(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6886611
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】果汁絞り器
(51)【国際特許分類】
A47J 19/02 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
A47J19/02 A
A47J19/02 C
A47J19/02 B
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2021-19421(P2021-19421)
(22)【出願日】2021年2月10日
【審査請求日】2021年2月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717001422
【氏名又は名称】祐原 國文
(72)【発明者】
【氏名】祐原 國文
【審査官】
比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3084121(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3201601(JP,U)
【文献】
実開昭55−033173(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外縁と、中心穴を有する注ぎ口管とからなる漏斗部と、該漏斗部に形成される複数の垂直刃とから構成される果汁絞り器であって、前記複数の垂直刃は、前記中心穴を囲み、かつ等間隔を空けた状態で該垂直刃同士を離間させて上方に向け林立させ、前記中心穴の直上部空間を覆う位置に、各々の垂直刃の一部を連結する連結盤を設けていることを特徴とする果汁絞り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実の搾汁に使用する果汁絞り器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レモン等の柑橘類果実を搾汁する調理器として、突起を設けた皿状の器具や梃子を利用した圧搾レバー式の器具等がある。また柑橘類果実の内部に搾汁管を嵌入し果実の外側から圧力をかけて搾汁する方式のものもある。
【0003】
しかし、突起を設けた皿状の器具や梃子を利用した圧搾レバー式の器具等では、手でレモンを皿の突起に押し付けて果汁を容器に取り出したり、圧搾レバーで絞った果汁を一旦別の容器に蓄える必要があった。
【0004】
また、柑橘類果実の内部に搾汁管を挿入し果実の外側から圧力をかけて搾汁する方式(以下、挿入管式という)のものでは、果実の表皮が固いため、果実の外側から手で圧力をかけても果汁を十分に絞りにくく、また搾汁する際に挿入孔の表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりするという欠点もあった。
【0005】
挿入管式において、外側から圧力をかけて搾汁する際に表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりするという欠点の改善策として、挿入管式器具に果汁漏れ止め部を設け、果汁漏れを防止する方法を用いる形式もあるが、漏れ止めと果実との構成が不適切であるため果汁漏れ止めが効果的になされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2017−153897公報
【特許文献2】実登3058115公報
【特許文献3】実登3201601公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、レモン等の柑橘類果実を搾汁する場合、突起を設けた皿状の器具や梃子を利用した圧搾レバー式の器具等では、手で果実を皿の突起に押し付けて果汁を付属の皿を傾けて別容器に取り出すなど二重の手間を要することであり、また、挿入管式においても、果実の表皮が固いため、果実の外側から手で圧力をかけても果汁を十分に絞りにくく、また搾汁する際に挿入孔の表皮が破れて挿入した管との間から果汁が外に漏れ出たりするという欠点があることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は果実を搾汁する果汁絞り器であって、該果汁絞り器は、外縁と注ぎ口管とによってジョウゴ状に形成される漏斗部と、漏斗部の中心にあって注ぎ口管に果汁を導くための中心穴の周囲に形成される垂直刃と、果実の回転による垂直刃及び漏斗部の共回りを防止するための回転止め部とから構成される。
【発明の効果】
【0009】
果実を予め2分割して露出させた柔らかい果実断面を、本発明の果汁絞り器を用いて、果実の内部の果肉や小袋を垂直刃で切り裂き、該果汁絞り器にジョウゴ状に形成されている漏斗部を片手で支えながら果実を絞ることによって料理等に直接添加したり、口径の小さなペットボトルに直接注ぐなど、果汁を別容器に取り出すことなく衛生的に搾汁することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は果汁絞り器の実施方法を示した斜視図である。
【
図2】
図2は果汁絞り器の実施方法を示した正面図である。
【
図4】
図4は果汁絞り器の実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【
図5】
図5は果汁絞り器の実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0011】
果実(例えばレモン)を輪切りで2つに分割して断面を露出させたのち、漏斗部を片手の掌で支持してレモン断面部を該果汁絞り器の垂直刃に当て、レモンを左右に回転させながら漏斗部方向に押し込むことによってレモンの内部の果肉や小袋が切り裂かれると、レモンの果汁が漏斗部に滲出する。果汁は、漏斗部の中心にあって注ぎ口管に果汁を導く中心穴に集合的に導かれ、注ぎ口管より取り出される。
【実施例1】
【0012】
図1、
図2、
図3は、本発明装置の1実施例の説明図であって、該果汁絞り器は、外縁10−1と注ぎ口管10−2とを部分要素としてジョウゴ状に形成される漏斗部10と、漏斗部10の中心にあって注ぎ口管10−2に果汁を導くための中心穴10−3の周囲に形成される垂直刃11と、レモンの回転による垂直刃及び漏斗部の共回りを防止するための回転止め部12とから構成される。
【0013】
漏斗部10は外縁10−1より注ぎ口管10−2に向かって
図3に示すように図面下側方向に傾斜が付いている。
垂直刃11は漏斗部の中心穴10−3を囲んで形成されていて、垂直刃11同士は等間隔を空けた状態で離間させ、図1で明示する如く各々上方に向けて林立している。該間隔はレモンの種子が通過できない幅(例えば2mm程度)であることが望ましい。漏斗部を片手の掌で支持して、レモンの断面部を該果汁絞り器の垂直刃11に当てて左右に回転させながら漏斗部方向に押し込むが、その際にレモンの回転による垂直刃及び漏斗部の共回りが生じることがあるので、回転止め部12を指に当てることによって共回りを防止することができる。レモンの内部の果肉や小袋は垂直刃11によって切り裂かれて、果汁が漏斗部10に滲出し、受け皿部10の傾斜で中心穴10−3に集合的に導かれ、注ぎ口管10−2より取り出される。なお、注ぎ口管10−2をペットボトルや瓶など小口径の容器に差し込んで直接果汁を溜めることも可能である。
【実施例2】
【0014】
図4は、本発明装置の1実施例の説明図であって、注ぎ口管10−2より取り出された果汁を、別途用意する貯留カップ13を該果汁絞り器の下部に宛がって貯留する実施例である。本発明装置によれば、漏斗部を片手の掌で支持しながらレモンを絞ることによって料理等に直接添加できるなど、果汁を別容器に取り出すことなく衛生的に搾汁することができるが、別容器に取り出す必要がある場合にも適用できる例として示す。なお、前述した回転止め部12は別容器を宛がう際のずれ止めとしても使用でき、少なくとも2か所以上設ければ良い。
【実施例3】
【0015】
図5で示す連結盤14は、
中心穴10−3の直上部空間を覆う位置に複数の垂直刃11同士の一部を連結して設ける。連結盤14は、中心穴10−3及び垂直刃11同士の間隙は塞がず、垂直刃11によって切り裂かれたレモンの果肉や小袋の細片が直接中心穴10−3の
直上部空間から中に入り込むことを防ぐ覆い蓋の役割を果たすものである。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の果汁絞り器を使用することによって、レモン等の柑橘類果実が固い外皮を有していても、果汁漏れを防止しつつ料理等に直接添加できるなど、果汁を別容器に取り出すことなく衛生的に搾汁することができる。
【符号の説明】
【0017】
10 漏斗部
10−1 外縁
10−2 注ぎ口管
10−3 中心穴
11 垂直刃
12 回転止め部
13 貯留カップ
14 連結盤
【要約】 (修正有)
【課題】料理等に直接添加したり、口径の小さなペットボトルに直接注ぐなど、果汁を別容器に取り出すことなく衛生的に搾汁することができる果汁絞り器を提供する。
【解決手段】果実を搾汁する果汁絞り器であって、該果汁絞り器は、外縁10−1と注ぎ口管10−2とによってジョウゴ状に形成される漏斗部10と、漏斗部10の中心にあって注ぎ口管10−2に果汁を導くための中心穴10−3の周囲に形成される垂直刃11と、果実の回転による垂直刃11及び漏斗部10の共回りを防止するための回転止め部12とから構成される。
【選択図】
図1