(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一液体を利用する装置である液体利用装置に前記第一液体を供給し、前記液体利用装置において前記第一液体が利用された後の液体である第二液体が流れる液体供給装置であって、
第一方向に前記第二液体が流れた場合に前記第二液体中の異物を除去し、前記第一方向とは逆方向ある第二方向に前記第二液体が流れた場合に、前記第二液体によって洗浄が行われる第一フィルタ部と、
第三方向に前記第二液体が流れた場合に前記第二液体中の異物を除去し、前記第三方向とは逆方向ある第四方向に前記第二液体が流れた場合に、前記第二液体によって洗浄が行われる第二フィルタ部と、
前記第一フィルタ部と前記第二フィルタ部とを含み、前記第一フィルタ部に対して前記第一方向に前記第二液体を流し、且つ、前記第二フィルタ部に対して前記第四方向に前記第二液体を流す状態である第一状態と、前記第一フィルタ部に対して第二方向に前記第二液体を流し、且つ、前記第二フィルタ部に対して前記第三方向に前記第二液体を流す状態である第二状態とを切り替える切替部と、
前記第一状態における前記第一フィルタ部よりも下流側、且つ、前記第二状態における前記第二フィルタ部よりも下流側に設けられ、前記第一フィルタ部に対して前記第一方向に流れた前記第二液体、又は、前記第二フィルタ部に対して前記第三方向に流れた前記第二液体と、他の媒体との熱交換を行う第一熱交換部と、
を備え、
前記第一状態において、前記第二液体と前記他の媒体とは、前記第一熱交換部を互いに逆方向に流れ、
前記第二状態において、前記第二液体と前記他の媒体とは、前記第一熱交換部を互いに逆方向に流れることを特徴とする液体供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具現化した液体供給装置1について説明する。液体供給装置1は、補給水21を液体利用装置32(後述)に供給し、液体利用装置32から排出された冷排水22の冷熱を利用する装置である。
図1に示すように、液体供給装置1は、液体利用装置32、冷却部90、制御部4、熱交換ユニット56、切替部300、及びタンク591を備えている。
【0021】
冷却部90は、冷却器901,902,903を備えている。冷却部90は、冷却器901,902,903によって、補給水21を冷却する。冷却器901,902,903は、例えば、空冷式又は水冷式のヒートポンプチラー(冷却塔)である。
【0022】
液体利用装置32は、補給水21を利用し、補給水21が利用された後の液体である冷排水22を排出する。液体利用装置32は、例えば、工場等に配置される。液体利用装置32は、補給水21を使用すればよく、その用途は限定されない。本実施形態では、一例として、液体利用装置32は、食材の冷却や洗浄を行う食材処理プラントである。補給水21は、例えば、上水である。補給水21には、例えば、水道、又は、井戸水等が使用される。冷排水22は、補給水21が液体利用装置32で使用された後の液体であるため、例えば、野菜の切れ端、土等の異物が含まれる。この異物が、後述する第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bによって除去される。なお、異物の除去とは、全ての異物が除去される場合だけでなく、一部の異物が除去されることによって冷排水22中の異物の量が減らされる場合も含む。
【0023】
切替部300は、第一フィルタ部36A及び第二フィルタ部36Bを含む。第一フィルタ部36A及び第二フィルタ部36Bは、例えば、ディスクフィルタである。第一フィルタ部36Aは、冷排水22が供給又は排出される出入口37A,38Aを備えている。第二フィルタ部36Bは、冷排水22が供給又は排出される出入口37B,38Bを備えている。
【0024】
以下の説明においては、第一フィルタ部36Aに対して、出入口37Aから流入し、出入口38Aから排出されるように冷排水22が流れる方向を第一方向という。第一フィルタ部36Aに対して、出入口38Aから流入し、出入口37Aから排出されるように冷排水22が流れる方向を第二方向という。第二方向は、第一方向の逆方向である。
【0025】
また、第二フィルタ部36Bに対して、出入口37Bから流入し、出入口38Bから排出されるように冷排水22が流れる方向を第三方向という。第二フィルタ部36Bに対して、出入口38Bから流入し、出入口37Bから排出されるように冷排水22が流れる方向を第四方向という。第四方向は、第二方向の逆方向である。
【0026】
第一フィルタ部36Aは、第一方向に冷排水22が流れた場合に、冷排水22中の異物を除去する。すなわち、出入口37Aから流入した冷排水22は、第一フィルタ部36Aにおいて異物が除去され、出入口38Aから排出される。
【0027】
また、第一フィルタ部36Aは、第二方向に冷排水22が流れた場合に、冷排水22によって洗浄される。第一フィルタ部36Aには、第一方向に冷排水22が流れた場合に、除去された異物が溜まるが、第二方向に冷排水22が流れた場合に洗浄されるのである。第一フィルタ部36Aに溜まっていた異物は、出入口37Aから排出され、流路73A(後述)から、液体供給装置1の外部に排出される。
【0028】
第二フィルタ部36Bは、第三方向に冷排水22が流れた場合に、冷排水22中の異物を除去する。すなわち、出入口37Bから流入した冷排水22は、第二フィルタ部36Bにおいて異物が除去され、出入口38Bから排出される。
【0029】
また、第二フィルタ部36Bは、第四方向に冷排水22が流れた場合に、冷排水22によって洗浄される。第二フィルタ部36Bには、第三方向に冷排水22が流れた場合に、除去された異物が溜まるが、第四方向に冷排水22が流れた場合に洗浄されるのである。第二フィルタ部36Bに溜まっていた異物は、出入口37Bから排出され、流路73B(後述)から、液体供給装置1の外部に排出される。
【0030】
熱交換ユニット56は、熱交換器561,562,563,564、ヒートポンプ35,
及びタンク591を備えている。熱交換ユニット56は、冷排水22の有する冷熱を回収するとともに、回収した冷熱によって補給水21を冷却するように構成されている。
【0031】
熱交換器561は、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に流れた冷排水22、又は、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に流れた冷排水22と、他の媒体との熱交換を行う。本実施形態においては、他の媒体は、第一熱媒体23である。熱交換器561においては、冷排水22から冷熱が回収され、第一熱媒体23が冷却される。第一熱媒体23は、例えば、常温常圧で気体の冷媒(例えば、R134a)である(後述する第二熱媒体24及び第三熱媒体25も同様)。また、第一熱媒体23は、水及び空気等、種々の媒体であってもよい。(後述する第二熱媒体24及び第三熱媒体25も同様)
【0032】
熱交換器562は、熱交換器561を通過した第一熱媒体23と補給水21との熱交換を行う。熱交換器562においては、第一熱媒体23から冷熱が回収され、補給水21が冷却される。すなわち、熱交換器561と熱交換器562とによって、冷排水22の冷熱が回収され、補給水21が冷却される。補給水21は、熱交換器562を通過した後に、液体利用装置32に供給される。
【0033】
熱交換器564は、熱交換器561を通過した冷排水22と、第二熱媒体24との熱交換を行う。熱交換器564においては、冷排水22から冷熱が回収され、第二熱媒体24が冷却される。
【0034】
ヒートポンプ35は、熱交換器564を通過した第二熱媒体24と、第三熱媒体25との熱交換を行う。ヒートポンプ35においては、第二熱媒体24から冷熱が回収され、第三熱媒体25が冷却される。ヒートポンプ35の動作の詳細については、後述する。
【0035】
熱交換器563は、ヒートポンプ35を通過した第三熱媒体25と補給水21との熱交換を行う。熱交換器563においては、第三熱媒体25から冷熱が回収され、補給水21が冷却される。すなわち、熱交換器564、ヒートポンプ35、及び熱交換器563によって、冷排水22の冷熱が回収され、補給水21が冷却される。冷却された補給水21は、熱交換器563を通過した後に、液体利用装置32に供給される。なお、本実施形態においては、補給水21は、熱交換器562、熱交換器563、及び冷却部90を通過した後に、液体利用装置32に供給される。
【0036】
タンク591は、補給水21を貯留可能であり、バッファとして機能する。タンク591は、例えば、流路に詰まりが発生した場合等、液体供給装置1に何らかの障害が生じた場合に、液体供給装置1を流れる補給水21を貯留したり、流路を変更したりする。これによって、例えば、液体供給装置1が故障して停止することを防止することができる。また、例えば、液体供給装置1を再度起動する場合に、より早く補給水21を設定温度に調温することができる。本実施形態においては、一例として、タンク591は、後述する流路337と流路331との間に設けられている。なお、液体供給装置1の任意の位置に、タンクを配置してもよい。また、タンクを設置するに場合に、適宜ポンプを配置してもよい。
【0037】
制御部4は、CPU40、ROM41、及びRAM42等を備えている。液体供給装置1において、制御部4が配置される場所は限定されない。例えば、制御部4は、熱交換ユニット56内に配置されてもよい。
【0038】
CPU40は、液体供給装置1の制御を行う。なお、CPU40は、液体供給装置1の全ての機器の制御を行わなくてもよく、一部の機器の制御は、他のCPUによって行われてもよい。例えば、液体利用装置32及び冷却部90は、CPU40とは異なるCPUによって制御されてもよい。
【0039】
ROM41及びRAM42は、CPU40に電気的に接続されている。ROM41は、後述する第一切替処理(
図5参照)のプログラム等、種々の処理プログラムを記憶する。RAM42は、種々の一時データを記憶する。
【0040】
液体供給装置1の詳細な構成について説明する。液体供給装置1は、種々の流路、及び電磁弁等を備えている。
図1に示すように、流路309は、原水である補給水21が供給される流路である。流路309は、接続点383において、流路341と流路310とに接続されている。流路310には、電磁弁411が設けられている。電磁弁411は、CPU40の制御によって、流路310を開閉する。
【0041】
流路310は、接続点384において、流路311と流路339とに接続されている。流路311は、冷却部90の冷却器901に接続されている。
【0042】
冷却部90の冷却器901は、流路312を介して、冷却器902に接続されている。冷却器902は、流路313を介して、冷却器903に接続されている。冷却器903は、流路314を介して、液体利用装置32に接続されている。
【0043】
液体利用装置32から、流路315が延びる。流路315は、切替部300に接続されている。切替部300は、流路70A,70B,72A,72B,73A,73B,74A,74B,75A,75B,76A,76B、電磁弁80A,80B,81A,81B,82A,82B,83A,83B、第一フィルタ部36A、及び第二フィルタ部36Bを備えている。
【0044】
流路315は、接続点371において、流路70Aと流路70Bに接続されている。流路70Aには、電磁弁80Aが設けられている。電磁弁80Aは、CPU40の制御によって、流路70Aを開閉する。
【0045】
流路70Aは、接続点86Aにおいて流路72Aと流路73Aとに接続されている。流路73Aには、電磁弁81Aが設けられている。電磁弁81Aは、CPU40の制御によって、流路73Aを開閉する。
【0046】
流路72Aは、第一フィルタ部36Aの出入口37Aに接続されている。第一フィルタ部36Aの出入口38Aは、流路74Aに接続されている。流路74Aは、接続点87Aにおいて、流路75Aと流路76Aとに接続されている。流路75Aには、電磁弁82Aが設けられている。電磁弁82Aは、CPU40の制御によって、流路75Aを開閉する。流路75Aは、接続点374において、流路323と流路75Bとに接続されている。
【0047】
流路76Aには、電磁弁83Aが設けられている。電磁弁83Aは、CPU40の制御によって、流路76Aを開閉する。流路76Aは、接続点375において、流路76Bと流路325とに接続されている。
【0048】
流路70Bには、電磁弁80Bが設けられている。電磁弁80Bは、CPU40の制御によって、流路70Bを開閉する。
【0049】
流路70Bは、接続点86Bにおいて流路72Bと流路73Bとに接続されている。流路73Bには、電磁弁81Bが設けられている。電磁弁81Bは、CPU40の制御によって、流路73Bを開閉する。
【0050】
流路72Bは、第二フィルタ部36Bの出入口37Bに接続されている。第二フィルタ部36Bの出入口38Bは、流路74Bに接続されている。流路74Bは、接続点87Bにおいて、流路75Bと流路76Bとに接続されている。流路75Bには、電磁弁82Bが設けられている。電磁弁82Bは、CPU40の制御によって、流路75Bを開閉する。流路75Bは、接続点374において、流路323と流路75Aとに接続されている。
【0051】
流路76Bには、電磁弁83Bが設けられている。電磁弁83Bは、CPU40の制御によって、流路76Bを開閉する。流路76Bは、接続点375において、流路76Aと流路325とに接続されている。
【0052】
以上のように、切替部300が形成される。流路323は、熱交換器561に接続されている。流路323には、流量計611、圧力計621、及び温度計631が設けられている。流量計611は、流路323を流れる冷排水22の流量を、CPU40に出力する。CPU40は、流量計611の出力に基づき、流路323を流れる冷排水22の流量を検出する。圧力計621は、流路323を流れる冷排水22の圧力を、CPU40に出力する。CPU40は、圧力計621の出力に基づき、流路323を流れる冷排水22の圧力を検出する。温度計631は、流路323を流れる冷排水22の温度を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計631の出力に基づき、流路323を流れる冷排水22の温度を検出する。
【0053】
流路325には、圧力計622、及び温度計632が設けられている。圧力計622は、流路325を流れる冷排水22の圧力を、CPU40に出力する。CPU40は、圧力計622の出力に基づき、流路325を流れる冷排水22の圧力を検出する。温度計632は、流路325を流れる冷排水22の温度を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計632の出力に基づき、流路325を流れる冷排水22の圧力を検出する。
【0054】
流路325は、接続点376において、流路326と流路327とに接続されている。流路326は、熱交換器561に接続されている。流路323から熱交換器561に供給された冷排水22は、流路326に排出される。
【0055】
熱交換器561には、流路328と流路329とが接続されている。また、流路328と流路329とは、熱交換器562に接続されている。流路328,329は、第一熱媒体23が流れる流路である。
【0056】
流路328には、ポンプ603、流量計613、及び温度計633が設けられている。ポンプ603は、熱交換器561、流路328、熱交換器562、及び流路328において、第一熱媒体23を循環させる。
【0057】
流量計613は、流路328を流れる第一熱媒体23の流量に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、流量計613の出力に基づき、流路328を流れる第一熱媒体23の流量を検出する。温度計633は、流路328を流れる第一熱媒体23の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計633の出力に基づき、流路328を流れる第一熱媒体23の温度を検出する。
【0058】
流路329には、温度計634が設けられている。温度計634は、流路329を流れる第一熱媒体23の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計634の出力に基づき、流路329を流れる第一熱媒体23の温度を検出する。
【0059】
熱交換器562には、流路330と流路331とが接続されている。流路331には、流量計615と温度計635とが設けられている。流量計615は、流路331を流れる補給水21の流量に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、流量計615の出力に基づき、流路331を流れる補給水21の流量を検出する。温度計635は、流路331を流れる補給水21の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計635の出力に基づき、流路331を流れる補給水21の温度を検出する。
【0060】
熱交換器564には、流路327と流路336とが接続されている。流路327から熱交換器564に供給された冷排水22は、流路336に排出される。冷排水22は、流路336から、液体供給装置1の外部に排出される。
【0061】
熱交換器564には、流路334と流路335とが接続されている。また、流路334と流路335とは、ヒートポンプ35に接続されている。流路334,335は、第二熱媒体24が流れる流路である。
【0062】
流路335には、ポンプ606、流量計616、及び温度計636が設けられている。ポンプ603は、熱交換器564、流路335、ヒートポンプ35、及び流路334において、第二熱媒体24を循環させる。
【0063】
流量計616は、流路335を流れる第二熱媒体24の流量に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、流量計616の出力に基づき、流路335を流れる第二熱媒体24の流量を検出する。
【0064】
温度計636は、流路335を流れる第二熱媒体24の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計636の出力に基づき、流路335を流れる第二熱媒体24の温度を検出する。
【0065】
流路334には、温度計637が設けられている。温度計637は、流路334を流れる第二熱媒体24の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計637の出力に基づき、流路334を流れる第二熱媒体24の温度を検出する。
【0066】
熱交換器563には、流路330と流路337とが接続されている。流路330から熱交換器563に供給された補給水21は、流路337に排出される
【0067】
熱交換器563には、流路332と流路333とが接続されている。また、流路332と流路333とは、ヒートポンプ35に接続されている。流路332,333は、第三熱媒体25が流れる流路である。
【0068】
流路333には、ポンプ608、流量計618、及び温度計638が設けられている。ポンプ608は、ヒートポンプ35、流路333、熱交換器563、及び流路332において、第三熱媒体25を循環させる。
【0069】
流量計618は、流路333を流れる第三熱媒体25の流量に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、流量計618の出力に基づき、流路333を流れる第三熱媒体25の流量を検出する。温度計638は、流路333を流れる第三熱媒体25の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計638の出力に基づき、流路333を流れる第三熱媒体25の温度を検出する。
【0070】
流路332には、温度計639が設けられている。温度計639は、流路332を流れる第三熱媒体25の温度に基づく信号を、CPU40に出力する。CPU40は、温度計639の出力に基づき、流路332を流れる第三熱媒体25の温度を検出する。
【0071】
前述したように、ヒートポンプ35には、流路332と流路333とが接続されている。また、ヒートポンプ35には、流路334と流路335とが接続されている。ヒートポンプ35の詳細については後述する。
【0072】
流路331は、接続点381において、流路340と流路341とに接続されている。流路340は、タンク591に接続されている。流路341は、接続点383において、流路309と流路310とに接続されている。
【0073】
流路341には、電磁弁413が設けられている。電磁弁413は、CPU40の制御によって、流路341を開閉する。
【0074】
また、流路337は、接続点382において、流路338と流路339とに接続されている。流路338は、タンク591に接続されている。流路339は、接続点384において、流路310と流路311とに接続されている。接続点384は、電磁弁411より冷却部90側(すなわち、補給水21の下流側)に設けられている。
【0075】
流路339には、電磁弁412が設けられている。電磁弁412は、CPU40の制御によって、流路339を開閉する。
【0076】
ヒートポンプ35の詳細について説明する。ヒートポンプ35は、第二熱媒体24の温度を利用して、第三熱媒体25を冷却するように構成されている。なお、第二熱媒体24は、熱交換器564において冷排水22によって冷却され、補給水21は、熱交換器563において第三熱媒体25によって冷却される。すなわち、ヒートポンプ35は、冷排水22の温度を利用して、補給水21を冷却するように構成されている。
【0077】
図2に示すように、ヒートポンプ35は、熱交換器351と、熱交換器352と、圧縮機353と、膨張弁354と、中間冷媒配管355とを備えている。中間冷媒配管355は、冷媒356が通流する循環配管である。冷媒356は、常温常圧で気体の冷媒であって、例えば、R134aである。
【0078】
熱交換器352は、流路334と流路335とに接続されている。熱交換器352は、中間冷媒配管355を介して、熱交換器351に接続されている。熱交換器352は、流路335を介して供給される第二熱媒体24と、冷媒356との間で熱交換を行う。これによって、第二熱媒体24から冷熱が回収され、冷媒356が冷却される。
【0079】
熱交換器351は、流路332と流路333とに接続されている。熱交換器351は、流路332から供給される第三熱媒体25と、中間冷媒配管355を流れる冷媒356との間で熱交換を行う。これによって、冷媒356から冷熱が回収され、第三熱媒体25が冷却される。熱交換が行われた後の第三熱媒体25は、流路333に流出する。
【0080】
圧縮機353及び膨張弁354は、中間冷媒配管355に介装されている。圧縮機353は、冷媒356を圧縮させるように構成されている。冷媒356が圧縮されることによって、冷媒356の温度が上昇する。膨張弁354は、冷媒356を膨張させるように構成されている。冷媒356が膨張することによって、冷媒356の温度が低下する。
【0081】
本実施形態においては、第三熱媒体25が熱交換器351によって冷却される。より詳細には、圧縮機353によって冷媒356が圧縮される。これによって、冷媒356の温度が上昇する。次いで、熱交換器352によって、第二熱媒体24と冷媒356との熱交換が行われる。このとき、第二熱媒体24の温度は上昇し、冷媒356の温度は低下する。次いで、膨張弁354によって冷媒356が膨張する。これによって、冷媒356の温度は低下する。次いで、熱交換器351において、第三熱媒体25と冷媒356との熱交換によって、第三熱媒体25が冷却される。冷却された第三熱媒体25は、流路333を介して熱交換器563に供給され、補給水21の冷却に使用される。
【0082】
図1、
図3、及び
図4を参照し、液体供給装置1の動作について説明する。図示しないが、液体供給装置1の起動時においては、液体利用装置32からの冷排水22の排出量が十分ではない。このため、液体供給装置1の起動時においては、CPU40の制御によって、電磁弁412,413が閉じられ、熱交換ユニット56への補給水21の流れが遮断される。一方、電磁弁411は開かれ、補給水21は、流路309,310,311を介して、冷却部90に流れる。また、冷却器901,902,903が起動される。
【0083】
すると、冷却器901,902,903によって補給水21が順次冷却されることで、冷却器903の出口にて所定温度(本具体例においては2度)の補給水21が排出される。このようにして製造された補給水21は、液体利用装置32に供給される。
【0084】
液体供給装置1の起動時から暫く経過すると、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出される。冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出されるまでの間は、切替部300が第一状態(
図3参照、後述)、又は、第二状態(
図4参照、後述)のいずれかに設定されればよい。また、切替部300が、第一状態と第二状態で切り替えられてもよい。
【0085】
冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出されると、熱交換ユニット56を介して、補給水21が液体利用装置32に供給されるように設定される。
【0086】
より詳細には、
図3に示すように、CPU40の制御によって、電磁弁411が閉じられ、電磁弁412,413が開かれる。なお、以下では特に説明しないが、流路を閉じた電磁弁には、マーク95を図示するものとする。
【0087】
補給水21は、流路309から供給される(矢印501参照)。流路309を流れる補給水21の温度は、一例として19度であるとする。補給水21は、流路309、流路341、及び流路331を流れ、熱交換器562に供給される(矢印502参照)。
【0088】
熱交換器562において、第一熱媒体23と補給水21との熱交換が行われる。これによって、第一熱媒体23から冷熱が回収され、補給水21が冷却される。補給水21の温度は、例えば、19度から14度に下がる。補給水21は、熱交換器562から流路330に供給される(矢印503参照)。
【0089】
補給水21は、流路330を介して、熱交換器563に供給される(矢印503参照)。熱交換器563において、第三熱媒体25と補給水21との熱交換が行われる。これによって、第三熱媒体25から冷熱が回収され、補給水21が冷却される。補給水21の温度は、例えば、14度から9度に下がる。補給水21は、熱交換器563から流路337に供給される(矢印504参照)。
【0090】
補給水21は、流路337、339、及び311を介して、冷却部90の冷却器901に供給される(矢印504参照)。すなわち、本実施形態においては、熱交換器562,563は、冷却器901,902,903と直列に配置されている。
【0091】
補給水21は、冷却器901、流路312、冷却器902、及び流路313を介して、流路314に供給される。補給水21は、冷却器901,902,903によって冷却される。これによって、補給水21の温度は、例えば、9度から2度に下がる。
【0092】
補給水21は、流路314を介して、液体利用装置32に供給される(矢印504参照)。補給水21は、液体利用装置32において使用され、冷排水22が流路315に排出される(矢印505参照)。冷排水22には、補給水21が液体利用装置32において使用された後の液体であるため、例えば、野菜の切れ端、土等の異物が含まれる。
【0093】
冷排水22は、切替部300に供給される。切替部300における冷排水22の流れについての詳細は後述する。なお、冷排水22に含まれる異物は、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bによって除去される。
【0094】
第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bにおいて異物が除去された冷排水22は、流路323を介して、熱交換器561に供給される。流路323を流れる冷排水22の温度は、例えば、10度である。
【0095】
一方、流路329を流れる第一熱媒体23は、熱交換器561に供給される(
図3及び
図4の矢印511参照)。熱交換器561において、冷排水22と第一熱媒体23との熱交換が行われる。これによって、冷排水22から冷熱が回収され、第一熱媒体23が冷却される。第一熱媒体23の温度は、例えば、17度から12度に下がる。一方、冷排水22の温度は、10度から15度に上がる。第一熱媒体23は、熱交換器561から、流路328を介して、熱交換器562に供給される。
【0096】
冷排水22は、熱交換器561から流路326に供給される。冷排水22は、接続点376において、流路325と流路327とに分岐する。冷排水22は、流路327を介して、熱交換器564に供給される(矢印506参照)。
【0097】
一方、流路334を流れる第二熱媒体24は、熱交換器564に供給される(
図3及び
図4の矢印512参照)。熱交換器564において、冷排水22と第二熱媒体24との熱交換が行われる。これによって、冷排水22から冷熱が回収され、第二熱媒体24が冷却される。第二熱媒体24の温度は、例えば、23度から17度に下がる。一方、冷排水22の温度は、例えば、15度から21度に上がる。
【0098】
冷排水22は、熱交換器564から流路336に供給される。冷排水22は、流路336を介して、液体供給装置1の外部に排水される(矢印507参照)。
【0099】
第二熱媒体24は、熱交換器564から流路335に供給される。第二熱媒体24は、流路335を介して、ヒートポンプ35に供給される。一方、第三熱媒体25は、流路332を介してヒートポンプ35に供給される。前述したように、ヒートポンプ35において、第二熱媒体24と第三熱媒体25との間の熱交換が行われる。これによって、第二熱媒体24から冷熱が回収され、第三熱媒体25が冷却される。第三熱媒体25の温度は、例えば、12度から7度に下がる。第二熱媒体24の温度は、例えば、17度から23度に上がる。
【0100】
第三熱媒体25は、ヒートポンプ35から、流路333を介して、熱交換器563に供給される(
図3及び
図4の矢印513参照)。前述したように、熱交換器563において、補給水21と第三熱媒体25との熱交換が行われる。これによって、第三熱媒体25から冷熱が回収され、補給水21が冷却される。補給水21の温度は、例えば、14度から9度に下がる。一方、冷排水22の温度は、例えば、7度から12度に上がる。第三熱媒体25は、熱交換器563から流路332に供給される。
【0101】
切替部300における流路の切り替えについて説明する。切替部300は、CPU40の制御によって、第一状態(
図3参照)と第二状態(
図4参照)とに切り替えられる。第一状態は、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に冷排水22を流し(
図3の矢印521参照)、且つ、第二フィルタ部36Bに対して第四方向に冷排水22を流す状態である(
図3の矢印522参照)。第二状態は、第一フィルタ部36Aに対して第二方向に冷排水22を流し(
図4の矢印531参照)、且つ、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に冷排水22を流す状態である(
図4の矢印532参照)。
【0102】
図3に示すように、第一状態に設定する場合、CPU40は、電磁弁80A,82A及び電磁弁81B,83Bを開き、電磁弁81A,83A及び電磁弁80B,82Bを閉じる。これによって、冷排水22は、流路315、流路70A、流路72A、第一フィルタ部36A、流路74A、流路75Aを介して、流路323に供給される(
図3の矢印521参照)。冷排水22は、流路232を介して、熱交換器561に供給される(
図3の矢印527参照)。すなわち、熱交換器561には、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に流れた冷排水22が供給される。第一フィルタ部36Aにおいて、第一方向に冷排水22が流れるので、冷排水22中の異物が除去される。
【0103】
また、第一状態の場合、熱交換器561を通過した冷排水22は、流路326、流路325を介して、切替部300に供給される。冷排水22は、流路76B、流路74B、第二フィルタ部36B、流路72B、流路73Bを介して、液体供給装置1の外部に排水される。第二フィルタ部36Bにおいて、第四方向に冷排水22が流れるので、冷排水22によって、第二フィルタ部36Bが洗浄される。洗浄によって第二フィルタ部36Bから除去された異物は、冷排水22とともに流路73Bから排出される。
【0104】
図4に示すように、第二状態に設定する場合、CPU40は、電磁弁80B,82B及び電磁弁81A,83Aを開き、電磁弁81B,83B及び電磁弁80A,82Aを閉じる。これによって、冷排水22は、流路315、流路70B、流路72B、第二フィルタ部36B、流路74B、流路75Bを介して、流路323に供給される(
図4の矢印532参照)。冷排水22は、流路323を介して、熱交換器561に供給される(
図4の矢印527参照)。すなわち、熱交換器561には、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に流れた冷排水22が供給される。第二フィルタ部36Bにおいて、第三方向に冷排水22が流れるので、冷排水22中の異物が除去される。
【0105】
また、第二状態の場合、熱交換器561を通過した冷排水22は、流路326、流路325を介して、切替部300に供給される。冷排水22は、流路76A、流路74A、第一フィルタ部36A、流路72A、流路73Aを介して、液体供給装置1の外部に排水される。第一フィルタ部36Aにおいて、第二方向に冷排水22が流れるので、冷排水22によって、第一フィルタ部36Aが洗浄される。洗浄によって第一フィルタ部36Aから除去された異物は、冷排水22とともに流路73Aから排出される。
【0106】
図5を参照し、CPU40によって、実行される第一切替処理について説明する。なお、CPU40は、液体供給装置1が起動された場合に、ROM41に記憶された制御プログラムを読み出し、RAM42に展開する。CPU40は、制御プログラムに従って、液体供給装置1を制御する。制御プログラムには、
図5に示す第一切替処理のプログラムが含まれる。CPU40は、第一切替処理のプログラムに従って、第一切替処理を実行する。
【0107】
図5に示すように、第一切替処理においては、第一状態(
図3参照)と第二状態(
図4参照)とを切り替えるか否かが判断される(S1)。CPU40は、例えば、流量計611の出力に基づく流路323の流量が所定値以下になった場合に、第一状態と第二状態とを切り替えると判断する。流路323の流量が所定値以下となる場合、異物によって第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bの流れが悪化していることが想定されるからである。なお、CPU40は、他の判断基準に基づいて、第一状態と第二状態とを切り替えると判断してもよい。例えば、CPU40は、第一状態又は第二状態に設定してから、所定時間(例えば、1時間)が経過した場合に、流路を切り替えると判断してもよい。
【0108】
CPU40は、第一状態と第二状態とを切り替えないと判断した場合(S1:NO)、S1の処理を繰り返す。CPU40は、第一状態と第二状態とを切り替えると判断した場合(S1:YES)、切替部300において、第一状態と第二状態とを切り替える(S2)。CPU40は、第一状態(
図3参照)に設定している場合、第一状態(
図3参照)から第二状態(
図4参照)に切り替える(S2)。すなわち、CPU40は、電磁弁80B,82B及び電磁弁81A,83Aを開き、電磁弁81B,83B及び電磁弁80A,82Aを閉じる。
【0109】
また、CPU40は、第二状態(
図4参照)に設定している場合、第二状態(
図4参照)から第一状態(
図3参照)に切り替える。すなわち、CPU40は、電磁弁80A,82A及び電磁弁81B,83Bを開き、電磁弁81A,83A及び電磁弁80B,82Bを閉じる。次いで、CPU40は、処理をS1に戻す。
【0110】
以上のように、本実施形態における液体供給装置1が形成される。本実施形態では、第一状態(
図3参照)と第二状態(
図4参照)とが切り替えられる(
図5のS2参照)。そして、熱交換器561は、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に流れた冷排水22(
図3参照)、又は、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に流れた冷排水22(
図4参照)と、他の媒体(本実施形態では第一熱媒体23)との熱交換を行う。
【0111】
第一状態(
図3参照)においては、第一フィルタ部36Aが冷排水22中の異物を除去し、且つ、第二フィルタ部36Bが冷排水22によって洗浄される。第二状態(
図3参照)においては、第二フィルタ部36Bが冷排水22中の異物を除去し、且つ、第一フィルタ部36Aが冷排水22によって洗浄される。すなわち、第一フィルタ部36Aと第二フィルタ部36Bとの一方が冷排水22中の異物を除去している間に、他方が洗浄される。そして、第一状態(
図3参照)と第二状態(
図4参照)とが切り替えられる。このため、例えば、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bを洗浄するために、液体供給装置1を停止させる必要がない。よって、液体供給装置1が停止される場合に比べて、単位時間当たりの液体供給装置1の稼働時間が長くなり、液体供給装置1の運転効率が向上する。
【0112】
また、熱交換器561は、冷排水22の流路において、第一状態における第一フィルタ部36Aよりも下流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも下流側に設けられている。そして、熱交換器561は、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に流れた冷排水22、又は、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に流れた冷排水22と、他の媒体である第一熱媒体23との熱交換を行う。熱交換器561が第一フィルタ部36A及び第二フィルタ部36Bよりも下流側に設けられているので、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bによって異物が除去された冷排水22が、熱交換器561に流入する。よって、熱交換器561が、第一状態における第一フィルタ部36Aよりも上流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも上流側に設けられている場合に比べて、熱交換器561に異物が流入し、異物によって熱交換器561に故障が生じる可能性を低減できる。
【0113】
また、流路326、流路325、流路76A、及び流路74Aは、熱交換器561を通過した後の冷排水22を、第一フィルタ部36Aに対して第二方向に流す(
図3参照)。流路326、流路325、流路76B、及び流路74Bは、熱交換器561を通過した後の冷排水22を、第二フィルタ部36Bに対して第四方向に流す(
図4参照)。このため、熱交換器561を通過する前の冷排水22の一部が、第一フィルタ部36Aに対して第二方向に流れる場合、又は、第二フィルタ部36Bに対して第四方向に流れる場合に比べて、熱交換器561に供給される冷排水22の量が多くなる。このため、熱交換器561における熱交換の効率が向上する。
【0114】
また、熱交換器561は、第一フィルタ部36Aに対して第一方向に流れた冷排水22(
図3参照)、又は、第二フィルタ部36Bに対して第三方向に流れた冷排水22(
図4参照)と、第一熱媒体23との熱交換を行う。熱交換器562は、熱交換器561を通過した第一熱媒体23と、補給水21との熱交換を行う(
図3及び
図4参照)。補給水21は、熱交換器562を通過した後に、液体利用装置32に供給される。このため、熱交換器562によって熱交換された後の補給水21を液体利用装置32に供給することができる。よって、熱交換器561及び熱交換器562によって熱交換されない場合に比べて、補給水21を冷却するためのエネルギーを低減できる。よって、補給水21を冷却するためのコストを低減することができる。
【0115】
また、補給水21は、熱交換器562に供給され、冷排水22は、熱交換器561に供給される。すなわち、補給水21と冷排水22とが、同じ熱交換器に供給されない。このため、熱交換器561又は熱交換器562が故障した場合でも、冷排水22が補給水21に混ざることが防止される。冷排水22は、液体利用装置32において使用された後の液体であるため、補給水21よりも異物が混入している可能性が高くなる。しかし、冷排水22が補給水21に混ざることが防止されるので、異物が混ざった補給水21が、液体利用装置32において使用される可能性を低減できる。
【0116】
また、熱交換器564は、熱交換器561を通過した冷排水22と、第二熱媒体24との熱交換を行う(
図3及び
図4参照)。ヒートポンプ35は、熱交換器561を通過した第二熱媒体24と、第三熱媒体25との熱交換を行う。熱交換器563は、ヒートポンプ35を通過した第三熱媒体25と、補給水21との熱交換を行う。補給水21は、熱交換器563を通過した後に、液体利用装置32に供給される。このため、熱交換器563によって熱交換された後の補給水21を液体利用装置32に供給することができる。よって、熱交換器564、ヒートポンプ35、及び熱交換器563によって熱交換されない場合に比べて、補給水21を冷却するためのエネルギーを低減できる。よって、補給水21を冷却するためのコストを低減することができる。
【0117】
また、冷排水22と補給水21とは、同じ熱交換器に供給されない。このため、熱交換器564、ヒートポンプ35、又は熱交換器563が故障した場合でも、冷排水22が補給水21に混ざることが防止される。前述したように、冷排水22は、液体利用装置32において使用された後の液体であるため、補給水21よりも異物が混入している可能性が高くなる。しかし、冷排水22が補給水21に混ざることが防止されるので、異物が混ざった補給水21が、液体利用装置32において使用される可能性を低減できる。
【0118】
また、熱交換器564は、冷排水22の流れる流路において、第一状態における第一フィルタ部36Aよりも下流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも下流側に設けられている。このため、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bによって異物が除去された冷排水22が、熱交換器564に流入する。よって、熱交換器564が、第一状態における第一フィルタ部36Aよりも上流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも上流側に設けられている場合に比べて、熱交換器564に異物が流入し、異物によって熱交換器564に故障が生じる可能性を低減できる。
【0119】
また、液体供給装置1には、ヒートポンプ35が使用され、熱交換を行うことができる。
【0120】
本実施形態において、補給水21は本発明の「第一液体」の一例である。冷排水22は本発明の「第二液体」の一例である。熱交換器561は本発明の「第一熱交換部」の一例である。流路326、流路325、流路76A、及び流路74Aは、本発明の「第一供給手段」の一例である。流路326、流路325、流路76B、流路74Bは、本発明の「第二供給手段」の一例である。熱交換器562は本発明の「第二熱交換部」の一例である。熱交換器564は本発明の「第三熱交換部」の一例である。ヒートポンプ35は本発明の「第四熱交換部」の一例である。熱交換器563は本発明の「第五熱交換部」の一例である。
【0121】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、CPU40が電磁弁411,412,413,80A,80B,81A,81B,82A,82B,83A,83Bを開閉していたが、これに限定されない。例えば、電磁弁411,412,413,80A,80B,81A,81B,82A,82B,83A,83Bは、電磁弁ではなく、作業者の手動による操作によって開閉される弁であってもよい。この場合、切替部300においては、作業者の操作によって、第一状態(
図3参照)と第二状態(
図4参照)とに設定されてもよい。また、電磁弁411,412,413,80A,80B,81A,81B,82A,82B,83A,83Bの種類は限定されず、各種の電動弁であってもよい。
【0122】
また、補給水21、冷排水22は、水であったが、他の液体であってもよい。また、タンク591が設けられていたが、設けられなくてもよい。また、冷排水22が排出される流路73Aと流路73Bとが接続されてもよい。この場合、例えば、電磁弁81Aと電磁弁81Bとの下流側で、流路73Aと流路73Bとが接続されてもよい。
【0123】
また、熱交換器562,563は、冷却器901,902,903と直列に配置されていたが、これに限定されない。例えば、熱交換器562,563は、冷却器901,902,903の少なくとも一つと並列に配置されてもよい。また、熱交換器562,563は、冷却部90全体と並列に配置されてもよい。この場合において、熱交換器562,563による熱交換が開始された場合、冷却部90は停止されてもよい。
【0124】
また、液体利用装置32からの冷排水22が、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部に流れる前に、大きな異物を除去するフィルタを設けてもよい。該フィルタは、一例として、流路315と液体利用装置32との間に設けられる。該フィルタは、例えば、スリット型のフィルタである。該フィルタは、例えば、野菜くず等の大きな異物を除去することができる。なお、該フィルタによって大きな異物が除去された後の冷排水22には、該フィルタによって除去される大きさの異物よりも小さい異物が含まれる。該小さい異物によって熱交換器561,564等が詰まることを防止するために、第一フィルタ部36A及び第二フィルタ部36Bが設けられている。
【0125】
また、熱交換器564、ヒートポンプ35、及び熱交換器563のうち、少なくとも一つが設けられなくてもよい。この場合、例えば、熱交換器564、ヒートポンプ35、及び熱交換器563のうちの少なくとも一つによって、冷排水22から冷熱が回収され、補給水21が冷却されてもよい。また、ヒートポンプ35は、ヒートポンプとは異なる熱交換器であってもよい。
【0126】
また、熱交換器561を通過した後の冷排水22が、第一フィルタ部36Aに対して第二方向に流され(
図3参照)、第二フィルタ部36Bに対して第四方向に流されていた(
図4参照)。しかし、これに限定されない。例えば、熱交換器561をする前の冷排水22の一部が、第一フィルタ部36Aに対して第二方向に流され、第二フィルタ部36Bに対して第四方向に流されてもよい。
【0127】
また、熱交換器561が第一状態における第一フィルタ部36Aよりも上流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも上流側に設けられてもよい。熱交換器564が第一状態における第一フィルタ部36Aよりも上流側、且つ、第二状態における第二フィルタ部36Bよりも上流側に設けられてもよい。また、第一フィルタ部36A又は第二フィルタ部36Bを通過した冷排水22が、熱交換とは異なる他の用途に使用されてもよい。
【0128】
また、冷排水22の冷熱を利用して、補給水21を冷却する場合について説明したが、補給水21が加温されるように構成されていてもよい。例えば、冷却部90の代わりに、補給水21が加温される加温部が設けられてもよい。この場合、液体利用装置32を通過した排水(本発明の第二液体に相当する)の熱が、熱交換器561、熱交換器562、熱交換器564、ヒートポンプ35、及び熱交換器563によって回収され、補給水21が加温されてもよい。
【0129】
また、液体供給装置1の任意の位置に、タンクを配置してもよい。また、液体供給装置1の任意の位置に、ポンプを配置してもよい。また、熱交換器562が設けられず、熱交換器561において冷排水22と補給水21との熱交換が行われてもよい。すなわち、第一熱媒体23を介することなく、冷排水22と補給水21との熱交換が行われてもよい。この場合、補給水21が本発明の「他の媒体」に相当する。
【0130】
また、ヒートポンプ35が、冷排水22からの冷熱を伝達するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、ヒートポンプ35が空気からの冷熱を伝達するように構成された空冷式と、冷排水22からの冷熱を伝達するように構成された水冷式とを切り替え可能であってもよい。以下、該変形例について、説明する。以下の説明においては、
図6において、
図2と同様の構成は、同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。
【0131】
図6は、
図2に示すヒートポンプ35の変形例に係るヒートポンプ350である。ヒートポンプ350は、
図1に示すヒートポンプ35と同様の位置に配置される。ヒートポンプ350は、熱交換器351,352、圧縮機353、膨張弁354、及び中間冷媒配管355に加え、空冷式熱交換器701及び電磁弁711,712,713,714を備えている。
【0132】
中間冷媒配管355は、接続点721及び接続点722において、夫々、2つの流路に分岐する。より詳細には、接続点721は、熱交換器352と圧縮機353との間に設けられている。接続点721においては、流路731と流路732とに分岐する。流路731は、熱交換器352に接続されている。流路731には、電磁弁711が設けられている。電磁弁711は、CPU40の制御によって、流路731を開閉する。流路732は空冷式熱交換器701に接続されている。流路732には、電磁弁712が設けられている。電磁弁712は、CPU40の制御によって、流路732を開閉する。
【0133】
接続点722は、熱交換器352と膨張弁354との間に設けられている。接続点722においては、流路733と流路734とに分岐する。流路733は、熱交換器352に接続されている。流路733には、電磁弁713が設けられている。電磁弁713は、CPU40の制御によって、流路733を開閉する。流路734は空冷式熱交換器701に接続されている。流路734には、電磁弁714が設けられている。電磁弁714は、CPU40の制御によって、流路734を開閉する。
【0134】
空冷式熱交換器701は、ファン702を備えている。ファン702は、空冷式熱交換器701に空気を取り込む。空冷式熱交換器701は、中間冷媒配管355(より詳細には、流路732,734)を流れる冷媒356と、空気との熱交換によって、冷媒356を冷却する。
【0135】
図7を参照し、CPU40によって、実行される第二切替処理について説明する。第二切替処理は、第一切替処理(
図5参照)と同様の処理が実行される前に、空冷式熱交換器701による冷媒356の冷却(すなわち、冷排水22からの冷熱を利用せず、空冷による冷却)から、熱交換器352による冷媒356の冷却(すなわち、冷排水22からの冷熱を利用した冷却)に切り替える処理である。
【0136】
なお、CPU40は、液体供給装置1が起動された場合に、ROM41に記憶された制御プログラムを読み出し、RAM42に展開する。CPU40は、制御プログラムに従って、液体供給装置1を制御する。制御プログラムには、
図7に示す第二切替処理のプログラムが含まれる。CPU40は、第二切替処理のプログラムに従って、第二切替処理を実行する。
【0137】
図7に示すように、第二切替処理では、まず、空冷式熱交換器701による冷却が行われる(S11参照)。より詳細には、
図6に示す電磁弁711,713が閉じられ、電磁弁712,714が開かれる。これによって、中間冷媒配管355の冷媒356が、空冷式熱交換器701を介して循環する。また、ファン702が駆動し、空冷式熱交換器701内に空気を導入する。
【0138】
空冷式熱交換器701において、空気の冷熱によって、冷媒356が冷却される。そして、熱交換器351において、冷媒356によって、第三熱媒体25が冷却される。
【0139】
また、
図4に示す電磁弁411が閉じられ、電磁弁412,413が開かれる。これによって、
図4に示す場合と同様に、補給水21が、流路341、流路331、熱交換器562、流路330、熱交換器563、流路337、流路311を介して、冷却部90に供給される。
【0140】
この補給水21が流れる経路において、熱交換器563において第三熱媒体25と補給水21との熱交換が行われ、補給水21が冷却される。すなわち、空冷式熱交換器701において回収された空気からの冷熱で、補給水21が冷却される。
【0141】
前述したように、液体供給装置1の起動時には、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出されていない。このため、熱交換器561,564において冷排水22からの冷熱を回収し難い。しかし、本実施形態においては、空冷式熱交換器701によって空気から冷熱を回収し、補給水21を冷却できるのである。
【0142】
S11が実行された後、空冷式熱交換器701による冷媒356の冷却(すなわち、S11において開始された冷却)から、熱交換器352による冷媒356の冷却(すなわち、冷排水22からの冷熱を利用した冷却)に、冷却方法を切り替えるか否かが判断される(S12)。
【0143】
例えば、液体供給装置1の起動時から暫く経過し、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出された場合に、冷却方法を切り替えると判断される。冷却方法を切り替えると判断する判断基準は限定されない。例えば、液体供給装置1の起動時からの時間が、所定時間経過した場合に、冷却方法を切り替えると判断されてもよい。また、流量計611の出力に基づく流路323の流量が所定値以上になった場合に、冷却方法を切り替えると判断されてもよい。
【0144】
冷却方法を切り替えないと判断された場合(S12:NO)、S12の処理が繰り返される。すなわち、空冷式熱交換器701を介する補給水21の冷却が継続される。冷却方法を切り替えると判断された場合(S12:YES)、空冷式熱交換器701による冷媒356の冷却から、熱交換器352による冷媒356の冷却(すなわち、冷排水22からの冷熱を利用した冷却)に、冷却方法が切り替えられる(S13)。
【0145】
より詳細には、
図6に示す電磁弁712,714が閉じられ、電磁弁711,713が開かれる。これによって、中間冷媒配管355の冷媒356が、熱交換器352を循環する。前述した
図3及び
図4に示す場合と同様に、熱交換器561と熱交換器564による、冷排水22からの冷熱の回収が行われ、補給水21に伝達される。
【0146】
次いで、第一切替処理(
図5参照)と同様にS1及びS2の処理が行われる。すなわち、第一状態と第二状態とが切り替えられながら、補給水21の冷却が継続される。
【0147】
本変形例においては、液体供給装置1の起動時において、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出されていない場合でも、空冷式熱交換器701によって空気から冷熱を回収し、補給水21を冷却できる。このため、空冷式熱交換器701が設けられていない場合に比べて、補給水21を冷却するためのエネルギーを低減できる。よって、補給水21を冷却するためのコストを低減することができる。
【0148】
また、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出された場合には、ヒートポンプ350の熱交換器352を介して、冷排水22から冷熱によって補給水21を冷却できる。よって、冷排水22の冷熱が利用されない場合に比べて、補給水21を冷却するためのエネルギーを低減できる。よって、補給水21を冷却するためのコストを低減することができる。
【0149】
なお、本変形例においては、液体供給装置1の起動時において、冷熱回収に十分な量の冷排水22が、液体利用装置32から、流路315に排出されていない場合でも、空冷式熱交換器701によって空気から冷熱を回収し、補給水21を冷却できるので、例えば、冷却部90における冷却器901,902,903の数を減らすことも可能である。また、冷却部90全体を削除することも可能である。このため、液体供給装置1のコストを低減することができる。
なお、図6の熱交換器352は、本発明の「第六熱交換部」の一例である。図6の空冷式熱交換器701は、本発明の「第七熱交換部」の一例である。図6の熱交換器351は、本発明の「第八熱交換部」の一例である。冷媒356は、本発明の「第四熱媒体」の一例である。図7のS11の処理を行うCPU40は、本発明の「熱交換開始制御手段」の一例である。図7のS13の処理を行うCPU40は、本発明の「切替制御手段」の一例である。