(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
互いに離れている2つのコネクタを連結部材によって互いに連結するとき、2つのコネクタの間の距離のばらつきを抑えたいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、2つのコネクタの間の距離のばらつきを抑えるための新たな構造を有する連結部材を備えるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
2つのコネクタと、連結部材とを備えるコネクタ組立体であって、
前記連結部材は、2つの前記コネクタを、横方向において互いに離れるようにして連結しており、
前記連結部材は、天板部と、2つの前記コネクタと夫々対応する2つの位置決めセットを有しており、
前記位置決めセットの夫々は、位置決め部と、弾性部とからなり、
前記天板部は、連続した1枚の平板形状を有しており、前記横方向と直交する上下方向において2つの前記コネクタの上方に位置しており、
前記位置決め部の夫々は、前記天板部から前記上下方向において下方に延びており、且つ、対応する前記コネクタの前記横方向における外側に位置しており、
前記弾性部の夫々は、前記天板部に固定されており、且つ、対応する前記コネクタの前記横方向における内側に位置して、対応する前記コネクタを対応する前記位置決め部に押し付けている
コネクタ組立体を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記連結部材を前記横方向に沿って見たとき、前記位置決めセットの夫々において、前記位置決め部と前記弾性部とは、少なくとも部分的に重なっている
コネクタ組立体を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記横方向及び前記上下方向の双方と直交する前後方向において、全ての前記位置決め部についての中心位置は、全ての前記弾性部についての中心位置と一致している
コネクタ組立体を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のコネクタ組立体として、第1から第3までのコネクタ組立体のいずれかであって、
前記位置決め部の夫々は、受止部を有しており、
前記受止部の夫々は、前記横方向と交差する平板形状を有しており、
前記弾性部の夫々は、対応する前記コネクタを対応する前記位置決め部の前記受止部に押し付けている
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のコネクタ組立体として、第4のコネクタ組立体であって、
前記弾性部の夫々は、弾性変形可能な支持部と、前記支持部に支持された押圧部とを有しており、
前記連結部材を前記横方向に沿って見たとき、前記位置決めセットの夫々において、前記押圧部と前記受止部とは、少なくとも部分的に重なっている
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のコネクタ組立体として、第5のコネクタ組立体であって、
前記支持部の夫々は、前記天板部から前記上下方向において下方に延びている
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のコネクタ組立体として、第6のコネクタ組立体であって、
前記天板部は、2つの前記コネクタと夫々対応する2つの端板部を有しており、
前記端板部の夫々は、対応する前記位置決め部および対応する前記弾性部の前記支持部と、前記横方向において並んでいる
コネクタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のコネクタ組立体として、第4から第7までのコネクタ組立体のいずれかであって、
前記位置決め部の夫々は、前記受止部を前記天板部に結合する結合部を有しており、
前記結合部の夫々には、前記横方向及び前記上下方向によって規定される平面において外側に隆起したリブが形成されている
コネクタ組立体を提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のコネクタ組立体として、第1から第3までのコネクタ組立体のいずれかであって、
前記コネクタの夫々は、保持部材と、前記保持部材に保持された端子と、前記保持部材を少なくとも部分的に覆うシェルとを備えており、
前記コネクタの夫々において、前記シェルは、前記連結部材に固定されている
コネクタ組立体を提供する。
【0016】
また、本発明は、第10のコネクタ組立体として、第4から第8までのコネクタ組立体のいずれかであって、
前記コネクタの夫々は、保持部材と、前記保持部材に保持された端子と、前記保持部材を少なくとも部分的に覆うシェルとを備えており、
前記シェルの夫々は、前記横方向と交差する内側平面部と、前記横方向と交差する外側平面部とを有しており、
前記コネクタの夫々において、前記シェルは、前記連結部材に固定されており、前記外側平面部は、対応する前記位置決め部の前記受止部と接触しており、前記内側平面部は、対応する前記弾性部の前記押圧部と接触している
コネクタ組立体を提供する。
【0017】
また、本発明は、第11のコネクタ組立体として、第9又は第10のコネクタ組立体であって、
前記シェルの夫々は、前記連結部材の前記天板部にレーザ溶接されて固定されている
コネクタ組立体を提供する。
【0018】
また、本発明は、第12のコネクタ組立体として、第1から第11までのコネクタ組立体のいずれかであって、
前記連結部材は、少なくとも1つの補強部を有しており、
前記補強部は、前記横方向及び前記上下方向の双方と直交する前後方向における前記天板部の前端及び後端の少なくとも一方に形成されており、
前記補強部は、前記天板部から前記上下方向において下方に延びている
コネクタ組立体を提供する。
【0019】
また、本発明は、第13のコネクタ組立体として、第1から第12までのコネクタ組立体のいずれかであって、
2つの前記コネクタは、互いに同じ構造を有している
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コネクタの夫々は、対応する弾性部によって対応する位置決め部に押し付けられており、これにより横方向において位置決めされている。位置決め部の夫々は、天板部から延びる部位であり、天板部に対して正確に位置決めできる。また、天板部は、連続した1枚の平板形状を有しており、2つの位置決め部の間の横方向における距離は変動し難い。本発明による連結部材は、上述のように、2つのコネクタの間の距離のばらつきを抑えるための新たな構造を有している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から
図4までを参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタ組立体10は、互いに別体の2つのコネクタ20と、金属製の連結部材70とを備えている。連結部材70は、2つのコネクタ20を、横方向(Y方向)において互いに離れるようにして連結している。コネクタ20
は、Y方向において、コネクタ組立体10の両側に夫々位置している。
【0023】
本実施の形態において、コネクタ20は、互いに同じ部材から構成されており、互いに同じ形状及びサイズを有している。換言すれば、コネクタ20は、互いに同じ構造を有する同一部品である。但し、本発明は、これに限られず、コネクタ20は、互いに異なる構造を有していてもよい。
【0024】
図8を参照すると、本実施の形態のコネクタ20は、USB3.1TYPE−Cのレセプタクルである。また、コネクタ20は、所謂落とし込みタイプのコネクタであり、使用時に、回路基板80の切欠きに部分的に受容されるようにして回路基板80に取り付けられる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ20は、USBコネクタに限定されない。また、コネクタ20は、使用時に、回路基板80の上に搭載される基板コネクタであってもよい。
【0025】
コネクタ20は、樹脂等の絶縁体からなる保持部材30と、導電体からなる複数の端子40と、導電体からなるシェル50とを備えており、XZ平面について概ね鏡対称な形状を有している。
図1及び
図3を参照すると、端子40は、2列に分かれており、各列の端子40は、ピッチ方向(Y方向)に並べられて、保持部材30に保持されている。
図8を参照すると、シェル50は、1枚の金属板を、X方向と平行な軸を中心に折り曲げて形成されており、主としてYZ平面において保持部材30を覆っている。即ち、シェル50は、保持部材30を少なくとも部分的に覆っている。
【0026】
本実施の形態のコネクタ20は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、コネクタ20の構造は、様々に変形可能である。例えば、コネクタ20は、シェル50を備えていなくてもよい。
【0027】
コネクタ20は、プラグである相手側コネクタ(図示せず)と嵌合する嵌合部22を有している。
図1及び
図3に示されるように、本実施の形態のコネクタ組立体10において、2つのコネクタ20は、互いに同じ方向を向くように配置されている。詳しくは、嵌合部22の夫々は、前後方向(X方向)におけるコネクタ20の前端部(+X側の端部)に位置しており、前方(+X側)に向かって開口している。但し、本発明は、これに限られず、2つのコネクタ20は、互いに反対方向を向くように配置されていてもよい。
【0028】
図6及び
図8を参照すると、本実施の形態において、シェル50の夫々は、内側平面部52と、外側平面部54とを有している。一方のコネクタ20の内側平面部52及び外側平面部54は、他方のコネクタ20の外側平面部54及び内側平面部52と夫々同じ部位である。
【0029】
図3、
図4及び
図6を参照すると、2つの内側平面部52は、コネクタ組立体10のY方向における中間部に位置しており、Y方向において対向している。即ち、コネクタ20の夫々において、内側平面部52は、シェル50の内側側面(コネクタ組立体10のY方向における中心に近い側面)の一部である。
図6を参照すると、2つの外側平面部54は、コネクタ組立体10のY方向における両側に夫々位置している。即ち、コネクタ20の夫々において、外側平面部54は、シェル50の外側側面(コネクタ組立体10のY方向における中心から離れた側面)の一部である。
【0030】
図6と併せて
図8を参照すると、内側平面部52の夫々は、シェル50の内側側面のうち、仮想的な境界線522及び境界線524によって上下方向(Z方向)において上下に挟まれた部位である。また、外側平面部54の夫々は、シェル50の外側側面のうち、仮想的な境界線542及び境界線544によって上下に挟まれた部位である。本実施の形態の内側平面部52及び外側平面部54の夫々は、Y方向と直交する平面である。但し、本発明は、これに限られず、内側平面部52及び外側平面部54の夫々は、Y方向と多少斜交していてもよい。即ち、内側平面部52及び外側平面部54の夫々は、Y方向と交差していてもよい。
【0031】
図2、
図4及び
図8に示されるように、本実施の形態のシェル50の夫々は、後側部58を有している。後側部58は、コネクタ20の後端(−X側の端)に位置しており、保持部材30を後方から部分的に覆っている。本実施の形態によれば、コネクタ20の下部(−Z側の部位)は、使用時に回路基板80の切欠きに受容されるため、後側部58は、保持部材30の上部(+Z側の部位)のみを覆っている。但し、本発明は、これに限られず、後側部58は、コネクタ20の構造に応じて、保持部材30全体を後方から覆っていてもよい。また、後側部58は、必要に応じて設ければよい。
【0032】
図1及び
図8に示されるように、本実施の形態のシェル50の夫々は、2つのバネ部56を有している。コネクタ20が相手側コネクタ(図示せず)と嵌合した嵌合状態において、バネ部56の夫々は、相手側コネクタの相手側シェル(図示せず)と接触する。但し、本発明は、これに限られず、バネ部56は、必要に応じて設ければよい。
【0033】
図9を参照すると、本実施の形態の連結部材70は、曲げを有する1枚の金属板であり、XZ平面について鏡対称な形状を有している。連結部材70は、天板部72と、2つの位置決めセット74Sと、前側補強部(補強部)77と、後側補強部(補強部)78とを有している。位置決めセット74Sの夫々は、位置決め部74と、弾性部76とからなる。但し、連結部材70の構造は、上述した構造に限られず、後述するように様々に変形可能である。
【0034】
図9から
図13までを参照すると、天板部72は、連続した1枚の平板形状を有しており、XY平面に沿って延びている。
図9及び
図11を参照すると、本実施の形態の天板部72は、Y方向に長く延びており、中央板部722と、2つの端板部728とを有している。中央板部722は、天板部72のY方向における中間部に位置している。端板部728は、中央板部722のY方向における両側に夫々位置している。本実施の形態において、端板部728の夫々と
中央板部722との間に、凹部や凸部などの視認可能な境界部は設けられていない。但し、本発明は、これに限られず、端板部728の夫々と
中央板部722との間に、視認可能な境界部を設けてもよい。
【0035】
図9、
図10及び
図12を参照すると、位置決め部74は、天板部72のY方向における両端に夫々位置している。位置決め部74の夫々は、天板部72からZ方向において下方(−Z方向)に延びている。
図9を参照すると、位置決め部74は、天板部72の2つの端板部728に夫々繋がっている。即ち、位置決め部74は、端板部728と夫々対応している。本実施の形態において、位置決め部74の夫々と、対応する端板部728との間に、凹部や凸部などの視認可能な境界部は設けられていない。但し、本発明は、これに限られず、位置決め部74の夫々と、対応する端板部728との間に、視認可能な境界部を設けてもよい。
【0036】
図9、
図10及び
図12を参照すると、位置決め部74の夫々は、結合部742と、受止部744とを有している。結合部742の夫々は、対応する端板部728から、YZ平面において弧を描くようにして下方に延びている。位置決め部74の夫々において、受止部744は、位置決め部74のうち、下端(−Z側の端)近傍の部位であり、結合部742の下端から下方に延びている。即ち、位置決め部74の夫々において、結合部742は、受止部744を天板部72に結合している。
【0037】
本実施の形態において、受止部744の夫々は、Y方向と直交する平板形状を有している。受止部744の夫々において、Y方向内側の面(他方の受止部744を向いた面)は、Y方向と直交する平面である。但し、本発明は、これに限られず、受止部744の夫々は、Y方向と多少斜交していてもよい。即ち、受止部744の夫々は、Y方向と交差する平板形状を有していてもよい。換言すれば、受止部744の夫々において、Y方向内側の面は、Y方向と交差する平面であってもよい。
【0038】
図9を参照すると、結合部742の夫々には、2つのリブ750が形成されている。リブ750の夫々は、結合部742のY方向内側の端(結合部742と端板部728との間の境界)近傍から結合部742の下端近傍まで、YZ平面において弧を描くようにして延びている。
図11から
図13までを参照すると、リブ750の夫々は、Y方向及びZ方向によって規定される平面(YZ平面)において外側に隆起している。本実施の形態によれば、結合部742の夫々は、2つのリブ750によって補強されており撓み難い。換言すれば、受止部744は、多少の力を受けても、天板部72に対して殆ど移動しない。但し、本発明は、これに限られない。リブ750は、必要に応じて設ければよい。また、リブ750は、必要な数だけ設ければよい。
【0039】
図9から
図11までを参照すると、弾性部76の夫々は、天板部72に切れ目を入れて形成した部位を下方に折り曲げて形成されている。即ち、弾性部76の夫々は、天板部72に固定されている。
図10及び
図12を参照すると、弾性部76の夫々は、支持部762と、押圧部764とを有している。支持部762の夫々は、天板部72に繋がっており、天板部72からZ方向において下方に延びている。弾性部76の夫々において、押圧部764は、支持部762の下方に位置しており、Y方向外側に向かって(対応する受止部744に向かって)弧状に張り出している。支持部762の夫々は、弾性変形可能である。弾性部76の夫々において、押圧部764は、支持部762に支持されており、支持部762の弾性変形に応じて、Y方向に移動可能である。
【0040】
図9及び
図10を参照すると、補強部77は、天板部72の中央板部722の前端から、Z方向において下方に延びており、補強部78は、天板部72の中央板部722の後端から、Z方向において下方に延びている。補強部77及び補強部78の夫々は、中央板部722の略全体に亘ってY方向に延びている。本実施の形態によれば、天板部72は、補強部77及び補強部78によって補強されており撓み難い。換言すれば、天板部72(特に、中央板部722)は、多少の力を受けても、殆ど撓まない。但し、本発明は、これに限られず、補強部77及び補強部78の夫々は、必要に応じて設ければよい。例えば、連結部材70は、少なくとも1つの補強部(補強部77又は補強部78)を有していてもよい。また、補強部(補強部77又は補強部78)は、X方向における天板部72の前端及び後端の少なくとも一方に形成されていてもよい。
【0041】
図1を参照すると、連結部材70の天板部72の2つの端板部728は、コネクタ20と夫々対応している。加えて、
図1及び
図9を参照すると、連結部材70の2つの位置決めセット74Sは、コネクタ20と夫々対応している。端板部728の夫々は、対応する位置決め部74及び対応する弾性部76の支持部762と、Y方向において並んでいる。上述のように、コネクタ20の一方は、端板部728の一方及び位置決めセット74Sの一方に対応しており、コネクタ20の他方は、端板部728の他方及び位置決めセット74Sの他方に対応している。
【0042】
図1及び
図3を参照すると、コネクタ20の夫々は、対応する端板部728及び位置決めセット74Sに、下方から取り付けられており、これによりコネクタ組立体10が形成されている。
図6を参照すると、コネクタ組立体10の天板部72は、Z方向において2つのコネクタ20の上方に位置しており、XY平面に沿って延びている。詳しくは、端板部728の夫々は、対応するコネクタ20のシェル50の上面(+Z側の面)に接触又は近接している。位置決め部74の夫々は、コネクタ組立体10のY方向における中心を基準として、対応するコネクタ20のY方向における外側に位置している。弾性部76の夫々は、コネクタ組立体10のY方向における中心を基準として、対応するコネクタ20のY方向における内側に位置している。
【0043】
図6を参照すると、コネクタ20の夫々のY方向における幅寸法は、寸法W1である。本実施の形態における寸法W1は、コネクタ20の内側平面部52と外側平面部54との間のY方向における幅寸法である。
図12を参照すると、位置決めセット74Sの夫々において、位置決め部74と弾性部76との間のY方向における距離寸法は、寸法W2である。本実施の形態における寸法W2は、コネクタ20(
図6参照)を連結部材70に取り付ける前の状態における、位置決め部74の受止部744のY方向内側の面(対応する押圧部764を向いた面)と、弾性部76の押圧部764のY方向最外側部(対応する受止部744に最も近い部位)との間のY方向における距離寸法である。
【0044】
図6及び
図12を参照すると、寸法W2は、寸法W1よりも僅かに小さい。このため、コネクタ20の夫々を連結部材70に取り付ける取付過程において、コネクタ20は、弾性部76の下端部にガイドされ、支持部762を弾性変形させつつ、位置決め部74と弾性部76との間に受容される。即ち、取付過程において、支持部762は弾性変形し、押圧部764は、対応するコネクタ20をY方向外側に向けて(対応する位置決め部74に向けて)押圧しつつ、Y方向内側に向かって(対応する位置決め部74から離れるように)移動する。この結果、コネクタ組立体10において、弾性部76の夫々は、対応するコネクタ20を対応する位置決め部74に押し付けている。
【0045】
図6を参照すると、上述のように、コネクタ組立体10において、コネクタ20の夫々は、対応する弾性部76によって対応する位置決め部74に押し付けられており、これにより、連結部材70に仮保持されると共に、Y方向において位置決めされている。位置決め部74の夫々は、天板部72から延びる部位であり、曲げ形成する際、天板部72に対して正確に位置決めできる。また、天板部72は、連続した1枚の平板形状を有しており、2つの位置決め部74の間のY方向における距離は変動し難い。
【0046】
詳しくは、
図1及び
図12を参照すると、連結部材70の2つの受止部744のY方向内側の面の間のY方向における距離寸法は、コネクタ20を連結部材70に取り付ける前後において寸法W3であり、基本的に変わらない。即ち、コネクタ組立体10において、2つのコネクタ20は、寸法W3によって規定される正確な距離だけ互いに離れるように位置決めできる。詳しくは、
図6及び
図12を参照すると、2つのコネクタ20の外側平面部54は、寸法W3だけ互いに離れるように位置決めできる。加えて、2つのコネクタ20の内側平面部52は、寸法W1及び寸法W3によって規定される距離だけ互いに離れるように位置決めできる。連結部材70は、上述のように、2つのコネクタ20の間の距離のばらつきを抑えるための新たな構造を有している。
【0047】
図9を参照すると、本実施の形態の連結部材70は、前述した様々な補強部(補強部77、補強部78及び複数のリブ750)によって補強されており、寸法W3(
図12参照)を、より確実に維持できる。但し、本発明は、これに限られず、補強部は、必要に応じて、連結部材70の適切な部位に適切な形状で設ければよい。
【0048】
図9、
図10及び
図13を参照すると、本実施の形態によれば、連結部材70をY方向に沿って見たとき、位置決めセット74Sの夫々において、位置決め部74は、弾性部76全体を隠しており、弾性部76は、視認できない。換言すれば、位置決めセット74Sの夫々において、弾性部76のXZ平面における位置は、位置決め部74のXZ平面における位置と重なっている。
図6を参照すると、この配置により、弾性部76の夫々は、対応するコネクタ20を、対応する位置決め部74に確実に押し付けることができる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、連結部材70をY方向に沿って見たとき、位置決めセット74Sの夫々において、位置決め部74と弾性部76とは、少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0049】
図11を参照すると、本実施の形態によれば、位置決めセット74Sの夫々において、位置決め部74のX方向における中心位置は、端板部728のX方向における中心位置CPと一致しており、弾性部76のX方向における中心位置も、中心位置CPと一致している。即ち、X方向において、全ての位置決め部74についての中心位置CPは、全ての弾性部76についての中心位置CPと一致している。
【0050】
図6を参照すると、上述の配置により、弾性部76の夫々は、対応するコネクタ20を、対応する位置決め部74に更に確実に押し付けることができる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、
図11を参照すると、X方向において、位置決めセット74Sの一方における弾性部76及び位置決め部74の中心位置は、位置決めセット74Sの他方における弾性部76及び位置決め部74の中心位置と異なっていてもよい。また、位置決めセット74Sの夫々は、2つ以上の弾性部76を有していてもよい。この場合、2つ以上の弾性部76全体についてのX方向における中心位置は、位置決め部74のX方向における中心位置と一致していてもよい。
【0051】
図6を参照すると、本実施の形態において、弾性部76の夫々は、対応するコネクタ20を、対応する位置決め部74の受止部744に押し付けている。
図6及び
図7を参照すると、コネクタ20の夫々において、シェル50の外側平面部54は、対応する位置決め部74の受止部744と接触しており、シェル50の内側平面部52は、対応する弾性部76の押圧部764と接触している。
【0052】
本実施の形態によれば、外側平面部54及び受止部744のY方向内側の面の夫々は、Y方向と直交する平面である。外側平面部54は、受止部744のY方向内側の面と面接触し、受止部744をY方向外側に向かって確実に押圧する。加えて、内側平面部52は、Y方向と直交する平面であるため、押圧部764は、内側平面部52をY方向外側に向かって確実に押圧する。但し、本発明は、これに限られない。例えば、前述したように、内側平面部52、外側平面部54及び受止部744のY方向内側の面の夫々は、Y方向と斜交する傾斜平面であってもよい。特に、受止部744及び外側平面部54の夫々は、Y方向と斜交する同じ平面に沿って延びていてもよい。また、シェル50は、平面形状の内側平面部52及び外側平面部54に代えて、僅かに湾曲した面を有していてもよい。
【0053】
図12及び
図13を参照すると、本実施の形態によれば、連結部材70をY方向に沿って見たとき、位置決めセット74Sの夫々において、受止部744は、押圧部764全体を隠しており、押圧部764は、視認できない。換言すれば、位置決めセット74Sの夫々において、押圧部764のXZ平面における位置は、受止部744のXZ平面における位置と重なっている。この構造により、押圧部764の夫々は、対応するコネクタ20を、対応する受止部744に確実に押し付けることができる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、連結部材70をY方向に沿って見たとき、位置決めセット74Sの夫々において、受止部744と押圧部764とは、少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0054】
図1を参照すると、コネクタ20が連結部材70に取り付けられた時点において、コネクタ組立体10は、コネクタ20の夫々が弾性力のみによって連結部材70に仮保持された仮保持状態にある。連結部材70が仮保持状態にあるとき、コネクタ20及び連結部材70は、互いに分離可能である。
【0055】
図5を参照すると、コネクタ20の夫々は、連結部材70に仮保持された後、連結部材70に固定され、これにより、連結部材70は、コネクタ20の夫々が連結部材70に分離不能に固定された保持状態になる。本実施の形態によれば、連結部材70が保持状態にあるとき、コネクタ20の夫々において、シェル50は、連結部材70に固定されている。詳しくは、本実施の形態において、シェル50の夫々は、連結部材70の天板部72の複数の被溶接部730にレーザ溶接されて固定されている。但し、本発明は、これに限られず、コネクタ20の夫々は、様々な方法で連結部材70に固定できる。例えば、コネクタ20がシェル50を備えていない場合、コネクタ20の保持部材30を、連結部材70に接着固定してもよい。
【0056】
本実施の形態は、既に説明した変形例に加えて、以下に説明するように、更に様々に変形可能である。
【0057】
図6を参照すると、弾性部76の構造は様々に変形可能である。例えば、弾性部76の夫々は、下方に延びた後に上方に向かって折り曲げられていてもよい。また、弾性部76の夫々は、対応する端板部728の後端から前方に向かって延びていてもよい。また、連結部材70は、連結部材70の一部である2つの弾性部76に代えて、連結部材70と別体のバネ部材を備えていてもよい。このバネ部材は、Y方向に沿って延びる中心軸を有する1つのコイルばねであってもよい。コイルばねは、天板部72の下面(−Z側の面)に固定すればよい。この場合、コイルばねのY方向における両側部が、2つの弾性部として夫々機能する。即ち、位置決めセット74Sの一方は、位置決め部74と、コイルばねの両側部の一方とからなり、位置決めセット74Sの他方は、位置決め部74と、コイルばねの両側部の他方とからなる。
【0058】
図1を参照すると、コネクタ20のシェル50がバネ部56を有していない場合、連結部材70の端板部728の夫々をX方向に長く延ばして、対応するシェル50の上面全体を覆ってもよい。この場合、コネクタ20の夫々について、2以上の位置決めセット74Sを設けてもよい。
【0059】
図1を参照すると、コネクタ組立体10の使用時に、連結部材70を回路基板80(
図8参照)に直接接続してもよい。より具体的には、連結部材70は、回路基板80に固定される脚部を有していてもよい。連結部材70の脚部は、回路基板80に形成されたスルーホールに半田付けしてもよいし、回路基板80にネジ止めしてもよい。
【0060】
図2を参照すると、コネクタ20のシェル50の後側部58に代えて、連結部材70の端板部728の夫々に後側シールドを設けてもよい。後側シールドの夫々は、対応する端板部728から下方に延びて対応するコネクタ20を後方から覆えばよい。これに代えて、後側補強部78を+Y方向及び−Y方向に延ばして、2つのコネクタ20の後端を覆ってもよい。