(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
磁気浮上輸送システム(10)に組み込むためのクライオスタット(28)であって、該クライオスタット(28)は、少なくとも1つの超電導性要素(36)および、その内部にそれぞれの超電導性要素(36)が配置されたジャケット(34)を含み、該クライオスタットは、それぞれの超電導性要素(36)を所望の温度に維持するのに好適であり、そして該ジャケット(34)は、長手方向の軸(X)に沿って延在しており、それぞれの超電導性要素(36)の該長手方向の軸(X)に沿った長さ(L2)は、該ジャケット(34)の長さ(L1)の30%〜100%の範囲にあり、それぞれの超電導性要素は、中実の超電導性材料要素であり、そしてそれぞれの超電導性要素(36)が、前記クライオスタット(28)の垂直軸(Z)に垂直な水平切断面(P3)中に、透かし加工された表面の形態の水平断面(S1)を有しており、該水平断面(S1)が全体的に矩形もしくは楕円形である外側輪郭(42)および内側輪郭(44)を有しており、それぞれの超電導性要素(36)が前記垂直軸(Z)に平行な中心軸の周りに延在する管の形態であり、該垂直軸(Z)が、該長手方向の軸(X)に垂直である、クライオスタット(28)。
前記水平断面(S1)が、前記水平断面(S1)の外側輪郭(42)によって画定される全表面の面積の2%〜75%の範囲の面積を有している、請求項3記載のクライオスタット。
前記超電導性要素(36)が、前記長手方向の軸(X)に垂直な、前記クライオスタット(28)の横軸(Y)に沿って、前記ジャケット(34)の幅(W1)の60%〜100%を占める、請求項1〜5のいずれか1項記載のクライオスタット。
前記クライオスタット(28)が、その上を車両(14)が動くことができる磁気軌道(12)に面して配置される、少なくとも1つの、請求項1〜6のいずれか1項記載のクライオスタットを含む、磁気浮上輸送車両(14)。
【背景技術】
【0003】
磁気浮上輸送システムの分野では、車両が軌道上に浮上したままに保つように、磁気軌道と相互作用することができる磁気浮上手段を含む磁気浮上車両を用いることが知られている。磁気浮上手段は、通常は、クライオスタット、少なくとも1つの超電導性要素および、それぞれの超電導性要素を冷却することが意図された冷媒を含み、そしてそれを、そのクライオスタット中で定められた所望の温度に保持する。軌道とそれぞれの超電導性要素の間で発現され、そして車両が磁気軌道上に浮上することを引き起こす磁気浮揚力を誘発するのは、それぞれの超電導性要素と磁気軌道の間の相互作用である。
【0004】
そのような超電導性要素は、例えば、文献欧州特許第1,390,992 B1号明細書中に記載されており、それには、浮揚システム中で用いることができる二ホウ化マグネシウムを基礎とした超電導性要素が記載されている。しかしながら、そのような超電導性要素が磁気軌道の上に配置された、すなわち磁気誘導場に浸漬された場合に誘導される、浮揚力は、車両、例えば鉄道車両を浮揚されたままに維持するには限界があり、そして不十分である。
【0005】
従って、複数の超電導性要素を含むクライオスタットを製造して、それによってクライオスタットが、鉄道車両が浮上することを可能にするのに十分な浮揚力を誘導することを可能にすることが知られている。しかしながら、そのようなクライオスタットは、多大の費用を要し、そして、磁気軌道の上に配置された場合には、それらの大きさに対して限定された浮揚力を誘導する。実際に、そのようなクライオスタットでは、クライオスタットが磁気誘導場と相互作用する場合にクライオスタットによって誘導されることができる浮揚力を増加するためには、クライオスタット内に含まれる超電導性要素の数を増加させるために、クライオスタットの大きさを増大させることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、より低い製造コストを有し、そして、超電導性要素が磁気誘導場と相互作用した場合に、特にはそのサイズに対して、最適化された浮揚力を誘導することができる、超電導性要素を組み込んだクライオスタットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的のために、本発明は前述の種類のクライオスタットに関し、それぞれの超電導性要素の長手方向の軸に沿った長さは、ジャケットの長さの30%〜100%の範囲であり、そしてそれぞれの超電導性要素は、超電導体材料で作られたバルクの要素であることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、製造コストならびに、特に、クライオスタットが磁気軌道の上に配置された場合の、クライオスタットによって誘導されることができる浮揚力は、向上する。実際に、それぞれの超電導性要素が、クライオスタットのサイズと比較して、十分な長さを有しているという事実が、クライオスタットのジャケット中に配置された超電導性要素の数を最小化することを可能にし、一方で、クライオスタットによって誘導されることができる浮揚力を最適化する。
【0009】
本発明の有利な、しかしながら随意選択的な態様によれば、そのようなクライオスタットは、以下の特徴の1つもしくは2つ以上を、単独で、または技術的に可能ないずれかの組み合わせで、更に含む。
− それぞれの超電導性要素は、二ホウ化マグネシウムで作られている。
− それぞれの超電導性要素は、クライオスタットの垂直軸に垂直な水平切断面中に、透かし加工(open-worked)表面の形態の水平断面を有している。
− この水平断面は、水平断面の外側の輪郭によって画定される全体の表面積の、2%〜75%の範囲、好ましくは5%〜30%の範囲の面積を有する。
− この水平断面は、全体的に矩形の、または楕円形の形状を有する外側の輪郭および内側の輪郭を有している。
− 超電導性要素は、クライオスタットの、長手方向の軸に垂直な、横軸に沿って、ジャケット34の幅の、60%〜100%の範囲を占める。
− ジャケットンの長さは、30cm〜3mの範囲、好ましくは40cm〜150cmの範囲である。
【0010】
また、本発明は、上記で規定した少なくとも1つのクライオスタットを含む、磁気浮上輸送車両に関し、このクライオスタットは、磁気軌道に面して配置されることが意図されており、磁気軌道の上を、その車両が動くことができる。
【0011】
本発明は、更に、永久磁石および複数の別個の強磁性要素を含み、それぞれの強磁性要素は北磁極または南磁極を有する磁気軌道、ならびに磁気浮上車両を含む磁気浮上輸送システムに関し、この磁気浮上車両は、上記のものであり、そしてそれぞれのクライオスタットは、磁気軌道によって発生される磁気誘導場と相互作用することができることを特徴とする。
【0012】
有利には、それぞれのクライオスタットの超電導性要素の数は、磁気軌道に垂直な横断切断面に沿って2つの永久磁石の間に含まれる強磁性要素の数と等しい。
【0013】
限定するものではない例としてのみ与えられ、そして添付の図面を参照してなされる以下の説明によって、本発明はよりよく理解され、そして本発明の他の利点が明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示された磁気浮上輸送システム10は、磁気軌道12および磁気浮上車両14を含んでいる。
【0016】
図1では、磁気軌道12の単一のレール16が示されている。
【0017】
レール16は、複数の永久磁石18ならびに、永久磁石18によって磁化された外側強磁性要素20および内側強磁性要素22を含んでいる。
【0018】
有利には、そして
図1中に示されたように、レール16は、ハルバッハ構造であり、そして、軌道12に垂直な横軸Yに沿って、交互の永久磁石18ならびに外側20および/または内側22強磁性要素で、作られている。
【0019】
図1では、極性矢印24が、永久磁石18について示されており、そして永久磁石18の南/北の極性軸、すなわち、永久磁石18の極性を示している。
【0020】
永久磁石18は、示されてはいないが、磁気誘導
場を発生させ、これはまたレール16の磁気誘導場とも称される。
【0021】
外側強磁性要素20は、レール16の外側端25Aおよび25B上に配置される。
【0022】
内側強磁性要素22は、外側端25A、25Bの間に配置される。内側強磁性要素22は、横軸Yに沿って、2つの永久磁石18の間に、それぞれ構成される。より具体的には、内側強磁性要素22は、2つの永久磁石18の間に、それぞれが抱え込まれている。
【0023】
内側強磁性要素22は、永久磁石18上に、磁気軌道12に直交する垂直軸Zおよび横軸Yに沿って、それぞれ存在する。
【0024】
外側20および内側22の強磁性要素は、レール16の上部に、車両14に面して配置される。
【0025】
外側20および内側22の強磁性要素は、強磁性材料、例えば鋼で作られ、そしてそれらに並んだ永久磁石18の極性に応じて、北極または南極のいずれかを形成する。
【0026】
より具体的には、それぞれの強磁性要素20、22は、強磁性要素と並んだ永久磁石18の極性矢印24が、強磁性要素20、22に向いている場合には、北極を形成する。
【0027】
同様に、それぞれの強磁性要素20、22は、強磁性要素20、22に並んだ永久磁石18の極性矢印24が、強磁性要素20、22の方向と反対の方向を指す場合には、南極を形成する。
【0028】
外側20および内側22の強磁性要素は、磁気誘導
場をレール16および車両14の上部表面へと誘導することを可能にし、それによって車両14は、磁気誘導
場と相互作用する。
【0029】
磁気浮上車両14は、列車26および、磁気軌道12、そしてより具体的にはレール16、に面するように配置されるように、列車26の下部に配置されたクライオスタット28を含んでいる。
【0030】
より一般的には、そして示されていない方法では、車両14は、幾つかの列車26を含み、それぞれは少なくとも2つのクライオスタット28を与えられており、それぞれのクライオスタット28は、磁気軌道12のレール16の1つに面している。
【0031】
列車26は、クライオスタット28中の循環する冷媒Cを冷却するために好適な、クライオスタット28を冷却するためのシステム30を含んでいる。
【0032】
冷却システム30は、例えば、冷媒Cを所望の温度、例えば約30ケルビン(K)に保持することができる。
【0033】
クライオスタット28は、筐体32、ジャケット34および、筐体32内に包含された2つの超電導性要素36を含んでいる。ジャケット34は、内部ジャケットであり、そして超電導性要素36および冷媒Cを含んでいる。
【0034】
従って、クライオスタット28は、それぞれの超電導性36を、冷媒Cを用いて所望の温度に保持するのに好適である。
【0035】
クライオスタット28は、筐体32とジャケット34の間に配置された断熱材38を含んでいる。
【0036】
クライオスタット28は、列車26に機械的に固定されている。
【0037】
ジャケット34は、冷却システム30の援けを得て、そして冷媒C循環チューブ40を経由して、冷媒Cを供給され、冷媒Cは、例えば液体ヘリウムである。
【0038】
ジャケット34は、長手方向軸Xに沿って、第1の横断切断面P1に垂直に、そして磁気軌道12に平行に、延在している。ジャケット34の長さL1は、長手方向の軸Xに沿って測定され、例えば30cm〜3mの範囲、好ましくは40cm〜150cmの範囲である。
【0039】
ジャケット34の幅W1は、横軸Yに沿って測定され、ほぼレール16の幅であり、例えば15cm〜40cmの範囲にある。
【0040】
それぞれの超電導性要素36は、ジャケット34の下部に配置され、そしてレール16の上に位置するように意図されている。
【0041】
超電導性要素36の数は、有利には、内側強磁性要素22の数に等しい。
【0042】
それぞれの超電導性要素36は、2つの永久磁石18の間に含まれた内側強磁性要素22の1つに面して、横断切断面P1に沿って、配置され、そして有利には、横軸Yに沿って、対応する内側強磁性要素22を中心とする。
【0043】
図3に示されているように、それぞれの超電導性要素36の長さL2は、長手方向の軸Xに沿って測定され、ジャケット34の長さL1の30%〜100%の範囲にある。有利には、それぞれの超電導性要素36の長さL2は、ジャケット34の長さL1の約90%である。
【0044】
図2に示されているように、それぞれの超電導性要素36は、垂直軸Zに沿って測定された高さH2を有しており、0.3cm〜15cmの範囲、好ましくは0.5cm〜5cmの範囲にある。
【0045】
有利には、それぞれの超電導性要素36の幅W2は、横軸Yに沿って測定され、ジャケット34の幅W1の30%〜50%の範囲にあり、そして超電導性要素36は、横軸Yに沿って、ジャケット34の幅の60%〜100%の範囲を占める。
【0046】
それぞれの超電導性要素36は、二ホウ化マグネシウム(MgB2)で作られ、そして有利には
中実の二ホウ化マグネシウム要素である。
中実の二ホウ化マグネシウム要素は、構造的に単一の部品を形成する要素を表しており、保持具と結合されておらず、そして本質的には二ホウ化マグネシウム、例えば95%超の二ホウ化マグネシウムで作られている。
【0047】
有利には、それぞれの超電導性要素36は、二ホウ化マグネシウム以外の超電導性材料、例えば銅塩またはプニクチド族の構成要素で作られている。
【0048】
より一般的には、それぞれの超電導性要素36は、
中実の超電導性材料要素である。
【0049】
それぞれの超電導性要素36は、例えば、その内部で二ホウ化マグネシウム粉末が圧縮され、次いで加熱される型で得られる。超電導性要素の製造方法は、例えば米国特許第7,569,520号または米国特許出願公開第2007/0123427号明細書中に記載されている。
【0050】
図3に示されているように、それぞれの超電導性要素36は、垂直軸Zに平行な中心軸の周りに延在した管の形態である。言い換えれば、それぞれの超電導性要素36は、透かし加工された(open-worked)中心部41を形成する、対応する中心軸に沿った貫通オリフィス(through orifice)を有している。
【0051】
言い換えれば、それぞれの超電導性要素36は、水平の切断面P3中に、透かし加工された矩形の形態の水平断面S1を有している。
【0052】
水平断面S1は、外側輪郭42ならびに
図3における矩形の透かし加工された中心部41を取り囲む内側輪郭44によって画定されている。
【0053】
言い換えれば、外側輪郭42および内側輪郭44は、全体的に矩形であり、そして対応する中心軸の周りに配置されている。
【0054】
水平断面S1は、外側輪郭42によって画定された全表面積の2%〜75%の範囲の、好ましくは5%〜30%の範囲の面積を有している。
【0055】
同様に、
図2に示されているように、それぞれの超電導性要素36は、第2の横断切断面P2中に、透かし加工された中心部41によって互いに分離された2つの矩形の面によって形成された横断面S2を有している。横軸Yに沿って測定された、それぞれの矩形の面の厚さE2は、等しく、そして長手方向の軸Xに沿って、全体的に一定である。
【0056】
有利には、それぞれの矩形の面は、等しく、そして長手方向の軸Xに沿って一定の面積であり、それぞれの超電導性要素36の高さH2と幅W2との積、すなわちW2×H2からもたらされる面積の5%〜30%の範囲である。
【0057】
それぞれの超電導性要素36の寸法は、車両14がレール16上に配置された場合に、車両14、そして特には列車26に最適化された値の磁気浮上力を誘導するのに好適である。
【0058】
より一般的には。クライオスタット28は、クライオスタット28がレール16上にある場合に、すなわち、クライオスタット28が、レール16によって発生された磁気誘導
場と相互作用する場合に、最適化された値を備えた磁気浮上力Fを誘導するように最適化された形状および寸法を備えた超電導性要素36を含んでいる。
【0059】
磁気浮上力Fは、磁気誘導場
源を形成するレール16と、それぞれの超電導性要素36との間に発生される。
【0060】
磁気浮上力Fは、超電導性要素36が磁気誘導
場と相互する場合に、超電導性要素36の磁気モーメントの増加関数である。より具体的には、超電導性要素36の磁気モーメントは、超電導性要素36が磁気誘導
場中に浸漬され、そして力を受ける、例えば、それらの質量または列車26の質量が、レール16に対してそれらの位置を変更するように向かう場合に、超電導性要素36中に生成された電流によって誘導される。更に、レンツの法則によって、生じる電流は、電磁誘導場を生成し、それはレールによって発生された磁気誘導場と反対であり、そのことが磁気浮上力Fの発現を引き起こし、そして浮揚現象を説明する。
【0061】
従って、超電導性要素36がレール16の磁気誘導
場と相互作用する場合に、超電導性要素36の磁気モーメントが大きければ大きい程、浮揚力Fはより大きい。
【0062】
更には、それぞれの超電導性要素36では、磁気モーメントは、ファクターPにほぼ比例する。
P=W2×L2
2+L2×W2
2
【0063】
従って、超電導性要素36の寸法は、特に、従来技術で典型的に観察される、幅W2および長さL2を備えた面を形成するように互いに並んだ多数の超電導体36に匹敵する、最適化された浮揚力Fを発生させることを可能にする。
【0064】
より具体的には、磁気源と面するように配置された所定の面積を備えた面を含む超電導性要素の磁気モーメントは、所定の面積を備えた面と等しい面を画定する多数の超電導性要素の磁気モーメントよりも大きい。結果として、それぞれの超電導性要素36の磁気モーメントの増加関数である、クライオスタット28によって誘導することができる浮揚力Fは、向上する。
【0065】
更に、冷媒Cの使用は、超電導性要素36をそれらの臨界温度以下に冷却し、他の全てのものを同じに維持して、車両14の浮揚に貢献し、それらが、それらの超電導性の性質を失わせることなく、それらを通ることができる電流密度を増大させることを可能にする。超電導性要素36の磁気モーメントは、それらを通る電流密度の増加関数であり、冷媒Cによって超電導性要素36を冷却して、磁気モーメントを、そして従って浮揚力Fを、増加することを可能にする。
【0066】
更に、超電導性要素36が透かし加工された表面の形態で水平断面S1を有するとの事実は、材料を節約し、そしてそれぞれの超電導性要素36の質量を低減させることを可能にするが、一方で、その超電導性要素が、非透かし加工された水平断面を有する場合と同様の浮揚力Fを全体的に保持する。事実、それぞれの超電導性要素36で誘導された電流は、超電導性要素36の周辺部で生じ、そして超電導性要素の非透かし加工された中央部における電流密度は、通常は無視することができる。
【0067】
従って、それぞれの超電導性要素36の質量および製造コストは、低減され、そして最適化された浮揚力を誘導することができるので、クライオスタット28は、最適化された質量および製造コストを有する。
【0068】
クライオスタット28によって誘導することができる浮揚力Fは最適化されるために、与えられた質量の磁気浮揚のために必要なクライオスタット28の数は、例えば4または5の係数で低減される。
【0069】
従って、車両14の浮揚のために必要とされるクライオスタット28の数は、車両14の製造のコストと同様に、低減される。
【0070】
更に、それぞれの超電導性要素36が
中実の二ホウ化マグネシウムを有するという事実は、クライオスタット28がレール16の上に配置された場合に、それぞれの超電導体36に最適化された、そして特には、超電導性要素、例えばワイヤーまたはテープの組立体によって得ることができる磁気モーメントよりも大きな、磁気モーメントを提供することを可能にする。
【0071】
あるいは、それぞれの超電導性要素36は、水平の切断面P3中に、楕円形のもしくは円形の内側および外側輪郭を画定する、全体的に環状の透かし加工(open-worked)された表面を有している。
【0072】
1つの代替案によれば、超電導性要素36の数は、内部強磁性要素22の数の倍数であり、そして超電導性要素36は、ジャケット34の長手方向の軸Xに配置されており、それらの長手方向の軸は、有利には、内側強磁性要素22がそれに沿って延在する方向に揃えられている。
【0073】
更に他の代替案によれば、超電導性要素36の数は、それぞれのクライオスタット28について1〜12の範囲にある。
【0074】
他の代替案によれば、冷却システム30が、クライオスタット28中に含まれている。
【0075】
他の代替案によれば、それぞれの超電導性要素36は、水平切断面P3中に、中実の表面の形態の水平断面を有している。
【0076】
更に他の代替案によれば、磁気軌道12、そして特にレール16は、前記のハルバッハ配列以外の配列、例えば、2超の内部極性部22を含むハルバッハ配置、または単一の内部極性部22を備えたシェイパーフラックス配列(Shaper flux configuration)である。
【0077】
他の代替案によれば、示されてはいないが、磁気軌道12は、モノレール軌道であり、単一のレール16を含んでいる。
【0078】
超電導性要素36および超電導性要素36の中心の透かし加工部の大きさの相対的な増加のせいで、クライオスタット28は、一方で、現行のソリューションと全体的に同等の超電導体を備えた磁気浮上システムの浮揚力を向上させることを、そして他方で、同等の浮揚力を得るための、提供される超電導体36のコストを低減することを可能とする。
【0079】
上記で考慮された態様および代替案は、本発明の新規な態様を生み出すために、互いに組み合わせることができる。