(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記3次元熱流構造は、熱が前記収束領域内の中心の場所に向かって前記第1のアームおよび前記第2のアームの中を流れるように、前記第1の部分の中に埋込まれた異方性材料を含む異方性熱流通路を含んでいる、請求項8に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
前記3次元熱流構造は、熱が前記収束領域内の収束場所に向かって前記第1のアームおよび前記第2のアームの中を流れるように、前記第1の部分の中に埋込まれた異方性材料を含む異方性熱流通路を含んでいる、請求項12に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、3次元熱流構造を含む例示的エレクトロニクスアセンブリを概略的に表現している図である。
【
図2】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、3次元熱流構造を含む別の例示的エレクトロニクスアセンブリを概略的に表現している図である。
【
図3】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、
図2に表現された例示的エレクトロニクスアセンブリの部分的切断図を概略的に表現している図である。
【
図4】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、回路板および3次元熱流構造が除去された状態の
図2の例示的エレクトロニクスアセンブリの部分斜視図を概略的に表現している図である。
【
図5A】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、
図2のエレクトロニクスアセンブリ内に配置されるように動作可能な例示的3次元熱流構造の代替的斜視図を概略的に表現している図である。
【
図5B】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、
図2のエレクトロニクスアセンブリ内に配置されるように動作可能な例示的3次元熱流構造の代替的斜視図を概略的に表現している図である。
【
図7】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、異方性熱流通路を含む例示的3次元熱流構造の斜視図を概略的に表現している図である。
【
図8】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、回路板が除去された状態の
図2の例示的エレクトロニクスアセンブリを概略的に表現している図である。
【
図9】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、
図2の例示的エレクトロニクスアセンブリの上面図を概略的に表現している図である。
【
図10】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、ハウジングが除去された状態の
図2の例示的エレクトロニクスアセンブリの斜視図を概略的に表現している図である。
【
図11】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、複数の基板と複数の3次元熱流構造を含む別の例示的エレクトロニクスアセンブリの側面図を概略的に表現している図である。
【
図12】本明細書中に説明され例証されている1つ以上の実施形態に係る、複数の基板と複数の3次元熱流構造を含む別の例示的エレクトロニクスアセンブリの側面図を概略的に表現している図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中に開示されている実施形態は、電子発熱部品などの1つ以上の発熱部品を、3次元空間を通して冷却用デバイスに対し熱的に結合する3次元熱流構造を含むエレクトロニクスアセンブリに向けられている。したがって、実施形態は、発熱部品から冷却用デバイスまでの3次元熱流通路を提供する。1つの非限定的実施例においては、発熱部品を回路板に結合させることができる。液体型冷却用デバイスなどの冷却用デバイスは、回路板から離隔されていてよく、回路板の上方または下方に位置設定されてよい。回路板および冷却用デバイス上の発熱部品に対し、1つ以上の3次元熱流構造を熱的に結合して、3次元空間を通して冷却用デバイスに対して発熱部品を熱的に結合することができる。このようにして、3次元空間内のさまざまな平面および場所にある多数の発熱部品を、冷却用デバイスに対して熱的に結合することができる。
【0010】
別の非限定的実施例において、第1の発熱デバイスは、液体型冷却用デバイスによって冷却されるインバータ回路のスイッチングパワーデバイスとして構成された第2の発熱デバイスを制御するように動作可能なゲート駆動集積回路として構成されている。ゲート駆動集積回路は、冷却用デバイスの上方に位置設定された回路板の表面に配置されている。ゲート駆動集積回路は、ゲート駆動集積回路をその最大動作温度より低い温度に維持するために除去すべき熱を発生し得る。3次元熱流構造が、パワースイッチングデバイスを冷却するために用いられる冷却用デバイスに対して、ゲート駆動集積回路を熱的に結合することができる。こうして、追加の冷却用部品を付加することなく熱流束をゲート駆動集積回路から除去することができる。
【0011】
3次元熱流構造を含むエレクトロニクスアセンブリのさまざまな実施形態について以下で詳述する。
【0012】
ここで
図1を参照すると、例示的エレクトロニクスアセンブリ100が概略的に示されている。例示的エレクトロニクスアセンブリ100は、概して、表面123を有する基板120と、基板120の表面123に結合された発熱部品122と、3次元熱流構造130と、冷却用デバイス140とを含む。例示的エレクトロニクスアセンブリ100は同様に、一部の実施形態において、ハウジング110および冷却用デバイス140に結合された第2の発熱部品152を含んでいてよい。
【0013】
非限定的な一例として、基盤120は、回路板として構成されてもよい。基板120は、非限定的にFR−4などの任意の好適な材料で作られていてよい。
図1に表現されている基板120は、表面121と表面123とを有する。例えば、表面121を上部表面とみなすことができ、表面123を下部表面とみなすことができる。基板120の表面123は、x軸に対して平行な平面などの平面を画定している。
【0014】
表面121および/または表面123に対して任意の数の部品を結合することができる。
図1は、基板120の表面123に結合された発熱部品122を表現している。発熱部品122は、熱を発生する任意の部品であってよい。例示的発熱部品としては、集積回路チップ、レジスタ、スイッチングデバイス、マイクロコントローラ、プロセッサなどが含まれるが、これらに限定されない。表面123上には、任意の数の発熱部品122を具備することができる。1つの特定の非限定的実施例において、発熱部品122は、インバータ回路のスイッチングパワーエレクトロニクスデバイスを制御するように動作可能なゲート駆動集積回路である。非限定的な一例として、エレクトロニクスアセンブリ100は、電気車両の1つ以上の電動機を駆動するように動作可能なインバータ電力モジュールであってよい。以下でより詳細に説明するように、発熱部品122の動作は、適正な動作を保証し故障を防止するために発熱部品122から除去されるべき熱を発熱部品に発生させる可能性がある。
【0015】
図1に表現されている冷却用デバイス140は、非限定的にヒートシンク、噴流衝突式冷却用デバイス、2相冷却用デバイス、コールドフィンガー、ペルチェクーラーなどの熱を受けとりかつ除去する能力を有する任意の冷却用デバイスとして構成されてよい。
図1に示されているように、冷却用デバイス140は、基板120の表面123により画定された平面の外側に位置設定される。したがって、冷却用デバイス140は、負のZ軸に沿って表面123の下方に位置づけされる。
【0016】
実施形態において、冷却用デバイス140は、冷却用デバイス140に結合された1つ以上の第2の発熱部品152から熱を除去するように動作可能である。一部の実施形態において、第2の発熱部品152は、冷却用デバイス140に直接結合されている。第2の発熱部品152は、熱を発生する任意の部品である。一例として、第2の発熱部品152は、基板120に結合された発熱部品122よりも高い動作温度を有し、こうして発熱部品122以上の熱を発生させる。非限定的な一実施例として、第2の発熱部品152は、電力エレクトロニクススイッチングデバイス、例えば非限定的に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、シリコン被覆整流子(SCR)および電力トランジスタである。第2の発熱部品152は、AC電圧を生成するために例えばDC電圧をスイッチングするために、インバータ回路内の発熱部品によって制御され得る。
【0017】
3次元熱流構造130は、基板120の表面123に結合された発熱部品122を、冷却用デバイス140に対して熱的に結合する。冷却用デバイス140は、基板120の表面123によって画定された平面の外側に位置設定され、発熱部品122は冷却用デバイス140に直接結合されていないことから、3次元熱流構造130は、3次元形状を有する。例証された実施形態において、3次元熱流構造130は、発熱部品122に対して熱的に結合された第1の部分132と、冷却用デバイス140に対して熱的に結合された第2の部分134とを有する。互いに熱的に結合されているものとして説明されたいずれか2つの部品が、2つの熱的に結合された部品間に配置された熱ペースト(thermal paste)を有し得るということが指摘される。第1の部分132の少なくとも一部分は、基板120の表面123に対して平行である。第2の部分134は、冷却用デバイス140に向かって負のZ軸に沿った方向で基板120の表面123から離れるように延在する。例証された実施例において、3次元熱流構造130は「L」の断面形状を有する。
図1は、第1の部分132および表面123に対して直交しているものとして第2の部分134を示しているが、実施形態はこれに限定されない。
【0018】
3次元熱流構造130は、非限定的に銅、アルミニウム、金、および熱伝導性ポリマーなどの任意の好適な熱伝導性材料で製造されてよい。
【0019】
一実施例において、3次元熱流構造130の第1の部分は、熱伝導性であるものの電気絶縁性の1つ以上の熱伝導性部品(図示せず)によって、発熱部品122に対し間接的に結合されていてよい。このようにして、発熱部品122は、発熱部品122と3次元熱流構造130との間の熱伝達を可能にする一方で、3次元熱流構造130から電気的に絶縁され得る。熱界面材料の非限定的例として、シリコーンゴムを発熱部品122と3次元熱流構造130の間に配置することができる。
【0020】
さらに
図1を参照すると、基板120、発熱部品122、3次元熱流構造130および冷却用デバイス140はハウジング110により取り囲まれて、エレクトロニクスアセンブリまたはパッケージを画定することができる。ハウジングは、金属またはポリマーなどの任意の好適な材料で製造されていてよい。
【0021】
ここで
図2および3を参照すると、エレクトロニクスアセンブリ200の別の実施例が、概略的に示されている。以下で詳述されるように、エレクトロニクスアセンブリ200は、電気車両の電動機などの負荷を駆動するために直流を交流に変換するように動作可能なインバータ回路であってよい。この利用分野においては、複数の第1の発熱デバイス222(すなわち複数の発熱デバイス)が、複数のパワースイッチングデバイス(例えばIGBTs、MOSFETSなど)として構成された複数の第2の発熱デバイス252を制御する(すなわちスイッチングする)複数のゲート駆動集積回路として構成されている。
【0022】
例示的エレクトロニクスアセンブリ200は、概して、エンクロージャ211を画定するハウジング210および回路板220として構成された基板を含む。
図2は、組立てられたエレクトロニクスアセンブリ200の斜視図であり、一方
図3は、内部部品を見せるためにハウジング210および回路板220の一部分が切り取られた状態の、
図2に表現されたエレクトロニクスアセンブリ200の斜視図である。
【0023】
ハウジング210は、任意の好適な材料で製造可能である。一部の実施形態において、ハウジング210は、エンクロージャ内部の発熱部品から環境またはいずれかの外部冷却用構造または特徴部への熱伝達を可能にするため、熱伝導性材料で作られていてよい。ハウジング210は、1つ以上のプレートなど、1つ以上の部品から製造可能である。ハウジング210は、例えば機械加工または成形など任意のプロセスによって製造可能である。
【0024】
以下でより詳細に説明する通り、例示的ハウジング210は、冷却用デバイス240および少なくとも1つの第2の発熱デバイス252を取り囲んでいる(
図10も同様に参照のこと)。ハウジング210は、冷却液(例えば水、冷媒、油など)を冷却用デバイス240内に導入し温められた冷却液を冷却用デバイスから排出するための流体入口242および流体出口244(例えば壁214内)を含んでいる。例証された実施形態において、冷却用デバイス240は、冷却液が流体入口242を通して導入され、複数の第2の発熱デバイス252によって加熱され、流体出口244を通って液体または蒸気として退出する二相冷却用デバイスとして構成されている。冷却用デバイス240は、他の実施形態において単相冷却用デバイスとして構成されていてよい。冷却用デバイス240は同様に、第2の発熱デバイスにより加熱された標的表面に冷却液の噴流が衝突する、単相または二相噴流衝突型冷却用デバイスとして構成されてもよい。非限定的な例示的冷却用デバイス240は、全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許第9,437,523号(U.S.Pat.No.9,437,523)中に記載されている。
【0025】
図3に示されているように、冷却用デバイス240および複数の第2の発熱デバイス252は、ハウジング210のエンクロージャ211内部に配置された電力モジュール245を画定する。例示的冷却用デバイス240は、複数のコールドプレート243を含む、その各々が、冷却液を収容するように構成されている。複数の第2の発熱デバイス252は、その各々が両面冷却を受けるように、複数のコールドプレート243の間に挟まれている。
【0026】
各々の第2の発熱デバイス252は、ハウジング210から外へ延在する少なくとも1つの導電性リード線256を有する。各々の第2の発熱部品の少なくとも1つの導電性リード線256は、回路板220に対して電気的に結合され、非限定的に、正のリード線、負のリード線またはアース線、および制御信号リード線を含み得る。少なくとも1つの導電性リード線256は、回路板220の導電性トレース(traces)またはワイヤを介して、1つ以上の第1の発熱部品222に対し電気的に結合されていてよい。このようにして、複数の第1の発熱部品222は、冷却用デバイス240に結合された第2の発熱部品252のスイッチングを制御することができる。
【0027】
ここで
図4を参照すると、エレクトロニクスアセンブリ200の部分的上面斜視図が、回路板220および3次元熱流構造230無しで概略的に示されている。ハウジング210は、1つ以上の壁214との関係において陥凹していてよい頂部表面212を含む。陥凹頂部表面212は、以下でさらに詳述するように、3次元熱流構造230および回路板220を収容するように構成されている。陥凹頂部表面212は、電力モジュール245の上部表面255を露出させる開口部216を含む。導電性リード線256は、回路板に対する電気的接続のために頂部表面212の開口部216を通過する。
【0028】
図5Aおよび5Bを参照すると、例示的3次元熱流構造230が、2つの斜視図で概略的に示されている。
図5Aは、例示的3次元熱流構造230の底部斜視図であり、
図5Bは、例示的3次元熱流構造230の頂部斜視図である。例示的3次元熱流構造230は、第1の平面内に配置された第1の部分232と、第1の平面に対して横断する第2の平面内に配置された第2の部分234とを含む。第1の部分232および第2の部分234は、平面として示されているものの、実施形態はこれに限定されない。
【0029】
第1の部分232は、収束領域235、この収束領域235から延在する第1のアーム231A、および収束領域235から延在する第2のアーム231Bを含む。第1のアーム231Aは、間に間隙238が提供されるように、第2のアーム231Bからオフセットされている。間隙238は、複数の第2の発熱デバイス252の1つ以上の導電性リード線256が通って延在し得る領域を提供する。第1および第2のアーム231A、231Bは同様に、3次元熱流構造230とハウジング210の間の熱伝達用としてより大きい表面積を提供するため、頂部表面212の縁部ならびにハウジング210の他の任意の追加の特徴部と接触する第1および第2の壁233A、233Bをも含むことができる。3次元熱流構造230の第1の部分232は、ハウジング210に対する連結を提供するために、1つ以上の切り込み236または他の特徴部を含んでいてよい。
【0030】
3次元熱流構造230の第2の部分234は概して、収束領域235において第1の部分232の底部表面237Bから延在する。例証された実施形態において、第1の部分232はx軸に平行であり、第2の部分はz軸に平行であり、こうして第2の部分234が第1の部分232に直交するようになっている。しかしながら、他の実施形態において、第2の部分234は、第1の部分232に直交していなくてもよい。第2の部分234は、例えば一方のコールドプレート243の低温壁などにおいて、冷却用デバイス240と熱的に接触し得るように、任意の形状をとることができる。
【0031】
3次元熱流構造230がエレクトロニクスアセンブリ200の設計パラメータに応じて任意の適切な形状をとることができる、ということを理解すべきである。したがって、ここで説明される実施形態は、本明細書中で説明され例示されている3次元熱流構造230の形状および構成に限定されない。
【0032】
一部の実施形態において、3次元熱流構造230の形状および構成は、例えば勾配に基づく最適化方法などによる、トポロジー最適化によって決定されてよい。トポロジー最適化を用いて、設計パラメータに応じた3次元熱流構造の理想的な形状および構成を実現することが可能である。
図6Aおよび6Bは、
図2および3に表現されたエレクトロニクスアセンブリ220にしたがった3次元熱流構造についてのトポロジー最適化の結果を概略的に表現している。部域212A’は、ハウジング210の頂部表面212を表わし、部域212B’は、ハウジング210の底部表面を表わし、部域243’は、トポロジー最適化における冷却用デバイス240のコールドプレート243を表わす。領域221’は、上述のような発熱デバイスを表わす。
図6Aおよび6B中の領域270は、熱流束を領域221’から部域243’へと最適に導く3次元熱流構造の理想的な形状および構成を示す、トポロジー最適化の非限定的な結果を表わす。
図6Aおよび6Bの白色領域は、ゼロという設計密度変数を有し、領域270は1という設計密度変数を有することが指摘される。
図5Aおよび5Bは、製造上の制約を考慮に入れた、結果として得られた3次元熱流構造230の合成設計を概略的に表現している。
【0033】
ここで
図7を参照すると、別の例示的3次元熱流構造230’が概略的に示されている。この例示的3次元熱流構造230’の形状は、
図5および6に表現されている例示的3次元熱流構造230と類似している。しかしながら、3次元熱流構造230’はさらに、第1および第2のアーム231A、231Bの内部の熱流束を収束領域235の中心の場所239に向かって優先的に案内するように構成された異方性熱流通路260を含む。異方性熱流構造の非限定的な例が、米国特許第8,516,831号(U.S.Pat.No.8,516,831)中で説明されている。異方性熱流通路260は、収束領域235の中心の場所239に向かう異方性熱流を提供する能力を有する任意の材料または構造で作られていてよい。例示的な異方性材料としては、黒鉛、セラミクスおよび炭素繊維などが含まれるが、これらに限定されない。異方性熱流通路260は同様に、3次元熱流構造230’の等方性熱コンダクタンス材料(isotropic heat conductance material)中に埋込まれたヒートパイプとして構成されてもよい。
【0034】
図8は、ハウジング210の頂部表面212上に配置された3次元熱流構造230を表現している。第1の部分232の底部表面237Bは、ハウジング210の頂部表面212と接触してよい。3次元熱流構造230の第2の部分234は、開口部216を通ってエンクロージャ内に延在する。3次元熱流構造230は、締結具、締まり嵌め、スナップ嵌めなどの任意の適切な手段によりハウジング210に結合されてよい。実施形態において、3次元熱流構造230は、以下でさらに詳述されるように、3次元熱流構造230が回路板220とハウジング210との間に配置されるように、ハウジング210に対し回路板220を取付けることによって、ハウジング210に固定されてよい。
【0035】
例示的3次元熱流構造230はさらに、第1の部分232の頂部表面237Aに配置された複数の熱伝導性パッド262を含む。熱伝導性パッド262は、回路板220がハウジング210の頂部表面212上に位置づけされたときに複数の熱伝導性パッド262上に複数の第1の発熱部品222が配置されるように、第1の部分232の上に配置されている。複数の熱伝導性パッド262は、複数の第1の発熱部品222が3次元熱流構造230と短絡を起こすのを防ぐことができる。熱伝導性パッド262は、熱伝導性であるものの電気絶縁性を有する任意の材料で製造され得る。非限定的で例示的な熱伝導性であるものの電気絶縁性の材料は、シリコーンゴムである。他の実施形態において、3次元熱流構造230の頂部表面237Aの全体(またはその有意な部分)が、熱伝導性であるものの電気絶縁性である材料でコーティングされている。
【0036】
再び
図2を参照すると、回路板220は、3次元熱流構造230の第1の部分232が回路板220とハウジング210の頂部表面212との間に位置づけされるように、ハウジング210の頂部表面212に対して固定されている。回路板220は、例えば機械式締結具の使用など、任意の手段によってハウジング210に固定されてよい。導電性リード線256は、回路板220に対して電気的に結合されている。第1の発熱部品222は、3次元熱流構造230の第1の部分232に対して熱的に結合されるように、回路板220の底部表面に結合される。熱伝導性トレース(Traces)224は、追加の熱流束の除去を提供するため、回路板220上に配置されてよい。熱伝導性トレースの非限定的実施例は、米国特許第9,433,074号(U.S.Pat.No.9,433,074)に記載されている。第1の発熱部品222により生成された熱流束は、3次元熱流構造230の第1の部分に伝達され、次に第2の部分234に流入し、ここで次に冷却用デバイス240に伝達される。
【0037】
図9は、3次元熱流構造230’の第1の部分232およびハウジング210の頂部表面212の上に回路板220が配置された状態の、例示的エレクトロニクスアセンブリ200の部分的上面図である。
図9に示されているように、第1の発熱デバイス222は異方性熱流通路260と整列させられている。こうして、第1の発熱部品222によって生成された熱流束が、異方性熱流通路260に伝達され、矢印により標示されているように、異方性熱流通路260によって中心の場所239に向かって案内される。熱流束は次に、収束領域235から下方へ、3次元熱流構造230の第2の部分234を通ってエンクロージャ内へと進む。その後、熱流束は冷却用デバイス240まで伝達される。
【0038】
図10は、ハウジング210が除去された状態の、例示的エレクトロニクスアセンブリ200の底部斜視図を概略的に表現している。第1の発熱部品222は、回路板220の底部表面223に対し電気的に結合されている。回路板220は、第1の発熱部品222が熱伝導性パッド262と整列され、この熱伝導性パッドに熱的に結合されるように、3次元熱流構造230上に配置されている。3次元熱流構造230の第2の部分234は、例えば外側コールドプレート243の表面において冷却用デバイス240に対して熱的に結合されている。第2の部分234は、例えば締結具の使用などの任意の適切な方法により冷却用デバイス240に熱的に結合されてよい。上述の通り、第1の発熱部品222により生成された熱流束は、冷却用デバイス240によって除去される。このようにして、第1の発熱部品222は3次元熱流構造230により冷却用デバイス240に対し熱的に結合される。
【0039】
本明細書中に記載の3次元熱流構造の実施形態は、他の構成を呈する可能性がある。ここで
図11を参照すると、別の例示的エレクトロニクスアセンブリ300が概略的に示されている。例示的エレクトロニクスアセンブリ300は、低温壁343を提供する冷却用デバイス340を含む。上述の通り、冷却用デバイス340は、発熱部品により生成された熱流束を除去する能力を有するように任意の形態を呈することができる。
【0040】
例証された実施形態において、エレクトロニクスアセンブリ300は、第1の基板320A、第2の基板320Bおよび第3の基板320Cを含む。2つ以上の基板が具備され得るということを理解すべきである。1つ以上の発熱部品322A〜322Cが、それぞれ第1、第2および第3の基板320A〜320Cの表面323上に配置されてよい。1つ以上の発熱部品は、第1、第2、および第3の基板320A〜320Cの頂部表面、底部表面または両方の表面に配置されてよいということを理解すべきである。1つ以上の発熱部品322A〜322Cは、熱を発生する任意の部品であり得る。
【0041】
例示的エレクトロニクスアセンブリ300はさらに、第1の3次元熱流構造330A、第2の3次元熱流構造330B、および第3の3次元熱流構造330Cを含む。第1の3次元熱流構造330Aは、第1の発熱部品322Aに対して熱的に結合される第1の部分332Aと、第1の部分332Aに対して横断し冷却用デバイス340に対して熱的に結合される第2の部分334Aとを含む。同様にして、第2の3次元熱流構造330Bは、第2の発熱部品322Bに対して熱的に結合される第1の部分332Bと、第1の部分332Bに対して横断し冷却用デバイス340に対し熱的に結合される第2の部分334Bとを含む。第3の3次元熱流構造330Cは、第3の発熱部品322Cに対して熱的に結合される第1の部分332Cと、第1の部分332Cに対し横断し冷却用デバイス340に対して熱的に結合されている第2の部分334Cとを含む。このようにして、第1、第2および第3の3次元熱流構造330A〜330Cは、第1、第2および第3の発熱部品322A〜322Cを冷却用デバイス340に対して熱的に結合することができる。各々の3次元熱流構造330A〜330Cが、熱源と冷却用デバイスとの間で異方的に熱を運ぶために構造的に最適化された複合構成を含み得るということが指摘される。
【0042】
他の変形形態も同様に可能である。例えば、3次元熱流構造を基板の両側で部品に対して熱的に結合することができる。さらに、一体になった単体部品の形で、第1、第2および第3の3次元熱流構造330A〜330Cを提供することも可能であり、その場合第2の部分334A〜334Cは、単一の壁の中で互いに相互連結され、次にこの単一の壁が冷却用デバイス340に対して熱的に結合される。
【0043】
図12は、3次元熱流構造430を含むさらに別の例示的エレクトロニクスアセンブリ400の横断面を概略的に示している。エレクトロニクスアセンブリ400はさらに、第1の基板420A、第2の基板420Bおよび第3の基板420Cの形をした基板のスタック(stack)を含む。このスタック内には2つ以上の基板を具備できるということを理解すべきである。少なくとも1つの第1の発熱デバイス422Aが第1の基板420Aの表面に結合され、少なくとも1つの第2の発熱デバイス422Bが第2の基板420Bの表面に結合され、少なくとも1つの第3の発熱デバイス422Cが第3の基板420Cの表面に結合されている。第1の基板420Aは、第1の切り欠き425Aを含み、第2の基板420Bは第2の切り欠き425Bを含み、第3の基板420Cは第3の切り欠き425Cを含む。
【0044】
3次元熱流構造430は、それぞれ第1、第2および第3の基板420A〜420Cの第1、第2および第3の切り欠き425A〜425Cを通って配置されている第2の部分434を含む。3次元熱流構造430はさらに、第2の部分434から延在し第1、第2および第3の発熱部品422A〜422Cに対して熱的に結合されている第1の部分432A〜432Cを含む。したがって、3次元熱流構造430は、第1、第2および第3の発熱部品422A〜422Cを冷却用デバイス440に熱的に結合する。
【0045】
ここで、本明細書中に記載の実施形態は、発熱デバイスが結合されている平面の外側にある冷却用デバイスに対して電子発熱部品などの1つ以上の発熱部品を熱的に結合する3次元熱流構造を含むエレクトロニクスアセンブリに向けられている、ということを理解すべきである。本明細書中に記載の3次元熱流構造は、3次元空間を横断して発熱部品を冷却用デバイスに対して熱的に結合する。一実施例においては、パワースイッチングデバイスが専用冷却用デバイスに対し熱的に結合されている。1つ以上のゲート駆動集積回路がパワースイッチングデバイスに電気的に結合されるが、冷却用デバイスおよびパワースイッチングデバイスが配置されている平面の外側に位置づけられている。本明細書中に記載の3次元熱流構造は、3次元空間を通してゲート駆動集積回路を冷却用デバイスに熱的に結合することによって、ゲート駆動集積回路が発生する熱流束を除去し、こうしてゲート駆動集積回路の動作温度を降下させる。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
平面を画定する表面を含む基板と、
前記基板の前記表面に結合された発熱部品と、
前記基板の前記表面により画定された前記平面の外側に位置づけされた冷却用デバイスと、
3次元熱流構造であって、
前記発熱部品に対して熱的に結合された第1の部分であって、該第1の部分の少なくとも一部分が前記基板により画定された前記平面に対して平行である、第1の部分と、
前記第1の部分から延在する第2の部分であって、前記基板の前記表面によって画定された前記平面に対し横断し、該3次元熱流構造が前記冷却用デバイスに対して前記発熱部品を熱的に結合するように前記冷却用デバイスに対し熱的に結合されている、第2の部分と、
を含む3次元熱流構造と、
を含む、エレクトロニクスアセンブリ。
〔態様2〕
前記第2の部分が前記第1の部分に直交している、態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様3〕
前記冷却用デバイスがコールドプレートを含み、
前記3次元熱流構造の前記第2の部分が、前記コールドプレートに対して熱的に結合されている、態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様4〕
少なくとも1つの追加の基板をさらに含み、各追加基板が表面と追加の発熱部品とを含んでおり、
前記3次元熱流構造が、前記少なくとも1つの追加の基板の前記追加の発熱部品に結合された少なくとも1つの追加の第1の部分を含み、
前記基板および前記少なくとも1つの追加基板が各々切り込みを含んでおり、
前記3次元熱流構造の前記第2の部分が、前記基板および前記少なくとも1つの追加基板の前記切り込み内に配置されている、
態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様5〕
追加の発熱部品を含む少なくとも1つの追加基板と、
少なくとも1つの追加の3次元熱流構造であって、前記追加の発熱部品および前記冷却用デバイスに対して熱的に結合されている少なくとも1つの追加の3次元熱流構造と、
をさらに含む、態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様6〕
第2の発熱部品をさらに含み、前記第2の発熱部品が前記冷却用デバイスに対して直接結合されている、態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様7〕
前記冷却用デバイスが第1のコールドプレートと第2のコールドプレートとを含み、
前記第2の発熱部品が前記第1のコールドプレートと前記第2のコールドプレートとの間に配置されている、
態様6に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様8〕
前記発熱部品が、前記第2の発熱部品の動作を制御するように動作可能である、態様6に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様9〕
前記発熱部品がゲート駆動集積回路であり、前記第2の発熱部品がパワースイッチングデバイスである、態様6に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様10〕
前記3次元熱流構造の第1の部分が、
収束領域と、
前記収束領域から延在する第1のアームと、
前記収束領域から延在する第2のアームと、
を含み、
前記収束領域、前記第1のアームおよび前記第2のアームが、平面で、前記基板の前記表面によって画定される前記平面に対して平行であり、
前記3次元熱流構造の第2の部分が、前記第1の部分の前記収束領域から延在し、前記第1の部分に対し横断する、
態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様11〕
前記3次元熱流構造は、熱が前記収束領域内の中心の場所に向かって前記第1のアームおよび前記第2のアームの中を流れるように、前記第1の部分の中に埋込まれた異方性材料を含む異方性熱流通路を含んでいる、態様10に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様12〕
前記基板の前記表面に結合され、前記3次元熱流構造に対し熱的に結合された複数の追加の発熱部品と、
冷却用デバイスに対して直接結合された複数の追加の第2の発熱部品と、
をさらに含む、態様10に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様13〕
前記冷却用デバイスに対し直接結合されている第2の発熱部品と、
エンクロージャを画定し、部品表面を含むハウジングと、
をさらに含み、
前記部品表面が開口部を含み、
前記冷却用デバイスおよび前記第2の発熱部品が前記エンクロージャ内に配置され、
前記3次元熱流構造の前記第1の部分は、前記第2の部分が前記部品表面の前記開口部を通って延在するように前記ハウジングの前記部品表面に配置されており、
前記第2の発熱部品は、前記第2の発熱部品から前記開口部内に延在する少なくとも1つの導電性リード線を含み、
前記基板の前記表面は、前記発熱部品が前記基板の前記表面と前記3次元熱流構造の前記第1の部分との間に配置されるように、前記ハウジングの前記部品表面に面しており、
前記少なくとも1つの導電性リード線が前記基板に対し電気的に結合されている、
態様1に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様14〕
エンクロージャを画定し部品表面を含むハウジングであって、前記部品表面が開口部を含んでいるハウジングと、
基板であって、平面を画定する表面を含み、該基板の前記表面が前記ハウジングの前記部品表面に面している、基板と、
前記基板の前記表面に結合された発熱部品と、
前記基板の前記表面により画定された前記平面の外側に位置づけされ前記エンクロージャの内部に配置された冷却用デバイスと、
3次元熱流構造であって、
前記発熱部品に対して熱的に結合された第1の部分であって、
収束領域と、前記収束領域から延在する第1のアームと、前記収束領域から延在する第2のアームとを含み、
前記収束領域、前記第1のアームおよび前記第2のアームが、平面でかつ前記基板の前記表面によって画定される前記平面に対して平行である、第1の部分と、
前記第1の部分から延在する第2の部分であって、
前記第1の部分に対し横断し、
前記ハウジングの前記部品表面の前記開口部を通って延在し、
該3次元熱流構造が前記冷却用デバイスに対して前記発熱部品を熱的に結合するように、前記冷却用デバイスに対し熱的に結合されている、第2の部分と、
を含む3次元熱流構造と、
を含む、エレクトロニクスアセンブリ。
〔態様15〕
前記第2の部分が前記第1の部分に直交している、態様14に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様16〕
前記冷却用デバイスがコールドプレートを含み、
前記3次元熱流構造の前記第2の部分が、前記コールドプレートに対して熱的に結合されている、
態様14に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様17〕
第2の発熱部品をさらに含み、
前記冷却用デバイスが第1のコールドプレートと第2のコールドプレートとを含み、
前記第2の発熱部品が前記第1のコールドプレートおよび前記第2のコールドプレートとの間に配置されている、
態様14に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様18〕
前記発熱部品がゲート駆動集積回路であり、前記第2の発熱部品がパワースイッチングデバイスである、態様17に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様19〕
前記3次元熱流構造は、熱が前記収束領域内の収束場所に向かって前記第1のアームおよび前記第2のアームの中を流れるように、前記第1の部分の中に埋込まれた異方性材料を含む異方性熱流通路を含んでいる、態様14に記載のエレクトロニクスアセンブリ。
〔態様20〕
前記基板の前記表面に結合され、前記3次元熱流構造に対し熱的に結合された複数の追加の発熱部品と、
冷却用デバイスに対して直接結合された複数の追加の第2の発熱部品と、
をさらに含む、態様14に記載のエレクトロニクスアセンブリ。