特許第6886194号(P6886194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886194
(24)【登録日】2021年5月18日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】ガラス板位置決め装置および方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/023 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   C03B23/023
【請求項の数】27
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-522645(P2018-522645)
(86)(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公表番号】特表2018-538226(P2018-538226A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】US2016059994
(87)【国際公開番号】WO2017079201
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年10月1日
(31)【優先権主張番号】62/249,702
(32)【優先日】2015年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500232086
【氏名又は名称】グラステク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ニシュケ,デイヴィッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】コックス,チャド イー.
【審査官】 有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−293561(JP,A)
【文献】 特開2005−206458(JP,A)
【文献】 特開2003−335534(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/125973(WO,A1)
【文献】 米国特許第04058200(US,A)
【文献】 特許第2512655(JP,B2)
【文献】 特開平06−247729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/00−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板加工システムのコンベア上の加熱されたガラス板の位置を調整するための前記ガラス板加工システム用の位置決め装置において、
前記コンベアが前記ガラス板を搬送方向に搬送するように構成され、かつ前記ガラス板加工システムが、前記ガラス板を成形するための曲げ加工ステーションを更に含み、前記位置決め装置が、
前記ガラス板加工システムに取り付けられるように構成されかつ第1の架台本体と第2の架台本体とを含む架台であって、前記第1の架台本体は、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動可能であるように前記ガラス板加工システムに取り付けられるように構成され、かつ前記第2の架台本体は、前記第2の架台本体が前記搬送方向を略横断する方向に移動可能であるように前記第1の架台本体により支持されるように構成される、前記架台と、
前記第1の架台本体を前記搬送方向に移動させるための第1のモータと、
前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させるための第2のモータと、
前記第2の架台本体に接続されるように構成され、かつ前記コンベアに対する前記ガラス板の位置を調整するために前記ガラス板に接触するように構成された位置決め装置用部材とを備え
前記位置決め装置用部材が、前記第2の架台本体に接続されたときに上昇位置と下降使用位置との間で移動可能であり、かつ前記位置決め装置用部材が、前記下降使用位置にあるときに前記コンベアに接触するように構成されることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
請求項に記載の位置決め装置において、前記位置決め装置用部材は、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために前記第2の架台本体に対して移動可能であることを特徴とする位置決め装置。
【請求項3】
請求項に記載の位置決め装置において、前記位置決め装置用部材が前記下降使用位置にあるときにアームが上下方向軸線を中心に枢動可能であるように前記位置決め装置用部材に接続されかつ前記第2の架台本体に枢動可能に関連付けられるように構成された前記アームを更に備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項4】
請求項1に記載の位置決め装置において、前記位置決め装置用部材が、本体と、前記本体から延びる複数の突出部とを有し、前記突出部が、前記ガラス板に接触するように構成されることを特徴とする位置決め装置。
【請求項5】
請求項1に記載の位置決め装置において、前記第1のモータに接続可能である駆動ベルトと、前記第1の架台本体を平行移動させるための前記第1の架台本体とを更に備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項6】
請求項1に記載の位置決め装置において、2つの駆動部材を更に備え、前記駆動部材が前記搬送方向に互いに離間して配置されるように前記第2のモータと前記第2の架台本体とに接続されるように構成されており、前記駆動部材が、前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させるように構成されることを特徴とする位置決め装置。
【請求項7】
加熱されたガラス板を加工するためのガラス板加工システムにおいて、前記ガラス板加工システムが、
前記ガラス板を搬送方向に搬送するためのコンベアと、
前記ガラス板を成形するための成形ステーションと、
前記成形ステーションの上流側の前記コンベア上の前記ガラス板の位置を調整するための位置決め装置とを含み、
前記位置決め装置が、第1の架台本体と第2の架台本体とを有する移動可能な架台を含み、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動可能であり、かつ前記第2の架台本体は、前記第2の架台本体が前記搬送方向を略横断する方向に移動可能であるように前記第1の架台本体により支持され、
前記位置決め装置が、前記第1の架台本体を前記搬送方向に移動させるための第1の駆動アセンブリと、
前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させるための第2の駆動アセンブリと、
前記第2の架台本体に接続され、かつ前記コンベアに対する前記ガラス板の位置を調整するために前記ガラス板に接触するように構成された位置決め装置用部材とを更に含み、
前記第1の駆動アセンブリおよび前記第2の駆動アセンブリが、独立して動作させられるように構成され
前記位置決め装置用部材が上昇位置と下降使用位置との間で移動可能であり、かつ前記位置決め装置用部材が、前記下降使用位置にあるときに前記コンベアに接触するように構成される
ことを特徴とするガラス板加工システム。
【請求項8】
請求項に記載のガラス加工システムにおいて、前記位置決め装置用部材は、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために前記第2の架台本体に対して移動可能であることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項9】
請求項に記載のガラス加工システムにおいて、前記位置決め装置は、前記位置決め装置用部材が前記下降使用位置にあるときに支持部材が上下方向軸線を中心に枢動可能であるように前記位置決め装置用部材に接続されかつ前記第2の架台本体に枢動可能に関連付けられた前記支持部材を更に備えることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項10】
請求項に記載のガラス加工システムにおいて、前記支持部材が更に、前記位置決め装置用部材を前記上昇位置と前記下降使用位置との間で移動させるために水平方向軸線を中心に枢動可能であることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項11】
請求項に記載のガラス加工システムおいて、前記位置決め装置が、前記支持部材に接続された枢動可能な継手と、前記枢動可能な継手に接続された上下方向に延びる支持体と、前記支持体と前記枢動可能な継手とを回転させるために前記支持体に係合可能である第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータとを更に備えることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項12】
請求項11に記載のガラス加工システムにおいて、前記第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータは、前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記枢動可能な継手および前記支持部材の枢動運動を可能にするために前記支持体から離脱可能であることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項13】
請求項に記載のガラス加工システムにおいて、前記第1の駆動アセンブリが第1のモータを含み、かつ前記第2の駆動アセンブリが第2のモータを含むことを特徴とするガラス加工システム。
【請求項14】
請求項13に記載のガラス加工システムにおいて、前記第1の駆動アセンブリが、前記第1のモータに接続された第1の駆動ベルトと、前記第1の架台本体を平行移動させるための前記第1の架台本体とを更に備え、かつ前記第2の駆動アセンブリが、前記第2のモータに接続された第2の駆動ベルトと、前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させるための前記第2の架台本体とを更に備えることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項15】
請求項に記載のガラス加工システムにおいて、上下方向に互いに離間して配置される長手方向に延びる第1のガイドおよび第2のガイドを含む支持構造を更に備え、かつ前記第1の架台本体は、前記第1の架台本体が平行移動するときに前記第1のガイドと前記第2のガイドとに係合可能であることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項16】
ラス板加工システムのコンベア上の加熱されたガラス板の位置を調整する方法において、前記ガラス板加工システムが、前記ガラス板を成形するための成形ステーションを含み、前記方法が、
第1の架台本体と第2の架台本体とを含む架台の所望の速度を達成するために、前記第1の架台本体に関連付けられた第1のモータを使用して、前記架台を前記ガラス板加工システムに沿って移動させることと、
前記第2の架台本体に関連付けられた第2のモータを使用して前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させることと、
前記コンベアに対する前記ガラス板の前記位置を調整するために、前記第2の架台本体に接続された位置決め装置用部材に前記ガラス板を接触させることと
前記ガラス板を前記位置決め装置用部材に接触させる前に、前記位置決め装置用部材を上昇位置と、前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触する、下降使用位置との間で移動させることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記位置決め装置用部材が前記下降使用位置にあるときに前記位置決め装置用部材が前記ガラス板の搬送平面に平行な方向に前記第2の架台本体に対して移動することを可能にすることを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記コンベアが前記ガラス板を搬送方向に搬送するように構成され、ならびに前記第2の架台本体を前記第1の架台本体に対して移動させることが、前記第2のモータに関連付けられかつ前記搬送方向に互いに離間して配置される2つの駆動部材を使用して行われることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記コンベア上の前記ガラス板の搬送方向の速度に近似した速度に前記架台が達するように前記架台を移動させることが行われ、かつ前記架台の前記搬送方向の所望の速度が達成された後に前記位置決め装置用部材を前記上昇位置と前記下降使用位置との間で移動させることが行われることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1に記載の位置決め装置において、
前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために、前記位置決め装置は、前記位置決め装置用部材が下降使用位置にあるときに前記ガラス板の搬送平面に平行な方向に前記第2の架台本体に対して移動することを有効または可能にするように構成されていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項21】
請求項20に記載の位置決め装置において、
前記第2の架台本体に回転可能に接続されかつ前記位置決め装置用部材に関連付けられるように構成された支持体と、前記位置決め装置用部材を定位置に戻すために前記支持体と係合可能な揺動駆動アセンブリとをさらに含み、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために、前記揺動駆動アセンブリが、前記支持体との係合を解除することができ、それにより前記位置決め装置用部材が定位置から離れるように前記第2の架台本体に対して移動することを可能にすることを特徴とする位置決め装置。
【請求項22】
請求項21に記載の位置決め装置において、
前記支持体が、本体と、前記本体に設けられた突出部とを含み、前記揺動駆動アセンブリが、アクチュエータを含み、このアクチュエータは、前記支持体を回転させて前記位置決め装置用部材を定位置に戻すために、前記支持体が前記第2の架台本体に接続されたときに、前記突出部と係合することができることを特徴とする位置決め装置。
【請求項23】
請求項7に記載のガラス加工システムにおいて、
前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために、前記位置決め装置は、前記位置決め装置用部材が下降使用位置にあるときに前記ガラス板の搬送平面に平行な方向に前記第2の架台本体に対して移動することを有効または可能にするように構成されていることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項24】
請求項23に記載のガラス加工システムにおいて、
前記位置決め装置がさらに、前記第2の架台本体に回転可能に接続されるとともに、前記位置決め装置用部材にも接続される支持体と、前記位置決め装置用部材を定位置に戻すために前記支持体と係合可能な揺動駆動アセンブリとをさらに含み、前記第1の架台本体が前記搬送方向に平行移動させられかつ前記位置決め装置用部材が前記コンベアに接触したときに前記コンベアと前記第1の架台本体との速度差を補正するために、前記揺動駆動アセンブリが、前記支持体との係合を解除することができ、それにより前記位置決め装置用部材が定位置から離れるように前記第2の架台本体に対して移動することを可能にすることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項25】
請求項24に記載のガラス加工システムにおいて、
前記支持体が、本体と、前記本体に設けられた突出部とを含み、前記揺動駆動アセンブリが、アクチュエータを含み、このアクチュエータは、前記支持体を回転させて前記位置決め装置用部材を定位置に戻すために、前記突出部と係合することができることを特徴とするガラス加工システム。
【請求項26】
請求項17に記載の方法において、
前記位置決め装置用部材が前記ガラス板の搬送平面に平行な方向に前記第2の架台本体に対して移動することを可能にすることは、前記架台が前記ガラス板加工システムに沿って前記コンベア上のガラス板の搬送方向に移動する際に前記コンベアと前記第1の架台本体との間の速度差を補正するために実行されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
支持体が、前記第2の架台本体に回転可能に接続されるとともに、前記位置決め装置用部材にも接続されており、前記方法がさらに、
前記支持体に揺動駆動アセンブリを係合させて、前記位置決め装置用部材を定位置に移動させることと、
前記架台が前記ガラス板加工システムに沿って移動する際に前記コンベアと前記第1の架台本体との間の速度差を補正するために、前記揺動駆動アセンブリと前記支持体との係合を解除して、前記位置決め装置用部材が定位置から離れるように前記第2の架台本体に対して移動することを可能にすることとを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/249,702号明細書の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ガラス加工システム用のガラス板位置決め装置、かかる位置決め装置を含むガラス加工システム、およびガラス加工システムのコンベア上のガラス板の位置を調整するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
加熱されたガラス板を位置決めするための従来の装置が米国特許第4,976,766号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【0004】
ガラス板加工システムのコンベア上のガラス板の位置を調整するための、ガラス板加工システムと共に使用される、本開示による、方法が提供され、ここで、コンベアはガラス板を搬送方向に搬送するように構成される。位置決め装置は、ガラス板加工システムに取り付けられるように構成されかつ第1の架台本体と第2の架台本体とを含む架台を含み得る。第1の架台本体は、第1の架台本体が搬送方向に平行移動可能であるようにガラス板加工システムに取り付けられるように構成され、かつ第2の架台本体は、第2の架台本体が搬送方向を略横断する方向に移動可能であるように第1の架台本体により支持されるように構成される。位置決め装置は、第1の架台本体を搬送方向に移動させるための第1のモータと、第2の架台本体を第1の架台本体に対して移動させるための第2のモータと、第2の架台本体に接続されるようにかつコンベアに対するガラス板の位置を調整するためにガラス板に接触するように構成された位置決め装置用部材とを更に含み得る。
【0005】
ガラス板を加工するための、本開示による、ガラス板加工システムは、ガラス板を搬送方向に搬送するためのコンベアと、コンベア上のガラス板の位置を調整するための位置決め装置とを含み得る。位置決め装置は、第1の架台本体と第2の架台本体とを有する移動可能な架台を含み、ここで、第1の架台本体は搬送方向に平行移動可能であり、かつ第2の架台本体は、第2の架台本体が搬送方向を略横断する方向に移動可能であるように第1の架台本体により支持される。位置決め装置は、第1の架台本体を搬送方向に移動させるための第1の駆動アセンブリと、第2の架台本体を第1の架台本体に対して移動させるための第2の駆動アセンブリと、第2の架台本体に接続され、かつコンベアに対するガラス板の位置を調整するためにガラス板に接触するように構成された位置決め装置用部材とを更に含み得る。更に、駆動アセンブリは、独立して動作させられるように構成される。
【0006】
ガラス板加工システムのコンベア上のガラス板の位置を調整するための本開示による方法は、架台の所望の速度を達成するために、第1の架台本体に関連付けられた第1のモータを使用して、第1の架台本体と第2の架台本体とを含む架台をガラス板加工システムに沿って移動させることを含み得る。方法は、第2の架台本体に関連付けられた第2のモータを使用して第2の架台本体を第1の架台本体に対して移動させることと、コンベアに対するガラス板の位置を調整するために、第2の架台本体に接続された位置決め装置用部材にガラス板を接触させることとを更に含み得る。
【0007】
例示的な実施形態が例示され開示されるが、かかる開示は特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本開示の範囲から逸脱することなく種々の修正および代替設計が行われ得ることが予期される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ガラス加工システムが、ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、ガラス板を成形するための下流側の成形または曲げ加工ステーションとを更に含み、かつコンベアおよび位置決め装置の詳細を示すために加熱ステーションのハウジングが破断されている、コンベア上のガラス板の位置を調整するための本開示によるガラス板位置決め装置を含むガラス加工システムの要部平面図である。
図2図2は、ガラス加工システムの支持構造上に支持された移動可能な架台と、架台をガラス加工システムに対して移動させるための駆動構成と、ガラス板をコンベアに対して位置決めするための、架台に接続された位置決め構成とを含む、位置決め装置の斜視図である。
図3図3は、第1の架台本体が平行移動可能である支持レールから離間して配置されかつ互いに離間して配置された架台の第1の架台本体および第2の架台本体を示す位置決め装置の分解斜視図である。
図4図4は、支持構造が例えば工場の床上に支持され得る、ガラス加工システムの支持フレームまたは支持構造に装着された状態で示される位置決め装置の正面図である。
図5図5は、位置決め部材も横方向後退位置に示される、ガラス板位置決め装置用または位置決め部材を上昇位置に示す位置決め装置の側面図である。
図6図6は、位置決め部材も横方向延在位置に示される、図5と同様でありかつガラス加工システムのコンベアに接触する下降位置にある位置決め部材を示す位置決め装置の側面図である。
図7A図7Aは、コンベアに接触するように下降させた位置決め構成の第1の位置を示す、位置決め構成および第2の架台本体の概略上面図である。
図7B図7Bは、位置決め部材を第2の架台本体に対して長手方向に平行移動させかつ第2の架台本体に対して横方向内方に移動させた(位置決め部材の長手方向の平行移動量が誇張された様式で示される)、位置決め構成の第2の位置を示す、位置決め構成および第2の架台本体の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示の実施形態は単なる例示的なものに過ぎず、種々の代替形態が可能であることを理解されたい。更に、図は必ずしも原寸に比例したものではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されていることがある。それゆえ、本明細書に開示される具体的な構造的および機能的詳細は、限定するものとしてではなく、単に本開示を様々に用いるために当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0010】
太陽光集光用途のためのガラスミラーパネル、車両フロントガラス、リアウィンドウ、または他の任意の好適な製品などの、ガラス板製品の製造時に、ガラス板がガラス板の加工のための適切な位置にあることを確実にするために、成形または曲げ加工ステーションとの関連でまたは他の任意のガラス加工動作との関連でコンベアに対してガラス板を再配置することが望ましい場合がある。本開示では、ガラス加工を向上させるためにかかる動作との関連でガラス板を位置決めするための方法および装置が提供される。
【0011】
図1は、加熱されたガラス板などの、ガラス板Gを搬送するためのコンベア12と、ガラス板を加熱するための加熱ステーションまたは加熱炉13などの、1つまたは複数の加工または処理ステーションと、各ガラス板を曲げ加工または成形するための金型装置15(例えば、図1に概略的に示す、上型および下型)を含む成形または曲げ加工ステーション14と、ガラス板を冷却するための冷却ステーション(例えば、図示しない、焼入れまたは焼鈍しステーション)などとを有するガラス板加工システム11と共に使用される、本開示による、位置決め装置10を示している。図1に示す実施形態において、曲げ加工ステーション14はまた、ピックアップ領域を含み、この領域では、各ガラス板Gがコンベア12から持ち上げられ、コンベア12から横方向にずれた箇所で成形動作が行われ得るように例えば横方向に移動可能なシャトルまたは金型により横方向に移送されてもよい。ガラス加工システムの例示的な実施形態は、米国特許第9,452,948号明細書に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、コンベア12はガラス板Gを搬送するための任意の好適なシステムであり得るが、図1に示す実施形態では、コンベア12は、回転可能な複数のロールまたはローラ16と、各ガラス板Gを搬送平面に沿って搬送方向Cに搬送するためにローラ16を回転させるための駆動システムとを含むロールコンベアである。かかるコンベアの例が、McMasterの米国特許第3,806,312号明細書、McMasterらの米国特許第3,934,970号明細書、McMasterらの米国特許第3,947,242号明細書、およびMcMasterらの米国特許第3,994,711号明細書により開示されており、これらの明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
位置決め装置10は、ガラス加工システム11の側部に配置され、かつガラス板Gがコンベア12に沿って搬送方向Cに移動するときにコンベア12上のガラス板Gの位置を調整するように構成される。図1図4を参照すると、位置決め装置10は、ガラス加工システム11の支持構造20上に支持された移動可能な架台18と、架台18をガラス加工システム11に対して移動させるための駆動構成22と、ガラス板Gをコンベア12に対して位置決めするための、架台18に接続された位置決め構成24とを含む。
【0013】
架台18は、搬送方向Cに平行な方向に支持構造20に沿って平行移動可能である第1の架台本体26(例えば、第1の架台フレーム)と、第2の架台本体28が搬送方向Cを略横断する方向に第1の架台本体26に対して移動可能であるように第1の架台本体26により支持される第2の架台本体28(例えば、第2の架台フレーム)とを含む。図2図5を参照すると、第1の架台本体26は、支持構造20にそれぞれ装着された、上下方向に離間した第1の長手方向リニア軸受レール30および第2の長手方向リニア軸受レール32(むしろ、軸受レール30および32が支持構造20の一部と見なされることもある)などの、長手方向に延びる1つまたは複数の支持部材またはガイドにより支持されてもよい。例えば、第1の架台本体26は、第1のレール30に摺動可能に装着される1つもしくは複数の軸受ブロック33aと、第2のレール32に係合可能である1つもしくは複数のローラ33bとを含むか、または第1のレール30に摺動可能に装着される1つもしくは複数の軸受ブロック33aと、第2のレール32に係合可能である1つもしくは複数のローラ33bとに接続されてもよい。同様に、第2の架台本体28は、第1の架台本体26に接続された横方向リニア軸受レール34などの、横方向に延びる1つまたは複数の支持部材により支持されてもよい。架台本体26および28は任意の好適な構成を有し得るが、図示の実施形態における第1の架台本体26は、第2の架台本体28の上下方向に配向された略平面状本体部分に平行に配向される上下方向に配向された略平面状端部分を含む。
【0014】
駆動構成22は、架台本体26および28を移動させるための任意の好適な駆動機構または駆動装置を含み得る。図2および図4に示す実施形態において、駆動構成22は、第1の架台本体26をガラス加工システム11に沿って長手方向に移動させるための第1の駆動アセンブリ36と、第2の架台本体28を第1の架台本体26に対して横方向に移動させるための第2の駆動アセンブリ38とを含む。
【0015】
第1の駆動アセンブリ36は、支持構造20に接続されて支持構造20により支持された第1のモータ40(例えば、電気モータ、空気圧モータ、油圧モータなど)と、第2の架台本体28と共に第1の架台本体26を軸受レール30および32に対して移動させるための第1のモータ40に関連付けられた関連の第1の駆動構成要素とを含む。関連の第1の駆動構成要素は、例えば、第1のモータ40に接続された第1のギアボックス41と、第1のギアボックス41を介して第1のモータ40に接続された、駆動ロッド、チェーン、またはベルトなどの、第1の駆動部材42とを含み得る。より具体的な例として、第1の駆動部材42は、図2に示すようにギアボックス41に回転可能に装着され(または別様に支持構造20に回転可能に装着され)かつ第1のモータ40により駆動され得る、第1の駆動スプロケットまたはプーリ44と、第1の駆動プーリ44から長手方向に離間した箇所において支持構造20に装着される第1のアイドラ軸受またはプーリ46とに接続されるタイミングベルトであってもよい。第1の駆動部材42は、第1の架台本体26の全ての位置において第1の駆動プーリ44と第1のアイドラプーリ46との間に位置し得る、第1の接続箇所48(図5に最も良く示す)において第1の架台本体26に更に接続されてもよい。
【0016】
上記の構成により、第1のモータ40は、第1の駆動プーリ44を第1の方向に回転させるように動作可能であり、その結果、第1の架台本体26を図1に実線で示す初期位置から図1に仮想線で示す平行移動位置に搬送方向Cに移動させるために、第1の駆動プーリ44が第1の駆動部材42を第1の方向に移動させてもよい。第1のモータ40はまた、第1の駆動プーリ44を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させるように動作可能であり、その結果、第1の架台本体26を平行移動位置から初期位置に戻るように搬送方向Cとは反対の方向に移動させるために、第1の駆動プーリ44が第1の駆動部材42を反対の方向に移動させてもよい。位置決め装置10はまた、第1の架台本体26がガラス加工システム11に対して平行移動するときに、加熱ステーション13における長手方向スロットなどの、ガラス加工システム11における開口部を封止するための、第1の架台本体26に接続されたシール部材49を含み得る。
【0017】
図2図4および図5を参照すると、第2の駆動アセンブリ38は、第1の架台本体26に接続された第2のモータ50(例えば、電気モータ、空気圧モータ、油圧モータなど)と、第2の架台本体28を第1の架台本体26に対して横方向に移動させるための第2のモータ50に関連付けられた関連の第2の駆動構成要素とを含む。関連の第2の駆動構成要素は、例えば、第2のモータ50に接続された第2のギアボックス51と、第2のギアボックス51を介して第2のモータ50に接続された、駆動ロッド、チェーン、またはベルトなどの、1つまたは複数の第2の駆動部材52とを含み得る。図示の実施形態において、第2の駆動構成要素は2つの第2の駆動部材52を含み、かつ各第2の駆動部材52は、第2のモータ50により駆動される、第2の駆動スプロケットまたはプーリ54と、第2の駆動プーリ54から離間した箇所において第1の架台本体26に接続される1つまたは複数の第2のアイドラ軸受またはプーリ56とに接続されるタイミングベルトである。第2の駆動構成要素はまた、(例えば、図3に示すように第2のギアボックス51により)第2のモータ50に接続され、かつ第2のモータ50が両方の第2の駆動プーリ54を同時に回転させ得るように第2の駆動プーリ54の各々に接続された(例えば、シャフト57が第2の駆動プーリ54間に延びてもよい)同期シャフト57を含み得る。各第2の駆動部材52は、第2の駆動部材52の移動が横方向軸受レール34に沿った第2の架台本体28の移動を生じさせるように、1つまたは複数の第2の接続箇所58(図5に最も良く示す)において第2の架台本体28に更に接続されてもよい。図2図4および図5に示す実施形態において、第2の駆動部材52は、第1の架台本体26の両端部に配置され、かつ各第2の駆動部材52は、第2の架台本体28が第1の架台本体26に対して横方向に移動するときに第2の架台本体28の移動を容易にする(例えば、第2の架台本体28の傾斜を低減するおよび/または第2の架台本体28が第1の架台本体26に対して確実に平行のままであるようにする)ために、上側および下側の接続箇所58(例えば、合計4つの接続箇所)で第2の架台本体28に接続される。
【0018】
上記の構成により、第2のモータ50は、各第2の駆動プーリ54を第1の方向に回転させるように動作可能であり、その結果、第2の架台本体28をコンベア12に向けて図5に示す第1の位置から図6に示す第2の位置に搬送方向Cを横断するように移動させるために、第2の駆動プーリ54各々が対応する第2の駆動部材52を第1の方向に移動させてもよい。第2のモータ50はまた、各第2の駆動プーリ54を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させるように動作可能であり、その結果、第2の架台本体28をコンベア12から離れるように第2の位置から第1の位置に搬送方向Cを横断するように移動させるために、第2の駆動プーリ54各々が対応する第2の駆動部材52を反対の方向に移動させてもよい。
【0019】
図1および図2に戻ると、位置決め構成24は、第2の架台本体28に接続され、かつ第2の架台本体28と共に移動可能である。位置決め構成24は、第2の架台本体28に枢動可能に接続された、細長いアームなどの、第1および第2の支持部材60と、支持部材60の端部分に枢動可能に接続された、位置決めバーまたはロッドなどの、位置決め装置用または位置決め部材62とを含む。支持部材60は、位置決め部材62を上昇位置と下降使用位置との間で移動させるために、図5に示す上昇位置と図6に示す下降位置との間で枢動可能である。支持部材60はまた、以下で詳細に解説するように、位置決め部材62を第2の架台本体28に対して長手方向に(すなわち、搬送方向Cに略平行な方向に)移動させるために、または位置決め部材62の長手方向の移動に応じて、左右に枢動するように構成されてもよい。
【0020】
支持部材60は任意の好適な方式で第2の架台本体28に枢動可能に接続され得るが、図示の実施形態では、各支持部材60は、枢動ピンなどを用いて、適合継手64に枢動可能に接続され、その結果、各支持部材60が図2に示す水平方向軸線68を中心に枢動可能であり、かつ適合継手64が、上下方向に延びる支持体66に接続され、支持体66が第2の架台本体28により支持される。上下方向に延びる各支持体66はまた、上下方向に延びる各支持体66が上下方向軸線70を中心に回転可能であるように第2の架台本体28に回転可能に接続される。その結果、各支持部材60および対応する継手64は同様に、位置決め部材62を第2の架台本体28に対して長手方向に(すなわち、搬送方向Cに略平行な方向に)移動させるために、または位置決め部材62の長手方向の移動に応じて、それぞれの上下方向軸線70を中心に枢動してもよい。
【0021】
位置決め部材62を上昇または下降させるために、位置決め装置10は、支持部材60に接続されたまたは別様に関連付けられた好適なリフト駆動アセンブリ72を含み得る。図4および図5を参照すると、リフト駆動アセンブリ72は、第2の架台本体28に枢動可能に接続された1つもしくは複数のリンクを含み得る、リンク構成76に接続された、ピストン/シリンダ装置(例えば、油圧もしくは空気圧シリンダ)またはモータ(例えば、電気モータ、空気圧モータ、油圧モータなど)などの、自動式アクチュエータ74を含み得る。図4および図5に示す実施形態では、例えば、リンク構成76は、下リンク78と上リンク80とに固定的に接続されるとともに第2の架台本体28に形成または接続された受部84に回転可能に受け入れられる水平部材82(例えば、バーまたは管)などを介して、第2の架台本体28の上部分に枢動可能に接続される2つの上リンク80に固定的に接続された下リンク78を含む。更に、リフト駆動アセンブリ72は、リンク構成76(例えば、上リンク80)に接続されかつ支持部材60に接続されたまたは別様に係合可能な係合部材86(例えば係合バー)を含む。上記の構成により、図5および図6を参照すると、アクチュエータ74は、支持部材60および位置決め部材62を図6に示す下降位置から図5に示す上昇位置に上昇させるためにリンク構成76を反時計回りに枢動させるように動作可能である。アクチュエータ74はまた、支持部材60および位置決め部材62を図5に示す上昇位置から図6に示す下降位置に下降させるためにリンク構成76を時計回りに枢動させるように動作可能である。また、支持部材60および位置決め部材62は、リンク構成76を時計回りに枢動させたときにそれらの自重によって移動するように構成されてもよい。図6に示すように、リンク構成76は、係合部材86が支持部材60から離脱する程度に時計回りに回転させてもよい。
【0022】
第2の架台本体28に対する位置決め部材62の長手方向の移動を生じさせるまたは有効にするために、位置決め装置10は同様に、上下支持体66の一方もしくは両方に接続されたまたは別様に関連付けられた好適な揺動駆動アセンブリ88を含み得る。例えば、図2および図4を参照すると、揺動駆動アセンブリ88は、互いに向かい合うとともに、上下支持体66のうちの1つの上下支持体66の一部分(例えば、上下支持体66の本体に形成または別様に接続されたタブまたは突出部92)に係合するように構成された、ピストン/シリンダ装置(例えば、油圧または空気圧シリンダ)などの、2つの自動式アクチュエータ90、またはモータ(例えば、電気モータ、空気圧モータ、油圧モータなど)を含み得る。アクチュエータ90は、突出部92に係合することによって、上下支持体66の上下方向軸線70を中心に上下支持体66を定位置まで回転させるように作動させてもよく、これにより、支持部材60、位置決め部材62および他の上下支持体66が定位置に戻り、この定位置では、位置決め部材62が支持部材60の各々に対して、直角などの、所定の角度をなす。
【0023】
アクチュエータ90はまた、アクチュエータ90の端部が突出部92から離脱して互いに離れかつ突出部92から離れるように移動するように作動停止または別様に動作させてもよく、その結果、上下支持体66がその上下方向軸線70を中心に自由に回転し、かつ両方の支持部材60が同様にそれぞれの上下方向軸線70を中心に自由に回転する。その結果、位置決め部材62は、例えば、位置決め部材62がコンベア12に接触したときのコンベア12の速度と搬送方向Cへの第2の架台本体28の速度が同じでない場合に、第2の架台本体28に対して長手方向にかつ搬送方向Cに略平行な方向に移動することができる。より一般に、位置決め部材62は、位置決め部材62が下降使用位置にあるときにガラス板Gの搬送平面に平行な方向に第2の架台本体28に対して移動することが有効または可能にされてもよい。それゆえ、位置決め装置10は、コンベア12に対する位置決め部材62の速度補正特徴部または適合特徴部を提供する。更に、支持部材60および位置決め部材62は協働して、移動可能な平行四辺形構成を第2の架台本体28と共に形成する。
【0024】
支持部材60はまた、位置決め部材62と継手64との間に所望の間隔を達成するように継手64に対して手動で調整されてもよい。例えば、各継手64は、それぞれの支持部材60を継手64に対して摺動させるために緩められ、次いで、支持部材60の所望の位置が達成されたときに締め付けられ得る、クランプ装置を含み得る。この特徴は、例えば、ガラス板がコンベア12に沿って移動するときにガラス板が架台18から比較的遠くに離間してまたは架台18の比較的近くに離間して配置される特定の用途で位置決め装置10が使用される場合に、有用であり得る。
【0025】
位置決め装置10の構成要素は、任意の好適な材料でかつ任意の好適な方式で作製されてもよい。例えば、架台本体26、28、支持部材60および位置決め部材62は、ステンレス鋼などの、任意の好適な金属で作製されてもよい。
【0026】
図1に戻ると、位置決め装置10は、コンベア12上のガラス板Gの位置を検知または検出するための1つまたは複数のセンサ96を含む検知システム94を更に含み得る。センサ96は、光学センサ、レーダセンサ、光検出器(エレクトリックアイ)などの、任意の好適なセンサであってもよい。更に、位置情報は、位置決め装置10の制御動作との関連で使用されてもよい。例えば、種々の駆動アセンブリ36、38、72および88の作動および/または作動停止が位置情報に基づいてもよい。
【0027】
加えて、位置決め装置10は、上記の構成要素と通信するおよび/または上記の構成要素の動作を制御するための制御装置または制御ユニット98を含む。制御ユニット98は、駆動アセンブリ36、38、72および88、ならびにセンサ96などの、位置決め装置10の種々の構成要素と接続するための1束の接続部100を有し得る。更に、制御ユニット98は、位置決め装置10の動作を制御するための(例えば、本明細書で説明する機能により表される特定のアルゴリズムを実行するための)任意の好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。例えば、制御ユニット98は、1つまたは複数の記憶装置またはメモリユニットと通信する1つまたは複数のプロセッサを含み得、1つまたは複数の記憶装置またはメモリユニットは、制御ユニット98が駆動アセンブリ36、38、72および88、センサ96などの動作を制御し得るおよび/またはこれらと通信し得るように1つまたは複数のプロセッサにより実行可能であるコンピュータ可読プログラム命令を含む。制御ユニット98はまた、代わりに、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、および/またはデジタル信号プロセッサを含み得る。接続部100に代えて、制御ユニット98は、代わりに、上記の構成要素の1つまたは複数に無線で接続するように構成されてもよい。更に、制御ユニット98はまた、例えば、コンベア12、加熱ステーション13、曲げ加工ステーション14などの、ガラス加工システム11の残りの部分を制御してもよく、またはガラス加工システム11の残りの部分の動作を制御する別の制御ユニットであって、制御ユニット98と同様の構成を有し得る別の制御ユニットと通信するように構成されてもよい。
【0028】
図1図7を参照して、ここで、位置決め装置10の動作をより詳細に説明する。ガラス板Gがコンベア12によりガラス加工システム11の一部分に沿って(例えば、575℃〜675℃の範囲の温度に、例えば、少なくとも575℃の温度にガラス板Gが加熱される加熱ステーション13などに沿って)搬送方向Cに搬送されているときに、位置決め装置10は、ガラス板Gが下流側の処理ステーション(例えば、曲げ加工ステーション14)での受け取りのための適切な向きにあることを確実にするためにガラス板Gの位置を調整するように動作させてもよい。例えば、ガラス板Gがコンベア12上の所定の位置に達したことを1つまたは複数のセンサ96が検出したときに、制御ユニット98は、コンベア12の速度(すなわち、ガラス板Gが支持構造20に対して移動している速度)に近似した速度に架台18が達するように、架台本体26および28を含む架台18を、図1に実線で示す初期位置から加速させるために第1の駆動アセンブリ36を作動させてもよい。加速期間の少なくとも一部の間、位置部材62は、その上昇位置および定位置に(例えば、位置部材62が支持部材60の各々に対して直角をなすように)保持されてもよい。搬送方向Cへの架台18の所望の速度が達成されたときに、位置決め部材62がコンベア12のローラ16に接触するまで位置決め部材62をコンベア12に向けて下降させるようにリフト駆動アセンブリ72を動作させてもよい。
【0029】
位置決め部材62の下降前、下降中、または下降後に、位置決め部材62が第2の架台本体28に対して長手方向に移動することを可能にするために、揺動駆動アセンブリ88を作動停止または動作させてもよい。その結果、上述したように、位置決め部材62は、例えば、位置決め部材62がコンベア12に接触したときのコンベア12の速度と搬送方向Cへの第2の架台本体28の速度が同じでない場合に、第2の架台本体28に対して長手方向に移動してもよい。図7Aおよび図7Bを参照すると、例えば、支持部材60は、位置決め部材62がコンベア12に接触したときのコンベア12の速度よりも第2の架台本体28の速度が遅い場合に、位置決め部材62が搬送方向Cにかつ搬送平面に平行に長手方向に移動することを可能にするために反時計回りに枢動してもよい。別の例として、支持部材60は、位置決め部材62がコンベア12に接触したときのコンベア12の速度よりも第2の架台本体28の速度が速い場合に、位置決め部材62が搬送方向Cとは反対の方向に長手方向に移動することを可能にするために時計回りに枢動してもよい。
【0030】
位置決め部材62がコンベア12に接触したときに、例えば、第2の駆動アセンブリ38は、必要に応じて、位置決め部材62がガラス板Gに接触してコンベア12に対するガラス板Gの位置を調整するように、第2の架台本体28および位置決め部材62を第1の架台本体26に対して横方向に移動させるために第1の駆動アセンブリ36とは独立して動作させてもよい。有利には、位置決め装置10は、ガラス板Gの擦り傷が最小化または排除され得るように位置決め部材62がガラス板Gに接触するときに位置決め部材62がガラス板Gと同じ速度で搬送方向Cに移動しているように動作させてもよい。更に、図1を参照すると、位置決め部材62は、ガラス板Gがコンベア12に沿って移動するときにコンベア12に対するガラス板Gの横方向位置および/または角度方向を調整してもよい。更に、位置決め部材62は、本体と、ガラス板Gに接触する本体から延びる1つまたは複数の突起102(図7Aおよび図7Bに概略的に示す)とを有し得る。
【0031】
架台18が、図1に仮想線で示す下流側の平行移動位置に達するか、または事前に設定した任意の好適な時間に達したときに、第2の駆動アセンブリ38は、ガラス板Gに対して非接触となるように位置決め部材62を引っ張るよう動作させてもよく、揺動駆動アセンブリ88は、必要に応じて、位置決め部材62を定位置に戻すように動作させてもよく、リフト駆動アセンブリ72は、図6に示す下降使用位置から図5に示す上昇位置に位置決め部材62を上昇させるように動作させてもよい。更に、位置決め部材62を定位置に戻すように揺動駆動アセンブリ88を動作させ、それにより、コンベア12のローラ16上の位置決め部材62のスカッフィングを阻止する前に、下降使用位置から位置決め部材62を上昇させるようにリフト駆動アセンブリ72を動作させてもよい。両方の駆動アセンブリ36および38はまた、次のガラス板に備えて架台本体26および28を初期開始位置または定位置に戻すように動作を継続してもよい。
【0032】
次に一般に、ガラス板加工システムのコンベア上のガラス板の位置を調整するための本開示による方法は、架台の所望の速度を達成するために、第1の架台本体に関連付けられた第1の駆動アセンブリ(例えば、第1のモータ)を使用して、第1の架台本体と第2の架台本体とを含む架台をガラス板加工システムに沿って移動させることを含み得る。方法は、第2の架台本体に関連付けられた第2の駆動アセンブリ(例えば、第2のモータ)を使用して第2の架台本体を第1の架台本体に対して移動させることと、コンベアに対するガラス板の位置を調整するために、第2の架台本体に接続された位置決め部材にガラス板を接触させることとを更に含み得る。更に、方法は、ガラス板を位置決め部材に接触させる前に、位置決め部材を上昇位置と、位置決め部材がコンベアに接触する、下降使用位置との間で移動させることと、位置決め部材が下降使用位置にあるときに位置決め部材がガラス板の搬送平面に平行な方向に第2の架台本体に対して移動することを可能にすることとを含み得る。
【0033】
本開示による位置決め装置10は、種々の利点を提供し得る。例えば、第1の駆動アセンブリ36と第2の駆動アセンブリ38をそれぞれ独立して動作させ得るので、各駆動アセンブリの動作は、特定の用途の要求を満たすように特別に調整されてもよい。更に、位置決め装置10が、上で論じた速度補正特徴部を含むので、位置決め部材62の速度をガラス板Gの速度と正確に一致させてもよく、それにより、ガラス板Gへの傷を最小化する。加えて、第1の架台本体26は、上下方向に離間した支持部材に沿って載るように構成され得るので、第1の架台本体26の角度移動が阻止または防止され得る。
【0034】
例示的な実施形態について上で説明してきたが、これらの実施形態で本開示の全ての可能な形態を説明することは意図していない。本明細書で使用する語句は限定的なものではなく説明的な語句であり、本開示の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更が行なわれ得ることを理解されたい。追加的に、実行する種々の実施形態の特徴を組み合せて本開示による更なる実施形態を形成してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A-7B】