(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本実施形態に係る建設現場システム10の構成概略図が示されている。建設現場システム10は、サーバ12及び建設現場端末14を含んで構成される。サーバ12と建設現場端末14は、LAN(Local Area Network)あるいはインターネットなどの通信回線16を介して互いに通信可能となっている。なお、
図1においては、1つの建設現場端末14が示されているが、建設現場システム10は、1又は複数の建設現場で用いられる複数の建設現場端末14が含まれていてもよい。
【0018】
建設現場端末14は、建設現場において作業を行う現場作業者が携帯するものである。本明細書においては、「建設物」という用語は、建築物のみならず、道路、橋、ダム、堤防、あるいは鉄道などといった土木作業による構造物を意味する。また、「建設」とは、建設物を作ることを意味する。
【0019】
また、本明細書においては、「建築物」という用語は、建築基準法に従い、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含む概念である。また、「建築」という用語は、建築物を作ることを意味する。
【0020】
また、本明細書における「現場作業者」は、建設物の施工を行う施工者のみならず、建設物の検査を行う検査者、あるいは建設現場の管理を行う管理者を含む概念である。
【0021】
図2は、サーバ12の構成概略を示す図である。サーバ12はコンピュータにより構成される。サーバ12は以下に説明する機能を発揮する限りにおいてどのようなコンピュータにより構成されてもよい。
【0022】
制御部54は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。制御部54は、後述の記憶部22に記憶されたプログラムに従って、サーバ12の各部を制御する。
【0023】
記憶部22は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、あるいはハードディスクなどを含んで構成される。記憶部22には、サーバ12の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。また、
図2に示す通り、記憶部22には、電子建設図面24及び工事写真データ26が記憶される。
【0024】
電子建設図面24は、建設物に関する電子化された建設図面である。電子建設図面24には、電子化された、設計図、竣工図、仮設図、土工図、あるいは配置図などが含まれる。また、電子建設図面24は、平面図、立面図あるいは斜視図などであってよい。
図3に、電子建設図面24の例が示されている。
図3の例では、電子建設図面24は、ビルに関する図面であって、当該ビルの1階床部分の梁の状態を示した梁伏図となっている。
【0025】
電子建設図面24には、当該電子建設図面24が示す建設物の各箇所の位置を示す建設物位置情報が含まれる。建設物位置情報は、電子建設図面24の作成者などによって電子建設図面24に付与されてよい。
【0026】
本実施形態では、電子建設図面24が2次元の座標軸(X軸及びY軸)を有しており、X軸上に複数のポイント(X1〜X10)、Y軸上に複数のポイント(Y1〜Y7)が設けられている。これにより、電子建設図面24において格子状ブロック群が定義される。例えば、1つのブロックの例としては、X軸座標がポイントX1〜X2までの間であり、Y軸座標がポイントY1〜Y2までの間である領域である。本実施形態では、電子建設図面24は、建設物位置情報として、X軸及びY軸上の各ポイントの座標を有している。また、電子建設図面24が3次元図面である場合には、電子建設図面24がさらに高さ方向の軸であるZ軸を有しており、建設物位置情報として、Z軸上の複数のポイントの座標を有していてもよい。なお、座標とは、例えば緯度、経度、及び高度を含む情報である。
【0027】
また、建設物位置情報としては、種々の態様で電子建設図面24に含まれ得る。例えば、建設物位置情報として、建設物における複数の特徴点24aの位置(
図3の例では各柱の位置)の座標が与えられていてよい。あるいは、建設物位置情報としては、電子建設図面24の特定位置(例えば原点)の座標と、縮尺度と、緯度方向、経度方向及び高さ方向を示す情報とであってもよい。特定位置の座標と、縮尺度と、各方向が識別できれば、それらに基づいて、電子建設図面24の各箇所における座標を計算することができる。
【0028】
好適には、電子建設図面24には、現場作業者が作業を行うべき位置を示す作業位置情報が含まれていてよい。本実施形態では、作業位置情報として、現場作業者が作業を行うべき位置の座標が電子建設図面24に含まれる。作業位置情報は、電子建設図面24の作成者、あるいは建設現場の管理者などによって電子建設図面24に付与されてよい。
【0029】
図3の例では、作業位置情報として、電子建設図面24上に複数の作業領域24bが定義されている。各作業領域24bは、ある程度の範囲(面積)を有するものであってよい。
図3の例では、ビルの1階床部分の梁の状態の検査を行うべき位置として、複数の作業領域24bが示されている。検査には、検査対象の写真(工事写真)を撮影することが必要となるから、複数の作業領域24bが示す情報は、現場作業者が撮影すべき工事写真の撮影対象の位置を示す撮影位置情報であるともいえる。
【0030】
各作業位置情報は、そこで作業すべき作業内容が識別されて定義されるのが好ましい。
図3の例では、各作業領域24bにおいて、それぞれ作業内容(
図3の例では検査内容)S1〜S5を作業(
図3の例では検査)すべきであることが示されている。また、建設物に対する工事が複数の工程を含んでいる場合においては、各作業位置情報には、どの工程に対応するものであるか(どの工程で作業するべきか)を識別可能な態様で定義されるのが好ましい。
【0031】
図2に戻り、工事写真データ26は、建設現場において現場作業者が建設物を撮影して取得され、サーバ12に送信されるものである。工事写真データ26としては、例えば、工事の1つの工程が終わる度に当該工事の結果(できばえ)を撮影することで取得される。あるいは、検査者が検査対象を撮影することで取得される。
【0032】
通信部28は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信部28は、通信回線16を介して建設現場端末14と通信する機能を発揮する。例えば、サーバ12は、通信部28により電子建設図面24を建設現場端末14に送信する。このように、通信部28は送信部としても機能する。また、サーバ12は、通信部28により工事写真データ26を建設現場端末14から受信する。
【0033】
図4は、建設現場端末14の構成概略を示す図である。建設現場端末14は、現場作業者が携帯する携帯端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末である。
【0034】
記憶部40は、例えばRAMあるいはROMなどを含んで構成される。記憶部40には、建設現場端末14の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。また、
図4に示す通り、記憶部40には、サーバ12から受信した電子建設図面24、及び後述の撮影部50が撮影した工事写真データ26が記憶される。
【0035】
通信部42は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信部42は、通信回線16を介してサーバ12と通信する機能を発揮する。例えば、建設現場端末14は、通信部42により電子建設図面24をサーバ12から受信する。また、建設現場端末14は、通信部42により工事写真データ26をサーバ12に送信する。
【0036】
表示部44は、例えば液晶ディスプレイなどを含んで構成される。表示部44には、各種画面が表示される。特に、表示部44には電子建設図面24が表示される。また、後述の撮影部50が起動された際には、表示部44には撮影画面が表示される。
【0037】
入力部46は、例えばタッチパネルあるいはボタンを含んで構成される。入力部46は、現場作業者の命令を建設現場端末14に入力するためのものである。
【0038】
音声出力部48は、例えばスピーカを含んで構成される。音声出力部48は音声信号を音声として出力する。
【0039】
撮影部50は、例えばカメラあるいは撮像素子(例えばCCD(Charge Coupled Device)センサ)などを含んで構成される。撮影部50は建設現場における撮影対象を撮影して工事写真データ26を取得する。撮影部50により取得された工事写真データ26は、記憶部40に記憶され、直ちに後述の写真データ処理部60によって処理されてサーバ12に送信される。
【0040】
現在位置情報取得部52は、例えば複数のGPS衛星からの信号を受信するGPS(Global Positioning System)受信機などを含んで構成される。現在位置情報取得部52は、建設現場端末14の現在位置を示す現在位置情報を取得する。本実施形態では、現在位置情報取得部52は、現在位置情報として、緯度、経度、及び高度を含む座標を取得する。
【0041】
制御部54は、例えばCPUあるいはマイクロコンピュータなどを含んで構成される。制御部54は、記憶部40に記憶されたプログラムに従って建設現場端末14の各部を制御する。また、
図4に示される通り、制御部54は、表示制御部56、通知制御部58、及び写真データ処理部60としての機能を発揮する。
【0042】
表示制御部56は、種々の画面を表示部44に表示させる制御を行う。特に、表示制御部56は、サーバ12から受信し記憶部40に記憶された電子建設図面24を表示部44に表示させる。
【0043】
図5には、電子建設図面24が表示部44に表示された様子が示されている。本実施形態では、表示制御部56は、表示部44に電子建設図面24を表示させると共に、電子建設図面24上における建設現場端末14の現在位置を示す現在位置指標70を表示させる。現在位置指標70の表示処理の詳細は以下の通りである。
【0044】
電子建設図面24上における建設現場端末14の現在位置は、電子建設図面24に含まれる建設物位置情報と、現在位置情報取得部52が取得した現在位置情報とに基づいて特定される。例えば、簡単のため電子建設図面24のX軸方向が緯度方向に一致する場合を考えると、緯度方向(すなわちX軸方向)に着目した場合、現在位置情報が示す緯度が35.35055度であり、X軸上のポイントX2(
図3参照)の緯度が35.35054度であり、X軸上のポイントX3の緯度が35.35056度である場合、緯度方向においては、電子建設図面24上の建設現場端末14の現在位置として、ポイントX2とポイントX3との中間点が特定できる。同様にして、Y軸方向あるいはZ軸方向においても、電子建設図面24上における建設現場端末14の現在位置を特定することができる。
【0045】
表示制御部56は、上記のような処理によって特定された電子建設図面24上の位置に、現在位置指標70を表示させる。もちろん、建設現場端末14は、携帯端末であるから、その現在位置は刻々と変化する。したがって、表示制御部56は、電子建設図面24上における建設現場端末14の現在位置の特定処理を常時(あるいは間欠的に)行い、現在位置指標70の表示位置を刻々と変化させる。
【0046】
なお、
図5に示すように、表示制御部56は、建設現場端末14の現在位置72を文字で表示するようにしてもよい。本実施形態では、現在位置72は、電子建設図面24のX軸、Y軸(及びZ軸)で定義された格子状ブロック群のうち、建設現場端末14の位置を含むブロックで示されている。例えば、
図5の例では、現在位置72がX:2−3、Y:3−4となっており、これは、建設現場端末14が、電子建設図面24のX軸方向においてポイントX2とX3の間に位置し、Y軸方向においてポイントY3とY4の間に位置することを意味している。また、建設現場端末14の現在位置72として、建設現場端末14の現在位置の座標を表示するようにしてもよい。また、表示制御部56は、現場作業者が現在作業すべき工程を示す工程情報74を表示するようにしてもよい。工程情報74は、現場作業者などによって建設現場端末14に予め入力される。
【0047】
また、表示制御部56は、1つの工程内において現場作業者が現在作業すべき作業内容を示す作業内容情報76を表示するようにしてもよい。
図5の例では、作業内容情報76として検査内容が示されている。作業内容情報76も、現場作業者などによって建設現場端末14に予め入力されてよい。あるいは、工程内で作業を行う順番が予め決定している場合(例えばS1→S2→・・・→S5の順に検査を行うなど)には、作業順を示す情報を建設現場端末14に予め入力しておき、制御部54は、1番目の作業内容(例えば作業内容S1)が完了したことを検知した場合に、自動的に、2番目の作業内容(例えば作業内容S2)の作業に移ったと識別し、表示制御部56は、作業内容情報76として2番目の作業内容を表示するようにしてもよい。作業内容の完了は、例えば当該作業内容に関する工事写真データ26が撮像されたこと、あるいは、現場作業者による入力に基づいて検知することができる。
【0048】
さらに、表示制御部56は、撮影ボタン78を表示させる。現場作業者が撮影ボタン78をタッチすると、撮影部50が起動され、表示制御部56は撮影画面を表示させる。
【0049】
以上のように、表示制御部56が電子建設図面24と共に現在位置指標70を表示させることによって、建設現場端末14を携帯した現場作業者は、電子建設図面24上における自分の現在位置を容易に把握することができる。
【0050】
図4に戻り、通知制御部58は、電子建設図面24に含まれる作業位置情報と、現在位置情報取得部52が取得した現在位置情報とに基づいて、建設現場端末14を携帯する現場作業者に対する通知を出力する処理を実行する。具体的には、通知制御部58は、作業位置情報が示す位置と建設現場端末14の現在位置との位置関係に応じて通知を出力する処理を行う。
【0051】
通知の態様としては種々の態様が考えられる。例えば、表示部44に通知(例えばメッセージ)を表示するようにしてもよい。この場合は、表示部44が通知出力部として機能する。あるいは、表示部44への表示に加えてあるいは代えて、音声出力部48から通知(例えばアラーム音)を出力する、あるいは建設現場端末14が発光部を有しているならば、通知として当該発光部を光らせるようにしてもよい。この場合は、音声出力部48あるいは発光部も通知出力部として機能する。
【0052】
本実施形態では、通知制御部58は、作業位置情報が示す位置と、現在位置情報が示す位置(つまり建設現場端末14の現在位置)との間の距離が所定距離以内である場合に通知を出力する。作業位置情報が示す位置と建設現場端末14の現在位置との間の距離が所定距離以内であるということは、現場作業者が作業を行うべき位置に近づいたということができる。したがって、通知制御部58は、作業を行うべき位置に近づいたことを現場作業者に知らせるべく通知を出力する。
【0053】
図6に、作業位置情報が示す位置と、現在位置情報が示す位置との間の距離が所定距離以内である場合に通知が表示部44に表示された様子が示されている。
図6の例では、工程情報74及び作業内容情報76が示す通り、現場作業者が現在行うべき作業内容は、検査工程の作業内容S1である。したがって、通知制御部58は、表示された電子建設図面24が有する作業位置情報のうち、工程が検査であって作業内容S1に対応する作業位置情報を選択し、選択した作業位置情報が示す位置を特定する。ここでは、作業内容S1(
図3参照)に対応する作業領域24bの位置が特定される。その上で、通知制御部58は、特定した位置と、現在位置情報取得部52が取得した現在位置情報が示す位置とに基づいて両位置の間の距離を計測する。そして、通知制御部58は、計測した距離が所定距離以下である場合に、例えば「撮影位置近傍です」というような通知メッセージ80を表示部44に表示させる。なお、作業内容S1に対応する複数の作業領域24bが特定された場合は、通知制御部58は、複数の作業領域24bの位置それぞれと、現在位置情報が示す位置との距離を計測し、いずれかの距離が所定距離以下である場合に通知を出力する。
【0054】
上述のように、通知制御部58は、現場作業者が現在作業すべき作業内容に対応した作業位置情報が示す位置に建設現場端末14が近づいたときに通知を出力する。換言すれば、通知制御部58は、現在作業を行うべきではない作業内容に対応した作業位置情報が示す位置に建設現場端末14が近づいたとしても通知を出力しない。例えば、
図5の例では、建設現場端末14は、作業内容S2に対応する作業領域24b(
図3参照)近傍に位置しているが、現場作業者が現在行うべき作業は作業内容S1であるため、通知制御部58は通知を出力しない。これにより、通知制御部58はより適切な通知を出力することができる。
【0055】
また、現場作業者が現在行うべき作業が建設物における撮影対象を撮影することである場合、通知制御部58は、撮影部50が起動されたときに、作業位置情報(ここでは撮影位置情報)が示す位置と、現在位置情報が示す位置との間の距離が所定距離より大きい場合に通知を出力する。現場作業者が撮影部50を起動させたということは、現場作業者はその位置において作業(すなわち撮影)を行うと判断できる。また、撮影位置情報が示す位置と、撮影部50が起動されたときの建設現場端末14の現在位置との間の距離が所定距離より大きいということは、本来撮影を行うべき位置から離れた位置において現場作業者が撮影を行おうとしているということができる。したがって、通知制御部58は、誤った位置で作業を行おうとしていることを現場作業者に知らせるべく通知(ここでは警告ともいえる)を出力する。
【0056】
図7は、現場作業者が撮影ボタン78(
図6参照)にタッチしたことで表示部44に表示される撮影画面90の例を示す図である。なお、ここでは、現場作業者が現在行うべき作業内容は、検査工程の作業内容S1であるとし、現場作業者は、
図5の現在位置指標70が示す位置において撮影ボタン78をタッチしたとする。
【0057】
撮影ボタン78がタッチされて撮影部50が起動したとき、通知制御部58は、表示された電子建設図面24が有する作業位置情報のうち、工程が検査であって作業内容S1に対応する作業位置情報を選択し、選択した作業位置情報が示す位置を特定する。ここでも、作業内容S1に対応する作業領域24b(
図3参照)の位置が特定される。その上で、通知制御部58は、特定した位置と、現在位置情報取得部52が取得した現在位置情報が示す位置とに基づいて両位置の間の距離を計測する。そして、通知制御部58は、計測した距離が所定距離より大きい場合に、例えば「撮影位置から離れています」というような通知メッセージ92を表示部44に表示させる。
【0058】
なお、撮影部50が起動したときに、作業位置情報が示す位置と、建設現場端末14の位置との間の距離が所定距離以内である場合、通知制御部58は撮影部50の起動前から、作業を行うべき位置に近づいたことを現場作業者に知らせる通知を出力していることになるが、撮影部50の起動後においても、すなわち撮影画面90においても、引き続き作業を行うべき位置に近づいたことを現場作業者に知らせる通知を表示させるようにしてもよい。
【0059】
また、表示制御部56は、撮影画面90において図面表示ボタン94を表示させる。現場作業者が図面表示ボタン94をタッチすると、表示制御部56は電子建設図面24の表示画面(
図5あるいは
図6参照)を表示させる。
【0060】
図4に戻り、写真データ処理部60は、撮影部50が取得した工事写真データ26に対する処理を実行する。具体的には、写真データ処理部60は、撮影部50が撮影対象を撮影したときの建設現場端末14の位置を示す写真取得位置情報を工事写真データ26に付与する。写真データ処理部60は、撮影部50が撮像したタイミングで現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報を写真取得位置情報とする。
【0061】
写真取得位置情報の工事写真データ26への付与の方法としては様々な方法が考えられる。例えば、写真取得位置情報を工事写真データ26のメタデータ(属性データ)として含めるようにしてもよい。
【0062】
本実施形態においては、写真データ処理部60は、写真取得位置情報を工事写真データ26の画像に重畳させる。
【0063】
図8には、写真取得位置情報が重畳された工事写真データ26の画像100が示されている。写真データ処理部60は、工事写真データ26に関する各種の情報を含む電子黒板102を画像100に重畳させる。従来から、建設現場においては、1つの作業が終了した際に、当該作業に関する各種の情報(工事名、作業日、作業者など)を黒板に手書きで書き込み、当該黒板と共に当該作業の結果を撮影することが行われている。電子黒板102は、当該黒板を電子化したものである。
【0064】
電子黒板102には、工事名、作業日としての検査日、作業対象としての検査対象、作業の請負者、及び作業担当者としての検査担当者などの情報が含まれる。これらの情報は、サーバ12から送られてもよいし、現場作業者が建設現場端末14に入力してもよい。さらに、
図8に示されるように、電子黒板102には、作業内容、及び、写真取得位置情報が含まれる。本実施形態では、電子黒板102には、電子建設図面24のX軸及びY軸上の複数のポイントにより定義された格子状ブロック群のうち、写真取得位置情報が示す位置を含むブロックが表示される。
図8の例では、撮影位置:X:2−3、Y:4−5と表示されているので、これは、当該画像100が、電子建設図面24上のX座標がポイントX2とX3の間であり、Y座標がポイントY4とY5の間において撮影されたことを意味する。なお、写真取得位置情報として、緯度、経度及び高度を含む座標を電子黒板102に含めるようにしてもよい。
【0065】
従来において、取得された工事写真データ26が、正しい位置で撮影されたものであるのかを事後的に判別することが困難となる場合がある。例えば、
図3などに示されたビルの床梁伏構造は、広範囲において同様な構造が続く。このような場合、床梁伏構造のどこで工事写真データ26を取得したとしても、その画像は似通ったものとなる。したがって、取得された工事写真データ26が正しい位置で撮影されたものであるのかを事後的に判別することはかなり困難となる。
【0066】
本実施形態によれば、工事写真データ26に写真取得位置情報が付与されるため、建設現場の管理者あるいは工事の発注者は、工事写真データ26が確かに正しい位置で撮影されたものであることを事後的に把握することができる。
【0067】
別の観点から見ると、工事写真データ26に写真取得位置情報が付与されるため、工事写真の撮影位置に関する改ざんを防止することができる。具体的には、本来第1の位置で撮影すべきところ、第1の位置とは異なる第2の位置で撮影して取得された工事写真データ26を第1の位置で撮影されたものとする改ざんを防止することができる。
【0068】
工事写真データ26を印刷して得られる工事写真は、工事日報に添付され、建設現場の管理者あるいは発注者などに提出されるのが一般的である。写真取得位置情報を工事写真データ26の画像に重畳させることで、工事写真に写真取得位置情報も印刷されることになる。したがって、工事日報に添付された工事写真をして、確かに適切な位置で作業を行ったことを示す証拠(エビデンス)とすることができる。
【0069】
本実施形態に係る建設現場システム10の概要は以上の通りである。以下、
図9に示されたフローチャートに従って、建設現場端末14の処理の流れを説明する。なお、
図9のフローチャートの開始時において、建設現場端末14は、サーバ12から電子建設図面24を受信済であり、建設現場において現場作業者によって携帯されているものとする。
【0070】
ステップS10において、現在位置情報取得部52は、建設現場端末14の現在位置を示す現在位置情報を取得する。
【0071】
ステップS12において、表示制御部56は、サーバ12から受信し記憶部40に記憶された電子建設図面24を表示部44に表示させる。それと共に、表示制御部56は、電子建設図面24に含まれる建設物位置情報と、ステップS10で取得した現在位置情報とに基づいて、電子建設図面24上における建設現場端末14の現在位置を特定し、表示部44に表示された電子建設図面24上に現在位置指標70を表示させる。
【0072】
ステップS14において、通知制御部58は、電子建設図面24に含まれる作業位置情報が示す位置と、ステップS10で取得した現在位置情報が示す位置との間の距離を計測し、計測した距離が所定距離以下であるか否かを判定する。計測した距離が所定距離以下である場合はステップS16に進み、計測した距離が所定距離より大きい場合はステップS16をバイパスしてステップS18に進む。
【0073】
ステップS16において、通知制御部58は、現場作業者に対して通知を出力する。当該通知は、作業を行うべき位置に近づいたことを現場作業者に知らせるためのものである。
【0074】
ステップS18において、制御部54は、撮影部50が起動したか否かを判定する。撮影部50が起動していないと判定された場合はステップS10に戻る。すなわち、撮影部50が起動するまで、制御部54は、ステップS10からS16までの処理を繰り返す。撮影部50が起動したと判定された場合はステップS20に進む。
【0075】
ステップS20において、通知制御部58は、電子建設図面24に含まれる作業位置情報が示す位置と、ステップS10で取得した現在位置情報が示す位置との間の距離を計測し、計測した距離が所定距離より大きいか否かを判定する。計測した距離が所定距離より大きい場合はステップS22に進み、計測した距離が所定距離以下である場合はステップS22をバイパスしてステップS24に進む。
【0076】
ステップS22において、通知制御部58は、現場作業者に対して通知(ここでは警告ともいえる)を出力する。当該通知は、誤った位置で作業を行おうとしていることを現場作業者に知らせるためのものである。
【0077】
ステップS24において、撮影部50は、現場作業者の指示に従って撮影対象を撮影することで工事写真データ26を取得する。
【0078】
ステップS26において、写真データ処理部60は、撮影部50が撮影対象を撮影したときの建設現場端末14の位置を示す写真取得位置情報を工事写真データ26に付与する。
【0079】
ステップS28において、通信部42は、ステップS26で写真取得位置情報が付与された工事写真データ26をサーバ12へ送信する。
【0080】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。