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特許6886100情報処理装置、その処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886100
(24)【登録日】2021年5月18日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】情報処理装置、その処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 9/20 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   G06K9/20 340J
   G06K9/20 320J
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-223906(P2016-223906)
(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2017-102915(P2017-102915A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2019年11月18日
(31)【優先権主張番号】特願2015-227530(P2015-227530)
(32)【優先日】2015年11月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】上條 久美子
【審査官】 佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−283109(JP,A)
【文献】 特開2007−318403(JP,A)
【文献】 特開2001−143003(JP,A)
【文献】 特開2011−003964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 9/00 − 9/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票への記入内容を読み取る報処理装置であって、
理されている記入内容の読み取りに用いられる認識領域に基づき、帳票を取込んで得られる電子データにおいて取消を示す印の有無を判定する取消無判定手段と、
前記取消無判定手段により前記消を示す印が有ると判定された箇所に対応する前記認識領域が拡大された場合に、当該拡大された認識領域で得る記入内容を他の認識領域で得ないように、当該拡大された認識領域に重なる他の認識領域を縮小する認識領域変更手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取込まれた帳票を再度電子データとして取込む再取込手段と、
先に取込まれた帳票の電子データである第1の電子データと前記再取込手段により取込まれた帳票の電子データである第2の電子データとを比較することにより、新たに追加された文字を抽出する文字抽出手段とを更に備え、
前記認識領域変更手段は、
前記取消無判定手段により前記第2の電子データに前記取消を示す印が有ると判定された場合、前記文字抽出手段により抽出された文字を含むように前記第2の電子データの前記取消を示す印が有ると判定された箇所に対応する前記認識領域を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認識領域変更手段は、
前記他の認識領域を、前記拡大された認識領域重なりが無くなるように縮小することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取消無判定手段により前記消を示す印が有ると判定された場合、当該取消を示す印の近傍に訂正印の印影の有無を判定する印影有無判定手段と、
前記印影有無判定手段により前記取消を示す印の近傍に訂正印の印影が有ると判定された場合はエラーと判定せず、前記取消を示す印の近傍に訂正印の印影が無いと判定された場合はエラーと判定する印影エラー判定手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記込まれた帳票の電子データから前記認識領域に記入された内容を認識する記入内容認識手段と、
前記記入内容認識手段により前記取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、前記記入内容認識手段により前記取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する内容エラー判定手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記認識領域は、記入される内容の種別と対応付けられ
前記認識領域に対応付けられた前記種別が記号の場合であって、前記記入内容認識手段により前記取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、前記記入内容認識手段により前記取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する記号エラー判定手段とを備えることを特徴とする請求項5に記入の情報処理装置。
【請求項7】
前記認識領域に対応付けられた前記種別が文字の場合であって、前記記入内容認識手段により前記内容に前記取消を示す印が重畳されていない文字が有ると認識された場合はエラーと判定せず、前記記入内容認識手段により前記内容に前記取消を示す印が重畳されていない文字が無いと認識された場合はエラーと判定する文字エラー判定手段とを備えることを特徴とする請求項6に記入の情報処理装置。
【請求項8】
帳票への記入内容を読み取る報処理装置における処理方法であって、
前記情報処理装置が、
理されている記入内容の読み取りに用いられる認識領域に基づき、帳票を取込んで得られる電子データにおいて、取消を示す印の有無を判定する取消無判定ステップと、
前記取消無判定ステップにより前記消を示す印が有ると判定された箇所に対応する前記認識領域が拡大された場合拡大された認識領域で得る記入内容を他の認識領域で得ないように、当該拡大された認識領域に重なる他の認識領域を縮小する認識領域変更ステップとを実行することを特徴とする処理方法。
【請求項9】
帳票への記入内容を読み取る報処理装置で実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
理されている記入内容の読み取りに用いられる認識領域に基づき、帳票を取込んで得られる電子データにおいて取消を示す印の有無を判定する取消無判定手段と、
前記取消無判定手段により前記消を示す印が有ると判定された箇所に対応する前記認識領域が拡大された場合拡大された認識領域で得る記入内容を他の認識領域で得ないように、当該拡大された認識領域に重なる他の認識領域を縮小する認識領域変更手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記入不備チェックを行うための情報処理装置と、その処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者端末から帳票サーバに帳票データを送信して、帳票サーバ側で記入内容に不備の有無をチェックし、利用者端末にチェック結果を返す仕組みがある。
【0003】
特許文献1には、利用者端末から送信された帳票の記入内容の判定、オペレータの操作によるエラー修正、修正結果のメッセージを付与した処理結果の作成などの処理を行う電子処理システムの技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−28275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
帳票の記入時に記入ミスや選択ミスが発生した場合、記入者はミスを訂正するために、取消線(図6の611、621)を引いたり、その取消線に重ねて訂正印を押印(図6の612)したりすることがある。
しかし、特許文献1のシステム構成では、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行うことができないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、訂正を含む帳票の記入不備チェックを行う仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
帳票への記入内容を読み取る報処理装置であって、理されている記入内容の読み取りに用いられる認識領域に基づき、帳票を取込んで得られる電子データにおいて取消を示す印の有無を判定する取消無判定手段と、前記取消無判定手段により前記消を示す印が有ると判定された箇所に対応する前記認識領域が拡大された場合に、当該拡大された認識領域で得る記入内容を他の認識領域で得ないように、当該拡大された認識領域に重なる他の認識領域を縮小する認識領域変更手段とを備えることを特徴とす
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行う仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理システム100の構成の一例を示す図
図2】情報処理装置101のハードウエア構成の一例を示す図
図3】情報処理装置101の機能構成の一例を示すブロック図
図4】情報処理装置101における全体処理の一例を示すフローチャート
図5】情報処理装置101における記入不備チェック処理の一例を示すフローチャート
図6】帳票における訂正の一例を示す図
図7】情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面(不備なし)の一例を示す図
図8】情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面(不備あり)の一例を示す図
図9】記入不備チェック結果画面(不備あり)において認識領域を変更する画面の一例を示す図
図10】情報処理装置101において帳票フォームを管理するテーブルの一例を示す図
図11】情報処理装置101においてフォームごとの記入不備チェック認識領域および記入内容種別を管理するテーブルの一例を示す図
図12】情報処理装置101における記入不備チェック処理の結果リストの一例を示す図
図13】第2の実施形態の情報処理装置101における全体処理の一例を示すフローチャート
図14】第2の実施形態の情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面(不備なし)の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に情報処理システム100は、情報処理装置101およびサーバ102が、ネットワーク103により通信可能に接続された構成をとる。
【0011】
情報処理装置101は、カメラ等を用いて帳票の画像を取り込み、帳票の記入不備チェックを行う。サーバ102は、帳票画像の記入不備チェックするために必要な、記入内容の認識領域と記入内容種別を帳票フォーム識別情報(以下、フォームID)毎に管理している。情報処理装置101は、サーバ102から取得した認識領域と記入内容種別を用いて、帳票画像の記入不備チェックを行う。
【0012】
なお、本実施形態においては、情報処理装置101において記入不備チェックを行うとしたが、これに限定するものではなく、情報処理装置101からサーバ102へ帳票画像を送信し、サーバ102において認識領域と記入内容種別を用いて記入不備チェックを行い、その結果を情報処理装置101に送信し、情報処理装置101で結果を表示するとしてもよい。
【0013】
情報処理装置101は、デスクトップPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、およびPDA端末などの端末であって、ブラウザまたは情報処理システムのアプリケーションがインストールされており、LANや無線通信などのネットワーク103を介して、サーバ102と通信可能である。
【0014】
以下、図2を用いて、図1に示した情報処理装置101に適用可能なハードウエア構成の一例について説明する。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ212には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0015】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ212からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0016】
また、205は入力コントローラで、タッチセンサ210からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ211等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、ディスプレイ211と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて情報処理装置101のユーザが使用するものである。
【0017】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ212へのアクセスを制御する。
【0018】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク103を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0019】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ211上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ211上のタッチセンサ210におけるユーザのタッチ操作指示を受付けることを可能とする。
【0020】
本発明を実現するための後述する各種プログラムや各種テーブルは、外部メモリ212に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされ、CPU201によって実行されるものである。
【0021】
209は撮像画像入力コントローラで、撮像画像入力処理部214を介してカメラ215からの入力を制御する。カメラ215から入力された画像を認識し、撮像することが可能となっている。
【0022】
図3は、情報処理装置101とサーバ102の機能構成の一例を示すブロック図である。
取込部301は、帳票を電子データとして取込む機能部である。
管理部302は、帳票の認識領域を管理する機能部である。
取消印有無判定部303は、取込部301により取込まれた電子データのうち、管理部302により管理されている認識領域に取消を示す印の有無を判定する機能部である。
【0023】
認識領域変更部304は、取消印有無判定部303により認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、管理部302により管理されている当該認識領域を変更する機能部である。
【0024】
再取込部311は、取込部301により取込まれた電子データの帳票を再度電子データとして取込む機能部である。
文字抽出部312は、取込部301により取込まれた電子データと再取込部311により取込まれた電子データとを比較することにより、新たに追加された文字を抽出する機能部である。
【0025】
取消印有無判定部303は、再取込部311により取込まれた電子データのうち、管理部302により管理されている認識領域に取消を示す印の有無を判定する機能部である。
【0026】
認識領域変更部304は、取消印有無判定部303により認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、文字抽出部312により抽出された文字を含むように管理部302により管理されている当該認識領域を変更する機能部である。
【0027】
認識領域変更部304は、取消印有無判定部303により取消を示す印が有ると判定された認識領域を拡大し、当該拡大により領域が重なった他の認識領域を重なりが無くなるように縮小する機能部である。
【0028】
取消印有無判定部303は、取込部301により取込まれた電子データのうち、管理部302により管理されている認識領域に取消を示す印の有無を判定する機能部である。
【0029】
印影有無判定部305は、取消印有無判定部303により認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、当該取消を示す印の近傍に訂正印の印影の有無を判定する機能部である。
【0030】
印影エラー判定部306は、印影有無判定部305により取消を示す印の近傍に訂正印の印影が有ると判定された場合はエラーと判定せず、取消を示す印の近傍に訂正印の印影が無いと判定された場合はエラーと判定する機能部である。
記入内容認識部307は、取込部301により取込まれた電子データから認識領域に記入された内容を認識する機能部である。
【0031】
内容エラー判定部308は、記入内容認識部307により取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、記入内容認識部307により取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する機能部である。
管理部302は、認識領域と対応付けて、当該認識領域に記入される内容の種別を管理する機能部である。
【0032】
記号エラー判定部309は、認識領域に対応付けられた種別が記号の場合であって、記入内容認識部307により取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、記入内容認識部307により取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する機能部である。
【0033】
文字エラー判定部310は、認識領域に対応付けられた種別が文字の場合であって、記入内容認識部307により内容に取消を示す印が重畳されていない文字が有ると認識された場合はエラーと判定せず、記入内容認識部307により内容に取消を示す印が重畳されていない文字が無いと認識された場合はエラーと判定する機能部である。
【0034】
図4は、情報処理システム100における記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。
また、図7の記入不備チェック結果画面(不備なし)700は、情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面の一例で、記入不備がないケースである。画面上部に「記入不備はありませんでした。」を表示し、その下に撮像した帳票画像を表示する。
【0035】
また、図8の記入不備チェック結果画面(不備あり)800は、情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面の一例で、記入不備があるケースである。画面上部に「○箇所の記入不備があります。」を表示し、その下に撮像した帳票画像の記入不備箇所(801、802)を赤色の枠で囲んで表示する。
【0036】
なお、記入不備箇所の表示は、赤色の枠で囲む方法に限定するものではなく、赤色以外の枠、塗りつぶし、点滅、拡大、反転表示など、ユーザによる識別が可能となる表示であればよい。また、表示による識別方法に限定するものではなく、音声による記入不備箇所の読み上げなど音声による識別方法であってもよい。
【0037】
また、図10は、情報処理システム100において帳票フォームを管理するテーブルの一例を示す図である。フォームテーブル1000は、サーバ102および情報処理装置101の外部メモリ212に記憶され、情報処理システム100で管理する帳票フォームについて、「フォームID」「フォーム名」「フォーム画像のファイル名」を管理する。
【0038】
なお、フォームテーブル1000のレコードは、情報処理システム100のシステム管理者がサーバ102のフォームテーブル1000に登録し、システム管理者がメンテナンス画面(不図示)を用いてメンテナンスを行う。具体的には、帳票フォームが新規作成された場合は、フォームテーブル1000に新規レコードを登録する。また、帳票のレイアウト変更や文言変更によってフォーム画像ファイルが変更された場合は、フォームテーブル1000のフォーム画像の値を変更後のフォーム画像ファイル名に更新する。
【0039】
なお、後述する図4および図5の説明においては、情報処理装置101が、サーバ102において管理されるフォームテーブル1000およびフォーム定義テーブル1100から情報を取得し、情報処理装置101において管理するフォームテーブル1000およびフォーム定義テーブル1100に登録し、それらの情報を用いて記入不備チェックを行うとしたが、これに限定するものではなく、サーバ102のみにおいてフォームテーブル1000およびフォーム定義テーブル1100を管理し、情報処理装置101から送信された帳票画像を用いて、サーバ102が記入不備チェックを行うとしてもよい。
【0040】
図4の全体処理について説明する。なお、以下のフローチャートの各処理は、情報処理装置101のCPU201が行うものとする。
ステップS401において、情報処理システムのユーザによって行われる情報処理システムへのログインを受け付ける。なお、この記入不備チェック処理において、ユーザインターフェースとなる帳票アプリケーションは、情報処理装置101にインストールされたアプリケーションであってもよいし、ブラウザに表示されるWebアプリケーションなどのアプリケーションであってもよい。
【0041】
ステップS402において、カメラ215を用いて記入不備チェックを行う記入済帳票を撮像し、撮像された画像(以下、帳票画像)を外部メモリ212に記憶する。すなわち、ステップS402は、帳票を電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。なお、本実施形態においては、情報処理装置101のカメラ215を用いて帳票画像を取得するとしたが、デジタルカメラなどを用いて撮像された画像やスキャナーなどを用いてスキャンされた画像を情報処理装置101に取り込むとしてもよい。
【0042】
ステップS403において、帳票画像の帳票のフォームIDを特定する。具体的には、フォームテーブル1000の全レコードを検索し、「フォーム画像」カラムに記憶されているファイルパスを用いて外部メモリ212から取り出したフォーム画像と帳票画像とを比較することで、記入不備チェックを行う帳票フォームのフォームIDを特定する。外部メモリ212から取り出したフォーム画像と帳票画像を比較し、所定の値以上の割合で画像が一致した場合、帳票画像は外部メモリ212から取り出したフォーム画像の帳票フォームであると判定し、撮像した帳票のフォームIDは、画像比較で一致したフォーム画像に対応するフォームIDであると特定する。
【0043】
なお、この画像比較に用いる2つの画像は未加工のまま画像を比較してよいし、画像比較の精度を上げるために、輪郭を抽出するなどの画像加工を施した後に画像比較を行うとしてもよい。
【0044】
なお、本実施形態においては、帳票画像と情報処理装置101で管理するフォーム画像とを比較することで、記入不備チェックを行う帳票フォームの特定を行ったが、この方法に限定するものではなく、フォームIDを示すバーコードや番号を帳票に記しておき、撮像時の読み取りまたは帳票画像の解析から帳票のフォームIDを特定する方法などであってもよい。ここでは、帳票画像からフォームID=1000の「ショッピングクレジット申込書」が特定されたとする。
ステップS404において、記入不備チェック処理(図5)を行う。ここで、図5について説明しておく。
【0045】
図5は、情報処理システム100における記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。
また、図11は、情報処理システム100においてフォームごとの記入不備チェック認識領域およびチェック方法を管理するフォーム定義テーブルの一例を示す図である。フォーム定義テーブル1100は、サーバ102および情報処理装置101の外部メモリ212に記憶され、情報処理システム100で管理する帳票フォームについて、「フォームID」「(記入不備チェックにおいて認識領域を識別する)チェックID」「(認識領域に記入される)記入内容種別」「(認識領域の)起点座標(X、Y))」と「終点座標(X、Y)」を管理する。
【0046】
すなわち、フォーム定義テーブル1100は、帳票の認識領域を管理する手段の一例である。また、フォーム定義テーブル1100は、認識領域と対応付けて、当該認識領域に記入される内容の種別を管理する手段の一例である。
【0047】
なお、「記入内容種別」は、認識領域に記入される内容の種別を表すものであり、英数字・漢字かな・記号などの「文字」、○印やレ点など項目の選択を示す「選択」などがある。なお、本実施形態においては、「記入内容種別」の値として「文字」「選択」を挙げたが、これに限定するものではなく、例えば、文字の「桁数」、押印箇所を示す「印影」、領収書などの資料の添付箇所を示す「添付」などがあってもよい。
図5の記入不備チェック処理について説明する。
【0048】
ステップS501において、ステップS403にて特定された「フォームID」を検索キーとして、フォーム定義テーブル1100を検索し、フォーム定義レコードのリストを取得する。ここでは、「フォームID」=1000を検索キーとして、フォーム定義テーブル1100を検索し、「ショッピングクレジット申込書」のフォーム定義レコードリストを取得する。
【0049】
ステップS502において、チェック対象のチェックIDを示す変数 iに“1”、取消線の有無を示す変数 取消線フラグに“無”を設定し、RAM202に記憶する。
【0050】
ステップS503において、フォーム定義レコードリストからチェックID=iのレコードを取得し、「記入内容種別」「必須フラグ」「認識領域の起点(X座標、Y座標)終点(X座標、Y座標)」を取得する。
【0051】
ステップS504において、取得した記入内容種別の値について判定する。記入内容種別=“選択”の場合はステップS505に進み、記入内容種別=“文字”の場合はステップS512に進む。
【0052】
ステップS505において、帳票画像の認識領域(起点・終点の2点を対角とする矩形領域)を認識し、取消線の有無を判定する。取消線が有る場合はステップS506に進み、取消線が無い場合はステップS508に進む。
【0053】
すなわち、ステップS505は、取込まれた電子データのうち、認識領域に取消を示す印の有無を判定する処理の一例を示すステップである。なお、この認識領域の認識には、OCR・OMR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。なお、本実施例では図6の611のように取消線を二重線としているが、二重線に限定するものではなく、一本線や塗りつぶし等であってもよい。
ステップS506において、変数 取消線フラグに“有” を設定し、RAM202に記憶する。
【0054】
ステップS507において、認識領域の取消線の近傍に印影の有無を判定する。印影が有る場合はステップS508に進み、印影が無い場合は“エラー”と捉えてステップS511に進む。
【0055】
すなわち、ステップS507は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、当該取消を示す印の近傍に訂正印の印影の有無を判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS507は、取消を示す印の近傍に訂正印の印影が有ると判定された場合はエラーと判定せず、取消を示す印の近傍に訂正印の印影が無いと判定された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。
【0056】
これにより、取消線の近傍に印影が無い帳票はエラーとして判定できるため、取消線の近傍の印影の目検によるチェックを省略することができる。なお、本実施例では図6の612のように訂正印の印影としているが、印影に限定するものではなく、所定のマークやシールなど取消線を認めるものであればよい。
【0057】
ステップS508において、ステップS503にて取得した「必須フラグ」の値について判定する。“Yes”の場合はステップS509に進み、“No”の場合はステップS510に進む。
【0058】
ステップS509において、帳票画像の認識領域を認識し、○印やレ点など項目の選択を示すマークの有無を判定する。取消線の無い選択マーク(例えば、図6の613)が有る場合は“正常”と捉えてステップS510に進み、取消線の無い選択マーク(例えば、図6の613)が無い場合は“エラー”と捉えてステップS511に進む。
【0059】
すなわち、ステップS509は、取込まれた電子データから認識領域に記入された内容を認識する処理の一例を示すステップである。また、ステップS509は、取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS509は、認識領域に対応付けられた種別が記号の場合であって、取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。
【0060】
これにより、取消線の無い選択マークが無い認識領域はエラーとして判定できるため、目検によるチェックを省略することができる。なお、この選択マークの認識には、OMR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。なお、本実施例では選択マークを○印やレ点としているが、これらに限定するものではなく、×印や塗りつぶし等であってもよい。
ステップS510において、チェック結果を示す変数result[i]に“OK”を設定し、RAM202に記憶する。
ステップS511において、チェック結果を示す変数result[i]に“NG”を設定し、RAM202に記憶する。
【0061】
ステップS512において、帳票画像の認識領域を認識し、取消線の有無を判定する。取消線が有る場合はステップS513に進み、取消線が無い場合はステップS515に進む。なお、この認識領域の認識については、ステップS505と同様である。なお、本実施例では図6の621のように取消線を二重線としているが、二重線に限定するものではなく、一本線や塗りつぶし等であってもよい。
ステップS513において、変数 取消線フラグに“有” を設定し、RAM202に記憶する。
【0062】
ステップS514において、認識領域の取消線の近傍に印影の有無を判定する。印影が有る場合はステップS515に進み、印影が無い場合は“エラー”と捉えてステップS518に進む。
【0063】
すなわち、ステップS514は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、当該取消を示す印の近傍に訂正印の印影の有無を判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS514は、取消を示す印の近傍に訂正印の印影が有ると判定された場合はエラーと判定せず、取消を示す印の近傍に訂正印の印影が無いと判定された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS514は、認識領域に対応付けられた種別が文字の場合であって、内容に取消を示す印が重畳されていない文字が有ると認識された場合はエラーと判定せず、内容に取消を示す印が重畳されていない文字が無いと認識された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。
【0064】
これにより、取消線の近傍に印影が無い認識領域はエラーとして判定できるため、取消線の近傍の印影の目検によるチェックを省略することができる。なお、この認識領域の認識については、ステップS507と同様である。なお、本実施例では図6の622のように訂正印の印影としているが、印影に限定するものではなく、所定のマークやシールなど取消線を認めるものであればよい。
【0065】
ステップS515において、ステップS503にて取得した「必須フラグ」の値について判定する。“Yes”の場合はステップS516に進み、“No”の場合はステップS517に進む。
【0066】
ステップS516において、帳票画像の認識領域を認識し、英数字・漢字かな・記号などの「文字」に変換する。取消線の無い文字が有る場合は“正常”と捉えてステップS517に進み、取消線の無い文字が無い場合(例えば、図6の620)は“エラー”と捉えてステップS518に進む。すなわち、ステップS516は、取込まれた電子データから認識領域に記入された内容を認識する処理の一例を示すステップである。また、ステップS516は、取消を示す印が重畳されていない内容が有ると認識された場合はエラーと判定せず、取消を示す印が重畳されていない内容が無いと認識された場合はエラーと判定する処理の一例を示すステップである。
【0067】
これにより、取消線の無い文字が無い認識領域はエラーとして判定できるため、目検によるチェックを省略することができる。なお、この文字の認識には、OCR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。
ステップS517において、チェック結果を示す変数result[i]に“OK”を設定し、RAM202に記憶する。
ステップS518において、チェック結果を示す変数result[i]に“NG”を設定し、RAM202に記憶する。
【0068】
ステップS519において、記入不備チェック結果テーブル1200(図12)にレコードを登録する。図12の記入不備チェック結果テーブル1200は、「フォームID」「チェックID」「結果」「取消線フラグ」のカラムを持ち、記入不備チェックの結果=“NG”となったフォーム定義レコードの「フォームID」「チェックID」、「結果」=“NG”、「取消線フラグ」の“有”“無”をレコードとして登録する。
ステップS520において、変数iの値をインクリメントする。
【0069】
ステップS521において、ステップS501にて取得したフォーム定義レコードリストに、チェックID≧iのフォーム定義レコードの有無を判定する。有る場合はステップS503に戻り、無い場合は図5の記入不備チェック処理を終了する。
【0070】
以上で、図5の記入不備チェック処理の説明を終了する。図5の全体記入不備チェック処理によって、記入不備チェック結果テーブル1200に、記入不備チェックの結果=“NG”となったフォーム定義レコードについて、レコードが登録されていることになる。
【0071】
図4の記入不備チェック処理の説明に戻る。
ステップS406において、記入不備チェック結果に不備の有無を判定する。具体的には、記入不備チェック結果テーブル1200にレコードが存在するか否かによって判定する。不備が無いと判定された場合はステップS407に進み、不備が有ると判定された場合はステップS408に進む。
【0072】
ステップS407において、記入不備チェック結果画面(不備なし)700(図7)を表示する。具体的には、ステップS402にて取得した帳票画像をディスプレイ211に表示し、「記入不備はありませんでした。」のメッセージを重畳させ、図4の全体処理を終了する。
【0073】
ステップS408において、記入不備チェック結果画面(不備あり)800(図8)を表示する。具体的には、ステップS402にて取得した帳票画像をディスプレイ211に表示し、「記入不備があります。」のメッセージを重畳させる。
【0074】
ステップS409において、記入不備領域を識別して表示する(図8の801、802)。なお、記入不備領域の識別表示は、記入不備チェック結果テーブル1200のレコードの「フォームID」「チェックID」を検索キーとしてフォーム定義テーブル1100を検索し、「認識領域」の起点座標(X、Y)と終点座標(X、Y)を取得し、帳票画像上にその2点を対角とする赤色の矩形を表示する。これにより、記入不備のあった領域を識別可能に表示することができる。
【0075】
ステップS410において、記入不備領域に取消線の有無を判定する。具体的には、記入不備チェック結果テーブル1200のレコードに「取消線フラグ」=“有”のレコードの有無によって判定する。有と判定された場合はステップS411に進み、無と判定された場合は図4の全体処理を終了する。例えば、図12の記入不備チェック結果テーブル1200の場合、「チェックID」=6(電話番号)と17(住居)のレコードが「取消線フラグ」=“有”であるため、記入不備領域に取消線が有ると判定する。
【0076】
ステップS411において、取消線が有ると判定された認識領域について、図6の623のように認識領域の外に訂正した文字を記入している可能性があるため、枠の座標の変更を受け付ける。具体的には、取消線が有ると判定された認識領域(例えば、図8の801)の部分を図9のように拡大して、認識領域を枠として表示し、認識領域座標を変更するユーザ操作を受け付ける。ここでは、図9の901のように認識領域の底辺を下向きに拡大するようなユーザ操作(例えば、ドラッグ&ドロップ)を受け付けたとする。
【0077】
なお、本実施形態においては、ユーザ操作によって認識領域座標の変更を受け付けるとしたが、これに限定するものではなく、取消線が有ると判定された認識領域については、ユーザ操作を受け付けることなく、情報処理装置101のCPU201が認識領域を拡大または変更するとしてもよい。具体的には、取消線の上下左右の少なくとも一方に認識領域を拡大または変更し、記入内容の認識を行い、該当する文字列が存在した場合、その記入領域に変更する。
【0078】
また、図9の901のユーザ操作により、「電話番号」の認識領域が拡大されるが、同時に「携帯」の認識領域を領域の重なりが無くなるよう縮小する。これにより、訂正文字である“044 555”が「携帯」に係る記入文字であると誤認識してしまうことを防ぐことができる。すなわち、ステップS411は、取消を示す印が有ると判定された認識領域を拡大し、当該拡大により領域が重なった他の認識領域を重なりが無くなるように縮小する処理の一例を示すステップである。
【0079】
ステップS412において、認識領域座標を変更する。具体的には、変更を受け付けた認識領域の起点・終点の座標を取得し、フォーム定義テーブル1100の該当するレコードの「起点X座標」「起点Y座標」「終点X座標」「終点Y座標」に反映する。
【0080】
すなわち、ステップS412は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、当該認識領域を変更する処理の一例を示すステップである。ここでは、「フォームID」=1000、「チェックID」=6の電話番号の認識領域の終点(600,200)が終点(600,250)に変更されたとする。これにより、認識領域の外に訂正した文字が記入されている場合であっても、記入不備チェックを好適に行うことができる。
【0081】
ステップS413において、再チェックをするか否かの操作を受け付ける。再チェックするボタン902の押下を受け付けた場合はステップS405に戻って記入不備チェック処理を再び行う。再チェックしないボタン903の押下を受け付けた場合は図4の全体処理を終了する。
以上で、図4の全体処理の説明を終了する。
【0082】
なお、本実施形態においては、ステップS405の記入不備チェック処理終了後、ステップS412の認識領域の変更を行うとしたが、処理の順番を限定するものではなく、例えば、ステップS405の記入不備チェック処理の途中、つまりステップS518(チェック結果=“NG”と判明した)時点で認識領域変更画面900を表示して、認識領域の変更を行う等としてもよい。
【0083】
以上により、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行うことができないという課題を解決することができ、訂正を含む帳票の記入不備チェックを行う仕組みを提供することができる。
【0084】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合に認識領域を変更することにより、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行う仕組みであり、第2の実施形態は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合に自動で認識領域を変更することにより、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行う仕組みである。これにより、訂正を含む帳票の記入不備チェックをより好適に行うことができるようになる。
【0085】
また、第2の実施形態は、初回の帳票撮像後に、記入者が記入ミスを訂正し、再撮像した場面を想定している。なお、この「記入ミス」は、ステップS408にて表示された記入不備チェック結果画面(不備あり)800(図8)の記入不備箇所であってもよいし、記入不備として認識されなかったが記入者自身が「記入ミス」と判断した箇所であってもよい。
【0086】
図13図14を用いて、第2の実施形態について説明する。
図13は、第2の実施形態の情報処理装置101における全体処理の一例を示すフローチャートである。図14は、第2の実施形態の情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面(不備なし)の一例を示す図である。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態における図4のフローチャートを図13に置き換え、第1の実施形態のステップと同じ処理については、同じステップ番号を付与し説明を省略する。
【0087】
ステップS1301において、情報処理装置101は、初回に撮像した帳票についての記入不備チェック結果画面にて再撮像するか否かの操作を受け付け、再撮像する操作を受け付けた場合はステップS1302に進み、再撮像しない操作を受け付けた場合は図13のフローチャートを終了する。
【0088】
具体的には、初回に撮像した帳票についての記入不備チェック結果画面1400(図14)のような画面を表示し、「訂正した帳票を再撮像する」ボタン1401の押下を受け付けた場合はステップS1302に進み、「終了」ボタン1402の押下を受け付けた場合は図13のフローチャートを終了する。
【0089】
ステップS1302において、情報処理装置101は、カメラ215を用いて記入ミスを訂正した帳票の画像を撮像し、撮像画像を外部メモリ212に記憶する。すなわち、ステップS1302は、取込まれた電子データの帳票を再度電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。
【0090】
つまり、このステップS1302では、ステップS402(図13)にて撮像した帳票を再撮像することになる。なお、ステップS402による撮像(=初回撮像)画像とステップS1302による撮像(=再撮像)画像との区別がつくよう、撮像画像のファイル名に識別情報を持たせたり、ファイルのプロパティにフラグを持たせたりするようにする。
【0091】
ステップS1303において、情報処理装置101は、記入不備チェック結果を表示した撮像画像が、再撮像画像か否かを判定し、再撮像画像である場合はステップS1304に進み、再撮像画像ではない(=初回撮像画像)である場合はステップS411(図13)に進む。
【0092】
なお、再撮像した画像か否かの判定は、その画像がステップS402にて撮像した画像であれば再撮像ではない(=初回撮像画像)、ステップS1302にて撮像した画像であれば再撮像画像であると判定する。
【0093】
ステップS1304において、情報処理装置101は、外部メモリ212から取得した初回撮像画像と再撮像画像とを画像比較し、取消線、訂正印、追加されている文字・記号等を抽出する。また、取消線の近傍に追加されている文字(例:図6の623の“044 555”)は訂正文字として認識する。なお、このステップにおいては、画像比較および文字・記号抽出の技術を用いるが、これらは既知の技術であるため、説明は省略する。
【0094】
すなわち、ステップS1304は、取込まれた電子データと取込まれた電子データとを比較することにより、新たに追加された文字を抽出する処理の一例を示すステップである。また、ステップS1304は、取込まれた電子データのうち、管理されている認識領域に取消を示す印の有無を判定する処理の一例を示すステップである。
【0095】
ステップS1305において、情報処理装置101は、取消線を含む認識領域を、取消線と訂正文字を含む領域に拡大する。すなわち、ステップS1305は、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合、抽出された文字を含むように管理されている当該認識領域を変更する処理の一例を示すステップである。
【0096】
これにより、第1の実施形態では、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合にユーザによる認識領域の変更操作を受け付けて、認識領域の拡大を行ったが、第2の実施形態では、認識領域に取消を示す印が有ると判定された場合にユーザによる認識領域の変更操作を受け付けることなく、自動で認識領域の拡大をすることができるようになる。
【0097】
また、これにより、図6の620の「電話番号」の認識領域は訂正文字“044 555”を含むよう拡大されるが、同時に「携帯」の認識領域を領域の重なりが無くなるよう縮小する。これにより、訂正文字“044 555”が「携帯」に係る記入文字であると誤認識してしまうことを防ぐことができる。すなわち、ステップS1305は、取消を示す印が有ると判定された認識領域を拡大し、当該拡大により領域が重なった他の認識領域を重なりが無くなるように縮小する処理の一例を示すステップである。
以上で、図13の説明を終了する。
【0098】
以上により、訂正を含む帳票の記入不備チェックを好適に行うことができないという課題を解決することができ、訂正を含む帳票の記入不備チェックをより好適に行う仕組みを提供することができる。
【0099】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0100】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0101】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0102】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0105】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14