【文献】
露バーガーキング 独自の仮想通貨『ワッパーコイン』を発行,AdGang [ONLINE],2017年 9月 8日,p.1,2,[2019年1月17日検索],インターネット<URL:https://adgang.jp/2017/09/150226.html>
【文献】
DSPLUS A Decentralized Cashback Platform on the Ethereum Blockchain,[online],DS PLUS,2017年12月 8日,p.1−20,[検索日:2019/04/04],URL,<URL:http://web.archive.org/web/20171208011526/https://pluscoin.io/whitepaper/WP%20PlusCoin%20-%20(ENG).pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、トークンバックシステムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では、所定の加盟店において商品又はサービス(以下、「商品等」と記す)を法定通貨で購入したユーザに対し、仮想通貨(トークン)を付与するトークンバックシステムについて説明する。トークンバックシステムは、情報処理装置1、端末2、2、2…、取引所サーバ3、EC(Electronic Commerce)サーバ4、及び発行サーバ5を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信接続されている。
【0010】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態において情報処理装置1はサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、本システムを管理する管理者のサーバコンピュータであり、本システムに加盟する加盟店で商品等を購入したユーザに対し、トークン建てでキャッシュバック(トークンバック)を行う。当該トークンは本システム独自の仮想通貨であり、ブロックチェーンに取引履歴が記録される仮想通貨である。
【0011】
なお、サーバ1が付与する仮想通貨は独自のトークンである必要はなく、例えばビットコイン(登録商標)、イーサリアム(登録商標)等の既存の仮想通貨であってもよい。
【0012】
端末2は、本システムを利用する各ユーザの端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では端末2が、タッチパネルを備えたスマートフォンであるものとして説明を行う。端末2には、本システムに係る機能を実現するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされており、端末2は、当該アプリケーションプログラムを実行することで後述の処理を行う。
【0013】
取引所サーバ3は、仮想通貨の取引所を提供する仮想通貨交換業者のサーバコンピュータである。本実施の形態に係るトークンは、一又は複数の取引所に上場されており、ユーザは取引所においてトークンを売買可能となっている。
【0014】
ECサーバ4は、電子商取引サービスを提供するECサイト(仮想店舗)事業者のサーバコンピュータである。本システムには、実店舗で商品等の販売を行う事業者のほかに、ECサイト事業者が加盟している。各ユーザは、加盟店である実店舗又はECサイトで商品等を購入した場合に、トークンを受け取ることができる。
【0015】
発行サーバ5は、本システムに係るトークンの発行を行うサーバコンピュータであり、トークンの発行上限を制御するサーバコンピュータである。本システムでは、発行サーバ5がトークンの発行を行って取引市場(取引所等)に供給する。トークンの発行上限は発行サーバ5において規定され、発行サーバ5は、市場におけるトークンの需給状況を参照しながら発行量を調整(新規トークンを発行)する。
【0016】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、端末2等と情報の送受信を行う。
【0017】
補助記憶部14は大容量メモリ、ハードディスク等であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、ユーザDB141、加盟店DB142、寄付先DB143、購入履歴DB144、投稿履歴DB145、付与履歴DB146を記憶している。ユーザDB141は、各ユーザの情報を格納するデータベースである。加盟店DB142は、各加盟店(実店舗又はECサイト)の情報を格納するデータベースである。寄付先DB143は、トークンの寄付先として登録してある団体等の情報を格納するデータベースである。後述するように、本実施の形態では、各ユーザにトークンを付与する場合に、付与するトークンの一部を寄付先DB143に登録してある寄付先に寄付させる。
【0018】
購入履歴DB144は、ユーザによる商品等の購入履歴を格納するデータベースである。投稿履歴DB145は、ユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿履歴を格納するデータベースである。後述するように、本実施の形態では、各ユーザにトークンを付与する場合に、SNSへの投稿を条件にトークンを付与する。付与履歴DB146は、ユーザに対するトークンの付与履歴(トークンバックの履歴)を格納するデータベースである。
【0019】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0020】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の可搬型記憶媒体1mを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1mからプログラムP1を読み取って実行するようにしても良い。あるいはサーバ1は、半導体メモリ1nからプログラムP1を読み込んでも良い。
【0021】
図3は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、撮像部26、補助記憶部27を備える。
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU等の演算処理装置を有し、補助記憶部27に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部22は、RAM等の一時記憶領域であり、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信を行うためのアンテナ、処理回路等を含み、サーバ1等と情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置であり、制御部21から与えられた画像を表示する。入力部25は、例えばタッチパネル、メカニカルキー等の入力インターフェイスであり、ユーザからの操作入力を受け付ける。撮像部26は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を備えたカメラであり、ユーザによる操作入力に従って撮像を行う。補助記憶部27は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリであり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2、その他のデータを記憶している。
【0022】
なお、端末2は、可搬型記憶媒体2nを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体2nからプログラムP2を読み取って実行するようにしても良い。あるいは端末2は、半導体メモリ2mからプログラムP2を読み込んでも良い。
【0023】
図4は、ユーザDB141、加盟店DB142、寄付先DB143、購入履歴DB144、投稿履歴DB145、及び付与履歴DB146のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
ユーザDB141は、ユーザID列、ユーザ名列、ウォレット列、SNS列、個人情報列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するためのユーザIDを記憶している。ユーザ名列、ウォレット列、SNS列、及び個人情報列はそれぞれ、ユーザIDと対応付けて、ユーザの氏名、ユーザにトークンを送金するために必要なウォレット情報(例えば公開鍵等)、ユーザのSNSアカウントの情報、及びユーザの個人情報(性別、年齢、国籍等)を記憶している。
【0024】
加盟店DB142は、加盟店ID列、加盟店名列、加盟店情報列、手数料率列を含む。加盟店ID列は、各加盟店を識別するための加盟店IDを記憶している。加盟店名列、加盟店情報列、及び手数料率列はそれぞれ、加盟店IDと対応付けて、加盟店の名称、その他の加盟店に関する情報、及び加盟店から徴収する手数料の割合を記憶している。
【0025】
寄付先DB143は、団体ID列、団体名列、画像列を含む。団体ID列は、寄付先として登録してある団体等を識別するための団体IDを記憶している。団体名列及び画像列はそれぞれ、団体IDと対応付けて、寄付先である団体等の名称、及び当該団体等に寄付する場合にユーザがSNSへの投稿に利用する画像データを記憶している。
【0026】
購入履歴DB144は、購入ID列、購入者列、加盟店列、日付列、購入商品列、購入額列を含む。購入ID列は、加盟店からユーザが商品等を購入した場合に、個々の購入履歴(購入情報)に対して割り当てられる購入IDを記憶している。購入者列、加盟店列、日付列、購入商品列、及び購入額列はそれぞれ、購入IDと対応付けて、購入者であるユーザのユーザID、ユーザが商品等を購入した加盟店の加盟店ID、商品等を購入した日付、購入した商品等の名称、及び購入額を記憶している。
【0027】
投稿履歴DB145は、投稿ID列、投稿日時列、SNS列、投稿者列、投稿情報列を含む。投稿ID列は、ユーザがSNSに投稿した個々の投稿情報毎に割り当てられた投稿IDを記憶している。投稿日時列、SNS列、投稿者列、及び投稿情報列はそれぞれ、投稿IDと対応付けて、投稿された日時、投稿先のSNS、投稿者であるユーザのユーザID、及び投稿内容(テキスト、画像等のデータ)を記憶している。
【0028】
付与履歴DB146は、日時列、トークンバック列、寄付列、承認列を含む。日時列は、ユーザにトークンを付与した日時を記憶している。トークンバック列、寄付列、承認列はそれぞれ、日時と対応付けて、ユーザへのトークンバックに関する情報、寄付に関する情報、及び加盟店からのトークン付与の承認の有無を記憶している。トークンバック列には、例えば付与対象であるユーザのユーザID、付与したトークンの数量、及びトークンの付与(送金)のために作成したトランザクションのIDなどを記憶している。寄付列には、例えば寄付先である団体等の団体ID、寄付したトークンの数量、トークンの寄付(送金)のために作成したトランザクションのID、及びトークン寄付に関連してユーザがSNSに投稿した投稿情報の投稿IDなどを記憶している。
【0029】
図5は、トークン付与処理の概要を示す説明図である。
図5に基づき、本システムの概要を説明する。
上述の如く、本実施の形態では、本システム独自のトークンを取り扱う。当該トークンは、例えばサーバ1とは別個の発行サーバ5が取引市場に供給し、発行上限を制御する。取引所サーバ3が提供する取引所(取引市場)において、各ユーザは市場に流通するトークンを売買可能となっている。
【0030】
サーバ1は、当該トークンを媒介としたキャッシュバック(トークンバック)の処理を管理する管理装置であり、商品等を購入したユーザに対し、購入した商品等の購入額に応じた数量のトークンを付与する。
【0031】
なお、本実施の形態で云う「トークンの付与」とは、ユーザにトークンを送金するためのトランザクションをデータベース(例えば付与履歴DB146)に登録する処理と、トランザクションをブロックチェーンネットワークにブロードキャストして実際にユーザのウォレットへ送金する処理との何れも含み得る。前者の場合、サーバ1は端末2からの要求を受けてデータベースに登録されているトランザクションをブロードキャストし、ユーザに付与したトークンをウォレットへ送金する。
【0032】
本システムには実店舗、ECサイト(仮想店舗)などの複数の加盟店が加盟しており、ユーザが各加盟店で商品等を購入した場合、サーバ1は、加盟店から商品等の購入額に応じた手数料を徴収し、当該手数料を原資としてトークンを付与する。なお、各加盟店から徴収する手数料率は加盟店DB142で規定されている。サーバ1は、購入額に手数料率を乗算して手数料を算出し、算出した手数料の支払いを加盟店に要求する。サーバ1は、加盟店から支払われる手数料を原資にトークンバックを実施する。
【0033】
この場合にサーバ1は、加盟店から支払われる手数料に基づき、取引所サーバ3に対し、トークンを購入する旨の購買要求(いわゆるオファー)を出力し、トークンを購入する。すなわちサーバ1は、加盟店からの手数料を原資として、仮想通貨の取引市場からトークンを調達する。
【0034】
サーバ1はまず、トークンの時価(トークンを法定通貨に換算した場合の単位数量当たりの価格)を示す時価情報を取引所サーバ3から取得する。すなわち、サーバ1は、取引市場(取引所等)におけるトークンの市場価格を示すデータを取引所サーバ3から取得する。なお、取引所サーバ3ではなく、仮想通貨の時価情報を公開している外部サイトからトークンの時価情報は取得してもよい。
【0035】
サーバ1は、時価情報を参照して、加盟店からの手数料で購入可能なトークンの数量を算出する。そしてサーバ1は、算出した数量のトークンを現在の時価で購入する旨の購買要求を取引所サーバ3に出力する。サーバ1は、取引所サーバ3を介してトークンの保有者からトークンを購入する。サーバ1は、購入したトークンをユーザへの付与に充てる。
【0036】
なお、ユーザが商品等を購入して加盟店からの手数料の支払い(入金)が完了するまでにタイムラグが存在するため、実際には、ユーザへトークンを付与した後に、購買要求を出力して市場からトークンを調達(補充)することになる。なお、トークンの調達が完了後にユーザへのトークン付与を行ってもよいことは勿論である。
【0037】
また、本実施の形態では取引所サーバ3(取引所)からトークンを調達するものとするが、例えばサーバ1は、トークンの発行元である発行サーバ5からトークンを調達(購入)してもよい。
【0038】
上述の如く、サーバ1は、ユーザが加盟店で商品等を購入した場合に、加盟店からの手数料を原資としてトークンを市場から調達する。これにより、市場におけるトークンの需要を強制的に高める結果になる。
【0039】
また、サーバ1は、トークンを付与する場合に、ユーザによるトークンの保有状況を示す保有情報を取得し、取得した保有情報に応じてトークンを付与する。保有情報は、トークンの保有量、保有期間などを示すデータである。例えばサーバ1は、付与履歴DB146に記憶されているトークンの付与履歴を参照して、ユーザが保有するトークンの保有量、保有期間などのデータを取得する。あるいはサーバ1は、ユーザDB141に記憶されているウォレット情報に基づき、ブロックチェーンからユーザの現在の保有情報を取得してもよい。サーバ1は、取得した保有情報に基づいてトークンの付与を行う。
【0040】
例えばサーバ1は、ユーザが保有するトークンの保有量が所定数以上であるか否かを判定し、所定数以上のトークンを保有していると判定した場合、トークンを付与する。判定基準とするトークンの数量は特に限定されないが、例えばサーバ1は、ユーザが1トークン以上保有するか否かを判定する。このように、サーバ1は、所定数以上のトークンを保有しているユーザを対象としてトークンバックを実施する。これにより、トークン自体を一種の会員権として機能させ、所定数以上のトークンを保有しておくインセンティブをユーザに与える。
【0041】
なお、判定基準とするトークンの保有量を0とし、全てのユーザに対してトークンバックを実施してもよい。
【0042】
さらにサーバ1は、ユーザによるトークンの保有情報に基づいて重み付けを行い、ユーザに付与するトークンの数量を変動させる。例えばサーバ1は、ユーザによるトークンの保有量、及び保有期間に応じて付与量を変動させる。
【0043】
例えばサーバ1は、保有量が多いほど、ユーザに付与するトークンの数量を増加させる。また、サーバ1は、保有期間が長いほど、ユーザに付与するトークンの数量を増加させる。これにより、トークンをより多く、より長く保有しておくようにユーザに促す。
【0044】
上記の処理により、トークンを保有し続けるインセンティブをユーザに与える。これにより、ユーザはトークンを消費せず、保有し続けることが期待できる。この状態で、ユーザが加盟店で商品等を購入すれば購入するほど、上述のトークンの調達によって市場に流通するトークンの流通量が減少し、相対的にユーザが保有する既存のトークンの資産価値(市場価格)が上昇する。これにより、購入行為自体がユーザの資産価値形成に資する。
【0045】
上述の如く、本システムでは一般的なキャッシュバックサービスと同様にトークンの付与(トークンバック)を行うものの、付与したトークンを消費させずに、保有し続けるように促す。これにより、トークンの価格上昇を期待することができ、トークンバックによる直接的な価値の提供だけでなく、間接的な価値(価格上昇による資産価値の形成)を提供することができる。
【0046】
なお、トークンの流通量を更に減少させるため、取引市場(取引所等)においてユーザが有償でトークンを入手した場合は、商品等の購入によって付与するトークンの数量を増加させる、あるいはトークン付与の対象とする商品等の種類を増やすなどすると好適である。すなわち、サーバ1は、トークンバック(商品等の購入によるトークン付与)以外の方法でトークンを取得したユーザに対し、トークンの付与量を増加、あるいは付与対象とする商品等の種類を増加させる。これにより、ユーザによるトークンの購入を促し、市場での流通量を更に減少させることができる。
【0047】
図6は、トップ画面の一例を示す説明図である。以下では端末2での操作例を説明しながら、本システムの具体的な処理内容を説明する。
上述の如く、端末2には本システムに係るアプリケーションプログラムがインストールされており、当該アプリケーションプログラムを実行して以下の処理を行う。なお、Webブラウザ等のAPI(Application Programmable Interface)上で画面表示、操作を行ってもよい。
図6では、アプリケーションのトップ画面を図示している。
【0048】
トップ画面は、ユーザが保有しているトークンの保有量を表示する画面である。
図6に図示するように、端末2は、ユーザが現在保有しているトークンの保有量と、当該トークンをユーザの国籍に対応する法定通貨に換算した場合の法定通貨相当額とをトップ画面に表示する。
【0049】
また、端末2は、左スワイプアイコン61、右スワイプアイコン62、及びカメラアイコン63をトップ画面に表示する。左スワイプアイコン61は、後述する加盟店の一覧画面(
図7参照)に遷移すべく、左スワイプ(画面を左方向になぞる操作)の操作入力を促すアイコンである。右スワイプアイコン62は、後述する取引所画面(
図10参照)に遷移すべく、右スワイプ(画面を右方向になぞる操作)の操作入力を促すアイコンである。カメラアイコン63は、後述する加盟店(実店舗)のレシートの撮像モードに遷移するためのアイコンである。
【0050】
なお、本実施の形態では「スワイプ」によってトップ画面から他の画面に遷移することとするが、当該操作は画面をなぞる操作であればよく、例えばフリック、ドラッグ等と呼ばれる操作であってもよい。
【0051】
図7は、左スワイプ操作時の画面遷移例を示す説明図である。左スワイプアイコン61に従って、トップ画面を左方向(第1方向)になぞるスワイプ操作を受け付けた場合、端末2は、
図7の中央に示す一覧画面(第2画面)に遷移する。一覧画面は、本システムに加盟する複数の加盟店を一覧で示す表示画面である。
図7に示すように、一覧画面には、商取引サービスを提供するECサイト(仮想店舗)の加盟店(第1加盟店)と、実店舗の加盟店(第2加盟店)とが一覧で表示される。
【0052】
端末2は一覧画面において、各ECサイトに対応してリンクボタン71、71、71…を表示する。リンクボタン71への操作入力を受け付けた場合、端末2は、操作されたリンクボタン71に対応するECサイト(ECサーバ4)にアクセスする。なお、アクセス先はECサイトのホーム画面などであってもよく、あるいはリンクボタン71から個々の商品の画面に直接遷移させてもよい。
【0053】
端末2は、ユーザからの操作入力に従い、アクセスしたECサイトにおいて商品等の購入申込を行う。ユーザがECサイトにて商品等を購入した場合、サーバ1は、ECサーバ4から、購入された商品等を関する購入情報を取得する。購入情報は、購入された商品等、購入額、購入日時などを示すデータである。サーバ1は、取得した購入情報を購入履歴DB144に記憶する。
【0054】
なお、本実施の形態ではECサーバ4から購入情報を取得するものとするが、サーバ1は、端末2から直接的にECサイトでの購入情報を取得してもよい。あるいはサーバ1は、ASP(Affiliate Service Provider)などを経由して購入情報を取得してもよい。サーバ1は、
図7の一覧画面を経由して端末2から直接又は間接的に購入情報を取得可能であればよく、その取得経路は特に問わない。
【0055】
また、端末2は一覧画面において、実店舗である各加盟店に対応してスキャンボタン72、72、72…を表示する。一覧画面でスキャンボタン72への操作入力を受け付けた場合、又はトップ画面でカメラアイコン63への操作入力を受け付けた場合、端末2は撮像部26を起動し、実店舗で購入した商品等に関する情報(購入情報)を記述した媒体を撮像するための撮像モードに遷移する。
【0056】
例えば端末2は、実店舗においてユーザに配布されるレシートを撮像するための撮像モードに遷移する。端末2は、ユーザからの操作入力に従ってレシートを撮像し、撮像画像に対する文字認識を行って、購入された商品等、購入額、購入日時などの購入情報を抽出する。端末2は、抽出した購入情報をサーバ1に送信する。
【0057】
なお、本実施の形態ではレシートを読み取るものとして説明するが、対象とする媒体はレシートに限定されず、例えばQRコード(登録商標)等のコード情報であってもよい。すなわち、端末2は所定の媒体を撮像して購入情報を抽出可能であればよく、その対象はテキストが印刷された紙媒体に限定されない。
【0058】
また、本実施の形態では、実店舗の加盟店における購入情報を端末2から取得するものとするが、例えばサーバ1は、実店舗のPOS(Point of Sales)システムから購入情報を取得するなどしてもよい。
【0059】
端末2又はECサーバ4から購入情報を取得した場合、サーバ1は、上述の如く、商品等の購入額に応じた手数料の支払いを加盟店に要求する。サーバ1は、加盟店から支払われる手数料に基づき、取引所サーバ3にトークンの購買要求を出力し、トークンを購入する。
【0060】
また、サーバ1は、商品等の購入額に応じた数量のトークンをユーザに付与する。例えばサーバ1は、トークンの時価情報を取引所サーバ3から取得し、購入額に応じて定めた手数料を、現在の時価に従ってトークンの数量に換算する。サーバ1は、換算した数量のトークンをユーザに付与する。
【0061】
この場合にサーバ1は、上述の如く、ユーザによるトークンの保有情報を取得し、取得した保有情報を参照して付与するトークンの数量を決定する。具体的には、サーバ1は、ユーザによるトークンの保有量及び保有期間に応じて重み付けを行い、トークンの付与量を決定する。
【0062】
なお、上記のトークン付与に係る処理を行う場合に、トークンが発行上限に到達し、ユーザにトークンを付与できない場合も考えられる。なお、「発行上限に到達」とは、現に発行量の上限値に到達した場合だけでなく、発行量が上限値に近い場合も含み得る。発行上限に到達し、かつ、取引所サーバ3からトークンの購入(調達)が困難な場合、サーバ1は、本システムに係るトークンに代えて、他の仮想通貨、又は法定通貨をユーザに付与する。これにより、発行上限に達する事態にも対応することができる。
【0063】
発行上限に到達しない場合、又は取引所サーバ3からトークンを購入可能である場合、サーバ1は、上記で決定した数量のトークンをユーザに付与する。この場合に、サーバ1は、付与予定のトークンの一部を所定の寄付先(外部)に寄付させると共に、トークンを寄付した旨をSNSに投稿することを条件に、トークンの付与を行う。
【0064】
図8は、付与予定のトークンに関する通知画面例を示す説明図である。
図7で説明したECサイトでの購入申込、又はレシートの読取が完了後、端末2はサーバ1からの通知を受け、
図8の画面(第4画面)に遷移する。当該画面は、ユーザに付与される予定のトークンの数量を表示すると共に、トークンの寄付、及びSNSへの投稿を促す表示画面である。
【0065】
図8に示すように、端末2は、商品等を購入した加盟店の名称と、当該加盟店での商品等の購入によって付与されるトークンの数量、及び付与されるトークンを法定通貨に換算した金額とを画面上部に表示する。サーバ1は、これらの情報を端末2に通知し、
図8の画面に表示させる。
【0066】
さらに端末2は、付与予定のトークンの一部を寄付し、寄付した旨をSNSに投稿すべき旨を表示する。例えば
図8に示すように、端末2は、寄付先DB143に登録(記憶)されている寄付先の画像を表示すると共に、寄付及び投稿を行うべき旨のテキストを画像下部に表示する。また、端末2は、投稿先とするSNSを選択するためのトグルスイッチ81を表示し、投稿する一又は複数のSNSを選択させる。
【0067】
トグルスイッチ81による選択が完了後、端末2は不図示の画面に遷移し、SNSに投稿するコメント(テキスト)の入力をユーザから受け付ける。そして端末2は、ユーザ自身のSNSのアカウントで、ユーザが入力したテキストのほか、
図8で図示した寄付先の画像を含む投稿情報をSNS上に出力する。
【0068】
サーバ1はSNSのAPIを呼び出して、投稿情報が出力されたか否か、すなわちSNSへの投稿が完了したか否かを判定する。投稿が完了した場合、サーバ1は、端末2からSNSに出力された投稿情報を、投稿日時と対応付けて投稿履歴DB145に記憶する。また、サーバ1は、ユーザへのトークンの付与を行う。具体的には、サーバ1は、ユーザのウォレットへトークンを送金するためのトランザクションを生成し、付与履歴DB146に登録(記憶)する。この場合にサーバ1は、トランザクションのステータスを「承認待ち」として登録する。その後、サーバ1は、手数料を支払う加盟店(ECサーバ4等)からトークン付与の承認を受け付ける。トークン付与の承認を受け付けた場合、サーバ1はステータスを「承認」に更新する。ステータスが「承認」に更新された場合、サーバ1は端末2からの要求に応じてトランザクションをブロックチェーンに出力し、寄付分を除くトークンをユーザのウォレットへ送金する。
【0069】
また、サーバ1は、ステータスを「承認」に更新後の任意のタイミングで、寄付分のトークンを寄付先に送金する。なお、寄付はトークンではなく、現金(法定通貨)等で行ってもよい。
【0070】
なお、トークンの寄付先、及び寄付するトークンの数量(寄付額)は、ユーザが任意に指定可能としてもよいが、サーバ1が自動的に決定してもよい。例えばサーバ1は、ユーザによる商品等の購入履歴に基づいてユーザの傾向を分析し、寄付先及び寄付量を決定する。例えばサーバ1は、商品等と寄付先及び寄付量とを予め関連付けておき、ユーザが購入した商品等に応じて、コンテンツベースで寄付先及び寄付量を決定する。また、例えばサーバ1は、対象のユーザの購入履歴と他のユーザの購入履歴とを比較し、協調フィルタリングを用いて、類似する他のユーザが過去に行った寄付と同じになるように寄付先及び寄付量を決定する。
【0071】
また、サーバ1は、一度の寄付で複数の寄付先にトークンを分配して送金するようにしてもよい。この場合の寄付先及び寄付量の配分についても上記と同様に、ユーザが任意に指定可能としてもよく、サーバ1が購入履歴等に基づいて自動的に決定するようにしてもよい。
【0072】
なお、上記ではトークンの寄付及びSNSへの投稿をトークン付与の条件としたが、寄付及び投稿は必須の要件ではなく、寄付及び投稿をせずともトークンを付与するように構成してもよい。
【0073】
また、上記では加盟店からの承認を待ってユーザにトークンを付与するものとしたが、加盟店からの承認を不要としてトークンを付与してもよい。
【0074】
図9は、トークン付与後のトップ画面を示す説明図である。投稿が完了した場合、端末2は、
図6でも例示したトップ画面に戻る。この場合、端末2はトップ画面を更新し、付与後のトークンの保有量を表示する。すなわち、端末2は、上記で付与されたトークンの数量を従前の保有量に加算し、加算後の保有量に更新して表示する。これにより、ユーザは商品等の購入によりトークンバックを受けたことをすぐに確認することができる。
【0075】
なお、この場合に、例えば端末2は、保有量が増えたことをユーザが直感的に把握可能なように、表示色を変更するなどして、トップ画面に表示する保有量を、
図6で図示した付与前の保有量とは異なる態様で表示するようにすると好適である。なお、
図9では便宜上、表示色が変更されている様子を太字で図示している。
【0076】
図10は、右スワイプ操作時の画面遷移例を示す説明図である。トップ画面において、右スワイプアイコン62に従って左から右方向(第2方向)になぞるスワイプ操作を受け付けた場合、端末2は、
図10に示すリンク画面(第3画面)に表示する。リンク画面は、トークンを売買可能な複数の取引所を一覧で示す画面であり、各取引所のサイトにアクセスするためのリンクページである。端末2はリンク画面において、何れかの取引所を選択する選択入力を受け付け、選択された取引所のサイトにアクセスする。端末2は、アクセスした取引所のサイト(不図示)において、法定通貨、又は他の仮想通貨にトークンを換金することができる。また、端末2は、取引所においてトークンの追加購入も行うことができる。
【0077】
なお、
図10の例では取引所のサイトに遷移するのみであったが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば端末2は、
図10の画面でトークンの送金先とする取引所のアカウント、送金するトークンの数量等を指定する指定入力を受け付け、指定されたアカウント(ウォレット)にトークンを送金可能としてもよい。これにより、ユーザは簡易な操作でトークンを移動させることができる。
【0078】
また、リンク画面において取引所の選択入力を受け付けた場合、端末2は所定のアラート表示を行い、トークンの換金を再考するようユーザに促してもよい。これにより、トークンの継続保有をユーザに促すことができる。
【0079】
上述の如く、各ユーザは加盟店で商品等を購入することで、価格上昇が期待できるトークンを得ることができる。特に本実施の形態では、端末2での簡便な操作でトークンを得ることができる。
【0080】
図11は、端末2が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11に基づき、端末2が実行する処理内容について説明する。
端末2の制御部21は、ユーザが現在保有するトークン(仮想通貨)の保有量を示すトップ画面(第1画面)を表示する(ステップS11)。制御部21は、トップ画面において、左方向(第1方向)になぞる左スワイプの操作入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。左スワイプの操作入力を受け付けていないと判定した場合(S12:NO)、制御部21は、カメラアイコン63への操作入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。カメラアイコン63への操作入力を受け付けていないと判定した場合(S13:NO)、制御部21は、右方向(第2方向)になぞる右スワイプの操作入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。
【0081】
左スワイプの操作入力を受け付けたと判定した場合(S12:YES)、制御部21は、加盟店を一覧で示す一覧画面(第2画面)を表示する(ステップS15)。具体的には、制御部21は、ECサイト(仮想店舗)の加盟店(第1加盟店)と、実店舗の加盟店(第2加盟店)とをそれぞれ一又は複数表示する。制御部21は、一覧画面で表示した加盟店から何れかを選択する選択入力を受け付ける(ステップS16)。
【0082】
制御部21は、ステップS16において、ECサイトが選択されたか否かを判定する(ステップS17)。ECサイトが選択されたと判定した場合(S17:YES)、制御部21は、選択されたECサイトにアクセスする(ステップS18)。制御部21は、ユーザからの操作入力に基づき、ECサイトにおける商品等の購入申込に係る処理を行う(ステップS19)。ユーザがECサイトで商品等を購入した場合、サーバ1は、ECサーバ4から、ユーザが購入した商品等を関する購入情報を取得する。
【0083】
ステップS13でYES、又はステップS17でNOの場合、制御部21は、ユーザが実店舗での購入情報が記述されたレシート(媒体)を撮像するための撮像モードに遷移し、ユーザからの操作入力に応じてレシートの撮像を行う(ステップS20)。制御部21は、撮像画像から購入情報を抽出し、サーバ1に送信する(ステップS21)。
【0084】
ステップS19又はS21の処理を実行後、制御部21は、付与予定のトークンの数量に関する通知をサーバ1から取得し、トークンの寄付、及びSNSへの投稿を行うための通知画面(第4画面)に遷移して、ユーザからの操作入力に基づき、SNS上に投稿情報を出力する(ステップS22)。ステップS22で表示する画面は、トークンの寄付、及び寄付した旨をSNSに投稿することをユーザに促す画面であり、例えば付与予定のトークンの数量のほかに、サーバ1が決定した寄付先の情報(画像など)を表示する。制御部21は、ユーザから任意のテキストの入力を受け付けて、入力されたテキスト、寄付先の画像などを含む投稿情報をSNS上に出力する。
【0085】
サーバ1は、ユーザからの投稿情報がSNSに出力された場合に、購入額等に応じた数量のトークンを付与する。また、サーバ1は、ユーザに付与するトークンの一部を寄付先に送金する。制御部21はトップ画面に遷移し、トップ画面に表示するトークンの保有量を、付与後のトークンの保有量に更新する(ステップS23)。
【0086】
トップ画面において右スワイプの操作入力を受け付けたと判定した場合(S14:YES)、制御部21は、トークンを売買可能な取引所を一覧で示すリンク画面(第3画面)を表示する(ステップS24)。制御部21は、アクセスする取引所を選択する選択入力を受け付け、選択された取引所にアクセスする(ステップS25)。
【0087】
ステップS23、S25の処理を実行後、又はステップS14でNOの場合、制御部21は、ユーザからの操作入力に従ってログアウトするか否かを判定する(ステップS26)。ログアウトしないと判定した場合(S26:NO)、制御部21は処理をステップS12に戻す。ログアウトすると判定した場合(S26:YES)、制御部21は一連の処理を終了する。
【0088】
図12は、サーバ1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12に基づき、サーバ1が実行する処理内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、端末2又はECサーバ4から、ユーザが購入した商品等を関する購入情報を取得する(ステップS41)。制御部11は加盟店DB142から加盟店の手数料率を読み出し、商品等の購入額に応じた手数料を算出して、手数料の支払いを加盟店に要求する(ステップS42)。
【0089】
制御部11は、取引市場におけるトークン(仮想通貨)の時価情報、及びユーザによるトークンの保有情報を取得する(ステップS43)。時価情報は、トークンの時価(法定通貨換算額)を示すデータであり、仮想通貨の取引市場(取引所等)における市場価格を示すデータである。保有情報は、ユーザによるトークンの保有状況を示すデータであり、例えばトークンの保有量、保有期間などを示すデータである。
【0090】
制御部11は、購入情報、時価情報、保有情報などに基づき、ユーザに付与するトークンの数量を決定する(ステップS44)。具体的には、制御部11は、商品等の購入額に加盟店の手数料率を乗算した手数料(法定通貨額)を、トークンの時価に応じてトークンの数量に換算する。また、制御部11はユーザの保有情報に応じて重み付けを行い、保有量が多く、保有期間が長いほど多くなるように付与量を決定する。
【0091】
また、制御部11は、ユーザに付与予定のトークンの内、一部のトークンを送金する寄付先を決定する(ステップS45)。例えば制御部11は、ユーザによる商品等の購入履歴などから寄付先を決定する。
【0092】
制御部11は、発行サーバ5から現在のトークンの発行量に関する情報を取得し、トークンの発行上限に到達するか否かを判定する(ステップS46)。発行上限に到達すると判定した場合(S46:YES)、制御部11は、本システムのトークンとは異なる他の仮想通貨、又は法定通貨をユーザに付与し(ステップS47)、一連の処理を終了する。
【0093】
発行上限に到達しないと判定した場合(S46:NO)、制御部11は、ステップS44で決定した付与予定のトークンの数量を端末2に通知する(ステップS48)。具体的には、制御部11は、付与予定のトークンの数量を端末2に通知すると共に、ステップS45で決定した寄付先の情報を通知する。
【0094】
制御部11は、ユーザによるSNSへの投稿が完了したか否かを判定する(ステップS49)。投稿が完了していないと判定した場合(S49:NO)、制御部11は処理を待機する。投稿が完了したと判定した場合(S49:YES)、制御部11は、加盟店からトークン付与の承認を受け付けたか否かを判定する(ステップS50)。トークン付与の承認を受け付けていないと判定した場合(S50:NO)、制御部11は処理を待機する。
【0095】
トークン付与の承認を受け付けたと判定した場合(S50:YES)、制御部11は、ステップS42で算出した手数料に基づくトークンの購買要求を取引所サーバ3に出力する(ステップS51)。また、制御部11は、寄付分を除くトークンをユーザに付与する(ステップS52)。また、制御部11は、ステップS45で決定した寄付先に対して寄付分のトークンを送金し(ステップS53)、一連の処理を終了する。
【0096】
なお、本実施の形態では、加盟店から支払われる手数料に応じてユーザに付与するトークンの数量を定めたが、手数料の高低に関係なくユーザに付与するトークンの数量を定め、トークンバックを実施してもよい。
【0097】
また、本実施の形態では取引所を通じてトークンの買い戻しを行うものとしたが、取引所を経由する構成は必須ではなく、サーバ1がトークン保有者から直接的にトークンを購入するようにしてもよい。
【0098】
また、上記ではユーザによる商品等の購入情報に応じてトークンを付与するものとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばサーバ1は、ユーザによるインターネット広告へのアクセス、特定のアプリケーションの利用など、商品等の購入以外のユーザの行動をトリガにトークンを付与してもよい。すなわち、商品等の購入はトークン付与の契機の一例であり、その他のユーザの行動に応じてトークンを付与してもよい。
【0099】
以上より、本実施の形態1によれば、端末2はトップ画面での簡単なスワイプ操作により加盟店の一覧画面に遷移し、レシート読取などで購入情報を直接的に、あるいはECサーバ4経由で間接的にサーバ1に出力し、トークンの付与を受けて付与後の保有量をユーザに提示する。このように、簡便な操作でトークンバックを受けることができ、消費者(ユーザ)を適切に支援することができる
【0100】
また、本実施の形態1によれば、トップ画面での簡単なスワイプ操作で取引所にアクセスし、トークンの売買も行うことができる。
【0101】
また、本実施の形態1によれば、ECサイト(仮想店舗)及び実店舗の双方の加盟店に対応してトークンバックを受けることができる。
【0102】
また、本実施の形態1によれば、トークンの寄付をトークンバックの条件とすることで、本システムを社会貢献策として実施することができる。
【0103】
また、本実施の形態1によれば、SNSへの投稿をトークンバックの条件とすることで、本システムを一般消費者に周知することができる。
【0104】
(実施の形態2)
本実施の形態では、ユーザの購入履歴等を学習する機械学習を行って推定モデル147を生成し、生成した推定モデル147を用いて、加盟店を利用するユーザの購入行動を推定する形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
図13は、推定モデル147に関する説明図である。本実施の形態においてサーバ1は、ユーザによる商品等の購入履歴のほかに、ユーザによるSNSへの投稿履歴、ユーザの個人情報などを学習する機械学習を行い、推定モデル147を生成する。そしてサーバ1は、生成した推定モデル147を用いてユーザの購入行動を推定し、推定結果に応じた情報をユーザに提示する。例えばサーバ1は、推定モデル147から出力された推定結果に基づき、
図7で例示した一覧画面で表示する加盟店の表示順序を入れ替え、ユーザが利用する確率が高い加盟店を上位に表示させる。
【0106】
なお、以下の説明ではECサイト(仮想店舗)について推定を行うものとして説明するが、推定モデル147での推定対象はECサイトだけでなく、実店舗の加盟店を含めてもよい。
【0107】
推定モデル147は、深層学習により生成されるニューラルネットワークであり、例えばRNN(Recurrent Neural Network)である。推定モデル147は、データの入力を受け付ける入力層と、入力層に入力されたデータに基づく演算を行う中間層と、中間層での演算結果に基づいて出力用のデータを出力する出力層とを有する。
【0108】
入力層は、各種データの入力を受け付ける複数のニューロンを有し、入力されたデータを中間層に受け渡す。中間層は、入力層から取得したデータに基づいて演算を行う複数のニューロンを有し、入力データの特徴量を抽出する演算処理を行う。例えば推定モデル147がRNNである場合、中間層は時系列的に並ぶ前後のニューロンの演算結果を用いて演算を行うことで、入力層の各ニューロンに入力されたデータ同士の相関を参酌しながら特徴量を抽出する。出力層は、中間層で抽出した特徴量に基づき、出力すべきデータの推定を行う。
【0109】
なお、上記では推定モデル147の一例としてRNNを挙げたが、推定モデル147はその他のニューラルネットワークであってもよい。また、推定モデル147は深層学習に係る学習済みモデルに限定されず、例えば強化学習、決定木、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)等のアルゴリズムに基づくモデルであってもよい。
【0110】
本実施の形態においてサーバ1は、購入履歴DB144、投稿履歴DB145などに蓄積された情報を教師データとして用いて、各ユーザの購入履歴、投稿履歴、個人情報などに基づき、加盟店を利用するユーザの購入行動を推定する推定モデル147を生成する。
【0111】
具体的には、サーバ1は、購入履歴等を入力として、ユーザに推奨すべきECサイト(加盟店)を出力とする推定モデル147を生成する。より詳細には、サーバ1は、本システムに加盟する複数のECサイトについて、ユーザに推奨すべきECサイトの優先順位を出力する推定モデル147を生成する。
【0112】
サーバ1は、各ユーザの購入履歴(購入した商品等、購入額、購入日時などのデータ)のほかに、トークンバックの条件としてSNSに投稿した投稿情報の履歴(投稿したコメント、投稿日時などのデータ)、及びユーザの個人情報(年齢、性別、国籍などのデータ)を各データベースから読み出し、教師用の入力データとして推定モデル147に入力する。サーバ1は、各種データに基づいて推定モデル147での演算を行い、ユーザに推奨すべき加盟店、具体的には推奨すべき加盟店の優先順位(例えば各ECサイトそれぞれに対応する確率値)を推定する。
【0113】
この場合に、例えばサーバ1は、各ユーザの購入履歴を参照して、各ECサイトでユーザが購入した商品等の購入額、及び各ECサイトで商品等を購入した購入頻度を評価関数として用い、学習を行う。例えばサーバ1は、各ECサイトについて、購入額及び購入頻度を乗算した値を計算し、乗算値が大きいほど優先順位が高くなるように、各ECサイトの優先順位の正解値を決定する。サーバ1は、入力データに基づいて推定された優先順位を、正解である優先順位と比較し、両者が近似するように、中間層で用いる各種パラメータ(重み等)を最適化する。これにより、サーバ1は、購入額及び購入頻度が高くなるECサイトを推定する推定モデル147を生成する。
【0114】
上記の学習時に、サーバ1は購入額及び購入頻度に加えて、各ECサイト(加盟店)の手数料を評価関数に加えると好適である。具体的には、サーバ1は、購入額及び購入頻度に加えて、各ECサイトから支払われた手数料を乗算し、購入額、購入頻度、及び手数料の乗算値に応じて優先順位の正解値を決定する。これにより、本システムに支払う手数料が高いECサイトほど優先され、トークンバックに係るサービスを好適に維持することができる。
【0115】
サーバ1は、上記で生成した推定モデル147に、各ユーザの購入履歴、投稿履歴、個人情報などのデータを入力し、個々のユーザに推奨すべきECサイトを推定する。そしてサーバ1は、推定したECサイトをユーザに提示する。
【0116】
例えばサーバ1は、
図7で例示した加盟店の一覧画面を端末2が表示する場合に、推定モデル147を用いて各ECサイトの優先順位を推定し、推定した優先順位に従って各ECサイトを表示する一覧画面を出力する。なお、例えばサーバ1はバッチ処理で優先順位の推定を行っておき、一覧画面を表示する際に推定済みの優先順位に従って出力を行うようにしてもよい。端末2は、サーバ1からの出力に従い、画面の上から順に、優先順位が高いECサイトを表示する。具体的には、実施の形態1と同様に、端末2は各ECサイトと、各ECサイトにアクセスするためのリンクボタン71(リンク情報)とを表示する。各ECサイトに対応するリンクボタン71への操作入力を受け付けた場合、端末2はECサイトにアクセスし、ユーザは商品等を購入することができる。
【0117】
上記の処理により、優先順位が高いECサイト、つまりユーザがよく利用し、利用金額(購入額)も高いECサイトが提示される。そしてユーザは、リンクボタン71への操作によってECサイトに簡単にアクセスすることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0118】
図14は、推定モデル147の生成処理の手順を示すフローチャートである。
図14に基づき、機械学習によって推定モデル147を生成する処理の内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、各ユーザの個人情報、商品等の購入履歴、SNSへの投稿履歴などの情報を教師データとして各データベースから読み出す(ステップS201)。購入履歴は、ユーザが購入した商品等(商品又はサービス)以外に、ユーザが商品等を購入した加盟店の加盟店IDを含む。
【0119】
制御部11は教師データを用いて、購入履歴等のデータを入力した場合に、加盟店を利用するユーザの購入行動を出力する推定モデル147を生成する(ステップS202)。具体的には、制御部11は、購入履歴等を入力として、ユーザが利用すると推定される加盟店を出力とする推定モデル147を生成する。制御部11は、教師用の購入履歴、投稿履歴、個人情報等のデータを推定モデル147に入力し、ユーザが利用する加盟店を推定する。制御部11は、推定した加盟店と、購入額、購入頻度、手数料等に応じて推奨すべきものと定めた加盟店とを比較し、両者が近似するように中間層の各種パラメータを最適化し、推定モデル147を生成する。制御部11は一連の処理を終了する。
【0120】
図15は、実施の形態2に係るトークンバックシステムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。トップ画面において左スワイプの操作入力を受け付けた場合(S12:YES)、端末2は以下の処理を実行する。
端末2の制御部21は、加盟店の一覧画面の出力をサーバ1に要求する(ステップS221)。一覧画面の出力要求を受け付けた場合、サーバ1の制御部11は、対象とするユーザの商品等の購入履歴、SNSへの投稿履歴、個人情報などのデータを各データベースから読み出す(ステップS222)。
【0121】
制御部11は、読み出したデータを推定モデル147に入力し、対象のユーザの購入行動を推定する(ステップS223)。具体的には、制御部11は、ユーザが利用すると推定される加盟店(ECサイト)を出力として取得する。より詳細には、制御部11は、複数の加盟店について、ユーザに推奨すべき加盟店の優先順位を取得する。制御部11は、取得した優先順位に従って各加盟店を表示する一覧画面を端末2に出力する(ステップS224)。端末2の制御部21は、出力された一覧画面を表示し(ステップS225)、処理をステップS16に移行する。
【0122】
また、上記ではECサイト(加盟店)へのリンクを提示するのみであったが、例えばサーバ1は、推定モデル147を用いてユーザが購入する確率が高い商品等を推定し、推定した商品等が掲載されているECサイト内のページへのリンクを提示(出力)してもよい。例えばサーバ1は、各ECサイトで提供する商品等と、各商品等が掲載されたECサイト内のページとを対応付けて加盟店DB142に記憶しておき、推定モデル147を用いて、ユーザに推奨すべき商品等の優先順位を推定する。サーバ1は、推定した優先順位に従って、各商品等の情報を一覧画面の上から順に表示させると共に、各商品等のページにアクセスするためのリンクボタン71(リンク情報)を表示させる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0123】
以上より、本実施の形態2によれば、推定モデル147を用いて加盟店を利用するユーザの購入行動を推定し、推定結果に応じた情報をユーザ宛に出力することで、消費者(ユーザ)を好適に支援することができる。
【0124】
また、本実施の形態2によれば、ユーザに推奨すべきECサイト(仮想店舗)を推定し、推定したECサイトにアクセスするためのリンク情報を出力する。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0125】
また、本実施の形態2によれば、ユーザに推奨すべきECサイトの優先順位を推定し、推定した優先順位に従って各ECサイトを提示することで、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0126】
また、本実施の形態2によれば、購入額、購入頻度、及び手数料が最大化する加盟店を提示することで、より好適にユーザを支援することができる。
【0127】
また、本実施の形態2によれば、購入履歴以外にSNSへの投稿履歴を入力に用いることで、加盟店におけるユーザの購入行動だけでなく、SNS上での言動(行動)も学習することができ、購入行動の推定精度を高めることができる。
【0128】
(実施の形態3)
本実施の形態では、ユーザに付与したトークンについて、一定期間の買取保証を与える形態について説明する。
図16は、実施の形態3の概要を示す説明図である。
図16に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0129】
実施の形態1で、本システムに係るトークンは消費を目的とせずに、加盟店からの手数料に基づいてトークンを市場から調達し、また、ユーザの保有情報に応じてトークンの付与を行うことで、長期保有を促しつつトークンの需要を創出し、価値を高める旨を説明した。本実施の形態ではさらに、付与後のトークンについて、一定の買取保証期間にある場合は、規定の買取額(交換額)でトークンを買い戻す旨の買取保証をユーザに与える。これにより、トークンの長期保有をさらに促し、相対的にトークンの価値上昇を図る。
【0130】
例えばサーバ1は、各ユーザの端末2から、付与済みのトークンについて、法定通貨への交換要求を受け付ける。具体的には、サーバ1は、交換するトークンの数量を指定する指定入力を受け付ける。なお、サーバ1はユーザの端末2ではなく、例えばユーザからの問合せを受けたオペレータから手動で交換要求の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0131】
交換要求を受け付けた場合、サーバ1は、ユーザに付与済みのトークンの付与時点を特定する。例えばサーバ1は、付与履歴DB146を参照して、加盟店から承認済みであり、かつ、過去に買取保証による交換が行われていないトークンのトランザクションを特定する。そしてサーバ1は、各トランザクションによるトークンの付与時点(例えば加盟店から承認を受け付けた時点)を特定する。サーバ1は、各トランザクションによるトークンの付与時点が現時点(交換要求を受け付けた時点)から一定期間内である否かを判定する。
【0132】
例えばサーバ1は、一定期間内にあると判定したトークンのうち、付与時点が古いトークンから順に、ユーザが指定した数量のトークンを抽出する。サーバ1は、抽出したトークンを交換対象とする。なお、例えばサーバ1は、一定期間内にあると判定したトークンのトランザクションを一覧で端末2に出力し、交換対象とするトランザクションをユーザに選択させてもよい。
【0133】
サーバ1は、トークンの時価情報を取得し、トークンの交換額(買取保証額)を算出する。例えばサーバ1は、トークンを付与した時点と同じ価格になるように、トークン付与時点の時価情報を取得し、付与時点の時価に従ってトークンを法定通貨に換算した金額を算出する。
【0134】
なお、本実施の形態では、トークンの付与時点と同じ価格で買い取りを行うものとするが、交換額は付与時点の価格と同一でなくともよい。例えばサーバ1は、長期保有をさらに促すため、付与時点の価格未満の金額(例えば90%の金額)を交換額としてもよい。また、トークンの買い取りに際して取引所での手数料などが発生するため、その手数料を減算した金額を交換額としてもよい。
【0135】
サーバ1は交換額を端末2に通知し、当該交換額での交換を承認するか否か、端末2から承認の入力を受け付ける。承認された場合、サーバ1は、トークンの送金先とするウォレットアドレスを通知し、指定したトークンの送金をユーザに促す。サーバ1は、ユーザからのトークンの送金を確認後、交換額に相当する法定通貨の送金に係る処理(例えば金融機関への送金依頼)を行う。これにより、トークンの買取を完了する。
【0136】
なお、上記で交換額を端末2に通知する場合に、単に買取保証による交換額を提示するだけでなく、現時点のトークンの市場価格、すなわち取引市場で交換した場合の交換額(第2交換額)を算出し、両者の差分をユーザに提示すると好適である。
【0137】
すなわち、サーバ1は、現時点(交換要求を受け付けた時点)のトークンの時価情報を取引所サーバ3から取得し、現時点の時価に従って、トークンを法定通貨に換算した交換額を算出する。
図16の例に則して説明すれば、付与時点が4月1日である場合に、4月1日の時価で算出した交換額とは別に、交換要求を受け付けた現時点(例えば満期の10月1日時点)の時価で換算した金額を算出する。例えばサーバ1は、両者の金額を端末2に通知すると共に、両者の差額(差分)を通知し、ユーザに提示する。これによりユーザは、買取保証に基づく交換(買取)を行うべきか、好適に判断することができる。
【0138】
図17は、実施の形態3に係るトークンバックシステムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
サーバ1の制御部11は、端末2からトークンの交換要求を受け付ける(ステップS301)。交換要求を受け付けた場合、制御部11は、ユーザに付与済みのトークンの付与時点を特定する(ステップS302)。
【0139】
制御部11は、ステップS301で交換要求を受け付けた時点が、ステップS302で特定したトークンの付与時点から一定期間内であるか否かを判定する(ステップS303)。一定期間内でないと判定した場合(S303:NO)、制御部11は一連の処理を終了する。一定期間内であると判定した場合(S303:YES)、制御部11は、トークンの時価情報を取得する(ステップS304)。例えば制御部11は、トークンの付与時点と、現時点(交換要求を受け付けた時点)の時価情報を取得する。
【0140】
制御部11は、取得した時価情報に基づき、付与時点の時価に従ったトークンの交換額を算出する(ステップS305)。また、制御部11は、現時点の時価に従ってトークンを法定通貨に換算した交換額(第2交換額)を算出する(ステップS306)。制御部11は、トークンの交換の承認を要求する(ステップS307)。例えば制御部11は、付与時点の時価に基づくトークンの交換額を出力すると共に、現時点の時価に基づく交換額を出力し、両者の差分を提示する。制御部11は、両者の金額を提示した後、最終的な承認を受け付ける。
【0141】
制御部11は、トークンの交換が承認されたか否かを判定する(ステップS308)。承認されなかったと判定した場合(S308:NO)、制御部11は一連の処理を終了する。承認されたと判定した場合(S308:YES)、制御部11はトークンの交換に係る処理を行い(ステップS309)、一連の処理を終了する。
【0142】
なお、上記では買取保証期間が一定期間であり、買取保証額(交換額)も時価に応じた規定の金額であるものとして説明したが、例えばサーバ1は、ユーザによるトークンの保有情報に基づき、保証期間及び保証額を変動させてもよい。例えばサーバ1は、トークンをユーザに付与する場合に、ユーザによるトークンの保有量及び保有期間に応じて、保証期間及び保証額を設定し、設定内容を付与履歴DB146に記憶しておく。例えばサーバ1は、保有量が多く、かつ、保有期間が長いほど、保証期間を長く、かつ、保証額を多く設定する。これにより、トークンの長期保有をさらに促すことができる。交換要求を受け付けた場合、サーバ1は付与履歴DB146に記憶された設定内容を参照して、設定された買取保証期間内である場合、設定された買取保証額での交換を行う。
【0143】
また、上記では法定通貨との交換を行うものとして説明したが、例えば電子ポイント、又は物品など、法定通貨以外の代替物と交換を行ってもよい。すなわち、ユーザに付与したトークンを、付与時点の時価に応じた交換額と等価な代替物との交換が可能であればよく、その代替物は法定通貨に限定されない。
【0144】
また、上記ではトークンの買い取りに一定の保証期間を設けたが、保証期間を設けずともよい。すなわち、トークンの付与時点と交換要求を受け付けた時点との間の経過時間に関わらず買取保証を実施してもよい。
【0145】
また、上記では付与時点の時価に応じて交換額を定めたが、付与時点の時価に関わらず一定の交換額で交換を行ってもよい。
【0146】
以上より、本実施の形態3によれば、トークンの長期保有を促して更なる価値上昇を図ることができる。
【0147】
また、本実施の形態3によれば、買取保証額(交換額)と現時点での価格との差分を提示することで、交換を行うべきか、ユーザは好適に判断することができる。
【0148】
また、本実施の形態3によれば、保有量、保有期間等の保有情報に応じて買取保証期間及び買取額を設定することで、トークンの長期保有をより好適に促すことができる。
【0149】
(変形例)
実施の形態3では、ユーザに付与した仮想通貨の買取保証について説明した。以下では、その買取保証額を端末2に表示する際の表示例について説明する。
【0150】
図18は、変形例に係るトップ画面の一例を示す説明図である。
図18のトップ画面は、グラフ181を含む。グラフ181は、過去の各時点でユーザが保有していたトークンを、付与時点の時価に応じて換算した買取保証額(交換額)と、各時点の時価に応じて換算した交換額(第2交換額)とを時系列で示すグラフである。例えば端末2は、過去の各時点でユーザが保有していたトークンの数量を縦棒で表示し、付与時点の時価に応じて換算した買取保証額と、各時点の時価に応じて換算した交換額とを折れ線で表示する。なお、
図18のグラフ181では、買取保証額を太線で、各時点の時価に応じた交換額を細線で図示している。太線は、買取保証を利用して交換した場合の金額を表す。細線は、買取保証を利用せず、一般の取引市場において交換した場合の金額を表す。
【0151】
端末2がトップ画面を表示する際に、サーバ1は、過去の各時点における両者の交換額を算出し、グラフ181を出力する。買取保証額を算出する場合、サーバ1は、過去の各時点について、その時点以前に付与したトークンの数量に付与時点の時価を乗算し、乗算値を積算して買取保証額を算出する。また、買取保証を利用しない場合の交換額(第2交換額)を算出する場合、サーバ1は、過去の各時点について、その時点でユーザが保有していたトークンの保有量に対し、その時点の仮想通貨の時価を乗算し、交換額を算出する。サーバ1は、過去の各時点(
図18では直近一週間の各日付)について両者の交換額を算出し、グラフ181として端末2に表示させる。グラフ181により、ユーザはトークンの買取保証が保たれていることを相場価格と比較して容易に確認することができる。
【0152】
図19は、付与履歴画面の一例を示す説明図である。付与履歴画面は、トークンの付与履歴を表示する表示画面である。他の画面から所定のメニュー操作を受け付けた場合、端末2は
図19の付与履歴画面に遷移する。
【0153】
付与履歴画面は、付与トークン表示欄191、付与履歴表示欄192を含む。付与トークン表示欄191は、現在ユーザが保有するトークンの保有量、及び現在の時価を表示する表示欄である。なお、「判定中」は加盟店からの承認待ちの状態を表す。
【0154】
付与履歴表示欄192は、ユーザに付与したトークンの数量や付与時点の時価などを、トークン付与のトリガとなった商品等の購入情報と関連付けて表示する表示欄である。端末2は、トークン付与のトリガとなった購入情報毎に、商品等の購入額に応じて付与されたトークンの数量と、買取が保証されている付与時点の時価とを付与履歴表示欄192に一覧表示する。
【0155】
具体的には、端末2は、商品等を購入した加盟店の名称、購入日(利用日)等と対応付けて、付与日時(
図19では「確定日」)、付与されたトークンの数量(「還元コイン」)、付与時点の時価(「換算レート」)等を表示する。なお、「ステータス」は承認済みであるかどうかを示す。ユーザは付与履歴表示欄192を参照して、商品等の購入履歴と関連付けた形で、いつ付与されたトークンにどの程度の買取保証が付いているかを容易に把握することができる。
【0156】
上述の画面表示以外は実施の形態1〜3と共通するため、本変形例ではフローチャートその他の詳細な説明は省略する。
【0157】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。