(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る照明装置1を含む照明システムについて図面を参照しながら説明する。
<1.第1の実施形態>
図1に示すように、照明システムは、電気機器の一例としての照明装置1及び入力装置の一例としての調光器3を備える。照明装置1と調光器3とは制御信号線35で電気的に接続されている。調光器3は、ユーザが調光の度合いを指示するための回転式の調光つまみ37を有する。調光器3は、ユーザが調光つまみ37を回す角度に応じた調光度合い(調光率ともいう。)を表す機器調光制御信号を出力する。照明装置1は、制御信号線35を介して機器調光制御信号を受信し、受信した機器調光制御信号に応じた調光を行う。
【0011】
照明装置1は、照明装置1を設置するための設置環境の一例である天井2に設置される。天井2は、天井板31、取付用ボルト32a、取付用ボルト32b、制御信号線35、電源・アース線36を備える。
【0012】
図1において、天井板31を切断したかのような表現をしているが、これは理解容易化のため模式的に表しているためである。天井板31は、板状の部材であり、照明装置1を嵌め込むことができる程度の大きさ、形の開口を有すれば足りる。天井2には、照明装置1を取り付ける位置に対応する位置に、取付用ボルト32a及び取付用ボルト32bが設置されている。また、天井2には、制御信号線35、及び、電力供給元から照明装置1に電力を供給するための電源・アース線36が配されている。制御信号線35は、照明装置1が備える調光信号端子台24に電気的に接続される。電源・アース線36は、照明装置1が備える電源端子台25に電気的に接続される。
【0013】
照明装置1は、天井板31の表面31a側から天井板31の開口に嵌め込まれる。嵌め込まれる際、取付用ボルト32a及び取付用ボルト32bが、照明装置1の天板に設けられた取付ボルト用穴28a及び取付ボルト用穴28bに通される。そして、取付用ボルト32a及び取付用ボルト32bのそれぞれに、座金33a及び座金33bを挟み込んでナット34a及びナット34bが累合されることで照明装置1が固定される。
【0014】
ここで、照明装置1は、第1の通信方式の一例である無線通信方式とは異なる第2の通信方式の一例である有線通信方式により動作指示を受信し、その動作指示に基づき光源に対し調光等の動作を指示する電源装置を備える。照明装置1は、第1の通信方式により制御されることを前提として設計された電源装置を、有線信号で制御可能な電源装置として使用することができる。第2の通信方式では、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号による通信を行う。
【0015】
以下、照明システムを構成する照明装置、特に照明装置を構成する信号モジュールについて詳細に説明する。
【0016】
<照明装置1>
照明装置1は、光源部10と本体部20とを備える。
<光源部10>
光源部10は、本体部20に嵌め込まれて略箱状の照明装置10の外観を構成する。
【0017】
光源部10は、
図1に示すように、枠部11、光源モジュール12a、光源モジュール12b、モジュール側接続線13、及びモジュール側コネクタ14を備える。
【0018】
枠部11は、照明装置1の外観の一部を構成する略板状の部材である。枠部11には、光源モジュール12a及び光源モジュール12bを嵌め込むための取付穴が設けられている。
【0019】
光源モジュール12a及び光源モジュール12bは、光源の一例として複数のLED(Light Emitting Diode)素子が配列された基板(図示せず)、及び、その基板におけるLED配列面の裏面に配されるヒートシンク(図示せず)を備えるモジュールである。光源モジュール12a及び光源モジュール12bは、各LED素子が発する光による発光面12aa及び発光面12baが照明装置1の外方を向くよう枠部11の取付穴に取り付けられる。
【0020】
光源モジュール12a及び光源モジュール12bは、後述する電源装置22よりモジュール側接続線13を介して入力される光源駆動出力により駆動される。光源モジュール12a及び光源モジュール12bにおける各LED素子は、光束が光源駆動出力の大きさに略比例する大きさの光束で発光する。なお、光束の大きさの単位はルーメンである。光源駆動出力は、一例として、電流値が0〜150ミリアンペア(以下「mA」という。)の電流である。
【0021】
モジュール側接続線13は、光源駆動出力を伝送する接続線である。モジュール側接続線13は、一端が光源モジュール12a及び光源モジュール12bに接続され、他端にモジュール側コネクタ14が取り付けられている。
【0022】
モジュール側コネクタ14は、後述する本体側コネクタ27に接続されるコネクタである。モジュール側コネクタ14は、本体側コネクタ27に接続されることにより、モジュール側接続線13と後述する本体側接続線26とを電気的に接続する。
<本体部20>
本体部20は、
図1に示すように、照明装置1のうち、天井2に設けられる開口に嵌め込まれる部材であり、筐体部21、電源装置22、有線信号モジュール23、調光信号端子台24、電源端子台25、本体側接続線26、及び本体側コネクタ27を備える。
【0023】
筐体部21は、一面が開口した箱状の部材であり、部品などの収容が可能である。筐体部21の開口部分に、光源部10の枠部11の外周部分が嵌合する。また、本体部20の底面板が上述の照明装置1の天板に相当し、この底面板に取付ボルト用穴28a、取付ボルト用穴28b、及び信号線用穴28cが形成されている。
<電源装置22>
電源装置22は、光源を所望の明るさで発光させるための電力である光源駆動出力を、光源モジュール12a及び光源モジュール12bに対し出力するための定電流回路を備えた電源装置である。電源装置22は、スイッチング回路、ダイオード、平滑コンデンサ、FET(Field Effect Transistor)、トランジスタ、抵抗などの少なくとも一部を備える。
【0024】
電源装置22は、電源制御信号により定まる大きさの光源駆動出力を本体側接続線26に出力する。電源制御信号は、一例として、3V、1kHzのPWM(Pulse Width Modulation)信号である。この場合、電源装置22は、一例としてPWM信号のデューティー比の大きさに略比例する電流値の光源駆動出力を行う。
【0025】
電源装置22は、
図2に示すように、所定の接続形状及び電源制御信号形式を有する信号モジュールを挿入するための接続部29を備える。接続部29には、信号モジュールの一例として、有線信号モジュール23が挿入される。接続部29には、信号モジュールの一例としての無線信号モジュール50を挿入することもできるよう構成されている。
【0026】
図3は、接続部29の内部について説明するため、
図2中のX−X断面における接続部29近傍を模式的に表した図である。接続部29の内部には、ソケット部61が配されている。ソケット部61には、金属製の端子を含む端子部62を備える。端子部62は、電源装置22内の回路に電気的に接続している。電源装置22は、端子部62を介して外部より信号を受信し、受信した信号に応じて動作する。
【0027】
ここで、上述の所定の接続形状及び電源制御信号形式とは、接続部29に挿入可能な形状を有し、挿入された場合に、信号モジュールが有する端子が端子部62に配された端子に適切に電気的に接続し、電気的に接続した両端子を介して適切に信号を伝達できるとの条件を満たす接続形状及び電源制御信号形式である。
【0028】
電源装置22の接続部29は電源装置の筐体の一部に設けられているが、電源からコードを介して接続部が設けられていてもよい(その場合は、電源、コードと接続部を合わせて電源装置と呼ぶこととする)。
<有線信号モジュール23>
有線信号モジュール23は、1次制御信号である機器調光制御信号を受信し、機器調光制御信号に応じた2次制御信号である電源制御信号を電源装置22に出力するモジュールである。一例として、有線信号モジュール23は、機器調光制御信号の電圧及び周波数を適宜変換して電源制御信号を生成している。なお、本実施形態の例では、機器調光制御信号と、電源制御信号との周波数が同じであるので、有線信号モジュール23における、周波数の変換機能を実現する構成は省略できる。
【0029】
有線信号モジュール23は、
図2に示すように、本体部41と、上述の所定の接続形状を有するコネクタ部42を備える。
【0030】
本体部41は、筐体内に回路を備える部材である。
【0031】
コネクタ部42は、金属製の端子から成る端子部43を有するコネクタである。端子部43は、本体部41が出力する信号を出力可能な入出力端子である。
【0032】
本体部41には、機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bの一端が接続されている。機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bの他端は、調光信号端子台24に接続されている。機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bは、調光器3から出力され、調光信号端子台24により中継される機器調光制御信号を伝送する。
【0033】
ここで、機器調光制御信号は、12V、周波数が1キロヘルツ(以下「kHz」という)、デューティー比0〜100%のPWM信号である。PWM信号のデューティー比が調光度合いを表している。
【0034】
図4は、有線信号モジュール23を機能的に表すブロック図である。
【0035】
有線信号モジュール23は、機能的には、制御信号入力部71、変換部72、出力端子部73及び入力端子部74を備える。なお、変換部72は、信号の変換が必要なければ構成の一部又は全部を省略してもよい。
【0036】
制御信号入力部71は、機器調光制御信号が入力される入力部である。制御信号入力部71には、機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bが接続される。制御信号入力部71には、機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bを介して機器調光制御信号が入力される。入力した機器調光制御信号は変換部72に伝送される。
【0037】
変換部72は、機器調光制御信号を受信し、受信した機器調光制御信号を電源制御信号に変換して出力する機能を有する。変換部72は、より具体的にはIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、DSP(Digital Signal Processor)など信号処理が可能な部材、及びこれらを制御するプログラムなどで構成される。
【0038】
変換部72は、信号レベル変換部75及び周波数変換部76を含んで構成されている。
【0039】
信号レベル変換部75は、入力される信号のレベル(大きさ)を、出力すべき信号のレベルに変換する機能を有する。ここで、入力される機器調光信号は、12Vの信号レベルを有する。出力すべき信号である電源制御信号の信号レベルは3Vである。このため、信号レベル変換部75は、12Vの信号レベルを3Vに変換する。
【0040】
周波数変換部76は、入力される信号の周波数を、出力すべき信号の周波数に変換する機能を有する。ここで、本実施形態では、入力される機器調光信号の周波数、出力すべき信号である電源制御信号の周波数がともに1kHzであるため、周波数変換部76は省略するのが望ましい。
【0041】
出力端子部73は、変換部72が生成し出力する信号を外部に出力する機能を有する。出力端子部73は、具体的には金属製の端子である。出力端子部73により電源制御信号68が出力される。
【0042】
入力端子部74は、外部から入力される信号を受け付ける機能を有する。入力端子部74は、具体的には金属製の端子である。入力端子部74に入力される信号は、一例として、電源装置22が出力する、電源装置22のエラー状態、通信状態などを表すステータス信号である。電源装置22が、上述のステータス信号を出力しない場合には、入力端子部74は、使用しないこととしてもよいし、省略してもよい。
<調光信号端子台24>
図1に示す調光信号端子台24は、調光制御信号を伝送するための電線を分岐し、中継するための部材である。
【0043】
調光信号端子台24は、
図5に示すように、本体部81、端子部82a、端子部82b、端子部82c、端子部83a、端子部83b、端子部83c、解除ボタン84a及び解除ボタン84bを備える。
【0044】
本体部81は、調光信号端子台24の外観を構成する筐体内に部材が収容されて成る。
【0045】
端子部82a、端子部82b及び端子部82cは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を備える。端子部82a、端子部82b及び端子部82cは電気的に接続している。よって、端子部82a、端子部82b及び端子部82cのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。
【0046】
端子部83a、端子部83b及び端子部83cは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を備える。端子部83a、端子部83b及び端子部83cは電気的に接続している。よって、端子部83a、端子部83b及び端子部83cのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。
【0047】
調光信号端子台24は、制御信号線35を、有線モジュール23への配線と、他の照明装置への送り配線とに分岐するために用いられる。
【0048】
ここで、制御信号線35は、制御信号用の電線とグランド用の電線とを含む。制御信号線35のうち制御信号用の電線は、端子部82aに挿入される。そして、端子部82bに、他の照明装置への送り配線が挿入され、端子部82cに、制御信号線44aが挿入される。制御信号線35のうちグランド用の電線は、端子部83aに挿入される。そして、端子部83bに、他の照明装置への送り配線が挿入され、端子部83cに、制御信号線44bが挿入される。
【0049】
解除ボタン84aは、端子部82a、端子部82b及び端子部82cによる電線の固定を解除するためのボタンである。具体的には、解除ボタン84aが押されている間、端子部82a、端子部82b及び端子部82cにおける電線を固定する機構が、電線の固定を解除する。一方、解除ボタン84aが押されていないときは、端子部82a、端子部82b及び端子部82cにおける電線を固定する機構が電線を固定し、各端子と挿入されている電線とを電気的に接続する。
【0050】
解除ボタン84bは、端子部83a、端子部83b及び端子部83cによる電線の固定を解除するためのボタンである。具体的には、解除ボタン84bが押されている間、端子部83a、端子部83b及び端子部83cにおける電線を固定する機構が、電線の固定を解除する。一方、解除ボタン84bが押されていないときは、端子部83a、端子部83b及び端子部83cにおける電線を固定する機構が電線を固定し、各端子と挿入されている電線とを電気的に接続する。
<電源端子台25>
電源端子台25は、電力を供給するための電線を分岐し、中継するための部材である。
【0051】
電源端子台25は、
図6に示すように、本体部91、解除ボタン92a、解除ボタン92b、端子部93a、端子部93b、端子部93c、解除ボタン94a、解除ボタン94b、端子部95a、端子部95b、及び端子部95cを備える。
【0052】
本体部91は、電源端子台25の外観を構成する筐体内に部材が収容されて成る。
【0053】
端子部93a、端子部93b及び端子部93cは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を有する。端子部95a、端子部95b及び端子部95cは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を有する。端子部93a及び端子部95aは電気的に接続し、かつ電源装置22と電気的に接続している。よって、端子部93a及び端子部95aのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。端子部93b及び端子部95bは、電気的に接続し、かつ電源装置22と電気的に接続している。よって、端子部93b及び端子部95bのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。
【0054】
また、端子部93c及び端子部95cは、電気的に接続し、かつ電源装置22と電気的に接続している。よって、端子部93c及び端子部95cのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。
【0055】
解除ボタン92aは、電線の固定を解除するためのボタンである。具体的には、解除ボタン92aが押されている間、端子部93a及び端子部93bにおける電線を固定する機構が、電線の固定を解除する。一方、解除ボタン92aが押されていないときは、端子部93a及び端子部93bにおける電線を固定する機構が電線を固定する。
【0056】
解除ボタン92b、解除ボタン94a及び解除ボタン92bは、それぞれ解除ボタン92aと同様の機構を有するボタンであり、端子部93c、端子部95a及び端子部95b、並びに端子部95cにおける電線の固定、固定の解除を切り替える。
【0057】
ここで、電源・アース線36のうち、電源線36a及び電源線36bが端子部93a及び端子部93bに挿入される。電源・アース線36のうち、アース線36cが端子部93cに挿入される。送り配線についても、電源・アース線36の場合と同様に、送り配線の電源線が端子部94a及び端子部94bに挿入される。そして、送り配線のうちアース線が端子部93cに挿入される。
<無線信号モジュール50>
無線信号モジュール50は、タブレット又はPCなどの入力装置により手動または自動で入力された調光度などの制御情報に基づき、無線通信により発信された1次制御信号であるコマンドを無線通信により受信し、このコマンドに対応する2次制御信号である電源制御信号を電源装置22に出力する機能を有するモジュールである。ここで、有線信号モジュール23が機器調光制御信号を受信したときに出力する電源制御信号と、この機器調光制御信号に対応するコマンドを受信したときに、無線信号モジュール50が出力する電源制御信号は同じ形式の信号である。
【0058】
無線信号モジュール50は、
図2に示すように、本体部51、コネクタ部52を備える。
【0059】
本体部51は、筐体内に回路を備えた部材である。
【0060】
本体部51は、DSPを備え、受信した機器調光制御信号に応じた電源制御信号を、コネクタ部52を介して電源装置22に出力する。
【0061】
コネクタ部52は、金属製の端子から成る端子部を有するコネクタであり、有線信号モジュール23が備えるコネクタ部42と略同一の形状を有する。無線信号モジュール50は、上述の有線信号モジュールと互換性のある接続形状及び電源制御信号形式を備えており、接続部29に挿入されると、コネクタ部52の備える各端子が、ソケット部61が備える各端子と電気的に接続する。
【0062】
無線信号モジュール50は、無線信号として、IEEE802.15.4規格に準拠した信号の送受信を行うことができるが、これに限らずIEEE802.15.1規格、IEEE802.11規格などの通信を行ってもよい。
<効果>
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係る有線信号モジュールは、無線信号モジュールと同じ接続形状及び同じ電源制御信号形式を有する。そして、電源装置が備える接続部に、無線信号モジュールと同様、装着可能となっている。このため、無線信号により制御されることを前提として設計された電源装置を、有線信号で制御可能な電源装置として使用することができる。したがって、電源装置を設置した後で、有線制御と無線制御のどちらで制御するかを変更可能である。また、無線制御用電源と有線制御用電源とを両方とも用意しておくことなく、一例として一方である用意しておき、有線制御用電源として有効に活用することもできる。
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態では、照明装置1が調光信号端子台24を有することとしていたが、調光信号端子台24に相当する調光信号端子台を有線信号モジュールと一体化する構成としてもよい。
【0063】
無線により制御される照明装置においては、無線信号モジュールが機器調光制御信号に対応するコマンド(1次制御信号)を無線により受信するので、有線信号を分岐する調光信号端子台を設ける必要がない。よって、調光信号端子台を有線信号モジュールと一体化する構成とすることにより、照明装置における信号モジュールを除く構成を、有線制御する場合と無線制御する場合とで共通化することができる。すなわち、電源装置に装着される無線信号モジュールに代えて、本実施形態に係る調光信号端子台と一体化された有線信号モジュールを装着することで、無線制御用の電源装置を有線制御用に用いることができる。
【0064】
以下、第2の実施形態について、有線信号モジュールの構成を中心に説明する。
【0065】
図7は、本実施形態に係る有線信号モジュール100を説明するための斜視図である。
【0066】
有線信号モジュール100は、
図7に示すように、本体部101、コネクタ部42及び端子台部102を備える。
【0067】
本体部101は、第1の実施形態における本体部41と同様の構成及び機能を有する。
【0068】
端子台部102は、調光信号端子台24と同様の機能、すなわち調光制御信号を伝送するための電線を分岐し、中継する機能を有する。
【0069】
ここで、第1の実施形態における有線信号モジュール23では、本体部41と、調光信号端子台24との間を、機器制御信号線44a及び機器制御信号線44bにより電気的に接続していた。これに対し、有線信号モジュール100では、本体部101と端子台部102との電気的接続は有線信号モジュール100の筐体の内部で行われており、これらの接続のための信号線は筐体の外部に露出しない。
【0070】
端子台部102は、端子部111a、端子部111b、端子部112a及び端子部112bを備える。
【0071】
端子部111a及び端子部111bは、端子部82a及び端子部82bに相当する。端子部111a及び端子部111bは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を有する。端子部111a及び端子部111bは電気的に接続している。よって、端子部111a及び端子部111bのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。端子部111a及び端子部111bは、本体部101と電気的に接続している。
【0072】
端子部112a及び端子部112bは、端子部83a及び端子部83bに相当する。端子部112a及び端子部112bは、電線挿入口を有しており、電線挿入口に挿入された電線を固定する機構を有する。端子部112a及び端子部112bは電気的に接続している。よって、端子部112a及び端子部112bのそれぞれに電線が挿入されると、挿入された電線同士は電気的に接続する。端子部112a及び端子部112bは、本体部101と電気的に接続している。
【0073】
解除ボタン113a、解除ボタン113b、解除ボタン114a及び解除ボタン114bは、電線の固定を解除するためのボタンであり、各解除ボタンが押されている間、各端子部における電線を固定する機構が、電線の固定を解除する。一方、各解除ボタンが押されていないときは、各端子部における電線を固定する機構が電線を固定する。
【0074】
以上のように、有線信号モジュール100を上述の構成とすることで、照明装置において調光信号端子台を設ける必要がなくなる。よって、電源装置及び照明装置において、無線制御、有線制御の別により構成を変更すべき箇所を減少させ、あるいは無くすことができる。すなわち、信号モジュールを除く照明装置の構成を、有線制御を行う場合と無線制御を行う場合とで共通化することができる。
<3.変形例>
以上、本発明に係る照明システム、照明装置及び有線信号モジュールの実施形態を説明したが、例示した照明システム、照明装置及び有線信号モジュールを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明システム、照明装置及び有線信号モジュールに限られないことは勿論であ
る。
【0075】
(1)第1の実施形態では、照明装置1として、筐体の一部を天井に埋め込む略正方形のスクエアベースライトを用いる例で説明したが、これに限らず、照明装置であれば足りる。照明装置1は、例えば、ベースライト、ベースダウンライト、ユニバーサルダウンライト、スポットライト及び高天井用照明であってもよ
い。
【0076】
(2)第1の実施形態では、ユーザが調光器3を用い、照明装置1に調光動作をさせる例について説明した。しかしながら、照明装置1に行わせる動作は調光動作に限らず、照明装置1が実行可能な動作であれば足りる。例えば、実行可能な動作として、光源の色温度を変化させる調色、あるいは任意の色の選択動作としてもよい。また、光源のレンズ等を動かして放射角を変更することとしてもよい。また、照明装置がスポットライトである場合に、光源を含む灯体部分の首振りをして配光方向を変更することとしてもよい。また、照明装置がダクトレールに取り付けるタイプのスポットライトであって、光源を含む灯体部分がダクトレールに沿って移動する機能を有する場合に、ダクトレールに沿って灯体部分が移動することとしてもよ
い。
【0077】
(3)第1の実施形態では、機器制御信号である機器調光制御信号が、電圧12V、周波数1kHz、デューティー比0〜100%のPWM信号である例を用いて説明した。しかしながら、機器制御信号は、このフォーマットに限られるものではなく、照明装置に対し指示を伝えられるフォーマットであれば足りる。機器制御信号は、例えば、電圧、周波数を異ならせた信号としてもよいし、パルス振幅変調信号などPWM信号以外のフォーマットの信号、あるいはデジタル信号としてもよい。
【0078】
また、第1の実施形態では、電源制御信号が電圧3V、周波数1kHzのPWM信号である例を用いて説明した。しかしながら、電源制御信号は、このフォーマットに限られるものではなく、電源装置に対し指示を伝えられるフォーマットであれば足りる。電源制御信号は、例えば、電圧、周波数を異なるものとしてもよいし、パルス振幅変調信号などPWM信号以外のフォーマットの信号としてもよ
い。
【0079】
(4)第1の実施形態では、電気機器の一例として照明装置1を用いたが、これに限らず、外部から制御用の信号、コマンドなどを入力し、入力に基づいた動作を行う電気機器であれば足りる。例えば、電気機器は、天井に取り付けられる人感センサー、カメラなどであってもよいし、冷蔵庫、洗濯機などの家電等であってもよ
い。
【0080】
(5)第1の実施形態では、調光信号端子台24は、入力される信号を2分岐するよう構成していたが、これに限らず3分岐以上可能な構成としてもよい。また、電源端子台25についても同様に、入力される信号を2分岐するよう構成していたが、これに限らず3分岐以上可能な構成としてもよ
い。
【0081】
(6)第1の実施形態では、照明装置1は電源装置を1個備える例で説明したが、これに限らず、2個以上備えることとしてもよい。例えば、複数の電源装置それぞれが、発光する色温度がそれぞれ異なるなど複数種の光源モジュールのそれぞれを制御するような構成としてもよい。この場合、例えば、上記変形例(5)で示したような多数分岐する電源端子台を用い、複数の電源装置間で、電源を供給するための電線が送り配線となるように配線を行ってもよ
い。
【0082】
(7)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<4.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明システム、照明装置及び有線信号モジュールの構成及びその変形例と効果について説明す
る。
【0083】
(1)本発明の一実施形態に係る信号モジュールは、電気機器の接続部に装着可能な接続形状及び前記電気機器を制御可能な2次制御信号を出力する信号モジュールであって、前記電気機器は、第1の通信方式により1次制御信号を受信し、1次制御信号に応じた2次制御信号を出力する信号モジュールが装着可能な接続部を備え、前記信号モジュールは、第2の通信方式により機器制御信号を受信する受信部と、前記電気機器の接続部に装着可能であり、前記2次制御信号を出力する出力部を備える。
【0084】
この構成により、第1の通信方式のみならず第2の通信方式によるコマンドの受信を可能とするため電気機器の汎用性を高めることができ
る。
【0085】
(2)また、前記第1の通信方式は、無線通信方式であり、前記第2の通信方式は、有線通信方式であるとしてもよい。
【0086】
この構成により、無線通信を用いて制御される電気機器を、有線通信を用いて制御を可能にすることができ
る。
【0087】
(3)また、前記有線通信方式は、PWM信号を通信する方式であるとしてもよい。
【0088】
この構成により、PWM信号を用いて電気機器を制御することができ
る。
【0089】
(4)また、前記電気機器は、電源装置であるとしてもよい。
【0090】
この構成により、無線通信を用いて制御される電源装置を、有線通信を用いて制御することができ
る。
【0091】
(5)本発明の一実施形態に係る照明装置は、入力装置と、第2の信号モジュールと、電源装置と、前記電源装置によって駆動される光源を備えた照明装置であって、前記第2の信号モジュールは、前記入力装置が発し第2の通信方式により伝送される機器制御信号を受信する受信部と、2次制御信号を出力する出力部を備え、前記電源装置は、接続部を備え、前記接続部に前記第2の信号モジュールが着脱可能であり、前記2次制御信号によって制御可能であり、前記接続部は、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式により伝送される1次制御信号を2次制御信号に変換して出力する第1の信号モジュールを装着可能であり、前記接続部に接続する第1の信号モジュールと前記第2の信号モジュールを交換することにより、前記第1の通信方式及び前記第2の通信方式による制御が可能である。
【0092】
この構成により、第1の通信方式と第2の通信方式とによらず、照明装置の構成を共通化しう
る。
【0093】
(6)また、前記第1の通信方式は、無線通信方式であり、前記第2の通信方式は、有線通信方式であるとしてもよい。
【0094】
この構成により、無線通信を用いて制御される照明装置を、有線通信を用いて制御を可能にすることができ
る。
【0095】
(7)また、前記有線通信方式は、PWM信号を通信する方式であるとしてもよい。
【0096】
この構成により、PWM信号を用いて照明装置を制御することができ
る。
【0097】
(8)また、前記コマンドは、光源の調光、調色、放射角、配光方向、移動の少なくとも1つを制御するものであるとしてもよい。
【0098】
この構成により、照明装置における光源の調光、調色、放射角、配光方向、移動の少なくとも1つの制御について、第1の通信方式及び第2有線通信のいずれを用いて行うかを選択することができる。