(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非常電話機は、前記非常電話回線を介して自動交換設備に接続され、かつ、前記別の電話回線及び該電話回線を制御する回線制御装置を介して前記自動交換設備に接続されており、
前記開始信号は、前記自動交換設備を介して前記回線制御装置に接続される業務電話機又は非常電話機の点検を制御する試験制御装置から送出され、
前記非常電話回線を介して前記非常電話機と前記受付台とが接続された後、前記別の電話回線を介した前記非常電話機と前記業務電話機又は前記試験制御装置との接続が解除される
ことを特徴とする請求項1に記載の非常電話機の点検方法。
前記複数台の非常電話機のうちの点検の対象に選択された非常電話機に対する点検を行っている期間に、前記複数台の非常電話機のうちの他の非常電話機において該非常電話機と前記非常電話回線とを接続するスイッチがオフからオンに切り替わった場合に、前記点検の対象に選択された前記非常電話機に対する点検を中止する
ことを特徴とする請求項5に記載の非常電話機の点検方法。
前記複数台の非常電話機のうちの点検の対象に選択された非常電話機に対する点検を行っている期間に、該非常電話機の前方に人がいることを検知した場合に、前記非常電話機に対する点検を中止する
ことを特徴とする請求項5に記載の非常電話機の点検方法。
前記非常電話機は、点検時には、前記フック部材に取り付けられたソレノイドのコイルに電流を印加して、前記フック部材を、前記スイッチをオフにする位置からオンになる前記位置に移動させ、前記コイルへの電流の印加を停止して、前記フック部材を、前記スイッチがオンになる前記位置からオフにする前記位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の非常電話機の点検方法。
非常電話回線を介して接続される受付台及び複数台の非常電話機と、前記複数台の電話機に接続された前記非常電話回線とは別の電話回線とを含む非常電話システムであって、
前記複数台の非常電話機のうちの少なくとも1台の非常電話機は、
前記別の電話回線を介して伝送された点検の開始を指示する開始信号を受信する受信部と、
該非常電話機を前記非常電話回線と接続するスイッチのオン・オフを切り替えるフック部材を、前記スイッチをオフにする位置とオンにする位置との間で機械的に移動させるソレノイドと、
前記開始信号を受信した場合に前記ソレノイドを起動させ、前記フック部材を、前記スイッチをオフにする前記位置からオンにする前記位置に機械的に移動させ、前記非常電話回線を介して前記非常電話機を前記受付台に接続する第1の制御部と、
前記非常電話回線に接続された前記非常電話機の受話器から音声を出力した状態で送話器により収音した音声信号を録音し、かつ録音した前記音声信号を前記非常電話機で再生する録音部と、
前記ソレノイドを停止させ、前記フック部材を、前記スイッチをオンにする前記位置からオフにする前記位置に機械的に移動させ、前記非常電話機と前記非常電話回線との接続を解除する第2の制御部と
を含むことを特徴とする非常電話システム。
前記受付台と前記非常電話回線との間に介在する1つ以上の自動交換設備と、前記1つ以上の自動交換設備のうちの1つの自動交換設備と前記別の電話回線との間に介在する回線制御装置と、前記自動交換設備を介して前記回線制御装置と接続可能な業務電話機とを更に含み、
前記開始信号は、前記業務電話機から前記回線制御装置及び前記別の電話回線を介して前記非常電話機に伝送される
ことを特徴とする請求項9に記載の非常電話システム。
前記受付台と前記非常電話回線との間に介在する1つ以上の自動交換設備と、前記1つ以上の自動交換設備のうちの1つの自動交換設備と前記別の電話回線との間に介在する回線制御装置と、前記自動交換設備を介して前記複数台の非常電話機の点検を制御する試験制御装置とを更に含み、
前記開始信号は、前記試験制御装置から前記回線制御装置及び前記別の電話回線を介して前記非常電話機に伝送される
ことを特徴とする請求項9に記載の非常電話システム。
前記複数台の非常電話機は、単一の前記非常電話回線及び単一の前記別の電話回線に接続された所定の最大台数以下の非常電話機を1つのブロックとして1つ以上のブロックにグループ分けされている
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の非常電話システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る非常電話システム及び非常電話機の点検方法についての実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、従来の非常電話システム及び非常電話機における周知の構成及び動作についての詳細な説明を省略する。
【0013】
図1は、非常電話システムの一例を説明する概略図である。
図1には、高速道路網に設置される複数台の非常電話機2を含む非常電話システム1を例示している。
【0014】
非常電話システム1における複数台の非常電話機2は、例えば、高速道路網における、管制センタ3が管轄するエリア内に設置されている。複数台の非常電話機2は、1つのブロック4に含まれる非常電話機2の台数が予め定められた最大台数(例えば、9台)以下となるように、複数のブロック4にグループ分けされている。1つのブロック4に含まれる複数台の非常電話機2は、単一の非常電話回線5により、線路監視装置(L−SV:Line−Super Visor)6に接続されている。線路監視装置6は、非常電話回線5の監視等を行う装置であり、例えば、道路沿い、サービスエリア、パーキングエリア、料金所等の近傍にある通信機械室7等に設置されている。非常電話回線5は、線路監視装置6、及び
図1には示していない自動交換設備(PBX:Private (automatic) Branch eXchange)等を介して、管制センタ3の受付台301に接続されている。1つのブロック4に含まれる複数台の非常電話機2は、2台以上の非常電話機2を同時に受付台301に接続することができない態様で、非常電話回線5に接続されている。
【0015】
図1に例示した非常電話システム1に含まれる非常電話機2は、例えば、電話機本体と、受話器及び送話器を含むハンドセットとを含む。電話機本体には、フックスイッチのオン・オフを切り替えるフック部材が、該電話機本体の筐体に対して移動可能に取り付けられている。フック部材は、例えば、電話機本体の外部に延伸するハンドセット受け部にハンドセットが掛け置かれた場合にフックスイッチをオフにし、ハンドセット受け部からハンドセットが取り上げられた場合にフックスイッチをオンにするように構成される。フックスイッチをオフにすると、非常電話回線5を介した受付台301との接続が解除された状態(以下「オンフック状態」という)になる。フックスイッチをオンにすると、非常電話回線5を介して受付台301と接続された状態(以下「オフフック状態」という)になり、管制センタ3内の係員が受付台301に接続されたハンドセット302を取り上げると、非常電話機2の利用者と、管制センタ3内の係員との通話が可能になる。
【0016】
この種の非常電話システム1では、複数台の非常電話機2が数kmの範囲にわたって分散しているため、点検時に係員が各非常電話機2の設置場所に赴くことは点検効率が非常に悪い。このため、本実施形態に係る非常電話システム1では、以下に述べるように、各非常電話機2を遠隔(具体的には、管制センタ3)から操作して点検する。
【0017】
図2は、一実施形態に係る非常電話システムの構成例を説明する概略図である。なお、
図2の非常電話システム1には、非常電話機2の1つのブロック4のみを示しているが、非常電話機2のブロック4は2つ以上であってもよい。
【0018】
本実施形態に係る非常電話システム1は、交通管制室等の管制センタ3に設置された受付台301、ハンドセット302、業務電話機303、試験制御装置304、及び第1の自動交換設備(PBX)305を含む。また、非常電話システム1は、通信機械室7等に設置された第2の自動交換設備(PBX)8、線路監視装置(L−SV)6、及び回線制御装置9を含む。更に、非常電話システム1は、複数台の非常電話機2を含むブロック4を含む。なお、非常電話システム1は、
図2には示していない他の装置、例えば、幹線伝送装置やローカル伝送装置等の、情報伝達やデータ送受信を行う伝送装置(光伝送設備)を含んでもよい。
【0019】
管制センタ3に設置された受付台301は、非常電話システム1に含まれる全ての非常電話機2からの通話を受け付ける。非常電話機2は、非常電話回線5、線路監視装置6、第2の自動交換設備8、第1の自動交換設備305、及び試験制御装置304を介して、受付台301と接続される。試験制御装置304は、非常電話システム1に含まれる非常電話機2に対する遠隔からの動作試験(点検)を制御する装置であり、例えば、コンピュータと、以下に説明する制御処理をコンピュータに実行させるプログラムとにより実現することができる。
【0020】
受付台301は、非常電話機2からの音声信号(受話信号)をハンドセット302の受話器に出力し、ハンドセット302の送話器で収音した音声信号(送話信号)を非常電話機2に出力する。
【0021】
業務電話機303は、非常電話回線5とは別の業務電話回線を介して他の電話機との通話を行う。また、業務電話機303は、試験制御装置304、第1の自動交換設備305、第2の自動交換設備8、及び回線制御装置9を介して、業務電話回線10により回線制御装置9に接続された1台以上の非常電話機2に対し、点検の開始を指示する信号を送信することができる。回線制御装置9は、業務電話機303又は試験制御装置304からの制御信号に基づいて、業務電話回線10により接続された非常電話機2の呼び出し、及び業務電話機303との接続を制御する装置である。回線制御装置9と非常電話機2とを接続する業務電話回線10には、例えば、予備の非常電話回線を利用可能である。1つのブロック4に含まれる複数台の非常電話機2は、単一の業務電話回線10により回線制御装置9に接続されている。
【0022】
本実施形態の非常電話システム1において非常電話機2の点検(動作試験)をする際には、まず、点検の対象に選択した非常電話機2をオンフック状態からオフフック状態に切り替える処理を行う。この処理は、例えば、管制センタ3の係員が業務電話機303を操作して行う。管制センタ3の係員は、業務電話機303を操作して回線制御装置9を呼び出し、業務電話回線10を通じて点検の対象に選択した非常電話機2を識別する信号を送信する。点検の対象に選択された非常電話機2は、業務電話機303からの信号を受信すると、ハンドセットを掛け置くフック部材をオンフック状態の位置からオフフック状態の位置に機械的に移動させる。すなわち、非常電話機2は、該非常電話機2の利用者がハンドセットを取り上げたときと実質的に同一のオフフック状態を、遠隔からの操作に基づいて自動的に再現し、非常電話回線5を介した受付台301との接続を行う。非常電話機2と受付台301とが非常電話回線5を介して接続されると、業務電話回線10を介した業務電話機303と非常電話機2との接続は解除される。
【0023】
また、本実施形態の非常電話システム1では、上記の遠隔操作により、非常電話機2と受付台301とが非常電話回線5を介して接続されると、非常電話機2のハンドセットに設けられた受話器から試験音声が出力される。試験音声は、例えば、管制センタ3のハンドセット302で収音した音声信号、或いは受付台301又は試験制御装置304が出力した音声信号等を含む。また、試験音声は、例えば、非常電話機2に設けられた発振器が出力した所定周波数の音響信号を含む。非常電話機2は、ハンドセットの受話器から試験音声を非常電話機2の外部空間に出力している期間、該ハンドセットの送話器により収音した音声信号を非常電話機2に設けた録音部(レコーダ)により録音する。試験音声の出力及び録音部による録音が終了すると、非常電話機2は、録音した音響データを再生し、再生音声として非常電話回線5に出力する。非常電話回線5に出力された再生音声は、線路監視装置6、第2の自動交換設備8、第1の自動交換設備305、及び試験制御装置304を介して受付台301及びハンドセット302に伝送される。
【0024】
受付台301、又は管制センタ3の係員は、非常電話機2からの再生音声に基づいて、点検の対象に選択された非常電話機2の動作の異常の有無、及び非常電話回線5を含む非常電話機2と受付台301との通話経路の異常の有無を判定する。該判定の後、管制センタ3のハンドセット302をオンフック状態にして非常電話機2と受付台301との接続を解除すると、非常電話機2は、フック部材をオフフック状態の位置からオンフック状態の位置に機械的に移動させてフックスイッチをオフにする。
【0025】
図3は、一実施形態に係る非常電話機2の回路構成例を説明する概略図である。
図3には、単一の非常電話回線5により線路監視装置6に接続される1つのブロックに含まれる複数台の非常電話機2のうちの1段目の非常電話機2の回路構成例を示している。
【0026】
非常電話機2は、業務電話回線10により回線制御装置9と接続された第1のPB受信部(PB_REC1)201と、第1のマイコン(マイコン1)202と、ソレノイド203と、フックスイッチ204と、スピーチネットワーク205とを含む。第1のPB受信部201は、回線制御装置9を介して業務電話回線10により伝送される非常電話機2のID番号を受信し、第1のマイコン202に転送する。業務電話回線10により伝送されるID番号は、点検の対象に選択した非常電話機2を識別する番号であり、
図3に例示した非常電話機2の後段の他の非常電話機2にも伝送される。第1のマイコン202は、第1のPB受信部201から転送されたID番号と、該第1のマイコン202を含む非常電話機2に付与されたID番号(自機番号206)とを比較し、両者が一致する場合には、ソレノイド203を起動する第1の制御部の一例である。ソレノイド203は、フックスイッチ204のオンとオフとを切り替えるフック部材に対して、該ソレノイド203を起動した場合にフック部材がフックスイッチ204をオンにする方向に移動するように取り付けられている。フック部材は、例えば、非常電話機2のハンドセット207を掛け置く部位を有し、ハンドセット207を掛け置いた場合にフックスイッチ204がオフになる位置に移動し、ハンドセット207を取り上げた場合にフックスイッチ204がオンになる位置に移動するように、非常電話機2の本体部分に取り付けられている。フックスイッチ204がオンになると、スピーチネットワーク205と線路監視装置6とが非常電話回線5を介して接続される。スピーチネットワーク205は、線路監視装置6等を介して管制センタ3のハンドセット302等から送信された音声信号(受話信号)をハンドセット207の受話器208に出力し、ハンドセット207の送話器209で収音した音声信号(送話信号)を線路監視装置6等を介して管制センタ3のハンドセット302等に出力する。
【0027】
また、非常電話機2は、第2のPB受信部(PB_REC2)210と、第2のマイコン(マイコン2)211と、第1のセレクタ(SE1)212及び第2のセレクタ(SE2)213と、第1のアンプ(PGAMP1)214及び第2のアンプ(PGAMP2)215と、レコーダ216と、第1〜第4のスイッチ217〜220と、発振器(OSC)221と、第2のPB発信部(PB_OSC2)222とを含む。
【0028】
スピーチネットワーク205は、ソレノイド203が起動してフックスイッチ204がオンになると、第2のPB受信部210を介して第2のマイコン211に対し、非常電話機2が非常電話回線5により受付台301に接続されたことを通知する。第2のマイコン211は、第1のマイコン202からソレノイド203への起動信号の出力を停止させ、第2のマイコン211からソレノイド203へ起動信号を出力する。また、第2のマイコン211は、非常電話機2に対する点検が終了すると、ソレノイド203への起動信号の出力を停止し、非常電話機2と非常電話回線5との接続を解除する。第2のマイコン211は、ソレノイド203を停止させて非常電話機2と非常電話回線5との接続を解除する第2の制御部の一例である。
【0029】
第1のスイッチ217及び第2のスイッチ218は、非常電話機2のハンドセット207の受話器(レシーバ)208に出力する音声信号の伝送経路を切り替える。利用者がハンドセット207を取り上げたことにより非常電話機2と受付台301とが接続された場合、第1のスイッチ217及び第2のスイッチ218は、スピーチネットワーク205で受信した音声信号(受話信号)がそのまま受話器208に出力されるように、スピーチネットワーク205と受話器208とを接続する。一方、点検時(すなわちソレノイド203を起動したことにより非常電話機2と受付台301とが接続された場合)には、第1のスイッチ217及び第2のスイッチ218は、スピーチネットワーク205で受信した音声信号が第1のセレクタ212及び第1のアンプ214を介して受話器208に出力されるように、スピーチネットワーク205と受話器208とを接続する。第1のセレクタ212は、第1のスイッチ217を介して入力されるスピーチネットワーク205からの音声信号と、発振器221が出力した音響信号とを切り替える。発振器221は、所定の周波数(例えば、400Hz)の音響信号を出力する。第1のアンプ214は、第1のセレクタ212から出力された音声信号又は音響信号を増幅する。
【0030】
第3のスイッチ219及び第4のスイッチ220は、非常電話機2のハンドセット207の送話器(マイクロフォン)209で収音した音声信号の伝送経路を切り替える。利用者がハンドセット207を取り上げたことにより非常電話機2と受付台301とが接続された場合、第3のスイッチ219及び第4のスイッチ220は、送話器209で収音した音声信号がそのままスピーチネットワーク205に入力されるように、送話器209とスピーチネットワーク205とを接続する。一方、点検時には、第3のスイッチ219及び第4のスイッチ220は、送話器209で収音した音声信号がレコーダ216、第2のアンプ215、及び第2のセレクタ213を介してスピーチネットワーク205に入力されるように、送話器209とスピーチネットワーク205とを接続する。レコーダ216は、送話器209で収音した音声信号を録音し、録音した音声信号を再生する。第2のアンプ215は、回線ロス設定223に基づいて、レコーダ216が再生した音声信号の回線ロス分を増幅する。第2のセレクタ213は、第2のアンプ215を介して入力される音声信号と、第2のPB発信部222が出力したPB信号とを切り替える。第2のPB発信部222が出力するPB信号は、例えば、レコーダ216で録音した音声信号の再生が終了したときに、受付台301に対して再生終了(試験終了)を通知する信号である。
【0031】
また、非常電話機2は、人感センサ224と、第1のPB発信部(PB_OSC1)225とを含む。人感センサ224は、非常電話機2の前方の人の有無を検知するセンサであり、第1のマイコン202に接続されている。点検時に、人感センサ224により非常電話機2の前方に人がいることを検知すると、第1のマイコン202は、該検知結果を第2のマイコン211に通知し、第2のマイコン211によるソレノイド203の起動を停止させてフックスイッチ204をオフにする。また、フックスイッチ204がオフであるときに人感センサ224により非常電話機2の前方に人がいることを検知すると、第1のマイコン202は、第1のPB発信部225にPB信号を出力させる。第1のPB発信部225が出力するPB信号は、業務電話回線10を介して、同一の非常電話回線5に接続された他の非常電話機2に伝送される。第1のPB発信部225が出力するPB信号は、同一の非常電話回線5に接続された同一ブロック4内に点検中の非常電話機2がある場合に、該非常電話機2の点検を強制的に終了させる信号である。すわなち、点検中の非常電話機2は、第1のPB受信部201により他の非常電話機2からのPB信号を受信した場合には、第1のマイコン202又は第2のマイコン211によるソレノイド203の起動を停止させてフックスイッチ204をオフにする。
【0032】
本実施形態の非常電話システム1における非常電話機2は、上記のように、フックスイッチ204をオンにすると非常電話回線5を介して管制センタ3の受付台301と接続された状態になる。非常電話機2のフックスイッチ204のオン・オフは、上記のように、電話機本体の筐体に対して移動可能に取り付けられたフック部材の位置を変えることにより切り替わる。
【0033】
図4は、一実施形態に係る非常電話機のフックスイッチのオン・オフの切り替え方法を説明する概略図である。
図4には、非常電話機2におけるフックスイッチ204、フック部材250、ハンドセット207、及びフック部材250を移動させる機構のみを示している。
図4に示した手前方向及び奥方向は、それぞれ、非常電話機2に正対した利用者から見た電話機本体(図示せず)における利用者に近づく方向及び利用者から遠ざかる方向である。また、
図4に示した上方向及び下方向は、それぞれ、非常電話機2が設置された空間における鉛直上方及び鉛直下方である。
【0034】
フック部材250は、電話機本体の筐体(図示せず)に対して水平方向(より具体的には、非常電話機2に正対した利用者から見た左右方向)に延びる回転軸周りで回転可能に、電話機本体に取り付けられている。すなわち、
図4に例示したフック部材250は、軸251を支点として時計回り及び半時計回りに回転させることができる。
【0035】
フック部材250は、軸251から奥方向に延伸する第1のアーム部252、軸251から下方向に延伸する第2のアーム部253、及び軸251から手前方向に延伸する第3のアーム部254を有する。第1のアーム部252及び第2のアーム部253は電話機本体の筐体内部に位置する。第3のアーム部254は、筐体外部に延出したハンドセット受け部255を有する。
【0036】
第1のアーム部252には、フック部材250を
図4における時計回り方向に付勢するばね256の一端が取り付けられている。ばね256は、第3のアーム部254にハンドセット207が掛け置かれた場合に第3のアーム部254がハンドセット207から受ける荷重により第2のアーム部253がフックスイッチ204から離間して該フックスイッチ204がオフになり、ハンドセット207を取り上げると第2のアーム部253がフックスイッチ204に当接して該フックスイッチ204がオンになるようなものが用いられる。
【0037】
また、第1のアーム部252には、第3のアーム部254にハンドセット207が掛け置かれた状態のフック部材250を
図4における時計回り方向に回転させるソレノイド203が取り付けられている。ソレノイド203は、例えば、コイル261と、磁性部材262と、磁性部材262を第1のアーム部252に取り付ける取付部材263とを含む。ソレノイド203は、例えば、第1のアーム部252の下方に、コイル261に対して所定の方向の電流を印加した場合に磁性部材262を下方に移動させる磁場が生じるような向きで取り付ける。
【0038】
本実施形態に係る非常電話機2では、非点検時には、ソレノイド203のコイル261に対して電流を印加しない。このため、非常電話機2の非点検時であって、第3のアーム部254にハンドセット207が掛け置かれている場合には、フック部材250は、第2のアーム部253がフックスイッチ204から離間して該フックスイッチ204がオフになる位置(
図4に実線で示した回転位置)に保持される。
【0039】
一方、本実施形態に係る非常電話機2では、点検時には、ソレノイド203のコイル261に対して電流を印加することによりソレノイド203を起動する。このとき、コイル261には、第3のアーム部254にハンドセット207が掛け置かれた状態のまま、第2のアーム部253がフックスイッチ204に当接して該フックスイッチ204をオンにする回転位置までフック部材250を回転移動させることが可能な大きさの電流を印加する。これにより、作業員がハンドセット207を取り上げることなく、フック部材250を回転移動させてフックスイッチ204をオンにすることができる。したがって、本実施形態に係る非常電話機2は、ハンドセット207を取り上げたときに受付台301に接続されるか否かの点検を、遠隔からソレノイド203を起動させる信号を入力することにより行うことができる。
【0040】
また、本実施形態に係る非常電話機2は、上記のようにレコーダ216を有し、点検時にハンドセット207の受話器208から出力された音声を送話器209で収音し、該収音した音声を録音及び再生することができる。このため、本実施形態に係る非常電話システム1では、遠隔からの操作により、非常電話機2のハンドセット207や、非常電話機2と受付台301とを接続する非常電話回線5の点検も行うことができる。以下、
図5を参照して、本実施形態に係る非常電話システム1における非常電話機2の点検方法の一例を説明する。
【0041】
図5は、一実施形態に係る非常電話システムにおける非常電話機の点検方法を説明するシーケンス図である。
図5に例示した非常電話機2の点検作業は、例えば、点検の対象となる複数台の非常電話機2を含む1つのブロック内の全ての非常電話機2が受付台301と接続されていない状態(待機状態)である場合に実施される。
【0042】
本実施形態の非常電話システム1において非常電話機2の点検をする場合には、まず、管制センタ3の業務電話機303から回線制御装置9に対する内線呼出を行う(ステップS1)。管制センタ3の係員等の点検者は、業務電話機303のハンドセットを上げて発信音(DT)が聞こえることを確認した後、例えば、該ハンドセットのプッシュボタンを操作して回線制御装置9の内線番号(呼び出し番号)をダイヤルする。内線番号をダイヤルすると、第1の自動交換設備305及び第2の自動交換設備8等を介して、業務電話機303から回線制御装置9に内線呼出の信号(例えば、16Hzの呼出信号)が伝送され、ハンドセットの受話器から呼び出し音(RBT)が出力される。
【0043】
回線制御装置9は、業務電話回線303からの呼び出し信号を数回検出すると、業務電話機303に応答を返信し(ステップS2)、業務電話機303を回線制御装置9に接続する。このとき、回線制御装置9は、非常電話機2に接続された業務電話回線10との絶縁を解除し、非常電話機2側に業務電話回線を伸ばす。
【0044】
業務電話機303と回線制御装置9とが接続された後、第1の自動交換設備305及び第2の自動交換設備8等を介して業務電話機303から回線制御装置9にID番号が伝送され、該回線制御装置9から業務電話回線10を通じて複数台の非常電話機2にID番号が転送される(ステップS3)。ID番号は、点検の対象に選択した非常電話機2を識別する番号であり、例えば、係員が、ハンドセットの呼び出し音が停止したことを確認した後、ハンドセットのプッシュボタンを操作して入力(ダイヤル)する。回線制御装置9は、ID番号を非常電話機2に転送した後、所定の期間(例えば、3秒)が経過すると、業務電話回線10の接続を解除する(ステップS4)。
【0045】
複数台の非常電話機2は、それぞれ、業務電話回線10により伝送されたID番号が、自機のID番号(自機番号)と一致するか否かを判定する(ステップS5)。非常電話機2は、第1のPB受信部201でID番号を受信すると、該ID番号を第1のマイコン202に転送し、受信したID番号が自機番号206と一致するか否かを判定する。一致しない場合(ステップS5;NO)、該非常電話機2は、点検に係る処理を実行せずに待機状態を継続する。
【0046】
ID番号が一致した場合(ステップS5;YES)、該非常電話機2は、第1のマイコン202によりソレノイド203を起動する(ステップS6)。ソレノイド203を起動すると、フック部材250が機械的に回転し、該フック部材250の第2のアーム部253がフックスイッチ204をオンにする。フックスイッチ204がオンになった非常電話機2は、線路監視装置6、第2の自動交換設備9、第1の自動交換設備305、及び試験制御装置304等を介して受付台301を呼び出す(ステップS7)。その後、フックスイッチがオンになった非常電話機2(点検対象の非常電話機)は、第2のマイコン211に電源が供給され、該第2のマイコン211が起動する。第2のマイコン211は、起動後、第1のマイコン202にソレノイド203のコイル261への電流の印加を停止させるとともに、自身によるソレノイド203のコイル261への電流の印加を開始し、フック部材250によりフックスイッチ204がオンにされた状態を維持する。
【0047】
受付台301は、非常電話機2からの呼び出しに応答し、試験開始操作を受け付けると(ステップS8)、試験制御装置304に対して試験開始を指示する信号を送信する(ステップS9)。試験開始を指示する信号は、例えば、点検の対象に選択されている非常電話機2を識別する情報を含む。試験開始操作は、例えば、受付台301、又は受付台301に接続されたハンドセット302に設けられたボタンスイッチに対する操作である。試験制御装置304は、受付台301からの試験開始を指示する信号を受け付けると、点検の対象である非常電話機2に対し、第1の自動交換設備305、第2の自動交換設備8、線路監視装置6、及び非常電話回線5等を介して試験開始の合図となるPB信号を送信する(ステップS10)。
【0048】
点検の対象に選択されている非常電話機2は、試験制御装置304からのPB信号を受信すると、レコーダ216による録音処理を実施する(ステップS11)。非常電話機2は、スピーチネットワーク205で受信したPB信号を、第2のPB受信部210を介して第2のマイコン211に転送し、第2のマイコン211においてPB番号を確認する。その後、非常電話機2は、第3のスイッチ219をレコーダ216側に切り替えるとともに、第4のスイッチ220を第2のセレクタ213側に切り替え、ハンドセット207の送話器209により収音した音声信号をレコーダ216により録音する処理を開始する。
【0049】
このとき、非常電話機2は、例えば、まず所定の第1の期間(例えば、5秒間)に受付台301からの音声信号を録音し、その後、所定の第2の期間(例えば、3秒間)に発振器221が出力した音声信号(例えば、400Hzの音響信号)を録音する。非常電話機2は、録音処理を開始すると、まず、第1のスイッチ217を第1のセレクタ212側に切り替えるとともに第2のスイッチ218を第1のアンプ214側に切り替え、非常電話回線5を通じて受付台301から伝送される試験用の音声信号(受話信号)を第1のアンプ214により増幅してハンドセット207の受話器208から音声として出力する。受付台301から伝送される試験用の音声信号は、例えば、管制センタ3の係員が受付台301に接続されたハンドセット302に向かって発した所定の単語や文章等の音声信号である。すなわち、受付台301は、試験制御装置304に対して試験開始を指示する信号を送信した後、試験用の音声信号(試験音声)を非常電話機2に向けて出力する(ステップS12)。第1の期間中、非常電話機2は、受付台301から伝送された試験用の音声信号をスピーチネットワーク205において2線から4線に変換し、変換した音声信号を第1のアンプ214により増幅して受話器208から出力する。そして、第1の期間が経過すると、非常電話機2は、第1のセレクタ212を切り替え、発振器221が発した音声信号を第1のアンプ214で増幅して受話器208から出力する。そして、第2の期間が経過すると、非常電話機2は、発振器221による音声信号の発信を終了し、レコーダ216による録音を終了する。
【0050】
録音処理が終了すると、非常電話機2は、レコーダ216により録音した音声信号を再生して受付台301に伝送する再生処理を実施する(ステップS13)。再生処理において、非常電話機2は、例えば、レコーダ216により再生された音声信号を第2のアンプ215で増幅した後、スピーチネットワーク205において4線から2線に変換して非常電話回線5に出力する。第2のアンプ215では、回線ロス設定223に基づく回線ロス分を増幅する。非常電話回線5に出力された音声信号(再生音声)は、線路監視装置6、第2の自動交換設備8、第1の自動交換設備305、及び試験制御装置304等を介して受付台301に伝送される(ステップS14)。受付台301に伝送される音声信号は、例えば、試験制御装置304に蓄積してもよい。
【0051】
再生処理が終了すると、非常電話機2は、第2のセレクタ213を切り替え、第2のPB発信部222が出力するPB信号を非常電話回線5に出力する(ステップS15)。その後、非常電話機2は、第3のスイッチ219及び第4のスイッチ220を、レコーダ216及び第2のセレクタ213を介さない経路側に切り替える。
【0052】
再生音声に続くPB信号を受信した受付台301は、現在点検の対象となっている非常電話機2との非常電話回線5を介した接続を解除する(ステップS16)。このとき、現在点検の対象となっている非常電話機2には、非常電話回線5等を介してロックアウト信号が伝送される(ステップS17)。ロックアウト信号を受信した非常電話機2は、例えば、第2のマイコン211の電源がオフになり、ソレノイド203が停止する(ステップS18)。ソレノイド203が停止すると、フックスイッチ204をオンにしていたフック部材250は、第3のアーム部254に掛け置かれたハンドセット207からの荷重により第2のアーム部253がフックスイッチ204から離間する方向(
図4の反時計回り方向)に回転する。これにより、非常電話機2は、フックスイッチ204がオフになり(すなわち、非常電話回線5との接続が解除され)、待機状態となる。
【0053】
上記の手順により複数台の非常電話機2のうちの1台の非常電話機2に対する点検が終了した後、点検の対象とする非常電話機2のID番号を変更しながら上述した処理を繰り返すことにより、管轄するエリア内の複数台の非常電話機2に対する点検を、順次、遠隔からの操作により行うことができる。
【0054】
また、
図5には示していないが、点検中の非常電話機2における人感センサ224が人を検知した場合、該非常電話機2は、点検を中止してもよい。例えば、第1のマイコン202が人感センサ224の出力に基づいて人が検知されたと判定した場合、第1のマイコン202は、第2のマイコン211に対してソレノイド203の停止を指示する信号を出力する。第2のマイコン211がソレノイド203を停止させると、フックスイッチ204がオフになり、非常電話機2と非常電話回線5との接続が解除される。点検中に接続が解除された場合、その後、検知した人(利用者)が非常電話機2のハンドセット207を取り上げて非常電話機2と受付台301とが再度接続されると、管制センタ3の係員は、接続が解除された原因が当該非常電話機2の異常によるものではないと確認することができる。また、点検中に接続が解除された後、所定の期間を経過しても当該非常電話機2と受付台301とが接続されない場合には、例えば、当該非常電話機2に対する点検を再度実施することにより、当該非常電話機2の異常の有無を確認することができる。
【0055】
また、
図5には示していないが、1つのブロック4に含まれる、点検中の非常電話機2とは別の非常電話機2におけるフックスイッチ204がオンになった場合、点検中の非常電話機2は、ソレノイド203を停止させて点検を中止してもよい。ここで、点検中の非常電話機2とは別の非常電話機2は、例えば、点検中ではない非常電話機2のハンドセット207が取り上げられてフックスイッチ204がオンになった非常電話機2を含む。このようにすることで、非常事態が発生したことを管制センタ3に通知することを優先させることができ、非常事態に対して早期に対処することができる。
【0056】
このように、本実施形態に係る非常電話システム1では、非常電話回線5とは別の電話回線(業務電話回線10)を介して点検の対象に選択されたことを示す情報が入力された非常電話機2は、フックスイッチ204のオン・オフを切り替えるフック部材250を機械的に移動させて、フックスイッチ204をオフからオンに切り替える。このため、非常電話機2におけるフック部材250の動作が正常であるか否かの点検を、作業員が非常電話機2のハンドセット207を取り上げて点検する作業をすることなく、遠隔からの操作により実施することができる。また、本実施形態に係る非常電話システム1では、受付台301から非常電話機2に伝送された試験用の音声信号を該非常電話機2の受話器208から出力しながら送話器209で収音した音声信号を録音し、該録音した音声信号を再生して受付台301に伝送する。このため、非常電話回線5を含む、受付台301から非常電話機2までの伝送経路が正常であるか否かの点検を、遠隔からの操作により実施することができる。更に、非常電話機2は、自身が備える発振器221により出力した音声信号を別の試験用の音声信号として非常電話機2の受話器208から出力しながら送話器209で収音した音声信号を録音し、該録音した音声信号を再生して受付台301に伝送する。このため、非常電話機2から受付台301に伝送された音声信号(再生音声)に基づいて伝送経路に異常があると判定した場合に、例えば、受付台301から非常電話機2に至る経路、非常電話機2のハンドセット207、及び非常電話機2から受付台301に至る経路のどこに異常があるのかを推定することができる。したがって、本実施形態に係る非常電話システム1では、非常電話回線5を含む非常電話機2と受付台301との伝送経路、及び非常電話機2の動作に関する点検業務を、遠隔からの操作で行うことができ、広範囲に点在する複数台の非常電話機2の点検業務を効率よく行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る非常電話機2は、上記のように、点検時の録音処理(ステップS11)では第1のアンプ214で増幅した音声信号をハンドセット207の受話器208から出力し、点検時の再生処理(ステップS13)では第2のアンプ215で増幅した音声信号を非常電話回線5に出力する。更に、点検時の録音処理では、非常電話回線5を介して受付台301から伝送された音声信号とは別の、非常電話機2が有する発振器221が出力した所定の周波数の音声信号を録音する。このため、例えば、高速道路網に設置された非常電話機2のような、周囲の雑音レベルが不定である非常電話機2に対する音声品質の点検を、適切に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態に係る非常電話システム1では、上記のように、非常事態の発生を通知するために非常電話機2を利用する人が現れた場合に、点検を中止し、非常事態の発生の通知を優先することができる。このため、交通事故等の非常事態に対し早期に対処することができる。
【0059】
なお、上述した非常電話システム1の構成、非常電話機2の動作、及び点検方法は、本発明に係る非常電話システム1の構成、非常電話機2の動作、及び点検方法についての一実施形態に過ぎない。本発明に係る非常電話システム1の構成、非常電話機2の動作、及び点検方法は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、
図5に例示したシーケンス図において業務電話機303を利用して実施される処理のうちの1つ以上は、試験制御装置304を利用して実施してもよい。例えば、点検の対象となる非常電話機2を選択して該ID番号を送出する処理(
図5のステップS1〜S3)は、受付台301等から試験制御装置304に対して試験開始のトリガを入力することにより試験制御装置304に行わせてもよい。また、例えば、非常電話機2の回路構成は、
図3に例示した回路構成に限らず、適宜変更可能である。更に、非常電話機2は、フック部材250が並進移動することによりフックスイッチ204のオン・オフが切り替わるものであってもよいし、ソレノイド203とは別の動力を利用してフック部材250を移動させてもよい。また、回線制御装置9は、業務電話回線10を通じて接続される複数台の非常電話機2のいずれかから非常電話回線5に出力される話中音(BT)を検出した場合に、業務電話回線10の接続を解除するように構成されてもよい。
【解決手段】非常電話回線を介して受付台と接続される非常電話機の点検方法であって、非常電話回線とは別の電話回線を介して非常電話機に対し点検の開始を指示する開始信号を伝送し、開始信号を受信した非常電話機において該非常電話機と非常電話回線とを接続するスイッチのオン・オフを切り替えるフック部材を、スイッチをオフにする位置からオンにする位置に機械的に移動させて、非常電話回線を介して非常電話機と受付台とを接続し、非常電話回線に接続された非常電話機の受話器から音声を出力した状態で送話器により収音した音声信号を録音し、録音した音声信号を非常電話機で再生して非常電話回線に出力し、フック部材を、スイッチをオンにする位置からオフにする位置に機械的に移動させて非常電話機と非常電話回線との接続を解除する非常電話機の点検方法である。