特許第6886923号(P6886923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886923
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】感圧接着剤組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/22 20060101AFI20210603BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20210603BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20210603BHJP
   C08F 220/16 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   C08F2/22
   C09J201/00
   C09J11/08
   C08F220/16
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-550694(P2017-550694)
(86)(22)【出願日】2016年3月2日
(65)【公表番号】特表2018-515640(P2018-515640A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】US2016020430
(87)【国際公開番号】WO2016160250
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】62/141,100
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】メリンダ・エル・アインスラ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・アール・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ビー・グリフィス・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ネドウィック
【審査官】 藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−166090(JP,A)
【文献】 特開昭57−102976(JP,A)
【文献】 特開2002−256244(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0125459(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00−2/60、6/00−246/00、
251/00−283/00、283/02−289/00、
291/00−297/08、301/00
C09J 1/00−5/10、9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1のモノマー混合物、界面活性剤、及び開始剤を、水性媒体中に分散させることであって、前記第1のモノマー混合物が、少なくとも1つのモノマーを含み、かつ、−10℃〜−65℃の範囲の全ガラス転移温度(total glass transition temperature)(Tg)を有する、分散させることと、
b)前記第1のモノマー混合物が前記水性媒体中に分散されたときに、前記水性媒体に第2のモノマー混合物を添加することであって、前記第2のモノマー混合物が、少なくとも1つのモノマーを含み、前記第2のモノマー混合物が、前記第1のモノマー混合物のTgよりも少なくとも20℃高いTgを有する、添加することと、
c)前記第2のモノマー混合物が前記水性媒体中に分散されたときに、前記水性媒体に第3のモノマー混合物を添加することであって、前記第3のモノマー混合物が、少なくとも1つのモノマーを含み、前記第3のモノマー混合物が、−25℃〜50℃の範囲のTgを有する、添加することと、を含み、
前記Tgは、いずれもモノマー混合物から形成されるポリマーのTgである、ポリマーの製造方法。
【請求項2】
前記第1のモノマー混合物が、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のモノマー混合物が、スチレン、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(アルファメチル)スチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のモノマー混合物が、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビニルアセタート、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1で形成されたポリマーを含む、感圧接着剤。
【請求項6】
粘着付与剤をさらに含む、請求項5に記載の感圧接着剤。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年3月31日に出願された米国仮出願第62/141,100号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、感圧接着剤組成物、及びそれを製造する方法に関する。
【0003】
異なる最終用途での感圧接着剤の使用は、一般的に、知られている。感圧接着剤は、基材に対して十分な接着性と凝集性とを有さなければならない。接着剤は、圧力を加えると、瞬時に基材に接着しなければならない。変質するそのようなステップの間に、凝集性は作用し始め、ここで、低い凝集性が過度の滲出の現れであり得る。
【0004】
感圧接着剤は、粘着付与剤及び充填剤などの添加剤とポリマーとを混合することによって調製される。典型的に、接着力及び凝集力は互いに反目し合う。両方の特性を同時に改善することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、凝集力及び接着性が増大した感圧接着剤をもたらす調製プロセスが待望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
a)少なくとも1つのモノマーを含み、−10℃〜−65℃の範囲の全ガラス転移温度(total glass transition temperature)(Tg)を有する第1のモノマー混合物を、界面活性剤と開始剤と共に、水性媒体中に分散させることと、b)第1のモノマー混合物が完全に水性媒体中に分散されたときに、少なくとも1つのモノマーを含み、第1のモノマー混合物のTgよりも少なくとも20℃高いTgを有する第2のモノマー混合物を、水性媒体に添加することと、c)第2のモノマー混合物が完全に分散されたときに、少なくとも1つのモノマーを含み、−25℃〜50℃の範囲のTgを有する第3のモノマー混合物を、水性媒体に添加することと、d)第1、第2、及び第3のモノマー混合物を用いてポリマーを形成することと、を含む、方法が開示されている。
【0007】
この方法に従って形成されたポリマーを含む感圧接着剤も開示されている。
【0008】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の分散剤、1つ以上の増粘剤、1つ以上の顔料、1つ以上の充填剤、1つ以上の凍結防止剤、1つ以上の中和剤、1つ以上の可塑剤、1つ以上の粘着付与剤、1つ以上の接着促進剤、1つ以上の架橋剤、1つ以上の消泡剤、及びそれらの組み合わせをさらに含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
乳化重合は、例えば、米国特許第4,325,856号、同第4,654,397号、及び同第4,814,373号に開示されているような周知の方法である。
【0010】
第1のモノマー混合物は、少なくとも1つのモノマーを含む。幾つかの実施形態において、第1のモノマー混合物は、1つ以上のモノマーの混合物を含む。得られる第1のモノマー混合物は、−10℃〜−65℃の範囲の全ガラス転移温度(Tg)を有する。−10〜−65℃のあらゆる及び全ての温度は、本明細書に含まれ、かつ、本明細書に開示されており、例えば、第1のモノマー混合物は、−15℃〜−45℃、−20℃〜−40℃、または、−25℃〜−30℃の範囲の全Tgを有することができる。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「ガラス転移温度」または「Tg」とは、TA Instrument、New Castle、Delawareによって製造されたDSCQ2000で、−90℃〜150℃までを、20℃/分の速度で走査する示差走査熱量測定(DSC)によって決定される材料のガラス転移温度のことを指す。Tgとは、熱流量対温度の曲線の変曲点またはその微分のプロットでの最大値である。
【0012】
第1のモノマー混合物に使用できるモノマーの例として、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、C12〜C18アルキルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
第1のモノマー混合物全体が完全に分散した後、第2のモノマー混合物を分散液に添加する。本明細書で使用される場合、「完全に分散した」とは、第1のモノマー混合物の全てが、水性媒体に添加されたことを意味する。第1のモノマー混合物は、第2のモノマー混合物の添加前に完全に重合される必要はない。第2のモノマー混合物も、少なくとも1つのモノマーを含む。幾つかの実施形態では、第2のモノマー混合物は、1つ以上のモノマーの混合物を含む。得られる第2のモノマー混合物は、第1のモノマー混合物の全Tgよりも少なくとも20℃高い全Tgを有する。
【0014】
第2のモノマー混合物に使用できるモノマーの例として、スチレン、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(アルファメチル)スチレン、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
第2のモノマー混合物全体が完全に分散した後、第3のモノマー混合物を分散液に添加する。第3のモノマー混合物も、少なくとも1つのモノマーを含む。幾つかの実施形態では、第3のモノマー混合物は、1つ以上のモノマーの混合物を含む。得られる第3のモノマー混合物は、−25℃〜50℃の全Tgを有する。ある実施形態において、第3の混合物からのポリマー生成物の重量平均分子量は、50,000未満である。ある実施形態において、ポリマーは、実質的に、未架橋の材料からなる。
【0016】
第3のモノマー混合物に使用できるモノマーの例としては、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、及びこれらの組み合わせ、などのあらゆるアクリルまたはメタクリルモノマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
ポリマーの製造のためのプロセスにおいて使用するための開始剤は、熱開始剤または酸化還元系のいずれかとすることができる。熱開始剤として、過硫酸アンモニウムがあるが、これらに限定されない。開始剤を酸化還元系とする場合、還元剤は、アスコルビン酸、スルホキシレートまたはエリソルビン酸とすることができ、また、酸化剤は、過酸化物または過硫酸塩とすることができる。
【0018】
界面活性剤は、水または水溶液に溶解したときに表面張力を低下させる化合物であるか、あるいは、2つの液体の間、または、液体と固体との間の界面張力を低下させる化合物である。本発明の実施において安定な分散液を調製するのに有用な界面活性剤は、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、または、非イオン界面活性剤とし得る。アニオン性界面活性剤の例として、スルホナート、カルボキシレート、及びホスファートがあるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤の例として、第四級アミンがあるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例として、エトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタン誘導体、ラノリン誘導体、エトキシル化ノニルフェノール、または、アルコキシル化ポリシロキサンなどのエチレンオキシド及びシリコーン界面活性剤を含有するブロックコポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0019】
第1、第2、及び第3のモノマー混合物を一緒にしてポリマーを形成する。ポリマーは、同じ大きさ、または、異なる大きさのいずれかの複合粒子を有することができる。
【0020】
本開示の幾つかの実施形態において、上記の方法によって形成されたポリマーを含む感圧接着剤が提供される。感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の増粘剤、1つ以上の顔料、1つ以上の充填剤、1つ以上の凍結防止剤、1つ以上の中和剤、1つ以上の可塑剤、1つ以上の粘着付与剤、1つ以上の接着促進剤、1つ以上の架橋剤、1つ以上の消泡剤、及びそれらの組み合わせをさらに含み得る。
【0021】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の増粘剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、0.1〜5重量%の1つ以上の増粘剤を含み得る。0.1〜5重量%での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、増粘剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3または0.5重量パーセントの下限から、1、2、3、4または5重量パーセントの上限までとすることができる。このような増粘剤は、Dow Chemical Company、Midland、Michiganから商品名Acrysol(商標)、Celosize(商標)として市販されている。
【0022】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の顔料をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、0〜10重量%の1つ以上の顔料を含み得る。0〜10重量%での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、顔料の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4または5重量パーセントの下限から、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10重量パーセントの上限までとすることができる。そのような顔料として、DuPont、Wilmington、DE、USAから商品名Ti−Pure(商標)で市販されている二酸化チタンがあるが、これらに限定されない。
【0023】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の充填剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、0〜80重量%の1つ以上の充填剤を含み得る。0〜80重量%での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、充填剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30または40重量パーセントの下限から、15、20、25、35、45、55、65、75または80重量パーセントの上限までとすることができる。そのような充填剤としては、炭酸カルシウム、Imeyrys、Victoria、Australiaから商品名Drikalite(商標)として市販されているもの、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、セラミック微小球、ガラス微小球、粘土、及びフライアッシュなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の凍結防止剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、0.1〜2重量%の1つ以上の凍結防止剤を含み得る。0.1〜2重量%での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、凍結防止剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3または0.5重量パーセントの下限から、05、1、1.5または2重量パーセントの上限までとすることができる。本明細書で使用する場合、凍結防止剤は、極端な温度サイクルに曝されたときに分散液の凝固を典型的に防止する添加剤のことを指す。そのような凍結防止剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコールなどのグリコール類が挙げられるが、これらに限定されない。そのようなグリコール類は、Dow Chemical Company、Midland、Michiganから市販されている。
【0025】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の中和剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、0.1〜2重量%の1つ以上の中和剤を含み得る。0.1〜2重量%での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、中和剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3または0.5重量パーセントの下限から、05、1、1.5または2重量パーセントの上限までとすることができる。中和剤は、典型的には、pHを制御して、製剤された感圧接着剤組成物に安定性を付与するために使用される。そのような中和剤としては、水性アンモニアまたは水性アミン、あるいは、他の水性無機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の可塑剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、40重量%未満の1つ以上の可塑剤を含み得る。40重量%未満での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、可塑剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4または5重量パーセントの下限から、10、20、30または40重量パーセントの上限までとすることができる。そのような可塑剤は、ExxonMobil Chemical Company,Texas,USAから商品名Jayflex(商標)で市販されている。
【0027】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の粘着付与剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、50重量%未満の1つ以上の粘着付与剤を含み得る。50重量%未満での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、粘着付与剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4または5重量パーセントの下限から、10、20、30、40または50重量パーセントの上限までとすることができる。粘着付与剤の幾つかの例としては、非水素化脂肪族C樹脂、水素化脂肪族C樹脂、芳香族変性C樹脂、テルペン樹脂、水素化C樹脂、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、第3のモノマー混合物は、粘着付与剤の機能を提供する。
【0028】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の接着促進剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、5重量%未満の1つ以上の接着促進剤を含み得る。5重量%未満での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されている。例えば、接着促進剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3または4重量パーセントの下限から、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5重量パーセントの上限までとすることができる。
【0029】
感圧接着剤組成物は、任意で、1つ以上の膜清澄助剤をさらに含み得る。感圧接着剤組成物は、5重量%未満の1つ以上の膜清澄助剤を含み得る。5重量%未満での全ての個々の数値及び部分的範囲は、本明細書に含まれており、かつ、本明細書に開示されており、例えば、膜清澄助剤の重量パーセントを、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3または4重量パーセントの下限から、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5重量パーセントの上限までとすることができる。例示的な膜清澄助剤として、Eastman Chemicalから商品名Optifilm(商標)Enhancer 400として市販されているものがあるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0030】
本発明を、本発明の実施例及び比較例を示してさらに詳細に説明するが、本発明の範囲が、これらの例に限定されるものではない、ことは勿論である。
【0031】
例1
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.57g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.85g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、72.8g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィード(cofeed)を開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.2g)、アクリル酸(0.8%BOM、21g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.8g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,870g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、157.2g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、423g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.8g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、27.4g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階が加えられた。第2の段階は、スチレン(1.6%BOM、41.9g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.5g)、ブチルアクリレート(5%BOM、131.4g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、394.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、10.1g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.5g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.3g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0032】
例2
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.57g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.85g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、72.8g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.2g)、アクリル酸(0.8%BOM、21g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.8g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,870g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、157.2g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、423g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.8g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、27.4g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階が加えられた。第2の段階は、メチルメタクリレート(1.6%BOM、41.9g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.5g)、ブチルアクリレート(5%BOM、131.4g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、394.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、10.1g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.5g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.3g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0033】
例3
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.57g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.85g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、72.8g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.2g)、アクリル酸(0.8%BOM、21g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.8g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,870g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、157.2g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、423g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.8g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、27.4g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階が加えられた。第2の段階は、ブチルメタクリレート(1.6%BOM、41.9g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.5g)、ブチルアクリレート(5%BOM、131.4g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、394.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、10.1g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.5g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.3g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0034】
例4
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.57g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.85g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、72.8g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.2g)、アクリル酸(0.8%BOM、21g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.8g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,870g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、157.2g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、423g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.8g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、27.4g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階が加えられた。第2の段階は、イソボルニルメタクリレートスチレン(1.6%BOM、41.9g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.7g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.5g)、ブチルアクリレート(5%BOM、131.4g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、394.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、10.1g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.5g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.3g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0035】
例5
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(72.25%BOM、1,850g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階が加えられた。第2の段階は、スチレン(0.4%BOM、10.19g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(5%BOM、127.8g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、353.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0036】
参考例
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,818g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、バッチを、その温度で保った。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(5%BOM、127.8g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、353.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、第3の段階が加えられた。第3の段階は、スチレン(1.6%BOM、40.76g)からなっていた。バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃
未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0037】
例7
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1818g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、バッチを、その温度で保った。15分後、スチレン(1.6%BOM、40.76g)からなる第2の段階を、ケトルに添加した。ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(5%BOM、127.8g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、353.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0038】
比較例1
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1,818g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、スチレン(1.6%BOM、40.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、その温度を保った。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(5%BOM、127.8g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、353.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0039】
比較例2
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(72.25%BOM、1,850g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、その温度を保った。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(4.6%BOM、117.4g)、ブチルメタクリレート(13.62%BOM、353.3g)、スチレン(1.6%BOM、41.7g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0040】
比較例3
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.57g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(504g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.7g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(71.1%BOM、1818g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階を加えた。第2の段階は、スチレン(1.6%BOM、40.7g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。供給を終えると、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0041】
例8
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(504g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(68.7%BOM、1,757.5g)、メチルメタクリレート(6.0%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、第2の段階を加えた。第2の段階は、スチレン(4.0%BOM、101.9g)からなっていた。15分後、ケトルを75℃にまで冷却し、そして、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)を、ケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、テトラナトリウム1,1−ジホスホナトエタノール(0.002%、0.
1g)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、ブチルアクリレート(5%BOM、127.8g)、ブチルメタクリレート(15%BOM、353.3g)、3−メチルメルカプトプロピオナート(0.38%BOM、9.8g)、及び水(105.7g)からなり、20分間。一方のコフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。モノマーエマルジョンフィードの間、温度を、74−76℃に制御した。モノマーエマルジョンを一旦終えたら、バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0042】
比較例5
炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を、緩衝剤として、オーバーヘッド攪拌器、温度計、及び還流冷却器を備え、窒素掃引をした、水(518g)の96℃ケトルチャージに対して加えた。続いて、開始剤としての過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)、及び初期粒子サイズを設定するためのプリフォームシードチャージ(100nmの開始粒子サイズ、1.251%のBOM、70.79g)を加えた。モノマーエマルジョンフィード及びコフィードを開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2%、5.1g)、アクリル酸(1.0%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシル化アルコール半エステル(0.17%、14.3g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、ブチルアクリレート(91.23%BOM、1,859g)、メチルメタクリレート(7.52%BOM、152.8g)、及び水(全モノマーエマルションの16.8%、411g)からなり、75分間、供給した。過硫酸アンモニウム(0.173%BOM、4.6g)のコフィードを、75分間、供給した。反応の温度を、88−90℃の間に制御した。モノマーエマルションフィードの途中で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)の切片をケトルに加えた。モノマーエマルジョンの添加が一旦完了すると、その温度を保った。15分後、コフィードは、t−ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、50分間、供給した。他のコフィードは、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、50分間、供給した。バッチを65℃にまで冷却した。次いで、エマルジョンを、pHが7になるまで、水酸化アンモニウムで中和した。中和の後、バッチを35℃未満にまで冷却し、そして、100メッシュで濾過した。
【0043】
試料を、2mlのPET(Chemsultants)に直接コーティングし、実験室オーブン内で、80℃で、5分間乾燥し、次いで、RP−12剥離ライナーに閉じ込んだ。サンプルを、20g/mの塗膜重量で調製した。それらを、試験前に、23℃及び50%の相対湿度で平衡化した。1インチストリップを切断し、そして、ステンレス鋼(SS)または高密度ポリオレフィン(HDPE)パネル(Chemsultantsから入手可能)のいずれかに貼り付けた。サンプルは、剥離を測定する前に、SS上で20分間(Dwell)、または、HDPE上で24時間平衡化させた。剥離は、PSTC試験方法101に従って測定した。剪断抵抗は、1インチ×1インチ形状で、かつ、1kgの重量で、及びPSTC試験方法107に従って測定した。重量が急落する時間が、剪断抵抗値である。
【0044】
これらの試験の結果を、以下の表に示す。
【0045】
【表1】