特許第6886405号(P6886405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6886405掘削機用および一般的な作業機械用油圧装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886405
(24)【登録日】2021年5月18日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】掘削機用および一般的な作業機械用油圧装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 20/00 20060101AFI20210603BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   F15B20/00 F
   F15B20/00 D
   E02F9/22 E
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-546213(P2017-546213)
(86)(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公表番号】特表2018-508724(P2018-508724A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】IB2016051223
(87)【国際公開番号】WO2016139629
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2019年1月25日
(31)【優先権主張番号】102015000007543
(32)【優先日】2015年3月4日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513010701
【氏名又は名称】メッカニカ・ブレガンゼセ・エス.ピー.エー.・イン・ブレブ・エムビー・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】MECCANICA BREGANZESE S.P.A. IN BREVE MB S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ギード
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0205953(US,A1)
【文献】 特開2012−172687(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/023155(WO,A1)
【文献】 特開2007−177764(JP,A)
【文献】 特開2001−020904(JP,A)
【文献】 実開昭50−023003(JP,U)
【文献】 実開昭62−073133(JP,U)
【文献】 米国特許第08544675(US,B1)
【文献】 米国特許第08876495(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00 − 11/22
F15B 20/00 − 21/14
E02F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の可動アームに固定可能であり、回転作業要素(2)を含むタイプの油圧装置(100)であって、
前記作業機械の可動アームに接続されたまたは接続可能な支持構造体(1)と、
前記作業要素(2)を回転させる少なくとも一つの油圧モータ(3)と、を備え、
記作業機械の油圧回路に接続されたまたは接続可能であり、前記油圧モータ(3)に作動流体の流れを供給する供給管(31)と、
前記作動流体の流れを前記作業機械の油圧回路に戻す戻り管(32)と、
前記油圧モータ(3)から前記作動流体を排出させ、且つ前記油圧モータ(3)から排出された、前記油圧モータ(3)のブッシュを潤滑する作動流体が通過する排出管(33)を含む排出ユニット(8,81,33)と、をさらに備え、
前記排出ユニットは、前記排出管(33)を通過する前記作動流体の流れに作用するポンプ(81)を備え、
前記油圧装置(100)は、
前記排出管(33)内の圧力を直接的にまたは間接的に検出する圧力検出手段(6)と、
前記圧力検出手段(6)によって所定の圧力状態が検出されたときに、前記供給管(31)から前記油圧モータ(3)に供給される前記作動流体の流れを遮断するように前記圧力検出手段(6)と関連して動作する遮断弁(5)と、をさらに備え、
前記油圧装置(100)は、前記作動流体の圧力が所定の値に到達したときに前記排出ユニット(8,81,33)に接続される収容タンク(4)をさらに備え、前記作動流体の圧力が所定の値に到達したときには前記収容タンク(4)の充填が開始され、前記収容タンク(4)の充填が所定のレベルを超えたときには前記遮断弁(5)が作動して前記油圧モータ(3)への前記作動流体の流れが遮断され、
前記遮断弁(5)は、前記作動流体の通過を可能にする第1の位置とその流れを遮断する第2の位置との間で移動可能であるスライダ(50)を備え
前記油圧装置(100)は、前記収容タンク(4)と前記遮断弁(5)とを接続する接続管(51)を備え、前記接続管(51)は、前記作動流体が所定のレベルに到達したときに、前記作動流体の流れを前記スライダ(50)のスラスト面(52)に供給して前記スライダ(50)を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることができる、
ことを特徴とする、油圧装置(100)。
【請求項2】
前記ポンプ(81)を作動させる第2の油圧モータ(80)を備える、請求項1に記載の油圧装置(100)。
【請求項3】
前記油圧モータ(3,80)は、互いに直列に接続される、請求項2に記載の油圧装置(100)。
【請求項4】
前記圧力検出手段(6)は、分流管(61)を介して前記収容タンク(4)に接続された圧力検出弁を備え、前記排出管(33)内の圧力が所定の値に到達したときには、前記作動流体の流れが分流され前記分流管(61)を介して前記収容タンク(4)に流れ、
前記収容タンク(4)の作動流体が所定のレベルに達するまでの十分な長い時間にわたって前記所定の値を超える過剰圧力が発生した場合、前記遮断弁(5)は作動流体の供給を遮断して前記油圧モータ(3)の動作を中断させる、請求項に記載の油圧装置。
【請求項5】
前記収容タンク(4)は、前記圧力検出手段(6)に対して別個のユニットとして形成される、請求項に記載の油圧装置。
【請求項6】
前記収容タンク(4)は、レベルインジケータ(40)を備える、請求項またはに記載の油圧装置(100)。
【請求項7】
前記スライダ(50)は電気的に制御され、前記収容タンク(4)は圧力スイッチ(43)を備え、前記圧力スイッチ(43)は、前記収容タンク(4)内の所定の充填レベルに応じて前記収容タンク(4)内の圧力が所定の値に到達したときに、前記スライダ(50)を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる起動信号を送信することができる、請求項に記載の油圧装置(100)。
【請求項8】
前記収容タンク(4)は、前記収容タンク(4)を空にするために、前記収容タンク(4)の底壁に着脱可能に配置されたプラグ(41)を備える、請求項に記載の油圧装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンバケット(screening basket)や回転式破砕機(rotary separator)のような油圧装置に関し、この油圧装置は、掘削機(excavator)や油圧ショベル(digger)のような土工機械の主油圧回路に接続可能な動力供給回路を介して作動する油圧モータを備えている。
【背景技術】
【0002】
掘削機および同様の作業機械のアームに取り付けて使用することができるアタッチメント(accessories)としての油圧作動式装置が、数多く知られている。
【0003】
このような装置の一例が、回転式破砕機としても典型的に知られる切削ドラム(milling head)等の路面切削用アタッチメント(milling accessories)に代表され、これらの装置では、複数のビット(teeth)が設けられた一対の回転ドラムが、油圧モータによって回転される。
【0004】
このタイプの装置の一例が、米国特許第6,626,500号に記載されている。
【0005】
装置のさらなる一例が、欧州特許出願公開284643号に記載されるようなスクリーンバケットに代表されている。
【0006】
この場合、回転バケットを支持する構造体が掘削機械のアームに接続される。バケットには所定の寸法を有するメッシュ構造が設けられ、その寸法よりも小さい物質のみが通過できるようになっている。バケットは、作業機械の油圧回路を介して作動する油圧モータによって回転される。
【0007】
これらの油圧装置および一般的に油圧モータを用いる装置を正しく機能させるために、支持作業機械からの連続的且つ十分な作動流体の供給が必要であることは明らかである。
【0008】
しかしながら、ユーザによる操作のし忘れ、排出管の接続要素の汚れ、排出管の損傷、または不適切に設定された掘削機の使用により、作動流体の供給が非常に頻繁に不規則または不正確となり得るため、油圧モータの構造体が損傷する可能性、または特別なメンテナンス作業が必要となる可能性がある。いずれにしても、上述した問題によって機械を停止させる期間が必要となり、結果として経済的な損失が生じることになる。
【0009】
米国特許出願公開第2002/0036016号には、安全弁を設けた油圧装置に対する接続手段が記載されている。しかしながら、この文献は、作動流体の流れを遮断する弁の使用の提案に限定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の根本的な技術的課題は、従来技術を参照して上述した欠点を解消することができる油圧装置を提供することによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に記載の油圧装置によって解決される。
【0012】
本発明の好ましい特徴は、従属項において定義される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、いくつかの重要な利点を提供する。主な利点は、本発明に係る装置によって装置の誤作動や故障が防止され、支持機械から作動流体が供給されるときまたは作動流体を受け入れるときに生じる不規則性によるメンテナンスの必要性が減少する、またはメンテナンスが全く不要になることである。
【0014】
さらなる一態様において、本発明は、回転作業要素を含む且つ作業機械の可動アームに固定可能なタイプの油圧装置に関し、この油圧装置は、作業機械の可動アームに接続されたまたは接続可能な支持構造体と、作業要素を回転させる油圧モータとを備え、支持作業機械の油圧回路に接続されたまたは接続可能であり作動流体の流れを受容するあるいは油圧モータに作動流体の流れを供給する供給管と、油圧モータの潤滑後にポンプに流れた作動流体を排出する排出管とをさら備え、ポンプは、作動流体を吸引してそれを高圧下で排出管に向けて流すように、排出管を通過する作動流体の流れに作用する。
【0015】
本発明のこの態様において、排出管内の圧力を増加させると作動流体の流れは遮断されることなく減速するが、ポンプは、排出管の排出量を増加させることができるため、油圧モータに損傷を与え得る高圧力に耐える能力を向上させる。
【0016】
この態様において、油圧装置は、ポンプを作動させる油圧または電動の第2のモータを備えることが好ましい。
【0017】
さらに好適な実施形態において、二つの油圧モータは、互いに直列に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のさらなる利点、特徴および利用方法は、非制限的に例示される以下の実施形態の詳細な説明から明らかになる。これらの実施形態は、以下の添付図面を参照している。
図1】本発明に係る油圧装置を後部から見た図である。
図2】本発明に係る油圧装置の後部を別の角度から見た図である。
図3】本発明に係る油圧装置の後部をさらに別の角度から見た図である。
図4】本発明に係る油圧装置の後部をさらに別の角度から見た図である。
図5】本発明に係る油圧装置の後部をさらに別の角度から見た図である。
図6】遮断弁、特に本発明に係る油圧装置の遮断弁の詳細を示す斜視図である。
図7図6に関連する遮断弁を詳細に示す断面図である。
図8】収容タンク、特に本発明に係る油圧装置の収容タンクの斜視図である。
図9】本発明に係る油圧装置の第2の実施形態の遮断弁の詳細を示す斜視図である。
図10図9に関連する遮断弁を詳細に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、掘削機用またはより一般的には作業機械用の油圧装置が、符号100によって全体として示されている。本実施形態では、油圧装置はスクリーンバケットによって示されるが、以下で明確になるように、ロータリーカッター、バケットクラッシャー、回転式せん断機(rotating shear)、振動リッパーまたは山林伐採装置等の他のタイプの装置にも同じ原理を適用することができ、すなわち、一般的に作業機械から圧力下で供給される作動流体の流れを必要とする全ての装置に適用することができる。
【0020】
以下でより明確になるように、油圧装置100は、接続プレートまたは他の同等の結合手段を用いて掘削機の可動アームに搭載されるのに適したタイプの装置である。
【0021】
上述したように、本実施形態の装置100は外側ケーシング1を備えており、外側ケーシング1は、スクリーンバケット2を回転可能に支持する支持構造体を画定している。
【0022】
スクリーンバケット2は、支持構造体1にさらに接続された油圧モータ3によって回転駆動される。さらに、上述した観点から、油圧モータを介して作動する作業要素2を備えた別の油圧装置にも同じ原理が一般的に適用され得ることが明らかである。
【0023】
作動流体は、機械から供給管31を介して供給され、戻り管32を介して機械の油圧回路に戻される。この作動流体を用いて油圧モータ3が作動する。戻り管32については、例えば図2では示しているが、他のいくつかの図面では、図をより明確にするために省略している。
【0024】
本発明に係る油圧装置は、供給管31と戻り管32に加えて、接続管8および好ましくは吸引ポンプ81を介して油圧モータに接続された排出管33をさらに備えている。
【0025】
以下でより詳細に説明するように、管33、8およびポンプ81は排出ユニットを形成しており、排出ユニットによって、モータから流れた少量の作動流体が排出され、主モータ3の動作に適した特性が維持される。
【0026】
好適な実施形態において、供給管、戻り管および排出管には、支持作業機械の油圧回路との接続を可能にする接続要素310、320、330が夫々設けられている。
【0027】
このようにして、作動流体は、供給管31を介して導入され、第2の供給部30および流量調整弁7を介して油圧モータ3に送られる。以下でより詳細に説明するように、好適な実施形態では、この流路の途中で、流体は吸引ポンプ81を駆動させるモータ80をも通過する。
【0028】
通常動作では、作動流体は供給部30を介して油圧モータ3に導入され、その大部分は戻り管32に向けて流出する一方、それより少量の油圧モータ3のブッシュを潤滑する流体は、管8を通過してポンプ81および排出管33に向けて流出する。
【0029】
管31からの流体によって駆動された油圧モータ80は、管8に送られるポンプ3の排出口内の余剰な流体を吸引するポンプ81を作動させる。流体は、モータ3の排出口からポンプ81に排出され、ポンプ81によって排出管33を介して支持機械の管330に流体が向けられる。したがって、過剰圧力が発生したときには、流体はポンプ81の補助によってモータ3の排出口から吸引されて装置の排出口に送られるため、支持機械の誤作動等による異常圧力の発生を全て回避することができる。このようにして、ポンプ81は、排出管33を通過する作動流体の流れに作用して管33内の圧力を排出させる能力を増大させるため、装置の油圧モータへの損傷を回避することができる。
【0030】
このように、実質的なまたは特に長期的な問題がない限り、排出管8および流体出口9におけるモータ3には、通常、モータに損傷を与え得る圧力より低いレベルの背圧が存在する。
【0031】
しかしながら、従来技術により提供される装置は、所定の動作特性を有するモータを備えており、それらの動作特性、特に排出管に放出される流体の圧力と流量に対する動作特性に関して、考慮する必要があることに留意されたい。
【0032】
したがって、本発明に係る装置は、通常の機能に適さない圧力下および/または流量でのモータの作動を防止する遮断弁5を備えており、管33内、および装置と排出口とを接続する後続の接続要素330内の流体と圧力に対して、ポンプ81が適切な動作特性を維持できない場合、遮断弁5は、供給管31を閉鎖して油圧モータ3への作動流体の流れを遮断することができる。
【0033】
装置100は、遮断弁5と関連して動作する圧力検出手段6をさらに備えており、圧力検出手段6は、排出管33内の圧力を直接的または間接的に検出する。
【0034】
このようにして、遮断弁5は、管33内で発生した圧力状態に応じて有利に制御され、それにより、最適な状態において油圧モータの動作が保障される。
【0035】
すなわち、排出管33内が所定の状態に到達したとき、好ましくは排出管33内の圧力に関して所定の状態が到達されたときに、遮断弁5が供給管31を閉鎖するように作動して、モータ3への作動流体の流れを遮断する。
【0036】
以下でより明確になるように、作動流体の流れが遮断される所定の状態とは、特定の用途に依存しているが、一般には油圧モータの一部における過剰圧力の発生と関連しており、過剰圧力が特定の限界値を超えた場合、油圧モータが損傷する可能性、またはメンテナンスの必要性が生じる可能性がある。
【0037】
供給管31が閉鎖されて作動流体の流れが遮断されることにより、略瞬時に油圧モータはロックされ、損傷のリスクまたは他の問題の発生を回避または少なくとも低減することができる。
【0038】
本実施形態における装置は、収容タンク4をさらに備えており、収容タンク4は、特定の動作状態が発生したとき、特に排出管33内および先行する管8内で圧力が所定の値に到達したときに、油圧モータ3から排出された作動流体を受容する。一実施形態において、収容タンク4は、圧力検出手段6とは別個のユニットとして形成されている。
【0039】
そのため、排出管33には圧力検出弁6がさらに設けられており、圧力検出弁6は、圧力が所定の値に到達したときに作動流体の流れを分流させ、分流管61を介して収容タンク4に作動流体を送る。したがって、本実施形態では、圧力検出弁6が圧力検出手段を構成し、その結果、圧力検出手段は二つの別個の本体を有している。
【0040】
このように、収容タンク4は通常は空であるが、圧力が所定の値に到達したときに圧力検出弁6が作動流体の流れを分流させることで、収容タンク4の充填が開始される。
【0041】
本発明に係る装置は、遮断弁5をさらに備えている。
【0042】
遮断弁5は、収容タンク4内の作動流体が所定のレベルを超えたときに供給管31内の流体の流れを遮断するように、収容タンク4と関連して動作する。
【0043】
この構成により、過剰圧力が発生して排出管33内で過剰圧力が相殺できなくなった場合、圧力検出弁6が開くことで流体の流れがタンク4に向けられるため、過剰圧力下での油圧モータの動作を防止することができる。
【0044】
タンク4の流体が所定のレベルに達するまでの十分な長い時間にわたって過剰圧力が発生した場合、遮断弁5は作動流体の供給を遮断して油圧モータの動作を中断させるため、過剰圧力による損傷の可能性を回避することができる。
【0045】
タンク4を用いることにより、タンクが満たされるまでの一定時間を確保できるため、過剰圧力の発生が一時的である場合に装置の停止を有利に防止することができる。圧力検出手段とは別個のタンクを使用することよってこの利点が提供される。そのようなタンクを使用しない場合、過剰圧力の発生が一時的である場合に装置が停止されないよう十分な時間を確保するために特殊な弁を形成する必要性が生じる上に、そのような弁は適切に機能しない可能性がある。その際に通常用いられる弁は、応答までの時間が比較的短いため、上述した機能を得ることはできない。
【0046】
好適な実施形態において、収容タンク4は、図8に示すレベルインジケータ40を備えており、レベルインジケータ40は、オペレータが見ることができる位置に配置されている。これにより、装置の停止は過剰圧力によるものであり、他の要因によるものでないことを容易に特定することができる。
【0047】
好適な実施形態において、タンク4は、タンク4の底部に位置する着脱可能なプラグ41をさらに備えており、これにより、問題が特定されて油圧装置が通常動作に復帰した後に、タンク4から作動流体を排出することができる。
【0048】
これに関して、管31、32、33の誤った接続のような非常に些細な要因によって、上述した類の問題がしばしば生じることに留意されたい。したがって、特にこのような場合、本発明によって装置への損傷を回避することができ、また、プラグ41が設けられた本発明によって、特別な介入を必要とせずに通常動作を再開することができる。
【0049】
そこで本実施形態には、接続管61に接続された圧力検出手段6によって制御される遮断弁5と、さらなる接続管51を有するタンク4とが設けられ、それによって、ポンプ81の動作が不十分である場合、上述したように弁5が閉鎖され、管30内の流れおよび圧力が遮断される。
【0050】
図7に詳細に示す好適な実施形態において、遮断弁5は、流体の通過を許容する第1の位置と、その流れを遮断する第2の位置との間で移動可能なスライダ50を備えるタイプの弁である。
【0051】
さらに、図6を参照すると、収容タンク4内の作動流体が所定のレベルに到達したときに流体の流れが遮断弁5に供給されるように、タンク4と弁5との間に接続管51が延在している。
【0052】
図7は第1の実施形態における遮断弁を示す模式図であり、この遮断弁では、管51を通って供給された作動流体が、スライダ50のスラスト面52に作用してスライダ50を第1の位置から第2の位置に移動させる。
【0053】
図9および図10を参照して説明する別の実施形態では、遮断弁5は電気的に制御されている。
【0054】
このために、タンク4は圧力スイッチ43を備えており、タンク内の所定の充填レベルに応じて圧力が所定の値に到達したときに、圧力スイッチ43は、第1の動作位置から第2の動作位置にスライダを移動させる作動信号を送信することができる。
【0055】
したがって、本発明は、記載された問題を解決するとともに、実質的な損傷が発生する前に装置の動作を自動的に停止させる能力を含む多数の利点を提供している。
【0056】
さらに、問題が特定された後に、本発明に係る油圧装置は容易に通常動作に復帰することができる。
【0057】
最後に、本解決策では、既知の解決策に対して最小限の構成変更のみを必要とし、低コストの部品を使用している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10