(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバー素子が、該カバー素子の前記第1の主面が1.5mmの直径を有する炭化タングステン球によって負荷を受ける際の少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗によって特徴付けられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の折り畳み式電子装置モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、請求項に従った実施の形態が詳細に参照され、その実施例が添付の図面に例証される。可能な場合は常に、同じ又は同様の部分を称するために同じ参照数字が図面の全体に亘って用いられる。範囲は、「約」1つの特定の数値から、及び/又は「約」別の特定の数値までとして本明細書で表されうる。そのような範囲が表される場合、別の実施の形態には、1つの特定の数値から及び/又は他の特定の数値までが含まれる。同様に、先行詞「約」を用いることによって数値が概算として表される場合、特定の数値は別の実施の形態を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点は、他方の端点との関係でも他方の端点とは無関係にも、重要であることがさらに理解されよう。
【0025】
他の特徴及び利点の中でも、本開示の折り畳み式電子装置モジュール及び物品(並びにそれらを製造する方法)は、小さい曲げ半径における機械的信頼性(例えば、静的引張及び疲労において)、並びに、高い貫入抵抗を提供する。これらの装置モジュール及び物品の構成はまた、これらの装置モジュール及び物品を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な比較的低い曲げ力によって特徴付けられる。機械的信頼性に関して、本開示の屈曲性モジュールは、ガラス含有カバー素子における凝集破壊、及び、モジュール内のさまざまの部品間の境界面(例えば、接着剤−カバー素子の境界面)における層間剥離に関する破損を防止するように構成される。例えばディスプレイのある部品がディスプレイの別の部分の上に折り畳まれる、屈曲性モジュールが折り畳み式電子装置ディスプレイに使用される場合、小さい曲げ半径及び貫入抵抗性能は有用である。例えば、屈曲性モジュールは、以下の1つ以上として使用しうる:貫入抵抗が特に重要な場所である、折り畳み式電子ディスプレイ装置のユーザに面する部分の上のカバー;その上に電子部品が配置され、装置自体の内部に配置される、基板モジュール;又は折り畳み式電子ディスプレイ装置内の他の場所。あるいは、本開示の屈曲性モジュールは、ディスプレイを有しないが、その内部でガラス又はガラス含有層が有用な特性のために使用され、折り畳み式装置と同様の態様でタイトな曲げ半径に折り畳まれる又はそうでなければ曲げられる装置において使用してもよい。貫入抵抗は、ユーザが接する位置である、装置の外部上で屈曲性モジュールが使用される場合に特に有用である。さらに、これらの装置モジュール及び物品の特定の構成を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な比較的低い曲げ力は、これらのモジュール及び物品が手動による曲げを必要とする用途(例えば、折り畳み式の、財布状の可撓性ディスプレイ装置)において使用される場合に、ユーザにとって特に有用である。
【0026】
より詳細には、本開示における折り畳み式電子装置モジュールは、モジュール内で使用される各接着剤の材料特性及び厚さの制御を介して前述の利点のいくつか又は全てを得ることができる。例えば、これらの折り畳み式モジュールは、モジュール中で使用される接着剤の厚さの減少及び/又はカバー素子とその下のスタックとの間で使用される接着剤の剛性率の増加を介してカバー素子(例えばガラス基板)の主面において接線方向応力(引張)の低減を示しうる。カバー素子におけるこれらのより低い接線方向応力は、改良されたモジュール信頼性、曲げ半径性能、及び/又はカバー素子の主面において圧縮応力を発達するための他のアプローチへの(例えば、イオン交換により駆動される圧縮応力領域の発達を介して)依存性の低減となりうる。別の例として、これらの折り畳み式モジュールは、この接着剤の剛性率を低減することにより、パネルとパネルをスタックに結合する接着剤との間の境界面において低減された接線方向応力(引張)を示しうる。これらのより低い引張応力により、特にパネルとスタックとの間の層間剥離への耐性の点から、モジュール信頼性が改良されうる。別の例において、全体的なモジュール剛性(例えば、モジュールを曲げるのに必要な力への耐性)は、モジュールにおいて使用される接着剤のいずれか又は全ての剛性率の低減及び/又はモジュールにおいて使用される接着剤のいずれか又は全ての厚さの最適範囲の選択を介して低減できる。さらに、本開示における実施の形態及び概念は、カバー素子/スタック境界面において接線方向応力を低減し、パネル/スタック境界面において接線方向応力を低減し、かつ曲げに対するモジュールの耐性を低減するように当業者が折り畳み式電子装置モジュールを設計するための枠組みを提供し、これらは全て、曲げ及び折り畳みの展開の異なる程度及び量を必要とするさまざまの用途に使用するためのこれらのモジュールの信頼性、製造性及び適切性に寄与しうる。
【0027】
図1を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100aが、カバー素子50、第1の接着剤10a、スタック90a、スタック素子75、電子装置102及びパネル60を含む本開示の第1の態様に従って示される。カバー素子50は、厚さ52、第1の主面54及び第2の主面56を有する。厚さ52は、約25μm〜約200μm、例えば、約25μm〜約175μm、約25μm〜約150μm、約25μm〜約125μm、約25μm〜約100μm、約25μm〜約75μm、約25μm〜約50μm、約50μm〜約175μm、約50μm〜約150μm、約50μm〜約125μm、約50μm〜約100μm、約50μm〜約75μm、約75μm〜約175μm、約75μm〜約150μm、約75μm〜約125μm、約75μm〜100μm、約100μm〜約175μm、約100μm〜約150μm、約100μm〜約125μm、約125μm〜約175μm、約125μm〜約150μm、及び約150μm〜約175μmの範囲でもよい。他の態様において、厚さ52は、約25μm〜150μm、約50μm〜100μm、又は約60μm〜80μmの範囲でもよい。カバー素子50の厚さ52はまた、上記の範囲の間の他の厚さに設定されてもよい。
【0028】
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aは、約20GPa〜140GPa、例えば約20GPa〜約120GPa、約20GPa〜約100GPa、約20GPa〜約80GPa、約20GPa〜約60GPa、約20GPa〜約40GPa、約40GPa〜約120GPa、約40GPa〜約100GPa、約40GPa〜約80GPa、約40GPa〜約60GPa、約60GPa〜約120GPa、約60GPa〜約100GPa、約60GPa〜約80GPa、約80GPa〜約120GPa、約80GPa〜約100GPa、及び約100GPa〜約120GPaのカバー素子弾性率を有するカバー素子50を含む。カバー素子50は、ガラス組成を有する部品であってもよく、又はガラス組成を有する少なくとも1つの部品を含んでもよい。後者の場合において、カバー素子50は、ガラス含有材料を含む1つ以上の層を備えてもよい、例えば、素子50は、ポリマーマトリクスにおいて第2相ガラス粒子で構成されたポリマー/ガラス混合物でもよい。ある態様において、カバー素子50は、約50GPa〜約100GPaの弾性率、又はこれらの限界の間の任意の弾性率値により特徴付けられるガラス素子である。他の態様において、カバー素子弾性率は、約20GPa、30GPa、40GPa、50GPa、60GPa、70GPa、80GPa、90GPa、100GPa、110GPa、120GPa、130GPa、140GPa、又はこれらの数値の間の任意の弾性率値である。
【0029】
再び
図1を参照すると、折り畳み式モジュール100aはさらに、以下を含む:約100μm〜600μmの厚さ92aを有するスタック90a;及びスタック90aをカバー素子50の第2の主面56に結合するよう構成された第1の接着剤10aであって、第1の接着剤10aは、厚さ12a、及び約0.1MPa〜約1000MPa、例えば、約0.1MPa〜約800MPa、約0.1MPa〜約600MPa、約0.1MPa〜約400MPa、約0.1MPa〜約200MPa、約0.1MPa〜約1MPa、約1MPa〜約800MPa、約1MPa〜約600MPa、約1MPa〜約400MPa、約1MPa〜約200MPa、約200MPa〜約800MPa、約200MPa〜約600MPa、約200MPa〜約400MPa、約400MPa〜約800MPa、約400MPa〜約600MPa、及び約600MPa〜約800MPaの剛性率により特徴付けられる。折り畳み式モジュール100aの第1の態様の実施によれば、第1の接着剤10aは、約0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、5MPa、10MPa、20MPa、30MPa、40MPa、50MPa、60MPa、70MPa、80MPa、90MPa、100MPa、200MPa、300MPa、400MPa、500MPa、600MPa、700MPa、800MPa、900MPa、1000MPaの剛性率、又はこれらの剛性率値の間の任意の量により特徴付けられる。折り畳み式モジュール100aの態様は、そのような電子装置用途において使用される従来の接着剤の剛性率と比較して比較的高い剛性率、例えば約0.1MPa〜約100MPaを有する接着剤10aを含む。比較的高い剛性率値を有するそのような接着剤10aを使用することにより、第2の主面56から遠ざかる方向に折り畳み式電子装置モジュール100aを曲げることにより−すなわち、第2の主面56が凸形状を示すようにモジュール100aを曲げることによって、カバー素子50の第2の主面56において引張応力が予想外に著しく減少される。
【0030】
さらに
図1を参照すると、折り畳み式モジュール100aの特定の態様は、モジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成されてもよい。より詳細には、比較的低い剛性率値(例えば、0.01MPa〜0.1MPa)を有する第1の接着剤10aを使用することにより、第1の主面54がそれぞれ凹状又は凸状の形状を示すように上方又は下方にモジュール100a全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を予想外に減少することができる。比較的低い弾性剛性率値を有する第1の接着剤10aを使用することによる折り畳み式モジュール100aの特定の態様に関するこれらの曲げ力の減少は、カバー素子と0.1MPaを超える剛性率を有するスタックとの間の接着剤(例えば、第1の接着剤10a)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100a)に関して得られる。
【0031】
図1で示される折り畳み式モジュール100aの別の実施の形態において、第1の接着剤10aは、約5μm〜約60μm、例えば、約5μm〜約50μm、約5μm〜約40μm、約5μm〜約30μm、約5μm〜約20μm、約5μm〜約15μm、約5μm〜約10μm、約10μm〜約60μm、約15μm〜約60μm、約20μm〜約60μm、約30μm〜約60μm、約40μm〜約60μm、約50μm〜約60μm、約55μm〜約60μm、約10μm〜約50μm、約10μm〜約40μm、約10μm〜約30μm、約10μm〜約20μm、約10μm〜約15μm、約20μm〜約50μm、約30μm〜約50μm、約40μm〜約50μm、約20μm〜約40μm、及び約20μm〜約30μmの厚さ12aにより特徴付けられる。他の実施の形態は、約5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、又はこれらの厚さの数値の間の任意の厚さにより特徴付けられる第1の接着剤10aを有する。ある態様において、第1の接着剤10aの厚さ12aは、約10μm〜20μmである。折り畳み式モジュール100aのいくつかの態様は、そのような電子装置用途において使用される従来の接着剤の厚さと比較して、比較的低い厚さ、例えば約10μm〜約20μmを有する接着剤10aを含む。比較的低い厚さの数値を有するそのような接着剤10aを使用することにより、第2の主面56から遠ざかる方向に折り畳み式電子装置モジュール100aを曲げることにより−すなわち、第2の主面56が凸形状を示すようにモジュール100aを曲げることによって、カバー素子50の第2の主面56において引張応力が予想外に著しく減少される。接着剤10aの厚さ12aをさらに減少することによって、素子50の第2の主面56において引張応力がさらに減少されると考えられるが、厚さ12aは、モジュール100aについての用途必要性に依存して、素子50をその下のスタック90aに結合するための接着強さによって制限されうる。
【0032】
さらに
図1を参照すると、折り畳み式モジュール100aの特定の態様は、第1の接着剤10aの厚さを制御することにより、モジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成されてもよい。より詳細には、ある範囲の厚さ12a(例えば、約10μm〜約40μm)を有する第1の接着剤10aを使用することにより、第1の主面54がそれぞれ凹状又は凸状の形状を示すように上方又は下方にモジュール100a全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を減少することができる。所定範囲の厚さ内で第1の接着剤10aを使用することによる折り畳み式モジュール100aの特定の態様に関するこれらの曲げ力の減少は、カバー素子と比較的小さい厚さ(例えば10μm未満)又は比較的大きい厚さ(例えば40μm超)を有するスタックとの間の接着剤(例えば、第1の接着剤10a)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100a)に関して得られる。
【0033】
図1に示される折り畳み式モジュール100aのいくつかの実施の形態において、第1の接着剤10aはさらに、約0.1〜約0.5、例えば、約0.1〜約0.45、約0.1〜約0.4、約0.1〜約0.35、約0.1〜約0.3、約0.1〜約0.25、約0.1〜約0.2、約0.1〜約0.15、約0.2〜約0.45、約0.2〜約0.4、約0.2〜約0.35、約0.2〜約0.3、約0.2〜約0.25、約0.25〜約0.45、約0.25〜約0.4、約0.25〜約0.35、約0.25〜約0.3、約0.3〜約0.45、約0.3〜約0.4、約0.3〜約0.35、約0.35〜約0.45、約0.35〜約0.4、及び約0.4〜約0.45のポアソン比により特徴付けられる。他の実施の形態は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5のポアソン比、又はこれらの数値の間の任意のポアソン比により特徴付けられる第1の接着剤10aを含む。ある態様において、第1の接着剤10aのポアソン比は、約0.1〜約0.25である。
【0034】
再び
図1を参照すると、折り畳み式モジュール100aのスタック90aはさらに、第1の主面64及び第2の主面66、並びに、約300MPa〜約10GPa、例えば、約300MPa〜8000MPa、約300MPa〜6000MPa、約300MPa〜4000MPa、約300MPa〜2000MPa、約300MPa〜1000MPa、約300MPa〜500MPa、約500MPa〜8000MPa、約500MPa〜6000MPa、約500MPa〜4000MPa、約500MPa〜2000MPa、約500MPa〜1000MPa、約1000MPa〜8000MPa、約1000MPa〜6000MPa、約1000MPa〜4000MPa、約1000MPa〜2000MPa、約2000MPa〜8000MPa、約2000MPa〜6000MPa、約2000MPa〜4000MPa、約4000MPa〜8000MPa、約4000MPa〜6000MPa、及び約6000MPa〜8000MPaのパネル弾性率を有するパネル60を備える。スタック90aはまた、パネル60に取り付けられた1つ以上の電子装置102を備える。
図1に示されるように、スタック90aはまた、スタック素子75を備える。スタック素子75は、最終用途に依存して、折り畳み式電子装置モジュール100aと関連するさまざまの特徴を備えてもよい。例えば、スタック素子75は、タッチセンサ、偏光子、他の電子装置、及びこれらの特徴をパネル60に結合するための接着剤又は他の化合物の1つ以上を含んでもよい。
【0035】
図1において、折り畳み式モジュール100aのカバー素子50はさらに、カバー素子の第1の主面54が1.5mmの直径を有する炭化タングステン球によって負荷を受ける際の少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗によって特徴付けられる。通常、本開示の態様に従った貫入試験は、0.5mm/分のクロスヘッド速度において変位制御の下で行われる。いくつかの態様において、カバー素子50は、ワイブルプロット内で5%以上の破壊確率において約1.5kgf(14.7N)より大きい貫入抵抗により特徴付けられる。カバー素子50はまた、ワイブル特性強度(すなわち、63.2%以上)において約3kgf(29.4N)超の貫入抵抗により特徴付けられてもよい。特定の態様において、折り畳み式電子装置モジュール100aのカバー素子50は、約2kgf(19.6N)以上、2.5kgf(24.5N)以上、3kgf(29.4N)以上、3.5kgf(34.3N)以上、4kgf(39.2N)以上、及びさらに高い範囲で貫入に抵抗性となりうる。カバー素子50はまた、8H以上の鉛筆硬度により特徴付けられてもよい。
【0036】
折り畳み式モジュール100aの特定の他の態様において、カバー素子50は、0.5mm/分のクロスヘッド速度において変位制御の下で行われる、200μmの直径の平底を有するステンレス鋼ピン(炭化タングステン球ではなく)を使用する別の試験方法に従う貫入抵抗によって特徴付けられてもよい。特定の態様において、金属ピンの変形から生じうる、より高い弾性率を有する材料(例えば、カバー素子50)の試験と関連する偏りを避けるために、ステンレス鋼ピンは、規定量の試験(例えば、10試験)の後に新しいピンと交換される。これらの態様において、素子50の第2の主面56が(i)約0.01MPa〜約1MPaの弾性率を有する約25μm厚の感圧接着剤(「PSA」)及び(ii)約10GPa未満、例えば約2GPa〜約4GPaの弾性率を有する約50μm厚のポリエチレンテレフタレート層(「PET」)により支持され、かつ素子50の第1の主面54が200μmの直径の平底を有するステンレス鋼ピンにより取り付けられる場合に、素子50は、少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗を有する。折り畳み式モジュール100aの他の態様によれば、カバー素子50は、0.5mm/分クロスヘッド速度における変位制御の下で行われる、PSA/PET支持構造と共に1.5mmの直径を有する炭化タングステン球を使用する試験方法に従う貫入抵抗によって特徴付けられてもよい。これらの態様において、素子50の第2の主面56が(i)約0.01MPa〜約1MPaの弾性率を有する約25μm厚の感圧接着剤(「PSA」)及び(ii)約10GPa未満、例えば約2GPa〜約4GPaの弾性率を有する約50μm厚のポリエチレンテレフタレート層(「PET」)により支持され、かつ素子50の第1の主面54が1.5mmの直径を有する炭化タングステン球によって負荷を受ける場合に、素子50は、少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗を有する。200μmの直径の平底を有するステンレス鋼ピンによる前述のアプローチに従った貫入試験によって、同じアプローチ(例えば、PSA/PET支持構造)及び1.5mmの直径を有する炭化タングステン球を用いた試験条件を使用するのと整合性が取れた結果が生じるであろうと考えられる。
【0037】
再び
図1を参照すると、本開示の第1の態様に従った、折り畳み式電子装置モジュール100aは、第1の主面54が圧縮され(すなわち、
図4Bに示されるように点「C」において)、かつ曲げ半径220がカバー素子50の第1の主面の上の中心点からパネル60の第2の主面66までで測定されるように、約20mmから約2mmへ曲げ半径220(
図4B参照)へ2点構成でモジュールを曲げる際に、引張で1000MPa以下のカバー素子50の第2の主面56における(すなわち、
図4Bに示されるように点「T」における)接線方向応力により特徴付けられる。特定の実施において、カバー素子50の第2の主面56における接線方向応力(引張)は、2点構成において約20mmから約2mm、例えば、20mm、19.75mm、19.5mm、19.25mm、19mm、18.5mm、17.5mm、17mm、16.5mm、16mm、15.5mm、15mm、14.5mm、14mm、13.5mm、及び13mm、12.5mm、12mm、11.5mm、11mm、10.5mm、10mm、9.5mm、9mm、8.5mm、7.5mm、7mm、6.5mm、6mm、5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3.25mm、3mm、2.75mm、2.5mm、2.25mm及び2mm、又は例えば、約20mmから約3mm、約20mmから約4mm、約20mmから約5mm、約20mmから約6mm、約20mmから約7mm、約20mmから約8mm、約20mmから約9mm、約20mmから約10mm、約20mmから約11mm、約20mmから約12mm、約20mmから約13mm、約20mmから約14mm、約20mmから約15mm、約20mmから約16mm、約20mmから約17mm、約20mmから約18mm、約20mmから約19mm、約19mmから約2mm、約18mmから約2mm、約17mmから約2mm、約16mmから約2mm、約15mmから約2mm、約14mmから約2mm、約13mmから約2mm、約12mmから約2mm、約11mmから約2mm、約10mmから約2mm、約10mmから約3mm、約9mmから約2mm、約8mmから約2mm、約7mmから約2mm、約6mmから約2mm、約5mmから約2mm、約4mmから約2mm、約3mmから約2mm、約19mmから約3mm、約18mmから約4mm、約17mmから約5mm、約16mmから約6mm、約15mmから約7mm、約14mmから約8mm、約13mmから約9mm、約12mmから約10mm、の半径にモジュールを曲げる際に、約1000MPa以下、950MPa、925MPa、900MPa、875MPa、850MPa、825MPa、800MPa、775MPa、750MPa、725MPa、700MPa、又はこれらの接線方向応力の上限値の間の任意の量である。2点構成における約20mm超〜約100mmの曲げ半径にさらされる折り畳み式モジュールの特定の他の態様において、カバー素子の第2の主面における接線方向応力は、モジュール中の1つ以上の接着剤の弾性率及び/又は厚さの慎重な選択を介して実質的に低減することができる。
【0038】
さらに
図1を参照すると、別の実施に従った折り畳み式電子装置モジュール100aは、2つの試験プレート250(
図4A及び4B参照)の間の約半分の距離(D)である曲げ半径220へ試験装置により内側にモジュールが曲げられる際の150ニュートン(N)以下の曲げ力(F
曲げ)により特徴付けられてもよい。特定の実施において、曲げ力は、約20mmから約3mmへ(すなわち、約40から約6mmへのプレート距離(D))、例えば、20mm、19.75mm、19.5mm、19.25mm、19mm、18.5mm、17.5mm、17mm、16.5mm、16mm、15.5mm、15mm、14.5mm、14mm、13.5mm、及び13mm、12.5mm、12mm、11.5mm、11mm、10.5mm、10mm、9.5mm、9mm、8.5mm、7.5mm、7mm、6.5mm、6mm、5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3.25mm及び3mmの半径へモジュールを曲げる際に、約150N以下、140N、130N、120N、110N、100N、90N、80N、70N、60N、50N、40N、30N、20N、10N、5N、又はこれらの曲げ力の間の任意の量である。上記で概略したとおり、これらの比較的低い曲げ力は、第1の接着剤10aの材料特性及び/又は厚さの調整を介して折り畳み式電子装置モジュール100aにおいて得ることができる。
【0039】
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aの他の態様において、カバー素子50は、約25℃及び約50%の相対湿度において少なくとも60分間、約2mm〜20mmの曲げ半径220(
図4B参照)で素子が保持される際に破損がないことによって特徴付けられてもよい。ここで用いたように、「故障」、「破損」などの用語は、破損、破壊、層間剥離、亀裂伝播、又は折り畳み式モジュール、アセンブリ及び物品を意図した目的に不適当とさせる他の機構を称する。カバー素子50がこれらの条件下で曲げ半径220に保持される場合(すなわち、モジュール100aに適用される曲げによって)、曲げ力は、素子50の端部に加えられる。折り畳み式電子装置モジュール100aのほとんど(全部ではないが)の態様において、第1の主面54が凹状の形状に上方に曲げられるように(
図4B参照)、折り畳み式モジュール100aに曲げ力が加えられる間に、引張応力が素子50の第2の主面56で生じ、圧縮応力が第1の主面54で生じる。他の態様において、曲げ半径220は、カバー素子50に破損を生じることなく、約5mm〜7mmの範囲に設定してもよい。理論によって束縛されることなく、カバー素子50は、本開示の特定の態様において、素子50(折り畳み式モジュール100a全体を含む)が約25℃及び約50%の相対湿度で少なくとも120時間約3mm〜約10mmの曲げ半径220で保持される際に破損がないことによって特徴付けられてもよいと考えられる。
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aと関連する曲げ試験の結果は、前述の試験パラメータと異なる温度及び/又は湿度レベルを有する試験条件下で変化しうることもまた理解されるべきである。
【0040】
折り畳み式モジュール100aのいくつかの態様において、カバー素子50は、高サイクル疲労応力抵抗により特徴付けられる。特に、カバー素子50は、少なくとも200,000曲げサイクルについて、非屈曲構成から、一定の定められた曲げ半径220(
図4A及び4B参照)(すなわち、20mmから約2mmの範囲)に、2点構成において、モジュールを曲げる際の凝集破壊の不在により特徴付けられてもよい。他の態様において、カバー素子50は、約100,000サイクル、110,000サイクル、120,000サイクル、130,000サイクル、140,000サイクル、150,000サイクル、160,000サイクル、170,000サイクル、180,000サイクル、190,000サイクル、200,000サイクル、又はこれらの数値の間の任意の曲げサイクル量について、非屈曲構成から約20mmから約2mmの範囲の曲げ半径220に、2点構成において、モジュールを曲げる際の凝集破壊の不在により特徴付けられる。約20mm超〜約100mmまでの曲げ半径220にさらされる折り畳み式モジュール100aの特定の他の態様において、カバー素子の高サイクル疲労応力耐性は、モジュール中の接着剤の弾性率及び/又は厚さの慎重な選択を介して実質的に低減できる。
【0041】
折り畳み式モジュール100aの特定の態様において、カバー素子50は、ガラス層を含んでもよい。他の態様において、カバー素子50は、2つ以上のガラス層を含んでもよい。したがって、厚さ52は、カバー素子50を作製する個々のガラス層の厚さの合計を表す。カバー素子50が2つ以上の個々のガラス層を含むこれらの態様において、個々のガラス層のそれぞれの厚さは、少なくとも1μmである。例えば、モジュール100aにおいて使用されるカバー素子50は、3つのガラス層を含み、それぞれが約8μmの厚さを有し、カバー素子50の厚さ52は約24μmである。しかしながら、カバー素子50は、複数のガラス層の間に挟まれた他の非ガラス層(例えば、対応するポリマー層)を含んでもよいこともまた理解されるべきである。モジュール100aの他の実施において、カバー素子50は、ガラス含有材料を含む1つ以上の総を含んでもよい、例えば、素子50は、ポリマーマトリクス中の2段階ガラス粒子で構成されたポリマー/ガラス混合物でもよい。
【0042】
図1において、ガラス材料を含むカバー素子50を有する折り畳み式電子装置モジュール100aは、アルカリを含まないアルミノシリケート、ボロシリケート、ボロアルミノシリケート及びシリケートガラス組成物から製造することができる。カバー素子50はまた、アルカリ含有アルミノシリケート、ボロシリケート、ボロアルミノシリケート及びシリケートガラス組成物から製造することができる。特定の態様において、アルカリ土類変性剤は、カバー素子50の上記の組成物のいずれにも添加することができる。1つの例示的な態様において、1つ以上のガラス層を有するカバー素子50に以下のガラス組成が適切である:(モル%で)64〜69%のSiO
2;5〜12%のAl
2O
3;8〜23%のB
2O
3;0.5〜2.5%のMgO;1〜9%のCaO;0〜5%のSrO;0〜5%のBaO;0.1〜0. 4%のSnO
2;0〜0.1%のZrO
2;及び0〜1%のNa
2O。別の例示的な態様において、以下の組成がガラス層50aに適切である:(モル%で)約67.4%のSiO
2;約12.7%のAl
2O
3;約3.7%のB
2O
3;約2.4%のMgO;0%のCaO;0%のSrO;約0.1%のSnO
2;及び約13.7%のNa
2O。さらなる例示的な態様において、以下の組成もカバー素子50に適切である:(モル%で)68.9%のSiO
2;10.3%のAl
2O
3;15.2%のNa
2O;5.4%のMgO;及び0.2%のSnO
2。さまざまの基準を用いて、欠陥の組み込みを最小化しながら、低い厚さレベルに製造することの容易さ、曲げの間に生じた引張応力を相殺する圧縮応力領域の生じ易さ、光学透明度及び腐食抵抗を含むがこれらに限定されない、ガラス材料を含むカバー素子50のための組成物を選択することができる。
【0043】
折り畳み式モジュール100aで使用されるカバー素子50は、さまざまの物理的形態及び形状を採用することができる。断面の観点から、単層又は複数層としての素子50は、平坦又は平面であってもよい。いくつかの態様において、素子50は、最終用途次第で非直線形のシート状の形態で製造することができる。一例として、楕円ディスプレイ及びベゼルを有するモバイルディスプレイ装置は、一般に楕円のシート状形態を有するガラス素子50を用いることができる。
【0044】
さらに
図1を参照すると、本開示の特定の態様において、折り畳み式電子装置モジュール100aのカバー素子50は、第1の主面54及び/又は第2の主面56からカバー素子50における選択された深さまで伸長する1つ以上の圧縮応力領域(図示せず)を有するガラス層又は成分を含む。さらに、モジュール100aの特定の態様において、素子50の端部(例えば、主面54、56に垂直又は実質的に垂直)から選択された深さまで伸長する端部圧縮応力領域(図示せず)が生じうる。例えば、ガラスカバー素子50中に含まれる圧縮応力領域(1つ又は複数)(及び/又は端部圧縮応力領域)は、イオン交換(「IOX」)工程により形成されうる。別の例として、ガラスカバー素子50は、層及び/又は領域と関連する熱膨張係数(「CTE」)におけるずれを介して1つ以上のそのような圧縮応力領域を生じさせるために使用できるさまざまの調整されたガラス層及び/又は領域を含んでもよい。
【0045】
IOX工程により形成される1つ以上の圧縮応力領域を有するカバー素子50を備える装置モジュール100aのこれらの態様において、圧縮応力領域は、複数のイオン交換可能な金属イオン及び複数のイオン交換された金属イオンを含んでもよく、イオン交換された金属イオンは、圧縮応力領域中に圧縮応力を生じるように選択される。圧縮応力領域を含有するモジュール100aのいくつかの態様において、イオン交換された金属イオンは、イオン交換可能な金属イオンの原子半径よりも大きい原子半径を有する。イオン交換可能なイオン(例えば、Na
+イオン)は、イオン交換工程を受ける前にガラスカバー素子50に存在する。イオン交換するイオン(例えば、K
+イオン)は、ガラスカバー素子50に組み込まれることができ、素子50中の領域内のイオン交換可能なイオンのいくつかを置き換え、これは最終的に圧縮応力領域となる。イオン交換するイオン(例えば、K
+イオン)のカバー素子50への組込みは、イオン交換するイオン(例えば、溶融KNO
3塩)を含有する溶融塩浴に素子50を浸漬することによって達成することができる。この例において、K
+イオンはNa
+イオンより大きい原子半径を有し、存在する場合は常に、例えば圧縮応力領域において、ガラスカバー素子50において局所的圧縮応力を生じる傾向がある。
【0046】
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aで用いられるカバー素子50のために使用されるイオン交換工程条件に依存して、イオン交換するイオンは、カバー素子50の第1の主面54から第1のイオン交換深さ(図示せず)まで付与することができ、イオン交換層深さ(「DOL」)が確立される。同様に、第2の圧縮応力領域は、第2の主面56から第2のイオン交換深さまで素子50において生じることができる。100MPaをはるかに超えるDOL内の圧縮応力レベルは、そのようなIOX工程によって、2000MPa程度の高さまで達成することができる。カバー素子50内の圧縮応力領域中の圧縮応力レベルは、折り畳み式電子装置モジュール100aの曲げに基づいてカバー素子50中で生じる引張応力を相殺するために役立ちうる。
【0047】
再び
図1を参照すると、いくつかの実施において、折り畳み式電子装置モジュール100aは、少なくとも100MPaの圧縮応力によりそれぞれ画定される、第1の主面54及び第2の主面56に垂直な端部におけるカバー素子50中に1つ以上の端部圧縮応力領域を含みうる。そのような端部圧縮応力領域は、素子50の形状又は形態に依存して、端部又は主面とは別個の表面のいずれかにおいて、カバー素子50において生じうることが理解されるべきである。例えば、楕円形状のカバー素子50を有する折り畳み式モジュール100aの実施において、端部圧縮応力領域は、素子の主面から垂直(又は実質的に垂直)である素子の外縁から内側に生じてもよい。主面54、56に近接して圧縮応力領域を生じるために使用されるものと本質的に同様のIOX工程を実施して、これらの端部圧縮応力領域を生じることができる。より詳細には、カバー素子50中の任意のそのような端部圧縮応力領域を使用して、例えば、その任意の端部を横切ってカバー素子50(及びモジュール100a)を曲げることによって、及び/又は主面54、56においてカバー素子50を不均一に曲げることによって、素子の端部で生じる引張応力を相殺することができる。あるいは、又はそれに加えて、理論によって束縛されることなく、カバー素子50において使用される任意のそのような端部圧縮応力領域は、モジュール100a内の素子50の端部における又はそこへの衝撃又は摩耗事象からの悪影響を相殺しうる。
【0048】
再び
図1を参照すると、素子50内の領域又は層のCTEにおけるずれによって形成される1つ以上の圧縮応力領域を有するカバー素子50を有する装置モジュール100aのそれらの態様において、これらの圧縮応力領域は、素子50の構造の調整によって生じうる。例えば、素子50内のCTEの差異によって、素子内に1つ以上の圧縮応力領域が生じうる。1つの例において、カバー素子50は、素子の主面54、56にそれぞれ実質的に平行な、クラッド領域又は層によって挟まれたコア領域又は層を含んでもよい。さらに、コア層は、クラッド領域又は層のCTEよりも大きいCTEに調整される(例えば、コア及びクラッド層又は領域の組成のコントロールによって)。カバー素子50がその製造工程から冷却された後、コア領域又は層とクラッド領域又は層との間のCTEの差異によって、冷却時に不均等な体積収縮が生じ、クラッド領域又は層内の主面54、56の下の圧縮応力領域の生成において明らかとなるカバー素子50中の残留応力が生じる。言い換えると、コア領域又は層及びクラッド領域又は層が高温で互いに密接に接触し、次いで、これらの層又は領域は低温に冷却され、低いCTEクラッド領域(又は層)と比較して高いCTEコア領域(又は層)のより大きい体積変化によって、カバー素子50内のクラッド領域又は層中に圧縮応力領域が生じる。
【0049】
CTEによって生じる圧縮応力領域を有する、
図1に示されるモジュール100a中のカバー素子50を参照すると、CTE関連圧縮応力領域は、それぞれ第1の主面54から第1のCTE領域深さまで及び第2の主面56から第2のCTE領域深さまで達し、したがって、各主面54、56と関連しクラッド層又は領域内の圧縮応力領域のそれぞれについてCTE関連DOLを確立する。いくつかの態様において、これらの圧縮応力領域中の圧縮応力レベルは、150MPaを超えてもよい。コア領域(又は層)とクラッド領域(又は層)との間のCTE値の差異を最大化することによって、製造後の素子50の冷却時に圧縮応力領域において生じる圧縮応力の大きさが増加しうる。そのようなCTE関連圧縮応力領域を有するカバー素子50による折り畳み式電子装置モジュール100aの特定の実施において、カバー素子50は、クラッド領域厚さの合計で割ったコア領域厚さに関して3以上の厚さ比率を有するコア領域及びクラッド領域を用いる。したがって、クラッド領域のサイズ及び/又はCTEに関してコア領域のサイズ及び/又はそのCTEを最大化することは、折り畳み式モジュール100aの圧縮応力領域において観察される圧縮応力レベルの大きさを増加することに役立ちうる。
【0050】
他の利点の中でも特に、圧縮応力領域(例えば、前述の段落で概略されたIOX又はCTE関連アプローチにより生じるものとして)をカバー素子50内で用いることによって、曲げの方向に依存して、折り畳み式モジュール100aの曲げにより素子中に生じる引張応力、特に主面54、56の1つの上で極限に達する引張応力を相殺する。特定の態様において、圧縮応力領域は、カバー素子50の主面54、56において少なくとも約100MPaの圧縮応力を含んでもよい。いくつかの態様において、主面における圧縮応力は、約600MPa〜約1000MPaである。他の態様において、圧縮応力は、カバー素子50において圧縮応力を生じるために用いられる工程に依存して、主面において1000MPaを超えてもよく、2000MPaまでである。圧縮応力はまた、本開示の他の態様において、素子50の主面において約100MPa〜約600MPaの範囲でもよい。追加の態様において、モジュール100aのカバー素子50内の圧縮応力領域(1つ又は複数)は、約100MPa〜約2000MPa、例えば、約100MPa〜約1500MPa、約100MPa〜約1000MPa、約100MPa〜約800MPa、約100MPa〜約600MPa、約100MPa〜約400MPa、約100MPa〜約200MPa、約200MPa〜約1500MPa、約200MPa〜約1000MPa、約200MPa〜約800MPa、約200MPa〜約600MPa、約200MPa〜約400MPa、約400MPa〜約1500MPa、約400MPa〜約1000MPa、約400MPa〜約800MPa、約400MPa〜約600MPa、約600MPa〜約1500MPa、約600MPa〜約1000MPa、約600MPa〜約800MPa、約800MPa〜約1500MPa、約800MPa〜約1000MPa、及び約1000MPa〜約1500MPaの圧縮応力を示しうる。
【0051】
折り畳み式電子装置モジュール100aのカバー素子50において用いられるそのような圧縮応力領域内において、圧縮応力は、主面から1つ以上の選択された深さまでの深さの関数として、一定のままでも、減少又は増加してもよい。したがって、さまざまの圧縮応力プロフィールを圧縮応力領域で使用してもよい。さらに、圧縮応力領域のそれぞれの深さは、カバー素子50の主面54、56から約15μm以下に設定してもよい。他の態様において、圧縮応力領域の深さは、第1の主面54及び/又は第2の主面56から、カバー素子50の厚さ52の約1/3以下、又はカバー素子50の厚さ52の20%以下となるように設定してもよい。
【0052】
再び
図1を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100aは、第1の主面54及び/又は第2の主面56において、5μm以下の最大欠陥サイズを有する1つ以上の圧縮応力領域を有するガラス材料を含むカバー素子50を備えてもよい。最大欠陥サイズは、約2.5μm以下、2μm以下、1.5μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又はさらに小さい欠陥サイズ範囲に保持されてもよい。ガラスカバー素子50の圧縮応力領域における損傷サイズを減少することによってさらに、折り畳み式モジュール100aへの曲げ力(
図4B参照)による引張応力の印加時に、素子50が亀裂伝播によって破損する傾向を低減できる。さらに、折り畳み式装置モジュール100aのいくつかの態様は、1つ以上の圧縮応力領域を使用せずに、制御された欠陥サイズ分布(例えば、第1の主面54及び/又は第2の主面56における0.5μm以下の欠陥サイズ)を有する表面領域を含んでもよい。
【0053】
図1及び
図4Aを参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100aに印可される曲げ力F
曲げは、カバー素子50の第2の主面56において、例えば、
図4に示される点「T」において引張応力を生じうる。より密接した(すなわち、より小さい)曲げ半径220によって、より高い引張応力が生じうる。さらに、より密接した曲げ半径220によって、モジュール100aを所望の曲げ半径220に曲げる又はそうでなければ折り畳むために、より高い曲げ力F
曲げも必要となる。以下の式(1)を使用して、特に、一定の曲げ半径220で曲げられるカバー素子50の第2の主面における、カバー素子50中の最大引張応力を推定することができる。式(1)は、
【0055】
により表され、Eはガラス素子50のヤング率であり、νはカバー素子50のポアソン比であり(典型的には、νは、ほとんどのガラス組成物に関して約0.2〜0.3である)、hはガラス素子の厚さ52を反映し、Rは湾曲の曲げ半径である(曲げ半径220と比較できる)。式(1)を用いると、最大曲げ応力は、ガラスカバー素子50の厚さ52及び弾性率に比例して依存し、ガラスカバー素子50の曲げ半径220に反比例して依存することが明らかである。
【0056】
折り畳み式モジュール100a及び、特にカバー素子50に印可される曲げ力F
曲げはまた、素子50内に即時又はより低速の疲労破損機構を導く亀裂伝播を生じうる。第2の主面56における、又は素子50の表面の直下における欠陥の存在は、これらの潜在的な破壊モードに寄与しうる。以下の式(2)を用いて、曲げ力F
曲げを受けるガラスカバー素子50における応力強度因子を推定することができる。式(2)は、
【0058】
により表され、aは欠陥サイズであり、Yは幾何学的因子であり(通常、典型的な破壊モードでガラス端部から生じる亀裂に関して1.12であると仮定される)、かつσは式(1)を用いて推定された曲げ力F
曲げと関連する曲げ応力である。式(2)は、亀裂に沿った応力が一定であると仮定し、これは、欠陥サイズが小さい場合(例えば、<1μm)に適切な仮定である。応力強度因子Kがガラスカバー素子50の破壊靱性K
ICに達する場合、瞬間破損が生じる。ガラスカバー素子50における使用に適切なほとんどの組成物に関して、K
ICは約0.7MPa√mである。同様に、Kが疲労閾値K
閾値以上のレベルに達成する場合、低速の周期的疲労負荷条件を介して破損が生じうる。K
閾値のための適切な仮定は、約0.2MPa√mである。しかしながら、K
閾値を実験的に決定することができ、全体的な適用必要条件に依存する(例えば、所定の用途のためのより高い疲労寿命は、K
閾値を増加させうる)。式(2)を考慮して、ガラスカバー素子50の主面における、特に曲げに基づいて高い引張応力を受けやすい表面における、全体的な引張応力レベル及び/又は欠陥サイズを低減させることによって、応力強度因子を低下させることができる。
【0059】
折り畳み式電子装置モジュール100aのいくつかの態様によれば、式(1)及び(2)により推定される引張応力及び応力強度因子は、ガラスカバー素子50の第2の主面56における応力分布の制御によって最小化することができる。特に、第2の主面56以下の圧縮応力プロファイル(例えば、前述の段落で説明されたCTE又はIOX関連圧縮応力領域の1つ以上に亘る)を、式(1)で算出された曲げ応力から差し引く。したがって、全体的な曲げ応力レベルは有利に低下し、次に、式(2)を介して推定できる応力強度因子も低下する。
【0060】
再び
図1を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100aの他の実施には、素子50内の欠陥サイズを低減及び/又は欠陥分布を改良するよう調整されたさまざまのエッチング工程を受けるガラス材料を含むカバー素子50が含まれてもよい。これらのエッチング工程を用いて、主面54、56に密接して及び/又は端部に沿って(図示せず)カバー素子50内の欠陥分布を制御することができる。例えば、約15体積%のHF及び15体積%のHClを含有するエッチング溶液を用いて、ガラス組成物を有するカバー素子50の表面をライトエッチングすることができる。ライトエッチングの時間及び温度は、当業者によって理解されるように、素子50の組成及びカバー素子50の表面からの物質除去の所望のレベルに従って、設定できる。素子50のいくつかの表面は、エッチング工程中にマスキング層などをそのような表面に用いることによって、未エッチング状態のままにしてもよい。より詳細には、このライトエッチングは、カバー素子50の強度を有利に改良することができる。特に、カバー素子50として最終的に利用されるガラス構造を区分化するために使用される切断又はシングリング工程によって、素子50の表面内の欠陥及び他の瑕疵が残りうる。これらの欠陥及び瑕疵は、適用環境及び使用から、素子50を含むモジュール100aへの応力の適用中に、ガラス破損を伝播しかつその原因となりうる。選択的エッチング工程は、素子50の1つ以上の端部のライトエッチングにより、欠陥及び瑕疵の少なくともいくつかを除去することができ、それによって、例えば式(1)及び(2)を参照して前述の段落に示されるように、ライトエッチングされた表面の強度及び/又は破断抵抗を増加することができる。
【0061】
図1に示される折り畳み式モジュール100aで使用されるカバー素子50は、上記の強度増強特徴の任意の1つ以上を含んでもよい:(a)IOX関連圧縮応力領域;(b)CTE関連圧縮応力領域;及び(c)より小さい欠陥サイズを有するエッチングされた表面。これらの強度増強特徴を使用して、折り畳み式電子装置モジュール100aの適用環境、使用及び処理に関連してカバー素子50の表面に生じる引張応力を補正する又は部分的に補正することができる。
【0062】
上記で概略されたように、
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aは、特定の材料特性(例えば、約0.1MPa〜100MPaの剛性率)を有する接着剤10aを含む。モジュール100a中の接着剤10aとして使用できる例示的な接着剤は、光学用透明接着剤(「OCA」)(例えば、ヘンケルコーポレーションのLOCTITE(登録商標)液体OCA)、エポキシ、及び、スタック90aをカバー素子50の第2の主面56に結合するのに適切な当業者により理解される他の結合材料を含む。モジュール100aのいくつかの態様において、接着剤10aはまた、高い耐熱性を有し、折り畳み式電子装置モジュール100aの曲げからの摩擦により生じるものを含む、適用環境におけるさまざまの温度(例えば、−40℃及び約+85℃で500時間)、湿度及び高温(例えば、95%相対湿度において+65℃で500時間)、及び温度勾配(例えば、200の熱衝撃サイクルで、各サイクルが−40℃で1時間及び続く+85℃で1時間により与えられる)を受けることにより、その材料特定が変化をほとんど又は全く受けない。さらに、接着剤10aは、3M(商標)カンパニーの8211、8212、8213、8214及び8215OCAにより示されるものと比較して高い紫外線照射抵抗及び高い引き剥がし粘着力特性を有してもよい。
【0063】
上記でも概略されたように、
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aは、約300MPa〜約10GPa、例えば、300MPa〜約5000MPa、300MPa〜約2500MPa、300MPa〜約1000MPa、300MPa〜約750MPa、300MPa〜約500MPa、500MPa〜約5000MPa、500MPa〜約2500MPa、500MPa〜約1000MPa、500MPa〜約750MPa、750MPa〜約5000MPa、750MPa〜約2500MPa、750MPa〜約1000MPa、1000MPa〜約5000MPa、1000MPa〜約2500MPa、及び2500MPa〜約5000MPaのパネル弾性率を有するパネル60を含む。いくつかの態様において、パネル60のパネル弾性率は、約350MPa、400MPa、450MPa、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、2GPa、3GPa、4GPa、5GPa、6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa、又はこれらの数値の間の任意の弾性率である。モジュール100aにおけるパネル60として使用できる適切な材料は、電子装置102の取り付けに適切であり折り畳み式電子装置モジュール100aに関連する曲げを受ける際に高い機械強度及び柔軟性を有する、さまざまの熱硬化性及び熱可塑性材料、例えばポリイミドを含む。例えば、パネル60は、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイパネルでもよい。パネル60のために選択される材料はまた、高い熱的安定性を示し、モジュール100aのための適用環境及び/又はその処理条件に関連する材料特性変化及び/又は劣化に耐えうる。
【0064】
いくつかの実施において、
図1に示される折り畳み式電子装置モジュール100aは、ディスプレイ、プリント基板、ハウジング又は最終製品の電子装置に関連する他の特徴に使用されてもよい。例えば、折り畳み式モジュール100aは、多くの薄膜トランジスタ(「TFT」)を含む電子ディスプレイにおいて又は低温ポリシリコン(「LTPS」)バックプレーンを含むLCD又はOLEDにおいて使用されてもよい。折り畳み式モジュール100aがディスプレイにおいて使用される場合、例えば、モジュール100aは実質的に透明である。さらに、モジュール100aは、上記の段落で記載されるような鉛筆硬度、曲げ半径、貫入抵抗及び/又は最適化された曲げ力の性能を有してもよい。ある例示的な実施において、折り畳み式電子装置モジュール100aは、装着型電子装置、例えば、腕時計、財布又はブレスレットで使用してもよい。ここで定義されるように、「折り畳み式」には、完全な折り畳み、部分的な折り畳み、屈曲、湾曲、不連続の曲げ、及び多重折り畳み性能が含まれる。
【0065】
次に
図2を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100bは、折り畳み式電子装置モジュール100aと共通する多くの特徴を備える(
図1参照)。他に記載がなければ、モジュール100aと100bとの間で共通の任意の特徴(すなわち、同じ素子番号)は、同じ又は同様の構成、特徴及び特性を有する。
図2に示されるように、モジュール100bは、約25μm〜約200μmの厚さ及び約20GPa〜約140GPaのカバー素子弾性率を有する。カバー素子50はさらに、ガラス組成物又はガラス組成物を有する部品、第1の主面54、及び第2の主面56を有する。
【0066】
図2に示されるモジュール100bはさらに、以下を含む:約100μm〜約600μmの厚さ92bを有するスタック90b;及びスタック素子75をカバー素子50の第2の主面56に結合するよう構成される第1の接着剤10a。モジュール100bにおいて、第1の接着剤10aは、約1MPa〜約1GPa、例えば、約0.1MPa〜約800MPa、約0.1MPa〜約600MPa、約0.1MPa〜約400MPa、約0.1MPa〜約200MPa、約0.1MPa〜約1MPa、約1MPa〜約800MPa、約1MPa〜約600MPa、約1MPa〜約400MPa、約1MPa〜約200MPa、約200MPa〜約800MPa、約200MPa〜約600MPa、約200MPa〜約400MPa、約400MPa〜約800MPa、約400MPa〜約600MPa、及び約600MPa〜約800MPaの剛性率により特徴付けられる。モジュール100bのいくつかの態様において、第1の接着剤10aは、0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、5MPa、10MPa、20MPa、30MPa、40MPa、50MPa、60MPa、70MPa、80MPa、90MPa、100MPa、200MPa、300MPa、400MPa、500MPa、600MPa、700MPa、800MPa、900MPa、1000MPa、又はこれらの剛性率値の間の任意の量の剛性率により特徴付けられる。折り畳み式モジュール100bの態様には、そのような電子装置用途で通常使用される従来の接着剤の剛性率と比較して、比較的高い剛性率、例えば、約1MPa〜約1000MPa(すなわち、1GPa)を有する接着剤10aが含まれる。比較的高い剛性率値を有するそのような接着剤10aを使用することによって、第2の主面56から遠ざかる方向に折り畳み式電子装置モジュール100bを曲げることにより−すなわち、第2の主面56が凸形状を示すようにモジュール100bを曲げることにより、カバー素子50の第2の主面56において観察される引張応力の著しい減少が予期せずもたらされる。
【0067】
さらに
図2を参照すると、折り畳み式モジュール100bの特定の態様は、モジュール100b内で使用される1つ以上の接着剤の剛性率を制御することによりモジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成されてもよい。より詳細には、比較的低い剛性率値(例えば、約0.01MPa〜約0.1MPa)を有する第1の接着剤10aを使用することにより、第1の主面54がそれぞれ凹形状又は凸形状を示すように上方向又は下方向にモジュール100b全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を低減できる。比較的低い弾性剛性率値を有する第1の接着剤10aを使用することによる折り畳み式モジュール100bの特定の態様に関連するこれらの曲げ力の低減は、0.1MPaを超える剛性率を有するカバー素子とスタックとの間の接着剤(例えば、第1の接着剤10a)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100b)に関して得られる。
【0068】
図2に示される折り畳み式電子装置モジュール100bを再び参照すると、スタック90bはさらに、第1の主面64及び第2の主面66、及び約300MPa〜約10GPaのパネル弾性率を有するパネル60を備える。スタック90bはまた、パネル60に取り付けられた又はその内部の1つ以上の電子装置102、及び約1GPa〜約5GPaのスタック素子弾性率を有するスタック素子75を備え、スタック素子は、スタック接着剤10bによりパネル60に接着される。モジュール100aに関してすでに概略されたように(
図1参照)、スタック素子75は、タッチセンサ、偏光子、タッチセンサ部品(例えば、電極層)、薄膜トランジスタ、駆動回路、ソース、ドレーン、ドープ領域、及び他の電子装置及び電子装置部品を含むがこれに限定されないさまざまの部品、他の接着剤、及び結合剤を含んでもよい。集合的に、これらの特徴は、折り畳み式電子装置モジュール100b内で約1GPa〜約10GPaの弾性率を有する。パネル60、スタック素子75及び電子装置102(例えば、パネル60内に位置されるものとして)の間の関係が、
図2に概略的に示されることもまた理解されるべきである。装置モジュール100bのための用途に依存して、これらの素子は、互いに関して異なる方向性を有してもよい。例えば、パネル60は、2つのガラス層(図示せず)によりパネル60内で電子装置102が挟まれる(例えば、
図2に概略的に示されるように)、LCDパネル又はOLEDディスプレイでもよく、又は、例えばガラス層により被包されるポリマー基板でもよい。別の例において、
図3に概略的に示され下記にさらに論じられるように、電子装置102は、パネル60及びスタック接着剤10bの上に、スタック75内のより高い垂直位置に配置されるタッチセンサの態様でもよい(例えば、酸化インジウムスズ、銀ナノワイヤーなどのような透明伝導体中の電気的トレースライン)。
【0069】
折り畳み式電子装置モジュール100bにおいて使用されるスタック接着剤10aに関して、その組成は、モジュール100bを使用する用途に適切な結合強度でスタック素子75をパネル60に結合するよう選択できる。本開示の第2の態様の折り畳み式モジュール100bのいくつかの実施によれば、スタック接着剤10bは、約10kPa〜約100kPa、例えば、約10kPa〜約90kPa、約10kPa〜約80kPa、約10kPa〜約70kPa、約10kPa〜約60kPa、約10kPa〜約50kPa、約10kPa〜約40kPa、約10kPa〜約30kPa、約10kPa〜約30kPa、約20kPa〜約90kPa、約20kPa〜約80kPa、約20kPa〜約70kPa、約20kPa〜約60kPa、約20kPa〜約50kPa、約20kPa〜約40kPa、約20kPa〜約30kPa、約30kPa〜約90kPa、約30kPa〜約80kPa、約30kPa〜約70kPa、約30kPa〜約60kPa、約30kPa〜約50kPa、約30kPa〜約40kPa、約40kPa〜約90kPa、約40kPa〜約80kPa、約40kPa〜約70kPa、約40kPa〜約60kPa、約40kPa〜約50kPa、約50kPa〜約90kPa、約50kPa〜約80kPa、約50kPa〜約70kPa、約50kPa〜約60kPa、約60kPa〜約90kPa、約60kPa〜約80kPa、約60kPa〜約70kPa、約70kPa〜約90kPa、約70kPa〜約80kPa、及び約80kPa〜約90kPaの剛性率により特徴付けられる。この態様において、スタック接着剤10bはまた、約10kPa、20kPa、25kPa、30kPa、35kPa、40kPa、45kPa、50kPa、55kPa、60kPa、65kPa、70kPa、75kPa、80kPa、85kPa、90kPa、95kPa、100kPaの剛性率、又はこれらの数値の間の任意の剛性率値により特徴付けられてもよい。折り畳み式モジュール100bの態様には、そのような電子装置用途に通常使用される従来の接着剤の剛性率と比較して、例えば約10kPa〜約100kPaの比較的低い剛性率を有するスタック接着剤10bが含まれる。比較的低い剛性率値を有するそのような接着剤10bを使用することによって、第2の主面66から遠ざかる方向に折り畳み式電子装置モジュール100bを曲げることにより−すなわち、第2の主面66が凸形状を示すようにモジュール100bを曲げることにより、パネル60の第1の主面64において観察される引張応力の著しい減少が予期せずもたらされる。
【0070】
図2を再び参照すると、折り畳み式モジュール100bの特定の態様は、モジュール100b内で使用される1つ以上の接着剤の剛性率を制御することによりモジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成されてもよい。例えば、比較的低い剛性率値(例えば、約0.01MPa〜約0.1MPa)を有するスタック接着剤10bを使用することにより、第1の主面54がそれぞれ凹形状又は凸形状を示すように上方向又は下方向にモジュール100b全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を予期せず低減できる。さらに、折り畳み式モジュール100bの他の態様は、第1の接着剤10aの剛性率及びスタック接着剤10bの剛性率を制御することにより(例えば、両方の接着剤が約0.01MPa〜約0.1MPaの剛性率を有する)、モジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成できる。比較的低い弾性剛性率値を有する第1の接着剤10a及び/又はスタック接着剤10bを使用することによる折り畳み式モジュール100bの特定の態様に関連するこれらの曲げ力の低減は、0.1MPaを超える剛性率を有する1つ以上の接着剤(例えば、接着剤10a、10b)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100b)に関して得られる。
【0071】
本開示の第2の態様の折り畳み式モジュール100b(
図2参照)の他の実施によれば、スタック接着剤10bは、約5μm〜約60μm、例えば、約5μm〜約50μm、約5μm〜約40μm、約5μm〜約30μm、約5μm〜約20μm、約5μm〜約15μm、約5μm〜約10μm、約10μm〜約60μm、約15μm〜約60μm、約20μm〜約60μm、約30μm〜約60μm、約40μm〜約60μm、約50μm〜約60μm、約55μm〜約60μm、約10μm〜約50μm、約10μm〜約40μm、約10μm〜約30μm、約10μm〜約20μm、約10μm〜約15μm、約20μm〜約50μm、約30μm〜約50μm、約40μm〜約50μm、約20μm〜約40μm、及び約20μm〜約30μmの厚さ12bにより特徴付けられる。他の実施の形態は、約5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、又はこれらの厚さ値の間の任意の厚さの厚さ12bにより特徴付けられるスタック接着剤10bを有する。ある態様において、スタック接着剤10bの厚さ12bは、約30μm〜約60μmである。比較的高い厚さの数値を有するそのような接着剤10bを使用することによって、パネルの第2の主面66から遠ざかる方向に折り畳み式電子装置モジュール100bを曲げることによりパネル60の第1の主面64において観察される引張応力の著しい低減が予期せずもたらされる。接着剤10bの厚さ12bの厚さのさらなる増加によって、パネル60の第1の主面64において観察される引張応力がさらに低減されると考えられるが、厚さ12bは、スタック90bの全厚92bを最小化する目的における使用の必要条件によって制限されうる。
【0072】
さらに
図2を参照すると、折り畳み式モジュール100bの特定の態様は、第1の接着剤10a及び/又はスタック接着剤10bの厚さを制御することにより、モジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成できる。より詳細には、ある範囲の厚さ12a(例えば、約10μm〜約40μm)を有する第1の接着剤10a及び/又はある範囲の厚さ12b(例えば、約10μm〜約40μm)を有するスタック接着剤10bを使用することによって、第1の主面54がそれぞれ凹形状又は凸形状を示すように上方向又は下方向にモジュール100b全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を低減できる。所定の厚さ範囲内の第1の接着剤10a及び/又はスタック接着剤10bを使用することによる折り畳み式モジュール100bの特定の態様に関連するこれらの曲げ力の低減は、比較的小さい厚さ(例えば、10μm未満)又は比較的大きい厚さ(例えば、40μm超)を有する1つ以上の接着剤(例えば、第1の接着剤10a及び/又はスタック接着剤10b)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100b)に関して得られる。
【0073】
再び
図2を参照すると、別の実施による折り畳み式電子装置モジュール100bは、2つの試験プレート間の距離(D)のおよそ半分である曲げ半径220に試験装置によってモジュールが内側に曲げられる際に、150ニュートン(N)以下の曲げ力(F
曲げ)により特徴付けることができる。特定の実施において、曲げ力は、約20mmから約3mm(すなわち、約40から約6mmのプレート距離(D))、例えば、20mm、19.75mm、19.5mm、19.25mm、19mm、18.5mm、17.5mm、17mm、16.5mm、16mm、15.5mm、15mm、14.5mm、14mm、13.5mm、及び13mm、12.5mm、12mm、11.5mm、11mm、10.5mm、10mm、9.5mm、9mm、8.5mm、7.5mm、7mm、6.5mm、6mm、5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3.25mm及び3mmの半径にモジュールを曲げる際に、約150N、140N、130N、120N、110N、100N、90N、80N、70N、60N、50N、40N、30N、20N、10N、5N、又はこれらの曲げ力の上限の間の任意の量以下である。すでに概略したように、これらの比較的低い曲げ力は、第1の接着剤10a及び/又はスタック接着剤10bの機械的特性及び/又は厚さを調整することによって、折り畳み式電子装置モジュール100bにおいて得られる。
【0074】
図2に示される折り畳み式モジュール100bのいくつかの実施の形態において、スタック接着剤10bはさらに、約0.1〜約0.5、例えば、約0.1〜約0.45、約0.1〜約0.4、約0.1〜約0.35、約0.1〜約0.3、約0.1〜約0.25、約0.1〜約0.2、約0.1〜約0.15、約0.2〜約0.45、約0.2〜約0.4、約0.2〜約0.35、約0.2〜約0.3、約0.2〜約0.25、約0.25〜約0.45、約0.25〜約0.4、約0.25〜約0.35、約0.25〜約0.3、約0.3〜約0.45、約0.3〜約0.4、約0.3〜約0.35、約0.35〜約0.45、約0.35〜約0.4、及び約0.4〜約0.45のポアソン比により特徴付けられる。他の実施の形態には、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5のポアソン比、又はこれらの数値の間の任意のポアソン比により特徴付けられるスタック接着剤10bが含まれる。ある態様において、スタック接着剤10bのポアソン比は、約0.4〜約0.5である。
【0075】
上記で概略されるように、
図2に示される折り畳み式電子装置モジュール100bは、特定の材料特性(例えば、約10kPa〜約100kPaの剛性率)を有するスタック接着剤10bを含みうる。モジュール100b中のスタック接着剤10bとして使用できる例示的な接着剤は、第1の接着剤10aについて適切なものと概ね同じ又は同様である。したがって、スタック接着剤10bは、OCA、エポキシ、及び、スタック素子75をパネル60の第1の主面64に結合するのに適切な当業者により理解される他の結合材料を含みうる。モジュール100bのいくつかの態様において、スタック接着剤10bは、折り畳み式電子装置モジュール100bの曲げからの摩擦により生じるものを含む、適用環境においてさまざまの温度及び温度勾配を受けて材料特性がほとんど又は全く変化しないように、高い耐熱性を有する。
【0076】
再び
図2を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100bのカバー素子50はさらに、カバー素子の第1の主面54が1.5mmの直径を有する炭化タングステン球によって負荷を受ける際の少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗によって特徴付けられる。さらに、装置モジュール100bは、2点構成でモジュールを約10mm〜約3mmの曲げ半径に曲げる際に張力で約1000MPa以下のカバー素子50の第2の主面56における接線方向応力により特徴付けられ、第1の主面54は圧縮下にあり、曲げ半径はカバー素子50の第1の主面54の上の中心点からパネル60の第2の主面66までで測定される(
図4B参照)。折り畳み式電子装置モジュール100b(
図2)と関連するこれらの性能特性は、折り畳み式電子装置モジュール100a(
図1)により示されるものと類似する。より詳細には、カバー素子50の第2の主面56におけるこれらの低減された引張応力レベルは、第1の接着剤10aの材料特性(例えば、剛性率及び/又はポアソン比)及び/又は第1の接着剤10aの厚さ12aを調整することにより達成される。したがって、本開示のいくつかの態様は、モジュール内でカバー素子をスタックに結合する接着剤の材料特性及び/又は厚さを制御することにより、特にそのカバー素子において、改良された機械的信頼性を有する折り畳み式電子装置モジュールを提供する。
【0077】
図3を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100cは、性能特性(すなわち、カバー素子の第2の主面における高い貫入抵抗及び最小限の接線方向応力(引張))を含む、そのほとんどが折り畳み式電子装置モジュール100b(
図2参照)と共通する特徴を備える。他に記載がなければ、モジュール100bと100cとの間で共通の任意の特徴(すなわち、同じ要素番号)は、同じ又は同様の構成、特徴及び特性を有する。
図3に示されるように、モジュール100cは、約25μm〜約200μmの厚さ52及び約20GPa〜約140GPaのカバー素子弾性率を有するカバー素子50を含む。
【0078】
図3に示されるモジュール100cはさらに、以下を含む:約100μm〜約600μmの厚さ92cを有するスタック90c;及びスタック素子75cをカバー素子50の第2の主面56に結合するよう構成される第1の接着剤10a。スタック90cはさらに、第1の主面64及び第2の主面66、及び約300MPa〜約10GPaのパネル弾性率を有するパネル60を備える。スタック90cはまた、パネル60又はタッチセンサ80に取り付けられた(例えば、
図3に概略的に示されるように)1つ以上の電子装置102(例えば、タッチセンサ電極線、及び他の電子装置又は電子装置部品)、及び約1GPa〜約5GPaのスタック素子弾性率を有するスタック素子75cを備え、スタック素子は、スタック接着剤10bによりパネル60に接着される。パネル60、スタック素子75c及び電子装置102(例えば、
図3に示されるタッチセンサ80に取り付けられるものとして)の間の関係が、
図3に例示的な概略形態で示されることもまた理解されるべきである。装置モジュール100cのための用途に依存して、これらの素子は、互いに関して異なる方向性を有してもよい。例えば、パネル60は、2つのガラス層によりパネル60内で電子装置102が挟まれる、LCDパネル又はOLEDディスプレイでもよく、又は、例えばガラス密封層により被包されるポリマー基板でもよい。
図2を参照。別の例において(
図3に示されるように)、電子装置102は、パネル60及びスタック接着剤10bの上に、スタック75c内のより高い垂直位置に配置され、センサ80に取り付けられる、タッチセンサの態様でもよい(例えば、酸化インジウムスズ、銀ナノワイヤーなどのような透明伝導体中の電気的トレースライン)。モジュール100cについての用途に依存して、ある電子装置102は、パネル60内又はその上に配置されてもよく、他の電子装置はタッチセンサ80に取り付けられてもよいことも想像できる。
【0079】
図3に示されるモジュール100cのいくつかの態様において、スタック素子75cは、約1GPa〜約5GPa、例えば、約1GPa〜約4.5GPa、約1GPa〜約4GPa、約1GPa〜約3.5GPa、約1GPa〜約3GPa、約1GPa〜約2.5GPa、約1GPa〜約2GPa、約1GPa〜約1.5GPa、約1.5GPa〜約4.5GPa、約1.5GPa〜約4GPa、約1.5GPa〜約3.5GPa、約1.5GPa〜約3GPa、約1.5GPa〜約2.5GPa、約1.5GPa〜約2GPa、約2GPa〜約4.5GPa、約2GPa〜約4GPa、約2GPa〜約3.5GPa、約2GPa〜約3GPa、約2GPa〜約2.5GPa、約2.5GPa〜約4.5GPa、約2.5GPa〜約4GPa、約2.5GPa〜約3.5GPa、約2.5GPa〜約3GPa、約3GPa〜約4.5GPa、約3GPa〜約4GPa、約3GPa〜約3.5GPa、約3.5GPa〜約4.5GPa、約3.5GPa〜約4GPa、及び約4GPa〜約4.5GPaのスタック素子弾性率を示す。
【0080】
図3に示される折り畳み式電子装置モジュール100cにおいて、スタック素子75cは、タッチセンサ80、偏光子70、及びタッチセンサ80を偏光子70に結合する接着剤10cを含む。通常、接着剤10cの組成及び厚さは、第1の接着剤10a及びスタック接着剤10bで使用されるものに類似する。接着剤10a及び10bが異なる材料特性及び/又は厚さを有する程度まで、接着剤10cは、第1の接着剤10a又はスタック接着剤10bの特性及び/又は厚さに一致するよう選択できる。
【0081】
さらに
図3を参照すると、折り畳み式モジュール100cの特定の態様は、モジュール100c内で使用される1つ以上の接着剤の剛性率を制御することによりモジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするように構成できる。より詳細には、比較的低い剛性率値(例えば、0.01MPa〜0.1MPa)を有する第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10cを使用することにより、第1の主面54がそれぞれ凹状又は凸状の形状を示すように上方又は下方にモジュール100c全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を予想外に減少することができる。比較的低い弾性剛性率値を有する第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10cを使用することによる折り畳み式モジュール100cの特定の態様に関連するこれらの曲げ力の減少は、0.1MPaを超える剛性率を有する1つ以上の接着剤(例えば、接着剤10a、10b及び10c)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100c)に関して得られる。さらに、折り畳み式モジュール100cの特定の態様は、第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10cの厚さを制御することによりモジュール全体を曲げることに関する曲げ力を最小限にするよう構成できる。より詳細には、ある範囲の厚さ12a(例えば、約10μm〜約40μm)を有する第1の接着剤10a、ある範囲の厚さ12b(例えば、約10μm〜約40μm)を有するスタック接着剤10b、及び/又はある範囲の厚さ12b(例えば、約10μm〜約40μm)を有する接着剤10cを使用することによって、第1の主面54がそれぞれ凹形状又は凸形状を示すように上方向又は下方向にモジュール100c全体を折り畳む又はそうでなければ曲げるのに必要な全体の曲げ力を低減できる。所定の厚さ範囲内の第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10cを使用することによる折り畳み式モジュール100cの特定の態様に関連するこれらの曲げ力の低減は、比較的小さい厚さ(例えば、10μm未満)又は比較的大きい厚さ(例えば、40μm超)を有する1つ以上の接着剤(例えば、第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10c)を有する折り畳み式モジュール(例えば、折り畳み式モジュール100c)に関して得られる。
【0082】
再び
図3を参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100cは、2つの試験プレート250間の距離(D)のおよそ半分である曲げ半径220に試験装置によってモジュールが内側に曲げられる際に、150ニュートン(N)以下の曲げ力(F
曲げ)により特徴付けることができる(
図4A及び4B参照)。特定の実施において、曲げ力は、約20mmから約3mm(すなわち、約40から約6mmのプレート距離(D))、例えば、20mm、19.75mm、19.5mm、19.25mm、19mm、18.5mm、17.5mm、17mm、16.5mm、16mm、15.5mm、15mm、14.5mm、14mm、13.5mm、及び13mm、12.5mm、12mm、11.5mm、11mm、10.5mm、10mm、9.5mm、9mm、8.5mm、7.5mm、7mm、6.5mm、6mm、5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3.25mm及び3mmの半径にモジュールを曲げる際に、約150N、140N、130N、120N、110N、100N、90N、80N、70N、60N、50N、40N、30N、20N、10N、5N、又はこれらの曲げ力の上限の間の任意の量以下である。すでに概略したように、これらの比較的低い曲げ力は、第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び/又は接着剤10cの機械的特性及び/又は厚さを調整することによって、折り畳み式電子装置モジュール100cにおいて得られる。
【0083】
また
図3に示されるように、3つの接着剤及び複数の層を含む折り畳み式電子装置モジュール100cは、折り畳み式モジュール100a及び100b(
図1及び2参照)により示されるものと類似する性能特性を示す。特に、カバー素子50の第2の主面56における引張応力レベルの低減は、第1の接着剤10aの材料特性(例えば、剛性率及び/又はポアソン比)及び/又は第1の接着剤10aの厚さ12a(
図2参照)を調整することにより達成される。概して、本開示は、モジュール内でカバー素子をスタックに決等する接着剤の材料特性及び/又は厚さを制御することによって特にそのカバー素子において、改良された機械的信頼性を有する折り畳み式電子装置モジュール100cを提供する。折り畳み式電子装置モジュール100cはまた、パネルをスタック素子75cに結合するスタック接着剤10bの材料特性及び/又は厚さを制御することによりパネル60の第1の主面64において低い引張応力を示す高い機械的信頼性を示す。
【0084】
図4A及び4Bを参照すると、折り畳み式電子装置モジュール100a−c(
図1−3参照)が、本開示の態様に従った2点試験装置200内で、それぞれ非屈曲及び屈曲構成で示される。折り畳み式電子装置モジュール100a−cと関連する特徴のいくつかは、明瞭性のために
図4A及び4Bに示されていないことが理解されるべきである。
【0085】
図4Aにおいて、モジュール100a−cは、2点試験装置200内の非屈曲構成で示される(試験装置200を示す
図4B参照)。2つの垂直プレート250が、一定の力F
曲げによる曲げ試験中にモジュールモジュール100a、100b又は100cに対して内側に押圧される。試験装置200に関連する取付具(図示せず)により、F
曲げ力がプレート250を介してモジュールに印加される間モジュールが上方向に曲げられることが確実にされる。
【0086】
図4Bを参照すると、プレート250は、特定の曲げ半径220が達成されるまで同時に動かされる。概して、曲げ半径220は、プレート250間の距離Dの約半分である。上記で概略されるように、折り畳み式電子装置モジュール100a−cは、第1の主面54が圧縮されるように(すなわち、点「C」において)、約20mmから約2mmの曲げ半径に2点装置200においてモジュールを曲げる際の張力で1000mPa以下(すなわち点「T」において)のカバー素子50の第2の主面56(
図1−3)における接線方向応力により特徴付けられる。
図4Bに示されるように、曲げ半径220は、カバー素子50の第1の主面54の上の中心点からパネル60の第2の主面66までで測定される。この中心点は、モジュール100a−cと関連する対称線210上に位置する。特定の実施において、カバー素子50の第2の主面56(
図1−3参照)において接線方向応力(引張)は、約1000MPa、950MPa、925MPa、900MPa、875MPa、850MPa、825MPa、800MPa、775MPa、750MPa、725MPa、700MPa以下、又はこれらの接線方向応力制限(引張)の間の任意の量である。さらに、本開示の他の実施において、モジュール100a、100b及び100cは、プレート250を用いて試験装置220によりモジュールが内側に曲げられる際に(
図4A及び4B参照)150ニュートン(N)以下の曲げ力(F
曲げ)により特徴付けられてもよい。特定の実施において、曲げ力は、約20mmから約2mmの曲げ半径(すなわち、約40から6mmのプレート距離(D))にモジュールを曲げる際に、約150N、140N、130N、120N、110N、100N、90N、80N、70N、60N、50N、40N、30N、20N、10N、5N以下、又はこれらの曲げ力の上限の間の任意の量である。
【0087】
折り畳み式モジュール100a、100b及び100cに構成が類似する折り畳み式モジュールの入念な調査及び解析により、モジュール内で使用される接着剤の材料特性及び/又は厚さを制御することの重要性の理解が進んだ。これらの調査には、カバー素子に対応する1つの層及びスタックに対応する他の層を有する(例えば、パネル、電子装置及び他の部品を含むことが想定される)、従来の複合ビームの理論及び状況に基づく単純な2層モデルの開発が含まれる。さらに、より高度な非線状の有限要素解析(「FEA」)が、本開示の態様に寄与した。特に、FEAモデルを用いて、カバー素子の凝集破壊、層間剥離効果、及び折り畳み式モジュール内の潜在的な座屈の問題を生じうる応力を同時に評価した。
【0088】
これらの非線状FEAモデルの結果には、
図5A、5B及び6に示されるプロットが含まれる。これらの図面の各々には、本開示に含まれるモジュール、例えばモジュール100a−cと設計が類似する折り畳み式電子装置モジュールの厚さに亘る深さ(mm)の関数としての推定接線方向応力(MPa)のプロットが含まれる。折り畳み式電子装置モジュールは、FEAモデル内で3mmの曲げ半径(例えば、
図4Bに示されるように曲げ半径220)とされる。以下の表1は、FEAモデル中で使用される素子の一覧を提供し、それぞれについての想定される材料特性が含まれる。さらに、FEAモデルは、以下の追加の条件で行われた:(a)モジュール全体は非線状の幾何学的反応を有すると想定された;(b)接着剤は、非圧縮性の超弾性材料であると想定された;(c)モデル中のカバー素子及び他の接着剤でない特徴は、弾性材料特性を有すると想定された;及び(d)曲げは、室温で行われた。
【0090】
図5Aを参照すると、3つの折り畳み式電子装置モジュールの厚さに亘る深さの関数としての推定接線方向応力のプロットが提供される。このプロットにおいて、3つの屈曲性モジュールの各々は、カバー素子をスタックに、かつスタックをパネルに、それぞれ10kPa、100kPa及び1000kPaの異なる剛性率で結合するよう構成された、接着剤(例えば、
図3に示される屈曲性モジュール100cで使用される第1の接着剤10a及びスタック接着剤10bに類似する)を含む。特に、所定のモジュールで使用される接着剤は、10kPa、100kPa又は1000kPaの同じ剛性率を有すると想定された。プロットから明らかなように、カバー素子と第1の接着剤との間の境界面で(例えば、カバー素子50の第2の主面56で)観察される接線方向応力は、モジュール中に含まれる接着剤の剛性率が10kPaから1000kPaに増加すると約400MPa(引張)減少する。すなわち、
図5Aは、所定の電子装置モジュール内の全ての接着剤の剛性率を増加させることにより、カバー素子の第2の主面における引張応力を有利に減少できることを示す。
【0091】
また
図5Aを参照すると、パネルとパネルをスタック素子に結合する接着剤(例えば、
図3に示される折り畳み式モジュール100cで使用されるスタック接着剤10b)との間の境界面で観察される引張応力は、モジュール中に含まれる接着剤の剛性率が1000kPaから10kPaに減少すると約200MPa減少する。すなわち、
図5Aは、所定の屈曲性電子装置モジュール内の全ての接着剤の剛性率を減少させることにより、装置モジュール中で使用されるパネルの第1の主面における引張応力を有利に減少できることを示す。
【0092】
図5Bを参照すると、2つの折り畳み式電子装置モジュールの厚さに亘る深さの関数としての推定接線方向応力のプロットが提供される。このプロットにおいて、屈曲性モジュールの各々は、10kPaの剛性率で、カバー素子をスタックに結合しかつスタックをパネルに結合するよう構成された接着剤(例えば、
図3に示される屈曲性モジュール100cで使用される第1の接着剤10a及びスタック接着剤10b)を含む。モジュールの1つにおいて、モジュールで使用される接着剤の各々の厚さは、10μmに設定された。他のモジュールにおいて、モジュールで使用される接着剤の各々の厚さは、36μmに設定された。プロットから明らかなように、カバー素子と第1の接着剤との間の境界面で(例えば、カバー素子50の第2の主面56で)観察される引張応力は、モジュール中に含まれる接着剤の厚さが36μmから10μmに減少すると約80MPa減少する。すなわち、
図5Bは、所定の電子装置モジュール内の全ての接着剤の厚さを減少させることにより、カバー素子の第2の主面における引張応力を有利に減少できることを示す。
【0093】
図6を参照すると、3つの折り畳み式電子装置モジュールの厚さに亘る深さの関数としての推定接線方向応力のプロットが提供される。このプロットにおいて、「ケース(1)」は、その接着剤の全てが10kPaの剛性率を示し36μmの厚さを有する屈曲性モジュールに対応する。「ケース(2)」は、カバー素子に隣接する接着剤の剛性率が1000kPaに増加されたことを除いて、ケース(1)と同じ構成を有する屈曲性モジュールに対応する。「ケース(3)」は、カバー素子に隣接する接着剤の厚さが12μmに減少されたことを除いて、ケース(1)と同じ構成を有する屈曲性モジュールに対応する。プロットから明らかなように、カバー素子と第1の接着剤との間の境界面で(例えば、カバー素子50の第2の主面56で)観察される引張応力は、10kPaから1000kPaまで(すなわち、ケース(1)からケース(2)まで)のカバー素子に隣接する第1の接着剤の剛性率の増加に伴い、約240MPa減少する。さらに、引張応力における別の48MPaの減少が、36μmから12μmまで(すなわち、ケース(2)からケース(3)まで)のカバー素子に隣接する第1の接着剤の厚さの減少に伴い、観察される。すなわち、
図6は、所定の屈曲性電子装置モジュール内でカバー素子をスタックに結合する接着剤の厚さを減少させ剛性率を増加させることにより、カバー素子の第2の主面における引張応力を有利に減少できる、ということを示す。
【0094】
図7を参照すると、接着剤厚さ(μm)の関数としての推定曲げ力(N)の概略プロットが、モジュール100cに類似する配置で構成される3つの折り畳み式電子装置モジュールについて提供される。より詳細には、3つのモジュールの各々は、3つの接着剤(例えば、第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び接着剤10c)により構成される。さらに、モジュールの各々における3つの接着剤は全て、単一の別個の剛性率を有する;したがって、第1のモジュール中の接着剤は、「E
PSA1」の剛性率を有し、第2のモジュール中の接着剤は、「E
PSA2」の剛性率を有し、第3のモジュール中の接着剤は、「E
PSA3」の剛性率を有する。
図7に示されるように、E
PSA1>E
PSA2>E
PSA3である。これらの折り畳み式電子装置モジュールで使用される接着剤の剛性率の減少により、これらのモジュールを折り畳む又はそうでなければ曲げる(例えば、
図4A及び4Bに示される2点試験構成におけるように)のに必要な曲げ力が著しく減少されることが
図7から明らかである。曲げ力(N)における最適な減少は、所定範囲、すなわち、「t
PSA1」と「t
PSA2」との間の厚さについてこれらの電子装置モジュールについて起こることもまた
図7から明らかである。電子装置モジュールのいくつかの態様は、
図7に示されるようにそれぞれt
PSA1及びt
PSA2に対応する、約10μmから約30μmの厚さ範囲で最低の曲げ力を示す。
【0095】
図8Aを参照すると、2点試験装置において、プレート距離D(mm)の関数として推定曲げ力F
曲げ(N)のプロットが、
図5Aに示される折り畳み式電子装置モジュールについて提供される。すなわち、
図8Aに示される3つの屈曲性モジュールの各々は、カバー素子をスタックに、かつスタックをパネルに、それぞれ10kPa、100kPa及び1000kPaの異なる剛性率で結合するよう構成された、接着剤(例えば、
図3に示される屈曲性モジュール100cで使用される第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び接着剤10cに類似する)を含む。特に、所定のモジュールで使用される接着剤はそれぞれ、10kPa、100kPa又は1000kPaの同じ剛性率を有すると想定された。
図8Aに示されるように、プレート距離の関数としてのモジュールについての曲げ力は、モジュール内で使用される接着剤の剛性率に感受性である。例えば、6mmのプレート距離(すなわち、約3mmの曲げ半径)において、1000kPaの剛性率を示す接着剤を有する装置モジュールは約140Nの曲げ力を受け、10kPaの剛性率を示す接着剤を有する装置モジュールは約30Nの曲げ力を受けた。したがって、折り畳み式電子装置モジュールは、比較的低い剛性率を有する接着剤を使用することにより曲げ力を減少するよう最適化できる。しかしながら、
図5Aに関して上記で概略されたように、モジュール内の接着剤の剛性率を増加することにより得られる、カバー素子と第1の接着剤との間の接線方向応力の減少を考慮して、モジュールのための用途に依存して、接着剤の剛性率を制御することにより曲げ力の任意の減少を、補正又はそうでなければ最適化できる。
【0096】
図8Bを参照すると、
図5Bに示される2つの折り畳み式電子装置モジュールについて、2点試験装置においてプレート距離(D)の関数としての推定曲げ力F
曲げのプロットが提供される。すなわち、屈曲性モジュールの各々は、10kPaの剛性率で、カバー素子をスタックにかつスタックをパネルに結合するよう構成される、接着剤(例えば、
図3に示される屈曲性モジュール100cで使用される第1の接着剤10a、スタック接着剤10b及び接着剤10c)を含有する。モジュールの1つにおいて、モジュール中で使用される接着剤の各々の厚さは、10μmに設定された。他のモジュールにおいて、モジュール中で使用される接着剤の各々の厚さは、36μmに設定された。
図8Bに示されるように、プレート距離の関数としてのモジュールについての曲げ力は、厚さが約10μm〜約36μmの場合にモジュール内で使用される接着剤の厚さに著しく感受性ではない。例えば、6mmのプレート距離(すなわち、約3mmの曲げ半径)において、いずれの装置モジュールも、約35N〜約40Nのほぼ同じ曲げ力を受けた。それにもかかわらず、さらに36μmより大きく10μmより小さい接着剤の厚さにより、モジュールにより受ける曲げ力の量が増加することもまた
図7から明らかである。
【0097】
図8Cを参照すると、
図6に示された3つの折り畳み式電子装置モジュールについての2点試験装置において、プレート距離D(mm)の関数としての推定曲げ力F
曲げのプロットが提供される。すでに記載されたように、「ケース(1)」は、その接着剤の全てが10kPaの剛性率を示し36μmの厚さを有する屈曲性モジュールに対応する。「ケース(2)」は、カバー素子に隣接する接着剤の剛性率が1000kPaに増加されたことを除いて、ケース(1)と同じ構成を有する屈曲性モジュールに対応する。したがって、ケース(2)において、カバー素子に隣接しないモジュール中の他の接着剤の剛性率値は、10kPaに設定される。「ケース(3)」は、カバー素子に隣接する接着剤の厚さが12μmに減少されたことを除いて、ケース(2)と同じ構成を有する屈曲性モジュールに対応する。すなわち、ケース(3)において、カバー素子に隣接しないモジュール中の他の接着剤の厚さは、36μmに設定され、カバー素子に隣接する接着剤は、1000kPaの剛性率及び12μmの厚さを有した。
【0098】
図8Cに示されるように、6mmのプレート距離についての曲げ力は、ケース(1)について少なくとも約40Nであり、これは、全ての接着剤が36μmの厚さ及び10kPaの剛性率を有する電子モジュールに対応する。しかしながら、ケース(3)の条件について、接着剤の厚さ及び剛性率をそれぞれ12μm及び1000kPaに調整することにより(すなわち、モジュール中の他の接着剤の剛性率又は厚さを変化させずに)、約40Nの曲げ力においてわずかな増加がみられる。曲げ力における40Nのわずかな増加を有するケース(3)条件は、
図8Aに示されるようにモジュール中で全ての接着剤の剛性率を増加することから生じる曲げ力における約110Nの増加と対照をなして存在する。さらに、
図6において既に示されたように、ケース(3)条件は、ガラスカバー素子と第1の接着剤との間の接線方向応力において288MPaの減少を提供する際に特に有利である。したがって、第1の接着剤、すなわちガラスカバー素子に隣接する接着剤の剛性率を増加しかつ厚さを減少することにより、曲げ力をわずかに増加するだけで、接線方向応力の著しい減少が実現できる。
【0099】
有利には、本開示における折り畳み式電子装置モジュールは、高い機械的信頼性及び貫入抵抗のために構成される。特に、これらの折り畳み式モジュールは、モジュールで使用される接着剤の材料特性及び/又は厚さを制御することによりカバー素子及び/又はパネルの主面において減少した接線方向応力(引張)を示す。これらのより低い引張応力は、より良好な信頼性及び/又はより小さい曲げ半径性能に変わる。さらに、これらのより低い引張応力は、これらの折り畳み式モジュールを用いる電子装置のための改良された設計余裕を提供できる。本開示の態様に関連する折り畳み式モジュール中の引張応力の減少に鑑み、カバー素子中に高い残留応力を生じる圧縮応力領域及び/又は他の強度増強対策の必要性が低減できる。したがって、カバー素子と関連する圧縮応力領域関連処理費用を、本開示の上記の概念を考慮して低減できる。さらに、引張応力の低減の観点からこれらの屈曲性モジュール中の第1の接着剤の厚さを減少する有益な効果は、モジュールの厚さにおける全体的な減少をさらに提供できる。そのようなモジュール厚さの減少は、低いプロファイルを有するこれらのモジュールについて多くの最終製品用途について有利でありうる。
【0100】
また有利には、本開示における折り畳み式電子装置モジュールは、モジュールを曲げる又はそうでなければ折り畳むためにユーザの必要な曲げ力を最小限にするよう構成できる。特に、これらのモジュールが受ける曲げ力は、モジュール中で使用される接着剤の剛性率を減少する及び/又は厚さを最適化することにより、低減できる。さらに、特定の例示的な折り畳み式電子装置モジュールは、ガラスカバー素子において比較的高い剛性率の接着剤及びモジュール内の他の位置で比較的低い剛性率の接着剤を使用することにより、機械的信頼性、貫入抵抗及び曲げ力の減少のために最適化できる。
【0101】
請求項の原理及び範囲を逸脱せずに本開示の折り畳み式電子装置モジュールにさまざまの修正及び変更を行うことができることが、当業者に明らかであろう。
【0102】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0103】
実施形態1
約25μm〜約200μmの厚さ及び約20GPa〜約140GPaのカバー素子弾性率を有するカバー素子、
約100μm〜約600μmの厚さを有するスタック、及び
前記スタックを前記カバー素子の第2の主面に結合するよう構成される第1の接着剤
を含む折り畳み式電子装置モジュールであって、
前記カバー素子がさらに、
(a)ガラス組成を有する部品、
(b)第1の主面、及び
(c)第2の主面
を含み、
前記スタックがさらに、
(a)第1及び第2の主面、並びに、約300MPa〜約10GPaのパネル弾性率を有するパネル、及び
(b)前記パネルに取り付けられた電子装置
を含み、
前記第1の接着剤が、約0.1MPa〜約100MPaの剛性率により特徴付けられ、
前記装置モジュールが、約20mmから約2mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際の引張で約1000MPa以下の前記カバー素子の前記第2の主面における接線方向応力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、
ことを特徴とする折り畳み式電子装置モジュール。
【0104】
実施形態2
約25μm〜約200μmの厚さ及び約20GPa〜約140GPaのカバー素子弾性率を有するカバー素子、
約100μm〜約600μmの厚さを有するスタック、及び
スタック素子を前記カバー素子の第2の主面に結合するよう構成される第1の接着剤
を含む折り畳み式電子装置モジュールであって、
前記カバー素子がさらに、
(a)ガラス組成を有する部品、
(b)第1の主面、及び
(c)第2の主面
を含み、
前記スタックがさらに、
(a)第1及び第2の主面、並びに、約300MPa〜約10GPaのパネル弾性率を有するパネル、
(b)前記パネルに取り付けられた電子装置、及び
(c)スタック接着剤により前記パネルに貼られた、約1GPa〜約5GPaのスタック素子弾性率を有するスタック素子
を含み、
前記第1の接着剤が、約1MPa〜約1GPaの剛性率により特徴付けられ、
前記装置モジュールが、約20mmから約2mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際の引張で約1000MPa以下の前記カバー素子の前記第2の主面における接線方向応力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、
ことを特徴とする折り畳み式電子装置モジュール。
【0105】
実施形態3
前記カバー素子の前記第2の主面における前記接線方向応力が、引張で約800MPa以下である、実施形態1又は2に記載のモジュール。
【0106】
実施形態4
前記カバー素子の前記第2の主面における前記接線方向応力が、引張で約700MPa以下である、実施形態1又は2に記載のモジュール。
【0107】
実施形態5
前記カバー素子がさらに、少なくとも200,000の曲げサイクルについて非屈曲構成から前記曲げ半径に、2点構成において、前記モジュールを曲げる際に凝集破壊が生じないことにより特徴付けられる、実施形態1〜4のいずれかに記載のモジュール。
【0108】
実施形態6
前記カバー素子が、約50GPa〜約100GPaのカバー素子弾性率を有するガラス素子である、実施形態1〜5のいずれかに記載のモジュール。
【0109】
実施形態7
前記第1の接着剤が、約1MPa〜約100MPaの剛性率により特徴付けられる、実施形態1〜6のいずれかに記載のモジュール。
【0110】
実施形態8
前記第1の接着剤が、約5μm〜約60μmの厚さにより特徴付けられる、実施形態1〜7のいずれかに記載のモジュール。
【0111】
実施形態9
前記第1の接着剤が、約10μm〜約36μmの厚さにより特徴付けられる、実施形態1〜8のいずれかに記載のモジュール。
【0112】
実施形態10
前記第1の接着剤が、約1MPa〜約100MPaの剛性率及び約10μm〜約20μmの厚さにより特徴付けられる、実施形態1〜8のいずれかに記載のモジュール。
【0113】
実施形態11
前記第1の接着剤がさらに、約0.1〜約0.25のポアソン比により特徴付けられる、実施形態1〜10のいずれかに記載のモジュール。
【0114】
実施形態12
前記カバー素子が、該カバー素子の前記第1の主面が1.5mmの直径を有する炭化タングステン球によって負荷を受ける際の少なくとも1.5kgf(14.7N)の貫入抵抗によって特徴付けられる、実施形態1〜11のいずれかに記載のモジュール。
【0115】
実施形態13
前記スタック接着剤が、約10kPa〜約100kPaの剛性率によって特徴付けられる、実施形態2に記載のモジュール。
【0116】
実施形態14
前記スタック接着剤が、約5μm〜約60μmの厚さにより特徴付けられる、実施形態2又は13に記載のモジュール。
【0117】
実施形態15
前記スタック接着剤が、約30μm〜約60μmの厚さにより特徴付けられる、実施形態2に記載のモジュール。
【0118】
実施形態16
前記スタック接着剤が、約0.4〜約0.5のポアソン比により特徴付けられる、実施形態2、又は13−15のいずれかに記載のモジュール。
【0119】
実施形態17
前記スタック素子が、タッチセンサ及び偏光子を含む、実施形態2、又は13−16のいずれかに記載のモジュール。
【0120】
実施形態18
前記スタック素子が、タッチセンサ、偏光子、及び前記タッチセンサを前記偏光子へ取り付けるよう構成された中間接着剤を含む、実施形態2、又は13−16のいずれかに記載のモジュール。
【0121】
実施形態19
前記装置モジュールがさらに、約20mmから約3mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際のわずか約150Nの曲げ力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、実施形態1又は2に記載のモジュール。
【0122】
実施形態20
前記装置モジュールがさらに、約20mmから約3mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際のわずか約80Nの曲げ力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、実施形態1又は2に記載のモジュール。
【0123】
実施形態21
約25μm〜約200μmの厚さ及び約20GPa〜約140GPaのカバー素子弾性率を有するカバー素子、
約100μm〜約600μmの厚さを有するスタック、及び
前記スタックを前記カバー素子の第2の主面に結合するよう構成される第1の接着剤
を含む折り畳み式電子装置モジュールであって、
前記カバー素子がさらに、
(a)ガラス組成を有する部品、
(b)第1の主面、及び
(c)第2の主面
を含み、
前記スタックがさらに、
(a)第1及び第2の主面、並びに、約300MPa〜約10GPaのパネル弾性率を有するパネル、及び
(b)前記パネルに取り付けられた電子装置
を含み、
前記第1の接着剤が、約0.01MPa〜約1MPaの剛性率により特徴付けられ、
前記装置モジュールがさらに、約20mmから約3mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際のわずか約150Nの曲げ力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、
ことを特徴とする折り畳み式電子装置モジュール。
【0124】
実施形態22
前記装置モジュールがさらに、約20mmから約3mmの曲げ半径に前記モジュールを2点構成で曲げる際のわずか約80Nの曲げ力により特徴付けられ、前記第1の主面が圧縮下にあり、前記曲げ半径が、前記カバー素子の前記第1の主面の上の中心点から前記パネルの前記第2の主面までで測定される、実施形態21に記載のモジュール。