(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、第1の実施形態の構成を
図1ないし
図8を参照して説明する。
【0008】
図8において、11は電気機器である電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体15を備える。また、この電気掃除機11は、掃除機本体15に接続される長尺状の風路体16を備えていてもよい。そして、この電気掃除機11は、掃除機本体15のみでの所定の使用状態である一の使用状態(
図7)で、ハンディ型(携帯型)のコードレス吸引電気掃除機として用いられる。また、この電気掃除機11は、風路体16を備える場合、掃除機本体15に対して風路体16を接続した他の使用状態(
図8)として、スティック型のコードレス吸引電気掃除機とすることもできる。なお、この電気掃除機11は、非使用時に収納するための図示されない収納装置とともに電気掃除装置を構成することもできる。
【0009】
図6に示す掃除機本体15は、本体部21を備えている。また、この掃除機本体15は、本体部21に対して着脱可能な集塵部(集塵装置)22を備えている。さらに、この掃除機本体15は、動作部としての電動送風機23を備えている。また、この掃除機本体15は、電動送風機23の動作を制御する制御手段(制御部)24を備えている。さらに、この掃除機本体15は、電動送風機23および制御手段24などの電源となる電源部としての電池である二次電池25を備えている。また、この掃除機本体15は、風路体16を接続可能な本体接続口26を備えている。さらに、この掃除機本体15は、この掃除機本体15(電気掃除機11)を保持するための人体接触部としての本体保持部であるハンドル(把持部)27を備えている。また、この掃除機本体15は、電動送風機23の動作モードを設定する設定手段としての設定ボタン28を備えている。さらに、この掃除機本体15は、
図1に示すように、回路基板29を備えている。また、この掃除機本体15は、導電部材30を備えている。さらに、この掃除機本体15は、
図6に示す集塵部22とそれぞれ連通する図示されない第1連通口と第2連通口とを備えている。また、この掃除機本体15は、電動送風機23の排気を排出する排気口33を備えている。そして、この掃除機本体15の内部には、本体接続口26と第1連通口とを連通し、第2連通口と電動送風機23の吸込側とを連通し、この電動送風機23の排気側と排気口33とを連通するように風路が形成されている。
【0010】
なお、電気掃除機11は、説明をより明確にするため、以下、本体接続口26の軸線と略平行な方向を前後方向とし、この前後方向を基準として上下方向および左右方向を定義する。すなわち、この電気掃除機11の上下方向、左右方向、および、前後方向は、それぞれ
図6に示す状態を基準とし、矢印Uおよび矢印D方向を上下方向、矢印FR方向および矢印RR方向を前後方向、および、矢印L方向および矢印R方向を左右方向と定義する。
【0011】
図6に示す本体部21は、全体として前後に長手状に形成されている。この本体部21には、電動送風機23、制御手段24、二次電池25がそれぞれ収容されている。また、この本体部21には、本体接続口26が開口されている。さらに、この本体部21には、ハンドル27が突設されている。また、この本体部21には、
図2に示すように、回路基板29が収容されている。さらに、この本体部21には、導電部材30が収容されている。また、この本体部21には、第1連通口および第2連通口が開口されている。さらに、この本体部21には、排気口33が開口されている。また、この本体部21には、風路がそれぞれ形成されている。そして、この本体部21は、前部に位置し前後方向に沿って延びる第1本体部42と、後部に位置し前後方向に沿って延びる第2本体部43と、これら第1本体部42と第2本体部43とを連結する連結本体部としての傾斜本体部44とを備えている。また、この本体部21には、集塵部22を取り付け保持する取付保持部45が設けられている。
【0012】
図6に示すように、第1本体部42は、前後方向に沿って略直線状に形成されている。第2本体部43は、第1本体部42に対して下方に位置している。また、この第2本体部43は、前後方向に沿って直線状に形成されている。したがって、この第2本体部43は、第1本体部42と略平行に形成されている。さらに、傾斜本体部44は、前側上方から後側下方へと傾斜する直線に沿って形成されている。このため、本体部21は、略クランク状に屈曲して形成されている。
【0013】
取付保持部45は、第1本体部42の上部、すなわち第1本体部42と傾斜本体部44との連続位置から上方に向けて突出されている。
【0014】
集塵部22は、電動送風機23の吸込側に連通し、この電動送風機23の動作により吸い込んだ塵埃を捕集するものである。この集塵部22は、例えば電動送風機23の動作により空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から遠心分離(サイクロン分離)する、サイクロン分離式の集塵カップである。したがって、この集塵部22は、電動送風機23の駆動によって塵埃との間に生じる摩擦に起因する静電気を生じさせる静電気源となっている。また、この集塵部22は、この集塵部22を本体部21に係止するための集塵係止部47を備えている。この集塵係止部47は、本実施形態では例えば集塵部22の端部に設けられているが、本体部21側に設けられていてもよい。本実施形態では、この集塵係止部47は、取付保持部45に係止保持される。さらに、この集塵部22は、図示されない集塵吸込口と集塵排気口とを備えている。これら集塵吸込口および集塵排気口は、集塵部22を本体部21に取り付けた状態で第1連通口および第2連通口と連通する。したがって、この集塵部22は、本体部21に取り付けた状態で電動送風機23の吸込側と連通される。また、この集塵部22は、本体部21に取り付けた状態で本体接続口26(風路体16)の下流側に接続される。
【0015】
電動送風機23は、電動機とこの電動機により回動されるファンとを備えている。電動機は、例えばブラシレスモータが用いられる。
【0016】
制御手段24は、例えばマイコンなどを備えた制御基板である。この制御手段24は、例えば電動送風機23などを設定ボタン28による使用者の設定にしたがって動作させる駆動制御部を備えている。この制御手段24は、商用交流電源などの外部電源から給電を受けて二次電池25を充電する定電流回路などの充電回路部を備えていてもよい。
【0017】
二次電池25は、例えば複数の電池を備える電池パックである。
【0018】
本体接続口26は、電気掃除機11をハンディ型として用いる際の吸気口である。また、この本体接続口26は、電気掃除機11を
図8に示すスティック型として用いる際に風路体16と掃除機本体15とを連通する連通口である。
【0019】
図6に示すハンドル27は、少なくとも本体部21を保持するものである。本実施形態では、このハンドル27は、一の使用状態(
図7)では掃除機本体15を保持し、他の使用状態(
図8)では掃除機本体15および風路体16を保持するものである。すなわち、このハンドル27は、使用時に使用者が必ず接触する部分である。このハンドル27は、掃除機本体15(本体部21)の上部に位置している。また、このハンドル27は、取付保持部45から第2本体部43に亘り、前後方向に長手状に形成されている。さらに、このハンドル27の上部には、設定ボタン28が配置されている。また、このハンドル27の下部には、ハンドル27を把持した使用者の手の滑りを抑制するための凹凸状の滑り止め部49が設けられている。このハンドル27は、本実施形態において、
図2に示すように、本体部21側に一体的に設けられているハンドル本体部51と、このハンドル本体部51を覆って取り付けられるハンドルカバー52とを備えている。また、このハンドル27には、
図1に示すように、通孔53が設けられている。さらに、このハンドル27には、回路基板29および導電部材30を位置決めする固定部54が設けられている。また、このハンドル27には、回路基板29を支持する基板支持部55が設けられている。さらに、このハンドル27には、導電部材30を位置決めする位置決め部56が設けられている。そして、このハンドル27には、補強用のリブ57が設けられている。
【0020】
図1および
図5に示す滑り止め部49は、ハンドル27の長手方向に対して交差(直交)する左右方向に沿って設けられている。したがって、この滑り止め部49は、ハンドル27を把持した使用者の手に対して前後方向の抵抗を付与し、この手のハンドル27の長手方向である前後方向の滑りを抑制している。この滑り止め部49は、ハンドル27の前端側から後端側の略全体に亘る領域に配置されている。この滑り止め部49は、少なくとも設定ボタン28の背後に位置している。また、この滑り止め部49は、例えば凸部49aと凹部49bとが交互に複数並んで形成されている。そして、この滑り止め部49は、ハンドル本体部51に設けられている。なお、
図6ないし
図8などにおいては、説明を明確にするために滑り止め部49の詳細を省略して図示している。
【0021】
凸部49aは、例えば断面が下方に向けて突出する円弧状に形成されている。これら凸部49aは、ハンドル27の長手方向に互いに略等間隔に離れて配置されている。
【0022】
図1および
図2に示すハンドル本体部51は、ハンドル27の下部を構成するものである。このハンドル本体部51は、取付保持部45および第2本体部43とともに一体的に設けられている。このハンドル本体部51は、閉じたループ状となっている。また、このハンドル本体部51は、取付保持部45から第2本体部43に亘る上部の位置、すなわち円弧状(アーチ状)の位置で上側が開口されている。
【0023】
ハンドルカバー52は、ハンドル27の上部を構成するものである。このハンドルカバー52は、円弧状(アーチ状)に湾曲されており、ハンドル本体部51の開口する上側を覆うように構成されている。また、このハンドルカバー52には、固定部54に対してねじなどの固定部材59によって共締め固定される固定受部60が設けられている。そして、このハンドルカバー52は、ハンドル本体部51に固定された状態で、回路基板29および導電部材30を上方から抑えつけるように構成されている。
【0024】
通孔53は、導電部材30の一部をハンドル27の外部に露出させるものである。この通孔53は、例えば小径の丸孔状に設けられている。この通孔53は、ハンドル27の下部に設けられている。すなわち、この通孔53は、滑り止め部49に位置している。本実施形態において、この通孔53は、滑り止め部49の凸部49aに設けられている。また、この通孔53は、ハンドル本体部51の底部に位置している。さらに、この通孔53は、ハンドル27の長手方向に複数設けられている。本実施形態において、この通孔53は、前後方向に互いに略等間隔に離れて配置されている。したがって、この通孔53は、少なくともハンドル27の長手方向の略中央部を含む領域に配置されている。また、この通孔53は、ハンドル27の左右方向(幅方向)の中心位置に配置されている。したがって、この通孔53は、ハンドル27の最も下部に膨らむ位置に配置されている。
【0025】
固定部54は、回路基板29および導電部材30を位置決めするとともに、ハンドル本体部51とハンドルカバー52とを固定部材59によって共締め固定するためのボスである。すなわち、この固定部54は、円筒状に形成されており、上下方向に沿って配置されている。この固定部54は、ハンドル本体部51に一体に設けられ、先端側が上側すなわちハンドルカバー52の固定受部60に対向している。より詳細に、この固定部54は、設定ボタン28間の背面側に位置している。
【0026】
基板支持部55は、例えば固定部54の近傍からこの固定部54よりも前方に亘って位置している。この基板支持部55は、例えば左右方向などに沿うリブ状に形成されており、ハンドル27を補強する機能を備えている。この基板支持部55は、ハンドル本体部51に一体に設けられている。
【0027】
位置決め部56は、固定部54の左右両側の位置にて、前後方向に沿ってリブ状に形成されている。この位置決め部56は、ハンドル本体部51に一体に設けられている。
【0028】
リブ57は、例えば位置決め部56とハンドル本体部51の両側部とを連結するように左右方向に沿って設けられている。すなわち、このリブ57は、ハンドル本体部51と一体に設けられている。また、このリブ57は、前後方向に互いに離れて複数設けられている。
【0029】
設定ボタン28は、ハンドル27を把持した使用者がその把持した手の親指などにより押し操作可能となっている。この設定ボタン28は、ハンドルカバー52に設けられている。
【0030】
回路基板29は、設定ボタン28の操作に対応する信号を制御手段24へと伝達するものである。この回路基板29は、ハンドル27の内部、すなわちハンドル本体部51とハンドルカバー52との間に収納されている。また、この回路基板29は、設定ボタン28の背面側である下部に位置している。したがって、この回路基板29は、ハンドル27の前側寄りに位置している。また、この回路基板29は、板状の基板本体62を備えている。さらに、この回路基板29は、開口63を備えている。また、この回路基板29は、素子64を備えている。さらに、この回路基板29は、コネクタ65を備えている。そして、この回路基板29には、
図4(a)および
図4(b)に示すように、所定のパターン66が設けられている。また、この回路基板29には、接触パターン67が設けられている。
【0031】
図1および
図2に示す基板本体62は、絶縁性の合成樹脂などにより形成されている。この基板本体62は、本実施形態において、例えば左右に狭く前後に長い長方形状に形成されている。
【0032】
開口63は、固定部54が挿通されることで回路基板29をハンドル27(ハンドル本体部51)に対して位置決めするものである。この開口63は、基板本体62を厚み方向に貫通して設けられている。本実施形態において、この開口63は、回路基板29(基板本体62)の一端寄りである後端寄りに配置されている。
【0033】
素子64は、回路基板29に所定の電気回路を構成するものである。この素子64は、基板本体62に実装されている。本実施形態において、この素子64は、基板本体62の上面である一主面62aに実装されている。また、この素子64には、本実施形態において、例えば設定ボタン28を介して押し操作されるスイッチ64aと、インピーダンス素子である抵抗器64bと、電気掃除機11の状態などを表示するための表示手段(表示部)であるLEDなどのランプ64cとが設定されている。
【0034】
コネクタ65は、素子64により構成される電気回路と制御手段24および二次電池25とを電気的に接続するものである。このコネクタ65は、基板本体62に実装されている。本実施形態において、このコネクタ65は、基板本体62の一主面62aに実装されている。また、このコネクタ65は、回路基板29の他端である前端に配置されている。本実施形態において、このコネクタ65は、基板本体62の他端である前端に配置されている。そして、このコネクタ65には、リード線68の一端が接続されており、このリード線68の他端が本体部21の内部を介して制御手段24および二次電池25と電気的に接続されている。
【0035】
リード線68は、回路基板29の前端部から、取付保持部45を介して電動送風機23の上方を経由して制御手段24および二次電池25へと分岐されている。すなわち、このリード線68は、取付保持部45から傾斜本体部44および第2本体部43に亘って配置されている。
【0036】
図4(b)に示すパターン66は、導電性の部材、例えば銅などにより基板本体62に薄膜状に形成されている。本実施形態では、このパターン66は、基板本体62の導電部材30に対向する下面(背面)である他主面62bに形成されている。このパターン66は、任意の形状とすることができるが、本実施形態において、複数の導電パターン66aと、グランドパターン66bとが設定されている。
【0037】
導電パターン66aは、素子64やコネクタ65とともに電気回路を構成するための導電部であり、これら素子64やコネクタ65と電気的に接続されるランドを備えている。
【0038】
グランドパターン66bは、回路基板29に構成された電気回路の基準電位を設定するものである。このグランドパターン66bは、例えば回路基板29の外縁部近傍に配置されている。本実施形態において、このグランドパターン66bは、導電パターン66a全体を囲んで形成されている。このグランドパターン66bは、二次電池25のグランドと電気的に接続(短絡)されている。より詳細に、このグランドパターン66bは、リード線68を介して制御手段24のグランドとともに二次電池25のグランドと電気的に接続(短絡)され、これらと同電位となっている。すなわち、このグランドパターン66bは、電気掃除機11の基準電位と同電位となっている。また、このグランドパターン66bには、
図4(a)に示すように、接触パターン67と対向する位置に、導電部66b1が設けられている。すなわち、パターン66は、接触パターン67と対向する位置に導電部66b1を備えている。この導電部66b1は、例えばパターン66の幅方向に突設されている。また、この導電部66b1は、パターン66から回路基板29の側方に向けて突出している。本実施形態において、この導電部66b1は、グランドパターン66bの幅方向に突設されている。すなわち、この導電部66b1は、グランドパターン66bから回路基板29の側方に向けて突出している。また、この導電部66b1には、例えば半田S1が施されている。
【0039】
図4(b)に示す接触パターン67は、導電性の部材、例えば銅などにより基板本体62に薄膜状に形成されている。本実施形態では、この接触パターン67は、基板本体62の導電部材30に対向する下面(背面)である他主面62bに形成されている。すなわち、この接触パターン67は、パターン66と同一面に形成されている。そして、この接触パターン67は、電動送風機23(
図6)の駆動により生じた静電気を、パターン66を介して受け取り、導電部材30(
図1)から使用者を介して放電するための静電気受取部である。すなわち、この接触パターン67は、導電部材30と機械的および電気的に接続(短絡)される。本実施形態において、この接触パターン67は、電動送風機23(
図6)の駆動により生じた静電気を、例えばグランドパターン66bを介して受け取るように構成されている。そして、この接触パターン67は、静電気の電荷によって生じる電位によりパターン66との間に介在される空気が絶縁破壊されることでパターン66から静電気を受け取るようになっている。この接触パターン67は、例えば回路基板29の両側の外縁部に配置されている。この接触パターン67は、
図4(a)に示すように、パターン66に対して所定の距離Gを置いて離れて対向している。具体的に、本実施形態において、この接触パターン67は、グランドパターン66bの導電部66b1に対して対向する対向導電部67aを備える凸字状に形成されている。そして、この接触パターン67には、対向導電部67aを含む箇所に例えば半田S2が施されている。
【0040】
ここで、パターン66と接触パターン67との間、本実施形態では導電部66b1と対向導電部67aとの間は、接触させると電気掃除機11(
図6)の非使用時でも接触パターン67にパターン66と同じ電位(本実施形態では基準電位)が生じ、距離を離しすぎるとこれらパターン66と接触パターン67との間の空気による絶縁を破壊するまでに溜まる静電気の電荷による電位が大きくなるので、適宜の所定の距離G(例えば0.6mm程度)とすることが好ましい。したがって、この接触パターン67は、パターン66に対して近接配置されている。
【0041】
また、
図1に示す導電部材30は、パターン66(
図4(a))から受け取った静電気を使用者へと伝達するものである。本実施形態において、この導電部材30は、接触パターン67(
図4(b))に接触するように配置されている。この導電部材30は、例えば導電粒子であるカーボン部材を含有する部材により形成されている。この部材としては、好ましくは合成樹脂が用いられ、より好ましくはポリプロピレンやABSが用いられる。また、この導電部材30は、ハンドル27の長手方向に沿って、すなわち前後方向に沿って長手状に形成されている。さらに、この導電部材30は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、導電部材本体71を備えている。また、この導電部材30は、開口部72を備えている。さらに、この導電部材30は、回路基板29を支持する支持部73を備えている。また、この導電部材30は、ハンドルカバー52(
図1)を支持するカバー支持部74を備えている。さらに、この導電部材30は、回路基板29の接触パターン67(
図4(a))に対して接触する接触部75を備えている。また、この導電部材30は、ハンドル27(
図1)の外部に露出する伝達部としての突起部76を備えている。そして、この導電部材30は、本実施形態において、一の導電部材30aと他の導電部材30bとに前後に分割されている。一の導電部材30aは、回路基板29の下部に位置している。すなわち、この一の導電部材30aは、
図1に示すように、回路基板29とハンドル本体部51の底部との間に位置している。また、他の導電部材30bは、一の導電部材30aの後端部に対して前端部が接触(圧接)されて電気的に接続(短絡)されている。さらに、他の導電部材30bは、回路基板29よりも後方に位置している。
【0042】
図1ないし
図3に示す導電部材本体71は、所定幅の細長い形状に形成されている。この導電部材本体71は、ハンドル27に沿って長手状に形成されている。また、この導電部材本体71は、ハンドル27の湾曲に沿って円弧状に湾曲して形成されている。
【0043】
開口部72は、回路基板29の開口63とともに固定部54が挿通されることで導電部材30をハンドル27に対して位置決めするものである。すなわち、この開口部72は、導電部材30をハンドル本体部51に対して位置決めするものである。この開口部72は、導電部材本体71を厚み方向に貫通して設けられている。本実施形態において、この開口部72は、導電部材30の前側寄りに配置されている。すなわち、この開口部72は、導電部材本体71の前側寄りに配置されている。具体的に、この開口部72は、一の導電部材30aの後端寄りに配置されている。
【0044】
支持部73は、導電部材30から上方に向けてリブ状に突出している。具体的に、この支持部73は、導電部材本体71から上方に向けてリブ状に突出している。本実施形態において、この支持部73は、複数設けられている。具体的に、この支持部73は、導電部材30の前端部と、導電部材30の長手方向の略中央部とに配置されている。より詳細には、この支持部73は、一の導電部材30aの前端部と、他の導電部材30bの前端部とに配置されている。すなわち、これら支持部73は、固定部54の前後に配置されている。このため、これら支持部73によって回路基板29の前端部と後端部とがそれぞれ下方から支持されるようになっている。
【0045】
カバー支持部74は、導電部材30から上方に向けてリブ状に突出している。具体的に、このカバー支持部74は、導電部材本体71からハンドルカバー52に向けて突出している。本実施形態において、このカバー支持部74は、支持部73よりも後方に配置されている。より詳細には、このカバー支持部74は、他の導電部材30bの長手方向の略中央部に配置されている。
【0046】
接触部75は、回路基板29の接触パターン67(
図4(a))に対して圧接されることでこの接触パターン67と電気的に接続(短絡)される部分である。この接触部75は、例えば導電部材30の両側から回路基板29に向かってリブ状に突出している。すなわち、この接触部75は、導電部材本体71の両側に位置している。この接触部75は、例えば開口部72よりも前端側に位置している。また、この接触部75の先端部は、平坦状に形成されており、接触パターン67の半田S2(
図4(a))に対して圧接されている。
【0047】
突起部76は、通孔53に挿入されることでハンドル27の下部(滑り止め部49)に先端側が露出する部分である。この突起部76は、導電部材30から下方に向けて柱状に突出している。具体的に、この突起部76は、導電部材本体71からハンドル本体部51に向けて突出している。本実施形態において、この突起部76は、導電部材30に複数配置されている。すなわち、この突起部76は、導電部材本体71に複数配置されている。より詳細に、この突起部76は、導電部材30の長手方向両端間に互いに略等間隔に離れて配置されている。したがって、導電部材30は、少なくともハンドル27の長手方向の略中央部を含む領域に突起部76が配置されている。より詳細に、導電部材30は、ハンドル27の長手方向の複数の位置に突起部76が配置されている。また、この突起部76は、ハンドル27の左右方向(幅方向)の中心位置に配置されている。したがって、この突起部76は、ハンドル27の最も下部に膨らむ位置に配置されている。そして、通孔53に挿入された突起部76の先端部は、
図5に示すように、滑り止め部49の凸部49aと略面一となっている。
【0048】
また、第1連通口は、第1本体部42の上部に位置している。同様に、第2連通口は、第1本体部42の上部に位置している。したがって、これら第1連通口および第2連通口は、掃除機本体15(本体部21)の上部に位置している。また、これら第1連通口と第2連通口とは、本体部21に集塵部22を取り付けた状態で、集塵部22を介して互いに連通されるようになっている。
【0049】
排気口33は、排気風路の下流端となる部分である。この排気口33は、第1本体部42の両側部に位置している。したがって、この排気口33は、掃除機本体15の前側寄りに配置されている。なお、この排気口33は、図示されないフィルタにより覆われていてもよい。
【0050】
一方、
図8に示す風路体16は、内部に風路を区画し、掃除機本体15に接続された状態で電動送風機23の吸込側と連通する。この風路体16は、長尺状の延長管81を備えている。また、この風路体16は、吸込口体を先端側(上流側)に備えていてもよい。この吸込口体としては、任意のものを用いることができるが、本実施形態では例えば吸込口体としての床ブラシ82が用いられる。そして、この風路体16は、電動送風機23の駆動によって塵埃との間に生じる摩擦に起因する静電気を生じさせる静電気源となっている。なお、この風路体16は、必須の構成ではない。
【0051】
延長管81は、基端側が掃除機本体15に接続されて集塵部22と気密に接続されるようになっている。例えば、この延長管81は、基端側が本体接続口26に接続される。また、この延長管81は、掃除機本体15(本体部21)に設けられたクランプ84によって着脱可能に保持される。
【0052】
床ブラシ82は、ケース体86を備えている。また、この床ブラシ82は、接続管87を備えている。ケース体86は、横長、すなわち左右方向に長手状に形成されている。また、このケース体86には、被掃除面に対向する下部に、図示されない吸込口が開口されている。また、接続管87は、ケース体86に回動可能に接続されている。さらに、接続管87は、吸込口に連通し、延長管81の先端側に気密に接続される。そして、この床ブラシ82は、延長管81の先端側に接続される。例えば、この床ブラシ82は、接続管87が延長管81に挿入接続される。また、この床ブラシ82は、延長管81に設けられた床ブラシクランプ89により延長管81の接続が保持されるようになっている。
【0053】
次に、上記第1の実施形態の作用を説明する。
【0054】
電気掃除機11をハンディ型吸引掃除機として使用する場合(一の使用状態(
図7))では、集塵部22を本体部21に装着した掃除機本体15のみで使用する。すなわち、掃除機本体15から風路体16を取り外した状態で使用する。この場合、例えば延長管81および床ブラシ82を備える風路体16以外の、例えばつる口などの風路体16よりも短い風路体を本体接続口26に接続してもよい。
【0055】
そして、電気掃除機11では、ハンドル27を把持した使用者が設定ボタン28を操作することで設定した動作で制御手段24が電動送風機23を駆動させるとともに、被掃除面に向けた本体接続口26、あるいはこの本体接続口26に接続された風路体16を被掃除面上で前後方向や斜め方向などに移動させながら、電動送風機23の駆動により生じた負圧を利用して被掃除面の塵埃を空気とともに吸い込む。
【0056】
この含塵空気は、概略として、本体接続口26から集塵部22へと吸い込まれ、塵埃が空気から分離捕集されるとともに、塵埃が分離された空気が電動送風機23へと吸い込まれた後、排気風路を介して排気口33から掃除機本体15の外部へと排出される。
【0057】
また、電気掃除機11をスティック型吸引掃除機として使用する場合(他の使用状態(
図8))では、集塵部22を本体部21に装着した掃除機本体15に対して風路体16を接続する。この状態で、床ブラシ82が(延長管81、掃除機本体15の本体接続口26、第1連通口および集塵吸込口を介して集塵部22と連通するとともに、この集塵部22の集塵排気口および掃除機本体15の第2連通口を介して)電動送風機23の吸込側と連通する。
【0058】
そして、電気掃除機11では、ハンドル27を把持した使用者が床ブラシ82を被掃除面に載置し、ハンドル27の設定ボタン28を操作することで設定した動作で制御手段24が電動送風機23を駆動させるとともに、床ブラシ82を被掃除面上で前後方向や斜め方向などに交互に走行させながら、電動送風機23の駆動により生じた負圧を利用して被掃除面の塵埃を床ブラシ82の吸込口から空気とともに吸い込む。
【0059】
この吸い込まれた含塵空気は、床ブラシ82から延長管81を介して掃除機本体15(本体部21)へと運ばれ、上記一の使用状態と同様に塵埃が空気から分離されて集塵部22に捕集される。
【0060】
この電動送風機23の駆動により、すなわち電気掃除機11の起動により、少なくとも集塵部22では塵埃との摩擦によって静電気が発生する。本実施形態では、一の使用状態では主として集塵部22において、他の使用状態では主として集塵部22および風路体16において、それぞれ静電気が発生する。この静電気の電荷は、めっき処理された合成樹脂や掃除機本体15の各部に配置された組み立て用などの金属製の部材であるねじ、あるいは回路基板29のパターン66などの導電性を有し電流が流れやすい部位を通ってより電位が低い部位へと流れていき、全体的に同電位となるように溜まっていく。この後、導電性の部位、例えばパターン66と所定の距離Gを介して離れた位置(近接位置)にある接触パターン67との間に介在される空気を絶縁破壊する程度の電位となったときに、この静電気が接触パターン67へと移動され、この接触パターン67と接触する導電部材30の突起部76からハンドル27を把持する使用者の手へと静電気が放電され、使用者の体内を介して大地に放電されて電位が低下する。
【0061】
掃除が終了すると、使用者は設定ボタン28を操作して制御手段24により電動送風機23を停止させる。
【0062】
このように、第1の実施形態によれば、使用時に使用者が接触する(把持する)ハンドル27に、電動送風機23の動作により生じた静電気を通電する導電部材30の一部(突起部76)を配置することにより、電動送風機23の駆動時(電気掃除機11の動作中)にハンドル27に接触している使用者へと導電部材30の一部(突起部76)を介して静電気を微小放電できる。したがって、有線でない、二次電池25を用いるコードレスの構成としつつ、静電気を効果的に逃がすことができる。
【0063】
特に、本体部21を保持するハンドル27に導電部材30の一部(突起部76)を配置しているので、使用者を電気掃除機11の使用時に略常時導電部材30に接触させることが容易に可能となり、静電気を効果的に逃がすことができる。
【0064】
すなわち、電気掃除機11では、電動送風機23の動作によって吸い込まれる塵埃と集塵部22や風路体16などとの摩擦によって静電気が生じることから、電気掃除機11の起動直後から静電気の電荷が溜まり、電気掃除機11が停止しているときには基本的に静電気が発生しにくい。本実施形態では、電気掃除機11の起動から掃除が終了して停止するまで使用者がハンドル27を把持するため、静電気の電荷が溜まり始めるタイミング、換言すれば静電気の電位が低い時点から、使用者が常時ハンドル27に接触していることとなる。したがって、静電気の電位が高まってスパーク現象を生じさせる前に、静電気を連続的に微小放電させて積極的に逃がすこととなり、溜まった静電気の電荷によって使用者が不快な電撃を受けることがない。
【0065】
特に、集塵部22が塵埃を高速遠心分離するサイクロン分離式の場合、集塵部22内で静電気が発生しやすいので、サイクロン分離式の集塵部22を備える電気掃除機11において、上記の構成を採用することで、電動送風機23の駆動時にサイクロン分離式の集塵部22で発生する静電気を高電位に蓄積される前に効果的に逃がすことができる。
【0066】
また、導電部材30の少なくとも一部(突起部76)をハンドル27の下部に配置することで、ハンドル27を把持した使用者の手に接触しやすい位置に導電部材30の少なくとも一部を効果的に配置できる。
【0067】
具体的に、導電部材30の少なくとも一部(突起部76)をハンドル27の下部の凹凸状の滑り止め部49の凸形状である凸部49aと略面一に配置することで、ハンドル27を把持した使用者の手に接触しやすい位置に導電部材30の少なくとも一部(突起部76)を配置でき、ハンドル27を把持した使用者に対して、電動送風機23の駆動時に確実に静電気を微小放電できる。
【0068】
回路基板29の所定のパターン66(本実施形態ではグランドパターン66b)に対して所定の距離Gを置いて配置された接触パターン67に導電部材30(接触部75)を接触するように配置することで、導電部材30がパターン66と直ちに同電位になることがなく、通常時(非使用時)などに使用者が導電部材30に触れた場合でも、パターン66の電位(本実施形態ではグランドパターン66bの電位(基準電位))と接地電位(アース電位)との電位差によって使用者に不快な電撃が生じることがない。
【0069】
しかも、回路基板29に予め備えられているパターン66を利用して静電気の電荷を導電部材30に受け渡すことができるので、静電気の電荷を受け渡すための構成を容易に形成できる。
【0070】
導電部材30を、カーボン部材を含有する部材とすることで、ハンドル27などの導電部材30の接地部に応じた形状に容易に形成できるとともに、軽量設計が可能になる。
【0071】
導電部材30の少なくとも一部(突起部76)を、ハンドル27の長手方向の複数の位置に設けることで、ハンドル27のいずれの位置を使用者が把持した場合でも導電部材30に対して接触しやすくできる。
【0072】
導電部材30の少なくとも一部(突起部76)を、通常使用者が把持するハンドル27の長手方向の略中央部に設けることで、ハンドル27を把持する使用者が導電部材30に対してより接触しやすくできる。
【0073】
次に、第2の実施形態を
図9を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0074】
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態の回路基板29が接触パターン67を備えず、
図9(a)および
図9(b)に示すように、パターン66に対して導電部材30(接触部75)が所定の距離Gを置いて対向配置されているものである。本実施形態においては、グランドパターン66bに対して導電部材30(接触部75)が所定の距離Gを置いて対向配置される。
【0075】
すなわち、回路基板29のパターン66に対して所定の距離Gを置いた位置にて基板本体62の他主面62bの接触位置90に対して導電部材30の接触部75が直接接触するように配置されている。
【0076】
このように構成することで、電動送風機23の駆動(電気掃除機11の起動)により発生した静電気の電荷は、めっき処理された合成樹脂や金属製のねじ、あるいは回路基板29のパターン66などの導電性を有し電流が流れやすい部位を通ってより電位が低い部位へと流れていき、全体的に同電位となるように溜まっていく。この後、導電性の部位、例えばパターン66(本実施形態ではグランドパターン66b)と所定の距離Gを介して離れた位置(近接位置)にある導電部材30(接触部75)との間に介在される空気を絶縁破壊する程度の電位となったときに、この静電気の電荷が導電部材30(接触部75)へと移動され、この導電部材30の突起部76からハンドル27を把持する使用者の手へと静電気が放電され、使用者の体内を介して大地に放電されて電位が低下する。
【0077】
また、回路基板29の所定のパターン66(本実施形態ではグランドパターン66b)に対して所定の距離Gを置いて導電部材30(接触部75)を配置しているので、導電部材30がパターン66と直ちに同電位になることがなく、通常時(非使用時)などに使用者が導電部材30に触れた場合でも、パターン66の電位(本実施形態ではグランドパターン66bの電位(基準電位))と接地電位(アース電位)との電位差によって使用者に不快な電撃が生じることがない。
【0078】
次に、第3の実施形態を
図10を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
この第3の実施形態は、導電部材としてのシート91をさらに備えるものである。このシート91は、ハンドル27の下部を覆って設けられている。すなわち、このシート91は、ハンドル27の外面に設けられている。また、このシート91は、例えば導電性のゴムやエラストマなどの軟質部材である。さらに、このシート91は、ハンドル27の下部に露出する導電部材30の突起部76と接触されて電気的に接続(短絡)されている。
【0080】
そして、電気掃除機11を使用する際には、ハンドル27を把持した使用者が設定ボタン28を操作することで設定した動作で制御手段24が電動送風機23を駆動させて、電動送風機23の駆動により生じた負圧を利用して被掃除面の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除をする。
【0081】
このとき、電動送風機23の駆動により、すなわち電気掃除機11の起動により静電気が発生するものの、本実施形態では、ハンドル27の下部を導電性のシート91によって覆っているので、パターン66を介して導電部材30へと移動された静電気の電荷が、突起部76からシート91を介してハンドル27を把持する使用者の手へと放電され、使用者の体内を介して大地に放電される。
【0082】
このように、導電性を有する軟質部材であるシート91をハンドル27に備えることで、ハンドル27を把持した使用者の手の滑りをシート91により抑制できるとともに、使用者の手を導電部材30に確実に接触させることができ、ハンドル27を把持した使用者に対して、電動送風機23の駆動時に確実に静電気を微小放電できる。
【0083】
次に、第4の実施形態を
図11を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0084】
この第4の実施形態は、人体接触部としての本体保持部であるベルト(ショルダーベルト)93を備えているものである。このベルト93は、本体部21を肩掛けなどによって保持するものである。本実施形態では、このベルト93は、掃除機本体15を保持するものである。なお、このベルト93により肩掛け状態で電気掃除機11を使用する場合には、利便性を考慮し、本体接続口26に対して風路体16とは異なる、ホース体などの可撓性を有する風路体を接続することが好ましい。また、このベルト93は、例えば本体部21の互いに異なる箇所に両端が連結されてループ状となっている。本実施形態において、このベルト93は、例えば第1本体部42の前端部と第2本体部43の後端部とに両端が連結されている。さらに、このベルト93は、例えば導電部材により形成されている。なお、このベルト93は、長尺状であるため、
図11において、掃除機本体15(本体部21)と接続される両端部のみを図示し、中間部の図示を省略している。
【0085】
そして、このベルト93の両端間の中央部が使用者の肩などに掛けられて使用状態となる。電動送風機23の駆動により溜まった静電気の電荷は、めっき処理された合成樹脂や金属製のねじ、あるいは回路基板29などに伝わるものの、本実施形態では、本体部21を保持するベルト93を導電部材により構成することで、このベルト93から使用者の肩へと静電気が放電され、使用者の体内を介して大地に放電される。
【0086】
すなわち、本体部21を保持するベルト93を導電部材により構成することで、使用者を電気掃除機11の使用時に略常時導電部材に接触させることが容易に可能となり、静電気を効果的に逃がすことができる
。
【0087】
次に、第5の実施形態を
図12を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0088】
この第5の実施形態において、電気掃除機11は、被掃除面(床面)を走行可能な掃除機本体15と、この掃除機本体15の本体部21に接続される接続部としての風路体95とを備えた、いわゆるキャニスタ型のコードレス吸引掃除機である。
【0089】
掃除機本体15は、例えば被掃除面(床面)を走行可能にする走行輪96を備えていてもよい。走行輪96は、例えば本体部21の両側などに設けられている。
【0090】
風路体95は、内部に風路を区画し、掃除機本体15に接続された状態で電動送風機23の吸込側と連通する。この風路体95は、ホース体97を備えている。また、この風路体95は、ホース体97の先端側(上流側)に接続される延長管81を備えている。また、この風路体16は、吸込口体を先端側(上流側)に備えていてもよい。この吸込口体としては、任意のものを用いることができるが、本実施形態では例えば床ブラシ82が用いられる。さらに、この風路体16は、この風路体16を把持する人体接触部としての接続把持部であるハンドル27を備えている。そして、この風路体95は、電動送風機23の駆動によって塵埃との間に生じる摩擦に起因する静電気を生じさせる静電気源となっている。
【0091】
ハンドル27は、例えばホース体37の先端側に設けられている。また、このハンドル27には、滑り止め部49が設けられている。さらに、このハンドル27の内部の構造は、上記第1ないし第3の実施形態と同様である。
【0092】
そして、この電気掃除機11では、掃除機本体15を被掃除面上の適宜の位置に走行させ、ハンドル27を把持した使用者が床ブラシ82を被掃除面に載置し、ハンドル27の設定ボタン28を操作することで設定した動作で制御手段24が電動送風機23を駆動させるとともに、床ブラシ82を被掃除面上で前後方向や斜め方向などに交互に走行させながら、電動送風機23の駆動により生じた負圧を利用して被掃除面の塵埃を床ブラシ82の吸込口から空気とともに吸い込む。その後の作用は、上記第1ないし第3の実施形態と同様である。
【0093】
この場合にも、使用時に使用者が接触する(把持する)ハンドル27に、電動送風機23の動作により生じた静電気を通電する導電部材30を配置することにより、電動送風機23の駆動時(電気掃除機11の動作中)にハンドル27に接触している使用者へと導電部材30を介して静電気を微小放電できる。したがって、有線でない、二次電池25を用いるコードレスの構成としつつ、静電気を効果的に逃がすことができる。
【0094】
特に、風路体95を保持するハンドル27に導電部材30を配置しているので、使用者を電気掃除機11の使用時に略常時導電部材30に接触させることが容易に可能となり、静電気を効果的に逃がすことができる。
【0095】
なお、上記各実施形態において、導電部材は、例えば合成樹脂の基材の表面をめっき塗装したものなどでもよい。
【0096】
さらに、導電部材は、静電気を伝達できれば、例えば低抵抗体であってもよい。
【0097】
また、導電部材は、ハンドル27の滑り止め部49以外の位置に対して面一に形成することもできる
。
【0098】
さらに、静電気の電位は、二次電池25により回路基板29に生じる電位よりも遥かに大きく、導電性を有する部位に全体的に同様に溜まる。そのため、接触パターン67や接触位置90は、回路基板29のグランドパターン66bに限らず、パターン66中の他の位置(例えば導電パターン66a)や、その他の導電部位に近接配置しても静電気の電荷を受け取ることができ、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0099】
また、回路基板29は、ハンドル27の内部に配置されているものに限定されず、制御手段24として配置されているものでもよいし、その他の任意の回路基板でもよい。
【0100】
さらに、電気掃除機11は、吸引掃除機としたが、例えば電動送風機23の排気を利用するブロワでもよいし、これら吸引掃除機とブロワとを風路の切り換えなどによって兼用できるように構成したものでもよい。
【0101】
また、電気機器は、電動送風機23を用いる吸引掃除機あるいはブロワなどの他にも、例えばモータなどの動作部により回転駆動されて摩擦により静電気が生じるポリッシャなどとすることもできる。すなわち、電気機器は、電気掃除機に限定されず、摩擦などにより静電気が生じる任意の機器とすることができる。
【0102】
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、二次電池25を用いたコードレスの構成としつつ、静電気を効果的に逃がして、使い勝手の良好な電気掃除機11を提供できる。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。