(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の製品を上下に重ねた状態で一時的に収納するバケット本体が、前傾姿勢で前進移動するとともに、箱詰め位置で停止し、開口面を斜め下向きで起立した姿勢で保持されるケースに接近させた状態で停止し、
前記バケット本体が後傾姿勢の状態で、前記バケット本体に収納された前記複数の製品を、プッシャー部材にて押し出して前記ケース内に供給することを特徴とする箱詰め方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1のように製品が箱状だと、複数の製品を整列した姿勢で吸着できるが、例えば扁平な包装体等のように不定形で安定性が低い形態のものでは、立てた状態で吸着しにくい。また、包装体内に収納する物品が、例えば複数の小物であったり、粉ものであったりすると、たとえ包装体を吸着して立てると、内容物が下方側に溜まって膨れ、上方は薄くなるので持ち上げにくく、仮に持ち上げられたとしても下側が膨らみ、多数の包装体の集合体の全体で見ると非常に幅広になり、ケースに供給することが出来ない。
【0005】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できれば良い。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の箱詰め装置は、(1)複数の製品を上下に接するように重ねた状態で一時的に収納するバケット本体と、そのバケット本体の姿勢を制御する駆動装置とを有する段積バケット装置と、前記段積バケット装置の下流側に配置され、ケースをその開口面を斜め下向きで起立した姿勢で保持するケース起立装置と、前記バケット本体に収納された前記複数の製品を、プッシャー部材にて前記ケースに向けて押し出す充填プッシャー装置を備え、前記駆動装置は、前記バケット本体に前記製品を供給する後退位置から、前記ケース起立装置側の前進位置まで前記バケット本体を前傾姿勢の状態で前進移動する機能と、当該前進位置で前記バケット本体を後傾姿勢に変更する機能を備え、前記バケット本体は、前傾姿勢の状態では、前記複数の製品が前面側から離脱するのを阻止し、後傾姿勢の状態では前記離脱を可能にするストッパー機構を備えるようにした。
【0007】
製品は、上下に接するように重ねた状態でバケット本体の内部に収納される。そしてこの複数の製品を収納した状態で、バケット本体が後退位置から前進位置まで前進移動する際に、前傾姿勢をとっているので、収納された製品はバケット本体に対し相対的に前方に進む方向の付勢力が加わるので、例えばバケット本体の後面が開放していても当該後面からの離脱が抑止される。また、製品はバケット本体の前面側に移動しようとするが、ストッパー機構により前面側からの離脱が抑止される。さらに、バケットの本体の前傾姿勢に伴い、各製品は、ともに斜め前下方に移動しようとすることから、荷崩れすることなく安定して搬送することができ、高速移動が可能となる。さらに例えば製品が実施形態のように包装体等の不定形で安定性が低い形態のものであっても、上記の理由から荷崩れすることなく後退位置から前進位置まで移動することが出来る。
【0008】
そして、前進位置に至ると、バケット本体は後傾姿勢に変わり、バケット本体に収納された状態の複数の製品は、プッシャー部材にて押し出される。製品は、後傾姿勢のプッシャー部材により、斜め上方への付勢力を受けつつ、重力による押し出し方向と反対側の斜め下方へ付勢力を受けるので、各製品の後端面が後傾姿勢のプッシャー部材で支持されながら押し出されるので、例えば上方の製品が、押し出し方向に向けて飛び出して荷崩れを起こすことがなく、段積された状態の綺麗に箱詰めすることができる。これにより、ケースの開口面を上側とした場合に各製品は、起立した姿勢でケース内に収納される。
【0009】
(2)前記プッシャー部材は、後傾姿勢の状態で前記製品の押し出しを行うようにし、前記充填プッシャー装置は、前記複数の製品を前記ケースに向けて押し出す際に、前記プッシャー部材を斜め上方に移動するように構成するとよい。このようにすると、プッシャー部材にて斜め上方に向けて押し出してケース内に供給する。製品は、斜め上方に押し出されるので、プッシャー部材からの斜め上方への付勢力を受けつつ、重力による押し出し方向と反対側の斜め下方へ付勢力を受けるので、例えば上方の製品が、押し出し方向に向けて飛び出して荷崩れを起こすことがなく、段積された状態の綺麗に箱詰めすることができるので良い。
【0010】
(3)前記ケース起立装置は、前記ケースを起立した姿勢から倒して前記開口面を上方に向けた搬送姿勢に変える機能を備え、前記充填プッシャー装置は、前記プッシャー部材の姿勢を前記後傾姿勢から前傾姿勢に変える機能を備え、前記プッシャー部材にて押し出された前記複数の製品が前記ケースに供給された状態で前記ケース起立装置が前記ケースを前記起立した姿勢から倒す際に、前記充填プッシャー装置は前記プッシャー部材の姿勢を前記前傾姿勢に変えるように構成するとよい。
【0011】
バケット本体から押し出された製品は、開口面が斜め下向きの起立姿勢で待機するケース内に供給される。この製品の供給後にケース起立装置にてケースを起立姿勢から倒して開口面を上方に向けた搬送姿勢に変える。このケースが倒れる際に、プッシャー部材も後傾姿勢から前傾姿勢に変わるため、ケース内に供給され製品は例えば開口面からケース外に飛び出すことなく、製品がケース内に収納された姿勢を保持することをプッシャー部材が案内することが出来る。このプッシャー部材は、バケット本体からケースへ製品を移し替える機能と、製品が移し替えられたケースの姿勢を変える際に、製品が収納された状態を維持させる機能を兼用することが出来、後者の機能を備える装置を別途設ける必要が無いのでよい。
【0012】
(4)前記バケット本体は、供給される前記製品を支持するシャッターを上下に複数備え、閉じた状態の前記シャッターの上には、前記バケット本体に収納される前記複数の製品のうちの一部の所定数の製品が重なった状態で支持され、前記シャッターが開くと、そのシャッターの上に載った前記製品が落下移動して前記バケット本体内で前記複数の製品が上下に接するように重ねた状態になるように構成し、前記バケット本体は、その後面側が開放し、その開放した側から前記製品が供給され、所定の前記製品が前記シャッターの上に載るように構成するとよい。
【0013】
このようにすると、複数の製品の一部の個数の製品がシャッターの上に載る。このようにすると、例えば上流側に設けた製品を上下に集積した状態にする装置から、複数の製品をバケット本体に移し替える際に、複数の数が多くても、各シャッターの上に載る製品の数を少なく抑えることが出来、各製品の移し替え時の落下距離を短くすることが出来る。よって、製品は、荷崩れ等することなく綺麗に各シャッターの上に載る。このとき、バケット本体の後面側が開放しているので、例えば、バケット本体が前傾姿勢の状態でシャッターを開くと、バケット本体の後面側の開放部位から製品が外部に落下するのを可及的に抑制できるので好ましい。この場合に、シャッターが開くタイミングは、前傾姿勢のバケット本体の前進移動中或いは移動停止後のいずれでもよく、前進移動中にすると、処理時間の短縮が図れるので好ましい。また、以下の(5)に示すようにバケット本体の後面の開放した側にプッシャー部材を配置した状態でシャッターを開くように構成するとより好ましい。
【0014】
(5)前記充填プッシャー装置のプッシャー部材は、上下方向の長さが変化するように構成し、前記プッシャー部材は、前記バケット本体の後面の開放した側に位置し、前記シャッターの上に前記製品が乗った状態では、前記プッシャー部材は長さが長い第一形態となり、前記プッシャー部材は、前記製品の押し出しは長さの短い第二形態で行うようにすると良い。
【0015】
シャッターを開く際には、バケット本体の後面の開放した側にプッシャー部材が位置するように構成すると、そのシャッターが開くことに伴い各製品はバケット本体内を落下移動するが、バケット本体の開放した面には第一形態の上下方向の長さの長いプッシャー部材が存在するので、バケット本体が前傾姿勢或いは後傾姿勢のいずれであっても各製品はバケット本体の外に飛び出たり荷崩れしたりすること等なく落下移動し、上下に接するように重ねた状態になる。バケット本体から製品を押し出す際には、第二形態の上下方向の長さの短いプッシャー部材が行うので、例えば製品をケース内まで確実に押し込む供給することが出来る。
【0016】
(6)前記段積バケット装置の上流側には、前記製品を上下方向に搬送するとともに、上下に配置される前記複数の製品を一度に搬出する縦ループ装置を備え、前記バケット本体は、前記縦ループ装置の搬出側に接近させた状態で、その縦ループ装置から搬出される前記複数の製品を受け取り、前記バケット本体が前記縦ループ装置から離れて前記前進位置に移動することで形成される空間内に、前記プッシャー部材と、それを保持するアームが進入し、そのアームがプッシャー部材を前進移動することで前記バケット本体に収納された状態の前記複数の製品を押し出すように構成するとよい。
【0017】
このようにすると、バケット本体を前進移動して縦ループ装置から離すことで形成される空間内に充填プッシャー装置のプッシャー部材等を進入させ、そのプッシャー部材をバケット本体内に進入するように移動することで、バケット本体に収納された製品を押し出すことが出来る。そして、プッシャー部材等が空間内に進入する構成を採ったため、当該空間を狭くし、バケット本体の前進移動する際の移動距離を短くすることが出来る。例えば、通常の装置では、プッシャー部材を含むプッシャー装置の配置位置までバケット本体が移動し、そこでプッシャー部材が製品を押し出す構成が採られるが、係る構成では、バケット本体の移動距離が長くなり、長距離移動に伴い、移動時に製品が落下・荷崩れするおそれがでてくるが、本発明ではかかる問題が無いので良い。
【0018】
(7)本発明に係る箱詰め方法は、複数の製品を上下に重ねた状態で一時的に収納するバケット本体が、前傾姿勢で前進移動するとともに、箱詰め位置で停止し、開口面を斜め下向きで起立した姿勢で保持されるケースに接近させた状態で停止し、前記バケット本体が後傾姿勢の状態で、前記バケット本体に収納された状態の前記複数の製品を、プッシャー部材にて押し出して前記ケース内に供給するようにした。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、バケット本体に一時的に収納される複数の製品を荷崩れ等することなくケースへの供給位置まで移動し、ケース内に積み重ねられた状態の製品を綺麗に供給することが出来る。例えば、製品が包装体のように不定形で安定性が悪いものであっても上記の効果を奏することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0022】
図に示すように、本実施形態の箱詰め装置は、製品1をケース2内に開口面に対して直交する方向に起立した姿勢で複数個を収納する装置である。製品1は、複数の物品を内包するピロー包装体である。このピロー包装体である製品1は、図示省略する上流側の包装機で製造・搬出され、搬送経路3上を1個ずつ移動し、本実施形態の箱詰め装置に供給される。搬送経路における搬送姿勢は、扁平で略矩形状となっているが、複数の物品は、バラバラの状態で収納されており、例えば、
図1等に示す平置きの搬送姿勢の状態の製品1の一辺を持って持ち上げて起立した姿勢にすると、収納された複数の物品はピロー包装体内の下方に移動し、ピロー包装体の下方部分が膨らんだ形態となる。
【0023】
そのため、例えばケース2の開口面を上に向けた状態にし、一方、製品1を起立した姿勢でケース2の上方の開口面からケース2内に供給しようとすると、起立した姿勢の製品1の下方部位が膨らみ、ケース2内に収納することが困難となる。そこで本実施形態の箱詰め装置は、製品1を扁平な平置きの姿勢で上下に積み重ねた段積状態の製品群を、開口面を横にしたケース2内に供給することで箱詰めするように構成した。
【0024】
この箱詰め装置は、製品1を上下に積層する縦ループ装置10と、その縦ループ装置10の搬出側に配置される段積バケット装置11と、段積バケット装置11に対し製品1を押し出す充填プッシャー装置12と、段積バケット装置11の下流側に配置され、ケース2の姿勢を制御するケース起立装置13を備える。
【0025】
縦ループ装置10は、上流側の搬送経路3から前後に1個ずつ搬送・供給される製品1を、所定数上下に重ねた状態で搬出する装置である。この縦ループ装置10は、バケットコンベアからなり、バケットが上下方向(垂直方向)に沿って回転移動する。具体的に、縦ループ装置10は、上下に配置したタイミングプーリ15,16と、これらタイミングプーリ15,16に架け渡されて間欠的に走行する環状のタイミングベルト17と、このタイミングベルト17に等間隔のピッチで取り付けられるバケット18等を備える。
【0026】
このタイミングプーリ15,16,タイミングベルト17は、図示省略する駆動装置の駆動を受けて間欠動作する。駆動装置は、所定のバケット18が、搬送経路3の搬出口に対向する位置で一時停止し、回転再開によりバケット18を公転移動させ反対側にある搬出側の段積バケット装置11と所望の位置関係に対向する搬出位置で一時停止するように動作する。
【0027】
さらに、駆動装置は、上下一対のタイミングプーリ15,16を上昇或いは下降移動しながらタイミングベルト17を回転させることで、上流側の包装機の動作状況や、下流側の装置の動作状況等に関係なく、各バケット18に対して抜けること無く製品1を供給し、所定数(本実施形態では、15個)の製品1を正しい位置でタイミング良く搬出するように制御する。
【0028】
バケット18は、上下に所定の間隔を置いて配置される第一板部18aと第二板部18bを備える。製品1の搬入側(図中左側)では、第一板部18aが下側に位置し、公転移動に伴い上下が反転して製品1の搬出側(図中右側)では、第二板部が上側に位置する。そして第一板部18aと第二板部18bの間隔は、製品1の厚さに対し、一定のマージンをとった長さとしている。サーボモータの制御により、搬入側では第一板部18aの内面が、搬送経路3の搬送面と面一の状態で一時停止し、搬出側では第二板部18bの内面が、段積バケット装置11の所定位置に対向する状態で一時停止する。一対の第一板部18aと第二板部18bの間に挿入された製品1は、それら第一板部18a,第二板部18b間に挟まれて軽く保持された状態となり、タイミングベルト17ひいてはバケット18の公転移動に伴い、移動する。
【0029】
第一板部18aと第二板部18bの横幅は、製品1の横幅よりも短い設定としており、製品1がバケット18内に供給された状態では、製品1の搬送方向の左右両端が、バケット18の外側に突出した姿勢となる(
図2,
図3等参照)。また、図示省略するが、複数のバケット18の移動経路における左右両外側には、所定のマージンをおいてガイド側壁を配置し、バケット18内に供給された製品1が、公転移動時等に左右両サイドから離脱しないようにしている。
【0030】
搬出側に位置する複数段のバケット18の両サイドには、上下に延びる帯板状の排出プッシャー19を配置する。この排出プッシャー19は、図示省略するシリンダの駆動を受けて、
図1〜
図4に示す待機位置と、その待機位置から
図5〜
図7に示す段積バケット装置11側に接近した排出位置との間を往復移動するように構成する。左右に配置した一対の排出プッシャー19は、15段分のバケット18の左右両サイドから突出する製品1の両端に接触可能となり、待機位置から排出位置に遷移すると、当該15個の製品1の両端に接触するとともに下流側に押し出し、バケット18から外部に排出する。この排出された製品1は、次段の段積バケット装置11に収納される。
【0031】
段積バケット装置11は、
図8,
図9等に示すように、多数の製品1を上下に積層した状態で受け取るバケット本体21と、そのバケット本体21の姿勢を制御する駆動装置22を備える。バケット本体21は、ベース部材23と、そのベース部材23の上面所定位置に起立形成した左右一対の側壁24と、その側壁24の内外を貫通するように各側壁24に夫々配置されるシャッター25と、シャッター25を水平方向に往復移動する駆動機構26と、側壁24の搬出側に配置されたストッパー機構27等を備える。左右一対の側壁24の間隔は、製品1の横幅と等しいかやや広くする。本実施形態では、所定の製品1の横幅よりもやや広くしている。後述するように、縦ループ装置10からバケット本体21に移し替えられた製品1は、その後にバケット本体21内で落下移動するため、最小サイズの製品1の周縁と側壁24との間に形成される隙間は、当該落下移動の際に、多少ばれながら落ちても荷崩れはしない程度の広さとすると良い。
【0032】
ストッパー機構27は、夫々の側壁24の搬出側端部に配置されたストッパー板30と、正逆回転するロータリーアクチュエータ31と、そのロータリーアクチュエータ31の出力軸とストッパー板30と連係する連係部材32を備える。ロータリーアクチュエータ31の出力軸が正逆回転すると、その回転力が連係部材32を介してストッパー板30に伝わり、
図8,
図9等に示す閉じた第一姿勢と、その状態から略90度回転して開いた第二姿勢との間を遷移する。ストッパー板30が第一姿勢にある場合、当該ストッパー板30は、一対の側壁24間に形成される内側空間の搬出側の一部を塞ぎ、排出プッシャー19により押し出されて、バケット本体21に進入した製品1がそのままバケット本体21の前方より離脱するのを抑止する。また、ストッパー板30が第二姿勢にある場合、一対の側壁24間に形成される内側空間の搬出側が開放し、バケット本体21内の製品1が、前方より外に搬出可能となる。
【0033】
側壁24の所定位置に、水平方向に延びるスリットを設け、そのスリット内にシャッター25を貫通配置する。左右のシャッター25の先端側は、夫々一対の側壁24で形成される内側空間内に出没自在に構成され、先端側が内側空間内に突出した状態では、そのシャッター25の上面に接触する製品1を支持し、製品1の落下を抑止する。またシャッター25の先端が後退移動し、例えば側壁24内に入り込んだ状態では、シャッター25による製品1の支持が解除され当該製品1は落下する。
【0034】
このように側壁24は、一枚の長板部材で形成しスリットを設ける態様としても良いが、複数の小さい板部材を所定の空隙をおいて上下に配置し、その空隙内にシャッター25を挿入配置する構成をとっても良い。
【0035】
さらに本実施形態では、対を構成する左右のシャッター25は、夫々同じ高さに設けられ、係るシャッター25を上下に等間隔に4組配置する。そして、各シャッター25は、縦ループ装置10から搬出される3個ずつの製品1を受け取り、支持するように構成する。具体的には、15個の製品1の内、下から3個分の製品1は、ベース部材23の上に積層状態で載り、下から4番目の製品1が、最下方のシャッター25の上に載り、下から5番目と6番目の製品1が、その上に積み重なる。以下、下から7番目から9番目の製品1を下から2番目のシャッター25が支持し、下から10番目から12番目の製品1を下から3番目のシャッター25が支持し、下から13番目から15番目の製品1を下から4番目のシャッター25が支持するように構成する。そして、ベース部材23の上面並びに各シャッター25の上面が、搬出位置で一時停止する縦ループ装置10の対応する製品1(下から1番目、4番目、7番目、10番目、13番目)を収納するバケット18の第二板部18bと同一平面上に位置するように設定される。これにより、当該対応する製品1は、排出プッシャー19で押し出されると、そのまま水平移動して対向するベース部材23或いはシャッター25の上に移し替えられる。また、その他のバケット18に収納されている各製品1は、排出プッシャー19で押し出されると、所定距離を落下移動して下側の製品1の上に載るが、積載数を3個にしたため、落下距離も短く、荷崩れすることなく3個の製品1が段積された状態でバケット本体21内に収まる。すなわち、例えば本実施形態のように15個の製品1というように多数の製品1を移し替える場合、全ての製品1の全体をバケット本体21に移すと、最上方の製品1は15個分の落差があり、荷崩れをするおそれがあるが、本実施形態では、複数個(3段)ずつに区分けして受け取るようにすることにより、上記の問題の発生を抑制する。そして、このシャッター25の往復移動させる駆動機構26は、ベース部材23の上面の左右両端に起立形成したフレーム33に取り付けた第一シリンダ34等により構成する。
【0036】
駆動装置22は、バケット本体21を前後進移動させる機能と、バケット本体21の起立姿勢を切り替える機能を有する。前後進移動させる機能は、バケット本体21を縦ループ装置10の搬出側近傍の後退位置と、その後退位置から前方に移動しケース起立装置13の搬入側付近の前進位置との間を往復移動するように制御する。両機能を実現する具体的な構成は、以下の通りである。
【0037】
駆動装置22は、前後方向に延びる左右一対のガイドレール35と、そのガイドレール35の上に配置され、ガイドレール35に沿って前後進移動する台座37と、台座37に連結し当該台座37に前後方向の駆動力を与える駆動ベルト装置38等を備える。駆動ベルト装置38が正逆回転すると、それに伴い台座37も前後進移動する。この台座37の上面に軸受け部を介してベース部材23が取り付けられる。軸受け部は、左右方向に延びる回転軸を有し、ベース部材23は、その回転軸を中心に所定角度範囲内で正逆回転し、バケット本体21が
図5,
図8,
図9,
図13(a)〜(c)等に示すように上方が前に倒れる前傾姿勢と、
図13(c)〜(f)等に示すように上方が後ろに倒れる後傾姿勢との間を遷移する。さらに、バケット本体21は、例えば
図4等に示すように、垂直方向に起立した姿勢もとる。これらの姿勢の遷移は、第二シリンダ39と、その第二シリンダ39のシリンダロッド39aに一端が連結され、他端が側壁24に連結されるリンク機構40等により構成される。例えば第二シリンダ39が、シリンダロッド39aの突出量を制御、すなわち、シリンダロッド39aが最も突出した位置と、最も収縮(本体内に収納)した位置と、その中間地点の位置で停止するものを用いると、3つの姿勢を切替える構成を採ると良い。
【0038】
本実施形態では、バケット本体21は、縦ループ装置10から製品1を受け取る際には、起立した姿勢を採り、スムーズに製品1の受け渡しが行えるようにする。また製品1を収納した状態で前進移動する際には前傾姿勢を採り、製品1の落下を防止する。そして、製品1を排出してケース2に充填供給する際には後傾姿勢をとり、充填供給する製品1をケース2内に充填供給する際に製品1が滑り落ちて、荷崩れしてケース2内等にバラバラに落下するのを抑制する。
【0039】
充填プッシャー装置12は、縦ループ装置10の搬出側に、昇降移動と前後進移動するL型アーム43と、L型アーム43の先端に連結したプッシャー部材44を備える。L型アーム43は、上下に延びる第一アーム部43aとその第一アーム部43aの下端に連結され下流側に向けて水平に延びる第二アーム部43bを備える。第一アーム部43aの側面に、上下方向に延びるガイドレール部42を取り付ける。図示省略するが、このガイドレール部42に連携され、レールに沿って相対移動するスライダを、図示省略する装置の機枠に固定する。これにより、第一アーム部43aひいてはL型アーム43は、昇降移動が案内され、サーボモータ駆動のタイミングベルト等の駆動源の駆動力を受けて昇降する。さらにこのL型アーム43は、図示省略する駆動源の駆動力を受けて、前後進移動、より具体的には縦ループ装置10に近接した位置から、ケース起立装置13側に向けて前進移動し、その後、縦ループ装置10に近接する元の位置に向けて後進移動する。
【0040】
第二アーム部43bの先端に取付けた第一軸受け部46に、プッシャー部材44の下端を回転可能に装着する。プッシャー部材44は、第一軸受け部46を回転中心として所定角度範囲内で正逆回転し、後傾姿勢と前傾姿勢の2つの位置を遷移する。プッシャー部材44の姿勢制御は、第二アーム部43bの上に配置された第三シリンダ45の駆動を受けて行う。第三シリンダ45のシリンダロッド45aの先端を、第二軸受け部47を介してプッシャー部材44の背面に連係し、シリンダロッド45aが収縮した状態ではプッシャー部材44は後傾姿勢をとり、シリンダロッド45aが伸張した状態ではプッシャー部材44は前傾姿勢をとる。
【0041】
さらにプッシャー部材44は、起立状態で上下に配置される下側板部材44aと上側板部材44bを備える。上述した第一軸受け部46,第二軸受け部47は、下側板部材44aの後面側に取り付けられる。上側板部材44bは、適宜のガイド機構により下側板部材44aに対して相対的に昇降移動可能に構成される。そして、下側板部材44aの後面には、第四シリンダ48が取り付けられる。第四シリンダ48のシリンダロッド48aは上下方向に往復移動し、そのシリンダロッド48aが伸張した状態では上側板部材44bは上方位置に位置しプッシャー部材44も伸びた第一形態を採り、シリンダロッド48aが収縮した状態では上側板部材44bは下方位置に位置しほぼ全長が下側板部材44aと重なってプッシャー部材44も縮んだ第二形態を採る。プッシャー部材44が第一形態にあるとき、その全長は、バケット本体21の高さとほぼ等しくし、プッシャー部材44が第二形態にあるとき、その全長は少なくとも15個分の製品1を直接積み重ねた状態の高さとほぼ等しくし、より好ましくは、後述するようにケース2内に進入可能な範囲でできるだけ高くすると良い。第二形態のときの全長は、ケース2を起立させたときの開口部の上下方向の長さよりも短くし、プッシャー部材44がケース2内に進入可能としている。
【0042】
図11,
図12等に示すように、ケース起立装置13は、開口面を上方に向けた姿勢のケース2を搬送する搬送コンベア50と、搬送コンベア50上に置かれたケース2を保持して持ち上げながら起立させる起こし機構51を備える。搬送コンベア50は、段積バケット装置11の駆動装置22の搬出側近傍位置から下流側に向けて延びるように配置されるエンドレスベルト53を備える。そのエンドレスベルト53のベルト面の所定位置には、外側に突出する押送片53aを有する。押送片53aは、エンドレスベルト53の回転方向に沿って等間隔に設け、本実施形態では、2箇所に設ける。エンドレスベルト53のベルト面の下流側区間の左右両サイドには、搬送するケース2の底面を支え、搬送面を構成する固定ガイド板54を配置する。固定ガイド板54の上面とエンドレスベルト53のベルト面はほぼ面一か、ベルト面が少し低くする。固定ガイド板54の外側には、左右一対のサイドガイド55を起立配置する。左右一対のサイドガイド55の間隔は、ケース2の進行方向の横幅(本形態では、開口部の短辺の長さ)とほぼ等しくする。
【0043】
また、エンドレスベルト53のベルト面の上流側区間の左右両サイドには、搬送するケース2の底面を支える第一可動ガイド板56を配置する。この第一可動ガイド板56は、後述するように、起こし機構51の一部を構成する。また第一可動ガイド板56の外側には、サイドガイドは設けず、一方(本形態では、エンドレスベルト53によるケース2の進行方向左側)は開放した構成とする。この一方の開放部位側には、図示省略するケース2の搬送供給装置を設ける。この搬送供給装置は、上面側が開口するとともに上端縁の四辺に設けられる各フラップが起立した姿勢のケース2を搬送し、そのケース2を当該開放部位側からケース起立装置13上に供給する。ケース起立装置13上に供給されたケース2は、左右一対の第一可動ガイド板56を跨ぐように置かれる。
【0044】
その第一可動ガイド板56を有する起こし機構51は、エンドレスベルト53の左右に配置される第一可動ガイド板56と、その第一可動ガイド板56の上流側端に連続して上方に向けて伸びるように配置される第二可動ガイド板57とを左右一対の支持フレーム58に連結して一体化する。この一対の支持フレーム58は、帯板状の本体を有し、所定の間隔を置いて対向するように配置し、長手方向の中間部位にて連結板59で連結する。支持フレーム58は、第一可動ガイド板56がエンドレスベルト53の左右に配置される基本姿勢において上下方向に伸びるように配置され、その状態における各支持フレーム58の下端に、それぞれ第一可動ガイド板56を連結し、一対の支持フレーム58を跨ぐように第二可動ガイド板57を連結する。さらに支持フレーム58の上端には、貫通孔を備え、その貫通孔内を貫通するように回転軸60を挿入する。回転軸60の両端は、一対の支持フレーム58の外側に突出するとともに、その回転軸60の両端を、ケース起立装置13の機枠61に軸受け支持させる。そして回転軸60と支持フレーム58とは相互に回転不能に連結し、回転軸60の一端には図示省略の駆動モータに連携する。これにより、回転軸60は、駆動モータの駆動力を受けて所定角度範囲内で正逆回転し、それに伴い支持フレーム58ひいては第一可動ガイド板56と第二可動ガイド板57も回転軸60を回転中心として正逆回転する。この正逆回転により、第一可動ガイド板56は、エンドレスベルト53の両サイドに位置する水平な基本姿勢と、その状態から90度以上の所定角度回転し、第一可動ガイド板56が後傾する起立姿勢との間を遷移する。
【0045】
さらに、上述したように左右一対の第一可動ガイド板56の一方の外側の開放部位は、ケース2の進入口を構成するが、他方の外側には、ストッパー部材63及び吸着ノズル64等を配置する。このストッパー部材63及び吸着ノズル64等も支持フレーム58に連携され、回転軸60を回転中心として一体に正逆回転する。開放部位からケース起立装置13上に供給されたケース2は、その側面がストッパー部材63に接触することでそれ以上の移動が阻止され、ケース起立装置13上の所望位置で停止する。また、この停止した状態では、ケース2の一側面(供給時の移動方向の右側・搬送コンベア50の搬送方向の後方側の側面)は、第二可動ガイド板57に接する。その状態で吸着ノズル64にてケース2のストッパー部材63側の側面を吸着保持する。これにより、ケース2の底面は第一可動ガイド板56に接し、一側面は第二可動ガイド板57に接触してガイドされた状態で吸着ノズル64にてケース2が保持される。これにより、支持フレーム58が回転して第一可動ガイド板56並びに第二可動ガイド板57が基本姿勢から起立姿勢に遷移すると、それに追従してケース2も起立し、後継した姿勢で開口面が上流側の段積バケット装置11のバケット本体21に対向する(
図7等参照)。一方、係る起立姿勢の状態から支持フレーム58が逆方向に回転して基本姿勢に戻ると、ケース2も倒れて開放面が上方を向いた姿勢に戻る。
【0046】
上述した構成の箱詰め装置は、各装置が以下に示すように協働し、縦ループ装置10の搬出側から15個分の製品1を段積バケット装置11のバケット本体21内に一旦収納し、バケット本体21内に段積された製品1をケース2内に充填供給する。すなわち、まず、L型アーム43が上方に待機した状態において、段積バケット装置11は、バケット本体21を縦ループ装置10に接近配置するとともに、垂直に起立した姿勢をとる。この状態ではシャッター25の先端側が側壁24間の内部空間に位置し、ストッパー板30を閉じた状態にする(
図4等参照)。そして、この状態を維持し、縦ループ装置10から15個分の製品1の供給を受け、バケット本体21内に3個ずつ段積された製品1が5組分収納される。バケット本体21が垂直に起立しているため、その後側の開口面は、その上下方向の全長に渡り縦ループ装置10の搬出側に近接するとともに、シャッター25並びにベース部材23も水平に位置するため、縦ループ装置10から搬出される各製品1は、3個ずつ段積された状態でシャッター25の上に移し替えられる。
【0047】
次いで、第二シリンダ39の駆動を受けてバケット本体21が前傾姿勢に遷移する(
図5,
図13(a)等参照)。そしてこの前傾姿勢を維持したまま、駆動ベルト装置38の駆動力を受けてバケット本体21が前進移動し、ケース起立装置13の手前で停止する。この前進移動時、バケット本体21は前傾しているため、内部に収納されている各製品1は、進行方向前端縁はストッパー板30に接し、左右両側縁は側壁24に近接或いは接触してガイドされ、後方の開放面等から離脱・落下等することなく移送される。
【0048】
また、ケース起立装置13は、適宜のタイミングで支持フレーム58を回転させて第一可動ガイド板56を起立させて後傾姿勢の状態にする。これに伴い、
図13(a)に示すように、ケース2も開口面が上流側のバケット本体21に対向するとともに後傾姿勢で斜め下向きに開放した状態で待機する。
【0049】
次に、バケット本体21が前進することで形成されるバケット本体21と縦ループ装置10との間の空間内に、L型アーム43が下降移動して進入し、プッシャー部材44がバケット本体21の後方開口面に対して略対向する位置で下降移動が停止する(
図13(b)等参照)。この停止した状態では、プッシャー部材44の下端は、バケット本体21のベース部材23の上面と面一より若干上方に位置し、ベース部材23の上に置かれた一番下の製品1に対向するようにする。また、プッシャー部材44の上端は、バケット本体21の上端付近に位置し、バケット本体21内の一番上の製品1に対向するようにする。さらに、当該プッシャー部材44の下端は、バケット本体21に近接し、プッシャー部材44が後傾姿勢を採るとともにバケット本体21が前傾姿勢を採ることから、上端側ではプッシャー部材44とバケット本体21とでは所定距離離れている。
【0050】
次に、第二シリンダ39の駆動を受け、バケット本体21は後傾姿勢に遷移する(
図13(c),
図14(a)等参照)。これにより、バケット本体21の後面側の開口面は、プッシャー部材44により覆われた状態となり、バケット本体21内に収納された製品1は、その四方が囲まれ、ストッパー板30,側壁24並びにプッシャー部材44が近接した状態となる。またバケット本体21を後傾姿勢にすることで、各製品1は後方に移動しプッシャー部材44に軽く押し当てた状態になる。
【0051】
この状態で第一シリンダ34の駆動を受け、シャッター25が開く。すると各製品1は、シャッター25による支持が解除され、バケット本体21内を落下移動し、全ての製品1が上下に隣接する製品同士が接触して積み重なった段積状態になる。この落下移動距離は、例えば200mm程度となるが、上述したように製品1の四方には側壁24、ストッパー板30、プッシャー部材44が近接配置されており、製品1はそれらにガイドされて荷崩れすることなく安定して落下移動する。また、本実施形態では、シャッター25が開くと、それにあわせて第四シリンダ48が動作し、上側板部材44bを下降移動させてプッシャー部材44を縮ませた第二形態に遷移する(
図13(d),
図14(b)等参照)。シャッター25が開くタイミングと、プッシャー部材44が第二形態に縮むタイミングは同じでも良いが、プッシャー部材44を少し遅らせると良い。
【0052】
このようにすることで、シャッター25が閉じた状態の時は、プッシャー部材44は、第一形態の延びた姿勢となり、ベース部材23上からバケット本体21の上端付近に位置する製品1までガイドし、製品1のバケット本体21からの離脱を抑止する。そして、シャッター25が開き、15個分の製品1が直接積み重なった段積状態の製品群の高さは低くなり、それに併せて縮んで第二形態となったプッシャー部材44は、当該段積状態の製品群の全体をカバーし、最上方の製品1の側面に接触可能な高さになるように設定する。そして、この第二姿勢の状態では、ケース2の内寸法より小さくしており、プッシャー部材44がケース2内に進入可能となる。
【0053】
次いで、段積バケット装置11のロータリーアクチュエータ31が駆動してストッパー板30が開くとともに、充填プッシャー装置12がL型アーム43ごと第二姿勢のプッシャー部材44が前進移動する。これにより、
図13(e),
図14(c),(d)等に示すように、プッシャー部材44がバケット本体21内に進入し、段積された製品1をケース2内に押し込む。このとき、後傾姿勢のプッシャー部材44により、製品1は斜め上に押し上げられながらケース2内に供給され、ケース2内に供給されるため、各製品1は荷崩れして例えば上方の製品1が先行して段積された製品群から前方に落ちてケース2内に落下すること無く、段積状態で綺麗に供給することが出来る。これに対し、例えば、ケース2を垂直に立て、段積された製品1を水平移動しながらケース2内に移し替えようとすると、例えば、移動速度を速くすると、上方に位置する製品1が、例えば進行方向前方に落下して、段積された製品群よりも先にケース2内に落下供給されてしまい、製品群を綺麗に箱詰めすることが出来ない事態を生じるおそれがあるが、本実施形態では、斜め上に押し上げながらケース2内に供給するため、たとえ高速に移動したとしても上述したように綺麗に箱詰めすることができる。さらにL型アーム43は、プッシャー部材44を斜め上に移動するような軌跡にすると、より安定して製品1をケース2内に押し込み供給できるので良い。
【0054】
さらに本実施形態では、プッシャー部材44が第二姿勢にあるとき、その高さ方向の全長は、起立したケース2の高さ方向の内寸法と同じか短い設定にしているため、プッシャー部材44をケース2内に進入させることが出来る。よって、係る点からも段積された製品1を、荷崩れすることなくケース2内に箱詰めできる。
【0055】
次いで、ケース起立装置13は、ケース2内に製品1が挿入されると、支持フレーム58を回転させ、第一可動ガイド板56・第二可動ガイド板57が基本姿勢に戻ると、それに追従してケース2も倒れて、開放面が上方を向いた姿勢になる(
図13(f)等参照)。このケース2が倒れるのにあわせて、L型アーム43の第二アーム部43b上に設けた第三シリンダ45が駆動し、プッシャー部材44が前傾姿勢に遷移する。このようにすることで、斜め下向きに開放したケース2の開放部位から製品がケース2外に離脱することなく、ケース2内に積み込まれた状態のままケース2が倒れ、開放面が上方を向いた姿勢になる。その後、一時停止していたエンドレスベルト53が回転駆動し、押送片53aがケース2の一側面に接触すると、そのままケース2を押送する。ケース2は、第一可動ガイド板56上から固定ガイド板54上を移動し、搬出される。
【0056】
上述したように、本実施形態では、プッシャー部材44がバケット本体21内を移動し、さらにケース2内に進入するように構成する。よって、プッシャー部材44がケース2の中に入る際に、第一アーム部43aがケース2のフラップに接触しないようにするため、第二アーム部43bの長さを適宜に設定する。さらにプッシャー部材44の傾きを変更する第三シリンダ45を置く場所も確保するためにも、第二アーム部43bの長さを適宜に設定する。
【0057】
上述した実施形態では、縦ループ装置10のバケット18は、第一板部18aと第二板部18bの幅が固定としたが、例えば異なる製品1に対応するために縦ループ装置10の第一板部18aと第二板部18bの間隔を変更できるように構成すると良い。例えば、第一板部18aと第二板部18bを交互に配置し、第一板部18aは周方向に等間隔に配置し、第二板部18bは第一板部18aに対して昇降する。製品1の厚さに合わせて第一板部18aと第二板部18bの間隔を調整し、上下から挟み込めるようにすると良い。
【0058】
上述した実施形態では、縦ループ装置10が、段積バケット装置11のバケット本体21内に製品1を集積した状態で供給するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、バケット本体21の上或いは下から一つずつ積み込むものの他、各種のものが適用可能である。
【0059】
上述した実施形態では、縦ループ装置10から段積バケット装置11のバケット本体21に製品1を供給する際、バケット本体21は垂直に起立した姿勢としたが、前傾姿勢としてもよい。但し、実施形態のように垂直に起立した姿勢とした方が、バケット本体21と縦ループ装置10との隙間が少なく、排出プッシャー19で水平に押し出した製品1が、バケット本体21側にそのままストレス無く乗り移ることができるので良い。
【0060】
上述した実施形態では、シャッター25を開く際に、バケット本体21は後傾姿勢にしたが、垂直に起立させた状態としても良いし、前傾姿勢のままで行っても良い。但し、後傾姿勢にした方が、その後に行うケース2への供給処理を行う際に姿勢を変える必要が無いので好ましい。さらに、バケット本体21を後傾姿勢にすると、バケット本体21の開放面が後傾姿勢のプッシャー部材44と近接するので、係る点に鑑みても好ましい。
【0061】
また、シャッターを開くタイミングは、上述した実施形態並びに変形例に示すようにバケット本体21が前進位置に至った状態で行うようにしたが、本発明では、これに限ることは無く、例えば、バケット本体の前進移動中にシャッターを開き、製品を段積みするようにして、処理時間の短縮を図り、より高速に対応することができる。但し、実施形態等のように、前進位置において、充填プッシャー部材をバケット本体の後面の開口部を覆うようにした状態で行うと、製品が落下して段済みする時に荷崩れが発生するのを可及的に抑制できるので良い。
【0062】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。