(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パルスNMRで測定した結晶構造中の、結晶相の割合が45wt%〜50wt%、中間相の割合が45%〜50%、融点が160℃〜170℃であるポリアセタール樹脂。
パルスNMRで測定した結晶構造中の、結晶相の割合が48wt%〜50wt%、中間相の割合が48wt%〜50wt%である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
〔ポリアセタール樹脂〕
本実施形態においてポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン構造を単位構造として有する高分子化合物をいい、中でもコポリマーが好ましい。
【0011】
ポリアセタールコポリマーの代表的なものとしては、トリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールを重合触媒の存在下で共重合して得られるポリアセタール共重合体が挙げられる。トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることにより得られる。このトリオキサンは、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチル等の連鎖移動させる不純物を含有している場合があるので、例えば蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。その場合、連鎖移動剤として働く不純物の合計量をトリオキサン1molに対して、1×10−3mol以下とすることが好ましく、より好ましくは5×10−4mol以下とする。不純物の量を上記数値のように低減化することにより、生成したポリマーは優れた熱安定性(ホルムアルデヒドの揮発が少ない)を有する。また添加物等と混合した際のMD性及びブリード性が優れたものとなる。
【0012】
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、前記トリオキサンと共重合可能な成分であり、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。
これらの中でも、特に1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの添加量は、前記トリオキサン1molに対して1.0×10−2mol以上7.0×10−2mol以下が好ましく、より好ましくは3.0×10−2mol以上6.0×10−2mol以下である。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの共重合割合をこの範囲にすると、結晶相と中間相の割合を後述の範囲に調整するのが容易になる。
【0013】
重合触媒としては、ルイス酸に代表されるホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン化物が挙げられ、特に、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素系水和物、及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートを好適例として挙げられる。
これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合触媒の添加量は、前記トリオキサン1molに対して1×10−6〜1×10−4の範囲が好ましく、より好ましくは3×10−6〜5×10−5molの範囲であり、さらに好ましくは5×10−6〜4×10−5molの範囲である。
重合触媒の添加量が前記範囲内であるとき、安定して長時間の重合反応を実施することができる。
【0014】
本実施形態のポリアセタール樹脂は、パルスNMRで測定した結晶構造中の、結晶相の割合が45wt%〜50wt%、中間相の割合が45wt%〜50wt%、であり、融点が160℃〜170℃である。結晶相の割合は、48wt%〜50wt%であることが好ましい。また、中間相の割合は48wr%〜50wt%であることが好ましい。
ここで、パルスNMRとは、固体NMRの一つであり、パルスに対する応答信号を検出し、試料の1H核磁気緩和時間(分子の運動性を表す指標)を求める手法である。パルスへの応答として、自由誘導減衰シグナル(free induction decay:FIDシグナル)が得られる。結晶性樹脂のように分子の運動性が異なる複数の成分を有する試料を測定すると、得られるFIDは緩和時間の異なる複数成分のFIDの和であり、これを最小二乗法を用いて分離することにより、各成分の量を検出することができる。
結晶性樹脂は、一般に緩和時間が0.01〜0.02msである成分、0.03〜0.1msである成分、0.1ms以上である成分の3つの成分に分離されることが多く、緩和時間が0.01〜0.02msの成分が結晶相、緩和時間が0.1ms以上の成分が非晶相に相当するとされ、緩和時間が0.03〜0.1msの成分は中間相とされる(ただしこれらの成分の量は、他の測定手段、例えばWAXSやDSC等の解析により得られる結晶化度とは値が異なるものである)。
上述のFID(各成分のFIDの和)は
下記の式(1)で表され、結晶相の割合がCr、中間相の割合がCaで表される。
【0015】
【数1】
ここで、M(t)は、時間t(ms)における磁化強度、Cr、Ca、Cmは、それぞれ、ポリアセタール樹脂に含まれる結晶相、中間相及び非晶相の割合(wt%)を表す。Tc、Ta、Tmは、それぞれ結晶相、中間相、非晶相の緩和時間(ms)を表す。
Waは中間相の減衰曲線を表すためのフィッティングパラメータである。bはプロトン配置の秩序性を反映するパラメータである。Waおよびbの値は、測定対象によって異なり、本実施態様(ポリアセタール樹脂)においてはWa=1.2、b=170とする。
【0016】
ポリアセタール樹脂の結晶相および中間相の割合Cr及びCaが前記範囲にあると、ホルムアルデヒドの揮発が低減でき、添加物等と混合した際のMD性及びブリード性が優れたものとなる。結晶相および中間相の割合が前記範囲にあるとホルムアルデヒドの揮発が低減できる理由は明らかではないが、そのようなポリアセタール樹脂は結晶構造に適度な隙間があるために、製造時においてホルムアルデヒドが飛散しやすく、最終的に樹脂中に残留するホルムアルデヒドの量が低減されるためと考えられる。ただし、機序はこれによらない。
【0017】
更に中間相の割合/(結晶相の割合+中間相の割合)の値は0.49以上であることが好ましい。結晶相と中間相の合計割合に対する中間相の割合がある程度高いと、上述の効果(結晶構造に適度な隙間があり、製造中にホルムアルデヒドが飛散しやすい)がより発揮されるものと推定される。
【0018】
本実施形態のポリアセタール樹脂を得るための方法に限定はないが、例えば、前記環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部を予め前記重合触媒とプレ混合してから、他のモノマー(例えば、トリオキサン)と重合させることが有効である。この際、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは全量をプレ混合してもよいし、一部をプレ混合し残量を他のモノマー(トリオキサン)中に混合してもよい。
このプレ混合の際に使用する器具(例えば、配管や混合容器)の材質は、SUS304以上の耐酸性、耐孔食性を有するもの、又はフッ素樹脂、ガラス等が好ましい。そして、器具の、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと重合触媒に接触する内壁の表面粗さは3μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがより好ましい。又はフッ書樹脂等で表面加工されていることも好ましい。ここで表面粗さとはJIS B0601−2013で規定された算術平均粗さ(Ra)である。具体的には、内壁について得られた粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ(l)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から粗さ曲線までの偏差の絶対値を合計し平均した値であり、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに下記式で表される値である。
【数2】
内壁の表面粗さが小さい器具を用いてプレ混合を行うと、より結晶相と中間相の割合が上述の範囲内にあるポリアセタール樹脂が生成しやすい。
このように、環状エーテル及び/又は環状ホルマールの少なくとも一部を予め前記重合触媒と混合しておくことにより、さらにはその際に使用する器具の内壁の表面粗さを小さくしておくことにより、本実施形態のポリアセタール樹脂を得ることができる。
【0019】
なお、上記のプレ混合工程以降については、従来公知の重合工程、及び、必要に応じて失活、乾燥、末端安定化、安定剤配合等の工程を経ればよい。
【0020】
さらに、重合の際にモノマーとしてトリオキサンを使用する場合には、その不純物量を減らすことによっても、結晶相と中間相の割合を上述の範囲内にしやすくできる。
トリオキサンは、一般に、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチル等の連鎖移動剤として働く不純物を含有している。そこで、蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。その場合、連鎖移動させる不純物の合計量をトリオキサン1molに対して、1×10−3mol以下とすることが好ましく、より好ましくは5×10−4mol以下である。
【0021】
本実施形態のポリアセタール樹脂のメルトインデックス(MI)(ASTM−D−1238−57T、190℃、2.16kg)は0.5g/10min以上120.0g/10min未満が好ましく、より好ましくは1.0g/10min以上80.0g/10min未満、更に好ましくは2.0g/10min以上60.0g/10min未満である。
MIが前記範囲にあると、機械的強度や耐摩耗性など、ポリアセタール樹脂の従来持つ特性が十分に発現される。
【0022】
本実施形態のポリアセタール樹脂の融点は160℃〜170℃である。融点が160℃〜170℃とすることにより、より揮発成分を低減することができる。
さらに、本実施形態のポリアセタール樹脂は、フッ素量が10ppm以下であることが好ましい。フッ素は一般に重合触媒の残渣によるものであり、触媒失活や重合後の混練を十分に行うことによりフッ素量を低減することができる。フッ素量は少ない方がよく、下限値はないが、例えば、フッ素量は5ppm以上であれば問題となることは少ない。このような範囲とすることにより、結晶相と中間相の量を適度に制御することができる。
【0023】
本実施形態のポリアセタール樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来のポリアセタール樹脂と組み合わせて使用されている添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、離型剤、着色剤等、を添加して使用してもよい。
これらは単独でも複数を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
本実施形態のポリアセタール樹脂の成形体としては、特に限定されるものではないが、射出成形、押出し成形等により成形された成形体が挙げられ、例えば、自動車分野、家電OA分野、医療分野、工業材料分野に使用可能で、特に自動車分野、家電OA分野、医療分野に好適に使用できる。
【実施例】
【0025】
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の用語及び特性の測定法は以下の通りとした。
【0026】
<パルスNMRによる結晶相および中間相の割合の測定>
装置:Minispec MQ20(ブルカー・バイオスピン(株)製)
核種:1H
測定:T2
測定法:ソリッドエコー法
積算回数:256回
繰り返し時間:1.0sec
測定温度:30℃
上記の装置、条件にて、試料ペレット約900mgを10mmφの試料管に充填し、パルスNMRの測定を行うことにより、減衰曲線を得た。
得られた減衰曲線に対し、下記式(1)を用いてフィッティングを行い解析し、ポリアセタール樹脂中の結晶相、中間相及び非結晶相の割合Cr、Ca及びCm(wt%)、並びに、緩和時間Tc、Ta及びTm(ms)を得た。なお、フィッティング及び解析は、上記測定装置に付属のソフトウェアを用いた。
【数3】
Cr、Ca、Cmは、それぞれ結晶相、中間相、非晶相の割合(wt%)を表す。
Tc、Ta、Tmは、それぞれ結晶相、中間相、非晶相の緩和時間(ms)を表す。
Waは中間相の減衰曲線を表すためのフィッティングパラメータであり、Wa=1.2とした。bはプロトン配置の秩序性を反映するパラメータであり、b=170とした。
【0027】
<ホルムアルデヒドの揮発量(mg/kg)の測定>
東芝機械(株)製100GN射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型温度80℃にて、ポリアセタール樹脂ペレットから40mm×100mm、厚み3mmの試験片を成形した。得られた試験片を、温度23℃、湿度50%の環境下にて1日間放置した。その後、ドイツ工業協会(VDA)のVDA275試験に従い、60℃×3hrでのホルムアルデヒド発生量を測定した。
【0028】
<MD性の評価>
東芝機械(株)製100GN射出成形機を用いて、成形温度200℃、金型温度30℃にて、ポリアセタール樹脂ペレットから40mm×100mmで厚み3mmの試験片を2000ショット連続成形した。2000ショット成形後の金型表面の状態を観察し、結果を下記の5段階で評価した。
ここで「キャビ」とは、金型表面の成形枠を指す。
5・・キャビ内外で付着物は観察されなかった。
4・・キャビ外に少量の付着物が観察された。キャビ内には付着物は観察されなかった。
3・・キャビ外に多量の付着物が観察された。キャビ内には付着物は観察されなかった。
2・・キャビ内に少量の付着物が観察された。
1・・キャビ内に多量の付着物が観察された。
【0029】
<ブリード性の評価>
東芝機械(株)製100GN射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型温度80℃にて、ポリアセタール樹脂ペレットから40mm×100mm、厚み3mmの試験片を成形した。この試験片を、温度80℃、湿度90%の環境下にて300時間放置し、試験片表面の状態を観察し、結果を下記の5段階で評価した。
ここで、「ブリード」とは、試験片表面への添加剤等の浮き出しの事である。
5・・ブリードは発生しなかった。
4・・試験片表面の1割未満にブリードが発生した。
3・・試験片表面の1割以上3割未満にブリードが発生した。
2・・試験片表面の3割以上6割未満にブリードが発生した。
1・・試験片の6割以上にブリードが発生した。
【0030】
<重合収率(wt%)の測定>
得られたポリアセタール樹脂の質量を、重合に用いたトリオキサン、環状エーテル及び環状ホルマールの合計質量で除して求めた。
<融点(℃)の測定>
ポリアセタール樹脂ペレットから樹脂を5mg採取し、下記条件にて融点を測定した。
・装置:パーキンエルマー(株)製DSC−7
・条件:80℃/minで200℃まで昇温し、2min間ホールド後、80℃/minで50℃まで降温し、2.5℃/minで200℃まで昇温させ融点を測定した。
<MI(g/10min)の測定>
ASTM D1238に従い、(株)東洋精機製作所製のMELT INDEXERを用いて、190℃、荷重2.16kgで測定した。
【0031】
<フッ素量の測定>
測定はフッ素イオンメーターにて行った。
イオンメーター:HORIBA製イオンメーター
フッ素電極:HORIBA製フッ素イオン電極
a)測定サンプルの調製
ポリアセタール樹脂ペレット3g、1NのHCL15gを耐圧瓶に仕込み、130℃で3時間加熱分解させ、冷却後に、分解液8gに、純水32g、Buffer液60gを加えサンプル液を調製した。
b)Buffer液の調製
純水500mlに、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン121g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩158g、酒石酸ナトリウム二水和物230gを加え溶解させ、その後、純水で全量が1Lとなるように調整した。
c)標準液の調製
濃度が既知の市販のフッ素標準液を3種類用意し、各々2gに、上記Buffer液60g、純水38gを加えて3種類の標準液を調製し、これらを用いて検量線を作成した。
【0032】
〔実施例1〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整した。
プレ混合として、重合触媒と環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、T字配管(配管の内壁の算術平均粗さ2.8μm)を用いて両者が正面から衝突するようにして混合した。具体的には、重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート0.18g/hrとシクロヘキサン6.5g/hrを連続的に混合したものと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとして1,3−ジオキソラン120.9g/hrを、上述のT字配管の各袖から連続的に導入し、両者を正面衝突させてプレ混合液を得た。プレ混合時の重合触媒と環状エーテル及び/又は環状ホルマールの温度は20℃とした。
このようにして得られたプレ混合液127.58g/hrと、トリオキサン3500g/hrに分子量調節剤としてメチラール2.1g/hrを配管にて連続的に混合した混合液とを、別々の配管から重合反応機に連続的に供給し、重合反応機設定温度80℃、重合ピーク温度110℃、重合時間(滞留時間)5分の条件で重合を行った。なお、トリオキサン中の不純物量は7×10−4mol/mol−トリオキサンであった。
重合反応機から排出されたものを、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中に投入し重合触媒の失活を完全に行った後、濾過、洗浄、乾燥を行い粗ポリアセタール共重合体を得た。得られた粗ポリアセタール共重合体に第4級アンモニウム化合物としてトリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して10ppmになるように添加し。均一に混合した後120℃で乾燥した。
得られたポリアセタール樹脂(ポリアセタール共重合体)の重合収率は80%、融点は164℃であった。
次に、上記乾燥したポリアセタール樹脂100質量部に、トリエチレングリコールービスー[3−(3−tーブチルー5−メチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.35質量部を添加混合し、200℃に設定されたベント付の2軸押出し機(L/D=40)に、0.8質量%トリエチルアミン水溶液2質量部とともに供給し、21KPaで減圧脱気しながら分解安定化させ、ペレタイザーにてペレット化した。その後100℃で2hr乾燥を行い、安定なポリアセタール樹脂ペレットを得た。結果を表1に示す。
【0033】
〔実施例2〕
トリオキサン中の不純物量を4×10−4mol/mol−トリオキサンとし、メチラールの量を2.9g/hrとした以外は実施例1と同様の操作を行った。この時、重合収率は81%であった。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
プレ混合を行う際に使用したT字配管の内壁表面の算術平均粗さを2.1μmとした以外は実施例1と同様の操作を行った。この時、重合収率は81%であった。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
1,3−ジオキソランの供給量を43.2g/hrとした以外は実施例1と同様の操作を行った。この時、重合収率は81%であった。結果を表1に示す。
【0034】
〔比較例1〕
プレ混合を行う際に使用したT字配管の内壁表面の算術平均粗さを5μmにした以外は実施例1と同様に操作を行った。重合収率は79%であった。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
プレ混合を行わず、1,3−ジオキソランをトリオキサンに連続的に混合して供給し、かつ重合触媒量を0.18g/hrとした以外は実施例1と同様の操作を行った。この時、重合収率は79%であった。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
1,3−ジオキソランの供給量を14.4g/hrとした以外は実施例1と同様の操作を行った。この時、重合収率は78%であった。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例1〜4のポリアセタール樹脂は比較例のものと比べ、ホルムアルデヒドの揮発が少なく、MD性及びブリード性が優れていた。