(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キーボード入力又はバーコード読み取りにより物品の使用実績をコンピュータに入力する方法では、物品の使用現場でのユーザ負担が大きい。このため、少ないユーザ負担で物品の使用実績を管理する技術が望まれている。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、少ないユーザ負担で物品の使用実績を管理する読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る読取システムは、
物品を識別するための物品識別情報を記憶する物品識別用タグが付されたカードを投入するための投入孔が設けられた箱と、
前記カードが前記箱に投入されたときに、前記物品識別用タグから放射された電波を受信するアンテナと、
前記アンテナを介して前記物品識別用タグから前記物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を受信装置に送信する送信手段と、を備える。
【0008】
前記箱に取り付けられ、前記読取手段による読取動作の確認のために読み取られる動作確認用情報を記憶する動作確認用タグを更に備え、
前記アンテナは、前記動作確認用タグから放射された電波を更に受信し、
前記読取手段は、前記アンテナを介して前記動作確認用タグから前記動作確認用情報を更に読み取り、
前記送信手段は、前記読取手段が前記動作確認用情報を読み取らない場合、前記読取手段による読取動作が異常であることを報知する異常報知情報を前記受信装置に送信してもよい。
【0009】
前記送信手段は、前記箱に投入された前記カードの枚数が予め定められた枚数に達した場合、前記カードの回収を指示する回収指示情報を前記受信装置に送信してもよい。
【0010】
前記送信手段は、前記アンテナが前記物品識別用タグから受信した電波の強度が予め定められた強度以上である場合、前記物品識別情報を前記受信装置に送信してもよい。
【0011】
前記送信手段は、前記読取手段が同一の物品識別情報を予め定められた時間内に複数回読み取った場合、前記同一の物品識別情報を前記受信装置に送信してもよい。
【0012】
前記送信手段は、前記送信手段が前記物品識別情報を前記受信装置に送信してから予め定められた時間が経過するまでは、前記送信した物品識別情報を前記受信装置に送信しなくてもよい。
【0013】
前記送信手段は、前記読取手段が読み取った前記物品識別情報に加え、前記読取手段を識別するための装置識別情報を前記受信装置に更に送信してもよい。
【0014】
前記送信手段は、前記読取手段が読み取った前記物品識別情報に加え、前記読取手段が前記物品識別情報を読み取った時刻を識別するための時刻識別情報を前記受信装置に更に送信してもよい。
【0015】
前記投入孔は、前記箱の天板に設けられたスリットであり、
前記箱の天板の内面における前記スリットと平面視で重なる位置に、前記カードが前記スリットを通過するときに前記カードの動きを制限する制限部材を更に備えてもよい。
【0016】
前記制限部材は、前記スリットである第1スリットと平面視で重なる位置に第2スリットが設けられたシート状の部材であり、
前記第2スリットの幅は、前記第1スリットの幅よりも狭くてもよい。
【0017】
前記スリットの長さは、前記カードの長さよりも短く、前記カードの幅よりも長くてもよい。
【0018】
前記物品識別用タグが備える第2アンテナが放射する電波は、電界の振動方向が前記カードの長手方向である直線偏波であり、
前記アンテナである第1アンテナは、前記第2アンテナが放射した直線偏波である垂直偏波を受信してもよい。
【0019】
前記物品識別用タグが備える第2アンテナが放射する電波は、電界の振動方向が前記カードの幅方向である直線偏波であり、
前記アンテナである第1アンテナは、前記第2アンテナが放射した直線偏波である水平偏波を受信してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、少ないユーザ負担で物品の使用実績を管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
【0023】
(実施形態1)
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る読取システム1000の構成について説明する。読取システム1000は、少ないユーザ負担で物品400の使用実績を管理するために、物品400に対応する管理カード60に付された無線タグ70からタグ情報を読み取るシステムである。タグ情報は、例えば、数値やアルファベットにより構成される文字列を示す情報である。
図1に示すように、読取システム1000は、制御装置10と、読取装置100と、収納箱120とを備える。
【0024】
制御装置10は、読取システム1000の全体の動作を制御する装置である。制御装置10は、読取装置100によるタグ情報の読み取りを制御する。具体的には、制御装置10は、通信ケーブル50を介して読取装置100と接続され、タグ情報の読み取りを読取装置100に指示し、読み出されたタグ情報を読取装置100から受信する。また、制御装置10は、通信ネットワーク300を介して、タグ情報を端末装置200に送信する。通信ケーブル50は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルである。制御装置10は、例えば、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの端末装置である。
【0025】
図2を参照して、制御装置10の構成について説明する。
図2に示すように、制御装置10は、プロセッサ11と、フラッシュメモリ12と、タッチスクリーン13と、第1通信インターフェース14と、第2通信インターフェース15とを備える。プロセッサ11は、制御装置10の全体の動作を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)を備える。
【0026】
フラッシュメモリ12は、各種の情報を記憶する。タッチスクリーン13は、ユーザインターフェースであり、各種の情報をユーザから受け付け、また、各種の情報をユーザに提示する。第1通信インターフェース14は、プロセッサ11による制御のもと、通信ケーブル50を介して読取装置100と通信する。第2通信インターフェース15は、プロセッサ11による制御のもと、通信ネットワーク300を介して端末装置200と通信する。制御装置10は、本発明における送信手段の一例である。
【0027】
端末装置200は、通信ネットワーク300を介して、制御装置10から情報を受信し、各種の処理を実行する装置である。例えば、端末装置200は、制御装置10から受信した情報をユーザに提示する処理と、ユーザによる指示に従って物品400を発注する処理とを実行する。端末装置200は、制御装置10から受信した情報に基づいて、物品400を発注する処理を自動で実行してもよい。端末装置200は、例えば、プロセッサと、フラッシュメモリと、タッチスクリーンと、通信インターフェースとを備えるコンピュータである。通信ネットワーク300は、制御装置10と端末装置200とを通信可能に接続する。通信ネットワーク300は、LAN(Local Area Network)でもよいし、WAN(Wide Area Network)でもよい。端末装置200は、本発明における受信装置の一例である。
【0028】
物品400は、管理対象の物品であり、使用実績が管理される物品である。使用実績は、例えば、どの場所でいつ使用されたのかにより表される。本実施形態では、物品400は、医療現場における医療品である。医療品としては、例えば、カテーテルなどが考えられる。本実施形態では、物品400には、この物品400を管理するための管理カード60が貼付されている。あるいは、管理カード60は、物品400を収納するケースに貼付されていてもよい。管理カード60は、物品400が使用されるときに物品400又はケースから取り外されて、読取装置100に投入される。
【0029】
図3に示すように、管理カード60は、無線タグ70を備えるカード状の部材である。管理カード60の形状はカード状であり、管理カード60の幅方向の長さ(以下、適宜、「幅」という。)は、管理カード60の長手方向の長さ(以下、適宜、「長さ」という。)よりも短く、管理カード60の厚さ方向の長さ(以下、適宜、「厚さ」という。)よりも十分に長いものとする。
図3では、管理カード60の長さをL1で示し、管理カード60の幅をW1で示している。
【0030】
本実施形態では、鉛直方向上向きに延びる軸をZ軸、Z軸と直交する軸をX軸、Z軸とX軸とに直交する軸をY軸とする。
図3には、管理カード60が読取装置100に投入されるときに、管理カード60の長手方向がZ軸と平行であり、管理カード60の厚さ方向がX軸と直交することを示している。
【0031】
無線タグ70は、管理カード60が貼付された物品400を識別するためのタグ情報である物品識別情報を記憶するパッシブタグである。パッシブタグは、電力を供給するための電波(以下、適宜「電力供給用電波」という。)を受信したことに応答して、電力供給用電波を動力源として、タグ情報を含む電波(以下、適宜「タグ情報包含電波」という。)を放射する無線タグである。パッシブタグは、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおける無線IC(Integrated Circuit)タグのうち、電池を内蔵しないタグである。無線タグ70は、本発明における物品識別用タグの一例である。
【0032】
無線タグ70は、基材71と、給電点72と、ダイポールアンテナ73と、ICチップ76とを備える。基材71は、ダイポールアンテナ73やICチップ76を支持するシート状の部材である。基材71は、例えば、透明な絶縁体により構成される。給電点72は、電力供給用電波に対応する交流信号をダイポールアンテナ73からICチップ76に供給し、タグ情報包含電波に対応する交流信号をICチップ76からダイポールアンテナ73に供給するための端子対である。
【0033】
ダイポールアンテナ73は、2つの導体、つまり、2つのエレメントが、左右対称に設けられた線状アンテナである。ダイポールアンテナ73は、給電点72を中心にして互いに反対方向に延びる、エレメント74とエレメント75とを備える。エレメント74は、無線タグ70の幅方向に蛇行しながら、無線タグ70の長手方向に延びた形状であり、無線タグ70の厚さ方向における長さが短い形状である。エレメント74は、エレメント75と同様の形状である。エレメント74とエレメント75とは、給電点72を中心にして、左右対称に配置される。
【0034】
ダイポールアンテナ73は、電力供給用電波を受信するときに、エレメント74とエレメント75との間に発生する電位差により生じた電流を、給電点72を介してICチップ76に供給する。また、ダイポールアンテナ73は、タグ情報包含電波を放射するときに、給電点72を介してICチップ76から供給された電流に従って、エレメント74とエレメント75との間に電位差を発生させる。ICチップ76は、電力供給用電波から電力を得る機能、タグ情報を記憶する機能、タグ情報包含電波を放射する機能などを有する。
【0035】
無線タグ70の長手方向におけるエレメント74の長さと、無線タグ70の長手方向におけるエレメント75の長さとは、それぞれ、放射及び受信する電波の波長の約1/4である。つまり、無線タグ70の長手方向におけるダイポールアンテナ73の長さは、放射及び受信する電波の波長の約1/2である。
【0036】
本実施形態では、後述するアンテナ30が放射する電力供給用電波とアンテナ30が受信するタグ情報包含電波とが垂直偏波となるように、アンテナ30が配置される。また、本実施形態では、読取装置100に投入された管理カード60の向きは、管理カード60の長手方向がZ軸と平行になるように制限される。従って、無線タグ70は、垂直偏波を受信及び放射可能となるように、管理カード60の長手方向と無線タグ70の長手方向とが一致する向きで管理カード60に固定される。なお、無線タグ70の長手方向は、ダイポールアンテナ73が延びる方向であり、無線タグ70が受信及び放射可能な電波の偏波方向である。なお、垂直偏波は、電界の振動方向がZ軸方向である直線偏波である。ダイポールアンテナ73は、本発明における第2アンテナの一例である。
【0037】
無線タグ70を管理カード60に取り付ける方法は、適宜、調整することができる。例えば、無線タグ70を両面テープにより管理カード60の表面に貼付してもよい。或いは、管理カード60を構成する2つのシート状の部材で無線タグ70を挟み込んでもよい。
【0038】
ユーザは、物品400を使用するときに、この物品400に貼付されている管理カード60を物品400から取り外し、読取装置100を介して収納箱120に投入する。一方、読取装置100は、読取装置100に投入された管理カード60に付された無線タグ70から物品識別情報を読み取り、読み取った物品管理情報を端末装置200に送信する。このため、端末装置200のユーザは、物品400が使用されたことを知ることができ、物品400の補充、発注等をすることができる。
【0039】
図1には、制御装置10と読取装置100と収納箱120とが1つだけ示されているが、これらは、例えば、物品400の使用場所毎に用意される。物品400の使用場所は、例えば、病室である。また、
図1には、管理カード60と物品400とが1つだけ示されているが、これらは、基本的に、各使用場所に複数あってもよいことは勿論である。なお、端末装置200のユーザは、各使用場所に配置された制御装置10から受信した物品識別情報から、どの使用場所でどの物品400が何個使用されたのかを速やかに知ることができる。
【0040】
従って、読取システム1000によれば、物品400のユーザが物品400を使用する際に物品400に付された管理カード60を読取装置100に投入するだけで、物品400が使用されたことを端末装置200のユーザに知らせることができる。なお、管理カード60が読取装置100に投入されるタイミングは適宜調整することができる。例えば、管理カード60は、物品400の使用直前に読取装置100に投入されてもよいし、物品400の使用直後に読取装置100に投入されてもよい。管理カード60は、本発明におけるカードの一例である。
【0041】
次に、
図4を参照して、読取装置100の構成について説明する。
図4において、目視可能な部分を実線で示し、他の部分に隠れて目視可能でない部分を破線で示している。読取装置100は、管理カード60に付された無線タグ70から物品識別情報を読み取る装置である。読取装置100は、リーダライタ20と、アンテナ30と、通信ケーブル40と、無線タグ80と、投入箱110とを備える。
【0042】
リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、パッシブタグからタグ情報を読み取る。具体的には、リーダライタ20は、パッシブタグである無線タグ70から物品識別情報を読み取り、パッシブタグである無線タグ80から動作確認用情報を読み取る。以下、物品識別情報と動作確認用情報とを、適宜、タグ情報という。
【0043】
なお、リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、パッシブタグにタグ情報を書き込むことができるが、タグ情報の書き込みについては説明を省略する。リーダライタ20は、通信ケーブル50を介して制御装置10と接続される。また、リーダライタ20は、通信ケーブル40を介してアンテナ30と接続される。通信ケーブル40は、例えば、高周波信号を伝送するための同軸ケーブルである。
【0044】
リーダライタ20は、制御装置10からタグ情報の読み取りを指示する情報を受信した場合、電力供給用電波に応じた高周波信号を、アンテナ30に送信する。また、リーダライタ20は、タグ情報包含電波に応じた高周波信号をアンテナ30から受信した場合、受信した高周波信号により示されるタグ情報を制御装置10に送信する。本実施形態では、リーダライタ20は、UHF(Ultra High Frequency)帯の周波数、つまり、300MHzから3GHzの間の周波数(例えば、920MHz)の電波を用いた電波方式により、パッシブタグからタグ情報を読み取るものとする。
【0045】
リーダライタ20は、リーダライタ20の全体の動作を制御するプロセッサと、通信ケーブル50を介して制御装置10と接続される装置側通信インターフェースと、通信ケーブル40を介してアンテナ30と接続されるアンテナ側通信インターフェースと、電波の送受信に関わる各種の電気回路とを備える。プロセッサは、例えば、CPU、ROM、RAM、RTCを備える。電気回路は、例えば、変調回路、復調回路、発振回路、電源回路を備える。リーダライタ20は、本発明における読取手段の一例である。
【0046】
アンテナ30は、リーダライタ20による制御のもと、タグ情報を含む電波を受信するアンテナである。具体的には、アンテナ30は、通信ケーブル40を介してリーダライタ20から供給された高周波信号に応じた電力供給用電波を放射する。また、アンテナ30は、電力供給用電波を受信したことに応じてパッシブタグが放射したタグ情報包含電波を受信する。アンテナ30は、タグ情報包含電波に応じた高周波信号を、通信ケーブル40を介してリーダライタ20に送信する。
【0047】
本実施形態では、アンテナ30の形状はカード状であり、アンテナ30の幅は、アンテナ30の長さよりも短く、アンテナ30の厚さよりも十分に長いものとする。アンテナ30の長手方向はZ軸と平行であり、アンテナ30の幅方向はY軸と平行であり、アンテナ30の厚さ方向はX軸と平行である。
【0048】
ここで、上述したように、読取装置100に投入された管理カード60の向きは、管理カード60に付された無線タグ70が、垂直偏波である電力供給用電波を受信し、垂直偏波であるタグ情報包含電波を放射するように制限される。このため、アンテナ30は、垂直偏波を送受信可能なように、投入箱110の内部に固定される。具体的には、アンテナ30は、垂直偏波である電力供給用電波をX軸の正の方向に向けて放射し、垂直偏波であってX軸の負の方向に向かうタグ情報包含電波を受信するように配置される。アンテナ30は、本発明におけるアンテナ及び第1アンテナの一例である。
【0049】
無線タグ80は、読取装置100がタグ情報を読み取り可能な状態であるか否かを判別するために読取装置100に取り付けられるパッシブタグである。無線タグ80は、無線タグ80が記憶する動作確認用情報が、読取装置100により常時読み取り可能となるように配置される。具体的には、無線タグ80は、垂直偏波である電力供給用電波を受信し、垂直偏波であるタグ情報包含電波を放射するように、投入箱110の内部に固定される。つまり、無線タグ80は、垂直偏波を受信及び放射可能となるように、無線タグ80の長手方向がZ軸と平行となる向きで投入箱110の内部に固定される。なお、無線タグ80は、無線タグ80の放射面とアンテナ30の放射面とが平行になるように、つまり、無線タグ80の放射面がX軸と直交するように配置されることが好ましい。
【0050】
動作確認用情報は、リーダライタ20による読取動作の確認のために読み取られる情報である。動作確認用情報は、物品識別情報と区別可能な情報であれば、どのような情報であってもよい。言い換えれば、動作確認用情報は、無線タグ80に記憶された情報であることが識別可能である情報であれば、どのような情報であってもよい。無線タグ80は、記憶するタグ情報が異なる点を除き、基本的に、無線タグ70と同様の構成である。無線タグ80は、本発明における動作確認用タグの一例である。
【0051】
投入箱110は、無線タグ70が付された管理カード60の投入を受け入れる箱である。投入箱110は、読取装置100による物品識別情報の読み取りが容易になるように、管理カード60の向きを制限する機能を有する。また、投入箱110は、物品識別情報が読み込まれた管理カード60を収納箱120に引き渡す機能を有する。投入箱110は、基本的に、天板と底板と前板と後板と右板と左板とを備える直方体の箱から底板を取り外した形状である。
【0052】
天板はZ軸と直交する2つの板のうちZ軸の座標が大きい方の板である。底板はZ軸と直交する2つの板のうちZ軸の座標が小さい方の板である。前板はY軸と直交する2つの板のうちY軸の座標が小さい方の板である。後板はY軸と直交する2つの板のうちY軸の座標が大きい方の板である。右板はX軸と直交する2つの板のうちX軸の座標が大きい方の板である。左板はX軸と直交する2つの板のうちX軸の座標が小さい方の板である。左板の内面にはアンテナ30が取り付けられる。右板の内面には無線タグ80が取り付けられる。また、天板にはスリット111が設けられ、天板の内面にはスリット131を備える制限部材130が設けられる。
【0053】
以下、
図5を参照して、天板112の構成について説明する。
図5に、天板112を投入箱110の内側から平面視したときの様子を示す。天板112には、Y軸方向に延びるスリット111が設けられる。スリット111は、管理カード60の投入を受け入れるために天板112に設けられた細長い孔である。スリット111の長さをL2、スリット111の幅をW2とする。なお、上述したように、管理カード60の長さはL1、管理カード60の幅はW1である。
【0054】
ここで、L2は、W1よりも長く、L1よりも短いことが好適である。かかる構成では、管理カード60が横向きに投入されることが抑制され、管理カード60が縦向きに投入される。管理カード60が横向きであることは、管理カード60の長手方向がY軸とほぼ平行になることを意味する。管理カード60が縦向きであることは、管理カード60の長手方向がZ軸とほぼ平行になることを意味する。なお、W2は、管理カード60の厚さに対して長くなり過ぎないことが好適である。W2が管理カード60の厚さに対して長くなるほど、管理カード60の投入時に、管理カード60の厚さ方向とX軸とを平行に維持しにくくなるためである。
【0055】
また、天板112の内面には、Y軸方向に延びるスリット131を備える制限部材130が、スリット111とスリット131とが重なるように貼り付けられている。制限部材130は、例えば、弾力に富み、管理カード60との摩擦が生じ易い素材で構成される。スリット131の長さをL3、スリット131の幅をW3とする。ここで、W3は、W2よりも短く、更に、管理カード60の厚さよりも短いことが好適である。
【0056】
かかる構成によれば、管理カード60の投入時に、管理カード60が制限部材130におけるスリット131の両脇の部分により挟み込まれ、管理カード60と制限部材130との間で摩擦力が生じ、管理カード60の動きが制限される。その結果、管理カード60の投入時に、管理カード60の移動速度が速くなり過ぎたり、管理カード60の向きが理想的な向きから大幅にずれたりすることが抑制される。
【0057】
なお、管理カード60の移動速度が速すぎる場合、管理カード60が電力供給用電波を受信できる時間が短くなり、物品識別情報の読み取りが難しくなる。また、管理カード60の向きが理想的な向きから大幅にずれると、無線タグ70による電力供給用電波の受信と無線タグ70によるタグ情報包含電波の放射とが難しくなり、物品識別情報の読み取りが難しくなる。なお、管理カード60の向きが理想的な向きであることは、管理カード60の長手方向がZ軸と平行であり、管理カード60の厚さ方向がX軸と直交することを意味する。投入箱110は、本発明における箱の一例である。スリット111は、本発明における投入孔、スリット及び第1スリットの一例である。スリット131は、本発明における第2スリットの一例である。
【0058】
収納箱120は、投入箱110に投入された管理カード60を収納する箱である。収納箱120は、多数の管理カード60を収納可能である。収納箱120に収納された管理カード60は、規定時間(例えば、24時間)毎に回収されてもよいし、収納された管理カード60の枚数が規定枚数に達したことに応答して回収されてもよい。収納箱120の天板には孔121が設けられ、孔121を塞ぐように収納箱120の上に投入箱110が配置される。
【0059】
次に、
図6を参照して、読取装置100によりタグ情報が読み取られる様子について説明する。アンテナ30は、アンテナ30の放射面がX軸と直交し、アンテナ30の長手方向がZ軸と平行になるように、投入箱110が備える左板113の内面に設置される。なお、アンテナ30の長手方向は、アンテナ30が放射する直線偏波の偏波方向と一致する。また、無線タグ80は、無線タグ80が備えるアンテナの放射面がX軸と直交し、無線タグ80の長手方向がZ軸と平行になるように、投入箱110が備える右板114の内面に設置される。なお、無線タグ80の長手方向は、無線タグ80が備えるアンテナが放射する直線偏波の偏波方向と一致する。
【0060】
アンテナ30は、リーダライタ20による制御に従って、定期的に、電力供給用電波を放射する。一方、無線タグ80は、アンテナ30が放射した電力供給用電波を受信し、この電力供給用電波を動力源として、動作確認用情報を含むタグ情報包含電波を放射する。アンテナ30は、無線タグ80が放射したタグ情報包含電波を受信する。このように、無線タグ80は、アンテナ30が放射した電力供給用電波を受信可能な位置に固定される。このため、読取装置100は、正常な動作状態では、常時、無線タグ80から動作確認情報を読み取ることができる。
【0061】
一方、読取装置100は、異常な動作状態では、無線タグ80から動作確認情報を読み取ることができない。異常な動作状態の原因としては、種々の原因が考えられる。例えば、通信ケーブル40自体に異常が発生した場合、通信ケーブル40の接続が異常になった場合、リーダライタ20自体に異常が発生した場合、アンテナ30自体に異常が発生した場合、アンテナ30の配置が異常になった場合、無線タグ80自体に異常が発生した場合、無線タグ80の配置が異常になった場合、投入箱110の内部に金属などの異物が投入された場合などが、異常な動作状態の原因として考えられる。
【0062】
ここで、投入箱110に設けられたスリット111から管理カード60が投入された場合を想定する。この場合、管理カード60の形状及び大きさ、スリット111の形状及び大きさ、制限部材130の素材、スリット131の形状及び大きさなどにより、管理カード60の向きと管理カード60の移動速度とはある程度定められる。つまり、管理カード60の向きは、管理カード60の長手方向がZ軸とほぼ平行であり、管理カード60の厚さ方向がX軸とほぼ直交する向きに制限される。また、管理カード60の移動速度は、それ程大きくならない。その結果、読取装置100は、管理カード60が投入箱110の内部を落下する間、管理カード60に付された無線タグ70から、物品識別情報を複数回読み取ることができる。
【0063】
なお、電力供給用電波は、基本的に、X軸の正の方向に進行する。一方、動作確認用情報を含むタグ情報包含電波と物品識別情報を含むタグ情報包含電波とは、基本的に、X軸の負の方向に進行する。また、電力供給用電波と確認用情報を含むタグ情報包含電波と物品識別情報を含むタグ情報包含電波とは、いずれも、電界の振動方向がZ軸方向である直線偏波、言い換えれば、垂直偏波である。
【0064】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、制御装置10が実行する読取処理について説明する。なお、読取処理は、制御装置10に対して、読取処理の開始を指示する操作がなされたことに応答して実行される。
【0065】
まず、制御装置10が備えるプロセッサ11は、タグ情報の読み取りを開始する(ステップS101)。具体的には、例えば、プロセッサ11は、リーダライタ20に向けて、タグ情報の読み取りの開始を指示する開始指示情報を送信する。リーダライタ20は、開始指示情報を受信したことに応答して、タグ情報の読み取りを開始する。具体的には、リーダライタ20は、アンテナ30を制御して、電力供給用電波を放射する処理とタグ情報包含電波を受信する処理とを繰り返して実行する。
【0066】
プロセッサ11は、ステップS101の処理を完了すると、タグ情報を受信したか否かを判別する(ステップS102)。具体的には、プロセッサ11は、第1通信インターフェース14がリーダライタ20からタグ情報を受信したか否かを判別する。なお、タグ情報は、物品識別情報と動作確認用情報とのうちのいずれかである。また、リーダライタ20から制御装置10には、タグ情報に加え、時刻識別情報と、受信強度情報と、装置識別情報とが送信される。
【0067】
時刻識別情報は、リーダライタ20がタグ情報を読み取った時刻を示す情報である。受信強度情報は、タグ情報を含む電波の受信強度を示す情報である。装置識別情報は、リーダライタ20の識別情報を示す情報である。なお、リーダライタ20の識別情報とリーダライタ20が設置された場所を示す設置場所情報との対応関係を示す情報は、端末装置200が備えるフラッシュメモリなどに記憶されている。つまり、端末装置200は、装置識別情報から、タグ情報を読み取ったリーダライタ20の設置場所を特定可能である。
【0068】
プロセッサ11は、タグ情報を受信したと判別すると(ステップS102:YES)、受信した電波の強度が既定の強度以上であるか否かを判別する(ステップS103)。例えば、プロセッサ11は、リーダライタ20から受信した受信強度情報に基づいて、タグ情報を含む電波の受信強度が既定の強度以上であるか否かを判別する。なお、既定の強度は、電波の受信強度の閾値である。
【0069】
既定の強度は、投入箱110の内部に存在するパッシブタグが放射するタグ情報包含電波の受信強度よりも弱く、投入箱110の外部に存在するパッシブタグが放射するタグ情報包含電波の受信強度よりも強いことが好適である。既定の強度は、読取処理の実行に先立って、実験などにより予め求められることが好適である。既定の強度に満たない受信強度を有するタグ情報包含電波に含まれるタグ情報は、仮に読み取られても無視することが好適である。このようなタグ情報は、投入箱110に投入されていない管理カード60に付された無線タグ70から誤って読み取られた可能性が高いためである。
【0070】
プロセッサ11は、受信した電波の強度が既定の強度以上であると判別すると(ステップS103:YES)、タグ情報を記録する(ステップS104)。例えば、プロセッサ11は、タグ情報を、時刻識別情報と装置識別情報とに対応付けてフラッシュメモリ12に記録する。プロセッサ11は、ステップS104の処理を完了すると、受信したタグ情報が物品識別情報であるか否かを判別する(ステップS105)。なお、タグ情報は、物品識別情報と動作確認用情報とのうちのいずれかであり、動作確認用情報は予め定められている。従って、プロセッサ11は、読み取られたタグ情報が動作確認用情報であるか否かを判別する。
【0071】
プロセッサ11は、受信したタグ情報が物品識別情報であると判別すると(ステップS105:YES)、同一の物品識別情報を連続して受信したか否かを判別する(ステップS106)。例えば、プロセッサ11は、直近の規定時間(例えば、1秒間)内に、2回以上同一の物品識別情報を受信したか否かを判別する。なお、投入箱110に投入された管理カード60の移動速度は制限部材130の働きにより制限される。従って、管理カード60が適切に投入箱110に投入された場合、管理カード60に付された無線タグ70から複数回連続して物品識別情報が読み込まれる。
【0072】
そこで、複数回連続して読み込まれた物品識別情報は、正しく投入された管理カード60に付された無線タグ70から読み込まれた物品識別情報であると判別される。一方、1回だけ読み込まれた物品識別情報は、例えば、投入箱110に投入されていない管理カード60に付された無線タグ70から誤って読み込まれた物品識別情報であると判別される。
【0073】
プロセッサ11は、同一の物品識別情報を連続して受信したと判別すると(ステップS106:YES)、受信した物品識別情報が未送信であるか否かを判別する(ステップS107)。例えば、プロセッサ11は、受信した物品識別情報が直近の規定時間内に未送信であるか否かを判別する。この規定時間は、例えば、管理カード60の回収周期(例えば、1日)である。この判別により、例えば、収納箱120に収納されている管理カード60に付された無線タグ70から誤って読み取られた物品識別情報であって、既に送信された物品識別情報が再度送信されることが抑制可能である。
【0074】
プロセッサ11は、受信した物品識別情報が未送信であると判別すると(ステップS107:YES)、物品識別情報を端末装置200に送信する(ステップS108)。例えば、プロセッサ11は、物品識別情報を時刻識別情報と装置識別情報とに対応付けて、第2通信インターフェース15を介して、端末装置200に送信する。
【0075】
プロセッサ11は、ステップS108の処理を完了すると、収納カード数を更新する(ステップS109)。収納カード数は、収納箱120に収納されている管理カード60の枚数であり、収納箱120から管理カード60が最後に回収されてから、物品識別情報が送信された回数に相当する。なお、収納カード数は、収納箱120から管理カード60が回収されたときにリセットされる。収納カード数を示す情報は、例えば、フラッシュメモリ12に記憶される。
【0076】
プロセッサ11は、ステップS109の処理を完了すると、収納カード数が規定値以上であるか否かを判別する(ステップS110)。この規定値は、収納カードを回収することを指示するか否かを判別するための閾値である。この規定値は、収納箱120に収納可能な管理カード60の枚数の上限値よりも小さい値である。プロセッサ11は、収納カード数が規定値以上であると判別すると(ステップS110:YES)、回収指示情報を端末装置200に送信する(ステップS111)。回収指示情報は、収納箱120に収納された管理カード60を回収することをユーザに指示する情報である。
【0077】
プロセッサ11は、タグ情報を受信していないと判別した場合(ステップS102:NO)、受信した電波の強度が既定の強度以上でないと判別した場合(ステップS103:NO)、受信したタグ情報が物品識別情報でないと判別した場合(ステップS105:NO)、同一の物品識別情報を連続して受信していないと判別した場合(ステップS106:NO)、受信した物品識別情報が未送信でないと判別した場合(ステップS107:NO)、収納カード数が規定値以上でないと判別した場合(ステップS110:NO)、ステップS111の処理を完了した場合、規定時間以上動作確認用情報を不受信であるか否かを判別する(ステップS112)。
【0078】
規定時間は、読取装置100が正常に動作しているか否かを判別するための閾値である。規定時間は、読取装置100が正常に動作しているときにおける、動作確認用情報の不受信の継続時間の最長値よりも大きい値である。規定時間は、例えば、数秒から数分程度の時間である。プロセッサ11は、規定時間以上動作確認用情報を不受信であると判別すると(ステップS112:YES)、異常報知情報を端末装置200に送信する(ステップS113)。異常報知情報は、読取装置100の異常を端末装置200のユーザに報知するための情報である。
【0079】
プロセッサ11は、規定時間以上動作確認用情報を不受信でないと判別した場合(ステップS112:NO)、又は、ステップS113の処理を完了した場合、収納カード数のリセット指示があるか否かを判別する(ステップS114)。収納カード数のリセット指示は、収納箱120から管理カード60が回収されたときに、ユーザによりなされる指示である。リセット指示は、例えば、制御装置10が備えるタッチスクリーン13に対する操作、又は、端末装置200から制御装置10への情報の送信により実現される。
【0080】
プロセッサ11は、収納カード数のリセット指示があると判別すると(ステップS114:YES)、収納カード数をリセットする(ステップS115)。例えば、プロセッサ11は、フラッシュメモリ12に記憶されている収納カード数を0にリセットする。プロセッサ11は、収納カード数のリセット指示がないと判別した場合(ステップS114:NO)、又は、ステップS115の処理を完了した場合、ステップS102に処理を戻す。
【0081】
本実施形態では、管理カード60が投入箱110に投入されると、管理カード60に付された無線タグ70から物品識別情報が読み取られ、物品識別情報が端末装置200に送信される。従って、本実施形態によれば、少ないユーザ負担で、物品400の使用実績をユーザに知らせることができる。
【0082】
また、本実施形態では、動作確認用情報が継続して読み取られない場合、異常報知情報が端末装置200に送信される。従って、本実施形態によれば、読取装置100の異常により物品識別情報の読み取り漏れの可能性があることをユーザに知らせることができる。
【0083】
また、本実施形態では、収納箱120に収納された管理カード60の枚数が既定の枚数に達したことが端末装置200に送信される。従って、本実施形態によれば、収納箱120に管理カード60が収納されすぎて、送信済の物品識別情報が誤って読み込まれることが抑制される。
【0084】
また、本実施形態では、無線タグ70から受信したタグ情報包含電波の強度が既定の強度に満たない場合、物品識別情報の送信が見送られる。従って、本実施形態によれば、投入箱110に投入されていない管理カード60が投入箱110に投入されたと誤って判別される確率を減らすことができる。
【0085】
また、本実施形態では、同一の物品識別情報が連続して読み込まれた場合、物品識別情報が端末装置200に送信される。従って、本実施形態によれば、投入箱110に投入されていない管理カード60が投入箱110に投入されたと誤って判別される確率を減らすことができる。
【0086】
また、本実施形態では、物品識別情報が端末装置200に送信されたのち、規定時間が経過するまでの間、同一の物品識別情報が端末装置200に送信されることが抑制される。従って、本実施形態によれば、物品400の1回の使用が複数回の使用であると誤判別される確率を減らすことができる。
【0087】
また、本実施形態では、物品識別情報に加え装置識別情報が端末装置200に送信される。ここで、上述したように、端末装置200は、装置識別情報から、タグ情報を読み取ったリーダライタ20の設置場所を特定可能である。従って、本実施形態によれば、物品400が使用された場所をユーザに知らせることができる。
【0088】
また、本実施形態では、物品識別情報に加え時刻識別情報が端末装置200に送信される。従って、本実施形態によれば、物品400が使用された時刻をユーザに知らせることができる。
【0089】
また、本実施形態では、投入箱110が備えるスリット111の近傍に制限部材130が設けられる。従って、本実施形態によれば、管理カード60の移動速度が制限され、物品識別情報の読み取り精度の向上が期待できる。
【0090】
また、本実施形態では、制限部材130には、スリット111の幅よりも狭い幅のスリット131が設けられる。従って、本実施形態によれば、管理カード60の移動速度が適切に制限され、物品識別情報の読み取り精度の向上が期待できる。
【0091】
また、本実施形態では、スリット111の長さは、管理カード60の長さよりも短く、管理カード60の幅よりも長い。従って、本実施形態によれば、管理カード60の向きが制限され、物品識別情報の読み取り精度の向上が期待できる。
【0092】
また、本実施形態では、読取装置100は垂直偏波であるタグ情報包含電波からタグ情報を読み取る。従って、本実施形態によれば、直線偏波に対応したアンテナ30でのタグ情報の読み取りが可能である。なお、本実施形態によれば、管理カード60の長さを無線タグ70の長さと同程度にすることができる。
【0093】
(実施形態2)
実施形態1では、垂直偏波を用いてタグ情報を読み取る例について説明した。本実施形態では、水平偏波を用いてタグ情報を読み取る例について説明する。
【0094】
本実施形態では、
図8に示すように、管理カード61の幅方向と無線タグ70の長手方向とが一致するように、無線タグ70が管理カード61に付される。その結果、管理カード61の投入時の向きが縦向きに制限される場合、無線タグ70が水平偏波を受信することができ、無線タグ70が水平偏波を放射することができる。なお、管理カード61の幅であるW4は、無線タグ70の長さよりも長く、管理カード61の長さであるL4よりも短い。ここで、スリット111の長さであるL2は、W4よりも長く、L4よりも短いことが好適である。
【0095】
また、本実施形態では、
図9に示すように、読取装置101が備えるアンテナ30は、Y軸方向の水平偏波を放射及び受信できるように、アンテナ30の長手方向がY軸と平行であり、アンテナ30の放射面がX軸と直行するように、投入箱110の内部に配置される。また、読取装置101が備える無線タグ80は、Y軸方向の水平偏波を受信及び放射できるように、無線タグ80の長手方向がY軸と平行であり、無線タグ80の放射面がX軸と直行するように、投入箱110の内部に配置される。
【0096】
本実施形態では、読取装置101が備えるアンテナ30が水平偏波を放射及び受信可能となるように配置される。従って、本実施形態によっても、直線偏波に対応したアンテナ30を用いて物品識別情報の読み取りが可能である。
【0097】
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0098】
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施形態において示したものに限定されないことは勿論である。
【0099】
実施形態1では垂直偏波を用いてタグ情報を読み取る例について説明し、実施形態2では水平偏波を用いてタグ情報を読み取る例について説明した。タグ情報の読み取りに用いる偏波はこの例に限定されない。例えば、円偏波を含む楕円偏波を用いてタグ情報を読み取ってもよい。この場合においても、タグ情報の良好な読み取りが実現されるように、アンテナ30、無線タグ80、スリット111、制限部材130などの形状、大きさ、配置などが調整されることが好適である。
【0100】
実施形態1では、投入箱110の下部に収納箱120を設ける例について説明した。既に送信された物品識別情報を記憶する無線タグ70が付された管理カード60が投入箱110の内部に留まらない構成であれば、どのような構成を採用してもよい。例えば、投入箱110の下部に、管理カード60を収納するトレイが設けられてもよい。
【0101】
実施形態1では、無線タグ70と無線タグ80とが、パッシブタグである例について説明した。無線タグ70と無線タグ80とが、アクティブタグであってもよい。実施形態1では、無線タグ70と無線タグ80とが、ダイポールタイプのアンテナを備える例について説明した。無線タグ70と無線タグ80とが、モノポールタイプのアンテナを備えていてもよい。
【0102】
実施形態1では、管理カード60から情報を取得するための手段として、管理カード60に無線タグ70が付されている例について説明した。管理カード60から情報を取得するための手段として、管理カード60に無線タグ70以外の手段が更に設けられていてもよい。例えば、管理カード60に、バーコード、二次元バーコードなどが更に付されていてもよい。
【0103】
実施形態1では、管理カード60の投入時における移動速度を制限するために、スリット111の近傍にスリット131を備える制限部材130を設ける例について説明した。スリット111の近傍に制限部材130が設けられなくてもよい。また、制限部材130にスリット131が設けられていなくてもよい。
【0104】
実施形態1では、投入箱110の外形が直方体である例について説明した。投入箱110の外形は、管理カード60の投入時に良好なタグ情報の読み取りが可能な構成が実現可能な外形であればどのような外形であってもよい。実施形態1では、アンテナ30と無線タグ80とが投入箱110の内部に設けられる例について説明した。アンテナ30と無線タグ80とが投入箱110の外部に設けられてもよい。
【0105】
実施形態1では、投入孔の形状が細長い長方形であるスリット形状である例について説明した。投入孔の形状はこの例に限定されない。実施形態1では、投入孔であるスリット111の長さが、管理カード60の幅よりも長く、管理カード60の長さよりも短い例について説明した。例えば、タグ情報の読み取りに円偏波を用いる場合など、管理カード60の向きを制限する必要がない場合、スリット111の長さは管理カード60の長さよりも長くてもよい。
【0106】
実施形態1では、管理対象の物品400が、医療現場で使用される医療品である例について説明した。管理対象の物品400として、使用実績を管理すべき種々の物品を採用することができる。例えば、管理対象の物品400は、工場、オフィスなどで使用される物品であってもよい。