【実施例】
【0021】
図1から
図4には、本実施例に係るステアリングホイールカバー1が示されている。ステアリングホイールカバー1は、カバー本体10を有する。カバー本体10は、
図5に示されているように、帯状部材の端部10a、10b同士を接合することによってリング状に形成される。端部10a、10b同士は、
図5に示すように千鳥縫いによって接合されており、さらに、その接合の境目の表裏面には、縫い目を隠しつつ補強を行うテープ20が、端部10aと端部10bとを跨ぐようにして縫着されている。
【0022】
こうしてリング状に形成されたカバー本体10は、伸縮性と可撓性とを有し、ステアリングホイールに取り付けた場合に、ステアリングホイールの外面形状に沿って変形するように形成される。本実施例では、カバー本体10は、ステアリングホイールに取り付けた場合に把持される面を形成する表地11と、ステアリングホイールの表面に密着する面を形成する裏地12とを有する。表地11はパンチング加工が施されたレザー調のポリ塩化ビニルより形成され、裏地12は滑り止め効果のあるウレタンより形成されている。そして、これらの表地12と裏地13とが接着剤によって接着されてカバー本体10が形成されている。
【0023】
カバー本体10は、直径が365mm〜379mm、円周長さが1146〜1190mmのステアリングホイールに適合するように、その円周長さが920mm(ステアリングホイールの円周長さのおよそ80%〜77%)に設定されている。カバー本体10の円周長さをこのような寸法に設定することで、ステアリングホイールに取り付ける際にカバー本体10を引き伸ばしながら、ステアリングホイールに密着するように取り付けることができるようになる。
【0024】
また、カバー本体10の幅長さは、一般的なステアリングホイールの垂直断面の円周長さよりも70%〜80%短い87mmに設定されている。カバー本体10の幅長さをこのような寸法に設定することで、ステアリングホイールに取り付けた際に、カバー本体の周縁10c同士が離隔してステアリングホイールの内周面側に開口Aが形成されるようになる。なお、上記の各寸法はあくまでも一例にすぎず、適宜設定することが可能である。
【0025】
リング状のカバー本体10の周縁10cには、三つ巻き縫いが施されている。これにより、カバー本体10の柔軟性を確保しつつ、表地11と裏地12とが容易に剥離することを防止することができるとともに、装飾性を高めることができる。
【0026】
図6及び
図7には、ステアリングホイールカバー1を畳んだ状態が示されている。このように、カバー本体10は自在に折り畳むことができる。このため、コンパクトなパッケージングが可能となって、流通過程において取り扱い易く、また、店舗にて展示する際においても場所をとらない。
【0027】
図8には、ステアリングホイールSにステアリングホイールカバー1を取り付けた状態が示されている。このように、リング状のカバー本体10は、ステアリングホイールSに取り付けられるとステアリングホイールSの外周形状に沿って変形して密着する。すなわち、ステアリングホイールSを垂直断面方向から見た場合に、カバー本体10が略U字型をなしてステアリングホイールSの外周面と側面とに密着した状態となる。一方、
図8及び
図9に示すように、カバー本体10の一対の周縁10cは離隔してステアリングホイールの内周面側に開口Aが形成される。このような開口Aが形成されることで、カバー本体がステアリングホイールSのスポークS1と干渉することがなくなるのである。
【0028】
図10には、ステアリングホイールカバー1の取り付け方法を説明する図が示されている。ステアリングホイールカバー1は、次のような手順で取り付けられる。まず、
図10(a)に示されているように、カバー本体10をステアリングホイールSの上部(A部分)から半分くらいまで被せる。このとき、A部分は、
図10(b)に示すように、ステアリングホイールSの中心軸Xよりもやや奥となる位置に引っかけるようにする。次に、B部分をステアリングホイールSに被せたら、C部分、D部分の順にカバー本体10を引っ張りながら被せる。そして最後に全体のねじれを整えて取り付けが完了する。なお、ここで示す取り付け方法はあくまでも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0029】
本実施例に係るステアリングホイールカバー1によれば、カバー本体10を伸縮性と可撓性を有する帯状部材の端部10a、10bを連結してなるリング状としているので、カバー本体10の厚みを薄くすることができる。このため、ステアリングホイールの太さにほとんど影響を及ぼすことがない。また、ステアリングホイールSの外面形状に沿って容易に変形させることができるので、ステアリングホイールの外周面と側面にぴったり密着させることができる。さらに、
図11(a)に示すような一般的な円形状のステアリングホイールだけでなく、
図11(b)に示すような下部を平らにしたような特殊形状のステアリングホイールにも対応させることもできる。また、付随的な効果として、カバー本体10は自在に折り畳むことができることから、コンパクトなパッケージングが可能となって、流通過程における取り扱い易さの向上や店頭展示の際の省スペース化を図ることができる。
【0030】
尚、本発明は上記実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
【0031】
例えば、上記実施例では、表地をレザー調に形成しているが、
図11に示すようなカーボン調としてもよい。また、上記実施例では、カバー本体10を表地11と裏地12とからなる2枚構造としているが、1枚構造としてもよい。また、上記実施例では、カバー本体10の円周長さ及び幅長さの範囲を特定しているが、これにとらわれることなく、ステアリングホイールの円周長さ及び垂直断面の円周長さに応じて適宜変更することができる。また、上記実施例では、裏地12の滑り止めとして、裏地12そのものを滑り止め効果のあるウレタンから形成しているが、これに替えて、例えば、滑り止め効果のない裏地の表面にゴムやウレタン等の滑り止め材を線状やドット状等に配置してもよい。また、上記実施例では、カバー本体のリング状の周縁に三つ巻き縫いが施されているが、これに替えて、例えば、二つ巻き縫い、四つ巻き縫いとしてもよいし、または巻き縫いではなく周縁を被覆する別部材を取り付けてもよいし、あるいは、これらを省略してもよい。