(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2配管は、前記第1配管と接続される一方の端部が、前記第1配管から取り外し可能に構成され、前記合流部に接続される他方の端部が、前記合流部から取り外し可能に構成される、請求項1に記載の配管ユニット。
前記第2配管は、前記流体の流れる方向から見た場合に、円周上に並んでおり、1つの前記第2配管よりも放射方向内側には他の前記第2配管が設けられない、請求項1又は請求項2に記載の配管ユニット。
前記第1配管の前記第2配管に分岐される箇所と、前記合流部の前記第2配管に合流される箇所との間に、添加剤が添加される添加口が設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配管ユニット。
前記合流部は、前記第2配管の少なくとも2つに接続される合流体と、前記合流体の流体の流れる方向の下流側に接続される下流側配管と、を有し、前記下流側配管は、前記第2配管より内径が大きい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配管ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
図1は、本実施形態に係る水処理システムの模式的なブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る水処理システム1は、着水井10と、配管ユニット12と、ろ過装置14と、配管16と、処理槽18とを有する。水処理システム1は、着水井10に取り込んだ原水W1に水処理を行い、水W4として外部に供給するシステムである。本実施形態では、水W4は、上水である。
【0020】
着水井10は、原水W1を取り込む施設である。着水井10は、例えば河川などからの原水W1が流入され、後段の各設備で水処理を行うために原水W1の流量調整を行う水槽である。
【0021】
配管ユニット12は、着水井10に接続される配管を備える。配管ユニット12は、着水井10からの原水W1が供給され、原水W1に添加剤を添加しつつ撹拌することで、処理水W2を生成する。本実施形態においては、配管ユニット12は、添加剤として凝集剤を添加する。従って、処理水W2は、原水W1中に固形物が凝集された水となる。配管ユニット12の構成は後述する。ろ過装置14は、本実施形態では、ろ過用の膜を備える膜ろ過装置であり、配管ユニット12に接続される。ろ過装置14は、配管ユニット12からの処理水W2に対し膜ろ過を行って、処理水W2から固形物が除去された処理水W3を生成する。配管16は、ろ過装置14と処理槽18とを接続する配管であり、ろ過装置14からの処理水W3を、処理槽18に導入する。処理槽18は、処理水W3に対して添加剤を加えることで水W4を生成し、配管19を介して水W4を外部に供給する。処理槽18における添加剤は、例えば、塩素などの消毒剤である。
【0022】
本実施形態に係る配管ユニット12は、このように上水を処理する水処理システム1に設けられ、原水W1に凝集剤を添加して撹拌を行うことで、処理水W2を生成するものである。ただし、配管ユニット12の用途は任意であり、例えば、処理槽18の代わりに設けられ、処理水W3に対して、添加剤としての消毒剤を添加するものであってもよい。さらに言えば、配管ユニット12は、水処理システム1に設けられることに限られず、流体に対して任意の添加剤を加えて撹拌するために用いられるものであればよい。
【0023】
図2は、本実施形態に係る配管ユニットの模式図である。
図2に示すように、配管ユニット12は、第1配管20と、複数の第2配管22と、合流部24と、添加剤供給部26と、制御装置28とを備える。第1配管20は、内部を流体が流れる配管である。本実施形態では、第1配管20は、着水井10に接続され、着水井10から、流体として原水W1が供給される。ただし、第1配管20は、着水井10に接続されることに限られず、任意の流体が流れる配管であればよい。
【0024】
第1配管20は、上流側配管30と、分岐部32と、ポンプPとを有する。上流側配管30は、方向Xに延在する配管である。上流側配管30内においては、原水W1が、方向Xに沿って流れる。以下、方向Xに沿った方向であって原水W1が流れる方向を、方向X1とし、方向X1と反対方向、すなわち方向Xに沿った方向であって原水W1が流れる方向とは反対側の方向を、方向X2とする。言い換えれば、方向X1は、原水W1の流れる方向の下流側に向かう方向であり、方向X2は、原水W1の流れる方向の上流側に向かう方向である。なお、上流側配管30は、内径が一定の配管であるが、位置によって内径が異なってもよい。
【0025】
ポンプPは、上流側配管30に設けられる。ポンプPは、制御装置28によって出力制御されることで、流体としての原水W1を上流側配管30内に取り込む。
【0026】
分岐部32は、上流側配管30の方向X1側の端部30Aに接続される部材である。分岐部32は、接続配管33と、拡径部34と、分岐管36とを有する。接続配管33は、方向X2側の端部33Aが、上流側配管30の端部30Aに接続されて、上流側配管30と連通する配管である。接続配管33の端部33Aは、上流側配管30の端部30Aに対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、接続配管33の端部33Aと上流側配管30の端部30Aとは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。分岐部32は、接続配管33の端部33Aが上流側配管30の端部30Aに対しフランジ同士で対向して固定されることで、上流側配管30に接続される。なお、本実施形態では、接続配管33の内径D1は、上流側配管30の内径D0と等しい。
【0027】
拡径部34は、接続配管33の方向X1側に設けられる中空の部材であり、方向X1に向かうに従って、内径が大きくなっている。具体的には、拡径部34は、接続配管33を介して、上流側配管30と連通している。そして、拡径部34は、方向X2側の端部34Aから、方向X1側の端部34Bに向かうに従って、内径が大きくなっている。従って、拡径部34は、上流側配管30に接続される端部34Aにおける内径が、接続配管33の内径D1と等しくなる。そして、拡径部34は、端部34Aから端部34Bに向かうに従って内径が大きくなり、端部34Bにおける内径D2が、内径D0及び内径D1より大きくなっている。このように拡径部34で径を大きくすることで、分岐管36と接続配管33とを適切に接続することができる。
【0028】
また、拡径部34は、端部34Aから端部34Bまでの間における内周面34Cが曲面形状となっており、言い換えれば、内周面34Cは、端部34Bに向かうに従って放射方向外側に広がる曲面形状となっている。さらに、拡径部34は、端部34Bが、方向X1に直交する平面状となっている。ただし、拡径部34は、内周面34Cが曲面状であり端部34Bが平面状となる形状に限定されないし、端部34Aから端部34Bに向かうに従って内径が大きくなる形状に限定されない。
【0029】
分岐管36は、複数設けられ、それぞれの分岐管36が、拡径部34の端部34Bに接続されている。すなわち、分岐管36は、方向X2側の端部36Aが、拡径部34の端部34Bに接続されることで、拡径部34に連通している。分岐管36は、端部36Aから端部36Bまで、方向X1に沿って延在している。分岐管36の端部36Bは、第2配管22に対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、分岐管36の端部36Bは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。
【0030】
分岐管36は、内径が一定の配管であり、分岐管36の内径D3は、上流側配管30の内径D1より小さい。また、それぞれの分岐管36は、端部36Aと端部36Bとの間に、開閉弁V1を備えている。開閉弁V1は、制御装置28によって開閉制御される。分岐管36の端部36Bは、第2配管22との接続箇所となるため、開閉弁V1は、第1配管20と第2配管22との接続箇所よりも、第1配管20側に設けられると言い換えることができる。なお、分岐管36は、第2配管22に接続されるため、分岐管36の数は、第2配管22の数と同じとなっている。ただし、第2配管22を取り外した際は、分岐管36の数が第2配管22の数より多くなる。
【0031】
第2配管22は、第1配管20の方向X1側、すなわち第1配管20の原水W1の流れる方向の下流側に、第1配管20から分岐して接続される。第2配管22は、方向X2側の端部22Aから方向X1側の端部22Bまで、方向X1に沿って延在する。第2配管22の端部22Aは、第1配管20の方向X1側に接続されている。より詳しくは、第2配管22の端部22Aは、第1配管20の分岐管36の端部36Bに接続されることで、分岐管36と連通している。さらに言えば、第2配管22の端部22Aは、第1配管20の分岐管36の端部36Bに対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、第2配管22の端部22Aは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。第2配管22は、端部22Aが分岐管36の端部36Bに対しフランジ同士で対向して固定されることで、分岐管36に接続される。
【0032】
このように、それぞれの第2配管22は、第1配管20の分岐部32を介して、すなわち分岐管36、拡径部34及び接続配管33を介して、第1配管20の上流側配管30に接続されている。言い換えれば、第1配管20は、分岐部32を介して、それぞれの第2配管22に接続されているといえる。
【0033】
第2配管22の端部22Bは、合流部24に対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、第2配管22の端部22Bは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。第2配管22と合流部24との接続状態については、後述する。
【0034】
第2配管22は、断面が円形形状となる円筒状の配管である。第2配管22の内径を内径D4とすると、内径D4は、第1配管20の内径より小さく、より詳しくは、上流側配管30の内径D0及び接続配管33の内径D1より小さい。第2配管22の内径を第1配管20の内径より小さくすることで、後述するように乱流を意図的に生成して、撹拌を促進することができる。また、第2配管22の内径D4は、分岐管36の内径D3と径が等しいが、径が異なってもよい。また、第2配管22は、端部22Aから端部22Bまで内径が一定であることが好ましい。第2配管22の内径を第1配管20の内径より小さくすることで撹拌を促進できるため、第2配管22の内径を変化させて第2配管22の構造を複雑にする必要がなく、第2配管22の内径を一定にして構造を単純にすることができる。第2配管22の内径を一定にして構造を単純にすることで、製造コストを低減でき、また、第2配管22の互換性も高めることができる。
【0035】
また、配管ユニット12には、添加剤Mが添加される添加口23が設けられる。添加口23は、第1配管20の第2配管22に分岐する箇所(分岐管36の端部36A)と、合流部24(合流体42)の第2配管22に分岐する箇所(分岐管46の端部46A)との間の、分岐したそれぞれの位置に設けられる。これらの位置に添加口23を設けることで、内径が小さくなって撹拌が促進される箇所に、添加剤Mを添加することが可能となり、添加剤Mを効果的に拡散させることができる。また、分岐された部分のそれぞれに添加口23を設けることで、添加剤Mの拡散度合いを、分岐された部分ごとに均一にすることができる。さらに言えば、添加口23は、それぞれの第2配管22に設けられることが好ましい。添加口23は、他の箇所に比べて目詰まりし易い傾向にあるが、第2配管22に添加口23を設けることで、メンテナンスにおいて、添加口23が目詰まりした第2配管22を、容易に取り替えることができる。また、添加口23は、方向Xにおいて、第2配管22の端部22Aと端部22Bとの間に設けられており、端部22Bよりも端部22Aに近い側に設けられていることがさらに好ましい。すなわち、方向Xにおいて、端部22Aと添加口23との間の距離は、添加口23と端部22Bとの間の距離よりも短い。さらに言えば、添加口23は、端部22Aの直近に設けられていることが好ましい。添加口23を端部22Aの直近に設けることで、添加剤Mが添加されてから原水W1が配管ユニット12内を流れる距離を長くすることができ、有効に撹拌される距離を長くすることができる。
【0036】
添加剤供給部26は、例えば、添加剤Mが貯留される容器であり、例えば図示しない薬注ポンプが制御装置28に駆動されることで、貯留している添加剤Mを、添加口23から第2配管22内に供給する。なお、添加剤Mは、本実施形態では凝集剤であるが、任意の薬剤であってよい。
【0037】
図3は、本実施形態に係る第2配管の断面図である。
図3は、
図2のA−A断面から見た図であり、言い換えれば、流体の流れる方向X1から第2配管22を見た図である。
図2及び
図3に示すように、第2配管22は、断面が円形形状となる円筒状の配管である。また、
図3に示すように、方向X1から見た場合に中心点Oを中心とした仮想的な円周を円周Cとした場合、それぞれの第2配管22は、方向X1から見た場合に、円周C上に並んでいる。また、方向X1から見た場合に、それぞれの第2配管22よりも放射方向内側には、他の第2配管22が存在していない。言い換えれば、1つの第2配管22よりも放射方向内側には、他の第2配管22が存在していない。ここでの放射方向とは、方向X1から見た場合の中心点Oを中心とした放射方向であり、放射方向内側とは、中心点Oに向かう方向である。このように1つの第2配管22の放射方向内側に他の第2配管22が存在しないことで、メンテナンス時に、他の第2配管22に遮られることなく第2配管22を取り外すことが可能となる。なお、
図3の例では、第2配管22は6個設けられるが、第2配管22の数は、複数であれば任意である。第2配管22の数が6個以外である場合においても、第2配管22は、円周C上に設けられ、それぞれの第2配管22より放射方向内側には、他の第2配管22が設けられないことが好ましい。
【0038】
また、それぞれの第2配管22は、内径が互いに等しく、方向Xにおける長さも互いに等しいことが好ましい。このように第2配管22の内径と長さを等しくすることで、それぞれの第2配管22における撹拌度合いを均一にすることができる。例えばメンテナンス時に一部の第2配管22を取り外して残りの第2配管22で撹拌を行う場合にも、第2配管22の内径と長さを等しくすることで、メンテナンス前とメンテナンス中との撹拌度合いを均一にすることができる。また、第2配管22の内径と長さを等しくすることで、第2配管22の互換性を高くすることができる。また、それぞれの第2配管22は、方向Xに沿って延在しているため、延在する方向も互いに同じであることが好ましいと言える。
【0039】
図2に戻り、合流部24は、第2配管22の方向X1側、すなわち第2配管22の原水W1の流れる方向の下流側に接続されている。合流部24は、それぞれの第2配管22に接続されている。合流部24は、下流側配管40と、合流体42とを有する。下流側配管40は、方向Xに延在する配管である。下流側配管40は、内径が一定の配管であるが、位置によって内径が異なってもよい。下流側配管40の内径を内径D5とすると、内径D5は、第2配管22の内径D4よりも大きい。
【0040】
合流体42は、第2配管22の方向X1側の端部22Bに接続され、かつ、下流側配管40の方向X2側の端部40Aに接続される部材である。合流体42は、接続配管43と、縮径部44と、分岐管46とを有する。接続配管43は、方向X1側の端部43Aが、下流側配管40の端部40Aに接続されて、下流側配管40と連通する配管である。接続配管43の端部43Aは、下流側配管40の端部40Aに対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、接続配管43の端部43Aと下流側配管40の端部40Aとは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。合流体42は、接続配管43の端部43Aが下流側配管40の端部40Aに対しフランジ同士で対向して固定されることで、下流側配管40に接続される。なお、実施形態では、接続配管43の内径D6は、下流側配管40の内径D5と等しい。
【0041】
縮径部44は、接続配管43の方向X2側に設けられる中空の部材であり、方向X1に向かうに従って、内径が小さくなっている。具体的には、縮径部44は、接続配管43を介して、下流側配管40と連通している。そして、縮径部44は、方向X2側の端部44Bから方向X1側の端部44Aに向かうに従って、内径が小さくなっている。従って、縮径部44は、下流側配管40に接続される端部44Aにおける内径が、接続配管43の内径D5と等しくなる。そして、縮径部44は、端部44Aから端部44Bに向かうに従って内径が大きくなり、端部44Bにおける内径D7が、内径D5及び内径D6より大きくなっている。
【0042】
また、縮径部44は、端部44Aから端部44Bまでの間における内周面44Cが曲面形状となっており、言い換えれば、内周面44Cは、端部44Bに向かうに従って放射方向外側に広がる(端部44Aに向かって放射方向内側に向けて狭くなる)曲面形状となっている。さらに、縮径部44は、端部44Bが、方向X1に直交する平面状となっている。このように、内周面44Cが曲面状であり、端部44Bが平面状となっていることで、乱流の生成による撹拌が促進される。ただし、縮径部44は、内周面34Cが曲面状であり端部34Bが平面状となる形状に限定されないし、端部44Aから端部44Bに向かうに従って内径が大きくなる形状に限定されない。
【0043】
分岐管46は、複数設けられ、それぞれの分岐管46が、縮径部44の端部44Bに接続されている。すなわち、分岐管46は、方向X1側の端部46Aが、縮径部44の端部44Bに接続されることで、縮径部44に連通している。分岐管46は、方向X2側の端部46Bから方向X1側の端部46Aまで、方向X1に沿って延在している。分岐管46の端部46Bは、第2配管22の端部22Bに対し、接続及び取外しが可能に構成されている。本実施形態においては、分岐管46の端部46Bは、フランジ継手であり、外周に、例えば円盤形状のフランジを備える。第2配管22は、端部22Bが分岐管46の端部46Bに対しフランジ同士で対向して固定されることで、分岐管46に接続される。
【0044】
分岐管46は、内径が一定の配管であり、分岐管46の内径D8は、下流側配管40の内径D5及び接続配管43の内径D6より小さい。また、それぞれの分岐管46は、端部46Aと端部46Bとの間に、開閉弁V2を備えている。開閉弁V2は、制御装置28によって開閉制御される。分岐管46の端部46Bは、第2配管22との接続箇所となるため、開閉弁V2は、合流部24と第2配管22との接続箇所よりも、合流部24側に設けられると言い換えることができる。なお、分岐管46は、第2配管22に接続されるため、分岐管46の数は、第2配管22の数と同じとなっている。ただし、第2配管22を取り外した際は、分岐管46の数が第2配管22の数より多くなる。
【0045】
配管ユニット12は、以上のような構成となっている。配管ユニット12は、第1配管20と第2配管22と合流部24とが、さらに言えば、第1配管20の上流側配管30と第2配管22と合流部24の下流側配管40とが、同じ方向である方向X1に沿って延在している。ただし、第1配管20と第2配管22と合流部24とは、同じ方向に沿って延在することに限られず、別の方向に沿って延在していてもよい。
【0046】
なお、
図2の配管ユニット12では、第2配管22が第1配管20の分岐管36と合流部24の分岐管46とに接続されていたが、分岐管36、46を設けることなく、第1配管20の拡径部34と合流部24の縮径部44とに、直接接続されてもよい。
【0047】
次に、配管ユニット12内における原水W1の流れについて説明する。配管ユニット12は、制御装置28がポンプPを駆動することで、第1配管20の上流側配管30内に、流体としての原水W1を導入する。上流側配管30に導入された原水W1は、上流側配管30、接続配管33、拡径部34、それぞれの分岐管36を通って、それぞれの第2配管22に導入される。また、第2配管22には、添加剤供給部26からの添加剤Mが、添加口23を介して導入される。ここで、配管内では、一定の流量に対しては、内径が小さいほど、乱流の度合いを示すレイノルズ数が高くなり、レイノルズ数が高くなるほど、撹拌強度が高くなる。第2配管22は、第1配管20よりも内径が小さくなるように設計されているため、乱流の度合いが高くなって原水W1の撹拌が促進され、原水W1に添加された添加剤Mが原水W1に均一に分散する。添加剤Mが均一に分散した原水W1は、処理水W2として、合流部24の分岐管46、縮径部44、接続配管43、下流側配管40を通って、下流側配管40の方向X1側に接続されたろ過装置14に導入される。
【0048】
このように、本実施形態においては、第2配管22の内径を意図的に小さくすることで、乱流を意図的に生成させて、撹拌を促進させている。例えば、レイノルズ数が所定値以上となるように第2配管22の内径を設定することで、第2配管22で十分に撹拌可能な乱流を生成させることができる。また例えば、流入する原水W1の流量に対して、レイノルズ数が乱流域を示す所定値以上(例えば2000以上)となるように、第2配管22の内径と本数とを設定することで、第2配管22で十分に撹拌可能な乱流を生成させることができる。
【0049】
また、上述のように、配管内で撹拌する場合には、配管のメンテナンスが必要となる。この場合、メンテナンス時には、着水井10から配管への原水W1の供給を停止する必要が生じ、結果として、水処理システムの径全体を停止する必要が生じる。この場合、メンテナンスの際には原水W1の処理が停止してしまい、原水W1の処理効率が低下するおそれがある。それに対し、本実施形態に係る配管ユニット12は、第1配管20に対し、撹拌を実施する第2配管22が、並列に複数接続されている。従って、メンテナンス時においても、一部の第2配管22だけの原水W1の流通を停止すればよく、他の第2配管22への原水W1の流通を続けることができる。これにより、メンテナンス時においても、残った第2配管22で撹拌を続けて、系全体の原水W1の流通を停止させることなく、原水W1の処理を続けることができる。
【0050】
また、配管ユニット12は、開閉弁V1、V2を備えており、また、第2配管22が取外し可能となっている。
図4は、第2配管を取り外した場合の例を示す図である。メンテナンスの際には、例えばメンテナンス対象となっている第2配管22に接続される開閉弁V1、V2を閉状態にする。その後、メンテナンス対象となっている第2配管22の端部22Aを、第1配管20の分岐管36から取り外し、メンテナンス対象となっている第2配管22の端部22Bを、合流部24の分岐管46から取り外す。これにより、
図4に示すように、メンテナンス対象となっている第2配管22が配管ユニット12から取り外されるため、第2配管22のメンテナンスや点検を適切に実施できる。さらに、メンテナンス対象となっていない第2配管22については、第1配管20及び合流部24に接続されたままとなっており、かつ、開閉弁V1、V2が開状態のままとなっている。従って、
図4に示すように、これらの第2配管22で原水W1の撹拌を続けることができる。
【0051】
図5は、第2配管の他の構造例を示す図である。第2配管22は、
図5に示すように、撹拌翼Fを備えてもよい。撹拌翼Fは、第2配管22内の流体の撹拌を促進する翼であり、第2配管22の内部に設けられる板状の部材である。
図5の例では、撹拌翼Fは、第2配管22の内周面に設けられ、方向X1に向けて螺旋状に延在する形状であるが、第2配管22内の流体の撹拌を促進可能な構成であれば、形状は任意である。このように撹拌翼Fを設けることで、さらに撹拌強度を高くすることができる。
【0052】
図6は、合流部の他の構造例を示す図である。合流部24は、
図2に示したように、複数の第2配管22の全てに接続されていたが、一部の第2配管22に接続されていてもよく、言い換えれば2つ以上の第2配管22に接続されていればよい。
図6の例では、合流部24が複数設けられ、それぞれの合流部24の合流体42が、2つの第2配管22に接続されている例を示している。ただし、
図6の例に限られず、合流部24(合流体42)は、2つ以上の第2配管22に接続されていればよい。
【0053】
また、本実施形態では、合流部24を、合流体42及び下流側配管40を有する配管として説明したが、合流部24の形態はこれに限られない。例えば、合流部24を槽(水槽)としてもよく、この場合の合流部24は、下流側配管40を有しておらず、第2配管22からの処理水W2が合流体42に貯留されると考えることができる。
【0054】
次に、制御装置28について説明する。制御装置28は、配管ユニット12を制御する装置であり、本実施形態では、開閉弁V1、V2の開閉制御、添加剤Mの添加制御を実行する。なお、
図2では、制御装置28は1つの開閉弁V1、V2に破線が繋がっているが、実際には全ての開閉弁V1、V2を制御する。制御装置28は、例えばコンピュータであり、制御部、すなわちCPU(Central Processing Unit)を備える。また、制御装置28は、制御部の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリを備えている。ここでのメモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0055】
図7は、本実施形態に係る制御装置の模式的なブロック図である。
図7に示すように、制御装置28は、流量取得部52と、開閉弁制御部54と、添加剤制御部56とを有する。流量取得部52と、開閉弁制御部54と、添加剤制御部56とは、例えば、制御装置28の制御部がメモリに記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0056】
流量取得部52は、配管ユニット12に流入する流体の流量、ここでは配管ユニット12に流入する原水W1の流量を取得する。流量取得部52は、例えば着水井10に設けられた流量センサから、配管ユニット12に流入する原水W1の流量の情報を取得するが、配管ユニット12に流入する原水W1の流量取得方法はそれに限られない。例えば、配管ユニット12に流入する原水W1の流量が設定されており、その設定値を取得してもよい。
【0057】
開閉弁制御部54は、流量取得部52が取得した配管ユニット12に流入する原水W1の流量に基づき、開閉弁V1、V2の開閉を制御する。具体的には、開閉弁制御部54は、配管ユニット12に流入する原水W1の流量に基づき、原水W1を流入させる第2配管22の本数を決定する。開閉弁制御部54は、配管ユニット12に流入する原水W1の流量が少ないほど、原水W1を流入させる第2配管22の本数を少なくする。例えば、配管ユニット12に流入する原水W1の流量と原水W1を流入させる第2配管22の本数との関係は、予め設定されており、開閉弁制御部54は、その関係と、流量取得部52が取得した配管ユニット12に流入する原水W1の流量とに基づき、原水W1を流入させる第2配管22の本数を設定する。開閉弁制御部54は、原水W1を流入させる第2配管22の本数に基づき、開閉弁V1、V2の開閉を制御する。開閉弁制御部54は、原水W1を流入させる第2配管22に接続される開閉弁V1、V2を開状態とし、原水W1を流入させない第2配管22に接続される開閉弁V1、V2を閉状態とする。なお、開閉弁制御部54は、原水W1を流入させない第2配管22に接続される開閉弁V1、V2のいずれか一方のみを閉状態にしてもよい。
【0058】
添加剤制御部56は、配管ユニット12に流入する原水W1の流量と、開閉弁制御部54が開閉弁を開状態とした第2配管22の情報とに基づき、添加剤Mの添加を制御する。添加剤制御部56は、添加剤供給部26を制御して、開閉弁制御部54が開閉弁を開状態とした第2配管22に対して添加剤Mを添加させる。また、添加剤制御部56は、配管ユニット12に流入する原水W1の流量に基づき、添加剤Mの添加量を設定する。
【0059】
以上のように、制御装置28は、配管ユニット12に流入する原水W1の流量に基づき、使用する第2配管22の本数を設定する。配管の断面積が一定である場合、流体の流速は、流量に比例する。従って、流入する原水W1の流量が少なくなった場合、第2配管22内での流速が低下して、撹拌強度が低下するおそれがある。それに対し、本実施形態においては、原水W1の流量が少なくなった場合に、使用する第2配管22の本数を減らすことで、配管の断面積を小さくして、第2配管22内での流速の低下を抑制することができる。これにより、撹拌強度の低下を抑制することができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る配管ユニット12は、第1配管20と、複数の第2配管22と、合流部24とを備える。第1配管20は、内部を流体(ここでは原水W1)が流れる。それぞれの第2配管22は、第1配管20の流体の流れる方向の下流側(方向X1側)に、第1配管20から分岐して接続される。第2配管22は、第1配管20より内径が小さい。また、合流部24は、第2配管22の流体の流れる方向の下流側(方向X1側)に接続される。合流部24は、第2配管22の少なくとも2つに接続される。
【0061】
本実施形態に係る配管ユニット12は、第1配管20に対し、第1配管20より内径が小さい第2配管22が接続されている。従って、流体は、内径が小さい第2配管22内において、レイノルズ数が高くなる。そのため、配管ユニット12は、第2配管22において、流体の撹拌強度を高くして、流体を適切に撹拌することができる。さらに、第2配管22の方向X1側に合流部24が接続されている。従って、それぞれの第2配管22で撹拌された流体を合流させて、合流によって乱流を生じさせ、さらに撹拌強度を高くすることができる。このように撹拌強度を高くすることで、撹拌に必要な第2配管22の長さを短くすることが可能となり、装置規模を小さくすることができる。また、本実施形態に係る配管ユニット12は、第1配管20に対し、撹拌を実施する第2配管22が、前後に開閉弁を伴って並列に複数接続されている。従って、第2配管22を個別にメンテナンスすることが可能となり、メンテナンス時において系全体の原水W1の流通を停止する必要が無くなり、原水W1の処理を続けることができる。従って、本実施形態によると、撹拌を促進しつつ、メンテナンス時には系全体の停止を抑えることができる。
【0062】
また、第2配管22は、流体の流れる方向(方向X1)から見た場合に、円周C上に並んでおり、1つの第2配管22よりも放射方向内側には他の第2配管22が設けられない。すなわち、第2配管22は、クラスター状に配置される。配管ユニット12は、第2配管22がこのように並ぶことで、メンテナンス時に第2配管22を取り外す際に、他の第2配管22が邪魔とならないため、メンテナンス性をより高めることができる。
【0063】
また、第2配管22は、第1配管20と接続される一方の端部22Aが、第1配管20から取り外し可能に構成され、合流部24に接続される他方の端部22Bが、合流部24から取り外し可能に構成される。配管ユニット12は、第2配管22が取外し可能であるため、メンテナンス性をより高めることができる。
【0064】
また、第1配管20と第2配管22との接続箇所よりも第1配管20側(ここでは分岐管36)に、開閉弁V1を備え、第2配管22と合流部24との接続箇所よりも合流部24側(ここでは分岐管46)に、開閉弁V2を備える。第2配管22より上流側及び下流側に開閉弁V1、V2を備えることで、メンテナンスのために取り外す第2配管22への流体の供給を停止して、取り外した箇所からの流体の漏れを抑制できる。また、開閉弁V1、V2を備えることで、流体を導入される第2配管22の本数を制御することができる。
【0065】
また、第1配管20の第2配管22に分岐される箇所(ここでは分岐管36の端部36A)と、合流部24の第2配管22に合流される箇所(ここでは分岐管46の端部46A)との間には、添加剤Mが添加される添加口23が設けられる。このように分岐された箇所のそれぞれに添加口23が設けられることで、添加剤Mを均一に分散させることが可能となり、また、添加剤Mの添加の信頼性及び冗長性を高くすることができる。
【0066】
また、第1配管20と第2配管22と下流側配管40とは、同じ方向に沿って延在することが好ましい。同じ方向に沿って延在することで、それぞれの第2配管22の長さを同じにすることができ、それぞれの第2配管22における撹拌強度を均一にして、十分な撹拌強度が得られている状態を保つことができる。さらに、同じ方向に沿って延在することで、第2配管22の交換を容易に行うこともできる。
【0067】
また、第1配管20は、それぞれの第2配管22に接続される分岐部32の内径(ここでは拡径部34の内径D2)が、分岐部32より上流側の内径(ここでは上流側配管30の内径D1)より大きい。配管ユニット12は、このように第1配管20の第2配管22側の内径を大きくすることで、分岐管36と接続配管33とを適切に接続することができる。
【0068】
また、合流部24は、第2配管22の少なくとも2つに接続される合流体42と、合流体42の流体の流れる方向の下流側に接続される下流側配管40と、を有する。下流側配管40は、第2配管22より内径が大きい。配管ユニット12は、このように第2配管22の下流側に下流側配管40を接続することで、第2配管22で撹拌された処理水W2を集めて、後段側の設備に供給することができる。
【0069】
また、合流体42の内径(ここでは縮径部44の内径D7)は、下流側配管40の内径D5より大きい。配管ユニット12は、このように合流体42の第2配管22側の内径を大きくすることで、乱流の度合いを高くして、より適切に撹拌することができる。
【0070】
また、配管ユニット12は、流体の流量に応じて開閉弁V1、V2の開閉を制御することで、第1配管20からの流体が供給される第2配管22の本数を制御する制御装置28を有する。制御装置28は、流体の流量に応じて開閉弁V1、V2の開閉を制御することで、第1配管20からの流体が供給される第2配管22の本数を制御する。この配管ユニット12は、このように流体の流量に応じて流体が供給される第2配管22の本数を制御することで、撹拌強度の低下を抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態、実施例及び変形例を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。