定画面(第1設定画面101〜第5設定画面105)を表示部21に表示させて、直交表を作成するために必要な情報を作業者に入力(登録)させる。
【0096】
なお、図2を参照して説明したように、標準レシピが、制御因子に対応するパラメータを含む場合、制御部25は、制御因子に対応するパラメータがハイライト表示されるように、標準レシピ又はパラメータ値のリストを表示部21に表示させる。標準レシピ又はパラメータ値のリストは、図4を参照して説明した第2設定画面102の「OK」ボタン123を押下する指示が入力された後に、表示されてもよい。同様に、標準レシピが、信号因子に対応するパラメータを含む場合、制御部25は、信号因子に対応するパラメータがハイライト表示されるように、標準レシピ又はパラメータ値のリストを表示部21に表示させる。標準レシピ又はパラメータ値のリストは、図5を参照して説明した第3設定画面103の「OK」ボタン133を押下する指示が入力された後に、表示されてもよい。
【0097】
制御部25は、直交表に水準値を割り付けた後、制御因子の水準値の組み合わせの各々に識別子を付与する。あるいは、制御部25は、信号因子の水準値と制御因子の水準値との組み合わせの各々に識別子を付与する。以下、「制御因子の水準値の組み合わせ」と「信号因子の水準値と制御因子の水準値との組み合わせ」とを纏めて、「水準値の組み合わせ」と記載する場合がある。制御部25は、各識別子を、対応する水準値の組み合わせに紐づけて記憶部24に記憶させる。
【0098】
制御部25は、水準値の組み合わせの各々に識別子を付与した後、直交表及び各識別子を表示部21に表示させる。詳しくは、制御部25は、水準値の組み合わせと識別子との対応関係がわかるように、直交表及び各識別子を表示部21に表示させる。この結果、作業者は、水準値の組み合わせの数(評価レシピの数)と共に、水準値の組み合わせの各々(各評価レシピ)に付与された識別子を認識することができる。
【0099】
[評価レシピ作成工程S804]
制御部25は、組み合わせ情報を生成すると、標準レシピと組み合わせ情報とに基づいて、水準値の組み合わせごとに評価レシピを作成する。具体的には、制御部25は、既に説明したように、標準レシピに含まれるパラメータのうち、設定画面(第2設定画面102)に登録された制御因子の名称と一致するパラメータのパラメータ値(標準値)を、その制御因子の水準値に変更する。同様に、制御部25は、標準レシピに含まれるパラメータのうち、設定画面(第3設定画面103)に登録された信号因子の名称(因子名)と一致するパラメータ(パラメータ名)のパラメータ値(標準値)を、信号因子の水準値に変更(設定)する。なお、標準レシピが、制御因子及び信号因子に対応するパラメータを含まない場合、制御部25は、評価レシピとして、水準値の組み合わせごとに、各パラメータ値に標準値が設定されたレシピを作成する。
【0100】
[選択工程S806]
制御部25は、評価レシピを作成すると、基板11の処理を実行するか否かを問い合わせる選択画面(ダイアログ画面)を表示部21に表示させる。作業者が、入力部22を操作して、基板11の処理を実行する旨を示す選択指示を入力すると(ステップS806のYes)、制御部25のモードがレシピ作成モードから評価レシピ実行モードに遷移する。一方、作業者が、入力部22を操作して、基板11の処理を実行しない旨を示す選択指示を入力すると(ステップS806のNo)、制御部25のモードは、レシピ作成モードから待機モードに遷移する。待機モードは、作業者による指示の入力を待つモードである。
【0101】
[第1処理工程S808]
作業者が、基板11の処理を実行する旨を示す選択指示を入力すると(ステップS806のYes)、第1処理工程S808が開始される。具体的には、制御部25は、レシピ作成モードから評価レシピ実行モードに遷移して、記憶部24に記憶された各評価レシピに基づいて基板処理装置1を動作させる。したがって、作業者は、選択工程S806において、基板11の処理を実行する旨を示す選択指示を入力する前に、評価レシピの数に応じた枚数の基板11を基板処理装置1にセットする。
【0102】
[第2処理工程S810]
作業者が入力部22を操作して評価レシピの実行を指示すると、第2処理工程S810が開始される。評価レシピの実行の指示は、操作装置2(制御部25)が待機モードである場合に入力することができる。作業者が、評価レシピの実行を指示すると、制御部25は、待機モードから評価レシピ実行モードに遷移して、各評価レシピに基づいて基板処理装置1を動作させる。
【0103】
なお、操作装置2(制御部25)は、評価レシピの実行が指示された場合、実行する評価レシピの数を作業者に入力させるダイアログ画面を表示部21に表示させてもよい。この場合、第2処理工程S810は、記憶部24に記憶された全ての評価レシピの実行が完了するまで、複数回にわたって実施され得る。また、操作装置2(制御部25)は、評価レシピの実行が指示された場合、実行する評価レシピの識別子を作業者に入力させるダイアログ画面を表示部21に表示させてもよい。この場合、一度に実行する評価レシピの数を任意の数に設定できるとともに、評価レシピの実行順序を入れ替えることが可能となる。
【0104】
[検査工程S812]
検査工程S812では、検査装置3が、各評価レシピに対応する処理済み基板11aの検査を行い、各評価レシピに対応する検査結果データを作成する。詳しくは、検査装置3は、基板11を1枚ずつ検査する。作業者は、検査装置3に検査を実行させる際に、検査対象の処理済み基板11aに対応する評価レシピ(水準値の組み合わせ)に付与された識別子を示すデータを検査装置3に入力する。検査装置3は、検査結果データと共に、入力された識別子を示すデータを、操作装置2へ送信する。
【0105】
制御部25は、検査結果データ及び識別子を受信すると、記憶部24に記憶されている水準値の組み合わせのうちから、受信した識別子に一致する識別子が付与された水準値の組み合わせを検索する。制御部25は、該当する水準値の組み合わせに紐づけて、受信した検査結果データを記憶する。
【0106】
[算出工程S814]
作業者が入力部22を操作して水準値の評価の実行を指示すると、算出工程S814が開始される。水準値の評価を実行する指示は、操作装置2(制御部25)が待機モードである場合に入力することができる。制御部25は、作業者が水準値の評価を実行する指示を入力すると、待機モードから水準値評価モードに遷移して、制御因子の水準値のそれぞれのSN比及び感度のうち、少なくともSN比を算出する。詳しくは、制御部25は、組み合わせ情報生成工程S802において設定されたパラメータ設計の特性に応じて、SN比、又はSN比及び感度を算出する。典型的には、制御部25は、SN比の要因効果図、又はSN比の要因効果図及び感度の要因効果図を作成する。
【0107】
[水準値決定工程S816]
制御部25がSN比を算出すると、あるいは制御部25がSN比及び感度を算出すると、水準値決定工程S816が開始される。水準値決定工程S816において、制御部25は、算出したSN比、又は算出したSN比及び感度に基づいて、制御因子ごとに、対応する水準値のうちから最適値を決定する。更に、制御部25は、最適値を表示部21に表示させる。この結果、図8に示すフローが終了する。
【0108】
続いて図9(a)〜図9(c)を参照して、SN比の要因効果図、及び感度の要因効果図について説明する。図9(a)は、制御因子と水準値との関係の一例を示す表であり、図9(b)はSN比の要因効果図の一例を示す図であり、図9(c)は感度の要因効果図の一例を示す図である。
【0109】
図9(a)において、「A」〜「H」は制御因子の名称を示し、「A1」、「A2」等は、水準値を示す。図9(b)において、横軸は各制御因子A〜Hの水準値を示し、縦軸はSN比[db]を示す。図9(b)に示すように、水準値ごとにSN比がプロットされる。パラメータ設計において、SN比の値は、バラつきが小さいほど高くなる。図9(c)において、横軸は各制御因子A〜Hの水準値を示し、縦軸は感度[db]を示す。図9(c)に示すように、水準値ごとに感度がプロットされる。感度の値は、出力を示す。
【0110】
続いて図2及び図10を参照して、処理工程(第1処理工程S808及び第2処理工程S810)について更に説明する。図10は、本実施形態に係る処理工程を示す図である。詳しくは、図10は、1枚の未処理基板11bを処理する際のフローを示す。
【0111】
図10に示すように、未処理基板11bを処理する際に、制御部25は、制御因子がレシピ対象外因子を含むか否かを判定する(ステップS902)。具体的には、制御部25は、処理対象の未処理基板11bに対応する評価レシピ(水準値の組み合わせ)に付与された識別子を参照して、その評価レシピに対応する直交表に割り付けられた制御因子がレシピ対象外因子を含むか否かを判定する。既に説明したように、レシピ対象外因子は、評価レシピでは制御できない因子である。典型的には、レシピ対象外因子は、作業者が手作業で調整することが必要な因子である。
【0112】
制御部25は、制御因子がレシピ対象外因子を含むと判定すると(ステップS902のYes)、準備完了ボタンを表示部21に表示させる(ステップS904)。作業者は、レシピ対象外因子の全てを、対応する水準値に設定すると、入力部22を操作して、準備完了ボタンを押下する指示を入力する(ステップS904のYes)。一方、作業者が準備完了ボタンを押下する指示を入力するまで、制御部25は、基板処理装置1による所定の処理の実行を待機させる(ステップS904のNo)。換言すると、制御部25は、レシピ対象外因子の全てが、対応する水準値となるまで、基板処理装置1による所定の処理の実行を待機させる。
【0113】
準備完了ボタンを押下する指示(準備完了指示)は、レシピ対象外因子の全てが、対応する水準値となったことを示す。制御部25は、入力部22が準備完了指示を受け付けると、制御因子が待機因子を含むか否かを判定する(ステップS906)。あるいは、制御部25は、制御因子がレシピ対象外因子を含まないと判定すると(ステップS902のNo)、制御因子が待機因子を含むか否かを判定する(ステップS906)。具体的には、制御部25は、処理対象の未処理基板11bに対応する評価レシピ(水準値の組み合わせ)に付与された識別子を参照して、その評価レシピに対応する直交表に割り付けられた制御因子が待機因子を含むか否かを判定する。待機因子は、パラメータ値が水準値で安定するまで待機する必要があるパラメータに対応する制御因子である。例えば、待機因子は、薬液の温度であり得る。あるいは、待機因子は、循環路を流れる薬液の流量であり得る。
【0114】
制御部25は、制御因子が待機因子を含むと判定すると(ステップS906のYes)、待機因子に対応するパラメータのパラメータ値が、待機因子の水準値で安定したか否かを判定する(ステップS908)。例えば、制御因子が、待機因子として薬液の温度を含み、薬液の温度を100℃から150℃(水準値)に変更する場合、薬液の温度が150±0.2℃で安定したか否かを判定する。
【0115】
制御部25は、待機因子に対応するパラメータのパラメータ値が水準値で安定するまで、基板処理装置1による所定の処理の実行を待機させる(ステップS908のNo)。
【0116】
制御部25は、待機因子に対応するパラメータのパラメータ値が水準値で安定したと判定すると(ステップS908のYes)、基板処理装置1に未処理基板11bを処理させる(ステップS910)。あるいは、制御部25は、制御因子が待機因子を含まないと判定すると(ステップS906のNo)、基板処理装置1に未処理基板11bを処理させる(ステップS910)。未処理基板11bに対する処理が終了すると、図10に示すフローは終了する。
【0117】
なお、制御部25は、準備完了ボタンを表示部21に表示させる際に、レシピ対象外因子の調整を作業者に促すメッセージを表示部21に表示させてもよい。
【0118】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、標準レシピに含まれる各パラメータ値を作業者がダイアログ画面を介して変更することなく、評価レシピが作成される。したがって、作業者の負担を軽減することができる。更に、作業者がパラメータ値を入力する手間が省けるため、パラメータ設計に要する期間を短縮することができる。換言すると、ロバスト性のあるレシピの作成に要する期間を短縮することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、ダイアログ画面を介して作業者が検査結果を入力することなく、制御因子の水準値のSN比、又は制御因子の水準値のSN比及び感度が算出される。したがって、作業者の負担を軽減することができる。
【0120】
また、本実施形態によれば、制御部25が、制御因子ごとに、対応する水準値のうちからパラメータ値として最適な値を決定する。したがって、作業者の負担を軽減することができる。
【0121】
また、本実施形態によれば、作業者は、操作装置2(制御部25)のモードをレシピ作成モードから評価レシピ実行モードに遷移させるか否かを選択することができる(選択工程S806)。したがって、一人の作業者が、評価レシピの作成から試行の終了まで基板処理装置1を占有し続けることを回避できる。
【0122】
また、本実施形態によれば、複数の評価レシピを分散させて実行することができる(第2処理工程S810)。したがって、一人の作業者が、試行の開始から終了まで基板処理装置1を占有し続けることを回避できる。
【0123】
また、本実施形態によれば、制御因子として、評価レシピによって制御できない因子を登録することができる。したがって、より多くの因子を制御因子の候補とすることができる。この結果、パラメータ設計の精度を向上させることができる。
【0124】
なお、本実施形態では、全ての評価レシピを実行した後に検査工程S812を実施したが、第2処理工程S810において評価レシピの一部が実行される場合、換言すると、第2処理工程S810が繰り返される場合、第2処理工程S810を実施する度に検査工程S812を実施してもよい。
【0125】
また、本実施形態では、基板11の検査を実施する度に、検査装置3が検査結果データ及び識別子を示すデータを操作装置2へ送信したが、検査装置3は、各評価レシピに対応する処理済み基板11aを全て検査した後に、各検査結果データと、対応する識別子を示すデータとを、操作装置2へ送信してもよい。
【0126】
また、本実施形態では、作業者が直交表の種類を選択したが、制御部25が、制御因子の数に応じて直交表の種類を選択してもよい。
【0127】
また、本実施形態では、制御部25が最適値を決定したが、作業者が最適値を決定してもよい。例えば、制御部25が、SN比の要因効果図、又はSN比の要因効果図及び感度の要因効果図を表示部21に表示させて、作業者が、表示された要因効果図から最適値を決定してもよい。
【0128】
また、本実施形態では、検査装置3が通信ケーブル4を介して操作装置2に検査結果データを入力したが、作業者が、入力部22を操作して操作装置2に検査結果データを入力してもよい。この場合、操作装置2は、検査結果データの入力を受け付けるダイアログ画面を表示してもよい。
【0129】
[実施形態2]
続いて図1図2図11、及び図12を参照して、本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、組み合わせ情報の生成及び評価レシピの作成を所定回数繰り返す点で実施形態1と異なる。また、実施形態2は、組み合わせ情報の生成を繰り返す際に、制御因子の水準値が前回と異なる値に設定される点で実施形態1と異なる。
【0130】
図11は、本実施形態に係る第2設定画面102の一例を示す図である。本実施形態に係る第2設定画面102は、「制御因子の名称とその水準値の範囲」の登録を受け付ける。具体的には、図11に示すように、第2設定画面102は、因子名設定欄121、水準値範囲設定欄124、及び「OK」ボタン123を表示する。因子名設定欄121は、各制御因子の名称の登録を受け付ける。水準値範囲設定欄124は、各制御因子の「水準値の範囲」の登録を受け付ける。詳しくは、水準値範囲設定欄124は、水準値の範囲の上限値及び下限値の登録を受け付ける。「OK」ボタン123は、第2設定画面102に登録された情報を確定するためのボタンである。
【0131】
なお、図11は、図3を参照して説明した第1設定画面101の「直交表の種類」設定欄111においてL18直交表が選択された場合に表示される第2設定画面102を例示している。第2設定画面102において登録可能な制御因子の数は、「直交表の種類」設定欄111において選択された直交表の種類によって変化する。
【0132】
図12は、本実施形態に係るパラメータ設計支援システム10のフローを示す図である。図12において、評価レシピ作成工程S804、選択工程S806、第1処理工程S808、第2処理工程S810、検査工程S812、算出工程S814、及び水準値決定工程S816は、図8を参照して説明した実施形態1に係るフローと同様であるため、その詳しい説明は割愛する。
【0133】
本実施形態に係る組み合わせ情報生成工程S802において、入力部22は、制御因子ごとに、対応する水準値の範囲の登録を受け付ける。また、制御部25は、各制御因子の水準値を取得する際に、対応する水準値の範囲に含まれる値を取得する。
【0134】
詳しくは、制御部25は、図11を参照して説明した第2設定画面102を表示部21に表示させて、「制御因子の名称とその水準値の範囲」の登録を受け付ける。第2設定画面102において「制御因子の名称とその水準値の範囲」が設定されると、制御部25は、各制御因子の水準値として、対応する水準値の範囲に含まれる値を直交表に割り付ける。
【0135】
具体的には、制御因子の水準値の範囲は、スループットを考慮して、作業者が任意の範囲に設定し得る。あるいは、制御因子の水準値の範囲は、基板処理装置1の機構的又は機械的な限界値を考慮して、作業者が任意の範囲に設定し得る。あるいは、制御因子の水準値の範囲は、材料の特性を考慮して、作業者が任意の範囲に設定し得る。例えば、制御因子が薬液の温度である場合、水準値の範囲は、薬液が作用し得る温度範囲に基づいて設定され得る。
【0136】
制御部25は、制御因子の水準値の範囲が設定されると、直交表の種類に応じて各制御因子に割り当てられた水準の数だけ、対応する水準値の範囲から異なる値を取得する。例えば、制御部25は、水準値の範囲からランダムに水準値を取得してもよい。あるいは、制御部25は、水準値の範囲を予め規定された数に等分する刻み値を取得し、刻み値(水準値の範囲の上限値及び下限値を含む)のうちからランダムに水準値を取得してもよい。
【0137】
また、制御部25は、制御因子の水準値のSN比、又は制御因子の水準値のSN比及び感度を算出すると(算出工程S814)、組み合わせ情報の生成及び評価レシピの作成を繰り返した回数が所定回数と一致するか否かを判定する(ステップS1101)。所定回数は、記憶部24に記憶された制御プログラムに予め設定されている。あるいは、所定回数は、作業者が入力部22を操作して設定する。なお、以下の説明において、組み合わせ情報の生成及び評価レシピの作成を繰り返した回数を、「繰り返し回数」と記載する場合がある。
【0138】
制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致しないと判定すると(ステップS1101のNo)、レシピ作成モードに遷移し、再度、組み合わせ情報を生成する(組み合わせ情報生成工程S802)。制御部25は、組み合わせ情報の生成を繰り返す際に、つまり、組み合わせ情報生成工程S802の実行が2回目以降において、複数の制御因子のうちの少なくとも一部の水準値を変更する。
【0139】
詳しくは、制御部25は、水準値の範囲からランダムに水準値を取得することにより、又は、刻み値のうちからランダムに水準値を取得することにより、前回と異なる水準値を取得する。例えば、3水準の制御因子に対し、2つの水準値をランダムに取得し、それらの水準値の平均値を、残りの1つの水準値として取得してもよい。なお、各制御因子に含まれる水準値のうちの一部を変更してもよい。例えば、薬液の吐出時間に対応する制御因子の前回の水準値が「5秒、15秒、25秒」である場合、次回の水準値として、「15秒、20秒、25秒」を取得してもよいし、「10秒、15秒、20秒」を取得してもよい。
【0140】
制御部25が、繰り返し回数が所定回数と一致すると判定すると(ステップS1101のYes)、水準値決定工程S816が実施されて、制御因子ごとに、対応する水準値のうちから最適値が決定される。なお、本実施形態では、組み合わせ情報生成工程S802及び評価レシピ作成工程S804が繰り返される度に、各制御因子の最適値の候補となる水準値の数が増加する。
【0141】
以上、本発明の実施形態2について説明した。本実施形態によれば、評価レシピの作成を繰り返す際に、操作装置2(制御部25)が制御因子の水準値を変更する。したがって、作業者は、ダイアログ画面を介して制御因子の水準値を変更する必要がない。よって、作業者の負担を軽減することができる。
【0142】
[実施形態3]
続いて図1図2、及び図13を参照して、本発明の実施形態3について説明する。但し、実施形態1及び2と異なる事項を説明し、実施形態1及び2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、SN比及び/又は感度が、対応する合否基準の範囲内の値になるまで、組み合わせ情報の生成及び評価レシピの作成を繰り返す点で実施形態1及び2と異なる。
【0143】
図13は、本実施形態に係るパラメータ設計支援システム10のフローを示す図である。図13において、評価レシピ作成工程S804、選択工程S806、第1処理工程S808、第2処理工程S810、検査工程S812、及び算出工程S814は、図8を参照して説明した実施形態1に係るフローと同様であるため、その詳しい説明は割愛する。また、組み合わせ情報生成工程S802は、図12を参照して説明した実施形態2に係るフローと同様であるため、その詳しい説明は割愛する。
【0144】
図13に示すように、制御部25は、制御因子の水準値のSN比、又は制御因子の水準値のSN比及び感度を算出すると(算出工程S814)、SN比及び/又は感度が、対応する合否基準の範囲内の値になっていない制御因子が存在するか否かを判定する(ステップS1201)。また、制御部25は、繰り返し回数が所定回数に一致すると判定した場合(S1101のYes)、表示部21にアラーム画面を表示させる(ステップS1202)。なお、SN比の合否基準及び感度の合否基準は、作業者が入力部22を操作して設定する。
【0145】
以下、ステップS1201、及びステップS1202について更に説明する。なお、以下の説明において、SN比の合否基準を「第1合否基準」と記載し、感度の合否基準を「第2合否基準」と記載する場合がある。
【0146】
[ステップS1201]
[SN比の合否基準が設定されている場合]
各制御因子に対して第1合否基準が設定されている場合、制御部25は、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在するか否かを判定する(ステップS1201)。詳しくは、制御部25は、制御因子ごとに、水準値のSN比のうちの少なくとも1つが、対応する第1合否基準の範囲内の値であるか否かを判定する。なお、第1合否基準として、制御因子ごとに異なる上限値及び下限値が設定されてもよい。
【0147】
制御部25は、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在すると判定すると(ステップS1201のYes)、繰り返し回数が所定回数と一致するか否かを判定する(ステップS1101)。制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致しないと判定すると(ステップS1101のNo)、レシピ作成モードに遷移し、再度、組み合わせ情報を生成する(組み合わせ情報生成工程S802)。制御部25は、組み合わせ情報の生成を繰り返す際に、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではないと判定された制御因子の水準値を変更する。
【0148】
一方、制御部25は、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在しないと判定すると(ステップS1201のNo)、制御因子ごとに、対応する水準値のうちから、SN比が最も大きい水準値を最適値として決定する(水準値決定工程S816)。更に、制御部25は、最適値を表示部21に表示させる。この結果、図13に示すフローが終了する。
【0149】
[感度の合否基準が設定されている場合]
各制御因子に対して第2合否基準が設定されている場合、制御部25は、感度が第2合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在するか否かを判定する(ステップS1201)。詳しくは、制御部25は、制御因子ごとに、水準値の感度のうちの少なくとも1つが、対応する第2合否基準の範囲内の値であるか否かを判定する。なお、第2合否基準として、制御因子ごとに異なる上限値及び下限値が設定されてもよい。
【0150】
制御部25は、感度が第2合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在すると判定すると(ステップS1201のYes)、繰り返し回数が所定回数と一致するか否かを判定する(ステップS1101)。制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致しないと判定すると(ステップS1101のNo)、レシピ作成モードに遷移し、再度、組み合わせ情報を生成する(組み合わせ情報生成工程S802)。制御部25は、組み合わせ情報の生成を繰り返す際に、感度が第2合否基準の範囲内の値ではないと判定された制御因子の水準値を変更する。
【0151】
一方、制御部25は、感度が第2合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在しないと判定すると(ステップS1201のNo)、制御因子ごとに、対応する水準値のうちから、SN比が最も大きい水準値を最適値として決定する(水準値決定工程S816)。更に、制御部25は、最適値を表示部21に表示させる。この結果、図13に示すフローが終了する。
【0152】
[SN比の合否基準及び感度の合否基準が設定されている場合]
各制御因子に対して第1合否基準及び第2合否基準が設定されている場合、制御部25は、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではない制御因子、又は感度が第2合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在するか否かを判定する(ステップS1201)。なお、以下の説明において、SN比が第1合否基準の範囲内の値ではない制御因子、又は感度が第2合否基準の範囲内の値ではない制御因子を「SN比又は感度が合否基準の範囲内の値ではない制御因子」と記載する場合がある。
【0153】
制御部25は、SN比又は感度が合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在すると判定すると(ステップS1201のYes)、繰り返し回数が所定回数と一致するか否かを判定する(ステップS1101)。制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致しないと判定すると(ステップS1101のNo)、レシピ作成モードに遷移し、再度、組み合わせ情報を生成する(組み合わせ情報生成工程S802)。制御部25は、組み合わせ情報の生成を繰り返す際に、SN比又は感度が合否基準の範囲内の値ではないと判定された制御因子の水準値を変更する。
【0154】
一方、制御部25は、SN比又は感度が合否基準の範囲内の値ではない制御因子が存在しないと判定すると(ステップS1201のNo)、制御因子ごとに、対応する水準値のうちから、SN比が最も大きい水準値を最適値として決定する(水準値決定工程S816)。更に、制御部25は、最適値を表示部21に表示させる。この結果、図13に示すフローが終了する。
【0155】
[ステップS1202]
本実施形態において、表示部21は、アラーム通知部として機能する。制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致すると判定すると(ステップS1101のYes)、表示部21にアラーム画面を表示させる(ステップS1202)。この結果、作業者にアラームが通知されて、図13に示すフローが終了する。アラーム画面は、例えば、SN比及び/又は感度が、対応する合否基準の範囲内の値となる水準値を取得できなかった旨を示す。
【0156】
以上、本発明の実施形態3について説明した。本実施形態によれば、SN比及び/又は感度が対応する合否基準の範囲内の値となる水準値を操作装置2(制御部25)が探索する。したがって、作業者の負担を軽減することができる。
【0157】
なお、本実施形態では、アラーム通知部として表示部21が使用されたが、アラーム通知部は表示部21に限定されない。例えば、操作装置2は、スピーカーを備え得る。この場合、アラーム通知部としてスピーカーが使用されてもよい。具体的には、制御部25は、繰り返し回数が所定回数と一致すると判定すると(ステップS1101のYes)、スピーカーからアラーム音を出力させる。あるいは、制御部25は、SN比及び/又は感度が、対応する合否基準の範囲内の値となる水準値を取得できなかった旨を示す音声をスピーカーから出力させてもよい。
【0158】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0159】
例えば、本発明による実施形態では、検査結果データを操作装置2に送信する通信媒体が通信ケーブル4である構成について説明したが、検査結果データを操作装置2に送信する通信媒体は、無線通信であってもよい。
【0160】
また、本発明による実施形態では、通信媒体を用いて検査結果データを操作装置2に入力する構成について説明したが、本発明は、データを保持する媒体を用いて検査結果データを操作装置2に入力する構成にも採用され得る。例えば、データを保持する媒体として、コンパクトディスク又はDVDのような光ディスク、あるいはUSBメモリのような記憶装置を使用し得る。
【0161】
また、本発明による実施形態では、基板11が半導体ウエハである形態について説明したが、基板11は半導体ウエハに限定されない。基板11は、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用の基板、光ディスク用の基板、磁気ディスク用の基板、又は光磁気ディスク用の基板等であり得る。
【0162】
また、本発明による実施形態では、操作装置2が、評価レシピを作成する機能と、評価レシピに基づいて基板処理装置1を制御する機能とを有したが、操作装置2は、評価レシピを作成する機能と、評価レシピに基づいて基板処理装置1を制御する機能とのうち、評価レシピに基づいて基板処理装置1を制御する機能のみを有してもよい。この場合、パラメータ設計支援システム10は、評価レシピを作成する機能を実行する情報処理装置を更に備え、操作装置2は、情報処理装置が作成した評価レシピに基づいて基板処理装置1を制御する。情報処理装置は、典型的には、汎用コンピューターである。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、基板処理装置のパラメータ設計に有用である。
【符号の説明】
【0164】
1 基板処理装置
2 操作装置
3 検査装置
10 パラメータ設計支援システム
11 基板
21 表示部
22 入力部
23 接続部
24 記憶部
25 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13