(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プリンタから排出された複数の印字媒体を、所定の基準平面上において、所定の配列方向に沿って配列して収容する収容部と、前記収容部の上方に設けられ前記印字媒体を一時的に保持する保持部と、
上方の端部が下方の端部よりも前記配列方向に沿って先頭側に位置するように前記基準平面に対して傾斜する傾斜面を有するストッパに対して、前記収容部に収容された複数の印字媒体のうち最後尾の印字媒体の方向に位置し、前記収容部に収容された複数の印字媒体のうち最後尾の印字媒体に当接する第1位置と、前記最後尾の印字媒体から離間する第2位置との間を移動する移動部材と、
前記収容部に収容された少なくとも1つの印字媒体の頂部の位置を揃える第1調整部と、
を備えるスタッカの制御方法であって、
前記移動部材を前記第1位置に移動させることによって、前記保持部の上を前記収容部に向けて滑り落ちる追加の印字媒体の底部が前記収容部に収容された複数の印字媒体のうち最後尾の印字媒体に略V字型の角度を以て当接するように、前記保持部に前記印字媒体を一時的に保持させ、
前記移動部材を前記第2位置に移動させることによって、前記追加の印字媒体が前記収容部に収容されるように、前記保持部による前記印字媒体の一時的な保持を解除し、
前記第1調整部が、前記収容部に収容された少なくとも1つの印字媒体の頂部を前記所定の配列方向に沿い且つ前記ストッパに向かう方向に撫でる動作を行うことにより、前記収容部に収容された少なくとも1つの印字媒体の頂部の位置を揃える、
スタッカの制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
(1)印字媒体(
図1A〜
図1B)
本実施形態の印字媒体について説明する。
図1Aは、本実施形態の印字媒体の上面図である。
図1Bは、
図1Aの印字媒体PMをI−I線で切断したときの断面図である。
【0010】
図1の印字媒体PMは、RFIDタグである。
図1Aに示すように、印字媒体PMの前面FFは、情報(例えば、文字、図形、バーコード、または、それらの組合せ)が印字可能な印字面である。印字媒体PMの内部には、RFID(Radio Frequency IDentification)用のチップCHと、RFID用のアンテナANと、が埋め込まれている。
図1Bに示すように、印字媒体PMにはチップCHが埋め込まれているため、前面FFは突出部FF1を有する。
以下、印字媒体PMの2つの側部SPを結ぶ方向を「幅方向」という。印字媒体PMの2つの側部SP間の寸法(つまり、印字媒体PMの幅)は、Wである。印字媒体PMの突出部FF1と背面BFとの間の寸法(つまり、印字媒体PMの厚さ)は、Tである。
【0011】
(2)スタッカの構造(
図2〜
図5B)
本実施形態のスタッカの構造について説明する。
図2は、本実施形態のスタッカの斜視図である。
図3は、
図2のスタッカの上面図である。
図4は、
図3のスタッカをII−II線で切断したときの断面図である。
図5Aは、
図3のスライダをRS側から見たときの側面図である。
図5Bは、
図3のスライダを後方RRから見たときの正面図である。
【0012】
プリンタPRは、印字媒体PMの前面FFに情報を印字する機能と、印字媒体PMのチップCHにデータを書き込む機能と、を有している。
図2に示すように、プリンタPRは、排出口EPを備えている。
プリンタPRは、チップCHにデータを書き込んだ後、データが書き込まれたチップCHが埋め込まれた印字媒体PMを排出口EPから排出するように構成される。
【0013】
スタッカ10は、プリンタPRから排出された複数の印字媒体PMを収容する装置である。
図2〜
図4に示すように、スタッカ10は、搬送部102と、収容部104と、ストッパ106と、移動部材108と、保持部110と、第1調整部112と、搬送ローラ114と、ガイド板116および118と、第2調整部120と、印字媒体検出センサ122aおよび122bと、ストッパ検出センサ124と、フレーム126aおよび126bと、ベース128と、制御部130と、を備えている。
なお、搬送部102と、保持部110と、第1調整部112と、搬送ローラ114と、ガイド板116および118と、第2調整部120と、印字媒体検出センサ122aおよび122bと、ストッパ検出センサ124と、フレーム126aおよび126bと、ベース128と、は必須の構成要件ではない。
【0014】
搬送部102は、プリンタPRから排出された印字媒体PMを収容部104に向けて搬送するように構成される。
図2に示すように、搬送部102は、排出口EPの下方LOに位置している。
図4に示すように、搬送部102は、一対の搬送プーリ102aと、搬送ベルト102bと、を備えている。
【0015】
一対の搬送プーリ102aは、
図4の時計回りまたは反時計回りに回転できるように、フレーム126aおよび126bに軸支されている。
【0016】
搬送ベルト102bは、印字媒体PMを前方FRまたは後方RRに搬送する方向に回転できるように、一対の搬送プーリ102aに巻き付けられている。
【0017】
搬送プーリ102aが
図4の反時計回りに回転すると、搬送ベルト102bは、印字媒体PMを前方FRに搬送する方向に回転する。
搬送プーリ102aが
図4の時計回りに回転すると、搬送ベルト102bは、印字媒体PMを後方RRに搬送する方向に回転する。
【0018】
収容部104は、搬送部102によって搬送された複数の印字媒体PMを、基準平面上において、前後方向(FR−RR方向)(「所定の配列方向」の一例)に沿って配列して収容するように構成される。「基準平面」とは、印字媒体PMの底部BPとスタックベルト104aとが接触する面のことである。
図2〜
図4に示すように、収容部104は、搬送部102の下方LOに位置している。
収容部104は、スタックベルト104aと、第1サイド板104bと、第2サイド板104cと、一対のスタックプーリ104dと、を備えている。
【0019】
スタックベルト104aは、収容部104に収容された印字媒体PMの底部BPを支持するように構成される。
スタックベルト104aは、収容部104に収容された印字媒体PMを前方FRまたは後方RRに移動させる方向に回転できるように、一対のスタックプーリ104dに巻き付けられている。
【0020】
一対のスタックプーリ104dは、スタックベルト104aの回転に応じて、
図4の時計回りまたは反時計回りに自由回転できるように、ベース128に軸支されている。
【0021】
スタックベルト104aが回転すると、スタックベルト104aによって支持された印字媒体PM(つまり、収容部104に収容された印字媒体PM)は、スタックベルト104aの回転方向に応じた方向に移動する。
【0022】
第1サイド板104bおよび第2サイド板104cは、収容部104に収容された印字媒体PMの側部SPを支持するように構成される。
【0023】
第1サイド板104bは、収容部104に収容された印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に直交する幅方向(LS−RS方向)に移動できるように、ベース128に取り付けられている。
【0024】
第2サイド板104cは、ベース128に固定されている。
【0025】
第1サイド板104bを幅方向(LS−RS方向)に移動させると、第1サイド板104bと第2サイド板104cとの幅方向(LS−RS方向)の間隔が変化する。これにより、様々な幅Wを有する印字媒体PMを収容することができる。
【0026】
ストッパ106は、収容部104に収容された複数の印字媒体PMのうち最も前方FRに位置する印字媒体(以下「先頭の印字媒体」という)PM1を斜めに支持するように構成される。
図4に示すように、ストッパ106は、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)において、移動部材108と対向している。
ストッパ106は、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に沿って移動できるように、スタックベルト104aに固定されている。
スタックベルト104aが
図4の反時計回りに回転すると、ストッパ106は、前方FRに移動する。
スタックベルト104aが
図4の時計回りに回転すると、ストッパ106は、後方RRに移動する。
【0027】
ストッパ106は、傾斜面106aを有する。傾斜面106aは、基準平面に対して傾斜している。具体的には、傾斜面106aの上方UPの端部は、傾斜面106aの下方LOの端部より前方FRに位置している。
【0028】
移動部材108は、収容部104に収容された複数の印字媒体PMのうち最も後方RRに位置する印字媒体(以下「最後尾の印字媒体」という)PMn(nは、1以上の整数)を、最後尾の印字媒体PMnから先頭の印字媒体PM1に向かう方向(つまり、前方FR)に押し込むように構成される。
換言すると、移動部材108は、最後尾の印字媒体PMnに当接する当接位置(「第1位置」の一例)と、最後尾の印字媒体PMnから離間する待機位置(「第2位置」の一例)との間を移動するように構成される。
図4に示すように、移動部材108は、ストッパ106に対して、最後尾の印字媒体PMnの方向(後方RR)に位置している。また、ストッパ106は、搬送部102の下方LOに位置している。
【0029】
図5A〜
図5Bに示すように、ベース128の上方UP側の面には、レール溝128aが設けられている。レール溝128aは、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に延在している。
図4〜
図5Bに示すように、移動部材108の下方LO側の面には、凸部108bが設けられている。
凸部108bは、レール溝128aと係合している。
【0030】
保持部110は、印字媒体PMが収容部104に収容される前に、当該印字媒体PMを一時的に保持するように構成される。
図2および
図4に示すように、保持部110は、収容部104の上方UPに設けられる。保持部110は、例えば、金属板、または、ゴム板である。
図4に示すように、保持部110の下方LOの端部110aは、移動部材108の前方FRの端部108aに固定されている。保持部110の上方UPの端部110bは、フレーム126aおよび126bに固定されている。したがって、搬送ベルト102bによって搬送された印字媒体PMは、搬送プーリ102aが軸支されている位置の近傍から、保持部110上を滑り落ちる。
【0031】
第1調整部112は、収容部104に収容された少なくとも1つの印字媒体PMの頂部の位置を揃えるように構成される。
図2および
図4に示すように、第1調整部112は、調整ベルト112aと、一対の調整プーリ112bと、を備える。
【0032】
調整ベルト112aは、収容部104に収容された印字媒体PMの頂部TPに当接しながら回転できるように、一対の調整プーリ112bに巻き付けられている。調整ベルト112aの下方LOの端部は、上下方向(UP−LO方向)について、収容部104に収容された印字媒体PMの頂部の位置と略同一の位置にある。
【0033】
一対の調整プーリ112bは、
図4の時計回りまたは反時計回りに回転できるように、フレーム126aおよび126bに軸支されている。
【0034】
一対の調整プーリ112bが
図4の時計回りに回転すると、調整ベルト112aは、収容部104に収容された印字媒体PMの頂部TPを前方FRに撫でる方向に回転する。調整ベルト112aの下方LOの端部は、収容部104に収容された印字媒体PMの頂部TPに当接する。これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの上下方向(UP−LO方向)の位置が揃う。
【0035】
搬送ローラ114は、排出口EPから排出された印字媒体PMを搬送部102に搬送するように構成される。
図2に示すように、搬送ローラ114は、回転できるようにフレーム126bに軸支されている。搬送ローラ114は、排出口EPの下方LOに位置している。
搬送ローラ114は、搬送部102による搬送方向(FR−RR方向)に直交する方向(LS−RS方向)において、排出口EPと搬送部102との間に位置している。
【0036】
搬送ローラ114が回転すると、排出口EPから排出された印字媒体PMが搬送部102の方向(RS方向)に搬送される。これにより、印字媒体PMが搬送ベルト102b上に確実に載置することができる。つまり、搬送ローラ114は、排出口EPから排出された印字媒体PMの搬送ベルト102b上への載置を補助するように構成される。
【0037】
ガイド板116および118は、搬送部102によって搬送される印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)の位置を揃えるように構成される。
図2および
図3に示すように、ガイド板116は、フレーム126aに固定されている。ガイド板116の後方RRの端部は、前方FRの端部に対してプリンタPR側(LS側)に位置している。つまり、ガイド板116は、印字媒体PMの搬送方向(RR−FR)に対して傾斜している。
図2〜
図4に示すように、ガイド板118は、搬送方向(RR−FR方向)および幅方向(LS−RS方向)に移動できるように、フレーム126aに取り付けられている。
ガイド板118を幅方向(LS−RS方向)に移動させると、ガイド板116および118の幅方向(LS−RS方向)の間隔が変化する。これにより、様々な幅Wを有する印字媒体PMを搬送することができる。
【0038】
第2調整部120は、収容部104に収容された少なくとも1つの印字媒体PMの側部SPの位置を揃えるように構成される。
図3に示すように、第2調整部120は、収容部104に収容された印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)に移動できるように、ベース128に取り付けられている。また、第2調整部120は、ストッパ106の後方RRに位置している。
【0039】
第2調整部120が幅方向(LS−RS方向)に移動すると、第2調整部120に当接した印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)の位置が揃う。
【0040】
印字媒体検出センサ122aおよび122bは、排出口EPから排出された印字媒体PMを検出するように構成される。印字媒体検出センサ122aおよび122bは、印字媒体PMを検出すると、印字媒体PMを検出したことを示す検出信号を制御部130に送信する。
印字媒体検出センサ122aおよび122bは、例えば、反射型の光学センサである。
【0041】
図3に示すように、印字媒体検出センサ122aは、印字媒体PMの排出方向(LS−RS方向)が搬送方向(FR−RR方向)と直交する位置に配置されたプリンタPRから排出された印字媒体PMを検出するように構成される。
印字媒体検出センサ122bは、搬送部102の後方RRに配置されたプリンタPRから排出された印字媒体PMを検出するように構成される。
【0042】
ストッパ検出センサ124は、所定の位置にあるストッパ106を検出するように構成される。
図3に示すように、ストッパ検出センサ124は、搬送部102に対して前方FRに位置している。ストッパ検出センサ124の位置は、収容部104に収容された印字媒体PMの数が上限に達した状態(以下「フル」という)になったときの位置に相当する。
ストッパ検出センサ124は、例えば、反射型の光学センサである。
【0043】
ストッパ106が所定位置に達すると、ストッパ検出センサ124は、ストッパ106を検出したこと(つまり、収容部104がフルになったこと)を示す検出信号を制御部130に送信する。
【0044】
搬送部102と、移動部材108と、第1調整部112と、搬送ローラ114と、第2調整部120とは、それぞれ、モータ(図示せず)を備えている。
制御部130は、コントローラと、駆動回路と、を備えている。
駆動回路は、各部のモータに電気的に接続されている。
コントローラは、駆動回路を介して、各部のモータを制御するための制御信号を生成するように構成される。
【0045】
(3)スタッカの動作(
図6A〜
図6E)
本実施形態のスタッカの動作について説明する。
図6A〜
図6Eは、本実施形態のスタッカの動作の説明図である。
【0046】
図6Aに示すように、印字媒体検出センサ122aが排出口EPから排出された新たな印字媒体PMn+1を検出すると、制御部130は、搬送ローラ114を
図6Aの時計回りに回転させるための制御信号を生成する。これにより、搬送ローラ114が回転する。搬送ローラ114が回転すると、RS方向に搬送される。これにより、印字媒体PMn+1は、搬送ベルト102b上に載置される。
印字媒体PMがガイド板118に接触したタイミングで、制御部130は、搬送ローラ114の回転を停止させるための制御信号を生成する。
印字媒体PMがガイド板118に接触したタイミングとは、例えば、制御部130が搬送ローラ114を回転させるための制御信号を送信してから所定時間が経過したタイミングである。
なお、印字媒体PMがガイド板118に接触したことを検出するセンサ(図示せず)をスタッカ10が備えている場合、印字媒体PMがガイド板118に接触したタイミングとは、印字媒体PMによるガイド板118への接触を当該センサが検出したタイミングであってもよい。
【0047】
次に、
図6Bに示すように、排出口EPから印字媒体PMが排出されたタイミングで、制御部130は、搬送プーリ102aを
図6Bの反時計回りに回転させるための制御信号を生成する。これにより、搬送プーリ102aが回転する。
排出口EPから印字媒体PMが排出されたタイミングとは、例えば、印字媒体検出センサ122aまたは122bによって印字媒体PMが検出されてから所定時間が経過したタイミングである。
搬送プーリ102aが回転すると、搬送ベルト102bが、印字媒体PMを前方FRに搬送するように回転する。搬送ベルト102bに載置された印字媒体PMn+1は、ガイド板116および118(
図3を参照)に当接することによって幅方向(LS−RS方向)の位置が調整されながら、前方FRに搬送される。
【0048】
次に、
図6Cに示すように、収容部104には、複数の印字媒体PM1〜PMnが収容されている。収容部104に収容された複数の印字媒体PM1〜PMnは、傾斜面106aの傾斜角度に合わせて傾斜している。先頭の印字媒体PM1は、傾斜面106aによって支持されている。
印字媒体PMn+1が搬送ベルト102bから落下するタイミングで、制御部130は、搬送プーリ102aの回転を停止させるための制御信号を生成する。これにより、搬送プーリ102aが停止する。
印字媒体PMn+1が搬送ベルト102bから落下するタイミングとは、例えば、印字媒体検出センサ122aまたは122bが印字媒体PMn+1を検出してから所定時間が経過したタイミングである。
なお、印字媒体PMがガイド板118に接触したことを検出するセンサ(図示せず)をスタッカ10が備えている場合、印字媒体PMn+1が搬送ベルト102bから落下するタイミングとは、印字媒体PMn+1によるガイド板118への接触を当該センサが検出してから所定時間が経過したタイミングのいずれかである。
保持部110上を滑り落ちた印字媒体PMn+1は、収容部104に収容された印字媒体PMのうち最後尾の印字媒体PMnと、保持部110とによって支持される。その結果、印字媒体PMn+1は、収容部104に収容される前に保持される。
【0049】
次に、
図6Dに示すように、印字媒体PMn+1が保持されたタイミングで、制御部130は、移動部材108を後方RRに移動させるための制御信号を生成する。これにより、移動部材108が、後方RRの待機位置まで移動する。
印字媒体PMn+1が保持されたタイミングとは、例えば、印字媒体検出センサ122aまたは122bによって印字媒体PMn+1が検出されてから所定時間が経過したタイミング、および、制御部130が搬送プーリ102aを回転させるための制御信号を送信してから所定時間が経過したタイミングのいずれかである。
最後尾の印字媒体PMnに当接した移動部材108が後方RRに移動する(つまり、最後尾の印字媒体PMnから離間する)と、印字媒体PMn+1の保持が解除される。保持が解除された印字媒体PMn+1は、収容部104に落下する。
移動部材108が後方RRに移動したタイミングで、制御部130は、第2調整部120をRS方向に移動させた後、LS方向に移動させるための制御信号を生成する。これにより、第2調整部120は、RS方向に移動した後、LS方向に移動する。その結果、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)の位置が揃う。
【0050】
次に、
図6Eに示すように、制御部130は、移動部材108を前方FRに移動させるための制御信号を生成する。これにより、移動部材108が、前方FRの当接位置まで移動する。移動部材10
8が当接位置まで移動すると、収容部104に落下した印字媒体PMn+1は、前方FRに押し込まれる。その結果、印字媒体PMn+1は、印字媒体PM1〜PMnの傾斜角度(つまり、傾斜面106aの傾斜角度)に合わせて傾斜する。これにより、収容部104に収容された印字媒体PM1〜PMn+1の収容状態が安定する。
また、制御部130は、一対の調整プーリ112bを
図6Eの時計回りに回転させるための制御信号を生成する。これにより、一対の調整プーリ112bが回転する。一対の調整プーリ112bが回転すると、調整ベルト112aは、印字媒体PMn+1を含む複数の印字媒体PMの頂部TPに当接しながら回転する。これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの上下方向(UP−LO方向)の位置が揃う。
【0051】
移動部材108が前方FRにさらに移動すると、収容部104に収容された複数の印字媒体PM1〜PMn+1が前方FRに押し込まれる。その結果、スタックベルト104aが
図4の反時計回りに回転し、かつ、ストッパ106が、前方FRに移動する。
【0052】
以上の工程は、ストッパ検出センサ124がストッパ106を検出する迄(つまり、収容部104がフルになる迄)、繰り返される。
ストッパ検出センサ124がストッパ106を検出すると、制御部130は、制御を停止する。
これにより、収容部104がフルになった後に、印字媒体PMが収容部104に搬送される(つまり、収容部104が溢れる)ことを防ぐことができる。
【0053】
(4)小括
本実施形態について小括する。
【0054】
ストッパ106は、傾斜面106aを有する。収容部104に収容された複数の印字媒体PMは、傾斜面106aの傾斜角度に沿って傾斜する。
これにより、印字媒体PMの収容状態を安定させることができる。
【0055】
スタッカ10は、保持部110を備える。保持部110は、印字媒体PMが収容部104に収容される前に、印字媒体PMを一時的に保持する。
これにより、搬送部102から落下した印字媒体PMがスタックベルト104aの表面で跳ねることを防ぐことができる。その結果、印字媒体PMは、第1サイド板104bまたは第2サイド板104cを飛び越える(つまり、スタッカ10の外に飛び出す)ことなく、確実に収容される。
【0056】
スタッカ10は、第1調整部112を備える。第1調整部112は、収容部104に収容された少なくとも1つの印字媒体PMの頂部の位置を揃える。
これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの上下方向(UP−LO)の位置を揃えることができる。
【0057】
スタッカ10は、第2調整部120を備える。第2調整部120は、収容部104に収容された少なくとも1つの印字媒体PMの側部SPの位置を揃える。
これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの幅方向(LS−RS)の位置を揃えることができる。
【0058】
スタッカ10は、ストッパ検出センサ124を備える。ストッパ検出センサ124は、所定位置にあるストッパ106を検出する。ストッパ検出センサ124が所定位置にあるストッパ106を検出すると、制御部130は、搬送部102の制御を停止する。
これにより、収容部104の許容量を超える数の印字媒体PMが収容部104に収容されることを防ぐことができる。
【0059】
スタッカ10は、プリンタPRと電気的に接続せずに動作することができる。つまり、スタッカ10は、プリンタPRから独立して動作することができる。
これにより、制御部130が搬送部102の制御を停止しても、プリンタPRの動作(例えば、印字媒体PMへの情報の印字、チップCHへのデータの書き込み等)を停止させることなく、収容部104に収容された印字媒体PMを回収することができる。
【0060】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0061】
(5−1)変形例1
変形例1について説明する。本変形例は、印字媒体PMの変形例である。
【0062】
本実施形態では、印字媒体PMとして、RFIDタグを例示した。しかし、印字媒体PMはRFIDタグに限られない。
印字媒体PMは、例えば、ラベル(具体的には、背面BFが粘着層であるもの)、または、チップCHおよびアンテナANが埋め込まれていないタグであってもよい。
換言すると、スタッカ10は、印字媒体PMの種類に依存せず、第1サイド板104bの可動域によって規定されるレンジ(第1サイド板104bと第2サイド板104cとの幅方向(LS−RS方向)の間隔)に含まれる幅Wを有する印字媒体PMであれば、如何なるタイプの印字媒体PMも収容することができる。
【0063】
また、本実施形態では、スタッカ10が、前面FFに情報が印字され、かつ、チップCHにデータが書き込まれた印字媒体PMを収容する例を示したが、これに限られない。スタッカ10は、前面FFに情報が印字されていない(つまり、チップCHにデータが書き込まれただけの)印字媒体PM、および、チップCHにデータが書き込まれていない(つまり、前面FFに情報が印字されただけの)印字媒体PMを収容することもできる。
換言すると、スタッカ10は、プリンタPRが印字媒体PMに情報を印字したか否か、および、プリンタPRがチップCHにデータを書き込んだか否かにかかわらず、プリンタPRから排出された印字媒体PMを収容することができる。
【0064】
(5−2)変形例2
変形例2について説明する。本変形例は、プリンタPRを設置する位置の変形例である。
【0065】
本実施形態では、プリンタPRが、スタッカ10に対してLS側に設置される例について説明した。この場合、プリンタPRから排出される印字媒体PMは、搬送方向(FR−RR方向)に対して直交する方向(LS−RS方向)に排出される。しかし、プリンタPRを設置する位置はこれに限られない。
プリンタPRは、搬送部102の後方RRに設定されてもよい。この場合、プリンタPRから排出される印字媒体PMは、搬送方向(FR−RR方向)に排出される。プリンタPRから排出された印字媒体PMは、印字媒体検出センサ122bによって検出される。
【0066】
なお、変形例2では、搬送ローラ114と、印字媒体検出センサ122aとは不要である。
【0067】
(5−3)変形例3
変形例3について説明する。本変形例は、第1調整部112の変形例である。
【0068】
(5−3−1)スタッカの構造(
図7)
変形例3のスタッカの構造について説明する。
図7は、変形例3のスタッカの上面図である。
【0069】
図7に示すように、変形例3のスタッカ10は、
図4の第1調整部112に代えて、第1調整部212(ガイド板212a、調整板212b、および、モータ(図示せず))を備えている。
【0070】
ガイド板212aは、搬送ベルト102bによって搬送された印字媒体PMを保持部110と共に挟持することによって、収容部104に向けてガイドするように構成される。
ガイド板212aの上方UPの端部は、搬送ベルト102bの前方FRの回動軸212cを軸として回動できるように、フレーム126aおよび126bに軸支されている。
搬送ベルト102bによって搬送された印字媒体PMは、保持部110とガイド板212aとによって挟持されることによって、収容部104にガイドされる。
【0071】
調整板212bは、ガイド板212aの下方LOの端部に設けられている。
【0072】
(5−3−2)スタッカの動作(
図8A〜
図8C)
変形例3のスタッカの動作について説明する。
図8A〜
図8Cは、
図7のスタッカの動作の説明図である。
【0073】
図6Bの後、
図8Aに示すように、新たな印字媒体PMn+1は、保持部110上を滑り落ちる。保持部110上を滑り落ちた印字媒体PMn+1は、収容部104に収容された印字媒体PMのうち最後尾の印字媒体PMnと、保持部110とによって支持される。その結果、印字媒体PMn+1は、収容部104に収容される前に保持される。
【0074】
図8Bに示すように、印字媒体PMn+1が保持されたタイミングで、制御部130は、ガイド板212aを
図8Bの時計回りに回動させるための制御信号を生成する。これにより、ガイド板212aが回動する。ガイド板212aが回動すると、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの頂部TPと調整板212bの下面212baとの間に間隙が形成される。
また、制御部130は、移動部材108を後方RRに移動させるための制御信号を生成する。これにより、移動部材108が後方RRに移動する。移動部材108が後方RRに移動すると、印字媒体PMn+1の保持が解除される。保持が解除された印字媒体PMn+1は、収容部104に落下する。
【0075】
次に、
図8Cに示すように、制御部130は、移動部材108を前方FRに移動させるための制御信号を生成する。これにより、移動部材108が前方FRに移動する。移動部材108が前方FRに移動すると、収容部104に落下した印字媒体PMn+1が前方FRに押し込まれる。その結果、印字媒体PMn+1は、印字媒体PM1〜PMnの傾斜角度(傾斜面106aの傾斜角度)に合わせて傾斜する。これにより、収容部104に収容された印字媒体PM1〜PMn+1の収容状態が安定する。
また、制御部130は、ガイド板212aを
図8Cの反時計回りに回動させるための制御信号を生成する。ガイド板212aが回動すると、印字媒体PMn+1を含む複数の印字媒体PMの頂部TPと調整板212bの下面212baが当接する。これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの上下方向(UP−LO方向)の位置が揃う。
【0076】
移動部材108が前方FRにさらに移動すると、
図6Eと同様に、ストッパ106が、前方FRに移動する。
【0077】
以上の工程は、
図6A〜
図6Eと同様に、ストッパ検出センサ124がストッパ106を検出する迄(つまり、収容部104がフルになる迄)、繰り返される。
【0078】
(5−4)変形例4(
図9〜
図10C)
変形例4について説明する。本変形例は、第2調整部120の変形例である。
図9は、変形例4の第2調整部の上面図である。
図10A〜
図10Cは、
図9の第2調整部の動作の説明図である。
【0079】
図9に示すように、第2調整部220は、ガイド片220aと、付勢部材220bとを備えている。
【0080】
付勢部材220bは、ガイド片220aに対して、RS方向の付勢力Fbを加えるように構成される。
付勢部材220bは、フレーム126bと、ガイド片220aとに固定されている。
【0081】
ガイド片220aは、収容部104に収容された少なくとも1つの印字媒体PMの側部SPの位置を調整するように構成される。
ガイド片220aは、傾斜面220cと、平面220dとを有する。
【0082】
傾斜面220cは、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に対して傾斜している。
傾斜面220cの後方RRの端部220caは、移動部材108の前方FRの端部のうち、付勢部材220bが固定されたフレーム126b側(LS側)の端部108caに対して、フレーム126b側(LS側)に位置している。
傾斜面220cの前方FRの端部220cbは、端部108caに対して、第1サイド板104b側(RS側)に位置している。
【0083】
平面220dは、第1サイド板104bに対向する。平面220dは、収容部104に収容された印字媒体PMの側部SPのうち、第1サイド板104bとは反対側(LS側)の側部に当接する。
【0084】
図10A〜
図10Bに示すように、移動部材108が、傾斜面220cに当接しながら前方FRに移動すると、傾斜面220cには、付勢力Fbの方向(RS方向)とは反対方向(LS方向)の力が加えられる。この力によって、ガイド片220aは、付勢力Fbの方向(RS方向)とは反対方向(LS方向)に移動する。
【0085】
図10Cに示すように、移動部材108が後方RRに移動すると、ガイド片220aは、付勢力Fbの方向(RS方向)に移動する。その結果、平面220dが、印字媒体PMの側部SPに当接する。これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)の位置が揃う。
【0086】
本変形例では、ガイド片220aが傾斜面220cを有する例について説明した。しかし、ガイド片220aが矩形形状を有し、かつ、移動部材108が傾斜面を有してもよい。
この場合、移動部材108の傾斜面は、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に対して傾斜している。移動部材108の傾斜面の前方FRの端部は、移動部材108の後方RRの端部に対して、第1サイド板104b側(RS側)に位置している。
【0087】
(5−5)変形例5(
図11A〜
図11B)
変形例5について説明する。本変形例は、第2調整部120の変形例である。
図11Aは、変形例5の第2調整部320の斜視図である。
図11Bは、
図11Aの第2調整部320の正面図である。
【0088】
図11Aに示すように、第2調整部320は、調整板320aおよび320bと、糸320cおよび320dとを備えている。
移動部材308は、当接板308aと、アーム308bと、連結部材308cと、一対のL字リンク308dとを備えている。
【0089】
調整板320aおよび320bは、それぞれ、
図11Bの下方LOの端部320acおよび320bcを軸として回動できるように、トーションバネ(不図示)によってベース128に軸支されている。トーションバネは、調整板320aおよび320bに対して、それぞれ、内側方向(RS方向およびLS方向)の付勢力を加える。
調整板320aおよび320bは、それぞれ、孔320aaおよび320baを有する。
【0090】
一対のL字リンク308dは、孔308daと、第1回転軸308dbと、第2回転軸308dcとを有する。
【0091】
糸320cおよび320dは、それぞれ、孔320aaおよび320baを貫通し、かつ、孔308daに結ばれている。つまり、調整板320aおよび320bは、糸320cおよび320dを介して、一対のL字リンク308dと連結している。
【0092】
当接板308aは、収容部104に収容された印字媒体PMのうち最後尾の印字媒体PMnに当接する。移動部材308が前方FRに移動すると、当接板308aは、収容部104に収容された印字媒体PMを前方FRに押し込む。
【0093】
アーム308bは、連結部材308cを介して、当接板308aと、一対のL字リンク308dとに連結している。
【0094】
一対のL字リンク308dは、第1回転軸308dbを軸として回転できるように、ベース128に軸支されている。
一対のL字リンク308dは、第2回転軸308dcを軸として回転できるように、連結部材308cに軸支されている。
【0095】
制御部130は、移動部材308を印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に移動させるための制御信号を生成する。
制御部130が制御信号を生成すると、移動部材308は、前後方向(FR−RR方向)に移動する。
【0096】
移動部材308が前方FRに移動すると、アーム308bは、一対のL字リンク308dに対して、前方FRへの力を加える。一対のL字リンク308dは、アーム308bから加えられた力に応じて、第1回転軸308dbおよび第2回転軸308dcを軸として回転する。一対のL字リンク308dの回転方向は、孔308daが、印字媒体PMから離間する方向である。一対のL字リンク308dが回転すると、糸320cおよび320dは、調整板320aおよび320bを基準として印字媒体PMと反対方向の力を調整板320aおよび320bに加える。この力により、調整板320aおよび320bは、端部320acおよび320bcを軸として、
図11Bの上方UPの端部320abおよび320bbが印字媒体PMから離間する方向に回動する。
【0097】
移動部材308が後方RRに移動すると、アーム308bは、一対のL字リンク308dに対して、後方RRへの力を加える。一対のL字リンク308dは、アーム308bから加えられた力に応じて、第1回転軸308dbおよび第2回転軸308dcを軸として回転する。一対のL字リンク308dの回転方向は、孔308daが、印字媒体PMに近づく方向である。一対のL字リンク308dが回転すると、糸320cおよび320dが緩むので、糸320cおよび320dによって加えられていた力が解除される。したがって、調整板320aおよび320bには、トーションバネによって加えられる付勢力のみが作用する。この付勢力により、調整板320aおよび320bは、端部320acおよび320bcを軸として、端部320abおよび320bbが印字媒体PMに近づく方向に回動する。その結果、調整板320aおよび320bの内側(RS側およびLS側)の面が印字媒体PMの側部SPに当接する。これにより、収容部104に収容された複数の印字媒体PMの幅方向(LS−RS方向)の位置が揃う。
【0098】
なお、調整板320aおよび320bに付勢力を加える部材は、トーションバネに代えて、一対のコイルスプリングであってもよい。この一対のコイルスプリングの一端は、それぞれ、フレーム126aおよび126bに固定されている。一対のコイルスプリングの他端は、それぞれ、調整板320aおよび320bの外側(LS側およびRS側)の面に固定されている。
【0099】
(5−6)変形例6(
図12A〜
図12B)
変形例6について説明する。本変形例は、収容部104の変形例である。
図12Aは、変形例6の収容部204の上面図である。
図12Bは、
図12Aの収容部204をIII−III線で切断したときの断面図である。
【0100】
図12A〜
図12Bに示すように、収容部204のスタックベルト204aは、複数の溝204aaを有する。
各溝204aaは、収容部204に収容された各印字媒体PMの底部を保持するように構成される。
溝204aaの間隔Dは、印字媒体PMの厚さT以上である。
各溝204aaは、V字溝である。つまり、各溝204aaは、傾斜面を有する。各溝204aaは、印字媒体PMの配列方向(FR−RR方向)に対して直交する方向(つまり、幅方向(LS−RS方向))に延在している。
【0101】
収容部104に収容された複数の印字媒体PMは、それぞれ、各溝204aaの傾斜面によって固定される。
溝203aaの間隔Dが印字媒体PMの厚さT以上であるので、各溝204aaによって保持された印字媒体PM同士の間隔は、均等に保たれる。
これにより、各印字媒体PMの収容状態をより安定させることができる。特に、
図1に示すように、印字媒体PMの前面FFが突出部FF1を有していたとしても、収容部104に収容された印字媒体PM間の間隔を均等に保つことができる。
【0102】
なお、溝204aaは、V字溝に限られるものではない。
溝204aaは、傾斜面に代えて、曲面(つまり、円弧形状)を有してもよい。この場合、円弧の中心間の間隔が、印字媒体PMの厚さT以上である。
また、溝204aaは、凹凸であってもよい。この場合、凸部の間隔が、印字媒体PMの厚さT以上である。
【0103】
(5−7)変形例7
変形例7について説明する。本変形例は、搬送部102を省略した場合の例である。
【0104】
搬送部102を省略した場合、スタッカ10には、
図2〜
図4の搬送部102に代えて、傾斜面が設けられる。この傾斜面は、収容部104の上方UPに位置している。
【0105】
排出口EPから排出された印字媒体PMは、搬送ローラ114の回転によって、傾斜面に搬送される。傾斜面に搬送された印字媒体PMは、自重により、傾斜面に沿って前方FRに滑り落ちる。滑り落ちた印字媒体PMは、本実施形態と同様に、収容部104に収容される前に保持される。
【0106】
本変形例によれば、搬送部102、および、搬送部102の制御が不要である。これにより、本実施形態と比べて、スタッカ10の消費電力を低減することができ、かつ、スタッカ10を小型化することができる。
【0107】
(5−8)変形例8
変形例8について説明する。本変形例は、搬送部102、印字媒体検出センサ122aおよび122b、搬送ローラ114、ならびに、ガイド板116および118が、上下方向(UP−LO方向)の位置を調整できるように構成される例である。
【0108】
フレーム126aおよび126bは、支持部材を備えている。
支持部材は、上下方向(UP−LO方向)に移動できるように、フレーム126aおよび126bに取り付けられている。
一対の搬送プーリ102a、印字媒体検出センサ122aおよび122b、搬送ローラ114、ならびに、ガイド板116および118は、支持部材によって支持されている。
【0109】
支持部材を上下方向(UP−LO方向)に移動させると、一対の搬送プーリ102a、印字媒体検出センサ122aおよび122b、搬送ローラ114、ならびに、ガイド板116および118が上下方向(UP−LO方向)に移動する。これにより、排出口EPの上下方向(UP−LO方向)の位置に依存せず、様々なタイプのプリンタPRから排出された印字媒体PMを収容することができる。
【0110】
(5−9)変形例9
変形例9について説明する。変形例9は、スタッカ10がプリンタPRと連動して動作する例である。
【0111】
変形例9のスタッカ10は、データケーブルを介して、プリンタPRと接続されている。
プリンタPRは、データケーブルを介して、チップCHへのデータの書き込みの成否を示す信号を制御部130に送信する機能をさらに有する。
【0112】
制御部130は、チップCHへのデータの書き込みの成否を示す信号をプリンタPRから受信すると、当該信号に基づいて、搬送プーリ102aの回転方向を決定する。具体的には、制御部130は、当該信号が成功を示す場合には回転方向を
図4の時計回りに決定する。一方、制御部130は、当該信号が失敗を示す場合には回転方向を
図4の反時計回りに決定する。
次に、制御部130は、決定した回転方向に搬送プーリ102aを回転させるための制御信号を生成する。これにより、搬送プーリ102aは、制御部130が決定した回転方向に回転する。その結果、搬送ベルト102bは、チップCHへのデータの書き込みの成否に応じた方向(前方FRまたは後方RR)に回転する。
【0113】
本変形例によれば、チップCHへのデータの書き込みの成否に応じて、搬送ベルト102bの回転方向が切り替わる。これにより、チップCHへのデータの書き込みが失敗した場合、印字媒体PMを後方RR(つまり、搬送部102に対して、収容部104とは反対の方向)に搬送することができる。その結果、チップCHへのデータの書き込みが失敗した印字媒体PMの収容部104への混入を防ぐことができる。
また、搬送部102の後方RRにボックスを設けてもよい。この場合、チップCHへのデータの書き込みが失敗した印字媒体PMは、ボックスに集められる。これにより、チップCHへのデータの書き込みが失敗した印字媒体PMの回収が容易になる。
【0114】
(5−10)変形例10
変形例10について説明する。変形例10は、第2調整部120を、モータではなく、機械的に駆動させる例である。
【0115】
変形例10の第2調整部120は、アーム(図示せず)によって、移動部材108と接続されている。
第2調整部120は、移動部材108が前方FRに移動したときに
図3のRS方向に移動し、移動部材108が後方RRに移動したときに
図3のLS方向に移動するように構成される。
【0116】
変形例10では、移動部材108の移動と連動して、第2調整部120を移動させることができる。換言すると、制御部130は、第2調整部120を制御するための制御信号を生成することなく、移動部材108を制御するための制御信号を生成するだけ、移動部材108および第2調整部120の両方を駆動させる。
これにより、スタッカ10の製造コストおよび消費電力を低減することができる。
【0117】
(5−11)変形例11
変形例11について説明する。変形例11は、収容部104の収容量が可変になるように構成された収容部104の例である。
【0118】
変形例11の収容部104は、
図3の前後方向(FR−RR方向)に伸縮可能に構成されている。
【0119】
ストッパ検出センサ124は、収容部104の伸縮に合わせて、前後方向(FR−RR方向)に移動可能に構成される。ストッパ検出センサ124は、例えば、磁石によって収容部104に取り付けられている。したがって、ストッパ検出センサ124は、収容部104の任意の位置に取付可能である。
【0120】
収容部104を前方FRに伸ばすと、収容部104の収容量が増加する。特に、スタッカ10の設置スペースが広い場合、収容部104を前方FRに伸ばすことによって、一度に多くの印字媒体PMを収容することができる。
一方、収容部104を後方RRに縮ませると、スタッカ10の前後方向(FR−RR方向)のサイズが縮小する。特に、スタッカ10の設置スペースが狭い場合、収容部104を後方RRに縮ませることによって、スタッカ10を使用できるようになる。
【0121】
また、ストッパ検出センサ124を移動可能に構成することによって、任意の数の印字媒体PMが収容部104に収容されたことを検知することができる。
【0122】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。