(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記CADデータを保存したCADファイルを開く指示を前記操作部によって行う操作に連動して、前記単価取得処理、前記算出処理、及び前記通知処理を実行する、請求項1に記載の設計支援装置。
前記制御部は、前記通知処理として、前記表示部における前記CADデータを表示した領域に前記コストを表示したコスト表示ウィンドウを重ねて表示させる、請求項1又は2に記載の設計支援装置。
前記制御部は、前記コストを表示する初期状態として前記コスト表示ウィンドウを縮小化して表示し、前記コスト表示ウィンドウに対する操作を前記操作部に受け付けたことに応じて前記コスト表示ウィンドウを拡大して表示させる、請求項3に記載の設計支援装置。
前記制御部は、拡大して表示した前記コスト表示ウィンドウに対する操作を前記操作部に受け付けたことに応じて、前記CADデータに含まれる前記部品のうち、前記コストの算出に用いる部品の選択を受け付ける、請求項4に記載の設計支援装置。
前記制御部は、前記操作部に対する操作に基づいて、前記設計対象物の設計段階における前記部品の単価を予想した予想単価を受け付け、前記予想単価を用いて前記コストを算出する、請求項1乃至6の何れかに記載の設計支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(設計見積システムの構成)
以下、本願の一実施形態として、設計見積システム10について図面を参照して説明する。
図1は、設計見積システム10の構成を示している。設計見積システム10は、設計支援装置13と、コスト管理サーバ15と、調達情報サーバ17と、ナレッジサーバ18と、中間サーバ19とを備えている。設計支援装置13は、例えば、CPU21を主体として構成されたパーソナルコンピュータであり、記憶部23と、メモリ25と、外部インターフェース27と、表示部29と、操作部31とを有する。記憶部23は、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリ等を備えている。記憶部23には、CADツール33、CADデータ34やコスト算出プログラム35等が保存されている。CPU21は、記憶部23に保存されたCADツール33を実行することで、CADデータ34を編集(設計)可能な環境を構築する。
【0010】
具体的には、後述する
図3に示す作業表示ウィンドウ55を表示部29に表示する。CADデータ34は、CADソフトによって利用されている形式のデータであり、例えば、電子部品を回路基板に実装する実装機の各ユニットを設計した三次元CADのデータである。CADツール33は、例えば、CPU21で実行された後、記憶部23に記憶されたCADデータ34を読み込んで表示部29に表示するとともに、CADデータ34によって設計される設計対象物のコストをコスト算出プログラム35により算出させ表示させる。ここでいう設計対象物のコストとは、例えば、設計対象物を構成する部品それぞれの単価を合計したコストである。なお、設計対象物のコストは、部品単価を合計したものに限らず、例えば、部品を組み立てるのに必要な製造コストや、部品を調達するのに必要な調達コストなどを含んでもよい。
【0011】
メモリ25は、例えば、RAMであり、CPU21によりCADツール33を実行する際に発生するデータを一時的に保存しておく作業用のメモリである。外部インターフェース27は、ネットワークを介して中間サーバ19やナレッジサーバ18と各種データの送受信を行う。外部インターフェース27は、例えば、中間サーバ19との間で、TCP/IPプロトコルに準拠した通信を実行するLAN(ローカルエリアネットワーク)インターフェースである。
【0012】
表示部29は、例えば、液晶ディスプレイであり、CPU21による処理結果等を表示する。操作部31は、ユーザ(CADの設計者など)による設計支援装置13に対する入力操作を行うデバイスであり、例えば、キーボードやマウスである。
【0013】
コスト管理サーバ15、調達情報サーバ17及び中間サーバ19の各々は、各種の部材の単価を記憶したデータベースを有するサーバ装置である。また、ナレッジサーバ18は、過去の設計で発生した問題や失敗事例などのナレッジ情報49を記憶したデータベースを有するサーバ装置である。コスト管理サーバ15等は、CPUやハードディスク等を備えており、外部(設計支援装置13等)からデータベースにアクセス可能となっている。コスト管理サーバ15等は、設計支援装置13との間で、例えば、TCP/IPプロトコルに準拠した通信を実行し、各種のデータを送受信する。
【0014】
ここで、各サーバ(コスト管理サーバ15など)に保存されているデータについて説明する。コスト管理サーバ15には、見積単価41が保存されている。調達情報サーバ17には、標準単価42及び試作単価43を含む納入実績46が保存されている。中間サーバ19には、見積単価41、標準単価42、試作単価43、及び予想単価44が保存されている。これらの単価は、CADデータ34に含まれる部品の単価であり、各段階における単価である。より具体的には、例えば、
図3に示すノズルチェンジャー51(設計対象物の一例)を設計する場合には、このノズルチェンジャー51を構成する各種部品(ボルト、ワッシャなど)の単価である。
【0015】
見積単価41は、例えば、ノズルチェンジャー51の設計を完了させた段階において部品をいくらで納品できるのかを見積もった単価である。本実施形態のコスト管理サーバ15は、例えば、設計支援装置13のユーザの属する設計部門とは別に設けられたコスト管理部門の人員によって管理されている。コスト管理部門の人員は、コスト管理サーバ15の管理や、見積単価41の入力などを行う。コスト管理部門の人員は、設計支援装置13のユーザからの要求に応じて、各部品の見積もりを部品メーカーに対して実施する。設計支援装置13のユーザは、例えば、新たなノズルチェンジャー51の設計の完了に合わせて、コスト管理部門に必要な部品の見積もりを要求する。コスト管理部門の人員は、部品メーカーから受け取った1又は複数の見積もりの単価から1つを選択し、選択した単価を見積単価41としてコスト管理サーバ15のデータベースに入力する。
【0016】
標準単価42は、例えば、ノズルチェンジャー51を完成させた後、ノズルチェンジャー51を量産する段階において部品を購入した単価である。本実施形態の調達情報サーバ17は、例えば、設計支援装置13のユーザの属する設計部門とは別に設けられた調達部門の人員によって管理されている。調達部門の人員は、調達情報サーバ17の管理や、標準単価42、及び試作単価43(納入実績46)の入力などを行う。調達部門の人員は、例えば、ノズルチェンジャー51の量産に必要な数量の部品を購入する契約を部品メーカーと結んだ際の単価を、標準単価42として調達情報サーバ17のデータベースに入力する。この標準単価42は、量産時の単価であるため、他の単価に比べて安くなる傾向がある。また、標準単価42は、大量生産によって安定した単価となる。
【0017】
試作単価43は、例えば、ノズルチェンジャー51の試作品を製造する段階において部品を購入した単価である。設計支援装置13のユーザは、例えば、ノズルチェンジャー51の試作品を製造したい段階で、調達部門に必要な部品の購入を要求する。調達部門の人員は、設計支援装置13のユーザからの要求に応じて、試作に必要な分だけ部品を部品メーカーから購入する。調達部門の人員は、部品メーカーから部品(量産時に比べて少量)を購入した際の単価を試作単価43として調達情報サーバ17のデータベースに入力する。
【0018】
予想単価44は、例えば、設計支援装置13のユーザによって予想された単価である。設計支援装置13のユーザは、ノズルチェンジャー51などを設計中に、従来にない形状や機能の部品を設計する。新たな部品については、部品メーカーから納入した実績や、部品メーカーによって製造された実績がない。このため、本実施形態の設計見積システム10では、設計支援装置13のユーザによって予想された新たな部品の単価を予想単価44としてコストの算出に用いることが可能となっている。なお、この見積単価41の設定方法については、後述する。また、中間サーバ19には、単価(見積単価41など)のデータの他に、後述する部品情報47が保存されている。
【0019】
なお、上記した単価の種類や、単価の記憶先は一例であり、適宜変更可能である。例えば、見積単価41等の全ての単価のデータを設計支援装置13の記憶部23に保存してもよい。この場合、設計支援装置13を、サーバを必要としないスタンドアローンの装置として用いてもよい。また、上記した単価の他に、例えば、部品納品後に調整した調整単価を用いてもよい。ここでいう調整単価とは、例えば、部品の納品後に、製品に装着等するために、その部品に対し追加的に必要となった加工費用や後工程の費用などである。このため、調整単価は、例えば、元々の納品時の単価と、その後必要な加工等を施した後の単価との差額、即ち、追加加工等の後から加算する費用のみを示す差額である。あるいは、調整単価は、元々の単価に、追加費用を加えた全体の単価でもよい。
【0020】
次に、設計支援装置13がCADツール33をCPU21で実行し、CADデータ34を表示させた場合の処理について
図2を参照しながら説明する。なお、
図2に示す処理手順は、一例であり、適宜変更可能である。
【0021】
まず、
図2のステップ(以下、単に「S」と略記する)11において、ユーザは、設計支援装置13の操作部31によって、所望のCADデータ34を保存したCADファイルを開く操作を行う。例えば、CADツール33は、ユーザによって表示部29に表示された画面上のアイコンをクリックされると、CPU21で実行され、CADデータ34を編集する専用のソフトウェアを起動させる。CADツール33は、例えば、
図3に示す作業表示ウィンドウ55で、且つ作業領域53や階層表示領域61に何も表示されていないものを表示させる。そして、CADツール33は、作業表示ウィンドウ55の操作ボタン59Aのファイルボタンを選択され、所望のCADデータ34を保存したCADファイルが開かれると、このファイルを開く操作に連動してコストを算出するコスト算出プログラム35を起動する。本実施形態のコスト算出プログラム35は、例えば、CADツール33とは別プログラムで設けられ、CADツール33から起動される。例えば、特定の操作(CADファイルを開く操作)を実行した場合に、コスト算出プログラム35を起動させるように、CADツール33に対して設定してもよい。あるいは、コスト算出プログラム35を、CADツール33に組み込んで連動して動作するように構成してもよい。
【0022】
CPU21は、CADツール33を実行して、ユーザによって選択されたCADデータ34を表示部29に表示させる(S13)。このように、CPU21(制御部)は、CADデータ34を保存したCADファイルを開く指示を操作部31によって行う操作に連動して、コスト算出プログラム35(後述するS15以降のコストを算出・通知する処理)を実行する。これによれば、ユーザが操作部31を操作してCADファイルを開くのに合わせて、即ち、CADによる設計等を開始するのに合わせて、コストをユーザに通知できる。
図3に示すように、CPU21は、CADデータ34を作業領域53に表示させた作業表示ウィンドウ55を、表示部29に表示させる。なお、CADツール33は、既に作成中のCADデータ34を表示する場合だけでなく、新規のCADデータ34(新規のCADファイル)を作成する場合にも、コスト算出プログラム35を実行してもよい。
【0023】
図3は、作業表示ウィンドウ55の一例を示している。作業表示ウィンドウ55の上部には、タイトルバー57が表示されている。タイトルバー57には、CADツール33の名前など(例えば、CADシステム)が表示される。タイトルバー57の下には、ツールバー59が表示されている。ツールバー59には、CADデータ34の保存等を行うための操作ボタン59Aが設けられている。
【0024】
ツールバー59の下には、作業領域53と、階層表示領域61とが表示されている。作業領域53には、CADデータ34で設計する設計対象物が表示されている。
図3では、一例としてノズルチェンジャー51が表示されている。ユーザは、操作部31を操作することで作業領域53に表示された設計対象物の一部を変更等し、CADデータ34を編集することができる。
【0025】
階層表示領域61には、このノズルチェンジャー51をCADで設計した際の各層(レイヤー)の情報が階層的に表示されている。この各階層は、ノズルチェンジャー51を構成する部品に対応している。本実施形態では、階層の情報として、部品の図番37(例えば、2QGT0000など)を表示している。例えば、階層表示領域61には、ノズルチェンジャー51を構成する部品の図番37を、大きい部品から階層的に表示されている(2QGT0000→2QGT0001→2QGT0011→・・・)。2QGT0000は、例えば、ノズルチェンジャー51全体に対応する図番である。また、2QGT0001は、例えば、ノズルチェンジャー51の本体部分の図番である。2QGT0011は、例えば、本体部分に取り付けられたノズルの台座部分の図番である。また、CPU21(CADツール33)は、階層表示領域61に表示した切替ボタン61Aの位置にマウスポインタ63を合わしてクリックされるのに応じて、階層表示の表示/非表示を切り替える。
【0026】
また、
図2に示すように、CPU21は、CADデータ34を表示すると(S13)、コスト算出プログラム35によりCADデータ34に含まれる部品を検出する(S15)。上記したように、本実施形態の部品ごとのデータ(各層のデータ)には、部品の識別情報として図番37が設定されている。例えば、1つのCADデータ34(ノズルチェンジャー51)に含まれるワッシャやボルトに対応する図面(CADのデータ)には、それぞれ図番37が予め設定されている。この予め図番37が設定されている部品は、既に、部品の購入を実施したものであり、上記した標準単価42等を設定されている。換言すれば、上記した中間サーバ19の標準単価42等には、キー情報として部品に対応する図番37が設定されている。
【0027】
図1に示すように、CPU21(コスト算出プログラム35)は、図番37をキー情報として、中間サーバ19から部品ごとの単価(見積単価41など)を取得する(
図2のS17:単価取得処理)。CPU21は、CADデータ34に含まれる部品の個数に、部品ごとの単価を乗算して加算し、CADデータ34によって設計される設計対象物(ノズルチェンジャー51)のコストを算出する(S19:算出処理)。そして、CPU21は、S19で算出したコストを作業表示ウィンドウ55に表示する(S21:通知処理)。なお、CPU21は、CADデータ34の表示(S13)と、コストの表示(S21)とを同時に実行してもよい。
【0028】
図3に示すように、作業表示ウィンドウ55の階層表示領域61の下には、コスト73(目標コストなど)を表示したコスト表示ウィンドウ71が縮小化されて表示されている。従って、本実施形態のCPU21は、表示部29におけるCADデータ34を表示した領域(階層表示領域61)にコスト73を表示したコスト表示ウィンドウ71を重ねて表示させる。これによれば、CADデータ34とコスト表示ウィンドウ71とを重ねて表示することで、設計を行うユーザの視界の中にコスト表示ウィンドウ71を表示させ、ユーザに対してコスト73をより意識させることができる。なお、コスト表示ウィンドウ71を、他の場所、例えば、作業領域53に重ねて表示してもよい。また、コスト表示ウィンドウ71を縮小化せずに、最初から拡大して表示してもよい。
【0029】
また、CPU21は、例えば、縮小化されたコスト表示ウィンドウ71にマウスポインタ63を合わしてクリックされるのに応じて、
図4に示す拡大されたコスト表示ウィンドウ71を表示する。従って、本実施形態のCPU21は、コスト73を表示する初期状態としてコスト表示ウィンドウ71を縮小化して表示し、コスト表示ウィンドウ71に対する操作を操作部31に受け付けたことに応じてコスト表示ウィンドウ71を拡大して表示させる。
【0030】
これによれば、初期状態では、コスト表示ウィンドウ71を縮小表示することで、CADデータ34の表示領域(作業領域53や階層表示領域61)を占領する領域を小さくする。これにより、ユーザに対してコスト73を意識させつつ、コスト表示ウィンドウ71をCADデータ34に重ねて表示したことで作業効率が低下するのを抑制できる。即ち、コスト意識の啓発と、作業効率の維持との両立を図れる。また、CPU21は、ユーザの操作に応じてコスト表示ウィンドウ71を拡大して表示する。これにより、ユーザは、必要に応じてコスト表示ウィンドウ71を拡大させ、後述するようにコスト73以外の情報を参照したり、データ(試作単価43など)の入力をしたりできる。
【0031】
CPU21は、例えば、作業表示ウィンドウ55に重ねてコスト表示ウィンドウ71を表示させる。なお、CPU21は、表示部29の画面上における作業表示ウィンドウ55とは異なる位置に拡大したコスト表示ウィンドウ71を表示させてもよい。
【0032】
また、CPU21は、コスト表示ウィンドウ71の非表示ボタン71Aにマウスポインタ63を合わしてクリックされること応じて、コスト表示ウィンドウ71を画面から消す処理を行う。換言すれば、本実施形態のCPU21(CADツール33)は、ユーザから非表示ボタン71Aをクリックされるまで、コスト表示ウィンドウ71を階層表示領域61に重ねて常時表示する。これにより、ユーザ(設計者)に対してコスト73の意識をより確実に啓発することができる。なお、CPU21は、コスト表示ウィンドウ71を一定時間表示した後、自動的に画面から消去してもよい。あるいは、CPU21は、定期的にコスト表示ウィンドウ71を表示してもよい。
【0033】
図4に示すように、コスト表示ウィンドウ71の下部には、CADデータ34に含まれる部品、即ち、ノズルチェンジャー51を構成する部品についての情報を表示する部品情報領域75が設けられている。部品情報領域75には、各行に部品の情報が表示されている。部品情報領域75の最も左(図中のNOの列)には、番号情報75Aが表示されている。番号情報75Aに表示された数字は、各部品を個別に識別するために付した通し番号である。番号情報75Aの右には、階層情報75Bが表示されている。階層情報75Bには、各部品を配置した階層(レイヤー)の番号(図示例では2階層目)が表示されている。CPU21は、例えば、この番号情報75A及び階層情報75Bを、CADデータ34から検出して部品情報領域75に表示させる。
【0034】
また、階層情報75Bの右には、上記した図番37が表示されている。また、図番37の右には、品名情報75D(ワッシャやボルトなど)が表示されている。品名情報75Dの右には、材質情報75Eが表示されている。材質情報75Eは、部品の材料の情報である。この品名情報75D及び材質情報75Eは、例えば、予め中間サーバ19の部品情報47に設定されている。CPU21は、CADデータ34の図番37をキー情報として、中間サーバ19の部品情報47から該当する品名情報75D等を検索する。CPU21は、検索した品名情報75D等を部品情報領域75に表示させる。
【0035】
材質情報75Eの右には、数量情報75Fが表示されている。CPU21は、例えば、CADデータ34から部品の個数を検出し、検出した個数を部品情報領域75の数量情報75Fに表示させる。
【0036】
数量情報75Fの右には、上記した標準単価42、見積単価41、予想単価44、試作単価43が表示されている。CPU21は、これらの単価について中間サーバ19から取得できた単価を表示する。例えば、部品メーカーと標準単価42を決定していない場合には、その部品の標準単価42は、空白として表示される。
【0037】
また、本実施形態のCPU21は、これらの4種類の単価について、予想単価44、試作単価43、見積単価41、標準単価42の順に優先度を上げ、1つの部品について複数の種類の単価を中間サーバ19から取得した場合に、より優先度の高い単価をコスト73の算出に用いる。これにより、コスト73をより精度良く算出することができる。
【0038】
具体的には、予想単価44は、ユーザ(設計者など)によって設計中に予想された単価であり、ユーザの経験や知識に応じて価格が変動する。このため、予想単価44は、最も優先度が低くなっている。試作単価43は、製品として所定の機能を満たしているか試すために少数の試作品を製造する際に購入した部品の単価である。即ち、試作単価43は、量産時に比べて少数の部品を購入する際の単価であるため、価格が不安定となる。このため、優先度としては、予想単価44の次に低くなっている。見積単価41は、製品(ノズルチェンジャー51)の設計を完了させた段階で見積もった単価であり、量産に必要な部品の個数を概ね把握して見積もりを取っている価格である。見積単価41は、数量を限定される試作単価43に比べればより標準単価42に近いが、部品メーカーと契約を結んで購入する標準単価42に比べて不安定で高くなる可能性がある。このため、上記した2つの価格に比べて優先度が高くなっている。そして、標準単価42は、量産に必要な数量の部品を購入する契約を部品メーカーと結んだ際の単価である。従って、標準単価42を優先的に用いることで、実際に販売する際のノズルチェンジャー51の価格をより精度良く算出できる。このため、標準単価42の優先度は、最も高くなっている。なお、上記した価格の優先度は、一例であり、算出したい価格の内容などに応じて適宜変更できる。
【0039】
上記したように、中間サーバ19の標準単価42等には、キー情報として部品に対応する図番37が設定されている。CPU21は、各部品について図番37をキー情報として、中間サーバ19から標準単価42等を取得する。CPU21は、取得した標準単価42等を部品情報領域75に表示する。また、CPU21は、1つの部品に複数の単価が設定されている場合、上記した優先度に従って採用する単価を決定し、部品の個数に単価を乗算して加算しコスト73を算出する。
図4に示すように、コスト表示ウィンドウ71の左上には、CPU21によって算出された合計コスト73B(コスト73)が表示されている。
【0040】
コスト73の一番上に示す目標コスト73Aは、ユーザによって設定された目標としているコストである。CPU21は、ユーザによって設計支援装置13の操作部31を操作され目標コスト73Aの欄に価格(図示例では50万)を入力され、目標設定ボタン77Aをクリックされると、入力された価格を目標コスト73Aとして設定する。
【0041】
また、目標コスト73Aの下に示す合計コスト73Bは、上記したCPU21によって自動で算出したコストである。合計コスト73Bは、CADファイルを開いた際にCADデータ34に含まれる部品に基づいて自動的に算出された価格(図示例では40万)が表示される。また、CPU21は、ユーザによって操作部31を操作されコスト集計ボタン77Bをクリックされると、その時点のCADデータ34に含まれる部品に基づいて合計コスト73Bを再計算し、合計コスト73Bの欄に表示する。これにより、ユーザは、設計中に使用する部品を変更した場合に、コスト集計ボタン77Bをクリックすることで、変更後の合計コスト73Bを確認できる。なお、CPU21は、部品の変更を自動で検出し、合計コスト73Bを再計算してもよい。あるいは、CPU21は、定期的に合計コスト73Bを再計算してもよい。これにより、合計コスト73Bに最新の価格を自動的に表示できる。
【0042】
また、合計コスト73Bの下に示す差額73Cは、上記した目標コスト73Aと合計コスト73Bの差額である。CPU21は、目標コスト73Aと合計コスト73Bの差額(図示例では10万)を算出し、差額73Cに表示する。また、CPU21は、差額73Cの下に、棒グラフ73Dを表示する。
図4に示す上側の棒グラフ73Dは、目標コスト73Aを示している。下側の棒グラフ73Dは、上側の目標コスト73Aと対比させるように合計コスト73Bが表示されている。棒グラフ73Dの右側には、目標コスト73Aに対する合計コスト73Bの割合(図示例では90%)が表示されている。
図3に示すように、縮小化されたコスト表示ウィンドウ71には、これらの情報が表示されている。これにより、目標コスト73Aと、現在の合計コスト73Bとをユーザに意識させながら設計を行わせることができる。
【0043】
また、本実施形態の設計支援装置13は、上記したようにユーザによって新たな部品の単価を予想し、予想した予想単価44を入力可能となっている。ユーザは、例えば、ノズルチェンジャー51の設計中に、従来にない形状のワッシャを設計する場合、新規のワッシャに対応する階層(レイヤー)を作成する。ユーザは、例えば、
図3の階層表示領域61にマウスポインタ63を移動させてクリックすることで、新規の図番37を入力する入力欄61Bを表示させる。ユーザは、例えば、新規の図番37として入力欄61Bに(新ワッシャ)と入力する。これにより、新規のワッシャに対応する階層(図)が作成される。
【0044】
また、ユーザは、
図4に示す部品情報領域75において、この新ワッシャに対する各種情報を設定することができる。ユーザは、例えば、新ワッシャの行の品名情報75Dにマウスポインタ63を合わせてクリックすることで、品名を入力(図示例ではワッシャ)を入力することができる。そして、CPU21は、部品情報領域75に入力された情報(品名や材質など)に基づいて、中間サーバ19に対して新規に作成した部品の登録を実行する。中間サーバ19は、品名(ワッシャ)などをキー情報として、従来の部品と重複しない図番37を、新ワッシャの図番37として設定し、設計支援装置13へ応答する。CPU21は、中間サーバ19から取得した図番37を入力欄61Bなどに表示する。これにより、ユーザは、新規の部品を登録することができる。なお、新規の部品の図番37は、ユーザの手入力によって設定してもよい。
【0045】
また、
図4に示すように、ユーザは、新ワッシャの行の予想単価44にマウスポインタ63を合わせてクリックすることで、予想単価44を入力(図示例では70円)を入力することができる。これにより、ユーザは、新たに設計した部分の値段を予想して設定することができる。CPU21は、入力された予想単価44を中間サーバ19に通知する。中間サーバ19は、設計支援装置13から受信した予想単価44を、上記した図番37等と関連付けて保存する。
【0046】
そして、CPU21は、例えば、予想単価44を設定された後にコスト集計ボタン77Bをクリックされると、設定された予想単価44を用いてコスト73を再計算する。上記したように、ユーザは、設計段階で新たな部品を設計した場合、その新たな部品について予想単価44を設定できる。これにより、例えば、ユーザは、部品メーカーでまだ製造したことのない部品について、設計者の立場から予想した単価を設定し、コスト73に対する意識を高めることができる。また、ユーザは、その新たな部品を実際に購入した単価(試作単価43や標準単価42)と、予想単価44との差額を把握することで、その後のコスト73に対する意識をより高めることができる。
【0047】
また、
図4に示すように、部品情報領域75の試作単価43の右側には、除外チェック欄75Jと、オプションチェック欄75Kが表示されている。除外チェック欄75J及びオプションチェック欄75Kは、この欄をチェックされた部品をコスト73の算出から除外するためのチェックボックスである。例えば、
図4に示すNO88のASSYは、複数の部品(ボルトやワッシャなど)を含んだものである。このような場合、単純にCADデータ34を図番37に基づいて統合し単価を算出すると、ASSY全体の単価と、個々の部品の単価とをコスト73の算出に用いる可能性がある。即ち、同じ部品の単価を二重にコスト73に盛り込んでしまう可能性がある。このため、ユーザは、二重に単価を盛り込まれた部品を発見した場合、発見した部品の除外チェック欄75Jをチェックすることで、コスト73の算出から除外できる。
【0048】
なお、CPU21は、コスト表示ウィンドウ71の上部に設けられたASSYボタン80をクリックされることで、ASSYを強調表示してもよい。
図4にハッチングで示すように、CPU21は、ASSYに該当する行を強調表示する。ASSYの検索方法は、例えば、ASSYの図番37に特定の文字列を設定しておくことで検索が可能となる。本実施形態では、例えば、ASSYの図番37は、先頭文字としてアルファベットのA(図中のA001など)を設定されている。この場合、CPU21は、図番の先頭文字を判定することでASSYを検出し強調表示できる。
【0049】
あるいは、完成した製品(ノズルチェンジャー51)は、例えば、標準搭載される部品と、追加料金を払って付加されるオプション部品とを含む可能性がある。この場合、ユーザは、標準部品だけの製品、あるいはオプション部品を付加した製品のそれぞれについてコスト73を計算したい場合がある。この場合、ユーザは、オプションチェック欄75Kをチェックすることで、チェックしたオプション部品をコスト73の算出から除外できる。
【0050】
従って、本実施形態のCPU21は、拡大して表示したコスト表示ウィンドウ71に対する操作を操作部31に受け付けたことに応じて、CADデータ34に含まれる部品のうち、コスト73の算出に用いる部品の選択を受け付ける。これにより、設計の実情に即したコストを算出できるとともに、ユーザに対してコストの意識をより一層啓発できる。また、ユーザは、除外チェック欄75Jとオプションチェック欄75Kとを使い分けることで、除外した理由を容易に後から確認できる。
【0051】
また、
図4に示すように、部品情報領域75の右側には、スクロールバー75Hとスクロールボタン75Gが表示されている。このスクロールバー75H及びスクロールボタン75Gは、マウスポインタ63によって操作されることで、部品情報領域75に表示しきれない情報をスクロールさせながら表示させるためのものである。
【0052】
コスト表示ウィンドウ71の上部には、コスト精度の円グラフ79が表示されている。この円グラフ79は、上記した試作単価43、見積単価41、標準単価42及び予想単価44の4つの単価について、合計コスト73Bの算出に用いた比率を示している。例えば、円グラフ79は、各単価を用いた部品の合計額の割合を示している。より具体的には、円グラフ79は、上記した優先度の高いものから順に時計回りに、標準単価42、見積単価41、試作単価43、予想単価44の順番で色分けして表示されている。
図4に示す例では、2番目の見積単価41(薄い斜線の部分79A)の割合が最も高くなっている。この場合、合計コスト73Bの算出において、見積単価41を採用した部品の合計額が、他の単価を用いた部品の合計額に比べて最も高いことを示している。これにより、ユーザは、コストの算出に用いられた単価の種類や比率からコスト73の信頼度を視覚的に認識できる。
【0053】
なお、円グラフ79は、各単価を採用した部品の合計額の比率に限らず、例えば、各単価を採用した部品の部品数の比率を示してもよい。また、円グラフ79は、例えば、優先度の高いものを青色や緑色で示し、優先度の低いものを警告に使用され易い赤色や黄色で示すなどして、円グラフ79を見たユーザに対して直感的に信頼度を認識させる表示でもよい。
【0054】
円グラフ79の右側には、部品情報領域75に表示される全情報を出力するためのCSV出力ボタン81が設けられている。CPU21は、ユーザによってCSV出力ボタン81をクリックされると、部品情報領域75の情報をCSV(Comma Separated Value)形式のファイルとして出力する。なお、CPU21は、CSV形式以外の形式(スペースで区切った形式など)で情報を出力してもよい。
【0055】
また、円グラフ79の左側には、表示条件選択欄83が表示されている。表示条件選択欄83には、ツリー表示及び全集計のそれぞれに対応するラジオボタン83Aが表示されている。CPU21は、ツリー表示のラジオボタン83Aを選択された場合、部品情報領域75の情報を階層(レイヤー)ごとに表示する。また、CPU21は、全集計のラジオボタン83Aを選択された場合、部品情報領域75の情報を同一部品(例えば、同一の図番37)でまとめて表示する。
図4に示す状態では、ツリー表示のラジオボタン83Aを選択されており、部品情報領域75には、階層ごとに部品情報が表示されている。
【0056】
また、表示条件選択欄83の左側には、検索条件選択欄85が表示されている。検索条件選択欄85には、最安価格及び最新価格のそれぞれに対応するラジオボタン85Aと、Lot(ロット)数を入力可能な入力欄85Bが表示されている。ここで、
図1に示す調達情報サーバ17には、調達部門の人員によって様々な取引の情報を登録される可能性がある。これらの情報について、設計を実施する度に設計支援装置13から調達情報サーバ17に問い合わせを実施すると、調達情報サーバ17の検索処理による負荷が増大する虞がある。そこで、中間サーバ19は、1つの図番37から4つの単価を一義的に検索できるようにデータの加工を事前に実施する。例えば、中間サーバ19は、設計を実施しない深夜等にデータの加工処理を実行する。
【0057】
例えば、1つの部品について複数の取引がなされた場合、調達情報サーバ17には、その部品について、複数の標準単価42の情報が設定される。この場合、中間サーバ19は、1つの部品について最新の取引の標準単価42と、最安値の標準単価42とを調達情報サーバ17から取得し保存する。これにより、中間サーバ19は、CPU21から問い合わせがあった図番37に対して、例えば、最安の標準単価42を一義的に決定し応答することができる。
【0058】
そして、CPU21は、
図4に示す最安価格のラジオボタン85Aを選択された場合、中間サーバ19から最安の標準単価42を取得し部品情報領域75に表示するとともに、合計コスト73Bの算出に用いる。また、CPU21は、
図4に示す最新価格のラジオボタン85Aを選択された場合、中間サーバ19から最新の標準単価42を取得し部品情報領域75に表示するとともに、合計コスト73Bの算出に用いる。これにより、ユーザは、部品の価格変動などを考慮して、最安値や最新単価を選択することができる。なお、他の価格(見積単価41など)についても、上記した標準単価42と同様の処理を行うことで、選択的な処理を実行できる。
【0059】
また、例えば、1つの部品についてロット数ごとに単価が異なる場合がある。ここでいうロット数とは、1つの部品をまとめて購入する数である。1つの部品についてロット数の異なる取引がなされた場合、調達情報サーバ17には、その部品について、ロット数ごとに異なる価格の標準単価42の情報が設定される。この場合、中間サーバ19は、1つの部品についてロット数ごとの標準単価42を調達情報サーバ17から取得し保存する。
【0060】
そして、CPU21は、
図4に示す入力欄85Bにロット数を入力された場合、入力されたロット数に応じた標準単価42を、中間サーバ19から取得し部品情報領域75に表示するとともに、合計コスト73Bの算出に用いる。例えば、ユーザは、ノズルチェンジャー51の生産予定数が5万台である場合、ロット数として5万を入力欄85Bに入力する。これにより、CPU21は、例えば、ノズルチェンジャー51に4つ使用するワッシャについては、ロット数として20万個(=4×5万)を設定する。そして、CPU21は、20万個と一致又はそれに近いロット数に対応する標準単価42を中間サーバ19から取得する。これにより、ユーザは、設計中のノズルチェンジャー51の生産予定台数をロット数として指定することで、生産予定台数を製造した場合により近い合計コスト73Bを知ることができる。
【0061】
なお、中間サーバ19による事前のデータの加工処理は、上記したものに限らない。例えば、中間サーバ19は、1つの部品について複数の部品メーカーから購入した実績がある場合、購入実績の最も多い部品メーカーの単価を採用してもよい。例えば、1種類のワッシャについて、過去のノズルチェンジャー51の開発を通して、A社から80%を購入し、B社から20%購入している場合、そのワッシャの標準単価42としては、A社の単価を採用してもよい。あるいは、中間サーバ19は、1つの部品についてまとめて購入することしかできない場合、購入した価格を部品数で除算して、部品1つ当たりの単価を事前に算出してもよい。
【0062】
また、
図4に示すように、コスト表示ウィンドウ71の右上の角には、縮小化ボタン71Bが設けられている。CPU21は、縮小化ボタン71Bをクリックされるのに応じて、コスト表示ウィンドウ71を、
図3に示す縮小化された状態に戻す処理を行う。
【0063】
(ナレッジ情報49について)
次に、ナレッジサーバ18のナレッジ情報49について説明する。ナレッジサーバ18に保存されたナレッジ情報49は、過去の設計で発生した問題、失敗事例、個人的な工夫や経験などの情報である。より具体的には、ナレッジ情報49とは、例えば、設計した製品(ノズルチェンジャー51など)の購入者が製品を実際に使用した際に発生した事象の情報である。本実施形態の設計支援装置13は、CADツール33の実行し(
図2のS11)、CADデータ34を表示する(S13)のに連動して、表示するCADデータ34に対応するナレッジ情報49をナレッジサーバ18から取得する。
【0064】
図2に示すように、CPU21は、S19で算出したコスト73を作業表示ウィンドウ55に表示した後(S21、
図3参照)、ナレッジ情報49をナレッジサーバ18から取得する(S23)。例えば、ナレッジサーバ18には、部品名ごとや部品の材料ごとにナレッジ情報49が保存されている。CPU21は、S13で開いたCADファイルの設計対象物の品名39をキー情報として、ナレッジサーバ18からナレッジ情報49を取得する。この品名39は、例えば、ノズルチェンジャーである。CPU21は、S23で取得したナレッジ情報49を作業表示ウィンドウ55に表示する(S25)。なお、CPU21は、S23でナレッジ情報49を取得できない場合、
図2に示す処理を終了する。
【0065】
図3に示すように、作業表示ウィンドウ55の作業領域53の右上には、ナレッジウィンドウ87が縮小化されて表示されている。CPU21は、例えば、縮小化されたナレッジウィンドウ87にマウスポインタ63を合わしてクリックされるのに応じて、
図5に示すようにナレッジウィンドウ87を拡大表示する。CPU21は、例えば、表示部29の画面上における作業表示ウィンドウ55とは異なる位置に拡大したナレッジウィンドウ87を表示させる。また、CPU21は、ナレッジウィンドウ87の非表示ボタン87A(
図3参照)にマウスポインタ63を合わしてクリックされること応じて、ナレッジウィンドウ87を作業領域53から消す処理を行う。
【0066】
図5に示すように、ナレッジウィンドウ87には、過去の日付と、その日付に発生した事象の内容とを対応付けたナレッジ情報49が表示される。また、
図5に示すように、ナレッジ情報49の右側には、スクロールバー87Cとスクロールボタン87Dが表示されている。このスクロールバー87C及びスクロールボタン87Dは、マウスポインタ63によって操作されることで、表示しきれないナレッジ情報49をスクロールさせながら表示させるためのものである。これにより、ユーザは、ノズルチェンジャー51の設計を開始する際に、過去に発生した問題等を予め確認することができ、発生した問題等を解決させることを考慮しながら設計を行うことができる。
【0067】
また、
図5に示すように、ナレッジウィンドウ87の右上の角には、縮小化ボタン87Bが設けられている。CPU21は、縮小化ボタン87Bをクリックされるのに応じて、ナレッジウィンドウ87を、
図3に示す縮小化された状態に戻す処理を行う。このようにして、本実施形態の設計支援装置13は、コスト73やナレッジ情報49をユーザに通知しながら、より適切な設計をユーザに実施させることができる。
【0068】
因みに、CPU21は、制御部の一例である。中間サーバ19は、サーバの一例である。
【0069】
以上、詳細に説明した実施形態によれば以下の効果を奏する。
設計支援装置13のCPU21(制御部)は、CADデータ34を表示部29に表示する指示を操作部31によって行う操作(
図2のS11)に連動して、コスト73を算出し通知する。このため、CADデータ34を表示部29に表示するのに合わせて、設計対象物(ノズルチェンジャー51)のコスト73を、ユーザ(設計者など)に認識させることができる。その結果、CADのユーザに対してコストの意識を啓発することができる。
【0070】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、1つの表示部29(モニター)に作業表示ウィンドウ55と、コスト表示ウィンドウ71とを表示したが、作業表示ウィンドウ55とコスト表示ウィンドウ71とを別々のモニターに表示してもよい。
また、上記実施形態では、算出したコスト73を表示部29に表示させてユーザに通知したが、通知方法はこれに限らない。例えば、算出したコスト73の額を音声でユーザに通知してもよい。
また、上記実施形態では、1つの中間サーバ19に対して1つの設計支援装置13を接続したが、これに限らず、中間サーバ19のデータを複数の設計支援装置13で共有する構成でもよい。
また、上記実施形態では本願における設計対象物として、実装機のノズルチェンジャー51を例に説明したが、本願はこれに限定されるものではなく、他の様々な装置や機器を設計対象物として採用することができる。