(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886781
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】マシンラック空調ガイド機制
(51)【国際特許分類】
F24F 3/044 20060101AFI20210603BHJP
F24F 11/30 20180101ALI20210603BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20210603BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20210603BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
F24F3/044
F24F11/30
F24F11/62
H05K7/20 U
H05K7/20 H
H05K7/20 G
H05K7/18 K
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-128417(P2016-128417)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-15386(P2017-15386A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2019年7月1日
(31)【優先権主張番号】104121584
(32)【優先日】2015年7月3日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513133033
【氏名又は名称】曾 慶照
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】特許業務法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾 慶照
【審査官】
佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−055883(JP,A)
【文献】
特開2004−063755(JP,A)
【文献】
特表2006−507606(JP,A)
【文献】
特開平05−267860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/044
F24F 11/30
F24F 11/62
H05K 7/18
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電子装置を安置させる収容空間を有する少なくとも1つのマシンラックと、
それぞれ該マシンラック前後側に適合して結合する前拡張筐体及び後拡張筐体を含み、 該前拡張筐体内部に前方空間を有し、該後拡張筐体内部に後方空間を有し、該前拡張筐体及び該後拡張筐体が該マシンラックに結合される時、該前方空間、該後方空間及び該マシンラック内の収容空間が連通し、外に対して閉鎖を形成し、該前拡張筐体は、外部の冷気を内へ導入することに用いる少なくとも1つの前ガイドモジュールを設け、該後拡張筐体は、内部で生成する熱気を外へ導出することに用いる後ガイドモジュールを設け、該マシンラック内部に直接作用する単一方向気流機制を形成する少なくとも1つの空調ガイドモジュールと、
冷連通管路、熱連通管路及び冷却装置を含み、該冷却装置は、熱気を受け取り、冷気を生成し、該冷連通管路は、それぞれ該前ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該冷却装置が生成する冷気を該前拡張筐体に供給することに用いられ、該熱連通管路は、それぞれ該後ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該後拡張筐体が導出する熱気を該冷却装置に供給することに用いられる冷却機制と、を含み、
前記前ガイドモジュールは、導入口及び前送風ユニットを含み、該後ガイドモジュールは、導出口及び後送風ユニットを含み、
前記後拡張筐体内に温度センサユニットを設け、内部の温度をセンシングし、該前送風ユニット及び該後送風ユニットが空気をガイドする速度を調節し、
前記前拡張筐体は、2つの前ガイドモジュールを設け、それぞれ該前拡張筐体の上部及び底部に配置し、且つ該冷却機制は、2つの冷連通管路を含み、それぞれ相対する上方又は下方から該2つの前ガイドモジュールを該冷却装置に接続することを特徴とする、
マシンラック空調ガイド機制。
【請求項2】
前記後拡張筐体内に複数の温度センサユニットを設け、それぞれ異なる高さの位置に配置し、後拡張筐体内部の異なる高さの温度をセンシングし、それぞれ対応する該2つの前ガイドモジュールが空気をガイドする速度を調節することができる請求項1に記載のマシンラック空調ガイド機制。
【請求項3】
前記マシンラック及び該空調ガイドモジュールは、数量が対応する数量であり、且つ該冷連通管路は、複数の接続端を設け、それぞれ該各前拡張筐体の前ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該熱連通管路は、複数の接続端を設け、それぞれ該各後拡張筐体の後ガイドモジュール及び該冷却装置に接続する請求項2に記載のマシンラック空調ガイド機制。
【請求項4】
前記前拡張筐体は、更に、該前方空間を利用し、少なくとも1つの電源分配装置又は少なくとも1つの配線管理装置を収容設置する請求項1又は請求項2に記載のマシンラック空調ガイド機制。
【請求項5】
前記前拡張筐体は、前方空間に電源分配装置を取り付け、且つ該電源分配装置は、一側に間隔をおいて配列される複数の給電ユニットを設け、該各給電ユニットは、それぞれ該マシンラック内の電子装置の収容を予定する位置に対応する請求項1又は請求項2に記載のマシンラック空調ガイド機制。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシンラック又はマシンルームに応用する空調管理システムに関し、特に、空調を直接マシンラックへガイドするマシンラック空調ガイド機制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマシンルームに対する空調管理は、マシンルームの全体空間に統一性の計画を行い、ただコストが高いだけでなく、且つマシンラックを配列設置するのに大きな空間を必要とし、各マシンラックの間の冷/熱通路を計画するのに相当大きな空間を保留する必要があり、空間資源を極めて消費する。また、その多くは、マシンルーム全体の空間に空調の循環を行うことで大量のエネルギーの浪費を招く。
【0003】
図1に示すように、従来のマシンルーム9の空調計画であり、それは、4列のマシンラック90を設置し、各列のマシンラック90は、2つずつ正面背面が相互に対応し、且つ相互の間に一定の間隔を保留し、正面の間の間隔を冷通路92とし、反対面の間の間隔を熱通路93とし、二側の冷却装置91を利用して冷気を冷通路92に導入し、冷気をマシンラック90の正面からマシンラック90中に流入し(図中の中空の矢印で示すのは、冷気の流れである)、マシンラック90中の電子装置に対して熱交換の空調処理を行い、最後に熱気をマシンラック90の背面から排出させ、熱通路93に集中させ、冷却装置91に回収させ(実心の矢印で示すのは熱気の流れである)、冷気として再生し、完全な空調循環を形成する。この種の計画的マシンルーム9は、上げ床95及び仕切り板94を利用し、冷通路92を独立して仕切り、冷気が外へ流れてエネルギーの浪費を形成することを回避するが、それは、依然として大きな空間を有してマシンラック90を配列させる必要であり、且つ上げ床95の設置も大きなコストを生じる。
【0004】
更に
図2に示すように、もう1つの従来のマシンルーム9の空調計画は、冷却装置91をマシンラック90の配列中に併せて配列し、冷却装置91にマシンラック90の背面箇所の熱通路93から直接熱気を回収させ、冷気を直接冷通路92中に供給するが(図に示すように、中空の矢印は冷気の流れを示し、実心の矢印は、熱気の流れを示す)、この種の計画は、依然として大きな空間を有してマシンラック90を配列設置させる必要があり、上げ床の構築コストを節減できるが、その冷通路92、熱通路93は、何れも開放式の設計であり、冷却装置91が供給する冷気は、マシンルーム9のその他の空間に消費され、エネルギーの浪費を招くだけでなく、マシンラック90の空調管理に対する性能を低下させる。
【0005】
従来のマシンルームの空調計画の多くの困難及び欠陥に鑑み、発明者は、改善の道を研究し、ようやく本発明を誕生させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-21711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、空調ガイドモジュールを利用し、マシンルームの空調計画に必要な空間を顕著に低減し、且つ既存のマシンラックに適用可能にし、全体の空調計画に要するコストを大幅に低減することにある。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、空調ガイドモジュール及びマシンラックの組み合わせを利用し、閉鎖式の空間を形成し、直接マシンラックに対して空調ガイドを行う方式を利用し、マシンラックに対する空調処理の最適な性能を達成し、且つエネルギーの消費を大幅に低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為、本発明が提供する空調ガイドモジュールは、マシンラックに応用され、それが採用する技術手段は、形状が該マシンラックに適合した前拡張筐体及び後拡張筐体を含み、それは、それぞれ該マシンラックの前後側に結合することに用いられ、該前拡張筐体内部に前方空間を有し、該後拡張筐体内部に後方空間を有し、該前拡張筐体及び該後拡張筐体がマシンラックに結合される時、該前方空間及び該後方空間は、該マシンラックに連通する収容空間であり、外部と隔離した空間を形成する。また、該前拡張筐体は、外部冷気を内へ導入する少なくとも1つの前ガイドモジュールを設け、該後拡張筐体は、内部で生成された熱気を外へ導出することに用いられる後ガイドモジュールを設け、該マシンラック内部に対して直接空調処理を行う空調ガイドモジュールを構成する。直接冷気を導入し、熱気を導出する方式によって、エネルギーを有効に節減し、マシンラック中の電子装置に対して最適な空調処理を行うことができる。
【0010】
好ましくは、該前ガイドモジュールは、導入口及び前送風ユニットを含み、該後ガイドモジュールは、導出口及び後送風ユニットを含む。
【0011】
好ましくは、該前ガイドモジュールは、該前拡張筐体の上部又は底部に設けられ、該後ガイドモジュールは、該後拡張筐体の上部に設けられることができる。
【0012】
好ましくは、該後拡張筐体内に温度センサユニットを設け、内部の温度をセンシングし、該前ガイドモジュール及び該後ガイドモジュールの空気をガイドする速度を調節する。
【0013】
また、前記の空間ガイドモジュールに基づき、冷却装置を組み合わせ、各種規格のマシンルーム中に適用することができ、複数のマシンラックを有する時、空間計画上の困難を有し難く、従来のマシンルーム中に直接適用でき、全体の空調計画を改めて作り直す必要がなく、建設コストを低減する。また、各マシンラックに対して直接空調ガイドを行う機制を利用し、エネルギーを有効に節減し、各マシンラックの熱交換処理に最適化した性能を達成させる。
【0014】
このため、本発明が提供するマシンラック空調ガイド機制は、少なくとも1つのマシンラック、少なくとも1つの空調ガイドモジュール及び冷却機制を含む。そのうち、該マシンラック内部は、電子装置を安置させることができる収容空間を有し、該空調ガイドモジュールは、該マシンラックに対応し、該マシンラック前後側に適合して結合する前拡張筐体及び後拡張筐体を含み、該前拡張筐体内部に前方空間を有し、該後拡張筐体内部に後方空間を有し、該前拡張筐体及び該後拡張筐体がマシンラックに結合する時、該前方空間、該後方空間及び該マシンラック内の収容空間が連通氏、外に対して閉鎖し、また、該前拡張筐体は、外部の冷気を内へ導入する少なくとも1つの前ガイドモジュールを設け、該後拡張筐体は、内部に生成された熱気を外へ導出する少なくとも1つの後ガイドモジュールを設け、該マシンラック内部に直接作用する単一方向気流機制を形成する。該冷却機制は、冷連通管路、熱連通管路及び冷却装置を含む。該冷却装置は、熱気を受け取って冷気を生成することに用いられる。該冷連通管路は、それぞれ該前ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該冷却装置が生成する冷気を該前拡張筐体に供給することに用いられる。該熱連通管路は、それぞれ該後ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該後拡張筐体が導出する熱気を該冷却装置に供給することに用いられる。
【0015】
これにより、冷連通管路及び熱連通管路を利用し、直接マシンラックに対して空調ガイドを行う方式で、冷却装置が生成する冷気が外部環境中に散逸されることを有効に回避し、エネルギーの使用を節減し、且つ直接ガイドの方式でマシンラック内部に熱交換処理を十分に完成させ、適用な温度を保持させることができ、その内部の電子器材を良好な状態に保持させる。
【0016】
好ましくは、該前ガイドモジュールは、導入口及び前送風ユニットを含み、該後ガイドモジュールは、導出口及び後送風ユニットを含む。
【0017】
好ましくは、該後拡張筐体内に温度センサユニットを設け、内部の温度をセンシングし、該前送風ユニット及び該後送風ユニットが空気をガイドする速度を調節する。
【0018】
好ましくは、該前拡張筐体は、2つの前ガイドモジュールを設け、それぞれ該前拡張筐体の上部及び底部に配置し、且つ該冷却機制は、2つの冷連通管路を含み、それぞれ相対する上方又は下方から該2つの前ガイドモジュールを該冷却装置に接続する。
【0019】
好ましくは、該後拡張筐体内に複数の温度センサユニットを設け、それぞれ異なる高さの位置に配置し、後拡張筐体内部の異なる高さの温度をセンシングし、それぞれ対応する該2つの前ガイドモジュールが空気をガイドする速度を調節することができる。
【0020】
好ましくは、該マシンラック及び該空調ガイドモジュールは、数量が対応する数量であり、且つ該冷連通管路は、複数の接続端を設け、それぞれ該各前拡張筐体の前ガイドモジュール及び該冷却装置に接続し、該熱連通管路は、複数の接続端を設け、それぞれ該各後拡張筐体の後ガイドモジュール及び該冷却装置に接続する。
【0021】
また、本発明のマシンラック空調ガイド機制は、更に前拡張筐体の前方空間及び後拡張筐体の後方空間を利用することができ、電子装置の安置に必要な関連アクセサリ、例えば、電源分配装置又は配線管理装置等を合わせ、この付加空間を有効に利用し、マシンラック内の取り付けが混雑して気体の流動に影響を及ぼすことを回避することができ、気流に良好な流通性を保有させ、マシンラック内部の放熱効率を向上する。
【0022】
好ましくは、前方空間又は後方空間に取り付けられる電源分配装置は、一側に間隔をおいて配列される複数の給電ユニットを設け、且つ該各給電ユニットは、それぞれ該マシンラック内の電子装置の収容を予定する位置に対応する。
【発明の効果】
【0023】
上記を総合し、本発明が開示するマシンラック空調ガイド機制は、冷連通管路及び熱連通管路によってマシンラックに対して直接外部空調ガイドの処理を行うことができ、且つ内部に設置した温度センサユニットを利用し、各マシンラック内部の異なる位置の電子器材の温度に基づき、相応する位置の前ガイドモジュールを調節し、空気のガイドの速度を増加(又は低減)し、内部空調ガイドの効果を形成し、エネルギーを節約し、最適化された空調管理を達成する。
【0024】
前記後拡張筐体に配設した温度センサユニットは、それがセンシングする温度がマシンラック中の電子装置の作動時に発散する熱エネルギーに相応し、故に放熱の要求としてみなすことができ、異なる位置の温度センサユニットによって、マシンラック中の放熱が必要な領域を具体的に知ることができ、必要に応じて相応する位置を調整する前ガイドモジュールは、冷気を十分の必要な領域へガイドすることができ、各マシンラックの内部で必要な位置に応じて空調ガイドを行う機制を達成する。また、本発明の各マシンラック中の各温度センサユニットがセンシングする情報は、該各マシンラック全体の放熱の要求を整合し、冷却装置に内蔵する制御器は、接続する各マシンラックの放熱要求の統計に基づき、適量な冷気を供給し、省エネルギーの効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来のマシンルームの空調の計画の説明図である。
【
図2】従来のもう1つの電子機器室の空調の計画の説明図である。
【
図3】空調ガイドモジュール及びマシンラックの組み合わせ説明図である。
【
図4】マシンラック内部の冷熱交換の説明図である。
【
図5】複数のマシンラックの応用例の外観説明図である。
【
図6】もう1つの複数のマシンラックの応用例の外観説明図である。
【
図7】実施状態のマシンラック内部の空調ガイドの説明図である。
【
図8】もう1つの実施状態のマシンラック内部の空調ガイドの説明図である。
【
図11】電源分配装置及び配線管理装置の配置説明図である。
【
図12】もう1つの視角の電源分配装置の配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の上記目的、効果及び特徴を更に具体的に理解させるため、本発明の好適な実施例を挙げ、図面に基づき、以下に説明する。
【0027】
図3〜
図5を参照し、本発明の実施例は、マシンラック3前後側に拡張される空調ガイドモジュール1を利用し、閉鎖式の空調システムを構成し、空調をマシンラック3に直接導入し、熱交換処理を行わせ、空調がマシンラック3の外部空間に作用して消耗するエネルギーを節約し、且つ従来のマシンルームの空調計画がマシンラックを並列する必要があり、冷、熱通路を保留するのに必要な幅を大幅に低減することができる。
【0028】
そのうち、空調ガイドモジュール1は、形状がそれぞれマシンラック3の前後側に適合する前拡張筐体10及び後拡張筐体20を含む。前拡張筐体10内部に前方空間11を有し、その一側は、マシンラック本体30前側に結合することに用い、他側は、マシンラック3の前板31を閉鎖させる。後拡張筐体20内部に後方空間21を有し、その一側は、マシンラック本体30の後側に結合し、他側は、マシンラック3の後板32を閉鎖させる。これにより、前拡張筐体10及び後拡張筐体20がマシンラック3に結合した後、前方空間11及び後方空間21がマシンラック本体30内部の収容空間301に連通し、外部と隔離した独立空間を形成する。
【0029】
前拡張筐体10は、前ガイドモジュール12を設け、外部の冷気を内へ導入することに用いられ、後拡張筐体20は、後ガイドモジュール22を設け、内部で生成される熱気を外へ導出することに用いられ、これにより、冷気を前ガイドモジュール12から導入した後(
図4の中空の矢印参照)、直接マシンラック本体30内部の伝送装置302に熱交換させ、その熱交換後の熱気を円滑に後ガイドモジュール22から導出させ(
図4の実心の矢印参照)、マシンラック3に対して直接空調ガイドを行う目的を達成する。
【0030】
可能な実施例において、前ガイドモジュール12は、導入口121及び前送風ユニット122を含み、後ガイドモジュール22は、導出口221及び後送風ユニット222を含み、導入口121及び導出口221は、それぞれ空調システムの冷連通管路41及び熱連通管路42と接続し、前送風ユニット122及び後送風ユニット222は、列記、熱気の流動の方向を制御することに用いられる。
【0031】
また、本発明の実施例は、更に、後拡張筐体20内に温度センサユニット23を設け、それは、後ガイドモジュール22付近の位置に配置することができ、マシンラック3内部の電子装置302が熱交換後に昇温した温度をセンシングすることによって、前ガイドモジュール12及び後ガイドモジュール22の空気のガイドの速度を有効に調節することができ、最適化された空調制御管理及び省エネルギーの効果を達成する。
【0032】
図5を参照し、それは、本発明の複数のマシンラックの応用例の外観説明図であり、マシンルームに適用することができ、前記空調ガイドモジュール1に結合する複数のマシンラック3を並列し、冷却機制4により各マシンラック3に対して直接ガイドを行う空調処理である。冷却機制4は、冷連通管路41、熱連通管路42及び冷却装置40を含む。冷却装置40は、熱気を受け取って冷気を生成することに用いられる。冷連通管路41は、複数の接続端を設け、それぞれ各前ガイドモジュール12の導入口121及び冷却装置40に接続し、冷却装置40が生成する冷気を各前拡張筐体10に供給することに用いられる。熱連通管路42は、複数の接続端を設け、それぞれ各後ガイドモジュール22の導出口221及び冷却装置40に接続する。各後拡張筐体20が導出する熱気を冷却装置40に供給することに用いられる。本実施例において、冷連通管路41、各前ガイドモジュール12、熱連通管路42及び各後ガイドモジュール22は、何れも各空調ガイドモジュール1の上方に位置し、これにより、冷気を前方空間11に導入後、自然に下へ流動させることができ、マシンラック3中の電子装置302が熱交換を行い、熱交換後に後方空間21中の熱気は、自然に上向きに流動することができ、後ガイドモジュール22に上方から円滑に熱気を導出させることができる。
【0033】
本発明のマシンラック空調ガイド機制の実際の応用時、マシンルーム全体を改めて計画又は建設し直す必要がなく、既存のマシンラック3を交換する必要がなく、適宜空調ガイドモジュール1をマシンラック3に結合した後、冷却機制4の冷連通管路41及び熱連通管路42が接続することで直接ガイドする空調ガイドシステムを完成することができる。また、本発明のマシンラック空調ガイド機制のアーキテクチャに基づき、使用者は、必要に応じて冷却装置40を適当に配置し、マシンラック3の数量に対応させ、各マシンラック3の放熱上の要求を満たすように確保する。
【0034】
可能な実施例において、冷連通管路41及び熱連通管路42の管路は、構築上の要求(マシンラック3の数量)に基づき、数段の管体が直列接続してなることができ、冷却装置40及び各マシンラック3を容易に接続し、空調システム冷/熱通路の計画を完成し、マシンルームのアーキテクチャを改築し直す必要がなく、マシンルームの建設のコストを大幅に低減することができる。
【0035】
また、本発明のマシンラック空調ガイド機制のアーキテクチャに基づき、各マシンラック3と空調ガイドモジュール1の組み合わせは、その内部にそれぞれ対応する温度センサユニット23を設け、空調の設定速度を有効に制御管理することができ、これにより、システムの動作時、各マシンラック3内部の要求に応じて(即ち、各マシンラック本体30中の電子装置302が発生する熱エネルギー)、適度に冷気/熱気を直接導入/導出し、冷却装置40が生成する冷気を確実に必要なマシンラック3中に供給することができ、エネルギーの浪費を招くことを回避することができる。
【0036】
図6を併せて参照し、本発明のもう1つの応用例において、各空調ガイドモジュール1の各前拡張筐体10の上部及び底部にそれぞれ前ガイドモジュール12を設け、それぞれ上方及び下方から2つの冷連通管路41により冷却装置40に接続する。下方の冷連通管路41は、図に示すように、支持脚を利用してマシンラック本体30及び前後拡張筐体10、20を持ち上げ、その下方に所定の空間を保持し、配置を行わせる。当然ながら、元のマシンルーム中に上げ床を破折してあれば、直接上げ床の風の出る位置を前拡張筐体10底部のガイドモジュール12に対応させ、本実施例の下方の冷連通管路41として使用することができ、施工で消費するコストを減少させる。これにより、各前拡張筐体10は、上部及び底部から冷気を導入することにより、マシンラック3内の電子装置302に高さの位置に関わらず、いずれも有効に冷気と接触させて熱交換を行わせることができる。
【0037】
図7を併せて参照し、各後拡張筐体20中に更に複数の温度センサユニット23を配置することができ、それは、それぞれ異なる高さに取り付けられ、本願は、上中下の3種の高さを例とし、これにより、異なる高さの温度変化によって更に、位置に対応した前ガイドモジュール12の空気をガイドする速度を調節することができる。図に示すように、マシンラック本体30中の電子装置302の多くは、上方位置に偏って配置されており、それが動作している時、上方の温度センサユニット23が温度の上昇を検出でき(図空の比較的広い実心の矢印で示すように、それが生成する空気は、相対位置の温度センサユニット23によりセンシングすることができる)、この時、前拡張筐体10上部の前ガイドモジュール12を調節し、冷気のガイドを加速でき(図中の幅広の中空矢印で示す)、適当にマシンラック本体30中の電子装置302の放熱要求に応じ、冷気の供給を行い、該電子装置302の熱交換の効率を加速し、更に内部空調のガイドの効果を達成する。同様に、下方位置に偏った温度センサユニット23が測定する温度が高い時、前拡張筐体10底部の前ガイドモジュール12を調節し、冷気のガイドを加速することができ、各温度センサユニット23が何れも温度上昇を検出する時、前拡張筐体10上部及び底部の前ガイドモジュール12が併せて冷気のガイドを加速するように調節することができる。
【0038】
図8を参照し、それは、もう1つの可能な実施態様であり、本例中のマシンラック本体30は、上から下目電子装置303、304を搭載しているが、電子装置が使用又は動作される状態が異なることにより、高速動作状態の電子装置303及び待機、スリープ状態の電子装置304に分けることができる。
【0039】
周知であるのは、マシンラック中の各電子装置は、何れも高速動作又は待機、スリープ状態であり、その具体的状態は、使用上の要求に応じて変化し、且つ電子装置303が高速動作の状態にある時大量の熱エネルギーを発生し、電子装置304が待機、スリープ状態である時、比較的微量の熱エネルギーを発生するということである。従って、高速動作状態の必要でマシンラック全体に対して空調制御管理を行い続ければ、電子器材が高度使用状態にない(待機又はスリープ)時に大量のエネルギー消費を招く。
【0040】
従って、
図8の態様において、マシンラック本体30の上方に偏った電子装置303が高速動作状態であり、比較的大量の熱エネルギーを発生し(図中の上方寄りの比較的広い実心矢印で示す)、下方に偏った電子装置304が待機、スリープ状態であり、比較的微量の熱エネルギーの発生を保持し(図中の下方寄りの比較的細い実心の矢印で示す)、この時、それが発生する熱エネルギーの違いに応じて、上方に偏った温度センサユニット23が温度の顕著な上昇をセンシングする時、対応する位置(上部)の前ガイドモジュール12の冷気をガイドする速度を加速させ(図中の上方寄りの比較的広い中空矢印で示す)、マシンラック3内の昇温する領域に対して直接冷気供給の効率を高め、その他の未昇温の領域は、元の供給速度を保持することができ(図中の下方寄りの比較的細い中空矢印で示す)、内部の直接空調ガイド及び省エネルギーの効果を達成する。
【0041】
当然ながら、前記の実施態様以外に、本発明のマシンラック空調ガイド機制は、各マシンラック3中の異なる高さの具体的温度の変化をセンシングし、各マシンラック3の局部放熱の要求又は全体放熱要求を判断し、各マシンラック3内部で直接局部の空調ガイドを行うか、冷却装置40から全てのマシンラック3の総体要求に基づいて自動変換、出力効率の調整を行い、過度な冷気の供給でエネルギーの浪費を招くことを回避し、省エネルギー及び空調の合理的制御管理の効果を達成する。可能な実施例において、冷却装置40及びマシンラック3は、その最大パワーにより計画を行い、例えば、冷却装置40が提供できる空調の最大パワーが50kであり、各マシンラック3内部が高速動作状態で10kの空調パワーを消費することができ、故に冷却装置40は、5つのマシンラック3に対応し(
図5又は
図6参照)、該マシンラック3の放熱要求に確実に応じることができる。しかしながら、各マシンラック3の内部の電子装置は、ずっと高速動作状態にあるのではないので、各マシンラック3の放熱要求は、全て待機スリープの2k以下、一部待機一部動作の2〜8k、又は全部動作の8k〜10kである可能性があり、従って、5つのマシンラック3の放熱要求の合計は、異なる時間帯に基づき、40k以下又は30k以下更には20k以下である可能性があり、冷却装置40は、最大パワー50kを出力として持続すれば、大幅な浪費を招く。本発明のマシンラック空調ガイド機制に基づき、冷却装置40に内蔵の制御器が各マシンラック3(温度センサユニット23)の放熱要求を受け取り、全てのマシンラック3の総体要求に基づいて冷却装置40の自動変換、出力効率の調整を制御し、最良な省エネルギー効果及びマシンルーム中の各マシンラックの空調制御管理を達成する。
【0042】
また、本発明が開示するアーキテクチャにおいて、更に前方空間11又は後方空間21を利用し、マシンラック内容物が必要とする関連アセンブリを安置することができ、
図9に示すように、前拡張筐体10の両側にそれぞれ複数組の被結合部13を設け、必要時に所定物体を結合させることに用い、比較的多くの状況は、電源分配装置50又は配線管理装置60を安置することに用いることができ、電源分配装置50及び配線管理装置60の背面側に対応する結合部52、61を設けることができ、それに被結合部13と簡単に結合させることができ、前方空間11の近傍に取り付けることができる。
【0043】
図10を併せて参照し、一般のマシンラック30は、何れも電子装置を固定させる固定接続支持構造33を有し、固定接続支持構造33は、複数の固定間隔331を敷設し(電子工業協会が規範するEIA-310-D標準に基づき、各固定間隔331の高さはUであり、1U=1.75インチ=44.45ミリメートル)、規範に符合する電子装置を取り付けさせ、電源分配装置50は、一側に複数の電源供給ユニット51を敷設し、各給電ユニット51に各固定間隔331と水平の対応を呈させ(即ち、給電ユニット51の高さの間隔は、Uの規範に適合できる)、これにより、各マシンラック30中に取り付けられる電子装置に適用可能な給電ユニット51をもたせ、配線の長さが不足又は配線の混乱の問題を生じることがない。
【0044】
図11及び
図12を併せて参照し、上記前方空間11を有効に利用する方式によって、電源分配装置50を前方空間11に取り付けるなどによってマシンラック30内の空間が限られ、過度に混雑し易い問題を改善し、且つU標準に適合した電源分配装置50(per U design)を利用し、配線を更に良好に計画することができ、又は、配線管理装置60を前方空間11に取り付け、前方空間11を利用し、配線の管理を行い、マシンラック30中の空気の導通を更に円滑にし、マシンラック30内部の放熱性能を強化することができる。
【0045】
本発明の空調ガイド機制により、従来のマシンルームの多くの欠陥を改善することができる。例えば、(1)開放式の空調環境がエネルギーを過度に消費する問題、(2)冷気を一括供給するモードがマシンラック中の局部位置の加熱の問題を改善し難く、冷気供給の効果を強化した場合にその他の不要な領域がエネルギーの浪費を形成する、(3)マシンルーム及びマシンラックの設置コストが過度に高く、環境空間の要求が過大である等である。本発明を利用し、各マシンラックの放熱要求に対する制御、及び各マシンラック内部の局部領域に対する直接的な空調ガイドを達成し、最適な空調機制及び省エネルギー管理を構成する。
【0046】
以上の説明は、本発明の一実施例を示したものであり、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲に記載の内容と同等効果である変更または修飾は、全て本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 空調ガイドモジュール
10 前拡張筐体
11 前方空間
12 前ガイドモジュール
121 導入口
122 前送風ユニット
13 被結合部
20 後拡張フレーム
21 後方空間
22 後ガイドモジュール
221 導出口
222 後送風ユニット
23 温度センサユニット
3 マシンラック
30 マシンラック本体
301 収容空間
302 電子装置
303 電子装置(高速動作状態)
304 電子装置(待機、スリープ状態)
31 前板
32 後板
33 固定接続支持構造
331 固定間隔
4 冷却機制
40 冷却装置
41 冷連通管路
42 熱連通管路
50 電源分配装置
51 供給ユニット
52 結合部
60 配線管理装置
61 結合部
9 マシンルーム
90 マシンラック
91 冷却装置
92 冷通路
93 熱通路
94 仕切り板
95 上げ床