(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
固定フレームと、前記固定フレームに対し相対的に移動可能な可動フレームと、前記固定フレームと前記可動フレームとに跨って配置されるコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトの張力を流体圧で調整するテークアップ装置と、前記テークアップ装置の前記流体圧を維持する圧力維持装置とを備え、
前記圧力維持装置が、前記流体圧を維持するアキュームレータを含む、ベルトコンベヤ。
前記第一ベントプーリ又は前記第二ベントプーリが、前記固定フレームと前記可動フレームとの間で前記コンベヤベルトの戻り向きを変える、請求項4に記載のベルトコンベヤ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、本発明に係るスタッカ・リクレーマ1とトリッパ2とが示されている。ここでは、説明の便宜上、
図1の左右方向右向きを前後方向前向きとし、
図1の紙面垂直な方向を左右方向として、説明がされる。
【0014】
このスタッカ・リクレーマ1は、ヤードにバラ物を積付けするスタッカとしての機能と、ヤードに山積みされたバラ物を払出しするリクレーマとしての機能とを兼ね備える。トリッパ2は、スタッカ・リクレーマ1にバラ物を供給する機能を備える。
【0015】
スタッカ・リクレーマ1は、走行機体4と、旋回台5と、旋回塔6と、操縦キャビン7と、ブーム8と、バケットホイル9と、カウンタウエイトビーム10と、カウンタウエイト11と、本発明に係るベルトコンベヤとしてのブームコンベヤ12と、ホッパ13とを備える。
【0016】
走行機体4は、ヤードに敷設されたレール3に沿って移動可能である。旋回台5は、走行機体4に対して、
図1の回転中心Sを回転軸にして左右方向に回動可能である。旋回塔6は、旋回台5に立設されている。操縦キャビン7は、旋回塔6に配置されている。旋回台5、旋回塔6及び操縦キャビン7は、走行機体4に対して、回転中心Sの周りに回動可能である。図示されないが、スタッカ・リクレーマ1は、旋回台5を回動させる旋回駆動装置を備える。
【0017】
ブーム8は、旋回塔6に支持されている。ブーム8は、その基端部を回動中心にして、旋回塔6に対して上下方向に回動可能である。この旋回塔6は、ブーム8の支持フレームとして機能する。スタッカ・リクレーマ1は、ブーム8を上下方向に回動させる俯仰駆動装置を備える。
【0018】
カウンタウエイトビーム10は、旋回塔6を間にしてブーム8と反対側で旋回塔6に支持されている。カウンタウエイト11は、カウンタウエイトビーム10の後端部に支持されている。カウンタウエイト11は、ブーム8の上下方向の回動に伴って、上下方向に回動可能に支持されている。
【0019】
ブームコンベヤ12は、支持フレームとしての旋回塔6とブーム8とに跨って配置されている。ブームコンベヤ12は、ブーム8の先端部から旋回台5へ、又は旋回台5からブーム8の先端部へ、バラ物を搬送する機能を備える。このブーム8の先端部にはバケットホイル9が回転可能に支持されている。バケットホイル9は、山積みされたバラ物を掻き取り、ブームコンベヤ12に供給する機能を備える。
【0020】
ホッパ13は、旋回台5に配置される。ホッパ13の下方にはブームコンベヤ12の基端部が位置する。ホッパ13は、その開口から投入されるバラ物をブームコンベヤ12に案内する機能を備える。
【0021】
図1では、地上コンベヤ14が備えるコンベヤベルト15の一部が示されている。このコンベヤベルト15は、一対のレール3の間に配置され、バラ物の積付け及び払出しに用いられる。この地上コンベヤ14は、複数本のコンベヤベルト15を備えてもよい。
【0022】
トリッパ2は、コンベヤベルト15を一対のレール3の間からホッパ13の上方に案内する機能を備えている。トリッパ2は、台車16、複数のプーリ17、傾斜フレーム18、昇降装置19及びシュート20を備える。
【0023】
台車16は、一対のレール3を走行可能である。複数のプーリ17に、コンベヤベルト15が架け渡されている。傾斜フレーム18は複数のプーリ17を支持する。昇降装置19は、傾斜フレーム18を昇降可能に支持する。シュート20は、傾斜フレーム18の先端部に配置されている。
【0024】
図1では、トリッパ2の台車16は、スタッカ・リクレーマ1の走行機体4の後方に位置する。台車16と走行機体4とは、連結ユニット21によって連結されている。台車16は、スタッカ・リクレーマ1の走行機体4に牽引されてレール3を走行し得る。なお、台車16は自走式であってもよい。
【0025】
図1では、傾斜フレーム18は、昇降装置19によって、後方から前方に向かって上向きに傾斜して延びている。コンベヤベルト15は、傾斜フレーム18に沿って、一対のレール3の間から上方に位置する傾斜フレーム18の先端部まで延びている。コンベヤベルト15は、傾斜フレーム18の先端部に位置するプーリ17で折り返されている。折り返されたコンベヤベルト15は、下方のプーリ17に案内されて傾斜フレーム18に沿って下方に延びている。図示されないが、コンベヤベルト15は、更に、一対のレール3の間に案内され、更に前方に延びている。
【0026】
シュート20は、傾斜フレーム18の先端部でコンベヤベルト15が折り返される位置の下方に配置されている。シュート20は、ホッパ13の上方に配置されている。
【0027】
このスタッカ・リクレーマ1を用いたバラ物の積付方法が説明される。ブーム8が左右方向及び上下方向に回動し、ブームコンベヤ12の先端をバラ物の積付位置に位置させる。バラ物は、コンベヤベルト15によって、トリッパ2のシュート20に向かって搬送される。バラ物は、コンベヤベルト15の折り返しによって、シュート20に投入される。バラ物は、シュート20及びホッパ13に案内されて、ブームコンベヤ12の基端部に供給される。バラ物は、ブームコンベヤ12によって、その先端まで搬送される。バラ物は、ブームコンベヤ12からヤードの積付位置に積付けられる。
【0028】
図1では、トリッパ2によってコンベヤベルト15が、スタッカ・リクレーマ1に、バラ物を供給する。ここでは、スタッカ・リクレーマ1と、トリッパ2と、地上コンベヤ14とを含む、バラ物の積付設備が構成されている。
【0029】
また、このスタッカ・リクレーマ1を用いたバラ物の払出方法が説明される。この払出方法では、ブーム8が左右方向及び上下方向に回動し、バケットホイル9を、バラ物を掻き取る位置に位置させる。回転するバケットホイル9が、山積みされたバラ物を掻き取る。掻き取られたバラ物は、ブームコンベヤ12の先端部に供給される。バラ物は、ブームコンベヤ12によって、ブームコンベヤ12の先端部から基端部に搬送される。
【0030】
ブームコンベヤ12の基端部に搬送されたバラ物は、ブームコンベヤ12によって、図示されないシュート又はホッパに投入される。バラ物は、このシュート又はホッパに案内され、コンベヤベルト15に供給される。バラ物は、コンベヤベルト15によって、更に前方に運び出される。ここでは、スタッカ・リクレーマ1と、地上コンベヤ14とを含む、バラ物の払出設備が構成されている。
【0031】
図2に示される様に、ブームコンベヤ12は、固定フレーム23、可動フレーム24、複数のプーリ25、複数のローラ26、コンベヤベルト27、テークアップ装置28及び圧力維持装置29を備える。
【0032】
固定フレーム23は、旋回塔6に取り付けられ固定されている。固定フレーム23は、旋回台5に取り付けられてもよい。可動フレーム24は、ブーム8に取り付けられ固定されている。固定フレーム23及び可動フレーム24に、複数のプーリ25及び複数のローラ26が回転可能に支持されている。コンベヤベルト27は、この複数のプーリ25及び複数のローラ26に架け渡されている。コンベヤベルト27は、固定フレーム23と可動フレーム24とに跨って配置されている。
【0033】
このスタッカ・リクレーマ1では、テークアップ装置28及び圧力維持装置29は、可動フレーム24の基端部に取り付けられている。なお、このテークアップ装置28及び圧力維持装置29の取付け位置は特に限定されない。テークアップ装置28及び圧力維持装置29は、可動フレーム24の中央部や先端部に取り付けられてもよく、固定フレーム23に取り付けられてもよく、ブーム8、旋回塔6又は旋回台5に取付けられてもよい。
【0034】
図3(A)及び
図3(B)に示される様に、テークアップ装置28は、一対のシリンダ30と、一対の軸受31と、テンションプーリとしてのテークアッププーリ32と、取付フレーム33とを備える。シリンダ30の一方の端部は取付フレーム33に取り付けられている。シリンダ30の他方の端部は軸受31に取り付けられている。軸受31は取付フレーム33に支持されている。軸受31は取付フレーム33に対して移動可能である。テークアッププーリ32は軸受31に回転可能に支持されている。
【0035】
取付フレーム33は、可動フレーム24に取り付けられている。これにより、テークアップ装置28は、可動フレーム24に取り付けられている。テークアッププーリ32には、コンベヤベルト27が架け渡されている。なお、取付フレーム33が取付けられる対象は可動フレーム24に限定されない。例えば、取付フレーム33は、ブーム8に取り付けられてもよい。
【0036】
図4に示される様に、テークアップ装置28のシリンダ30は、シリンダチューブ30Aと、シリンダチューブ30Aの内周面に摺動可能なピストン30Bと、ピストン30Bに連結されたロッド30Cとを備える。このロッド30Cの先端部が取付フレーム33に取り付けられている。シリンダチューブ30Aの内部には、ピストン30Bによって仕切られた圧力室30Dが形成されている。
【0037】
圧力維持装置29は、タンク34、ポンプ35、モータ36、チェック弁37及びアキュームレータ38を備える。タンク34は、流体としての作動油を貯留する機能を備える。ポンプ35は、タンク34から作動油を送り出す機能を備える。モータ36は、ポンプ35を駆動する機能を備える。チェック弁37は、タンク34に向かって作動油が逆流することを防止する機能を備える。
【0038】
アキュームレータ38は、その容器内部に蓄圧気体が封入されたプラダを備える。蓄圧気体は、特に限定されないが、例えば窒素ガスである。容器内部に流入する作動油の圧力(流体圧)によって、蓄圧気体が封入されたブラダが収縮膨張する。このブラダが収縮膨張することで、アキュームレータ38は蓄圧機能を発揮する。
【0039】
図示されないが、圧力維持装置29は、更に、切替弁を備えてもよい。この切替弁は、タンク34からシリンダ30に作動油を送り出す流路と、シリンダ30から作動油を排出する流路とに切替える機能を備える。この切替弁は、タンク34とシリンダ30との間で流路を閉じてシリンダ30内に作動油を封入する機能を更に備えてもよい。この切替弁は、アキュームレータ38とポンプ35の間の流路に配置される。この切替弁は、この圧力維持装置29では、アキュームレータ38とチェック弁37との間の流路に配置される。
【0040】
この圧力維持装置29では、モータ36で駆動されるポンプ35を用いたが、このポンプ35は、手動ポンプであってもよい。また、圧力維持装置29は、メンテナンス用切替弁を備えてもよい。圧力維持装置29は、リリーフ弁を備えてもよい。このリリーフ弁は、作動油の圧力が過大になったときに作動油をタンク34に逃がす機能を備える。このリリーフ弁は、シリンダ30とポンプ35との間の流路に配置される。
【0041】
このテークアップ装置28では、テークアッププーリ32を挟んで、一対のシリンダ30と一対の軸受31とが配置されている(
図3(B)参照)。図示されないが、このブームコンベヤ12では、圧力維持装置29は、それぞれのシリンダ30毎に設けられている。なお、圧力維持装置29は一台であってよい。例えば、作動油の流路を分岐し、それぞれのシリンダ30に流路が接続されてもよい。
【0042】
図5(A)及び
図5(B)には、テークアップ装置28の使用状態が示されている。
図5(A)では、テークアップ装置28は縮短状態にある。この縮短状態では、シリンダ30が縮短している。
図5(B)では、テークアップ装置28は伸長状態にある。この伸長状態では、シリンダ30が伸長している。この伸長状態でのシリンダ30の全長は、縮短状態でのそれより大きい。
【0043】
図6(A)及び
図6(B)には、スタッカ・リクレーマ1の使用状態の一例が示されている。
図6(A)では、スタッカ・リクレーマ1のブーム8が下向きにされている。テークアップ装置28は、
図5(A)の縮短状態にある。シリンダ30の作動油の圧力は、圧力維持装置29によって所定圧に維持されている。
【0044】
図6(B)では、スタッカ・リクレーマ1のブーム8が上向きにされている。テークアップ装置28は、
図5(B)の伸長状態にある。シリンダ30の作動油の圧力は、圧力維持装置29によって所定圧に維持されている。
【0045】
この圧力維持装置29は、
図6(A)の縮短状態でのシリンダ30の作動油の圧力と
図4(B)の伸長状態でのシリンダ30の作動油の圧力とを同じ所定圧に維持している。この圧力維持装置29は、シリンダ30の全長の変化に関わらず、シリンダ30の作動油の圧力を同じ所定圧に維持する機能を備える。所定圧に維持されたシリンダ30は、
図6(A)の縮短状態と
図6(B)の伸長状態とで、コンベヤベルト27に同様の張力を作用させる様に伸縮する。
【0046】
図6(A)のスタッカ・リクレーマ1の使用状態と、
図6(B)のスタッカ・リクレーマ1の使用状態とでは、固定フレーム23と可動フレーム24との相対的位置が異なっている。この相対的位置が変化することによって、コンベヤベルト27に所定の張力を作用させる周長が変化する。圧力維持装置29を備えない場合には、コンベヤベルト27に作用する張力が変化して、コンベヤベルト27に緩みを生じさせる。このスタッカ・リクレーマ1では、圧力維持装置29がシリンダ30の作動油の圧力を所定圧に維持する。これにより、固定フレーム23と可動フレーム24との相対的位置が変化しても、コンベヤベルト27に作用する張力は同様に維持される。
【0047】
このテークアップ装置28は、コンベヤベルト27の張力を作動油の圧力で調整する。この圧力で調整するのでは、コンベヤベルト27の張力を調整するためのスペースの方向は、特に限定されない。このブームコンベヤ12は、このスペースの方向を自由に設定できる。このブームコンベヤ12は、このスペースの方向を、ブーム8の左右方向及び上下方向の回動を阻害しない方向に設定し得る。
【0048】
このテークアップ装置28は、シリンダ30とシリンダ30によって移動するテークアッププーリ32とを備える。圧力維持装置29は、シリンダ30の圧力を所定の大きさに維持する。このテークアッププーリ32は、回転してコンベヤベルト27を案内しつつ、コンベヤベルト27の張力を調整する。このテークアップ装置28は、コンベヤベルト27を送りつつ、コンベヤベルト27の張力を調整できる。シリンダ30とテークアッププーリ32とは、コンベヤベルト27の張力の調整に適している。
【0049】
このテークアップ装置28は、可動フレーム24に配置されている。テークアッププーリ32は、可動フレーム24の長手方向に沿って移動可能である。テークアッププーリ32は、移動することで可動フレーム24から大きく下方へ突出することが抑制されている。これにより、可動フレーム24が取り付けられるブーム8の左右方向及び上下方向の回動を阻害することが抑制されている。この観点から、このテークアッププーリ32は可動フレーム24の長手方向に沿って移動することが好ましい。また、テークアップ装置28は、ブーム8に取付けられてもよい。この場合、同様に、テークアッププーリ32はブーム8の長手方向に沿って移動することが好ましい。
【0050】
なお、このスタッカ・リクレーマ1では、テークアップ装置28は、可動フレーム24に配置されたが、これに限られない。テークアップ装置28は、例えば、固定フレーム23に配置されてもよい。テークアッププーリ32は、固定フレーム23の長手方向に沿って移動可能であってもよい。これにより、テークアッププーリ32が固定フレーム23から大きく突出することを抑制できる。固定フレーム23において、このテークアップ装置28の取付位置や取付姿勢の自由度が増大する。
【0051】
このブームコンベヤ12では、コンベヤベルト27が緩むと、テークアッププーリ32がシリンダ30によって移動させられる。シリンダ30の圧力室30Dの容積が大きくなっても、アキュームレータ38を備えているので、作動油の圧力の低下が抑制される。この圧力維持装置29は、切替弁でシリンダ30内に作動油を封入した状態であっても、シリンダ30の作動油の圧力を維持し得る。また、圧力維持装置29は、ポンプ35を停止した状態であっても、シリンダ30の作動油の圧力を維持し得る。この圧力維持装置29は、省エネルギーにも寄与する。なお、この圧力維持装置29は、シリンダ30の作動油の圧力を維持できればよく、アキュームレータ38を用いず、ポンプ35を用いてシリンダ30の作動油の圧力を所定圧に維持してもよい。
【0052】
スタッカ・リクレーマ1は、ブームコンベヤ12を備える。ブームコンベヤ12の固定フレーム23は旋回塔6に取付けられ、ブーム8に可動フレーム24が取付けられている。ブームコンベヤ12は、テークアップ装置28及び圧力維持装置29を備える。このスタッカ・リクレーマ1では、ブーム8が上下方向に回動してもコンベヤベルト27に弛みが生じることが抑制されている。
【0053】
また、このテークアップ装置28は、重錘式テークアップ装置に比べて、ブーム8の上下方向の回動を阻害しない。このスタッカ・リクレーマ1では、ブーム8が左右方向に回動するときに、テークアップ装置28が、トリッパ2、走行機体4、その他の構造物等に干渉することが、抑制される。このテークアップ装置28は、重錘式テークアップ装置に比べて、ブーム8の左右方向の回動を阻害しない。
【0054】
ここでは、スタッカとしての機能と、リクレーマとしての機能とを兼ね備えるスタッカ・リクレーマ1を例に説明がされたが、このブームコンベヤ12は、スタッカに用いられても、リクレーマに用いられても、同様の効果を発揮する。
【0055】
図7には、本発明の他の実施形態に係るスタッカ・リクレーマ41の一部が示されている。このスタッカ・リクレーマ41は、ブーム8及びブームコンベヤ12に代えて、ブーム42とベルトコンベヤとしてのブームコンベヤ43とを備える。このスタッカ・リクレーマ41のその他の構成は、スタッカ・リクレーマ1の構成と同様である。ここでは、スタッカ・リクレーマ41について、スタッカ・リクレーマ1の構成と異なる構成について主に説明がされ、同様の構成についてはその説明が省略される。また、スタッカ・リクレーマ1と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0056】
ブーム42は、旋回塔6に支持されている。ブーム42は、その基端部を回動中心にして、旋回塔6に対して上下方向に回動可能である。スタッカ・リクレーマ41は、ブーム42を上下方向に回動させる俯仰駆動装置を備える。
【0057】
ブームコンベヤ43は、旋回塔6とブーム42とに跨って配置されている。ブームコンベヤ43は、ブーム42の先端部から旋回台5へ、又は旋回台5からブーム42の先端部へ、バラ物を搬送する機能を備える。図示されないが、このブーム42の先端部にはバケットホイル9が回転可能に支持されている。
【0058】
このブームコンベヤ43は、ブームコンベヤ12の複数のプーリ25に代えて、ヘッドプーリ44、テールプーリ45、ベントプーリ46及びベントプーリ47を備える。このブームコンベヤ43は、ブームコンベヤ12の複数のローラ26に代えて複数のキャリアローラ48及び複数のリターンローラ49を備える。このブームコンベヤ43のその他の構成は、ブームコンベヤ12のそれと同様である。
【0059】
複数のキャリアローラ48は、固定フレーム23又は可動フレーム24に支持されている。複数のキャリアローラ48は、ヘッドプーリ44とテールプーリ45との間に、固定フレーム23又は可動フレーム24に沿って、並べられている。それぞれのキャリアローラ48は、ヘッドプーリ44とテールプーリ45との間で、バラ物が載せられたコンベヤベルト27を送り向きに案内する。
【0060】
複数のリターンローラ49は、固定フレーム23又は可動フレーム24に支持されている。複数のリターンローラ49は、ヘッドプーリ44とテールプーリ45との間に、固定フレーム23又は可動フレーム24に沿って、並べられている。それぞれのリターンローラ49は、ヘッドプーリ44とテールプーリ45との間で、コンベヤベルト27を戻り向きに案内する。
【0061】
ヘッドプーリ44は、ブームコンベヤ43の先端部に配置されている。コンベヤベルト27は、ヘッドプーリ44に架け渡されて、ブームコンベヤ43の先端部向きからブームコンベヤ43の後端部向きに折り返される。テールプーリ45は、ブームコンベヤ43の後端部に配置される。コンベヤベルト27は、テールプーリ45に架け渡されて、ブームコンベヤ43の後端部向きからブームコンベヤ43の先端部向きに折り返される。
【0062】
ベントプーリ46及びベントプーリ47は、ヘッドプーリ44とテールプーリ45と間で、テークアップ装置28の近傍に配置されている。
【0063】
ベントプーリ46は、ベントプーリ46にコンベヤベルト27を案内するリターンローラ49Aと、テークアッププーリ32との間に配置されている。ベントプーリ46は、コンベヤベルト27を架け渡される。ベントプーリ46は、このリターンローラ49Aからベントプーリ46に向かう、コンベヤベルト27の戻り向きを、ベントプーリ46からテークアッププーリ32に向かう戻り向きに変えている。
【0064】
ベントプーリ47は、ベントプーリ47からコンベヤベルト27を案内されるリターンローラ49Bと、テークアッププーリ32との間に配置されている。ベントプーリ47は、コンベヤベルト27を架け渡される。ベントプーリ47は、テークアッププーリ32からベントプーリ47に向かう、コンベヤベルト27の戻り向きを、ベントプーリ47からリターンローラ49Bに向かう戻り向きに、変えている。
【0065】
図7の符号P1はベントプーリ46の回転中心を表している。符号P2はベントプーリ47の回転中心を表している。一点鎖線L12は、回転中心P1と回転中心P2を通る直線を表している。このブームコンベヤ43では、直線L12は、リターンローラ49Aからベントプーリ46に送られるコンベヤベルト27の戻り向きの進行方向と交差している。この進行方向は、コンベヤベルト27が当接する、リターンローラ49Aの外周面とベントプーリ46の外周面とに接する接線方向として特定される。この直線L12は、ベントプーリ46からリターンローラ49Bに送られるコンベヤベルト27の戻り向きの進行方向と交差している。この進行方向は、コンベヤベルト27が当接する、ベントプーリ46の外周面とリターンローラ49Bの外周面とに接する接線方向として特定される。
【0066】
このブームコンベヤ43では、ベントプーリ46とベントプーリ47との間で、テークアッププーリ32を移動させることで、コンベヤベルト27の張力が調整される。このベントプーリ46とベントプーリ47とは、コンベヤベルト27の張力を調整することによる、リターンローラ49A及びリターンローラ49Bに作用する負荷を軽減する。
【0067】
このベントプーリ46とベントプーリ47との配置により、テークアッププーリ32は、リターンローラ49Aとベントプーリ46との間のコンベヤベルト27の長手方向に沿って容易に移動しうる。このテークアッププーリ32は、可動フレーム24から大きく突出することを容易に抑制されうる。この観点から、直線L12は、リターンローラ49Aからベントプーリ46に送られるコンベヤベルト27の進行方向、及びベントプーリ46からリターンローラ49Bに送られるコンベヤベルト27の進行方向の、少なくともいずれかと交差することが、好ましい。
【0068】
このブームコンベヤ43では、このベントプーリ46とベントプーリ47との配置により、コンベヤベルト27の張力は、テークアッププーリ32とベントプーリ46とベントプーリ47とで調整されている。このブームコンベヤ43のプーリ数は、ブームコンベヤ12のそれより、少ない。
【0069】
このブームコンベヤ43のプーリ数を少なくする観点からも、このブームコンベヤ43の様に、直線L12は、リターンローラ49Aからベントプーリ46に送られるコンベヤベルト27の進行方向、及びベントプーリ46からリターンローラ49Bに送られるコンベヤベルト27の進行方向の、少なくともいずれかと交差することが好ましい。
【0070】
このベントプーリ47は、固定フレーム23と可動フレーム24との間でコンベヤベルト27の戻り向きを変える機能と、テークアッププーリ32とリターンローラ49Bとの間でコンベヤベルト27の戻り向きを変える機能とを、兼ね備えている。このブームコンベヤ43は、ベントプーリ47を備えることで、ブームコンベヤ43のプーリ数は、更に少なくされうる。この観点から、ベントプーリ46又はベントプーリ47は、固定フレーム23と可動フレーム24との間でコンベヤベルト27の戻り向きを変える機能を兼ね備えることが好ましい。
【0071】
このスタッカ・リクレーマ41では、ベントプーリ46とベントプーリ47との配置によって、コンベヤベルト27は下方に配置されている。ブーム42の下面が、このコンベヤベルト27より下方に位置することで、コンベヤベルト27が保護される。この観点から、ベントプーリ46とベントプーリ47との間のコンベヤベルト27は、ブーム42の下面より上方に位置させることが好ましい。
【0072】
ここでは、このブームコンベヤ43は、テールプーリ45からヘッドプーリ44に向かってバラ物を送る。この例では、ベントプーリ46は、リターンローラ49Aから案内されるコンベヤベルト27の戻り向きをテークアッププーリ32に向かう向きに変える。ベントプーリ47は、テークアッププーリ32から案内されるコンベヤベルト27の戻り向きをリターンローラ49Bに向かう向きに変える。ここでは、ベントプーリ46がコンベヤベルト27をテークアッププーリ32に向かって案内する第一ベントプーリとして機能する。ベントプーリ47は、コンベヤベルト27をテークアッププーリ32から離れる方向に案内する第二ベントプーリとして機能する。
【0073】
このブームコンベヤ43は、ヘッドプーリ44からテールプーリ45に向かってバラ物を搬送してもよい。この場合、ベントプーリ47は、リターンローラ49Bから案内されるコンベヤベルト27の戻り向きをテークアッププーリ32に向かう向きに変える。ベントプーリ46は、テークアッププーリ32から案内されるコンベヤベルト27の、戻り向きをリターンローラ49Aに向かう向きに変える。ここでは、ベントプーリ47がコンベヤベルト27をテークアッププーリ32に向かって案内する第一ベントプーリとして機能する。ベントプーリ46は、コンベヤベルト27をテークアッププーリ32から離れる向きに案内する第二ベントプーリとして機能する。
【課題】固定フレームと可動フレームとに跨って配置されるコンベヤベルトの、緩みの抑制とブームの広い回動範囲とを両立し得るベルトコンベヤと、このベルトコンベヤを備えるスタッカ及びリクレーマとを提供する。
【解決手段】ベルトコンベヤ12は、固定フレーム23と、固定フレーム23に対し相対的に移動可能な可動フレーム24と、固定フレーム23と可動フレーム24とに跨って配置されるコンベヤベルト27と、コンベヤベルト27の張力を流体圧で調整するテークアップ装置28と、テークアップ装置28の流体圧を維持する圧力維持装置29とを備える。