特許第6885991号(P6885991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6885991機械式計時器用発振器のフレクシャーベアリング機構を製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6885991
(24)【登録日】2021年5月17日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】機械式計時器用発振器のフレクシャーベアリング機構を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 17/04 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   G04B17/04
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-126684(P2019-126684)
(22)【出願日】2019年7月8日
(65)【公開番号】特開2020-16646(P2020-16646A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2019年7月8日
(31)【優先権主張番号】18185139.5
(32)【優先日】2018年7月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・ディ ドメニコ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・キュザン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−リュック・エルフェ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ガンデルマン
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ウィンクレ
(72)【発明者】
【氏名】バティスト・イノー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・レショー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・マテー
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・クランジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ファーヴル
【審査官】 佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02998800(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0234354(US,A1)
【文献】 特開2018−084577(JP,A)
【文献】 特開2018−081094(JP,A)
【文献】 特開2012−029052(JP,A)
【文献】 特開2016−118548(JP,A)
【文献】 米国特許第03628781(US,A)
【文献】 特開2017−142246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動面を振動するように構成される少なくとも1つの堅固な慣性要素(5)を含む、機械式発振器(100)用のフレクシャーベアリング機構(200)を製造するための方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、前記振動面への射影において交差する少なくとも2つの第1の可撓性ストリップ(31,32)を含み、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)はそれぞれ実質的に長方形の断面を有し、固定支持部(4)に固定されるように、または組み込まれるように構成され、前記堅固な慣性要素(5)を支持するように構成され、共に前記慣性要素を静止位置まで戻すように構成される方法であって、
−(10)前記フレクシャーベアリング(200)の幾何学的構造を決定し、前記フレクシャーベアリング(200)に備えられる理論上の可撓性ストリップの素材を選択し、前記フレクシャーベアリング(200)に備えられる前記理論上の可撓性ストリップの数と傾斜を算出するステップと、
−(20)組み込み点間の長さLと、各前記理論上の可撓性ストリップの高さHおよび厚さEを算出するステップと、
−(30)各前記理論上の可撓性ストリップの縦横比RA=H/Eを算出するステップと、
−(40)各前記理論上の可撓性ストリップについて、算出された前記縦横比RAは10以上であり、前記理論上の可撓性ストリップを、複数のレベルで重畳され、かつそれぞれ10未満の縦横比RAを有する複数の基本ストリップに分解し、重畳されるストリップの基本レベルの数を決定するステップと、
−(50)前記理論上の可撓性ストリップの代わりに、前記基本ストリップを備える前記フレクシャーベアリング(200)の特性の算出を、前記機械的共振器(100)の品質係数、角度ストローク、及び等時性の満足する特性が得られるまで、反復によって繰り返すステップと、
−(60)前記基本レベルの数を複数のサブユニットに分解するステップであって、各前記サブユニットは、高さ方向に離間した2つの平行面にそれぞれ1つのストリップを含む二重サブユニットであるか、または1つのストリップのみを有する単一のサブユニットであるステップと、
−(70)各サブユニットに対して、基本支持部(48、49)と基本慣性要素(58、59)とを決定するステップであって、基本支持部(48、49)と基本慣性要素(58、59)は、二重サブユニットの場合は前記2つのストリップによって結合され、単一のサブユニットの場合は前記単一のストリップによって結合されるステップと、
−(80)少なくとも各二重サブユニットに対して、前記素材の2つのレベルを有するSOI基材を提供することと、少なくとも前記2つのストリップの、前記振動面に射影された形状が異なる場合に前記基材の両側をエッチングすることと、各単一のサブユニットに対して、1または2つのレベルを有する1つのSOI基材であって、厚さに応じて片側または両側をエッチングされたSOI基材を提供して、前記フレクシャーベアリング(200)を形成する様々な前記サブユニットを得るステップと、
−(90)エッチングされた基材を互いに重ねて形成された前記サブユニットをすべての基本慣性要素を結合することによって組み立て、前記基本慣性要素のすべてを前記慣性要素(5)に、各前記サブユニットにおける1または2つの並進自由度に沿って直接、または並進テーブルを通じて固定し、各前記並進テーブルの前記並進剛性は各前記サブユニットよりも低いステップと、
−(100)エッチングされた基材のうち前記サブユニットのすべての前記基本支持部を前記固定支持部(4)に、各前記サブユニットにおける1または2つの並進自由度に沿って直接、または並進テーブルを通じて固定し、各前記並進テーブルの前記並進剛性は各前記サブユニットよりも低いステップと、
を実施する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、同一平面上にあり、平行な理論上のストリップのみを用いて算出されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、ステップ(10)−(50)において、少なくとも、前記振動面への射影において交差する、2つの異なる、かつ区別されるレベル上のストリップ対のみを用いて算出されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、ステップ(10)−(50)において、同一平面上にあり、平行な理論上のストリップの第1のグループと、少なくとも、前記振動面への射影において交差する、2つの異なる、かつ区別されるレベル上のストリップ対の第2のグループの両方を用いて算出されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の可撓性ストリップ(31、32)が前記振動面への射影において、交差する対として選択される場合、前記交差する対の交点は、前記振動面への射影において、前記慣性要素(5)の仮想ピボット軸を画定することを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)が前記振動面への射影において、交差する対のストリップとして選択されるときであって、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)は、前記慣性要素(5)の前記振動面に平行な2つの平面において互いに離間して延在し、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)の前記振動面に射影された方向は、前記慣性要素(5)の仮想ピボット軸と交差し、前記固定支持部(4)の前記第1の可撓性ストリップ(31,32)の前記組み込み点と、前記慣性要素(5)が前記振動面に平行な2つのストリップ方向(DL1;DL2)を画定するとき、前記フレクシャーベアリング機構(200)は、互いに重畳して、少なくとも1つの上側レベル(28)と、少なくとも1つの下側レベル(29)とを含み、前記少なくとも1つの上側レベル(28)は、上側支持部(48)と上側慣性要素(58)との間に、第1のストリップ方向(DL1)に延在する少なくとも1つの上側一次ストリップ(318)と、第2のストリップ方向(DL2)に延在する1つの上側二次ストリップ(328)とを含み、前記少なくとも1つの上側一次ストリップ(318)と前記1つの上側二次ストリップ(328)は射影において、上側交点(PS)で交差し、前記少なくとも1つの下側レベル(29)は、下側支持部(49)と下側慣性要素(59)との間に、第1のストリップ方向(DL1)に延在する少なくとも1つの下側一次ストリップ(319)と、第2のストリップ方向(DL2)に延在する1つの下側二次ストリップ(329)とを含み、前記少なくとも1つの下側一次ストリップ(319)と前記1つの下側二次ストリップ(329)は射影において、下側交点(PI)で交差することを特徴とし、前記上側レベル(28)および/または前記下側レベル(29)は、前記固定支持部(4)と前記上側支持部(48)、またはそれぞれの前記下側支持部(49)との間に、および/または前記慣性要素(5)と前記上側基本慣性要素(58)、またはそれぞれの前記下側基本慣性要素(59)との間に、並進テーブル(308、309)を含むように構成され、前記並進テーブル(308、309)は、前記振動面の1または2つの自由軸に沿って少なくとも1つの弾性接続を備え、前記並進テーブル(308、309)の並進剛性は各前記第1の可撓性ストリップ(31,32)よりも低いことを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記上側レベル(28)および前記下側レベル(29)はそれぞれ、前記固定支持部(4)と前記上側支持部(48)、およびそれぞれの前記下側支持部(49)との間に、並進テーブル(308;309)を含むように構成され、前記並進テーブル(308;309)は、少なくとも1つの弾性接続を前記振動面の1または2つの自由軸に沿って備え、前記並進テーブル(308、309)の並進剛性は各前記第1の可撓性ストリップ(31,32)よりも低いことを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記上側並進テーブル(308)またはそれぞれの前記下側並進テーブル(309)の前記弾性接続は、前記振動面の1または2つの自由軸に沿って、前記フレクシャーベアリング機構(200)の前記可撓性ストリップの前記振動面への射影間に形成される前記角度の二等分線のX軸およびY軸に沿った弾性接続の形で行われることを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)が前記振動面への射影において交差する対のストリップとして選択されるときであって、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)は、前記慣性要素(5)の前記振動面に平行な2つの平面において互いに離間して延在し、前記第1の可撓性ストリップ(31,32)の前記振動面に射影された方向は、前記慣性要素(5)の前記仮想ピボット軸に隣接して交点(P)で交差し、前記固定支持部(4)の前記第1の可撓性ストリップ(31,32)の前記組み込み点と、前記慣性要素(5)が前記振動面に平行な2つのストリップ方向(DL1;DL2)を画定するとき、前記フレクシャーベアリング機構(200)は、前記振動面に平行な前記2つのストリップ方向(DL1、DL2)を備えて形成され、前記2つのストリップ方向(DL1、DL2)は、その間に、前記静止位置で、前記振動面への射影において、頂角(α)を形成し、前記交点(P)の位置は割合X=D/Lによって画定され、Dは前記第1の可撓性ストリップ(31;32)の前記固定支持部(4)への前記組み込み点の1つの前記振動面への射影と、前記交点(P)との間の距離であり、Lは前記第1の可撓性ストリップ(31、32)の前記振動面への射影の全長であり、前記発振器(100)の重心は静止位置において、前記交点(P)から距離(ε)だけ離間し、前記距離(ε)は前記全長Lの12%から18%の間であり、前記割合D/Lの値は0から1の間であり、前記頂角(α)は60°以下であり、各前記第1の可撓性ストリップ(31、32)において、前記組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は、0.15以上0.85以下であることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、一次ストリップ(31)と呼ばれ、第1のストリップ方向(DL1)に延在する前記第1の可撓性ストリップ(31、32)の第1の数N1と、二次ストリップ(32)と呼ばれ、第2のストリップ方向(DL2)に延在する前記第1の可撓性ストリップ(31、32)の第2の数N2とからなり、前記第1の数N1および前記第2の数N2はそれぞれ2以上であることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の数N1は前記第2の数N2と等しくなるように選択されることを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、第1のストリップ方向(DL1)に延在する1つの前記一次ストリップ(31)と、第2のストリップ方向(DL2)に延在する1つの前記二次ストリップ(32)とから形成される少なくとも1つの対からなり、各対において、前記一次ストリップ(31)は前記二次ストリップ(32)と、配向以外は同一であることを特徴とする、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は第1のストリップ方向(DL1)に延在する1つの前記一次ストリップ(31)と、第2のストリップ方向(DL2)に延在する1つの前記二次ストリップ(32)からそれぞれ形成される前記対のみを含むように構成され、各対において、前記一次ストリップ(31)は前記二次ストリップ(32)と、配向以外は同一であることを特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、第1のストリップ方向(DL1)に延在する前記一次ストリップ(31)と、第2のストリップ方向(DL2)に延在する複数の前記二次ストリップ(32)とから形成されるストリップの少なくとも1つのグループからなり、ストリップの各前記グループにおいて、前記一次ストリップ(31)の弾性挙動は、前記複数の二次ストリップ(32)から生じる弾性挙動と、配向以外は同一であることを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、一次ストリップ(31)と呼ばれ、第1のストリップ方向(DL1)に延在する前記第1の可撓性ストリップ(31、32)の第1の数N1と、二次ストリップ(32)と呼ばれ、第2のストリップ方向(DL2)に延在する前記第1の可撓性ストリップ(31,32)の第2の数N2とからなり、前記振動面に平行な前記ストリップ方向(DL1、DL2)はその間に、静止位置において、前記振動面への射影において頂角αを形成し、前記2つのストリップ方向(DL1、DL2)は、前記振動面への射影において、交点(P)で交差し、前記交点(P)の位置は割合X=D/Lによって画定され、Dは前記第1の可撓性ストリップ(31;32)の前記固定支持部(4)への前記組み込み点の1つの前記振動面への射影と、前記交点(P)との間の距離であり、Lは前記第1の可撓性ストリップ(31、32)の延伸の前記振動面への射影の全長であり、前記組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は、0.15以上0.49以下であり、または0.51以上0.85以下であることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記頂角(α)は50°以下であるように選択され、前記組み込み点率(D1/L1;D2/L2)は、0.40以上0.75以下であることを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記頂角(α)は40°以下であるように選択され、前記組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は、0.40以上0.70以下であることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記頂角(α)は35°以下であるように選択され、前記組み込み割合(D1/L1、D2/L2)は、0.40以上0.60以下であることを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記頂角(α)は30°以下であるように選択されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法方法(100)であって、前記頂角(α)および前記割合X=D/Lは、関係h1(D/L)<α<h2(D/L)を満たし、
式中、
0.2≦X<0.5のとき、
h1(X)=116−473*(X+0.05)+3962*(X+0.05)3−6000*(X+0.05)4
h2(X)=128−473*(X−0.05)+3962*(X−0.05)3−6000*(X−0.05)4
0.5<X≦0.8のとき、
h1(X)=116−473*(1.05−X)+3962*(1.05−X)3−6000*(1.05−X)4
h2(X)=128−473*(0.95−X)+3962*(0.95−X)3−6000*(0.95−X)4
であることを特徴とする、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、前記フレクシャーベアリング(200)は、2よりも必ず大きい合計数の前記第1の可撓性ストリップ(31、32)からなることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動面で振動するように構成される、少なくとも1つの堅固な慣性要素を含む機械式発振器用のフレクシャーベアリング機構を製造するための方法に関する。フレクシャーベアリングは少なくとも2つの第1の可撓性ストリップを含む。2つの第1の可撓性ストリップは、平行または一致する平面で延在し、それぞれ実質的に長方形断面を有し、固定支持部に固定され、または組み込まれるように構成され、堅固な慣性要素を支持するように構成され、共に慣性要素を静止位置まで戻すように構成される。
【0002】
本発明は、フレクシャーベアリングを備える計時器の機械式発振器の分野に関する。フレクシャーベアリングは、可動要素を保持し、戻る機能を実行する可撓性ストリップを含む。
【背景技術】
【0003】
特に可撓性ストリップを有するフレクシャーベアリングを機械式計時器発振器で用いることは、MEMS、LIGAなどの処理によって可能になる。MEMS、LIGAなどの処理は、ケイ素および酸化ケイ素などの微細加工可能な素材を開発するためのものであり、それによって、長期にわたって不変の弾性特性を有し、温度や湿気といった外部要因に影響を受けにくい部品をきわめて再現性高く製造することができる。特許文献1または特許文献2で同一出願人によって開示されているフレクシャーピボットは、特に、従来のテンプピボットおよび通常のテンプピボットと関連するテンプばねに置き換えられる。またピボットの摩擦を取り除くことによって、実質的に発振器の品質係数が増加する。ただし、フレクシャーピボットは一般に、約10°から20°までの限定的な角度ストロークを有する。これは通常の300°のテンプ/テンプばねの振幅と比較すると非常に低く、従来の脱進機機構とは直接組み合わせることができないことを意味し、特に正確な操作のために大きな角度ストロークを必要とするスイスレバーなどの通常の止め部材と直接組み合わせることができないことを意味する。
【0004】
スイス、モントルー市で2016年9月28日および29日に開催された国際計時器会議(International Chronometry Congress)では、M.H.Kahrobaiyan氏はまず、非特許文献1において、この角度ストロークが増加することを表明し、考案される複雑な解決法は等時性ではないように思われる。
【0005】
同一出願人であるスウォッチグループ・リサーチアンドディベロプメント(SWATCH GROUP RESEARCH&DEVELOPMENT Ltd)による特許文献3では、計時器発振器を開示する。計時器発振器は、少なくとも2つの振動する可動部を有する音叉によって形成される少なくとも1つの共振器を有するタイムベースを備える。可動部は発振器に含まれる接続要素に可撓性要素によって固定される。可撓性要素の幾何学的構成によって、接続要素に対して所定の位置を有する仮想ピボット軸が決まる。可動部はそれぞれ、仮想ピボット軸を中心に振動し、可動部の重心は、静止位置において、対応する仮想ピボット軸上にある。可動部の少なくとも1つにおいて、可撓性要素は、2つの平行な平面内に互いから離れて延在する交差した弾性ストリップによって形成される。これらの弾性ストリップの方向は、平行な平面の1つへの射影において、関連する可動部の仮想ピボット軸上で交差する。
【0006】
GRIB氏による特許文献4は、二重片持ち梁構造の形状の音叉を開示する。音叉は、静止基準面に対して一対の可動要素が強い回転運動を起こすようにする。音叉は、少なくとも2つの類似する細長い弾性屈曲可能な部分を有する第1の弾性変形可能体を備える。屈曲可能な部分の端部はそれぞれ、可動要素の拡大した剛性部分と一体化され、第1の剛性部分は基準面を画定するために固定され、第2の剛性部分は第1の剛性部分に対して強い回転運動を有するように弾性的に支持され、第2の弾性変形可能体は、実質的に第1の弾性変形可能体と同一であり、音叉構造を提供するために、弾性変形可能体のそれぞれの第1の剛性部分を離間してしっかりと固定する手段である。音叉の腕のそれぞれは、弾性変形可能体の1つの自由端を備える。
【0007】
CSEM社による特許文献5は、計時器用回転発振器を開示する。計時器用回転発振器は、計時器内での発振器の組み立てを可能にすることを目的とした支持要素と、テンプと、支持要素をテンプに接続し、テンプに戻しトルクを加えることができる複数の可撓性ストリップと、テンプに一体的に取り付けられる縁とを備える。複数の可撓性ストリップは、少なくとも2つの可撓性ストリップを備える。第1のストリップは発振器の平面に垂直な第1の平面に配置され、第2のストリップは発振器の平面に垂直であり、第1の平面の割線である第2の平面に配置される。第1および第2のストリップは同一の幾何学的構成を有し、発振器の往復の幾何学的軸は第1の平面と第2の平面の交点によって画定され、往復の幾何学的軸は第1および第2のストリップと、それぞれの長さの7/8で交差する。
【0008】
PATEK PHILIPPE社による特許文献6は、可撓性ピボットを有する計時器構成部品を開示する。計時器構成部品は、第1の剛性部分および少なくとも第1の弾性ストリップによって接続される第2の剛性部分を画定する第1の一体部分と、第3の剛性部分および少なくとも第2の弾性ストリップによって接続される第4の剛性部分を画定する第2の一体部分とを含む。第1および第2の一体部分は互いに組み立てられ、それによって第1および第3の剛性部分が互いに一体化され、第2および第4の剛性部分が互いに一体化される。少なくとも1つの第1の弾性ストリップおよび少なくとも1つの第2の弾性ストリップは接触せずに交差し、第1および第3の剛性部分に対する第2および第4の剛性部分の仮想回転軸を画定する。この構成部品はベアリングを含み、第2および第4の剛性部分と一体化され、仮想回転軸とは異なり、実質的に仮想回転軸に平行な軸の回りを移動する要素の回転を誘導することを目的とする。
【0009】
BLICKFELD社による特許文献7は、光走査装置用の走査モジュールを開示する。走査モジュールは、底面と、鏡面であるように構成される接合要素と、底面と接合要素との間に位置し、鏡面に垂直な0.7mm以上の拡大部を有する少なくとも1つの支持部材とを備える。底面、接合要素および少なくとも1つの支持部材は一体型のアセンブリを形成する。より具体的には、屈曲および/またはねじりによって形成可能である支持部材は細長いアーバーロッドである。
【0010】
同一出願人であるスウォッチグループ・リサーチアンドディベロプメント社による特許文献8は、可撓性ストリップを製造する方法を開示する。同方法は、必要な厚さのプレートを1または複数の微細加工可能な基材ウェハで形成することと、同じ幾何学的構造の上側ウィンドウを有する上側マスクと下側ウィンドウを有する下側マスクとをプレートの両側に張り付けることと、少なくとも中間の厚さまで各上側エッチングウィンドウの上側から、および各下側エッチングウィンドウの側からプレートをエッチングすることとを含み、プレートの厚さと等しい高さを有し、端部がエッチングされたままであるおよび可撓性ストリップの境界を定める。微細加工可能な材料によって作られた可撓性ストリップもまた開示される。可撓性ストリップは、2つの平行な上側面と下側面との間に、2つの周部と、先細および逆先細の端面と、フレクシャーピボット用に共振器と、ムーブメントまたは腕時計とを備える。
【0011】
ETAマニュファクチュール・オロロジェール・スイッツァランド(ETA Manufacture Horologere、Switzerland)による特許文献9は、機械式計時器ムーブメントを開示する。機械式計時器ムーブメントは、少なくとも1つの香箱と、香箱によって一端で駆動される一組の輪列と、テンプ/テンプばねの形状で共振器を備える局所発振器の脱進機機構と、計時器ムーブメントのためのフィードバックシステムとを含む。脱進機機構は一組の輪列の別の端部で駆動される。フィードバックシステムは、周波数比較器と組み合わせて、2つの発振器の周波数を比較するための少なくとも1つの正確な基準発振器と、周波数比較器の比較の結果に基づいて、共振器を減速または加速するための局所発振器の共振器を規制する機構とを含む。
【0012】
ETA SA マニュファクチュール・オロロジェール・スイス(ETA SA Manufacture Horlogere Suisse)による特許文献10は計時器調整機構を開示する。計時器調整機構は、プレートに対して少なくとも回転動作で移動するように取り付けられ、駆動トルクを輪列を介して受容するように構成されるがんぎ車と、プレートに第1の弾性戻し手段によって接続される第1の剛性構造備える第1の発振器とを備える。この調整機構は、第2の剛性構造を備える第2の発振器を含む。第2の発振器は第1の剛性構造に第2の弾性戻し手段によって接続される。この調整機構は、がんぎ車に含まれる補的ベアリング手段と協働するように構成されるベアリング手段を含み、第1の発振器および第2の発振器を輪列と同期する。
【0013】
同一出願人であるスウォッチグループ・リサーチアンドディベロプメントによる特許文献11は、本明細書に援用による組み込まれ、大きな角度ストロークを有するピボットを開示する。約25°から30°までのストリップの間の角度、および長さの約45%に位置する交点を用いることによって、大きな角度ストローク(40°まで、またはそれ以上)に対して良好な等時性および位置によって影響を受けないことを同時に得ることが可能となる。良好な面外の剛性を維持しながら角度ストロークを最大にするために、ストリップは薄く、長くされる。縦横比の値、つまり、ストリップの厚さに対する高さの比を高くすることは、理論的には有利であるが、実際には、特性を損なう背反曲率の現象が生じやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願第1419039号
【特許文献2】欧州特許出願第16155039号
【特許文献3】欧州特許出願第3035127A1号
【特許文献4】米国特許出願第3628781A号
【特許文献5】欧州特許出願第2911012A1号
【特許文献6】欧州特許出願第2998800A2号
【特許文献7】ドイツ国特許出願第102016014001A1号
【特許文献8】スペイン国特許第3326963号
【特許文献9】欧州特許出願第3130966A1号
【特許文献10】スイス国特許出願第709536A2号
【特許文献11】欧州特許出願第17183666号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】M.H.Kahrobaiyan、「腕時計発振器用の重力に影響されないフレクシャーピボット(Gravity Insensitive flexure pivots for watch oscillators)」、International Chronometry Congress、Montreux,Switzerland,2016年9月28日−29日
【発明の概要】
【0016】
本発明は、機械式計時器発振器のフレクシャーベアリング機構を製造する方法を発展することを提案する。それによって角度ストロークは既存の脱進機機構に互換性を持ち、フレクシャーベアリングは任意の変形に関係なく、通常の様式で挙動する。
【0017】
回転式フレクシャーベアリングを有する本共振器は以下の特性を持たなければならない。
−高品質係数
−大きな角度ストローク
−良好な等時性
−空間内での位置に影響を受けないこと
【0018】
このような発振器は、内部に備える可撓性ストリップの外的位置で維持される等時性を保証できなければならず、そのために、このようなストリップの任意のねじれ、または背反曲率値を避けなければならない。
【0019】
そのために、本発明は、請求項1による機械式計時器発振器のフレクシャーベアリング機構を製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のその他の特徴および有利点は、添付図を参照して、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0021】
図1】機械式発振器の第1の変形の概略斜視図を表す。機械式発振器は、ムーブメントなどのプレートに機械式発振器を取り付けるための細長い形状の剛性支持要素を含む。機械式発振器には、堅固な慣性要素が2つの個別の可撓性ストリップによって懸架される。可撓性ストリップは、慣性要素の振動面上に射影して交差し、標準的ながんぎ車を備える従来のスイスレバー脱進機と協働する。
図2図1の発振器の概略斜視図を表す。
図3図1の発振器のストリップの交差軸を通る概略断面図を表す。
図4図2の詳細の概略図を表し、ストリップの交点と、共振器の重心の射影との差分を示す。差分の詳細は、以下記載する様々な変形にも同様に適用可能である。
図5】グラフであり、一方では静止重量におけるストリップの組み込み点および交点からの距離Dと、他方では、2つの対向する組み込み点間の同じストリップの全長Lからなる横座標に割合X=D/Lを示し、縦座標では、可撓性ストリップの交点の頂角を示し、2つの上側および下側曲線を点線で画定し、等時性を確保するためのこれらのパラメータ間の許容可能な領域の境界を示す。実践曲線は有利な値を示す。
図6図1に類似する方法で、機械式発振器の第2の変形を表す。細長い形状の剛性支持要素はまた固定構造に対して可動であり、第3の剛性要素によって、第2の組の可撓性ストリップを用いて保持される。第2の組の可撓性ストリップは、第1の可撓性ストリップと類似する方法で構成され、第2の慣性要素もまた従来の脱進機機構(不図示)と協働するように構成される。
図7図6の発振器の概略平面図を表す。
図8図1の発振器のストリップの交差軸を貫通する概略断面図を表す。
図9】前述の共振器を有するムーブメントを含む腕時計を表すブロック図である。
図10】概略斜視図において、固定構造と慣性要素との間で射影において交差する可撓性ストリップを有するベアリングを表す。
図11図10に類似する方法で、理論上のフレクシャーベアリングを表す。各ストリップは、図10のストリップよりも高い縦横比を有する。
図12図10に類似する方法で、図11の理論上のベアリングに弾性的に戻るという点で同等であるが、ストリップの数が多いフレクシャーベアリングを表す。それぞれが10未満の縦横比を有する。本変形では、第1の種類の2つの基本ストリップは第1の方向で重畳され、射影において交差し、第2の種類の2つの基本ストリップもまた重畳し、第2の方向に延在する。
図13図12に類似する方法で、4つのストリップが交互に配置される別のフレクシャーベアリングを表す。
図14図12に類似する方法で、さらに別のフレクシャーベアリングを表す。4つのストリップは第1の種類の2つの基本ストリップを第1の方向に含む。第1の種類の2つの基本ストリップは、第2の種類の2つの基本ストリップの側面に位置する。第2の種類の2つの基本ストリップは重畳し、第2の方向に延在する。
図15図12に類似する方法で、別のフレクシャーベアリングを表す。3つに重畳する6つのストリップを含む。
図16図13に類似する方法で、別のフレクシャーベアリングを表す。6つのストリップが交互に配置される。
図17図14に類似する方法で、別のフレクシャーベアリングを表す。8つのストリップは、第1の方向に第1の種類の2つの基本ストリップの第1および第2の重層を含み、第1および第2の重層は第2の種類の4つの基本ストリップの側面に位置する。第2の種類の4つの基本ストリップは、重畳し、第2の方向に延在する。
図18図12に類似する方法で、さらに別のフレクシャーベアリングを表す。さらに別のフレクシャーベアリングは、奇数のストリップを有し、そのうち5つのストリップは第1の種類の2つの基本ストリップを第1の方向に含み、第2の種類の3つの基本ストリップの側面に位置する。第2の種類の3つの基本ストリップは重畳し、第2の方向に延在する。
図19図13と同一の図である。
図20】4つの交互に配置されるストリップを有するフレクシャーベアリングを、2つのストリップを有する2つのピボットサブユニットに分解することを示す。
図21図14と同一の図である。
図22】4つのストリップを挟む構成で有するフレクシャーベアリングを、2つのストリップを有する2つのピボットサブユニットに分解することを示す。
図23】概略した様式で、同じ平面に戻る、複数のサブユニットに分解される前述のフレクシャーベアリングを有する、発振器の上側部分および下側部分を示す。本事例では上側レベルおよび下側レベルに分解され、並進テーブルが固定支持部と慣性要素に向かうストリップの支持部との間に挿入される。これらの並進テーブルは、可撓性弾性ストリップをストリップの射影方向の二等分線のX方向およびY方向に含む。
図24図23に類似し、上側および下側ストリップの交点の射影間の差分を変更するために、下側剛性部分のXでの位置調整を含む。
図25】並進テーブルの別の変形を例示する。
図26】並進テーブルの別の変形を例示する。
図27】並進テーブルの別の変形を例示する。
図28】2つのサブユニットに分解されるフレクシャーベアリングを有する発振器の上側部分および下側部分の概略側面図を表す。本事例では、上側レベルおよび下側レベルに分解され、並進テーブルが固定支持部と慣性要素に向かう上側ストリップの上側支持部との間に挿入される。
図29】本発明によるフレクシャーベアリングを製造するための方法のステップを表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は機械式計時器発振器100の製造に関する。機械式計時器発振器100は、直接的または間接的にプレート900に固定される少なくとも1つの剛性支持要素4と、堅固な慣性要素5とを備える。本発振器100は、剛性支持要素4と堅固な慣性要素5との間に、フレクシャーベアリング機構200を含む。本フレクシャーベアリング機構は、少なくとも2つの第1の可撓性ストリップ31、32を含む。第1の可撓性ストリップ31、32は堅固な慣性要素5を支持し、堅固な慣性要素5を静止位置まで戻すように構成される。この堅固な慣性要素5は、静止位置の周りの振動面で角度を付けて振動するように構成される。
【0023】
2つの第1の可撓性ストリップ31および32は、互いに接触せず、静止位置において、振動面上への射影は交点Pで横断する。交点Pの極めて近くを堅固な慣性要素5の回転軸が振動面に垂直に通過するか、または貫通して通過する。以下で記載するすべての幾何学的要素は、別段記載のない限り、停止した発振器の静止位置にあると考えられるべきである。
【0024】
図1から4は、剛性支持要素4と、2つの第1の可撓性ストリップ31、32によって接続される堅固な慣性要素とを有する第1の変形を例示する。
【0025】
剛性支持要素4および第2の堅固な慣性要素5内の第1の可撓性ストリップ31、32の組み込み点は、少なくとも2つのストリップ方向DL1、DL2を画定する。2つのストリップ方向DL1、DL2は振動面に平行であり、その間に振動面への射影として、頂角αを形成する。
【0026】
交点Pの位置は割合X=D/Lによって画定される。Dは第1の剛性支持要素4の第1のストリップ31、32の組み込み点のうちの1つの振動面への射影と交点Pとの間の距離であり、Lは関連するストリップ31、32の振動面への射影の全長である。割合D/Lの値は、0から1の間であり、頂角αは70°以下である。
【0027】
有利には、頂角αは60°以下である。同時に、第1の可撓性ストリップ31、32それぞれでは、組み込み点率D1/L1、D2/L2は0.15以上0.85以下である。
【0028】
具体的には、図2から4から分かるように、発振器100の静止位置での重心は、交点Pからは距離εだけ離間する。距離εは、ストリップ31、32の振動面への射影の全長Lの10%から20%の間である。さらにより具体的には、距離εは、ストリップ31、32の振動面への射影の全長Lの12%から18%の間である。
【0029】
より具体的には、図に例示するように、第1のストリップ31、32、およびその組み込み点は共にピボット1を画定する。ピボット1は、振動面への射影において、交点Pを貫通する対称軸AAに対して対称である。
【0030】
より具体的には、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、静止位置において、振動面への射影において、堅固な慣性要素5の重心はピボット1の対称軸AA上に位置する。射影において、この重心は、交点Pと一致しても、一致しなくてもよい。
【0031】
さらにより具体的には、図2から4から分かるように、堅固な慣性要素5の重心は堅固な慣性要素5の回転軸に対応する交点Pからゼロ以外の距離に位置する。
【0032】
具体的には、振動面への射影において、堅固な慣性要素5の重心はピボット1の対称軸AA上に位置し、交点Pからゼロ以外の距離に位置する。この距離は、ストリップ31、32の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間である。
【0033】
より具体的には、第1のストリップ31および32は、真っすぐなストリップである。
【0034】
さらにより具体的には、頂角αは50°以下、または40°以下、または35°以下、または30°以下である。
【0035】
より具体的には、図5から分かるように、組み込み点率D1/L1、D2/L2は、0.15以上0.49以下である。または0.51以上0.85以下である。
【0036】
一変形では、より具体的には、図5の実施形態によれば、頂角αは50°以下であり、組み込み点率D1/L1、D2/L2は0.25以上0.75以下である。
【0037】
一変形では、より具体的には、図5の実施形態によれば、頂角αは40°以下であり、および組み込み点率D1/L1、D2/L2は、0.30以上0.70以下である。
【0038】
一変形では、より具体的には、図5の実施形態によれば、頂角αは35°以下、および組み込み点率D1/L1、D2/L2は0.40以上0.60以下である。
【0039】
有利には、図5から分かるように、頂角αおよび割合X=D/Lは以下の関係を満たす。
h1(D/L)<α<h2(D/L)、
式中、
0.2≦X<0.5のとき、
h1(X)=116−473*(X+0.05)+3962*(X+0.05)3−6000*(X+0.05)4
h2(X)=128−473*(X−0.05)+3962*(X−0.05)3−6000*(X−0.05)4
0.5<X≦0.8のとき、
h1(X)=116−473*(1.05−X)+3962*(1.05−X)3−6000*(1.05−X)4
h2(X)=128−473*(0.95−X)+3962*(0.95−X)3−6000*(0.95−X)4
である。
【0040】
より具体的には、特に図で例示する非限定的な実施形態において、第1の可撓性ストリップ31および32は同じ長さL、および同じ距離Dを有する。
【0041】
より具体的には、組み込み点間では、第1の可撓性ストリップ31および32は同一である。
【0042】
図6から8は機械式発振器100の第2の変形を例示する。剛性支持要素4はまた、直接的または間接的に発振器100に含まれる固定構造に関して可動であり、第3の剛性要素6によって、第1の可撓性ストリップ31、32と類似する様式で構成される2つの第2の可撓性ストリップ33、34を用いて保持される。
【0043】
より具体的には、図で例示する非限定的な実施形態において、第1の可撓性ストリップ31、32および第2の可撓性ストリップ33、34の振動面への射影は、同じ交点Pで交差する。
【0044】
別の具体的な実施形態(不図示)では、静止位置での振動面への射影において、振動面への第1の可撓性ストリップ31、32の射影、および第2の可撓性ストリップ33、34の射影は、ピボット1が対称軸AAに対しては対称な場合、ピボット1の対称軸AA上にどちらも位置する2つの異なる点を横切る。
【0045】
より具体的には、剛性支持要素4および第3の剛性要素6の第2の可撓性ストリップ33、34の組み込み点は、振動面に平行である2つのストリップの方向を画定し、2つのストリップ間に、振動面への射影において、第1の可撓性ストリップ31、32の頂角αと同じ二等分線の頂角を形成する。さらにより具体的には、第2の可撓性ストリップ33、34の2つの方向は、第1の可撓性ストリップ31、32と同じ頂角αを有する。
【0046】
より具体的には、図の非限定的な例と同様に、第2の可撓性ストリップ33、34は、第1の可撓性ストリップ31、32と同一である。
【0047】
より具体的には、静止位置における振動面への射影において、ピボット1が対称軸AAに対して対称であるとき、堅固な慣性要素5の重心はピボット1の対称軸AA上に位置する。
【0048】
同様に、具体的にはピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、静止位置において、剛性支持要素4の重心は、振動面への射影において、ピボット1の対称軸AA上に位置する。
【0049】
具体的な変形では、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、静止位置において、振動面への射影において、堅固な慣性要素5の重心と剛性支持要素4の重心のどちらも、ピボット1の対称軸AA上に位置する。さらにより具体的には、ピボット1の対称軸AAへの堅固な慣性要素5の重心の射影および剛性支持要素4の重心の射影は一致する。
【0050】
図で例示する、前述の重畳するピボットの具体的な構成では、振動面への第1の可撓性ストリップ31、32の射影および第2の可撓性ストリップ33、34の射影は、同じ交点Pを交差する。交点Pもまた、堅固な慣性要素5の重心の射影に対応するか、または少なくともできるだけ近い。より具体的には、この同じ点はまた、剛性支持要素4の重心の射影に対応する。さらにより具体的には、この同じ点はまた、発振器100全体の重心の射影に対応する。
【0051】
重畳ピボット構成の具体的な変形では、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、静止位置において、振動面への射影において、堅固な慣性要素5の重心はピボット1の対称軸AA上に位置し、堅固な慣性要素5の回転軸に対応する交点からゼロ以外の距離に位置する。ゼロ以外の距離は、ストリップ33、34の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間であり、図2から4の距離εに類似する差分を有する。
【0052】
同様に、具体的には、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、堅固な慣性要素5の重心は、振動面への射影において、ピボット1の対称軸AAに位置し、剛性支持要素4の回転軸に対応する交点からゼロ以外の距離に位置する。ゼロ以外の距離は、ストリップ31、32の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間である。
【0053】
同様に、具体的には、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、剛性支持要素4の重心は振動面への射影において、ピボット1の対称軸AAに位置し、堅固な慣性要素5の回転軸に対応する交点からゼロ以外の距離に位置する。具体的には、ゼロ以外の距離は、ストリップ33、34の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間である。
【0054】
同様に、具体的には、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、剛性支持要素4の重心は振動面への射影において、ピボット1の対称軸AAに位置し、剛性支持要素4の回転軸に対応する交点からゼロ以外の距離に位置する。ゼロ以外の距離は、ストリップ31、32の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間である。
【0055】
同様に、具体的には、剛性支持要素4の重心はピボット1の対称軸AA上に位置し、交点Pからゼロ以外の距離に位置する。ゼロ以外の距離は、ストリップ33、34の振動面への射影の全長Lの0.1倍から0.2倍の間である。
【0056】
より具体的には、図の変形から分かるように、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、振動面への射影において、発振器100の重心は静止位置において対称軸AA上に位置する。
【0057】
より具体的には、ピボット1が対称軸AAに対して対称のとき、堅固な慣性要素5は、ピボット1の対称軸AAの方向に細長い。これは、たとえば、図1から4の場合であって、慣性要素5は底面を含む。底面には、円弧上の枠部分または慣性ブロックを備える長いアームを有する従来のテンプが固定される。角度αが小さいため、ストリップの対称軸の周りの回転剛性は小さくなるため、ピボットの対称軸の回りの外角加速度を最小限にすることが目的である。
【0058】
本発明は、微細加工可能な素材または少なくとも部分的に不定形の素材からなるストリップとそれに加える堅固な部品を、MEMSまたはLIGAなどの処理によって一体形成する実施形態に非常に適している。具体的には、ケイ素の実施形態では、発振器100は有利には、二酸化ケイ素を可撓性ケイ素ストリップに加えることによって、温度補正される。一変形では、ストリップは、溝などに組み立てられ、たとえば、組み込まれてもよい。
【0059】
図6から9の事例のように2つのピボットが連続してあるとき、不要な動きが互いに相殺されるような構成が選択される場合、重心は回転軸上に位置することができる。これは、有利であるが、非限定的な変形となる。ただし、このような構成や、重心を回転軸上に持たずに、2つのピボットを連続して備えて機能する発振器を選択することは必ずしも必要ではないことに留意されたい。もちろん、例示した実施形態は具体的な幾何学的構成または対称的な構成に対応するが、同一ではなく、異なる交点を有し、または重心の位置が異なる2つのピボットの上に1つのピボットを配置することも可能なことは明らかである。または連続して、中間質量を有する多数のストリップの組を設置して、テンプの振幅をさらに増加することも可能である。
【0060】
例示した変形では、すべてのピボット軸、ストリップの交点、および重心は同一平面上にあり、これは具体的に有利であるが、非限定的な事例である。
【0061】
したがって、大きな角度ストロークを得ることが可能なことを理解されたい。30°を超える場合には、50°または60°に到達することもあり、すべての種類の通常の機械式脱進機である、スイスレバー、デテント、同軸または別の方法で組み合わせて利用可能となる。
【0062】
また、縦横比の値が高いストリップを理論的に用いることに等しい、現実的な解決法は、決定の問題である。
【0063】
そのために、単一のストリップを組み合わせた挙動が同等となる複数の基本ストリップと置き換えて、ストリップの長さを分割することが有利である。各基本ストリップは、閾値までに限定される縦横比を有する。したがって、最適な等時性および位置によって影響を受けないことを実現するために、各基本ストリップの縦横比は、単一の基準ストリップに比べて減少する。
【0064】
各ストリップ31、32は、縦横比RA=H/Eを有する。Hはストリップ31、32の高さであり、振動面および長さLに沿ったストリップ31、32の延伸の両方に対して垂直である。Eは振動面のストリップ31、32の厚さであり、長さLに沿ったストリップ31、32の延伸に対して垂直である。
【0065】
好ましくは、各ストリップ31、32において縦横比RA=H/Eは10未満である。より具体的には、この縦横比は8未満である。可撓性ストリップ31、32の合計数は、必ず2よりも大きい。
【0066】
より具体的には、発振器100は、一次ストリップ31と呼ばれ、第1のストリップ方向DL1に延在する第1のストリップの第1の数N1と、第2のストリップ方向DL2に延在する第1の二次ストリップ32の第2の数N2とを含む。第1の数N1と第2の数N2はそれぞれ、2以上である。
【0067】
より具体的には、第1の数N1は第2の数N2と等しい。
【0068】
さらにより具体的には、発振器100は、第1のストリップ方向DL1に延在する1つの一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する1つの二次ストリップ32とから形成される少なくとも1つの対を含む。各対において、一次ストリップ31は、配向以外は二次ストリップ32と同一である。
【0069】
具体的な変形では、発振器100は、それぞれ第1のストリップ方向DL1に延在する1つの一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する1つの二次ストリップ32とから形成される対のみを含む。各対において、一次ストリップ31は、配向以外は二次ストリップ32と同一である。
【0070】
別の変形では、発振器100は、第1のストリップ方向DL1に延在する1つの一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する複数の二次ストリップ32とから形成されるストリップの少なくとも1つのグループを含む。各事例において、ストリップの各グループでは、一次ストリップ31の弾性挙動は、複数の二次ストリップ32の組み合わせから生じる弾性挙動と、配向以外は同一である。
【0071】
1つの可撓性ストリップの挙動は縦横比RAに依存するものの、可撓性ストリップに加えられた屈曲率の値にも依存することにも留意されたい。湾曲した屈曲は縦横比値と、特に組み込み点における屈曲率の値の局所的な半径の両方に依存する。平面射影においてストリップの対称構成が好ましく導入されるのは、このためである。
【0072】
本発明はまた、少なくとも1つの前述の機械式発振器100を含む計時器ムーブメント1000の製造に関する。
【0073】
本発明また、少なくとも1つの前述の計時器ムーブメント1000を含む腕時計2000の製造に関する。
【0074】
適切な製造方法は、様々な種類の以下のピボットに対して、以下の操作を実施することからなる。
AABB種類のピボット
a.たとえば、非限定的に2つのSOIウェハのアセンブリから生じる、少なくとも4つの層を有する基材を用いることと、
b.DRIE処理によって正面をエッチングし、特に2つの層を1つの部品にエッチングしてAAを得ることと、
c.DRIE処理によって裏面をエッチングし、特に2つの層を1つの部品にエッチングしてBBを得ることと、
d.埋め込み酸化膜をエッチングすることによって、部分的に4つの層を分離すること。
【0075】
DRIE(深掘り反応性イオンエッチング)処理は高精度なため、光学位置決めシステムによって5マイクロメーター以下の非常に精度の高い位置決めと配置が、確実に行われる。それによって、非常に良好な横方向の位置決めを確実に行うことができる。当然のことながら、選択した素材によって、類似する処理を実施可能である。
【0076】
たとえば、2つのDSOIを組み合わせて、AAABBB種類の構造を得るために、多数の層を備える基材、具体的には6つの利用可能な層を備える基材を実装することも可能である。
【0077】
同じAABB種類のピボットを得るための円形は、以下からなる。
a.2つの層を有する2つの標準的なSOI基材を用いることと、
b.第1の基材の正面をDRIEエッチングしてAを得ることと、裏面をDRIEエッチングしてAを得ることと、
c.第2の基材の正面をDRIEエッチングしてBを得ることと、裏面をDRIEエッチングしてBを得ることと、(bおよびcの操作の代替として、正面および裏面にエッチングせずに、2つの層にわたって1つの操作で第1の基材および第2の基材にエッチングすることが可能である。)
d.2つの基材のウェハ間接合または個別の構成部品の部分間組み立てを実施して、AABBを得ること。幾何学的構成の正確な位置合わせは、次に、当業者には周知の様式でウェハ間接合機械の仕様、または部分間処理に関連する。
【0078】
ABAB種類のピボット
a.2つの層を有する2つの標準的なSOI基材を用いることと、
b.第1の基材の正面をDRIEエッチングしてAを得ることと、裏面をDRIEエッチングしてBを得ることと、
c.第2の基材の正面をDRIEエッチングしてAを得ることと、裏面をDRIEエッチングしてBを得ることと、
d.2つの基材のウェハ間接合または個別の構成部品の部分間組み立てを実施して、ABABを得ること。前述したように、幾何学的構成の正確な位置合わせは、次に、ウェハ間接合機械の仕様、または部分間処理に関連する。
【0079】
ストリップの数および利用可能な機器によって、本方法の別の多くの変形を実施することができる。
【0080】
DRIEシリコンエッチングによる標準的な製造方法によってもまだ、2つを超える異なったレベルの一体型ピボットの容易な製造は可能ではない。したがって、個別の部品を製造してから、組み立てる方が容易である。ただし、組み立ての誤差の影響が大きいため、最適な等時性を得て、および/または位置に影響を受けないようにするために、マイクロメートルより高い精度が必要となる。この問題を克服するために、以下に記載する製造戦略を採ることが必要である。
【0081】
第1のステップでは、異なる方向を有する2つのストリップを高精度で組み立てなければならない。本発明は、フレクシャーベアリングまたはピボットを、2つのストリップを有するピボットからなるサブユニットに分割することを提案する。たとえばフレクシャーベアリングが4つのストリップ備える場合は、上側サブユニットと下側サブユニットに分割する。図19から分かるように、4つの交互に配置されたストリップを、2つのストリップを有する2つのピボットのサブユニットに分解する。図21および22は、ストリップが交互に配置されるのではなく、側面に位置する場合の類似した分解を例示する。各サブユニットは、十分な位置合わせの精度を確保するために、2つのレベルのDRIEエッチングで製造される(両面エッチングされたSOIウェハ)。
【0082】
上側サブユニットを次に、下側サブユニットに組み立てる。
【0083】
この組み立て処理は、任意の従来の方法によって実施可能である。位置合わせピンおよびねじ、接合、ウェハ融着、溶接、ろう付け、または当業者には既知の任意の別の方法を用いて実施可能である。
【0084】
組み立ての誤差は上側および下側サブユニットの回転軸の小さな差分Δによって示される。それによって、上側サブユニットによって生じる共振器の回転運動は、下側サブユニットによって生じる回転運動と一致しない。この差分が過剰な応力を生成しないように、機構は少なくとも1つの並進テーブルを含む。並進テーブルの制限のない移動によって、2つの異なる回転軸間の差異が吸収される。並進テーブルの少なくとも1つは、等時性を損なう運動の差異を防ぐために、十分に可撓性を持たねばならない。図23に示すように、2つの同一の並進テーブルが備えられている場合は、どちらも等時性を損なう運動の差異を防ぐために、十分に可撓性を持たねばならず、ピボットの位置を明確に決定するために充分に硬固でなければならない。計算によって、回転軸間の差分が、従来の組み立て処理で実現可能な10マイクロメートル未満である場合、これらの条件が矛盾することが分かっている。当然のことながら、これらの組み立ての精度は、ほぞ継手の種類の補完エッチングによって、互いの間の角度がゼロ以外である複数のほぞ継手アセンブリによって、または精密機械で既知の任意の別の構成によって改善可能である。
【0085】
より具体的には、図から分かるように、フレクシャーベアリング機構200は、互いに、少なくとも1つの上側レベル28と、少なくとも1つの下側レベル29の重畳を含む。
【0086】
上側サブユニットは上側レベル28を含む。上側レベル28は、上側支持部48と上側慣性要素58との間に、第1の上側ストリップ方向DL1Sに延在する少なくとも1つの上側一次ストリップ318と、第2の上側ストリップ方向DL2Sに延在する上側二次ストリップ328とを含む。上側一次ストリップ318と上側二次ストリップ328は射影において、上側交点PSで交差する。
【0087】
下側サブユニットは下側レベル29を含む。下側レベル29は、、下側支持部49と下側慣性要素59との間に、第1の下側ストリップ方向DL1Iに延在する少なくとも1つの下側一次ストリップ319と、第2の下側ストリップ方向DL2Iに延在する下側二次ストリップ329とを含む。下側一次ストリップ319と下側二次ストリップ329は射影において、停止状態で上側交点PSとは差分Δだけ離間する下側交点PIで交差する。
【0088】
少なくとも1つの上側レベル28または下側レベル29は、プレート900と上側支持部48との間に、またはそれぞれ下側支持部49との間に、上側並進テーブル308と、またはそれぞれ下側並進テーブル309とを含む。上側並進テーブル308または下側並進テーブル309は振動面の1または2つの自由軸に沿って移動が可能になる少なくとも1つの弾性接続を含む。これらの2つの軸に沿った並進運動の剛性は、フレクシャーベアリング機構200に含まれる各可撓性ストリップ31、32、333、34,318、319、328、329よりも低い。
【0089】
この弾性接続では、共振器の軸に平行な軸回りの回転はできないということに留意されたい。
【0090】
上側レベル28の上側方向DL1SとDL2Sは、下側レベル29の下側方向DL1IおよびDL2Iと同一である必要はないことに留意されたい。好ましくは、これらの方向は同じ二等分線を有する。
【0091】
より具体的には、慣性要素5の回転軸が通過する点Pは、上側交点PSと下側交点PIとの間に位置し、フレクシャーベアリング機構200は、2つの同一である、上側および下側並進テーブル308および309を含むとき、正確に中間に位置する。。一変形では、この点Pは、下側レベル29が並進テーブルを有さないとき、正確に下側交点PI上に位置し、または上側レベル28が並進テーブルを有さないとき、上側交点PS上に位置する。
【0092】
好ましくは、発振器100は、その内部に備える各フレクシャーベアリング機構200に対して、単一の堅固な慣性要素5を含む。より具体的には、1つのフレクシャーベアリング機構200のみと、1つの堅固な慣性要素5のみがある。
【0093】
当然のことながら、図が例示する並進テーブル308および309の好ましい構成は、非限定的である。これらの並進テーブル308および309はまた、慣性要素5と慣性要素側の組み込み点との間に位置してもよい。
【0094】
共通の平行面への可撓性ストリップの射影の間に形成される角度の二等分線の軸をXおよびYと画定すると、並進テーブルの組み合わせは、軸Xおよび軸Yに沿って、同じ軸に沿うフレクシャーピボットよりも可撓性を有していないとならない。この規則は段の数に関係なく有効であり、軸Xおよび軸Yに沿った並進においてすべてのテーブルの全組み合わせは、フレクシャーピボットよりも可撓性を有していなければならない。上側並進テーブル308またはそれぞれの下側並進テーブル309の、振動面の1または2つの自由軸に沿った弾性接続は、したがって、X軸およびY軸に沿った好ましい弾性接続である。
【0095】
運動の差異から生じる、1または複数の並進テーブルに追加して保存される弾性エネルギは、ピボットの主要エネルギ保存部に追加され、等時性を乱すこともある。ただし、追加の保存値が主要保存部の値よりもはるかに低い場合は別である。これは、並進テーブルの弾性接続が、フレクシャーピボットよりもはるかに高い可撓性を有さなければならない理由である。
【0096】
より具体的には、上側レベル28または下側レベル29はそれぞれ、プレート900と上側支持部48との間、およびそれぞれの下側支持部49との間に、上側並進テーブル308、またはそれぞれの下側並進テーブル309を含む。上側並進テーブル308、または下側並進テーブル309は、少なくとも1つの弾性接続を振動面の1または2つの自由軸に沿って備え、その剛性は各可撓性ストリップよりも低い。
【0097】
レベルごとに1つの並進テーブルがある場合は、必ずしも互いに同一でなくてもよい。
【0098】
一変形は、2つの異なる並進テーブルを使うことからなる。第1の並進テーブルは可撓性を有し、それによって運動の差異が等時性を損なわず、第2の並進テーブルは剛性であり、ピボットを確実に位置決めする。
【0099】
別の変形では、1つのレベルは並進テーブルを含み、別のレベルは剛性取り付けを有することができる。
【0100】
上側慣性要素58および下側慣性要素59は、堅固な慣性要素5のすべてまたは一部を形成し、互いにしっかりと直接的または間接的に接続される。上側支持部48および下側支持部49は事例によって、直接または上側並進テーブル308またはそれぞれの下側並進テーブル309を介して、剛性上側部分480、それぞれの下側剛性部分490に接続される。剛性上側部分480および下側剛性部分490はしっかりと剛性支持要素4、またはプレート900に接続される。
【0101】
図23および24は、このような接続の例を示す。上側並進テーブル308は、上側支持部48と上側中間質量68との間に、方向Xに延在する第1の可撓性弾性接続78を含む。上側中間質量68と上側剛性部分480との間に、方向Yに延在する第2の可撓性弾性接続88を含む。同様に、下側並進テーブル309は、下側支持部49と下側中間質量69との間に、方向Xに延在する第1の可撓性弾性接続79と、下側中間質量69と下側剛性部分490との間に、方向Yに延在する第2の可撓性弾性接続89を含む。
【0102】
このように、並進テーブルの移動、または有利には複数の並進テーブルの移動は、上側サブユニットと下側サブユニットの回転との間の任意の差異を吸収することができる。さらに、各並進テーブルは、たとえば落下または衝撃時に、高加速から機構を保護する役割を担う。
【0103】
第1のステップを参照して記載した前述の組み立てによって、組み立ての誤差Δが十分小さい場合は、追加される任意の非等時性が無視できるようになることが明らかである。
【0104】
一方、非等時性を制御された方式で導入するために、たとえば脱進機の損失を補償するために、組み立ての誤差Δを故意に強調することを決定しえる。プレートに対する少なくとも1つの組み込み点を可動および調整可能とすることは有利である。つまり、例示した具体的な非限定的変形の事例においては上側支持部48および/または下側支持部49である。実際に、これらの2つの組み込み点の相対一を調整することによって、追加された非等時性の調整を有する並進テーブル308、309の剛性が変化する。このような調整は、カムおよび溝の組み合わせ、または腕時計製造者には既知の任意の別の解決法によって容易に実行可能である。
【0105】
つまり、プレートに対する組み込み点の少なくとも1つの位置を移動することによって、図24から分かるように、組み立ての誤差Δによって生じる非等時性を調整することが可能である。
【0106】
つまり、少なくとも1つの並進テーブルを有するこの具体的な構成によって、上側と下側段階との間の位置合わせを補償することが可能になり、上側および下側段階が同じ軌道を取らない場合、ストリップが受けえる高応力を避けることが可能になる。
【0107】
さらに別の代替は、上側並進テーブル308および下側並進テーブル309を有する機構を提供することからなる。上側並進テーブル308および下側並進テーブル309は、剛性支持要素4、またはプレート900にもはやしっかりと接続されていない上側支持部48および下側支持部49を有する。しかし、上側支持部48および下側支持部49は、剛性支持要素4の固定軸、またはプレート900の固定軸に対するクランク軸型の接続などによってXおよびYで対向する平面移動に制限される。この解決法は、共振器の回転軸をわずかに移動することなく非等時性を調整することができ、有利である。
【0108】
並進フレクシャーベアリングを形成する並進テーブルは、多くの異なる方法で製造可能なことは明らかである。当業者は例を以下の文献で見つけるであろう。[1]S.Henein、Conception des guidages flexibles PPUR、[2]Larry L.Howell、Handbook of compliant mechanisms、WILEY、または[3]Zeyi WuおよびQingsong Xu、Actuators2018。非限定的な例は図25から27に例示する。
【0109】
図28は、首部分によって接続する並進テーブルを備える簡略化した例を例示する。上側支持部48は、第1の弾性首部分880によって懸架される中間要素488に接続し、第2の首部分890を有する第2の中間要素889に接続する。第2の首部分890は、下側剛性部分490と弾性接続を形成し、しっかりとプレート900に接続する。本例では、上側慣性要素58および下側慣性要素59は別の中間要素589に接続し、堅固な慣性要素5を形成する。
【0110】
このように、本発明は、機械式発振器100用のフレクシャーベアリング機構200を製造する方法に関する。機械式発振器100は、振動面で振動するように構成される少なくとも1つの堅固な慣性要素5を含む。このフレクシャーベアリング200は、少なくとも2つの第1の可撓性ストリップ31、32を含む。第1の可撓性ストリップ31、32は、平行または一致する平面に延在し、それぞれ実質的に長方形断面を有し、固定支持部4に固定されるようにまたは組み込まれるように構成され、堅固な慣性要素5を支持し、共に慣性要素を静止位置まで戻すように構成される。以下のステップが実施される。
−(10)フレクシャーベアリング200の幾何学的構造を決定し、フレクシャーベアリングに備えられる理論上の可撓性ストリップの素材を選択し、フレクシャーベアリングに備えられる可撓性ストリップの数と傾斜を算出するステップと、
−(20)組み込み点間の長さLと、各理論上の可撓性ストリップの高さHおよび厚さEを算出するステップと、
−(30)各理論上の可撓性ストリップの縦横比RA=H/Eを算出するステップと、
−(40)各理論上の可撓性ストリップについて、算出された縦横比RAは10以上であり、理論上の可撓性ストリップをそれぞれ10未満の縦横比RAを有する複数の基本ストリップに分解し、重畳されるストリップの基本レベルの数を決定するステップと、
−(50)理論上の可撓性ストリップの代わりに、基本ストリップを備えるフレクシャーベアリング200の特性の算出を、満足する特性が得られるまで繰り返すステップと、
−(60)基本レベルの数を複数のサブユニット308、309に分解するステップであって、各サブユニットは2つのストリップを2つの平行面において2つの重畳し、離間したレベルで含む二重サブユニットであるか、または1つのストリップのみを有する単一のサブユニットであるステップと、
−(70)各サブユニットに対して、基本支持部48、49と基本慣性要素58、59とを決定するステップであって、基本支持部48、49と基本慣性要素58、59は、二重サブユニットの場合は2つのストリップによって結合され、単一のサブユニットの場合は単一のストリップによって結合されるステップと、
−(80)少なくとも各二重サブユニットに対して、素材の2つのレベルを有するSOI基材を提供することと、少なくとも2つのストリップの射影された形状が異なる場合に基材の両側をエッチングすることと、各単一のサブユニットに対して、1または2つのレベルを有する1つのSOI基材であって、厚さに応じて片側または両側をエッチングされたSOI基材を提供して、フレクシャーベアリング200を形成する様々なサブユニットを得るステップと、
−(90)エッチングされた基材を互いに重ねて形成されたサブユニットをすべての基本慣性要素を結合することによって組み立て、基本慣性要素のすべてを慣性要素5に、各サブユニットの平面において1または2つの並進自由度に沿って直接、または並進テーブルを通じて固定し、各並進テーブルの並進剛性は各サブユニットよりも低いステップと、
−(100)エッチングされた基材のうちサブユニットのすべての基本支持部を固定支持部(4)に、各サブユニットの平面において1または2つの並進自由度に沿って直接、または並進テーブルを通じて固定し、各並進テーブルの並進剛性は各サブユニットよりも低いステップ。
【0111】
第1の変形では、フレクシャーベアリング200は、同一平面上にあり、平行および/または分岐する理論上のストリップのみを用いて算出される。
【0112】
第2の変形では、フレクシャーベアリング200は、少なくとも2つの異なった識別可能なレベルへの射影において交差するストリップの対のみを用いて算出される。
【0113】
混合変形では、フレクシャーベアリング200は、同一平面上にあり、平行および/または分岐する理論上のストリップの第1のグループと、少なくとも2つの異なった識別可能なレベルへの射影において交差するストリップの対の第2のグループの両方を用いて算出される。
【0114】
より具体的には、分岐する可撓性ストリップまたは射影において交差する対の可撓性ストリップが選択されるとき、分岐点または交点は、振動面への射影において、慣性要素5の仮想ピボット軸を画定する。
【0115】
より具体的には、第2の変形において、射影において交差する対のストリップが選択されるとき、ストリップは、慣性要素5の振動面に平行な2つの平面において互いに離間して延在する。振動面に射影された方向は、慣性要素5の仮想ピボット軸Oと交差し、頂角である第1の角度αを共に画定する。この仮想ピボット軸Oから、第1の角度αに対向して、交差したストリップと固定支持部4との取り付け点の間に位置する固定支持部4の一部が延在するとき、この第1の角度αは70°から74°の間であるように選択される。さらにより具体的には、この第1の角度αは71.2°と等しくなるように選択される。
【0116】
さらに第2の変形では、可撓性ストリップの寸法は、内半径riが仮想ピボット軸Oとストリップを固定支持部4に取り付けた点との間の距離であり、外半径reが仮想ピボット軸Oとストリップを慣性要素5に取り付けた点との間の距離であり、全長LはL=ri+reであり、それによって第1の割合Qは、Q=ri/Lとなり、0.12と0.13の間であり、または第2の割合QmはQm=(ri+e/2)/(ri+e/2+re)であり、0.12と0.13との間である。より具体的には、第1の割合Qまたは第2の割合Qmは0.1264と等しくなるように選択される。
【0117】
有利には、射影において交差する対のストリップとして選択されるときであって、ストリップは、慣性要素5の振動面に平行な2つの平面において互いに離間して延在し、ストリップの振動面に射影された方向は、慣性要素5の仮想ピボット軸Oと交差し、固定支持部4の可撓性ストリップの組み込み点と、慣性要素5が振動面に平行な2つのストリップ方向DL1、DL2を画定するとき、フレクシャーベアリング機構200は、互いに重畳して、
−少なくとも1つの上側レベル28であって、上側支持部48と上側慣性要素58との間に、第1のストリップ方向DL1に延在する少なくとも1つの上側一次ストリップ318と、第2のストリップ方向DL2に延在する1つの上側二次ストリップ328とを含み、少なくとも1つの上側一次ストリップ318と1つの上側二次ストリップ328は射影において、上側交点PSで交差する少なくとも1つの上側レベル28と、
−少なくとも1つの下側レベル29であって、下側支持部49と下側慣性要素59との間に、第1のストリップ方向DL1に延在する少なくとも1つの下側一次ストリップ319と、第2のストリップ方向DL2に延在する1つの下側二次ストリップ329とを含み、少なくとも1つの下側一次ストリップ319と1つの下側二次ストリップ329は射影において、下側交点PIで交差する少なくとも1つの下側レベル29と、
を含むように構成され、
この上側レベル28および/またはこの下側レベル29は、一方では固定支持部4と他方では上側支持部48と、またはそれぞれの下側支持部49との間に、および/または一方では慣性要素5と他方では上側基本慣性要素58と、またはそれぞれの下側基本慣性要素59との間に、並進テーブル308、309を含むように構成され、並進テーブル308、309は、振動面の1または2つの自由軸に沿って少なくとも1つの弾性接続を備え、並進テーブル308、309の並進剛性は各可撓性ストリップよりも低い。
【0118】
より具体的には、図23および24から分かるように、上側レベル28および下側レベル29はそれぞれ、固定支持部4と上側支持部48、およびそれぞれの下側支持部49との間に、並進テーブル308、309を含むように構成される。並進テーブル308、309は、少なくとも1つの弾性接続を振動面の1または2つの自由軸に沿って備える。並進テーブル308、309の並進剛性は各可撓性ストリップよりも低い。
【0119】
具体的には、上側並進テーブル308またはそれぞれの下側並進テーブル309の振動面の1または2つの自由軸に沿った弾性接続は、フレクシャーベアリング機構200の可撓性ストリップの振動面への射影間に形成される角度の二等分線X軸およびY軸に沿った弾性接続の形で行われる。
【0120】
一変形では、射影において交差する対の可撓性ストリップが選択される。可撓性ストリップは、慣性要素5の振動面に平行な2つの平面において互いに離間して延在し、ストリップの振動面に射影された方向は、慣性要素5の仮想ピボット軸Oに隣接して交点Pで交差する。固定支持部4の可撓性ストリップの組み込み点と、慣性要素5は振動面に平行な2つのストリップ方向DL1、DL2を画定する。フレクシャーベアリング機構200は、振動面に平行な2つのストリップ方向DL1、DL2からなり、2つのストリップ方向DL1、DL2はその間に、静止位置で、振動面への射影において、頂角αを形成する。交点Pの位置は割合X=D/Lによって画定される。Dは第1のストリップ31、32の固定支持部4への組み込み点の1つの振動面への射影と、交点Pとの間の距離であり、Lはストリップ31、32の振動面への射影の全長である。発振器100の重心は静止位置において、交点Pから距離εだけ離間する。距離εは全長Lの12%から18%の間である。割合D/Lの値は0から1の間であり、頂角αは60°以下である。各第1の可撓性ストリップ31、32において、組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は0.15と0.85の間であって0.85を含む。
【0121】
本方法の任意の変形において、フレクシャーベアリング200を、一次ストリップ31と呼ばれ、第1のストリップ方向DL1に延在する第1のストリップの第1の数N1と、二次ストリップ32と呼ばれ、第2のストリップ方向DL2に延在する第1のストリップの第2の数N2とから製造すると有利である。第1の数N1および第2の数N2はそれぞれ2以上である。この構成によって、ストリップの高さを制限することが可能となり、操作上有利である。必須ではないが、より具体的には、第1の数N1は第2の数N2と等しくなるように選択される。
【0122】
より具体的には、フレクシャーベアリング200は、第1のストリップ方向DL1に延在する一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する二次ストリップ32とから形成される少なくとも1つの対からなり、各対において、一次ストリップ31は二次ストリップ32と配向以外は同一である。さらにより具体的には、フレクシャーベアリング200は、第1のストリップ方向DL1に延在する一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する二次ストリップ32とからそれぞれ形成される対のみからなるように構成される。各対において、一次ストリップ31は二次ストリップ32と配向以外は同一である。
【0123】
具体的には、フレクシャーベアリング200は、第1のストリップ方向DL1に延在する一次ストリップ31と、第2のストリップ方向DL2に延在する複数の二次ストリップ32とから形成されるストリップの少なくとも1つのグループからなる。ストリップの各グループにおいて、一次ストリップ31の弾性挙動は、複数の二次ストリップ32から生じる弾性挙動と、配向以外は同一である。
【0124】
具体的な実施形態において、フレクシャーベアリング200は、一次ストリップ31と呼ばれ、第1のストリップ方向DL1に延在する第1のストリップの第1の数N1と、二次ストリップ32と呼ばれ、第2のストリップ方向DL2に延在する第1のストリップの第2の数N2とからなる。振動面に平行なストリップ方向DL1、DL2はその間に、静止位置において、振動面への射影において頂角αを形成する。2つのストリップ方向DL1、DL2は、振動面への射影において、交点Pで交差する。交点Pの位置は割合X=D/Lによって画定される。Dは第1のストリップ31、32の固定支持部4への組み込み点の1つの振動面への射影と、交点Pとの間の距離である。Lはストリップ31、32の延伸の振動面への射影の全長である。組み込み点率D1/L1、D2/L2は、0.15以上0.49以下であり、または0.51以上0.85以下である。より具体的には、頂角(α)は50°以下であるように選択され、組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は、0.25以上0.75以下であるように選択される。より具体的には、頂角(α)は40°以下であるように選択され、組み込み点率(D1/L1、D2/L2)は0.30以上0.70以下であるように選択される。より具体的には、頂角(α)は35°以下であるように選択され、組み込み割合(D1/L1、D2/L2)は、0.40以上0.60以下であるように選択される。より具体的には、頂角(α)は30°以下であるように選択される。
【0125】
同じ変形において、組み込み点率D1/L1、D2/L2は、0.15以上0.49以下であり、または0.51以上0.85以下である。より具体的には頂角αおよび割合X=D/Lは、h1(D/L)<α<h2(D/L)の関係を満たす。
式中、
0.2≦X<0.5のとき、
h1(X)=116−473*(X+0.05)+3962*(X+0.05)3−6000*(X+0.05)4
h2(X)=128−473*(X−0.05)+3962*(X−0.05)3−6000*(X−0.05)4
0.5<X≦0.8のとき、
h1(X)=116−473*(1.05−X)+3962*(1.05−X)3−6000*(1.05−X)4
h2(X)=128−473*(0.95−X)+3962*(0.95−X)3−6000*(0.95−X)4
である。
【0126】
本方法の任意の変形において、フレクシャーベアリング200は、より具体的には2よりも必ず大きい合計数の可撓性ストリップからなる。
【0127】
より具体的には、フレクシャーベアリング200は、真っすぐで静止時には平面となる可撓性ストリップからなる。さらにより具体的には、フレクシャーベアリング200の可撓性ストリップは、すべて真っすぐで静止時には平面となる。
【0128】
つまり、本発明によって、同一平面上にあるV字状のストリップを平行またはその他の様式で、またはずれた平面において、具体的には交差した射影またはその他の様式において、異なる幾何学的構成の発振器に対してもフレクシャーベアリングを製造することができる。本発明は、使用範囲全体にわたってこれらのストリップの通常の挙動が確実に行われるようにし、したがってこのようなストリップを備え、適切に設計された発振器の等時性を保証する。
【0129】
当然のことながら、本発明は、複数のストリップを含むフレクシャーベアリングに好ましく適用され、最高の等時性の結果を提供するが、本発明の方法は、1つのストリップのみを有するベアリングにも適用可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 :ピボット
4 :固定支持部
5 :慣性要素
6 :第3の剛性要素
28 :上側レベル
29 :下側レベル
31 :第1のストリップ
32 :第1のストリップ
33 :第2のストリップ
34 :第2のストリップ
48 :上側支持部
49 :下側支持部
58 :上側慣性要素
59 :下側慣性要素
68 :上側中間質量
69 :下側中間質量
78 :第1の可撓性弾性接続
79 :第1の可撓性弾性接続
88 :第2の可撓性弾性接続
89 :第2の可撓性弾性接続
100 :発振器
200 :フレクシャーベアリング
308 :並進テーブル
318 :上側一次ストリップ
319 :下側一次ストリップ
328 :上側二次ストリップ
329 :下側二次ストリップ
480 :剛性上側部分
490 :剛性下側部分
900 :プレート
1000 :計時器ムーブメント
2000 :腕時計
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