【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項の特徴を有する撹拌ボールミル、並びに撹拌ボールミルの作動方法により解決される。他の有利な実施形態及び本発明の更なる構成は、各従属請求項に記載したとおりである。
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、特に、水平型撹拌ボールミルを提案する。本発明に係る撹拌ボールミルは、粉砕材料入口を含む第1端部領域及び粉砕材料出口を含む第2端部領域を有すると共に、特に円筒状に構成された粉砕容器を備える。粉砕材料入口は、特に、粉砕容器の第1端部領域に設けられ、粉砕材料出口は、粉砕容器において、第1端部領域の反対側の第2端部領域に設けられている。
【0010】
粉砕容器又は粉砕チャンバ内には、大気に比べて、適切な真空ポンプ、吸引ブロワなどによって生成及び調整可能な負圧を生じさせるのが好適である。
【0011】
粉砕容器又は粉砕チャンバの70%〜90%までは、好適には、例えば球状に形成された粉砕体で充填することができる。粉砕体は、他の任意の形状を有していてもよい。粉砕体は、粉砕材料入口を介して供給される粉砕材料の粉砕にとって不可欠であり、粉砕手段として機能する。粉砕体は、好適には、20 mm未満、特に12 mm未満の大きさに形成することができる。
【0012】
撹拌ボールミルは、駆動ユニットにより粉砕容器内又は粉砕チャンバ内で回転可能であり、少なくとも部分的に撹拌シャフトとして構成され、撹拌要素が設けられたシャフトを備える。シャフトは、粉砕容器の長手方向に沿って粉砕材料入口内及び/又は粉砕材料出口内に少なくとも部分的に延在することができる。
【0013】
撹拌シャフトの駆動ユニットは、好適には、粉砕材料出口を有する粉砕容器の第2端部領域又は粉砕材料出口側に配置することができる。撹拌シャフトは、好適には、互いに等間隔で離間するよう配置された複数の撹拌要素を有する。撹拌要素は、特に、撹拌シャフトの外郭面から半径方向に延在することができる。この場合、撹拌要素の自由端と粉砕容器の内郭面との間の距離は、好適には全周に亘って、粉砕体の直径の少なくとも2.5倍とする。撹拌要素の自由端と粉砕容器の内郭面との間の距離は、粉砕ギャップとも称することができる。
【0014】
撹拌要素は、好適には、撹拌シャフトの外郭面に回転不可能に固定することができる。撹拌要素は、好適には、撹拌シャフトの外郭面に摩擦係合的な結合及び/又は形状密着的な結合によって固定することができる。撹拌要素は、粉砕チャンバ内の粉砕体を動かし、従って粉砕材料入口を介して供給される粉砕材料を粉砕するエネルギーを粉砕体に付与するのに機能する。
【0015】
粉砕体は、特に、2個の撹拌要素間のスペースとして規定されるいわゆる粉砕ゾーンにおいて動かすことができる。粉砕材料入口を介して供給される粉砕材料は、これら粉砕ゾーンを通過し、粉砕材料入口から粉砕材料出口までの途上で粉砕することができる。粉砕すべき粉砕材料の供給及び完全に粉砕された粉砕材料の放出により、流れが調整される。撹拌要素は、例えば、中実ディスク、軸線方向又は半径方向への隆起部を有するか又は有さない孔付きディスク、ピン、又は他の要素として構成することができる。
【0016】
完全に粉砕された粉砕材料を粉砕体から分離するため、撹拌ボールミルは、好適には、粉砕材料出口の上流側に配置された分離装置を備える。分離装置は、粉砕材料出口から軸線方向に離間するよう配置された撹拌シャフト上に配置されると共に、回転可能なロータケージを有する分級ロータを含む。ロータケージは、分離装置領域に位置する粉砕体が、粉砕容器の内壁に向けて半径方向に動かされ及び/又は遠心されるよう機能することができる。
【0017】
分離装置は更に、ロータケージ内に配置されると共に、分級ロータに固定されたスクリーンユニットを含む。スクリーンユニットは、分級ロータに固定されることによって回転可能である。スクリーンユニットは、特に、ロータケージと共に回転可能、即ちロータケージ及び/又はスクリーンユニットは、同じ速度で回転可能である。これは、ロータケージの速度がスクリーンユニットに伝達可能だからである。従って、完全に粉砕された粉砕材料は、特定の直径を有するスクリーンユニットを介して粉砕容器又は粉砕チャンバから導出可能であり、代替的に、第1流体流又は少なくとも第1流体流の一部などの流体流も、粉砕容器又は粉砕チャンバから導出可能である。この場合、粉砕材料は、粉砕材料出口に到達するのに対して、粉砕体は、粉砕容器内又は粉砕チャンバ内に残留するか又は保持される。
【0018】
スクリーンユニットがロータケージと共に回転することにより、スクリーンユニットと粉砕容器の内壁との間の粉砕体が堅固に圧縮することがなく有利である。この場合、粉砕体は、圧縮されるのではなく、恒久的に動かされつつ解きほぐされ、粉砕容器の内壁に向けて半径方向に遠心される。これにより、スクリーンユニットに対する摩耗及び/又は損傷を同時に低減することができる。
【0019】
スクリーンユニットが固定されたロータケージは、好適には、撹拌シャフトによって駆動されるため、スクリーンユニットを有するロータケージは、撹拌シャフトと同じ速度で駆動される。この目的を達成するため、トルク伝達装置などを設けることが可能であり、これによりシャフト又は撹拌シャフトのトルクをロータケージに伝達することができる。代替的に、ロータケージには、専用の駆動ユニットを割り当てることが可能であるため、スクリーンユニットを有するロータケージは、撹拌シャフトとは独立して駆動することができる。即ち、スクリーンユニットが固定されたロータケージ、並びに撹拌シャフトは、異なる速度又は同じ速度で駆動又は作動させることができる。
【0020】
スクリーンユニットは、例えば、円錐状又は星形に折り畳まれた円錐状に構成することができる。この場合、スクリーンユニットの内径は、粉砕材料出口方向に向けて増加可能であり、スクリーンユニットの最大内径は、粉砕容器の内径の95%未満に形成されている。スクリーンユニットが円錐形状に形成されることにより、分級ロータの支持プレート領域において、完全に粉砕された粉砕材料にとって大きなスクリーン表面、特に大きな通過表面を設けることができる。スクリーンユニットは、本発明に係る撹拌ボールミルに使用するのに適切な他の任意の形状とすることができる。
【0021】
ロータケージは、撹拌シャフト上に取り付けられたフランジを有することができる。即ち、分級ロータの直径は、粉砕チャンバ出口方向に向けて増加させることができる。この場合に支持プレートは、特に、分級ロータにおいて最小直径を有する端面として機能することができる。支持プレートには、少なくとも2本のロータフィンガを固定することができる。支持プレートには、任意的に、少なくとも3本、4本、5本、又は複数のロータフィンガを固定することができる。少なくとも2本のロータフィンガは、特に、支持プレートに機械的、好適には着脱可能に固定されるため、必要に応じて交換することができる。少なくとも2本のロータフィンガは、支持プレートの少なくともほぼ外周上に配置することができる。留意すべきは、ロータケージは、少なくとも2本のロータフィンガが固定された支持プレートによって構成されることである。
【0022】
少なくとも2本のロータフィンガは、長手方向において同じ長さで形成され、少なくとも2本のロータフィンガの長手方向に沿う直径及び/又は幅及び/又は高さは、増加しているか又は同じである。長手方向において、大きさが同じであるか又は長さが同じであれば、少なくとも1個のリング要素、例えばディスク状に形成されたリング要素を、少なくとも2本のロータフィンガの自由端に設けることができる。少なくとも1個のリング要素は、同心配置された孔を有し、その孔の内径は、シャフト又は撹拌シャフトの外径よりも大きい。少なくとも1個のリング要素の外径は、少なくとも2本のロータフィンガ間における少なくとも直径又は距離に対応するよう形成することができ、又はより大きく形成することができる。
【0023】
更に、ロータケージには、粉砕容器における第2端部領域の内側に配置された固定ベースが割り当てられている。固定ベースは、例えば、粉砕チャンバ内に少なくとも部分的に突入する円形要素又は管状要素とすることができる。固定ベースは、好適には、粉砕容器における第2端部領域の内側から少なくともほぼ垂直に粉砕チャンバ内に突入することができる。即ち、固定ベースは、シャフトに対して少なくとも部分的に平行に延在可能であり、特に、分級ロータに対して平行に延在可能である。
【0024】
ロータケージ、特に少なくとも2本のロータフィンガの自由端又は少なくとも1個のリング要素の粉砕材料出口側における端面は、固定ベースに対して特に離間するよう配置されることにより、粉砕体の直径の0.5倍、好適には0.3倍よりも小さな距離又はギャップが形成される。形成されたこの距離のおかげで、完全に粉砕されていない粉砕材料及び/又は粉砕体が粉砕材料出口に到達して出口の詰まり及び/又はスクリーンユニットの損傷をもたらすことが回避可能である。
【0025】
更に、分級ロータは、支持プレート領域において、リング要素領域よりも小さな直径を有することができる。
【0026】
更に、スクリーンユニットは、フランジの支持プレートに固定することができる。スクリーンユニットは、特に、摩擦係合的、形状密着的、及び/又は、材料適合的な結合によって支持プレートに好適には着脱可能に固定することができる。即ち、スクリーンユニットは、摩耗が生じた場合に容易に交換することができる。スクリーンユニットが支持プレートに固定されることにより、ロータケージのトルクがスクリーンユニットに伝達可能になる。即ち、ロータケージ及びスクリーンユニットは、共に回転可能であり、特に同じ速度で回転可能である。このように、ロータケージは、一種のトルク伝達装置として機能し得る。
【0027】
完全に粉砕された粉砕材料がスクリーンユニットを介して粉砕材料出口に到達できるように、スクリーンユニットは複数の開口を有することができる。開口は、円形、楕円形、角度付き、又は不規則な断面を有することができる。開口は、好適には、軸線方向における細長孔として形成することができる。スクリーンユニットにおける開口の大きさは、粉砕体の直径の70%未満に形成されるよう選択するのが好適である。即ち、スクリーンユニットは、粉砕体の直径及び/又は長さ及び/又は高さの開口幅に比べて、最大で0.7倍の開口を有することができる。これにより、粉砕材料出口への粉砕体の到達が回避可能である。
【0028】
更に、スクリーンユニットは、粉砕材料入口側において、粉砕材料出口側又は軸受側の粉砕チャンバ画定部に比べて、より小さな外径を有することができる。
【0029】
更に、粉砕材料入口チャンバは、粉砕材料入口の上流側に配置されている。換言すれば、粉砕材料入口チャンバは、その下流側に配置された粉砕材料入口に通じることができる。粉砕材料入口は、例えば、粉砕容器の第1端部領域における開口のように構成することができる。
【0030】
更に、粉砕材料出口チャンバは、粉砕材料出口の空間的に下流側に配置されている。換言すれば、粉砕材料出口は、その下流側に配置された粉砕材料出口チャンバに通じることができる。粉砕材料出口は、例えば、粉砕容器の第2端部領域における開口のように構成することができる。粉砕材料出口チャンバは、収集容器に通じることが可能であるため、完全に粉砕された粉砕材料は、収集することができるのみならず、更なる処理が実施されるまで一時的に貯蔵することができる。
【0031】
広義には、粉砕材料入口チャンバは、粉砕材料入口の一部と見なし、粉砕材料出口チャンバは、粉砕材料出口の一部と見なすことができる。従って、本明細書において、シャフトが粉砕材料入口内及び/又は粉砕材料出口内に少なくとも部分的に突入することが記載されている場合、シャフトは粉砕材料入口チャンバ内及び/又は粉砕材料出口チャンバ内にも延在できることを含むか又は排除しないことを意味する。
【0032】
粉砕材料出口は、シャフトに対して少なくとも部分的に平行及び/又は垂直に配置することができる。特に粉砕容器の第2端部領域には、シャフトに対して少なくとも部分的に平行及び/又は垂直に延在する開口を設けることができる。即ち、粉砕材料出口は、シャフト中央部の下方及び/又は上方に配置可能であると共に、下方及び/又は側方に延在可能である。
【0033】
更に、粉砕容器内に配置されたシャフトは、粉砕材料入口チャンバ内及び/又は粉砕材料出口チャンバ内に少なくとも部分的に延在することができる。粉砕材料出口チャンバ内に延在するシャフトは、少なくとも部分的に第1スクリューコンベア、特に第1螺旋スクリューとして構成することができる。これにより、粉砕材料は、連続的に又は必要に応じて粉砕チャンバ内に搬送することができる。同時に、粉砕材料の固着及び/又は凝集によって粉砕材料入口の詰まりを少なくとも大幅に回避することができる。
【0034】
更に、スクリーンユニット内及び/又は粉砕材料出口内及び/又は粉砕材料出口チャンバ内のシャフトは、少なくとも部分的に第2スクリューコンベア、特に第2螺旋スクリューとして構成することができる。これにより、完全に粉砕された粉砕材料は、第2スクリューコンベアに支援されつつ粉砕材料出口に沿って粉砕材料出口チャンバまで少なくとも部分的に搬送され、粉砕材料出口の詰まりを回避することができる。
【0035】
乾式撹拌ボールミルにおいては、垂直に配置された粉砕チャンバが既知であるが、重力に起因して粉砕体が粉砕シリンダの下部に圧縮されるため、製品の搬送が妨げられるという問題がある。製品・粉砕体混合物の分離部を外部に備えるミルの構成においては、粉砕体を製品と共に恒久的に供給及び放出しなければならないという欠点があるため、粉砕回路のエネルギー効率が低下する。従って、粉砕容器は水平方向に配置される。水平方向に配置された粉砕容器と、粉砕材料出口の上流側に固定配置されたスクリーンユニットを備える既知の撹拌ボールミルにおいては、粉砕体が粉砕材料出口及びスクリーンユニットの領域にて圧縮し、従ってスクリーンユニットが損傷し、最悪の場合、完全に粉砕された粉砕材料が通過できなくなるという問題がある。ロータケージと共に回転するスクリーンユニットであれば、粉砕体を恒久的に動かし続けることができるため、完全に粉砕された粉砕材料がスクリーンユニットに常にアクセス可能であり、圧縮された粉砕体による損傷を被ることがない。
【0036】
更に、シャフトは、粉砕容器内においてカンチレバー形式で取り付けられる構成とすることもできる。特に、粉砕材料入口は、シャフトの取り付け側の端部に配置可能であり、粉砕材料出口は、シャフトの軸受側の端部に配置可能である。好適には、取り付け側の端部は、粉砕容器の第1端部領域に配置可能であり、軸受側の端部は、粉砕容器の第2端部領域に配置可能である。カンチレバー形式で取り付けられたシャフトは、任意的に、逆に取り付けることもできる。この場合、取り付け側の端部は、粉砕材料出口に配置され、軸受側の端部は、粉砕材料入口に配置される。
【0037】
更に、粉砕材料入口及び/又は粉砕材料入口チャンバには、第1流体入口開口を割り当てることができる。この第1流体入口開口を介して、第1流体流、例えば第1空気体積流量又は不活性ガス又は反応性ガスが粉砕材料入口又は粉砕材料入口チャンバ内、従って粉砕容器の粉砕チャンバ内に供給可能であり又は供給される。第1流体流は、粉砕材料と混合して第1粉砕材料・流体流が形成されるよう、粉砕材料入口内又は粉砕材料入口チャンバ内に供給することができる。このように、第1流体流は、搬送流として機能し、粉砕材料を粉砕材料入口又は粉砕材料入口チャンバから粉砕チャンバ内に運ぶことができる。また、第1流体流の少なくとも一部も粉砕チャンバに沿って流れ、粉砕チャンバ内で粉砕すべき粉砕材料及び/又は完全に粉砕された粉砕材料を粉砕材料出口まで運ぶことも想定可能である。このように、完全に粉砕された粉砕材料と共に、第1流体流の一部も粉砕材料出口を介して粉砕チャンバから導出することができる。
【0038】
更に、粉砕材料出口及び/又は粉砕材料出口チャンバには、第2流体入口開口を割り当てることができる。この第2流体入口開口を介して、第2流体流、例えば第2空気体積流量又は不活性ガス又は反応性ガスが粉砕材料出口又は粉砕材料出口チャンバ内に供給可能である。第2流体流は、完全に粉砕された粉砕材料と混合して第2粉砕材料・流体流が形成されるよう、粉砕材料出口内又は粉砕材料出口チャンバ内に供給することができる。第2流体流は、完全に粉砕された粉砕材料を粉砕材料出口に沿って搬送するよう機能することができる。
【0039】
更に及び/又は付加的に、管状要素は、第2流体流が通過可能なチャネル及び/又は孔を有することができる。
【0040】
代替的かつ例示的な実施形態によれば、管状要素のチャネル及び/又は孔は、第3流体流、例えば第3空気体積流量又は不活性ガスが通る第3流体入口開口として構成することができる。第3流体流は、特に、粉砕材料出口を介して粉砕チャンバから導出することができる。
【0041】
第2流体流及び/又は第3流体流は、好適には、固定ベースとロータフィンガとの間に形成された距離又はギャップに流すことができるため、完全に粉砕された粉砕材料がギャップに全く又はほぼ侵入することはない。第2流体流及び/又は第3流体流は更に、スクリーンユニットを洗浄したり吹き飛ばしたりできる洗浄流体として作用することも可能である。
【0042】
第1流体流、第2流体流、及び/又は、第3流体流は、それぞれ、別箇又は外部の流体源、例えば別箇又は外部の空気源、又は共通かつ外部の流体源、例えば共通かつ外部の空気源で生成することができる。
【0043】
更に、第1流体入口開口及び/又は第2流体入口開口及び/又は第3流体入口開口には、少なくとも1つの制御要素が割り当てられ、これにより第1流体流及び/又は第2流体流及び/又は第3流体流を制御することができる。第1及び/又は第2及び/又は第3流体入口開口の断面は、例えば制御要素によって変更可能であり、これにより第1及び/又は第2及び/又は第3流体入口開口が調整される。少なくとも1つの制御要素は、特に、粉砕チャンバ内の負圧が維持されるよう調整することができる。
【0044】
更に、粉砕材料入口に沿って流れる第1流体流は、流体流全体の50%よりも大きくすることができる。流体流全体は、特に、第1、第2、及び/又は、第3流体流で構成することができる。
【0045】
固定ベース、並びに固定ベースとロータフィンガとの間を流れる第2及び/又は第3流体流は、好適には、流体流全体の25%よりも小さく形成することができる。
【0046】
本発明は、上述した撹拌ボールミルの作動方法にも関する。撹拌ボールミルは、粉砕材料入口を含む第1端部領域及び粉砕材料出口を含む第2端部領域を有する粉砕容器を備える。撹拌ボールミルは更に、駆動ユニットにより粉砕容器内又は粉砕チャンバ内で回転可能であり、少なくとも部分的に撹拌シャフトとして構成され、撹拌要素が設けられたシャフトを備える。
【0047】
完全に粉砕された粉砕材料を粉砕体から分離するため、好適には、粉砕材料出口に対して軸線方向に配置された分離装置が設けられている。分離装置は、粉砕材料出口から軸線方向に離間するよう配置された撹拌シャフト上に配置されると共に、回転可能なロータケージを有する分級ロータを含む。ロータケージ内には、分級ロータに固定されたスクリーンユニットが配置されている。分級ロータを制御する場合、ロータケージが回転する。スクリーンユニットは、分級ロータ、特にロータケージに固定されるため、ロータケージのトルクがスクリーンユニットに伝達され、従ってロータケージ及びスクリーンユニットが同じ速度で共に回転する。ロータケージの回転により、粉砕容器内又は粉砕チャンバ内にある粉砕体は、粉砕容器の内壁に向けて半径方向に遠心されるのに対して、完全に粉砕された粉砕材料は、スクリーンユニットを介して粉砕材料出口に到達することができる。この分離・搬送機能は、特に、粉砕すべき製品よりも粉砕体の比重がより大きい場合に支援される。なぜならこの場合、密度差に起因し、完全に粉砕された粉砕材料がスクリーンを通過して粉砕材料出口内に移動するからである。
【0048】
固定配置又は固定されたスクリーンユニットの場合、スクリーンユニットと粉砕容器の内壁との間の粉砕体は互いに圧縮すると共に固着する可能性があるため、結果的にスクリーンユニットが損傷し、スクリーンユニットを介した粉砕容器からの粉砕材料の放出が妨げられるか又は詰まりを生じる恐れがあるのに対して、スクリーンユニットが撹拌シャフト上に配置される場合、そのような粉砕体の圧縮が回避されるため、撹拌ボールミルが粉砕体材料放出領域における詰まりの影響を受け難くなる。撹拌ボールミルのメンテナンスコスト及び/又は撹拌ボールミルの洗浄に伴う製造ロスが大幅に低減する。
【0049】
本発明に係る装置に関連して記載した全ての態様及び実施形態は、本発明に係る方法の部分態様にも同様に当てはまる場合があることに留意されたい。従って、明細書又は特許請求の範囲において、本発明に係る装置に関する特定の態様及び/又は関連及び/又は効果について言及される場合、その特定の態様及び/又は関連及び/又は効果は本発明に係る方法にも同様に当てはまる。逆もまた然りであり、本発明に係る方法に関連して記載した全ての態様及び実施形態は、本発明に係る装置の部分態様にも同様に当てはまる場合があることに留意されたい。従って、明細書又は特許請求の範囲において、本発明に係る方法に関する特定の態様及び/又は関連及び/又は効果について言及される場合、その特定の態様及び/又は関連及び/又は効果は本発明に係る装置にも同様に当てはまる。
【0050】
以下、添付図面に基づいて本発明の例示的な実施形態及びその利点を詳述する。図面における個々の要素間の寸法比は、実際の寸法比を必ずしも表すものではない。これは、明瞭性を高める見地から幾つかの形状が簡略表示されており、他の幾つかの形状は拡大表示されているからである。